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selinexorが3クラス抵抗性多発性骨髄腫に有望/NEJM

 現在使用可能な治療に抵抗性の骨髄腫患者において、first-in-classのエクスポーチン1(XPO1)阻害薬selinexorと低用量デキサメタゾンの併用療法は、約4分の1の患者に客観的奏効をもたらすことが、米国・マウント・シナイ・アイカーン医科大学のAjai Chari氏らが行ったSTORM試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2019年8月22日号に掲載された。selinexorは、核外輸送複合体の選択的阻害薬であり、骨髄腫で過剰発現しているXPO1を阻害して腫瘍抑制蛋白の核内蓄積と活性化を促進し、核内因子κBを阻害するとともに、腫瘍蛋白メッセンジャーRNA翻訳を抑制する。selinexorは、現在の治療選択肢に抵抗性の骨髄腫患者において、新規治療薬となる可能性が示唆されている。selinexor+デキサメタゾンを週2回経口投与  本研究は、欧米の60施設が参加した多施設共同非盲検第IIb相試験であり、2015年5月~2018年3月の期間に患者登録が行われた(Karyopharm Therapeuticsの助成による)。 対象は、骨髄腫に罹患し、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、レナリドミド、ポマリドミド、ダラツムマブ、アルキル化薬による治療歴があり、1種以上のプロテアソーム阻害薬、1種以上の免疫調節薬、ダラツムマブに抵抗性(3クラス抵抗性)を示す患者であった。 被験者は、selinexor(80mg)+デキサメタゾン(20mg)を週2回経口投与された。治療は、病勢進行、死亡、毒性による治療中止となるまで継続された。 主要評価項目は全奏効(部分奏効以上と定義)とし、独立評価委員会による判定が行われた。副次評価項目は、奏効期間、臨床的利益(最小奏効以上と定義)、無増悪生存期間、全生存期間とした。selinexor+デキサメタゾンの全奏効率26%、CAR-T後再発例で部分奏効達成 122例を修正intention-to-treat集団、123例を安全性解析集団とした。年齢中央値は65.2歳(範囲40~86)、男性が58%で、前治療レジメン数中央値は7(3~18)であった。患者の53%が、高リスクの細胞遺伝学的異常を有していた。 selinexor+デキサメタゾン併用療法による部分奏効以上は、32例(26%、95%信頼区間[CI]:19~35)で観察された。内訳は、厳格な完全奏効が2例(2%)で達成され、最良部分奏効が6例(5%)、部分奏効が24例(20%)であった。CAR-T療法施行後に再発した2例はいずれも部分奏効を達成した。最小奏効は16例(13%)で、48例(39%)は安定であったのに対し、病勢進行または評価不能は26例(21%)であった。最小奏効以上は48例(39%)だった。 selinexor+デキサメタゾン併用療法で部分奏効以上に達するまでの期間中央値は4.1週、奏効期間中央値は4.4ヵ月であった。また、無増悪生存期間中央値は3.7ヵ月、全生存期間中央値は8.6ヵ月であった。部分奏効以上または最小奏効以上の患者の全生存期間中央値は15.6ヵ月だった。 selinexor+デキサメタゾン併用療法の頻度の高い非血液学的有害事象として、疲労(73%)、悪心(72%)、食欲不振(56%)が認められたが、Grade1または2が多かった。血液学的有害事象では、血小板減少(73%)の頻度が高かった(Grade3は25%、Grade4は33%)。血小板減少に起因するGrade3以上の出血イベントが、6例にみられた。67%に貧血が認められた。 著者は、「この試験結果は、いくつかの理由で注目に値する」とし、(1)腎機能低下、血小板減少、好中球減少がみられる患者も登録可、(2)対象は、中央値で10種の抗骨髄腫薬を含む中央値7レジメンという強力な前治療歴があり、(3)骨髄腫の進行が急激で、スクリーニングから初回治療までの12日間に疾病負荷が22%も増加した患者である点などを挙げている。

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がんサバイバーの多くが中長期のCVDリスク増加/Lancet

 がんサバイバーのほとんどで、がん部位別でかなり違いはあるものの、一般集団と比較して心血管疾患の中~長期リスクの増加が確認された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のHelen Strongman氏らが、がんサバイバーにおける心血管リスクの定量化を目的とする電子医療記録データベースを用いたコホート研究の結果を報告した。過去数十年で、がんの生存率は顕著に改善してきたが、サバイバーの長期的な心血管リスクについては懸念が指摘されている。しかし、さまざまながんサバイバーにおける心血管疾患の予防や管理に関するエビデンスが不足していた。Lancet誌オンライン版2019年8月20日号掲載の報告。英国の大規模臨床データベースを用い、がんサバイバー約10万人について解析 研究グループは、英国の入院やがん登録のデータベースと連携しているUK Clinical Practice Research Datalink(CPRD GOLD)を用い、一般的な20種類のがんについて診断後12ヵ月時点で生存している18歳以上のサバイバー、ならびに年齢、性別などをマッチさせたがんの既往がない対照群のコホートを特定し、Coxモデルによりさまざまな心血管疾患のリスクを比較した。 交互作用を適合させ効果修正を行い、フレキシブル・パラメトリック生存モデルで経時的な過剰絶対リスクを推定した。 1990年1月1日から2015年12月31日の期間で、1年以上の追跡調査を受け対象がんの診断を受けた患者12万6,120例と、対照群の患者63万144例が特定され、除外基準に合致した症例を除き、がんサバイバー群10万8,215例と対照群52万3,541例が主要解析に組み込まれた。血液、食道、肺、腎、卵巣等のがんサバイバーで心不全や心筋症のリスクが増加 静脈血栓塞栓症のリスクは、対照群と比較して、20種類のがんのうち18種のサバイバー群で増加した。補正ハザード比(aHR)の範囲は、前立腺がん患者の1.72(95%信頼区間[CI]:1.57~1.89)から、膵臓がん患者の9.72(95%CI:5.50~17.18)にわたっていた。aHRは経時的に減少したものの、診断後5年超は増加が続いていた。 20種類のがんのうち、10種のがんサバイバーで心不全や心筋症のリスクが増加することが確認された。それぞれのaHR(95%CI)は、非ホジキンリンパ腫1.94(1.66~2.25)、白血病1.77(1.50~2.09)、多発性骨髄腫3.29(2.59~4.18)、食道がん1.96(1.46~2.64)、肺がん1.82(1.52~2.17)、腎がん1.73(1.38~2.17)、卵巣がん1.59(1.19~2.12)などであった。 不整脈、心膜炎、冠動脈疾患、脳卒中、心臓弁膜症のリスク増加は、血液悪性腫瘍などで同様に確認された。心不全または心筋症、および静脈血栓塞栓症のHRは、心血管疾患の既往歴がない患者および若年患者において高かった。しかし、過剰絶対リスクは、年齢の上昇に伴い徐々に増加し、これらのリスク増加は化学療法を受けた患者において最も顕著であった。 なお、著者は今回の研究の限界として、投与された化学療法の種類や投与量に関する情報がないこと、がんの再発、家族の心血管疾患歴、人種、食事やアルコール消費量などの重要な情報に関する信頼できるデータがなかったことなどを指摘している。

