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ニボルマブ480mg4週ごと投与、国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業と ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年9月25日、ヒト型抗ヒトprogrammed cell death-1(PD-1)ニボルマブ(商品名:オプジーボ)の単独投与時の用法及び用量に関して、すでに承認を取得している全ての9つのがん腫において、これまでの 1回240mgを2週間間隔で点滴静注する用法及び用量に加え、1 回480mgを4週間間隔で点滴静する用法及び用量が追加になったと発表。  今回の用法及び用量の追加の承認によって、治療選択肢が増えること、患者および医療スタ ッフの利便性の向上に繋がるものと期待しているとしている。

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CAR-T細胞製剤liso-cel、再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫でCR53%/Lancet

 CD19を標的とする自家キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)製剤lisocabtagene maraleucel(liso-cel)は、さまざまな組織学的サブタイプや高リスクの病型を含む再発・難治性の大細胞型B細胞性リンパ腫患者の治療において、高い客観的奏効率をもたらし、重度のサイトカイン放出症候群や神経学的イベントの発生率は低いことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJeremy S. Abramson氏らが行った「TRANSCEND NHL 001試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年9月19日号に掲載された。liso-celは、さまざまなサブタイプの再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫で高い奏効率と持続的な寛解が報告されているが、高齢者や併存疾患を持つ患者、中枢神経リンパ腫などの高リスク集団のデータは十分でないという。シームレス・デザインの多コホート試験で安全性と有効性を評価 本研究は、米国の14のがんセンターが参加したシームレス・デザイン(seamless design)の多コホート試験であり、2016年1月11日~2019年7月5日の期間に、個々の患者のCAR+T細胞を作製するための白血球アフェレーシスが実施された(Juno TherapeuticsとBristol-Myers Squibbの助成による)。 対象は、年齢18歳以上の再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫で、組織学的サブタイプとして、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、MYCおよびBCL2とBCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞性リンパ腫(double-hitまたはtriple-hitリンパ腫)、インドレントリンパ腫から形質転換したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性縦隔B細胞性リンパ腫、Grade3Bの濾胞性リンパ腫が含まれた。 liso-celは、2つの組成(CD8+CAR+T細胞、CD4+CAR+T細胞)として連続的に投与され、被験者は4つの用量(50×106 CAR+T細胞[レベル1]、50×106 CAR+T細胞を2回[レベル1D]、100×106 CAR+T細胞[レベル2]、150×106 CAR+T細胞[レベル3])のうち1つを投与する群に割り付けられた。 主要エンドポイントは、有害事象、用量制限毒性、客観的奏効率(Lugano基準で評価)とした。有効性の評価は、PETで確定され1回以上のliso-celの投与を受けたすべての患者を対象に、独立判定委員会によって行われた。客観的奏効率73%、完全奏効率53% 344例がCAR+T細胞(liso-cel)を作製するための白血球アフェレーシスを受け、このうち269例が少なくとも1回のliso-celの投与を受けた。レベル1に45例、レベル1Dに6例、レベル2に177例、レベル3に41例が割り付けられた。 全体の年齢中央値は63歳(IQR:54~70、範囲:18~86)、112例(42%)が65歳以上で、男性が65%であった。全身療法の前治療レジメン数中央値は3(IQR:2~4、範囲:1~8)で、260例(97%)が2ライン以上を受けていた。また、181例(67%)が化学療法抵抗性で、2次性中枢神経リンパ腫が7例(3%)含まれた。119例(44%)は、前治療で一度も完全奏効を達成していなかった。 白血球アフェレーシスを受けた344例のフォローアップ期間中央値は18.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:15.0~19.3)であった。全体として、liso-celの安全性と抗腫瘍活性には用量による差はなく、推奨至適用量は100×106 CAR+T細胞(50×106 CD8+CAR+T細胞、50×106 CD4+CAR+T細胞)であった。 有効性の評価は256例で行われた。このうち、客観的奏効は186例(73%、95%CI:66.8~78.0)で得られ、136例(53%、46.8~59.4)で完全奏効が達成された。 頻度の高いGrade3以上の有害事象として、好中球減少が161例(60%)、貧血が101例(37%)、血小板減少が72例(27%)に認められた。また、サイトカイン放出症候群は113例(42%)、神経学的イベントは80例(30%)で発現し、このうちGrade3以上はそれぞれ6例(2%)および27例(10%)であった。用量制限毒性は9例(6%)でみられ、このうち1例(50×106 CAR+T細胞)がびまん性肺胞傷害によって死亡した。最大耐用量は特定されなかった。 著者は、「これらのデータは、65歳以上の高齢者や中等度の併存疾患を有するさまざまなサブタイプの高リスク大細胞型B細胞性リンパ腫患者の治療におけるCAR-T細胞療法の使用を支持するものである。現在、初回再発時の大細胞型B細胞性リンパ腫や他の再発・難治性のB細胞性腫瘍における評価が進められている」としている。

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第26回 「死の病」克服患者の訃報でよぎる、コロナ禍脱却の道しるべ

終わりの見えない新型コロナウイルス感染症の蔓延。現在、われわれができる対策は、3密の回避、手洗いの励行、マスクの着用という極めてプリミティブなものばかりだ。これまで本連載で書いてきたように治療薬もまだ決定打と言えるものがなく、ワクチンも開発が進んできたとはいえ、先行きはまだ不透明である。医療従事者の中にも、またそれを見守る周囲の中にまだまだ閉塞感が充満しているだろうと思う。そんな最中、私はあるニュースに接し、勝手ながら個人的に光明を感じている。そのニュースとは世界で初めてHIVを克服したとされ「ベルリンの患者」と称されたティモシー・レイ・ブラウン氏の訃報である。他人の訃報を喜んでいるわけではない。今回ブラウン氏の訃報に接することで、「あのHIVも一部は克服ができていた」という忘却の彼方にあった事実を改めて思い出したからである。そしてこの訃報をきっかけに思い出したHIV克服にやや興奮してしまうのは、私がこの病気を長らく取材してきたからかもしれない。私が専門紙記者となったのは1994年である。そしてこの年、駆け出しの記者としていきなり国際学会の取材という重荷を負わされた。それが横浜市で開催された第10回国際エイズ会議である。当時はHIV感染症の治療は逆転写酵素阻害薬が3製品しかなく、薬剤耐性により治療選択肢は早々に尽き、最終的にはエイズを発症して亡くなる「死の病」の時代だった。また今でもHIV感染者に対する差別が根強いことは、昨年判決が下されたHIV感染者内定取り消し訴訟でも明らかだが、当時はそれ以上の偏見・差別が蔓延しており、感染者のプライバシーに配慮するとの観点から国際エイズ会議では感染者向けのセッションは報道関係者立ち入り禁止。当該セッション中の部屋に一歩でも立ち入った場合は記者証没収という厳しい措置が敷かれていた。これに加え日本の場合、当時のHIV感染者の多くが非加熱血液製剤を介して感染した、いわゆる「薬害エイズ」の被害者である血友病患者だったことも、この病気の負のイメージを増幅させていた。その結果、国内のHIV専門医は、一部の感染症専門医を除くと、もともとの感染原因を作った血友病専門医が多くを占めた。当時話を聞いたHIV感染血友病患者が「自分の住む地域では、そもそも血友病の専門医が限られているので、感染させた主治医であっても離れることはできず、同時に彼がHIVの主治医。正直言うと、主治医の前で顔では笑っていても腹の底には押し込めた恨みが充満しているよ」と語ったことが忘れられない。そして横浜での国際エイズ会議の翌年である1995年に、アメリカで新たな抗HIV薬としてプロテアーゼ阻害薬のサキナビルが上市。そこから後続の治療薬が相次いで登場すると、現在のHAART療法と呼ばれる多剤併用療法につながっていく。ちょうどこの頃、HIVの逆転写酵素阻害薬の開発者でもあり、当時は米・国立がん研究所内科療法部門レトロウイルス感染症部長だった満屋 裕明氏(後に熊本大学医学部第二内科教授)が日本感染症学会の講演で、「今やHIV感染症はコントロール可能な慢性感染症になりつつある」と語った時は、個人的にはややフライング的な発言ではと思ったものの、実際に今ではそのようになった。そして今回訃報が報じられたブラウン氏のように、血液がんの治療で行われる造血幹細胞移植によってHIVを克服した2例目が、昨年3月に科学誌ネイチャーで報告されている。HIV発見から10年強、医学は敗北を続けたものの、そこからは徐々に巻き返し、現在ではほぼコントロール下に置いたと言ってもいい状態まで達成している。現在、新型コロナの治療薬が抗ウイルス薬のレムデシビル、抗炎症薬のデキサメタゾンのみで、ここに前回紹介したようなアビガン、アクテムラが今後加わっていくことになるだろうが、まだ「いずれも決定打」とは言えない。ただ、この状況は2割打者同士の切磋琢磨から3割打者が登場する前夜の状況、過去のHIV治療で見れば逆転写酵素阻害薬3製品時代と同じなのかもしれないと、ふと思ったりもする。どうしても記者という性分は物事を悲観的に捉えすぎるきらいがある。しかし、あのHIVに苦戦していた当時から考えれば、医学も創薬技術も大きく進歩している。やや感傷的過ぎるかもしれないが、COVID-19もある臨界点を超えれば、思ったよりも早く共存可能なレベルに制御されてくるかもしれないとも考え始めている。まあ、逆にそう考えてしまうほど、自分も閉塞感に満ち満ちた状態で事態を眺めているからかもしれないが。

