小児・若年AMLの真菌症予防に至適な抗真菌薬は?/JAMA

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 米国・フィラデルフィア小児病院のBrian T. Fisher氏らは、小児~若年成人の急性骨髄性白血病(AML)患者を対象に、侵襲性真菌症(IFD)の予防におけるカスポファンギンとフルコナゾールの有効性を比較検討した。予定されていなかった中間解析で無益性(futility)が示唆されたため、それ以上の患者登録を中止し、登録済みの患者で試験を継続したところ、カスポファンギンのIFD予防効果が優れることが示された。AMLの小児~若年成人患者では、酵母菌および糸状菌の双方による生命を脅かすIFDのリスクが高いとされる。フルコナゾールが酵母菌に対してのみ活性を示すのに対し、カスポファンギンは酵母菌および糸状菌の双方に活性を有することから、カスポファンギンのほうがIFDの予防効果が高い可能性が示唆されている。JAMA誌2019年11月5日号掲載の報告。

IFDとIAの予防効果を比較する北米の無作為化試験
 本研究は、化学療法施行後の好中球減少発症期のAML患者における、カスポファンギンとフルコナゾールによるIFDの予防効果を比較する多施設共同非盲検無作為化試験。2011年4月~2016年11月の期間に、カナダと米国の115施設で患者登録が行われた(米国国立がん研究所[NCI]の助成による)。

 対象は、年齢3ヵ月~30歳、新たに診断された初発(de novo)、再発、2次性のAML、または混合表現型急性白血病など他の診断により、AMLの標準的化学療法が予定されている患者であった。

 被験者は、初回化学療法中に、カスポファンギンまたはフルコナゾールを予防投与する群に無作為に割り付けられた。予防投与は、個々のサイクルの全身化学療法施行後24~72時間に開始され、絶対好中球数が最低値から100~500/μLに達するか、または次回の化学療法が開始されるまで行われた。

 主要アウトカムは推定診断または確定診断されたIFDとし、盲検下に中央判定が行われた。副次アウトカムは、推定/確定診断された侵襲性アスペルギルス症(IA)、経験的抗真菌薬治療(empirical antifungal therapy)、全生存(OS)であった。

 394例(予定登録患者数の72%)に関して、事前に予定されていた2回目の有効性の中間解析と、予定外の無益性解析を行ったところ、無益性が明らかとなったため、2016年11月11日、本試験の患者登録は終了となった。登録済みの患者は、プロトコルに従って試験を完遂した。

IFDとIAの予防効果は優れる、経験的治療とOSに差はない
 517例(年齢中央値9歳[範囲0~26歳]、女性44%)が登録され、508例(98%、カスポファンギン群253例、フルコナゾール群255例)が試験を完遂した。

 23例でIFD(カスポファンギン群6例、フルコナゾール群17例)が認められ、7例が酵母菌、14例が糸状菌であり、2例は特定不能であった。

 5ヵ月時の推定/確定診断されたIFDの累積発生率は、カスポファンギン群が3.1%(95%信頼区間[CI]:1.3~7.0)、フルコナゾール群は7.2%(4.4~11.8)であった(p=0.03、log-rank検定)。

 また、糸状菌に起因する14例のIFDのうち、8例(57%)が推定/確定診断されたIAであった。5ヵ月時の推定/確定診断されたIAの累積発生率は、カスポファンギン群が0.5%(95%CI:0.1~3.5)、フルコナゾール群は3.1%(1.4~6.9)であった(p=0.046、log-rank検定)。

 経験的抗真菌薬治療(カスポファンギン群71.9% vs.フルコナゾール群69.5%、p=0.78、log-rank検定)および2年OS率(68.8% vs.70.8%、p=0.66、log-rank検定)には、両群間に差はみられなかった。

 有害事象は、カスポファンギン群が32.8%、フルコナゾール群は38.4%で認められた。最も頻度の高い有害事象は、低カリウム血症(カスポファンギン群22例vs.フルコナゾール群13例)、呼吸器不全(6例vs.9例)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)上昇(4例vs.8例)であった。

 著者は、「カスポファンギンは、IFDの予防法とみなされる可能性が示唆されるが、予定外の中間解析で無益性が明らかとなり、試験は早期終了となったため、研究結果の解釈は限定的となる」としている。

(医学ライター 菅野 守)

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