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医師は仕事でSNSを使っている? 会員医師アンケート

「仕事上で最も利用している」のはYouTube多くの人が日常的に使っているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。人によっては、仕事上の情報収集・情報発信の目的で利用しているケースもある。では、医師の場合、研究や日常診療に役立つ情報を収集するために、どのSNSを利用しているのだろうか。ケアネットでは、2019年7月にCareNet会員医師を対象にSNS利用動向についてのアンケートを行った。アンケートは、2019年7月4日(木)~19日(金)の期間にインターネットで行われ、会員医師400人(20~30代・40代・50代・60代以上の各年代100人)から回答を得た。SNSの種類をFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeの4つに絞ったうえで、それぞれについて「書き込み・投稿する」「閲覧のみ」「まったく利用しない」を選択してもらった(仕事上の利用動向調査を主目的としたため、プライベートでの利用が多いことが想定されるLINEは選択肢から除外した)。次に「4つのうち、仕事上で最も利用しているSNS」を選択してもらい、併せてその理由を聞いた。「書き込み・投稿する」と回答した人が最も多かったSNSはFacebookで14.2%、続いてTwitterで9.7%だった。特徴的な結果となったのがYouTubeで、「書き込み・投稿する」と答えた人は9.2%とTwitterと大きな差はなかったが、「閲覧のみ」と答えた人が71.5%と、ほかのSNSと比べて突出して多かった。「仕事上で最も利用しているSNS」への回答でもYouTubeが57%と最も多く、その理由しては「動画が診療に役立つ」との声が多く挙がった。一方、「仕事上では利用しない」「エビデンスの乏しい情報が多い」と情報の正確性を危惧し、「利用には慎重になる」という意見もあった。回答者は男性90%、20床以上が75%回答者400人(4区分の年代別に各100人)の内訳は、男性が90%、病床数別では、20床以上が約3/4だった。画像を拡大する「閲覧のみ」の利用率はYouTubeが突出して高いFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeの4つのSNSの利用状況について、「利用している/書き込み・投稿する」「利用している/閲覧のみ」「利用していない」の3つから選択してもらった。「書き込み・投稿する」と回答した人数が最も多かったのはFacebookで14.2%(57人)、続いてTwitterで9.7%(39人)だった。YouTubeは、「書き込み・投稿する」と答えた人は9.2%(37人)とTwitterと大きな差はなかったが、「閲覧のみ」と回答した人が71.5%(286人)と、ほかのSNSに比べて突出して多かった点が特徴的だった。Instagramは「書き込み・投稿する」と「閲覧のみ」を合計しても109人と、最も利用者が少なかった。画像を拡大する世代別の差が少ないFacebook・YouTube、若年層中心のTwitter・Instagram年代別に見ると、どのSNSも年齢層が上がるにつれ「利用していない」比率が増える傾向はあるものの、Facebookはどの年代でも利用者と非利用者の比率が拮抗していた。YouTubeも年代を問わずに利用されているが、利用の仕方は「閲覧のみ」とする人が多かった。一方、Twitter・Instagramでは「書き込み・投稿する」ユーザーは、40代までの比較的若い層に偏っていた。画像を拡大する画像を拡大する女性のほうが利用に積極的利用者の比率を男女別で見たところ、大きな差は見られないケースが多かったものの、Twitterの利用率(書き込み・投稿する:女性20% vs.男性8%、閲覧のみ:女性28% vs.男性24%)、Instagramの利用率(書き込み・投稿する:女性18% vs.男性5%、閲覧のみ:女性25% vs.男性20%)などで女性のほうが高かった。画像を拡大する「仕事に使っている」のはYouTube「4つのSNSのうち、診療に関する情報を集めるために最も頻繁に使っているものを1つ選んでください」という設問では、YouTubeが57%(227人)で圧倒的な1位となった。続いてFacebookが23%(91人)、Twitterが11%(45人)となり、Instagramは2%(9人)だった。画像を拡大する診療科別では内科系でYouTubeの比率高い上記質問の回答を診療科別(内科系・外科系・その他)で分類したところ、内科系ではほかと比べてYouTubeの比率が高く、「手技の動画が便利」(内科・40代・男性)、「動画主体でわかりやすい」(呼吸器内科・30代・男性)といった声が挙がった。内科系では開業医の比率が高いことから勤務医よりも幅広い診療情報を求める傾向がある、とも考えられる。一方、外科系ではYouTubeの比率が相対的に低かった。「その他」ではTwitterの比率が最も高かったが、ここには臨床研修医が一定数含まれており、年代的な偏りが反映されているのかもしれない。画像を拡大する【分類詳細】内科系: 内科、神経内科、循環器内科、消化器内科、血液内科、呼吸器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、総合診療科外科系: 外科、整形外科、消化器外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科その他: 小児科、精神科、放射線科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、眼科、皮膚科、臨床研修医リアルのつながり維持するFacebook、多様性&専門性のTwitter最後に「仕事で最も頻繁に使っているSNS」で、それぞれを選んだ理由について聞いた。利用者の最も多かったYouTubeでは、「診察手技や患者の所見の動画を見ることがある」(内科・30代・男性)「手技や神経学的徴候の参考にするため」(神経内科・30代・女性)「テキストではわかりにくい手技の実際や解説を動画で確認することがある」(その他・40代・男性)「オペ動画を見るため」(耳鼻咽喉科・50代・男性)といったように、診療や手術の動画を手軽に見られる、という利便性を挙げる声が多かった。Facebookを選んだ人からは、「医療関係者とつながっているSNSであるため」(小児科・30代・男性)「医師が実名で情報提供・情報共有をしているから」(その他・30代・女性)「年配の先生が使っている場合も多いため」(臨床研修医・20代・女性)といったように、リアルでつながりがある医師や職場の同僚・上司の発言をフォローしておくため、実名制で著名な医師の発言を検索できるため、医療者同士のFacebookグループに入っているから、といった理由が挙がった。Twitterを選んだ人からは、「その分野で権威のある方の意見を聞けるから」(外科・30代・男性)「勝手に情報が流れてくる。本音が聞けて面白い」(精神科・男性・40代)「専門家が集結するから」(放射線科・20代・男性)と、直接の知り合いではなくても有名医師の意見やそれに対するディスカッションを見ることができる、多くの専門家の意見を知ることができる、といった理由が挙がった。匿名でも使えることから、より本音に近い内容が見られたり、議論が盛り上がりやすかったり、という点を評価する人も多いようだ。Instagramは利用者自体が限られ、利用もプライベート目的がほとんどの様子。仕事上の情報収集・発信には、まだほとんど使われていないようだ。YouTube以外は「利用していない」が半数超「閲覧のみ」の利用者が7割を超えたYouTube以外では、「利用していない」との回答者が全体の半数を超えた。全体を通して目立ったのは、「診療に関する情報を集めるためには使っていない」(小児科・40代・男性)「エビデンスがない情報が多い」(精神科・60代・男性)「参考程度にしている」(循環器内科・60代・男性「実際に診療に使うことはほとんどない」(外科・60代・男性)といった「SNSと仕事には一定の距離を置いている」という声だ。SNSの炎上リスクはもとより、守秘義務事項が多い仕事特性、多忙さ、勤務中にPC・スマートフォンを操作できる状況にある人が少ない、といった医師特有の事情も相まって、仕事に関して積極的にSNSを利用する医師はごく一部にとどまっている様子がうかがえる。欧米では著名医師や研究室、ジャーナルなどがSNSを積極的に利用している例が多く、公式アカウントの開設・運営や限定公開設定の利用などによって、日本でも医師のSNS利用はもう少し広がる余地がありそうだ。実際、2019年の日本循環器学会学術集会では講演内容をTwitterで投稿する、日本抗加齢医学会総会では専用ハッシュタグを作って会期中にTwitterでの投稿を促すなど、SNS活用の取り組みが広がっている。参考までに、総務省が行った全国規模のネット利用動向調査※1内の各SNSの利用動向と今回の結果を比較した。すると、各SNSツールの利用動向では、「自ら情報発信や発言を積極的に行っている」とする人はFacebook:5.3%(今回の医師調査:14.2%)、Twitter:7.7%(同:9.7%)、Instagram:3.9%(同:6.5%)といずれも医師調査で高くなっており、「利用はしているが閲覧中心」とする利用者の比率も、すべてのSNSにおいて医師調査のほうが高かった※2。「積極的には使っていない」という慎重派が多いとはいえ、日本全体の平均値と比較した場合には、医師群の利用率の高さを予測できる結果となった。※1「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018年)※2「利用はしているが閲覧中心」:今回の医師調査では「利用している/閲覧のみ」の回答者、総務省統計は「自ら情報発信や発言することよりも他人の書き込みや発言等を閲覧することのほうが多い」「ほとんど情報発信や発言せず、他人の書き込みや発言等の閲覧しか行わない」の回答者を合計したもの。