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BIVV001か遺伝子治療かエミシズマブか:血友病Aにとって期待の新薬BIVV001(解説:長尾梓氏)-1286

 血友病Aの治療では頻回の静脈注射が大きな課題である。従来の遺伝子組み換え第VIII因子製剤(rFVIII)は週3~4回の静脈注射を行っても関節出血を完全には抑制しきれなかった。2016年に蛋白融合技術による半減期延長製剤が登場して、週1~2回の注射に減らすことができるようになった。 2018年に上梓されたエミシズマブは最大4週に1回の皮下注射で、出血抑制効果が認められ、急速に使用者が拡大している。ただ、FVIIIを補う治療とは異なる機序であることから測定上の課題なども残存し、今も臨床研究が複数行われている。 一方、遺伝子治療は投与の初期段階で十分なFVIII活性上昇を認め、期待が高まっており、開発競争化している。しかし、最も先行していたBioMarin社の遺伝子治療は耐久性が不明とされ、FDAやEMAは認可を延期した。 現在、さらに半減期を延ばす新薬としてBIVV001が期待されている。rFVIIIにFcやXTENと呼ばれるポリペプチドを結合させ、FVIIIの半減期に強く影響を及ぼすフォンヴィレブランド因子のD’D3部分を共有結合させた新薬である。その第I-IIa相の試験結果が今回紹介する論文である。日本人を含む患者を25 IU/kg群と65 IU/kg群に分け、rFVIIIでのPKおよびウォッシュアウト後、BIVV001を単回投与しPKを実施した(各6例以上)。結果は25 IU/kg群の半減期が37.61時間(rFVIII 9.12時間)、投与後7日目の残存FVIII活性7%。65 IU/kg群は半減期42.54時間(rFVIII 13.15時間)、投与後7日目の残存FVIIIは17%であった。これは驚くべき結果で、これまでの製品では到底到達できない活性値である。しかも、とすると65 IU/kg週1回の定期補充でエミシズマブ(等価活性15%相当)より高い活性が、FVIIIで実現できることになる。現在進行中の第III相試験がどのような結果になるか、どのような用量用法で承認になるかが今後のカギになりそうだ。

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重症血友病A、BIVV001融合蛋白による第VIII因子補充療法が有効/NEJM

 重症血友病Aの男性患者の治療において、新規融合タンパク質BIVV001(rFVIIIFc-VWF-XTEN)の単回静脈内注射により、第VIII因子活性が高値で維持され、半減期は遺伝子組み換え第VIII因子の最大4倍に達し、本薬は投与間隔1週間の新規クラスの第VIII因子機能代替製剤となる可能性があることが、米国・Bloodworks NorthwestのBarbara A. Konkle氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年9月10日号に掲載された。第VIII因子機能代替製剤は血友病A患者の治療を改善したが、これらの製剤は半減期が短く、患者QOLの改善は十分ではないという。また、遺伝子組み換え第VIII因子の半減期は、von Willebrand因子(VWF)のシャペロン作用のため15~19時間とされる。BIVV001は、この半減期の上限を克服し、第VIII因子活性を高値で維持するようデザインされた新規融合蛋白である。日米の施設が参加した第I/IIa相試験 本研究は、重症血友病A患者におけるBIVV001の安全性と薬物動態の評価を目的とする第I/IIa相試験であり、米国の6施設と日本の1施設が参加した(SanofiとSobiの助成による)。 対象は、治療歴のある重症血友病A(内因性第VIII因子活性<1%)の男性患者16例(18~65歳)であった。これらの患者は、遺伝子組み換え第VIII因子の単回静脈内注射を、25 IU/kg体重で受ける群(低用量群)、または65 IU/kgで受ける群(高用量群)に連続的に割り付けられた。3日以上の休薬期間の後、患者はBIVV001の単回静脈内注射を、それぞれ遺伝子組み換え第VIII因子と同じ用量の25 IU/kgまたは65 IU/kgで受けた。 主要エンドポイントは、有害事象および臨床的に重要な検査値異常とし、インヒビターの発現、VWF活性(リストセチンコファクター活性で評価)、VWF抗原量が含まれた。副次エンドポイントは薬物動態であった。高用量群の接種後第VIII因子平均値、4日間は≧51%、7日目は17% 低用量群の7例(平均年齢33歳[範囲:19~60]、日本人1例、診断後の平均期間:29.9±8.1年)では、全例が遺伝子組み換え第VIII因子の投与を受けたが、BIVV001の投与を受けたのは6例で、1例はBIVV001の投与前に脱落したが、第VIII因子の薬物動態の評価には含まれた。高用量群の9例(44歳[32~63]、日本人1例、40.6±10.0年)は、全例が両薬剤の投与を受けた。 BIVV001注射から28日間までに、第VIII因子インヒビターは検出されず、過敏症やアナフィラキシーは報告されなかった。また、BIVV001注射以降にVWF活性やVWF抗原の臨床的に重要な変化は検出されなかった。 遺伝子組み換え第VIII因子治療期に、3例で8件の有害事象が報告された。8件中4件は低用量群の1例で発現した重篤な有害事象で、このうちの1件(自動車事故)は合併症のため、この患者はBIVV001投与前に試験から脱落した。最も頻度の高い有害事象はトロンビン・アンチトロンビンIII複合体の無症状での上昇(2例、各群1例ずつ)で、いずれも担当医により治療関連と判定された。 BIVV001治療期には、9例で18件の有害事象が報告された。重篤な有害事象として、以前の虫垂切除術の合併症に起因する小腸閉塞が1例にみられた。最も頻度の高い有害事象はトロンビン・アンチトロンビンIII複合体の無症状での上昇(2例、各群1例ずつ、いずれも遺伝子組み換え第VIII因子治療期の2例と同じ患者)と頭痛(2例、各群1例ずつ)で、前者は担当医により治療関連と判定された。 BIVV001の半減期の幾何平均値は、遺伝子組み換え第VIII因子の3~4倍であった(低用量群:37.6時間vs.9.1時間、高用量群:42.5時間vs.13.2時間)。また、製剤への曝露の曲線下面積(AUC)は、BIVV001が遺伝子組み換え第VIII因子の6~7倍だった(低用量群:4,470時間×IU/dL vs.638時間×IU/dL、高用量群:1万2,800時間×IU/dL vs 1,960時間×IU/dL)。 高用量群におけるBIVV001注射後の第VIII因子の平均値は、4日間は正常範囲内(≧51%、範囲:35~72%)で、7日目は17%(範囲:13~23%)であった。これは、1週間空けた投与の可能性を示唆する。 著者は、「BIVV001注射により、第VIII因子活性は、正常化期間を経た後高値で持続したことから、本薬は重症血友病A患者において、あらゆる種類の出血に対するより良好な防御とともに、製剤の投与間隔の延長をもたらす可能性がある」としている。