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慈善団体の患者支援プログラム、経済的困窮者の多くが対象外/JAMA

 米国の大規模な独立慈善団体が運営する疾患別患者支援プログラム(274件)の97%が、無保険患者を対象外としており、また、プログラムがカバーしている医薬品の年間薬剤費はカバー対象外の医薬品と比べ3倍以上であることが、同国ジョンズホプキンス大学のSo-Yeon Kang氏らの調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年8月6日号に掲載された。米国の独立慈善団体による患者支援プログラムは、高額な処方薬への患者アクセスを改善するが、最近の連邦政府の調査では、薬剤費の増大や反キックバック法違反の疑いが生じている。また、これらプログラムの構成や患者の適格基準、カバーされる医薬品の詳細はほとんど知られていないという。6つの慈善団体のプログラムの記述的横断研究 研究グループは、米国の独立慈善団体による患者支援プログラムの適格基準と、プログラムによってカバーされている医薬品の詳細を調査する目的で、記述的横断研究を行った(Arnold Venturesの助成による)。 調査対象は、2018年において、メディケア加入者に限定せずに患者支援プログラムを提供する、6つの大規模な独立慈善団体(CancerCare Co-Payment Assistance Foundation、Good Days、The HealthWell Foundation、The PAN Foundation、The Patient Advocate Foundation Co-Pay Relief、Patient Services Incorporated)であり、274件の疾患別の患者支援プログラムを提供していた。 医薬品を同定するために、Medicare Part D Drug Spending Dashboardで報告されるあらゆる使用医薬品と、2016年のメディケア受給者1人当たりの支出額が1万ドル超であったあらゆる特許切れ先発医薬品についてサブグループ解析を行った。 主要アウトカムは、患者支援プログラムの特性(支援のタイプ[支払金の補助、健康保険料補助]、健康保険要件の有無、所得の適格条件など)とした。副次アウトカムは、患者支援プログラムがカバーしている医薬品のコスト(薬剤費)、およびカバーしている高額な特許切れ先発医薬品vs.代用可能な後発医薬品の比較などであった。プログラム対象医薬品の年間薬剤費中央値は1,157ドル、対象外医薬品は367ドル 解析に含まれた6つの独立慈善団体の2017年の収入総額は、2,400万~5億3,200万ドルであった。また、患者支援プログラムの支出総額は2,400万~3億5,300万ドルであり、収入に占める支出の割合は平均86%であった。 これらの団体によって提供された274件の患者支援プログラムのうち、168件(61%)が支払金補助の提供のみを、9件(3%)が健康保険料補助の提供のみを行っており、90件(33%)はいずれか一方を選択可能であった。また、最も多かった保障対象の治療領域はがんまたはがん治療関連症状(113件[41%])と、遺伝性疾患/希少疾患(93件[34%])であった。 267件(97%)のプログラムが、適格基準として保険加入を求めていた(無保険の患者は対象外)。また、259件(94%)のプログラムが、所得(年収)要件として連邦貧困水準の400%(119件[43%]、個人の場合は4万8,560ドル、4人家族では10万400ドル)または500%(140件[51%]、6万700ドル、12万5,500ドル)を設けていた。 プログラム(123件)がカバーしている医薬品の年間受益者当たり薬事費の中央値は1,157ドル(IQR:247~5,609)と、カバー対象外の同薬剤費367ドル(100~1,500)の315%に相当し、高額であった。 特許切れの先発医薬品(薬剤費>1万ドル)は、平均3.1(SD 2.0)件の患者支援プログラムでカバーされていたのに対し、後発医薬品をカバーするプログラムは平均1.2(1.0)件であった。たとえば、ボルテゾミブの先発品をカバーするプログラムは8件であったのに対し、その後発品をカバーするプログラムは1件のみだった。 著者は「これらの知見により、プログラムのいくつかの特徴が、経済的に困窮した患者への有益性を制限し、高額な薬剤の使用を強化している可能性が示唆される」としている。

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HIV感染症の治療も、過ぎたるは猶及ばざるが如し(解説:岡慎一氏)-1098

 HIV感染症治療で、4剤併用療法と3剤併用療法のどちらが効果があるかを比較したRCTに関するsystematic review and meta-analysisである。 1987年初めて開発された抗HIV薬がAZTであった。当然単剤治療であり、その治療効果は半年しか持たなかった。1990年代に入り、AZT+ddIやAZT+3TCなどの核酸系逆転写酵素阻害薬2剤による併用療法が可能になった。しかし、やはりその効果は長く続かなかった。薬剤耐性ウイルスが原因であった。ところが、1996年後半からプロテアーゼ阻害薬もしくは非核酸系逆転写酵素阻害薬が追加され3剤併用療法になった途端、HIV感染者の予後は劇的に改善した。耐性ウイルスが出にくくなったからである。しかし、当時の3剤併用療法も現在のものに比べれば治療効果は劣り、治療失敗例も少なからずあった。このため、4剤併用療法にしてさらなる改善を目指したのであろう。解析された論文の多くは2010年以前のものである。多くのプロトコールが考えられたのは2000年以前であろう。今では考えられないような、いやむしろ禁忌といえるような組み合わせの併用療法が散見される。当然結果は3剤併用療法を上回ることはなかった。もし、もっと続けていれば、重篤な副作用が多発したであろう。過ぎたるは猶及ばざるが如し、である。 現在の治療薬の進歩は著しく、1日1回1錠で治療は完結する。もちろん、3つの薬剤の成分が合剤となっているのである。毎日服用してくれさえすれば、ほぼ治療失敗のことを考える必要もなくなっている。むしろ、この強力な薬剤を背景に2剤でも治療が可能ではないかという研究が、盛んに行われるようになっている。再び2剤併用療法の時代へ先祖返りするかもしれない。 なぜ、この時代に、このようなsystematic review and meta-analysisを行ったのか? それが問題だ。

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70歳以下のCLLの1次治療、イブルチニブ+リツキシマブ併用が有効/NEJM

 70歳以下の未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者の治療において、イブルチニブ+リツキシマブ併用レジメンは標準的な化学免疫療法レジメンと比較して、無増悪生存(PFS)と全生存(OS)がいずれも有意に優れることが、米国・スタンフォード大学のTait D. Shanafelt氏らが行ったE1912試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2019年8月1日号に掲載された。70歳以下の未治療CLL患者の標準的な1次治療は、フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブによる化学免疫療法とされ、とくに免疫グロブリン重鎖可変領域(IGHV)の変異を有する患者で高い効果が確認されているが、重度の骨髄抑制や、わずかながら骨髄異形成のリスクがあるほか、T細胞免疫抑制による日和見感染などの感染性合併症を含む毒性の問題がある。ブルトン型チロシンキナーゼの不可逆的阻害薬であるイブルチニブは、第III相試験において、フレイルが進行したため積極的な治療を行えない未治療CLL患者でPFSとOSの改善が報告されているが、70歳以下の患者の1次治療のデータは少ないという。米国の無作為化第III相試験の中間解析の結果を報告 本研究は、米国で実施された多施設共同非盲検無作為化第III相試験であり、2014年3月~2016年6月の期間に患者登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]とPharmacyclicsの助成による)。 対象は、年齢70歳以下の未治療のCLLまたは小リンパ球性リンパ腫(SLL)の患者であり、17p13欠失を有する患者はフルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブへの反応が低いため除外された。 被験者は、イブルチニブを単独で1サイクル投与後にイブルチニブ+リツキシマブを6サイクル投与し、その後はイブルチニブを病勢進行まで投与する群、またはフルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブによる化学免疫療法を6サイクル施行する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントはPFSであり、副次エンドポイントはOSとした。この論文では、予定されていた中間解析の結果が報告された。病勢進行/死亡リスクが65%、死亡リスクが83%低減 529例が無作為化の対象となり、イブルチニブ+リツキシマブ群に354例、化学免疫療法群には175例が割り付けられた。全体の平均年齢は56.7±7.4歳、女性が32.7%で、IGHV変異陽性例は28.9%であった。19例がプロトコールで規定された治療を開始しなかった。 追跡期間中央値33.6ヵ月の時点で、3年PFS率はイブルチニブ+リツキシマブ群が89.4%(95%信頼区間[CI]:86.0~93.0)と、化学免疫療法群の72.9%(65.3~81.3)に比べ有意に優れ(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.35、95%CI:0.22~0.56、p<0.001)、プロトコールで規定された中間解析の有効性の閾値を満たした。 3年OS率も、イブルチニブ+リツキシマブ群が化学免疫療法群よりも良好であった(98.8% vs.91.5%、死亡のHR:0.17、95%CI:0.05~0.54、p<0.001)。 PFSの事前に規定されたサブグループ解析では、11q22.3欠失例を含め、すべてのサブグループでイブルチニブ+リツキシマブ群が良好であった。また、IGHV変異陰性例では、3年PFS率はイブルチニブ+リツキシマブ群が化学免疫療法よりも良好であったが(90.7% vs.62.5%、病勢進行または死亡のHR:0.26、95%CI:0.14~0.50)、IGHV変異陽性例では有意な差はなかった(87.7% vs.88.0%、0.44、0.14~1.36)。 一方、完全奏効の割合(17.2% vs.30.3%)および12サイクル時の微小残存病変(MRD)陰性の割合(8.3% vs.59.2%)は、イブルチニブ+リツキシマブ群のほうが低かった。 Grade3以上の有害事象(試験薬に起因しないものも含む)の頻度は両群でほぼ同等で、イブルチニブ+リツキシマブ群が352例中282例(80.1%)、化学免疫療法群は158例中126例(79.7%)に認められた。 Grade3以上の好中球減少(90例[25.6%]vs.71例[44.9%]、p<0.001)および感染性合併症(37例[10.5%]vs.32例[20.3%]、p=0.005)は、イブルチニブ+リツキシマブ群のほうが頻度は低かったが、Grade3以上の高血圧の頻度は高かった(66例[18.8%]vs.13例[8.2%]、p=0.002)。イブルチニブ+リツキシマブ群では、Grade3以上の心毒性が23例(6.5%)(心房細動/粗動13件、心臓性胸痛3件、上室頻拍2件、非致死的心不全2件、心膜液2件、洞徐脈1件、心室頻拍1件、非致死的心停止1件、心筋梗塞1件)に認められた。 著者は、「イブルチニブ治療の無期限の使用は、高額な費用および長期的な毒性作用の可能性と関連しており、薬剤耐性につながるクローン選択(clonal selection)のリスクを高める可能性もある」と指摘している。

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本邦初、高齢者のがん薬物療法ガイドライン発行/日本臨床腫瘍学会