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「ゾメタ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第18回

第18回 「ゾメタ」の名称の由来は?販売名ゾメタ点滴静注 4mg/100mLゾメタ点滴静注 4mg/5mL一般名(和名[命名法])ゾレドロン酸水和物(JAN)効能又は効果○悪性腫瘍による高カルシウム血症○多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変用法及び用量ゾメタ点滴静注 4mg/100mL<悪性腫瘍による高カルシウム血症> 通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。<多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変> 通常、成人には1ボトル(ゾレドロン酸として4mg)を15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。ゾメタ点滴静注 4mg/5mL<悪性腫瘍による高カルシウム血症> 通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて点滴静脈内投与する。なお、再投与が必要な場合には、初回投与による反応を確認するために少なくとも1週間の投与間隔をおくこと。<多発性骨髄腫による骨病変及び固形癌骨転移による骨病変> 通常、成人にはゾレドロン酸として4mgを日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液(5%)100mLに希釈し、15分以上かけて3~4週間間隔で点滴静脈内投与する。警告内容とその理由警告<効能共通>1.本剤は点滴静脈内注射のみに用いること。また、投与は必ず15分間以上かけて行うこと。5分間で点滴静脈内注射した外国の臨床試験で、急性腎障害が発現した例が報告されている。<悪性腫瘍による高カルシウム血症>2.高カルシウム血症による脱水症状を是正するため、輸液過量負荷による心機能への影響を留意しつつ十分な補液治療を行った上で投与すること。禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)1.本剤の成分又は他のビスホスホネート系薬剤に対し、過敏症の既往歴のある患者2.妊婦又は妊娠している可能性のある女性※本内容は2020年9月23日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年9月改訂(第14版)医薬品インタビューフォーム「ゾメタ®点滴静注4mg/100mL・ゾメタ®点滴静注4mg/5mL」2)ノバルティス ファーマ:DR's Net

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脾辺縁帯リンパ腫の生存アウトカムを長期解析/Cancer

 まれな腫瘍で一定の治療法がない脾辺縁帯リンパ腫(SMZL)について、過去17年間の患者の生存アウトカムを解析した知見が示された。米国・マイアミ大学のJorge A. Florindez氏らによる米国の大規模な集団ベースの解析で、治療戦略によって全生存(OS)期間またはSMZL特異的生存期間に、有意差は認められなかったという。また、高齢、ヒスパニック系、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)形質転換およびB症状を有することが予後不良因子として示された。Cancer誌オンライン版2020年8月7日号掲載の報告。 研究グループは、SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)データベースを用い、1999~2016年の間にSMZLと診断された患者を特定し、経過観察、脾臓摘出術、化学療法、および脾臓摘出術+化学療法の各治療戦略について評価した。 OSおよびSMZL特異的生存について、それぞれCox回帰モデル、Fine and Gray回帰モデルを用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は1,671例で、大部分の患者は、>60歳(71.3%)、白人(89.7%)、非ヒスパニック系(91.7%)であった。・DLBCLへの形質転換は71例(4.2%)に認められ、10年転換率は8.6%(95%信頼区間[CI]:6.6~10.9)であった。・多変量解析の結果、SMZL特異的生存期間の短縮は、60歳以上(部分分布ハザード比[SHR]:1.85、95%CI:1.40~2.45、p<0.001)、ヒスパニック系(SHR:1.50、95%CI:1.06~2.13、p=0.023)、DLBCL形質転換(SHR:2.10、95%CI:1.48~2.97、p<0.001)、およびB症状の存在(SHR:1.67、95%CI:1.23~2.27、P<0.001)と関連していた。・脾臓摘出術との比較において、経過観察(SHR:0.92、95%CI:0.67~1.28、p=0.636)、化学療法のみ(SHR:1.28、95%CI:0.93~1.76、P=0.127)、および脾臓摘出術+化学療法(SHR:1.43、95%CI:0.96~2.13、p=0.089)のいずれも、SMZL特異的生存期間に有意差は認められなかった。・OS期間短縮の予測因子は、60歳以上(ハザード比[HR]:2.98、95%CI:2.37~3.76、p<0.001)およびB症状の存在(HR:1.33、95%CI:1.06~1.67、p=0.014)であった。

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原発不明がんに対するニボルマブへの期待【Oncologyインタビュー】第19回

出演:近畿大学医学部 腫瘍内科/市立岸和田病院 腫瘍内科 谷崎 潤子氏いまだ標準療法が確定していない原発不明がんに対するニボルマブの有用性を評価するNivoCUP試験がASCO2020で発表された。発表者の近畿大学医学部/市立岸和田病院の谷崎潤子氏に研究の背景や主要結果について聞いた。

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血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)の標準的治療法を発表:PRIMEUR-IVL trial【Oncologyインタビュー】第20回

希少なリンパ腫の1つである血管内大細胞型B細胞リンパ腫(IVLBCL)。中枢神経(CNS)浸潤のリスクが高く、予後不良となる例が多く、また、確立した治療法もなかった。このIVLBCLに対する有効な新レジメンが、PRIMEUR-IVL trialの結果としてLancet Oncology誌2020年4月号に掲載された。筆頭著者である名古屋大学医学部附属病院 血液内科の島田和之氏に研究の背景や新レジメンに至る経緯について聞いた。―この試験ではIVLBCLが対象となっていますが、この疾患にはどのような問題があるのでしょうか。IVLBCLはリンパ腫細胞が全身臓器の小血管内に選択的に認められる希な疾患です。悪性リンパ腫の特徴であるリンパ節腫脹が認められず、不明熱、LDHの上昇、血球減少といった症状が多くみられます。そのため、正確な診断がつくまでに時間がかかり、全身状態が悪化してからの治療となり、十分な効果が得られないことがあります。2000年代に入って、従来の骨髄検査に加え、ランダム皮膚生検という新たな検査が加わり、比較的早期に診断できるようになりました。今では前出の症状からIVLBCLを疑っていただけるようになりました。これは、今までこの疾患への診療および研究に従事してこられた先達の先生方の努力の結果だと思います。―IVLBCLには確立した治療がなかったとのことですが。IVLBCLには確立した治療法はなく、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と同様に、CHOP療法が主に使われていました。その後、2000年代、抗CD20抗体医薬であるリツキシマブが登場し、CHOP療法にリツキシマブを加えたR-CHOP療法がDLBCLの治療成績を著しく改善しました。IVLBCLについても、2008年のIVL研究会によるわが国の後方視的研究では、リツキシマブと化学療法との併用により無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)が延長していることが示唆されました。―R-CHOP療法で成績が向上した中、今回の試験はどのような理由で実施されたのでしょうか。後方視的研究では、リツキシマブの登場で治療成績の向上が示唆された一方で、IVLBCL患者の生存率はおよそ60%に留まっていました。IVLBCL患者の10人中4人の治療成績は不十分ということになりますが、その4人のうち2人は二次性中枢神経(CNS)浸潤を来していました。一般的にDLBCLでの二次性CNS浸潤リスクは5%ですが、IVLBCLでは20~30%と二次性CNS浸潤のリスクが非常に高いのです。ご存じのとおり、二次性CNS浸潤は予後不良です。そこで、R-CHOP療法とCNS浸潤予防治療を組み合わせることで、さらなる治療成績の向上につなげようと考えました。治療の有効性を評価するためには、前方向視的臨床試験が必要になりますが、IVLBCLは非常に希な疾患であり、それまでに、IVLBCLを対象にして行われた前方向視的臨床試験はありませんでした。比較試験の実施は困難であるため、単群の臨床第II相試験として試験治療の有効性と安全性を評価することとしました。―CNS浸潤予防も鑑みて今回の試験レジメンになった訳ですね。画像を拡大する後方視的研究では、診断時に明らかなCNS病変がみられず、その後二次性CNS浸潤を発症した患者の約40%は、診断後半年以内に増悪を認めていました。病気の性質を考えると、臨床症状や明らかな浸潤像がなくても、CNS浸潤が始まっている可能性は捨てきれません。そこで、早期に何らかのCNS浸潤予防を目的とした治療(CNS-oriented therapy)の導入が必要だと考えました。具体的には、大量メトトレキサート(HDMTX)の静脈内投与とメトトレキサート(MTX)とシタラビン(Ara-C)およびステロイド(PSL)の髄腔内投与です。何が理想のCNS-oriented therapyなのか、まだ答えはないため、レジメンの作成にあたって、さまざまな議論がなされました。たとえば、髄腔内投与については、二次性CNS浸潤として髄膜浸潤を来した患者もみられたことから組み入れることとしました。HDMTX療法の投与の時期については、R-CHOP療法による病気の制御と早期のCNSへの治療を考慮して、R-CHOP療法の途中にHDMTX療法を組み入れることとしました。最終的にR-CHOP療法3サイクルの後に、HDMTX+リツキシマブ(R-HDMTX)療法2サイクルを挟み、R-CHOP療法3サイクルを行う合計8サイクルのレジメンとしました。PRIMEUR-IVL trial試験概要多施設(国内22施設)単群第II相試験対象:未治療でCNSに明らかな病変を認めないIVLBCL患者38例。年齢は20~79歳。PSは0~3。介入:患者はR-CHOP3サイクル後、R-HDMTXを2サイクル、その後R-CHOP3サイクル、R-CHOP投与中に髄腔内注射4回の投与を受けた。主要評価項目:2年無増悪生存割合(PFS)試験結果追跡期間中央値3.9年における2年PFSは76%(95%CI:58〜87)、2年OSは92%であった。有効性評価対象37例中完全奏効(CR)が31例に認められた(変化なし5例)。2年二次性CNS浸潤累積発症割合は3%であった。Grade3/4の発熱性好中球減少、白血球減少は全例に見られた。重篤なAEは低カリウム血症、低血圧を伴う発熱性好中球減少、高血圧、頭蓋内出血であった。治療関連死は認められず。―今回の試験の結果についてはいかがですか。フォローアップ期間(追跡期間中央値 3.9年)がそれほど長くなく、長期のフォローアップが必須となりますが、2年PFS 76%は良好な結果が得られたと考えています。また、二次性CNS浸潤も3%に抑えられており、これも良好な成績だと考えています。長期的なフォローアップについても実施していく予定です。更なる治療成績の改善が今後の課題です。―読者の方にメッセージをお願いします。このレジメンは、IVLBCLとして初めての前方向視的臨床試験で検討された治療法です。また、保険診療の範囲内で行うことが可能ですので、IVLBCLの治療法として選択肢の1つにしていただければと思います。また、血液内科の先生方は十分な経験をお持ちだと思いますが、毒性については、R-CHOP療法よりも若干強いという点にはご留意いただければと思います。原著Shimada K, et al. Rituximab, cyclophosphamide, doxorubicin, vincristine, and prednisolone combined with high-dose methotrexate plus intrathecal chemotherapy for newly diagnosed intravascular large B-cell lymphoma (PRIMEUR-IVL): a multicentre, single-arm, phase 2 trial. Lancet Oncol.2020;21:593-602.参考Shimada K, et al. Retrospective analysis of intravascular large B-cell lymphoma treated with rituximab-containing chemotherapy as reported by the IVL study group in Japan. J Clin Oncol 2008; 26: 3189-95.Shimada K, et al. Central nervous system involvement in intravascular large B-cell lymphoma: a retrospective analysis of 109 patients. Cancer Sci 2010; 101: 1480-86.

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「フラジール」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第15回

第15回 「フラジール」の名称の由来は?販売名フラジール®内服錠250mg一般名(和名[命名法])メトロニダゾール(JAN)[日局]効能又は効果◯ トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症) ◯ 嫌気性菌感染症 <適応菌種>本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、ポルフィロモナス属、フソバクテリウム属、クロストリジウム属、ユーバクテリウム属<適応症>深在性皮膚感染症外傷・熱傷及び手術創等の二次感染骨髄炎肺炎、肺膿瘍骨盤内炎症性疾患腹膜炎、腹腔内膿瘍肝膿瘍脳膿瘍◯ 感染性腸炎<適応菌種>本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル<適応症>感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)◯ 細菌性腟症<適応菌種>本剤に感性のペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス・フラジリス、プレボテラ・ビビア、モビルンカス属、ガードネラ・バジナリス<適応症>細菌性腟症◯ ヘリコバクター・ピロリ感染症胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALT リンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病・早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃におけるヘリコバクター・ピロリ感染症、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎◯ アメーバ赤痢◯ ランブル鞭毛虫感染症用法及び用量<トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)>通常、成人にはメトロニダゾールとして、1クールとして、1回250mgを1日2回、10 日間経口投与する。<嫌気性菌感染症>通常、成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回又は4回経口投与する。<感染性腸炎>通常、成人にはメトロニダゾールとして1回250mgを1日4回又は1回500mgを1日3回、10~14日間経口投与する。<細菌性腟症>通常、成人にはメトロニダゾールとして、1回250mgを1日3回又は1回500mgを1日2回7日間経口投与する。<ヘリコバクター・ピロリ感染症>アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合通常、成人にはメトロニダゾールとして1回250mg、アモキシシリン水和物として1回750mg(力価)及びプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。<アメーバ赤痢>通常、成人にはメトロニダゾールとして1回500mgを1日3回10日間経口投与する。なお、症状に応じて1回750mgを1日3回経口投与する。<ランブル鞭毛虫感染症>通常、成人にはメトロニダゾールとして1回250mgを1日3回5~7日間経口投与する。警告内容とその理由設定されていない禁忌内容とその理由1.既往に本剤の成分に対する過敏症を起こした患者2.脳、脊髄に器質的疾患のある患者(脳膿瘍の患者を除く)[中枢神経系症状があらわれる ことがある。]3.妊娠3ヵ月以内の女性(有益性が危険性を上回ると判断される疾患の場合は除く)※本内容は2020年9月2日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年7月改訂(改訂第17版)医薬品インタビューフォーム「フラジール®内服錠250mg」2)塩野義製薬:製品情報一覧

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腎性貧血に新しく2剤の経口治療薬が登場/GSK、田辺三菱製薬

 8月26日、腎性貧血に対して、経口の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬であるダプロデュスタット(商品名:ダーブロック、グラクソ・スミスクライン)とバダデュスタット(同:バフセオ、田辺三菱製薬)が発売された。HIF-PH阻害薬としては、2019年11月にロキサデュスタット(同:エベレンゾ、アステラス製薬)が発売されているが、現在の適応は透析施行中の腎性貧血のみである。一方、今回発売されたダプロデュスタットとバダデュスタットは、透析施行中だけでなく保存期の腎性貧血患者にも使用可能な治療薬で1日1回経口投与である。腎性貧血の治療薬に経口剤のHIF-PH阻害薬 高齢化や生活習慣病の進展に伴い、腎障害をもつ患者が増加しており、わが国には慢性腎臓病(CKD)のステージ3~5の患者は1,090万人と予想されている。腎臓は、エリスロポエチンなどのホルモンを産生することで赤血球の産生を促進するが、腎障害を有する患者では腎臓が十分な量のエリスロポエチンを産生することができなくなることから、腎性貧血がよく起こる。また、腎機能が低下することで腎性貧血の有病率も高くなり、CKD患者の3割に腎性貧血があるという報告もある。 腎性貧血になると、動悸や息切れ、めまいや立ちくらみ、全身倦怠感などの症状が現れるが、貧血は徐々に進行するため症状に気が付ないこともあり、定期的な検査やその後の適切な治療が必要となる。 従来、腎性貧血の治療薬は、注射剤はあったものの、患者のQOLやアドヒアランスなどは決して良好とは言い難かった。 そこで新たに開発された治療薬が経口剤のHIF-PH阻害薬で、低酸素(酸素欠乏)で生じる生理学的作用と同様の作用機序で、骨髄での赤血球産生を促し、腎性貧血を改善する。HIF-PH阻害薬は、昨年発売されたロキサデュスタット、今回発売されたダプロデュスタットとバダデュスタットのほか、enarodustat(日本たばこ産業)も近く承認される見通しである。ダプロデュスタットの製品概要製品名:ダーブロック錠1mg/2mg/4mg/6mg一般名:ダプロデュスタット製造販売承認取得日:2020年6月29日発売日:2020年8月26日薬価:ダーブロック錠1mg 105.40円/2mg 185.80円/4mg 327.40円/6mg 456.10円効能・効果:腎性貧血用法・用量:(1)保存期慢性腎臓病患者・赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合通常、成人にはダプロデュスタットとして1回2mgまたは4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。・血球造血刺激因子製剤から切り替える場合通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。(2)透析患者通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。製造販売元:グラクソ・スミスクライン販売元:協和キリンバダデュスタットの製品概要製品名:バフセオ錠150mg/300mg一般名:バダデュスタット製造販売承認取得日:2020年6月29日発売日:2020年8月26日薬価:バフセオ錠150mg 213.50円/300mg 376.20円効能・効果:腎性貧血用法・用量:成人にはバダデュスタットとして、1回300mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回600mgまでとする。製造販売元:田辺三菱製薬