 約3年をかけ、高齢者に特化して臓器横断的な視点から作成された「高齢者のがん薬物療法ガイドライン」が発行された。第17回日本臨床腫瘍学会学術集会(7月18~20日、京都)で概要が発表され、作成委員長を務めた名古屋大学医学部附属病院の安藤 雄一氏らが作成の経緯や要点について解説した。なお、本ガイドラインは日本臨床腫瘍学会と日本癌治療学会が共同で作成している。高齢者を一律の年齢で区切ることはせず、年齢幅を持たせて評価 本ガイドラインは「Minds 診療ガイドライン作成の手引き 2014」に準拠し、臨床試験のエビデンスとともに、益と害のバランス、高齢者特有の価値観など多面的な要因に基づいて推奨の強さが検討された。作成委員会からは独立のメンバーによるシステマティックレビュー、専門医のほか非専門医・看護師・薬剤師・患者からの委員を加えた推奨パネルでの投票により、エビデンスの強さ(4段階)と推奨の強さ(2段階+推奨なし)が決定されている。 対象となる高齢者については、一部のCQを除き具体的な年齢で示すことはしていない。各薬物療法の適応になる基本的な条件を満たしており、PS 0または1、明らかな認知障害を認めず、主な臓器に機能異常を認めない患者が対象として想定されている。“実臨床で迷うことが多い”という観点で12のCQを設定 12のクリニカルクエスチョン(CQ)は、CQ1が総論、CQ2~3が造血器、CQ4~6が消化管、CQ7~9が呼吸器、CQ10~12が乳腺という構成となっている(下記参照)。各CQは実臨床で遭遇し判断に迷うもの、そして臨床アウトカムの改善が見込まれるものという観点で選定。例えば呼吸器のCQ7は、予防的全脳照射(PCI)を扱っており、薬物療法ではないが、実臨床で迷うことが多く重要、との判断から取り上げられた。 推奨パネルでの投票で意見が割れ、最終的な決定にあたって再投票を実施したCQも複数あった。呼吸器のCQ8では、高齢者の早期肺がんに対する術後補助化学療法としてのシスプラチン併用について検討している。報告されている効果は5年生存率で+10%と小さく、1%の治療関連死が報告されている。判断について意見が分かれたが、最終的に、「実施することを明確に推奨することはできない(推奨なし)」とされている。 本ガイドラインでは、関連のエビデンス解説や推奨決定までの経緯についての記述を充実させており、巻末には各CQについて一般向けサマリーを掲載している。患者ごとに適した判断をするために、また患者にリスクとベネフィットを正確に伝えるために、これらの情報を活用することが期待される。独自のメタアナリシスを実施したCQも そもそも高齢者は臨床試験の選択基準から除外されることが多く、エビデンスは全体的に乏しい。評価できるエビデンスがサブグループ解析に限られ、直接高齢者を対象としたRCTは存在しないものが多かった。消化器のCQ5では、70歳以上の結腸がん患者に対する術後補助化学療法について検討しているが、70歳以上へのオキサリプラチン併用療法は、現状の報告から明確な上乗せ効果は確認できず、一方で末梢神経障害の増加が認められることから、「オキサリプラチン併用療法を行わないことを提案(弱く推奨)」している。 独自のメタアナリシスを行ったCQもある。乳がん領域のCQ11では、高齢者トリプルネガティブ乳がんの術後化学療法で、アントラサイクリン系抗がん剤の省略が可能かどうかを検討している。2つの前向き試験(CALGB49907とICE II-GBG52)のメタアナリシスを行い、アントラサイクリン系抗がん剤を省略することで生存期間と無再発生存期間が短縮する可能性が示唆された。その他心毒性についての観察研究結果などのエビデンスも併せて検討された結果、「アントラサイクリン系抗がん薬を省略しないことを提案(弱く推奨)」している。各領域で取り上げられているCQ[総論] CQ1 高齢がん患者において,高齢者機能評価の実施は,がん薬物療法の適応を判断する方法として推奨されるか?[造血器] CQ2 高齢者びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療方針の判断に高齢者機能評価は有用か? CQ3 80才以上の高齢者びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対してアントラサイクリン系薬剤を含む薬物療法は推奨されるか?[消化器] CQ4 高齢者では切除不能進行再発胃がんに対して,経口フッ化ピリミジン製剤とシスプラチンまたはオキサリプラチンの併用は推奨されるか? CQ5 結腸がん術後(R0切除,ステージIII)の70才以上の高齢者に対して,術後補助化学療法を行うことは推奨されるか?行うことが推奨されるとすれば,どのような治療が推奨されるか? CQ6 切除不能進行再発大腸がんの高齢者の初回化学療法においてベバシズマブの使用は推奨されるか?[呼吸器] CQ7 一次治療で完全奏効(CR)が得られた高齢者小細胞肺がんに対して,予防的全脳照射(PCI)は推奨されるか? CQ8 高齢者では完全切除後の早期肺がんに対してどのような術後補助薬物療法が推奨されるか? CQ9 高齢者非小細胞肺がんに対して,免疫チェックポイント阻害薬の治療は推奨されるか?[乳腺] CQ10 高齢者ホルモン受容体陽性,HER2陰性乳がんの術後化学療法でアントラサイクリン系抗がん薬を投与すべきか? CQ11 高齢者トリプルネガティブ乳がんの術後化学療法でアントラサイクリン系抗がん薬の省略は可能か? CQ12 高齢者HER2陽性乳がん術後に対して,術後薬物療法にはどのような治療が推奨されるか?

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循環器医もがんを診る時代~がん血栓症診療~/日本動脈硬化学会

 がん患者に起こる“がん関連VTE(Venous Thromboembolism、静脈血栓塞栓症)”というと、腫瘍科のトピックであり、循環器診療とはかけ離れた印象を抱く方は多いのではないだろうか? 2019年7月11~12日に開催された、第51回日本動脈硬化学会総会・学術集会の日本腫瘍循環器病学会合同シンポジウム『がん関連血栓症の現状と未来』において、山下 侑吾氏(京都大学大学院医学研究科循環器内科)が「がん関連静脈血栓塞栓症の現状と課題~COMMAND VTE Registryより~」について講演し、循環器医らに対して、がん関連VTE診療の重要性を訴えた。なぜ循環器医にとって、がん関連VTEが重要なのか 循環器医は、虚血性心疾患、不整脈、および心不全などの循環器疾患を主に診療しているが、血栓症/塞栓症のような“血の固まる病気”への専門家として、わが国ではVTE診療における中心的な役割を担っている。VTEは循環器医にとって日常臨床で遭遇する機会の多い身近な疾患であり、山下氏は「VTE診療は循環器医にとって重要であるが、その中でもがん関連VTEの割合は高く、とくに重要である」と述べた。発症原因のはっきりしないVTEでは、がんに要注意! 「循環器医の立場としては、VTEの発症原因が不明で、なおかつVTEを再発するような患者では、後にがんが発見される可能性があり、日常臨床で経験する事もある」と述べた同氏は、VTE患者でのがん発見・発症割合1)を示し、VTEの原因としての“がん”の重要性を注意喚起した。さらに同氏は、所属する京都大学医学部附属病院で2010~2015年の5年間に、肺塞栓症やDVT(Deep Vein Thrombosis、深部静脈血栓症)の保険病名が付けられた診療科をまとめた資料を提示し、循環器内科を除外した場合には、産婦人科、呼吸器科、消化器科および血液内科などの腫瘍を多く扱う診療科でVTEの遭遇率が高かったことを説明した。 近年では、がん治療の進歩によりがんサバイバーが増加し、経過観察期間にVTEを発症する例が増えているという。がん患者と非がん患者でVTE発症率を調査した研究2)でも、がん患者のVTE発症率が経年的に増加している事が報告されており、VTE患者全体に占めるがん患者の割合は高く、循環器医にとって、「VTEの背景疾患として、がんは重要であり、日常臨床においては、循環器医と腫瘍医との連携・協調が何よりも重要」と同氏は強調した。がん関連VTEの日本の現状と課題 本病態が重要にも関わらず、現時点での日本における、がん関連VTEに関する報告は極めて少なく、その実態は不明点が多い状況であった。そこで同氏らは、国内29施設において急性症候性VTEと診断された3,027例を対象とした日本最大規模のVTEの多施設共同研究『COMMAND VTE Registry』を実施し、以下のような結果が明らかとなった。・活動性を有するがん患者は、VTE患者の中で23%(695例)存在した(がんの活動性:がん治療中[化学療法・放射線療法など]、がん手術が予定されている、他臓器への遠隔転移、終末期の状態を示す)。・がんの原発巣の内訳は、肺16.4%(114例)、大腸12.7%(88例)、造血器8.9%(62例)が多く、欧米では多い前立腺5.2%(36例)や乳房3.7%(26例)は比較的少数であった。・がん患者のVTE再発率は非常に高く、活動性を有するがん患者ではVTE診断後1年時点で11.8%再発し、なかでも遠隔転移を起こしている患者では22.1%と極めて高い再発率であった。・がん患者の総死亡率は極めて高く、とくに活動性を有するがん患者では49.6%がVTE診断後1年時点で亡くなっていた。・死亡した活動性を有するがん患者(464例)の死因は、がん死が81.7%(379例)で最多であったが、それに次いで、肺塞栓症4.3%(20例)、出血3.9%(18例)であった。 この結果を踏まえ、「再発率だけでなく、死亡率も高いがん関連VTE患者を、どこまでどのように介入するか、今後も解決しなければならない大きな問題である」とし、がん治療中のVTEマネジメントが腫瘍医および循環器医の双方にとって今後の課題であることを示した。 欧米でVTE治療に推奨されている低分子ヘパリンは、残念ながら日本では使用できず、ワルファリンやDOACが使用されている。しかし、ワルファリンは化学療法の薬物相互作用などによりINRの変動が激しく、用量コントロールにも難渋する。また、前述の研究の結果によると、活動性を有するがん患者ではワルファリンによる治療域達成度は低かった。このような患者に対し、VTE治療のガイドライン3)では抗凝固療法の長期継続を推奨しているが、「実際は中止率が高く、抗凝固療法の継続が難しい群であった」と現状との乖離について危惧し、「DOAC時代となった日本でも、がん関連VTEに対する最適な治療方針を探索する研究が必要であり、わが国から世界に向けた情報発信も期待される」と締めくくった。