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敗血症性ショック、ステロイドを含む3剤併用は無効/JAMA

 敗血症性ショックの患者に対する、アスコルビン酸+コルチコステロイド+チアミンの3剤併用投与は、プラセボと比較して、試験登録後72時間におけるSequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコアを統計学的に有意に低下しないことが、米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのAri Moskowitz氏らによる無作為化試験「ACTS試験」の結果、報告された。先行研究により、3剤併用投与は潜在的な治療法であることが見いだされていたが、著者は今回の試験結果を踏まえて「敗血症性ショック患者に対する3剤併用のルーチン使用は支持されない」と述べている。JAMA誌2020年8月18日号掲載の報告。3剤併用vs.プラセボの無作為化試験、72時間のSOFAスコアで評価 研究グループは、アスコルビン酸+コルチコステロイド+チアミンの3剤併用投与が、敗血症性ショックの患者における臓器損傷を軽減するかどうかを、多施設共同の無作為化盲検プラセボ対照試験で評価した。 2018年2月9日~2019年10月27日に、米国の14施設で敗血症患者205例を登録し、2019年11月26日まで追跡調査した。 被験者は無作為に、非経口アスコルビン酸(1,500mg)+ヒドロコルチゾン(50mg)+チアミン(100mg)を6時間ごとに4日間投与する群(介入群、103例)、または同時に同一量のプラセボを投与する群(プラセボ群、102例)に割り付けられた。 主要評価項目は、試験登録~72時間のSOFAスコア(範囲:0~24、0=最良)の変化。主要な副次評価項目は、腎不全、30日死亡率などであった。少なくとも1用量の治験薬を投与された患者を解析対象とした。SOFAスコアの補正後群間差-0.8ポイント、統計学的有意差なし 無作為化を受けた被験者205例(平均年齢68[SD 15]歳、女性90例[44%])のうち、200例(98%)が少なくとも1用量の治験薬を投与され試験を完了した(介入群101例、プラセボ群99例)。 全体として、試験登録後72時間のSOFAスコアに関して、時間と治療グループ間に統計学的に有意な相互作用はみられなかった。平均SOFAスコアの変化は、介入群が9.1ポイントから4.4ポイント(-4.7ポイント)、プラセボ群は9.2ポイントから5.1ポイント(-4.1ポイント)であった(補正後群間差:-0.8、95%信頼区間[CI]:-1.7~0.2、相互作用のp=0.12)。 腎不全の発生率(介入群31.7% vs.プラセボ群27.3%、補正後リスク差:0.03、95%CI:-0.1~0.2、p=0.58)、30日死亡率(34.7% vs.29.3%、ハザード比:1.3、95%CI:0.8~2.2、p=0.26)はいずれも有意な差は認められなかった。最も頻度が高かった重篤有害事象は、高血糖症(介入群12例vs.プラセボ群7例)、高ナトリウム血症(11例vs.7例)、新規の院内感染(13例vs.12例)であった。

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がん治療で心疾患リスクを伴う患者の実態と対策法/日本循環器学会

 第84回日本循環器学会学術集会(2020年7月27日~8月2日)で佐瀬 一洋氏(順天堂大学大学院臨床薬理学 教授/早稲田大学医療レギュラトリーサイエンス研究所)が「腫瘍循環器診療の拡がりとCardio-Oncology Rehabilitation(CORE)」について発表。がんを克服した患者の心血管疾患発症リスクやその予防策について講演した。循環器医がおさえておくべき、がん治療の新たなる概念-サバイバーシップ がん医療の進歩により、がんは不治の病ではなくなりつつある。言い換えるとがん治療の進歩により生命予後が伸びる患者、がんサバイバーが増えているのである。とくに米国ではがんサバイバーの急激な増加が大きな社会問題となっており、2015年時点で1,500万人だった患者は、今後10年でさらに1,000万人の増加が見込まれる。 たとえば小児がんサバイバーの長期予後調査1)では、がん化学療法により悪性リンパ腫を克服したものの、その副作用が原因とされる虚血性心疾患(CAD)や慢性心不全(CHF)を発症して死亡に繋がるなどの心血管疾患が問題として浮き彫りとなった。成人がんサバイバーでも同様の件が問題視されており、長期予後と循環器疾患に関する論文2)によると、乳がん患者の長期予後は大幅に改善したものの「心血管疾患による死亡はその他リスク因子の2倍以上である。乳がん診断時の年齢が66歳未満では乳がんによる累計死亡割合が高かった一方で、66歳以上では心血管疾患(CVD)による死亡割合が増加3)し、循環器疾患の既往があると累計死亡割合はがんとCVDが逆転した」と佐瀬氏はコメントした。心疾患に影響するがん治療を理解する この逆転現象はがん治療関連心血管疾患(CTRCD:Cancer Therapeutics-Related Cardiac Dysfunction)が原因とされ、このような患者は治療薬などが原因で心血管疾患リスクが高くなるため、がんサバイバーのなかでも発症予防のリハビリなどを必要とする。同氏は「がん治療により生命予後が良くなるだけではなく、その後のサバイバーシップに対する循環器ケアの重要性が明らかになってきた」と話し、がんサバイバーに影響を及ぼす心毒性を有する薬を以下のように挙げた。●アントラサイクリン系:蓄積毒性があるため、生涯投与量が体表面積あたり400mg/m2を超えるあたりから指数関数的にCHFリスクが上昇する●分子標的薬:HER2阻害薬はアントラサイクリン系と同時投与することで相乗的に心機能へ影響するため、逐次投与が必要。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)は世代が新しくなるにつれ血栓症リスクが問題となる●免疫チェックポイント阻害薬:PD-1阻害薬とCTLA-4阻害薬併用による劇症心筋炎の死亡報告4)が報告されている これまでのガイドラインでは、薬剤の影響について各診療科での統一感のなさが問題だったが、2017年のASCOで発表された論文5)を機に変革を迎えつつある。心不全の場合、日本循環器学会が発刊する『腫瘍循環器系の指針および診療ガイドライン』において、がん治療の開始前に危険因子(Stage A)を同定する、ハイリスク患者とハイリスク治療ではバイオマーカーや画像診断で無症候性心機能障害(Stage B)を早期発見・治療する、症候性心不全(Stage C/D)はGLに従って対応するなど整備がされつつある。しかしながら、プロテアソーム阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬のような新規薬剤は未対応であり、今後の課題として残されている。循環器医からがんサバイバーへのアプローチが鍵 がん治療が心機能へ影響する限り、これからの循環器医は従来型の虚血性心疾患と並行して新しい危険因子CTRCDを確認するため「がん治療の既往について問診しなければならない」とし、「患者に何かが起こってから対処するのではなく腫瘍科医と連携する体制が必要。そこでCardio-Oncologyが重要性を増している」と述べた。 最後に、Cardio-Oncologyを発展させていくため「病院内でのチームとしてなのか、腫瘍-循環器外来としてなのか、資源が足りない地域では医療連携として行っていくのか、状況に応じた連携の進め方が重要。循環器疾患がボトルネックとなり、がん治療を経た患者については、腫瘍科医からプライマリケア医への引き継ぎ、もしくは心血管疾患リスクが高まると予想される症例は循環器医が引き継いでケアを行っていくことが求められる。これからの循環器医にはがんサバイバーやCTRCDに対するCORE6)を含めた対応が期待されている」と締めくくった。■参考1)Armstrong G, et al. N Engl J Med. 2016;374:833-842.2)Ptnaik JL, et al. Breast Cancer Res. 2011 Jun 20;13:R64.3)Abdel-Qadir H, et al. JAMA Cardiol. 2017;2:88-93.4)Johnson DB, et al. N Engl J Med. 2016;375:1749-1755.5)Almenian SH, et al. J Clin Oncol. 2017;35:893-911.6)Sase K, et al. J Cardiol.2020 Jul 28;S0914-5087(20)30255-0.日本循環器学会:心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版)

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第22回 老化で溜まる屑ががん細胞を転移しやすくする~血を薄めて若返り?

高齢になるほどがんを生じてがんで死亡することが多くなり、がんによる死亡は主に転移を原因とします。米国・ニューヨーク市のコーネル大学のチームによる新たな研究の結果、食物中のタンパク質等をエネルギーに変える代謝で生じるいわば屑・メチルマロン酸(MMA)が高齢になるほど血液中に蓄積し、上皮間葉転換(EMT)に似た仕組みを経てどうやらがん細胞を転移しやすくすると分かりました1-4)。先立つ研究で、転移し始める細胞のMMAが増えると分かっていました3)。また、高齢者にMMAが多いことも知られていました。それら2つの発見を背景にしてチームはMMAが高齢者と発がんの関連に寄与しているかもしれないと考え、血液中のMMA が多い60歳以上の高齢者30人の血清と25~30歳の若者30人の血清を肺がん細胞や乳がん細胞に投与してどうなるかを検討しました。その結果、若者の血清を投与したがん細胞の特性は多くの場合変化しませんでした。一方、高齢者の血清が投与されたがん細胞は多くの場合EMTに似た仕組みによって転移特性を備え、別の試験でその変化の多くがMMAに起因していると判明しました。それらのがん細胞はたしかに転移誘発作用があり、マウスに注射したところ肺に転移性の腫瘍を生み出しました。MMAは高齢者の血液中に存在する大きな脂肪の粒と恐らく複合体を形成して血管壁を出てがん細胞に運ばれ、SOX4という遺伝子発現を促すことでがん細胞を転移可能な状態にするようです。MMAを運ぶその脂肪粒の特性やMMAがどういう仕組みでSOX4の発現を促すのかは分かっておらず、今後の研究で調べる必要があります。また高齢になるほどMMAが蓄積する理由なども今後の研究で明らかになるでしょう。まだまだ課題はありますが、MMAを減らしてがんによる死亡を防ぐ治療が生み出されることを何よりも望むと研究を率いたコーネル大学教授John Blenis氏は言っています3)。血を薄めて若返りを図る?老化するほど血液に溜まる有害成分はMMAだけではないようで、老化に伴って蓄積する有害タンパク質もどうやら存在し、それらを薄める血漿瀉血(血漿交換)に似た処置で老いたマウスを若返らせうることがカリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)の最近の研究で示されています5,6)。研究者は老齢マウスの血漿の半分をそれらに含まれるアルブミン相当量添加(アルブミン5%)生理食塩水で置き換えて血漿中のタンパク質を薄めました。すると老化で増える炎症促進タンパク質の数が減り、血管新生などに携わる有益なタンパク質は逆に増え、脳・肝臓・筋肉が若返りました。血漿成分を変える瀉血は種々の自己免疫疾患の治療として米国FDAにすでに承認されています。少し手を加えた瀉血で高齢者の体調を改善できるかどうかや、筋肉減少・神経変性・2型糖尿病・免疫不全などの老化疾患を治療できるかどうかを調べる試験の準備をしていると6月中旬の同大学のニュースで述べられています5)。MMAも薄まるのであればもしかすると瀉血でがん転移も減らせるかもしれません。参考1)Age-induced accumulation of methylmalonic acid promotes tumour progression. Nature. 19 August 20202)Study finds cancer-boosting culprit that multiplies with age / AFP 3)Aging People Accumulate a Molecule that Promotes Cancer and Metastasis / Weill Cornell Medicine4)Molecules in the blood of older people promote cancer spread / Nature 5)Diluting blood plasma rejuvenates tissue, reverses aging in mice / Eurekalert6)Mehdipour M,et al. Aging. 2020 May 31; 12: 8790–8819.

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未治療AML、アザシチジン+ベネトクラクス併用でOS延長/NEJM

 強力な化学療法が適応とならない未治療の急性骨髄性白血病(AML)患者において、アザシチジン+ベネトクラクス併用療法はアザシチジン単独投与と比較して、発熱性好中球減少症の発現率は高かったものの、全生存期間および寛解率の有意な改善を達成したことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのCourtney D. DiNardo氏らによる多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「VIALE-A試験」で明らかとなった。高齢のAML患者は、メチル化阻害剤による治療でも予後不良であり、第Ib相試験においてアザシチジン+ベネトクラクス併用療法の有効性が示唆されていた。NEJM誌2020年8月13日号掲載の報告。未治療の高齢AML患者約430例で有効性と安全性を単独投与と比較 研究グループは、併存疾患を有する、または75歳以上のため、標準的な寛解導入療法の適応とならない未治療のAML患者431例を、アザシチジン+ベネトクラクス併用療法(ベネトクラクス群)またはアザシチジン+プラセボ(プラセボ群)に2対1の割合で無作為に割り付けた。アザシチジンは標準的な用法・用量で投与し(28日を1サイクルとし1日目~7日目に75mg/m2を皮下投与または静脈内投与)、ベネトクラクス(目標用量400mg)またはプラセボは1サイクル28日で1日1回経口投与した。 主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は複合完全寛解(完全寛解+好中球数または血小板数の回復が不完全な完全寛解)、完全寛解などであった。ベネトクラクス併用療法はアザシチジン単独投与よりOSを約5ヵ月延長 2017年2月6日~2019年5月31日の間に、27ヵ国134施設において579例がスクリーニングされ、433例が無作為化された。intention-to-treat集団には、431例が組み込まれた(ベネトクラクス群286例、プラセボ群145例)。両群の年齢中央値は76歳であった(範囲:49~91歳)。 追跡期間中央値20.5ヵ月において、OS中央値はベネトクラクス群14.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:11.9~18.7)、プラセボ群9.6ヵ月(7.4~12.7)で、死亡のハザード比は0.66(95%CI:0.52~0.85、p<0.001)であった。 完全寛解率は、ベネトクラクス群がプラセボ群より高く(36.7% vs.17.9%、p<0.001)、複合完全寛解も同様の結果であった(66.4% vs.28.3%、p<0.001)。 主な有害事象は、全グレードの悪心(ベネトクラクス群44%、プラセボ群35%)、ならびにGrade3以上の血小板減少症(それぞれ45%、38%)、好中球減少症(42%、28%)、発熱性好中球減少症(42%、19%)であった。全グレードの感染症は、ベネトクラクス群で85%、プラセボ群で67%に認められた。 重篤な有害事象の発現率は、それぞれ83%および73%であった。

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HIV曝露前予防、F/TAF vs. F/TDF/Lancet