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帯状疱疹ワクチン、自家造血幹細胞移植後の帯状疱疹予防に有効/JAMA

 帯状疱疹の罹患は健康人においても深刻だが、とくに自家造血幹細胞移植(auHSCT)後の発症頻度が高い合併症として知られており、病的状態と関連している。移植後帯状疱疹の予防のために開発された非生アジュバント添加遺伝子組み換え帯状疱疹ワクチンの第III相臨床試験の結果が報告され、auHSCTを受けた成人患者において本ワクチンの2回接種により、追跡期間中央値21ヵ月時の帯状疱疹の発症率が有意に低下したことが示された。JAMA誌2019年7月9日号掲載の報告。 研究グループは2012年7月13日~2017年2月1日に、28ヵ国167施設にて第III相無作為化観察者盲検試験を実施した。 対象は、18歳以上のauHSCT施行者1,846例で、ワクチン群(922例)とプラセボ群(924例)に1対1の割合で無作為に割り付け、移植後50~70日後に1回目、その1~2ヵ月後に2回目の接種を行った。主要評価項目は、帯状疱疹の発症であった。 主な結果は以下のとおり。・1,846例(1回以上の接種を受けた患者)の患者背景は、平均年齢55歳、女性688例(37%)で、1,735例(94%)が2回の接種を受け、1,366例(74%)が試験を完了した。・追跡期間中央値21ヵ月において、1回以上帯状疱疹を発症した患者が、ワクチン群で49例、プラセボ群で135例確認された(1,000人年当たりの発生率30 vs.94)。発生率比(IRR)は0.32(95%CI:0.22~0.44、p<0.001)であり、ワクチンの有効率は68.2%であった。・副次評価項目において、帯状疱疹後神経痛の有意な減少(ワクチン群1例、プラセボ群9例、IRR:0.1、95%CI:0.00~0.78、p=0.02)、帯状疱疹関連合併症の有意な減少(ワクチン群3例、プラセボ群13例、IRR:0.22、95%CI:0.04~0.81、p=0.02)、および重症帯状疱疹関連痛の持続期間減少(ワクチン群892.0日、プラセボ群6,275.0日、HR:0.62、95%CI:0.42~0.89、p=0.01)が認められた。・注射部位反応の発現率は、ワクチン群86%、プラセボ群10%であった。主な症状は痛みで、ワクチン群の84%(Grade3が11%)に認められた。・自発的に報告された重篤な有害事象、潜在的な免疫介在疾患および基礎疾患の再発は、すべての時点で両群とも類似していた。

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HIV感染の1次治療、4剤cARTは3剤より優れるか/BMJ

 未治療のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者の治療において、4剤による併用抗レトロウイルス薬療法(cART)の効果は、3剤cARTと比較して高くないことが、中国・香港中文大学のQi Feng氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年7月8日号に掲載された。4剤と3剤のcARTを比較する無作為化試験は、過去20年間、継続的に行われてきた。その一方で、同時期の診療ガイドラインでは、標準的1次治療として3剤cARTが継続して推奨されており、4剤cARTへの言及はまれだという。HIV治療における4剤と3剤のcARTの有効性を比較するメタ解析 研究グループは、未治療のHIV感染患者の治療における4剤と3剤のcARTの効果を比較し、臨床および研究における既存の試験の意義を検証する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 2001年3月~2018年6月の期間に医学データベースに登録された文献を検索し、選出された研究および関連する総説の引用文献リストも調査した。 対象は、未治療のHIV感染患者において4剤と3剤のcARTを比較した無作為化対照比較試験であり、1つ以上の有効性または安全性のアウトカムの評価を行った試験とした。 関心アウトカムは、検出限界未満のHIV-1 RNA量(<50コピー/mL)、CD4陽性T細胞数(/μL)の増加、ウイルス学的失敗、新たなAIDS関連イベント、全死因死亡、重症有害事象(≧Grade 3)とした。変量効果モデルを用いてメタ解析を行った。HIV感染患者4,251例の6つのアウトカムのすべてで、両cART群に差がない 12件の試験(HIV感染患者4,251例、このうち4剤cART群1,693例)が解析に含まれた。12試験の登録患者数中央値は214例(範囲:30~1,216例)で、平均年齢が37.1歳(32.9~43.5歳)、男性割合中央値が77.1%(58~100%)、フォローアップ期間中央値は48週(48~144週)であった。 対象のHIV感染患者について、すべての有効性および安全性のアウトカムに関して、4剤cART群と3剤cART群の効果は類似していた。3剤cART群を基準としたリスク比は、検出限界未満のHIV-1 RNA量が0.99(95%信頼区間[CI]:0.93~1.05)、ウイルス学的失敗が1.00(0.90~1.11)、新たなAIDS関連イベントが1.17(0.84~1.63)、全死因死亡が1.23(0.74~2.05)、重症有害事象は1.09(0.89~1.33)であった。また、CD4陽性T細胞数増加の2群間の平均差は、-19.55/μL(-43.02~3.92)だった。 結果は全般に、cARTのレジメンにかかわらず類似しており、すべてのサブグループおよび感度分析において頑健であった。 著者は、「これらの知見は、HIV感染患者の1次治療として3剤cARTを推奨する現行のガイドラインを支持するものである」とし、「この主題に関するこれ以上の試験は、既存のエビデンスの適正な系統的レビューで新たな研究が正当化された場合にのみ行うべきであるが、新たなクラスの抗レトロウイルス薬の登場により4剤cARTが3剤cARTを凌駕する可能性を排除するものではない」と指摘している。