 HIV曝露前予防(PrEP)を目的としたエムトリシタビン/テノホビル・アラフェナミド(F/TAF)1日1回投与は、エムトリシタビン/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF)1日1回投与に対して有効性は非劣性であり、忍容性はいずれも良好であった。また、F/TAFは、骨および腎に対する安全性のバイオマーカーに関して、F/TDFに対する優越性が認められた。米国・Fenway HealthのKenneth H. Mayer氏らが、多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第III相非劣性試験「DISCOVER試験」の結果を報告した。先行研究でテノホビル・アラフェナミド(TAF)はテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)と比較して、HIV治療に用いた場合に高い抗ウイルス効果と腎および骨の安全性を改善することが示されていた。Lancet誌2020年7月25日号掲載の報告。曝露前予防投薬を行い、HIV発症率を比較 DISCOVER試験は、欧州と北米にある地域、公的、病院に関連した94のクリニックで実施された。対象は、高リスクの性的行動が記録(過去12週間について自己申告)されている、HIV感染リスクが高い成人男性同性愛者または男性から女性への性転換者(直近[登録後24週間以内]の記録あり)で、現在または既往PrEPでエムトリシタビンおよびテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を受けていた参加者は除外した。 被験者を、エムトリシタビン200mg/テノホビル・アラフェナミド25mg 1日1回投与(F/TAF)群、またはエムトリシタビン200mg/テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩300mg 1日1回投与(F/TDF)群に1対1の割合で無作為に割り付け追跡した。全被験者とも2錠が投与された。 試験のスポンサー、研究者、被験者および試験スタッフ(試験薬の投与、アウトカムの評価、データ収集を実施)は、割り付けについて知らされなかった。 主要評価項目はHIV感染(HIV発症率)とし、全例が48週間の追跡調査を完遂した時、かつ半数が96週間の追跡調査を完遂した時に評価された。解析対象は、割り付けられた治験薬を1回以上投与され、試験開始後に1回以上HIV検査を受けた、すべての無作為割り付け患者とした。 F/TAFのF/TDFに対する非劣性マージンは、HIV発症率比(IRR)の95.003%信頼区間(CI)上限値が1.62とした。また、安全性に関し、骨と腎の安全性を示す6つのバイオマーカーを副次評価項目として事前に定義した。F/TAFのF/TDFに対する非劣性を確認 2016年9月13日~2017年6月30日に、適格性を評価した5,857例のうち5,387例(92%)が無作為化された(F/TAF群2,694例、F/TDF群2,693例)。 主要有効性解析において、IRRは事前規定の非劣性マージンを満たし、F/TAFのF/TDFに対する非劣性が確認された(IRR:0.47、95%CI:0.19~1.15)。 追跡期間8,756人年においてHIV感染は計22例認められ、そのうちF/TAF群は7例(0.16/100人年、95%CI:0.06~0.33)、F/TDF群は15例(0.34/100人年、95%CI:0.19~0.56)であった。 両群とも忍容性は良好で、治験薬の中止に至った有害事象の報告は少数例であった(F/TAF群2,694例中36例[1%]vs.F/TDF群2,693例中49例[2%])。F/TAF群では、事前に定義した骨密度および腎機能検査の6つのバイオマーカーのすべてで、F/TDFに比べ有意に良好であることが示された。

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アカラブルチニブ、慢性リンパ性白血病治療薬として、EUの承認勧告取得/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2020年7月27日、欧州連合(EU)においてアカラブルチニブに対し、慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者の治療薬として、製造販売承認が勧告されたことを発表した。 今回の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解は、前治療歴のないCLL患者を対象にしたELEVATE TN、および再発または難治性CLL患者さんを対象にしたASCENDの2つの第III相臨床試験の結果に基づいている。 ELEVATE TN試験では、前治療歴のないCLL患者において、アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法、およびアカラブルチニブ単剤療法が、標準的な化学免疫療法であるchlorambucilとオビヌツズマブとの併用療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクをそれぞれ90%および80%低下させることが確認された。ASCEND試験では、試験対象となった再発または難治性CLL患者のうち、12ヵ月時点で生存かつ病勢進行も認められなかった患者の割合が、アカラブルチニブ投与群では88%だったのに対し、リツキシマブとidelalisibまたはベンダムスチンの併用療法群では68%であった。アカラブルチニブの安全性および忍容性は、両試験ともに既知のプロファイルと一致していまた。 今回のCHMPによる承認勧告は、前治療歴のないCLLの成人患者に対してのアカラブルチニブ単剤療法またはオビヌツズマブとの併用療法、および少なくとも1回の前治療歴を有するCLL成人患者に対する単剤療法に対して行われた。 アカラブルチニブ、Idelalisib、chlorambucil、オビヌツズマブは本邦未承認。

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再発・難治性多発性骨髄腫、KdD療法でPFS改善/Lancet

 再発・難治性多発性骨髄腫患者の治療において、プロテアソーム阻害薬カルフィルゾミブ+デキサメタゾン+抗CD38モノクローナル抗体製剤ダラツムマブ(KdD)による3剤併用療法は、カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)に比べ、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長し、ベネフィット・リスクのプロファイルも良好であることが、ギリシャ・アテネ大学のMeletios Dimopoulos氏らが実施した「CANDOR試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年7月18日号に掲載された。新規に診断された多発性骨髄腫の治療では、レナリドミド+ボルテゾミブにより生存期間が改善されているが、多くの患者は病勢の進行または毒性により治療中止に至るため、再発・難治性多発性骨髄腫における新たな治療法の必要性が高まっている。カルフィルゾミブ+ダラツムマブは、第I相試験(MMY1001試験)において再発・難治性多発性骨髄腫に対する実質的な有効性と忍容可能な安全性が報告されている。ダラツムマブ併用の有用性を評価する無作為化第III相試験 研究グループは、再発・難治性多発性骨髄腫の治療におけるKdDとKdの有効性と安全性を比較する目的で、非盲検無作為化第III相試験を行った(Amgenの助成による)。 対象は、北米、欧州、オーストラリア、アジアの102施設から登録された1~3レジメンの前治療を受けた再発・難治性多発性骨髄腫患者であった。被験者は、KdDまたはKdによる治療を受ける群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、intention to treat集団におけるPFSであった。1年後のCRかつMRD陰性の割合:13% vs.1% 2017年6月13日~2018年6月25日の期間に466例が登録され、KdD群に312例(年齢中央値64.0歳、女性43%)、Kd群には154例(64.5歳、41%)が割り付けられた。前治療ライン数中央値は両群とも2.0で、2ライン以上の患者の割合は両群とも54%であった。KdD群で、造血幹細胞移植歴(63% vs.49%)のある患者が多く、75歳以上(9% vs.14%)の患者が少なかった。 全体の42%がレナリドミドを含むレジメン、90%はボルテゾミブを含むレジメンの投与歴があり、33%がレナリドミド抵抗性、29%はボルテゾミブ抵抗性だった。 フォローアップ期間中央値が約17ヵ月の時点でのPFS期間中央値は、KdD群が未到達、Kd群は15.8ヵ月であり、KdD群で有意に延長していた(ハザード比[HR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.46~0.85、p=0.0027)。18ヵ月PFS率は、KdD群が62%、Kd群は43%だった。事前に規定されたすべてのサブグループで一貫して、KdD群においてPFSのベネフィットが認められた。 全奏効割合は、KdD群が84%と、Kd群の75%に比べ有意に高く(オッズ比[OR]:1.925、95%CI:1.2~3.1、p=0.0080)、非常によい部分奏効(VGPR)以上の達成割合はそれぞれ69%および49%であり、完全奏効(CR)の達成割合は29%および10%であった。また、12ヵ月時の微小残存病変(MRD)陰性割合は、KdD群が18%、Kd群は4%であり(5.8、2.4~14.0、p<0.0001)、12ヵ月時のCR+MRD陰性の割合は、それぞれ13%および1%(11.3、2.7~47.5、p<0.0001)だった。 全生存(OS)期間中央値は、両群とも未到達であり、18ヵ月OS率は、KdD群が80%、Kd群は74%だった。治療期間中央値は、KdD群が70.1週と、Kd群の40.3週に比べ長かった。 Grade3以上の有害事象は、KdD群が82%、Kd群は74%で発現し、重篤な有害事象はそれぞれ56%および46%にみられた。全Gradeの有害事象で、KdD群で頻度の高いものとして、血小板減少症(37% vs.29%)、下痢(31% vs.14%)、上気道感染症(29% vs.23%)、疲労感(24% vs.18%)が認められた。 Grade3以上の注目すべき有害事象として、気道感染症(KdD群29% vs.Kd群16%)、心不全(4% vs.8%)、急性腎不全(3% vs.7%)、虚血性心疾患(3% vs.3%)、ウイルス感染症(6% vs.2%)などが認められた。治療中止の原因となった有害事象は、KdD群が22%、Kd群は25%にみられた。 著者は、「カルフィルゾミブ+デキサメタゾン+ダラツムマブによる3剤併用療法は、レナリドミド曝露歴のある患者やレナリドミド抵抗性の患者を含め、再発・難治性多発性骨髄腫の治療における有効かつ忍容可能な新たな治療選択肢として検討を進める必要がある」としている。