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小児がん、アントラサイクリンの心筋症リスクは?/JAMA Oncol

 アントラサイクリンは、小児がんに対する有効な治療薬の1つであり、ほとんどの小児腫瘍治療グループは、アントラサイクリンの血液毒性と心毒性は同等と考えている。今回、オランダ・アムステルダム大学のElizabeth A. M. Feijen氏らは小児がんサバイバーの大規模コホートのデータを解析し、「ドキソルビシンと比較してダウノルビシンは心筋症リスクが低く、エピルビシンはほぼ同等である」ことを明らかにした。また、現在の造血器ベースでのミトキサントロンのドキソルビシン用量等量比は4 vs.1とされているが、同比では、ミトキサントロンの長期心筋症リスクを有意に過小評価していると考えられる所見も明らかになったという。JAMA Oncology誌オンライン版2019年5月号掲載の報告。 研究グループは、ドキソルビシンと他のアントラサイクリン、またはアントラキノン系のミトキサントロンとの間の遅発性心筋症に関する最適用量等量を決定する検討を行った。 1970~99年にChildhood Cancer Survivor Studyで治療された2万367例、1963~2001年にオランダのChildhood Oncology Group LATER studyで診断された5,741例、および1962~2005年にSt Jude Lifetime studyで治療された2,315例から、5年以上生存した小児がんサバイバーを対象として併合解析を行った。 各薬剤(ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン)の、累積投与量と胸部放射線照射について医療記録から要約した。主要評価項目は、40歳までの心筋症であった。Cox比例ハザードモデルを用い、胸部放射線療法、がん診断時の年齢、性別およびアントラサイクリンまたはアントラキノンへの曝露を調整した心筋症リスクを評価。また、ドキソルビシンの心筋症に対する各薬剤の等量比を推定し、次いで加重平均によりすべての用量カテゴリーにわたる全体的な薬剤特異的等量比を算出した。 主な結果は以下のとおり。・2万8,423例のサバイバー(女性46.4%、がん診断時年齢中央値6.1歳)のうち、9,330例がドキソルビシン、4,433例がダウノルビシン、342例がエピルビシン、241例がイダルビシン、265例がミトキサントロンを投与された。・がん診断後の追跡期間中央値20.0年で、心筋症399例が確認された。・ドキソルビシンと比較した等量比は、ダウノルビシン0.6(95%CI:0.4~1.0)、エピルビシン0.8(95%CI:0.5~2.8)、ミトキサントロン10.5(95%CI:6.2~19.1)、イダルビシンに関してはイベントがまれで推定できなかった。・線形用量反応関係に基づく比は、ダウノルビシン(0.5、95%CI:0.4~0.7)、エピルビシン(0.8、95%CI:0.3~1.4)で類似していた。

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若年世代のがん啓発・患者支援チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!! 2019」開催

 15歳以下の小児期に発症するがんや、15~39歳のいわゆる“AYA(Adolescent and Young Adult)世代”のがんについての啓発および患者支援を目的としたチャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」が、本年9月に東京で開催される。主催は、がんに関連する治験・臨床試験など情報を発信するwebサイト「オンコロ」で、現在、チケットを一般先行発売中。 チャリティーライブ「Remember Girl’s Power!!」は、39歳までの主に若年世代のがんについて、広く理解と支援を呼びかけることを目的に、2016年から毎年、同世代のがん啓発月間である9月に開催され、今年で4回目。ライブゲストは、自身ががん体験者や啓発活動に積極的なアイドルグループなどで、今回は、麻美ゆまさんや夢見るアドレセンスなど、計7組の女性アーティストのほか、スペシャルゲストとして、「home」などのヒット曲で知られる歌手・木山裕策さんの出演が予定されている。 本チャリティーライブは、9月1日(日)、東京の渋谷ストリームホールで開催される。7月21日(日)まで、チケットぴあにて先行チケット販売中で、27日(土)より一般発売開始。なお、本イベントには、がん体験者は無料招待される。<Remember Girl’s Power!! 2019 概要>日時:2019年9月1日(日) 15:00開場/16:00開演会場:渋谷ストリームホール(東京・渋谷駅16b出口直結)料金:5,500円(税込)  ※すべての参加者に1ドリンク代(500円)が別途必要(3歳以上) ※がん体験者は無料招待。詳細および応募フォームはこちらからRemember Girl’s Power!! 2019公式ホームページ

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Sepsisの4タイプの表現型の提唱とその評価(解説:吉田敦氏)-1077

 敗血症にはさまざまな症例が含まれ、臨床症状・徴候のスペクトラムは幅広い。このため臨床病型を分別し、より精確なマネジメントにつなげようとする試みはこれまで長く続けられてきた。2016年には「敗血症および敗血症性ショックの国際コンセンサス定義 第3版(Sepsis-3)」が発表され、定義も新しくなり、SOFA(PaO2/FiO2、血小板数、ビリルビン、平均動脈圧、Glasgow Coma Scale[GCS]、クレアチニン)・qSOFA(収縮期血圧、呼吸数、GCS)が導入されたが、このような試みはそれ以前からのものである。今回3個の観察コホート研究と3個のランダム化臨床試験(合計6個)から得られたデータを後方視的に解析することで、病型自体導出できるのか、できるならば病型はいくつか、導出された病型の妥当性・再現性はどうか、検討が行われた。 本研究はピッツバーグ大学を中心として行われたもので、この中にはSOFA・qSOFAの提唱に使われたSENECA試験も含まれている。6試験はそれぞれ特色を有するが、最も影響する因子は組み入れ基準(inclusion criteria:Sepsis-3のものもあれば、以前のSIRSを用いたものも、重症敗血症を来した肺炎のものもある)と場所(Emergency departmentのほか、ICUのみならず内科病棟も)であろう。導出されたタイプはα、β、γ、δの4種類であり、概して、αは異常値が少なく、臓器障害が少ないタイプ、βは慢性疾患を有する高齢者に多いタイプ、γは炎症関連バイオマーカーの上昇が大きなタイプ、δは乳酸値やトランスアミナーゼの上昇と低血圧を特徴とするタイプであった。炎症マーカーの上昇と凝固異常・血管内皮細胞の異常はγ・δで、腎障害のマーカーの異常はβ・δで、心血管および肝臓のマーカーの異常はδで多く、来院時のSOFAスコアと死亡率もやはりδで最も高かった。 興味深いのは、これら4タイプは生体側の免疫反応と深く関連している一方で、それぞれがさまざまな感染巣(focus)の患者を含んでおり、タイプの導出にも、菌血症の証明や、原因微生物の分類・種類、菌の侵入門戸を問うていない点である。微生物側の詳しい因子を含めることなく、導出されたこれら4タイプによる成績に、もし微生物側の因子も加えて解析したら、結果はどうであろうか。今回のような複数の大規模試験の集合であっても、どれほどの差が認められるか予測し難いところがあるが、それこそが臨床医が日常的に敗血症・菌血症例を診療する際に、「感染臓器」・「微生物」・「患者個々の背景・基礎疾患」の3因子を重ね合わせて考え、評価する、その思考プロセスに似てはいないだろうか。 本検討で得られた結論は、背景と重症度が異なる集団であっても、27以上のバイオマーカーから導出された4表現型が、再現性よく臨床的重症度・予後と相関するというものであった。臨床応用にはまだ距離はあろうが、たとえばバイオマーカーから4タイプを導出するプログラムを電子カルテに実装しておき、敗血症疑い例の初期評価の進行に同期させつつ、自動的に表示させるようにするのも、有用かもしれない。本検討の所見のさらなる評価の継続とともに、実用にもまた期待したいところである。

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未治療骨髄腫に対するダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン併用療法に期待するモノ(解説:藤原弘氏)-1075

 新規治療薬開発が進み、QOLの改善と全生存率(OS)の延長が進む多発性骨髄腫(MM)だが、いまだに治癒(Cure)しない。そこで、次の治療戦略が微小残存病変(MRD)陰性完全寛解(CR)の達成から無増悪生存(PFS)の延長、その先に治癒を見据えるのは理にかなっている。Proteosome阻害剤(PIs)、iMIDsに加えて抗体製剤の登場が、その流れを加速させている。 最近、自己造血幹細胞移植適応のない未治療MMに対するダラツムマブ併用レナリドミド/デキサメタゾン(DLd)療法のLd療法に対する優位性を示す大規模な第III相臨床試験(MAIA試験)の結果が、Facon T.博士らのグループからNew England Journal of Medicine誌に掲載された(内容はすでに2018年、米国血液学会で報告されていたが)。その結果は、白血球減少と感染症リスクはあるが、ダラツムマブ併用で無増悪生存率(PFS)が有意差をもって延長し、CR+sCR達成率に加えて、Flow-cytometer法による微小残存病変陰性(105個細胞中1個以下)達成率も有意差をもって勝っていた。再発難治性(r/r)MMに対して、ダラツムマブ併用がPFS/OSの達成に優れていることはすでに他試験でも報告されている。この結果を受けて、本邦でもヤンセンファーマが未治療MMに対するDLd療法の適応追加をこの4月に申請しており、早晩、未治療MM治療にダラツムマブが使えるようになるだろう。 そして、このMAIA試験では両群間でOSに差がなかった。より強い治療強度で、total-cell-killを目指す治療戦略が必ずしも患者OSの改善に寄与しないことは、日々血液悪性腫瘍患者と向き合う中でわれわれが体感・共有している事実である。 いわゆるreal-world(日常診療)においては、未治療MM患者のおよそ2/3はさまざまな要因で移植適応がない。また、移植はしても再発抑制のために少なくとも数年は何らかの維持療法を続けている。移植ができてもできなくても、現実は、病勢を制御しOSの延長を目指して、MM増悪まで延々と何らかの治療を継続している状況にある。私自身も、移植適応のない未治療MM患者に対しては、ダラツムマブの保険適用の関係もあるが、外来でPIs+iMIDs+デキサメタゾンの3剤併用療法を開始し、治療効果を得て抗体治療を含む維持療法へ移行する方針で治療し、またおよそ対応できてはいる。 しかしながら、MAIA試験のこの後を含めた長期観察によって、より深い寛解の達成とPFSの延長が治癒へつながることが示されるのなら、より積極的にtherapy-offそして治癒を目指して自分の治療方針も再考すべきだろう。そのためには、MRDの評価基準の確立や臨床試験でのその意義の検証など課題もあるのだが、単純にDLd治療後すぐに再燃する例は次にどうしようか?とも思ってしまう。「リスクとベネフィットを考慮して」とは使い古された表現だが、主にフロントラインの病院で高齢患者様が大部分を占めるMM診療を行い、その主たる治療目標を患者QOLの維持とOSの延長に置いている私としては、もう少し、経過を見極めたいとも感じるのは、いささか“覇気”に欠けるだろうか。

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キムリア:CAR-T細胞療法

国内初のCAR-T細胞療法が登場国内初のキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法として、2019年3月、キムリア(一般名:チサゲンレクルユーセル)が承認された。対象疾患は、再発または難治性のCD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)およびびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。アンメット・ニーズが高い再発・難治性 ALL / DLBCL急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、小児がんの中で最も高頻度にみられ、本邦における患者数は約5,000例であり、このうち約20%が再発する。再発・難治性B細胞性ALL(B-ALL)の治療では、化学療法、放射線療法、同種造血幹細胞移植などが行われるが、これらが無効となった場合の予後は不良である。また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、本邦の非ホジキンリンパ腫の約30〜40%を占め、患者数は約21,000例と推定される。患者の約3分の1は1次治療が奏効せず、再発・難治性へと移行し、2次治療以降は自家造血幹細胞移植かサルベージ化学療法しかなく、移植が適応外または移植後1年以内の再発・難治性例の予後は不良である。B-ALL・DLBCL診療におけるキムリアの役割キムリアは、個々の患者のT細胞を遺伝子導入により改変し、体内に戻すことで、CD19を細胞表面に発現するB細胞性の腫瘍(B-ALL、DLBCL)を認識して攻撃するがん免疫細胞療法である。患者のT細胞の採取には、白血球アフェレーシスと呼ばれる血液濾過法が用いられる。採取されたT細胞は、がん細胞などの表面に発現しているCD19抗原を特異的に認識するように、遺伝子導入によって改変される(CAR-T細胞)。CAR-T細胞は、患者血液内で増殖するため、継続的な投与を必要とせず、投与は1回のみである。B-ALLにおける全寛解率/DLBCLにおける奏効率を達成承認の根拠となったのは、2つの国際多施設共同第II相試験(ELIANA試験、JULIET試験)である。ELIANA試験の対象は、再発・難治性のCD19陽性B-ALLの小児/若年成人患者であった。主要評価項目の全寛解率(完全寛解[CR]または血球数回復が不十分な完全寛解[CRi])は、中間解析時で82.0%(41/50例、98.9%信頼区間[CI]:64.5〜93.3%)、主解析時では寛解達成例における寛解持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値: 9.92か月)であり、持続する寛解が得られている。最も頻度が高い副作用はサイトカイン放出症候群(CRS)(77%、58/75例)で、重篤なCRS は 63%(47/75例) に発現したが、CRSによる死亡例はなかった。JULIET試験の対象は、再発・難治性のCD19陽性DLBCLの成人患者。主要評価項目の奏効率(完全奏効[CR]または部分奏効 [PR])は、中間解析時で58.8%(30/51例、99.06%CI: 39.8〜76.1%)、追加解析時では奏効例における奏効持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値: 13.9か月)であり、持続する奏効が得られた。最も高頻度の副作用はCRS(58%、57/99例)で、重篤なCRSは29%(29/99例)に認めたが、死亡例はなかった。今後のB-ALL・DLBCL診療への期待本薬は、治療選択肢が少なく、予後不良な再発・難治性CD19陽性B-ALL・DLBCLの新たな治療戦略として期待される。製造元のノバルティス社は、B-ALLとDLBCLを合わせて、最大で年間約250例の患者を想定している。

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