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免疫チェックポイント阻害薬の未来―がん免疫療法の耐性とその克服【そこからですか!?のがん免疫講座】最終回

はじめに「がん免疫の基礎を…」ということで始まったこのシリーズは、当初5回くらいで終わる予定でしたが、いろいろ盛り込んで増えてしまい、計7回になりました。まだまだトピックスはありますが、込み入った話はあまりせず、がん免疫療法の将来像を「個人的」な想像(妄想?)も交えてお話しすることで、終わりにしたいと思います(あくまで「個人的」な見解であり、承認されていない薬剤や使用方法についても記載がありますが、ご容赦ください)。ICIはどんどん早い段階で使われるように現在、臨床応用されている免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は、抗PD-1/PD-L1抗体と抗CTLA-4抗体です。ご存じのように、これらは当初の適応がん種であった悪性黒色腫や肺がんだけでなく、さまざまながんで効果が証明され、使用が広がっています。免疫応答ががん細胞に対してしっかり起きていれば(とくにT細胞がしっかり攻撃できれば)、がん種に関係なく効く、というわけなのです。「ネオ抗原を反映する体細胞変異数が重要」という話をバイオマーカーの話題の回で紹介しましたが、体細胞変異数が多いMSI highというくくりや、最近では体細胞変異数が多いがんというくくりにおいても、ICIの効果が証明されつつあります。今まで臓器別で承認されてきた抗がん剤ですが、ここに来てがん種横断的な承認・使用ができるようになってきています。似たようなことはゲノム医療が進む分子標的薬の世界でも広がっていますね。そして、遅いラインでの使用よりもファーストラインでの使用、さらには早期がんでの周術期、というように、ICIはどんどん早い段階で使用する方向に向かっています。患者さんの検体を解析していて感じますが、やはり早期の小さいがんほど「(俗っぽい表現ですが)免疫状態がよく」、がん免疫療法もそういった小さな、早期のものほど効く可能性が高いと感じます。マウスの実験でも、小さい腫瘍のほうが明らかによく効きます(図1)1)。とくに最近の術前補助化学療法としてICIを使う効果は特筆すべきものがあり2)、今後「術前ICI」という治療が、いろいろながん種で臨床に入ってくるかもしれません。画像を拡大する今後を占うのは、ICIの「3つの耐性機序」今までの分子標的薬治療の開発史においても、耐性機序を解明することによって次の治療が登場してきました。たとえば、第1世代EGFR-TKIに耐性を示すEGFR T790M変異が見つかったことで第3世代EGFR-TKIが開発されたわけです。ICIについても今後の治療開発には耐性機序が非常に重要ですので、ここでも少し触れたいと思います。今までのデータを見ると、ICIの耐性機序はEGFRのT790M変異のような特定の機序というよりは、さまざまな耐性機序が複雑に絡み合っていると考えられます。このシリーズでは耳にタコができるくらい繰り返しご紹介してきましたが、ICIはT細胞を活性化させる治療ですので、代表的な耐性機序をT細胞活性化の7つのステップに準じてA~Cの3つにまとめました(図2)3)。画像を拡大する A がん抗原の認識に関わる耐性:T細胞活性化は抗原の認識から始まります。たとえば、ネオ抗原がない(≒体細胞変異が少ない)とT細胞も強く活性化できず、ICIは耐性となります。ほかにも、がん抗原を乗せるお皿であるMHCに異常があって抗原を提示することができない場合は、T細胞ががん細胞を認識しようがありませんので、耐性化してしまいます4)。 B T細胞の遊走・浸潤に関わる耐性:活性化したT細胞ががん細胞を攻撃するためには、がん細胞のいる攻撃の場へ遊走・浸潤していく必要があります。しかし、遊走・浸潤に関わるケモカインという物質などが妨害されてしまうと耐性化する、とされます。これはさまざまな機序で起きているとされており、たとえば、がん化に寄与する重要ながん側の因子がケモカイン産生を低下させていることが報告されています5)。 C 細胞傷害に関わる耐性:活性化したT細胞ががん細胞を攻撃する最終段階において、がん細胞を傷害できずに耐性化してしまうこともあります。たとえば、PD-1やCTLA-4以外の免疫チェックポイント分子がT細胞を強く抑制している場合や、免疫を抑制してしまう細胞が関与することなどが報告されています6)。耐性克服のカギはPrecision Medicineこれらの耐性を克服するために抗がん剤や放射線治療との併用や、ほかの免疫チェックポイントに作用する薬剤との併用などが試みられています。とくに、抗がん剤併用は肺がんでは効果が証明され、すでに臨床応用されています7)。また、承認済みのPD-1/PD-L1やCTLA-4を組み合わせるだけでなく、ほかの免疫チェックポイント分子を標的にした抗LAG-3抗体や抗TIGIT抗体などとの併用療法が現在開発されており、その結果が待たれます。しかしながら、開発中のものにはあまり生物学的な根拠がないものもあります。個人的には、もう少し耐性機序を考慮したうえで個々の組み合わせを考えることが必要だと考えています。がん免疫療法もゲノム医療のようにPrecision Medicineに進むべきです。がん細胞に対してT細胞がまったく攻撃している気配がない患者さん(「砂漠」と表現されます)には、どんなに併用をしようともICIの効果は出ないのではないか?ともいわれています。たとえば、MHCの異常で抗原が提示できない場合には、病理学的にもT細胞がまったく見られず(まさに「砂漠」)4)、どんなにT細胞を活性化させようとも、攻撃するT細胞がそこに存在せず、かつ、がん細胞を認識すらできませんので治療効果は期待できません。「砂漠」にも可能性を感じる細胞療法前回は、CAR-T細胞療法の話題を取り上げました8)。まだ血液腫瘍だけではありますが、このような治療が有効というのは非常に興味深く、示唆に富んだ結果だと思っています。「砂漠」に近い患者さんに対しても、外から攻撃するT細胞を入れることで効果が期待できるかもしれません。実際に、前回紹介したTIL療法はICIが効かないような例でも効果が報告されています9)。似たような発想で、がん細胞の表面に出ている分子を認識する抗体と、T細胞を活性化させる刺激抗体をくっつけたBispecific抗体というものがあります。抗体の片方はがん細胞にくっついて、もう片方がT細胞を活性化させます。つまり表現が少し悪いかもしれませんが、「無理やりにでもT細胞をがん細胞に対して攻撃するように仕向ける」ことができるわけです。おわりに2012年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)でのICIの報告から8年が経ち、がん免疫療法はここまで臨床に広がりました。ICI登場まで、(私も含めて)がん免疫を「うさんくさい」と思っていた方が多いかもしれません。ご存じのようにPD-1は日本で見つかり研究が進んだもので10)、こういった基礎研究の成果がここまで臨床応用されていることに非常に感銘を受け、「うさんくさい」と思っていた自分を恥じました。しかしながら、その有効性は不十分で、まだまだ不明な点が多いのも事実です。マウスで進んできた研究ですが、ヒトでの証明が不十分なものも多いのです。今後の新しい治療開発のためにも、実際の患者さんの検体での解析がますます重要になってくるでしょう。こうした成果を積み重ねれば、将来的には進行がんでも「完治」に近い状態を実現できるのではないかと思います。ややこしい内容も多い中、最終回までお付き合いいただき、ありがとうございました。ケアネット編集部の方には理解しにくい部分をいろいろご指摘いただいて、何とか読める内容になったと思います。そして、私にがん免疫の「いろは」をご教授くださった国立がん研究センター/名古屋大学の西川先生にも、併せて深謝申し上げて本シリーズを終わりにしたいと思います。1)Umemoto K,et al.Int Immunol.2020;32:273-281.2)Forde PM, et al. N Engl J Med. 2018;378:1976-1986.3)冨樫庸介.実験医学増刊.2020;38.4)Inozume T, et al. J Invest Dermatol. 2019;139:1490-1496.5)Sugiyama E, et al. Sci Immunol. 2020;5:eaav3937.6)Togashi Y, et al. Nat Rev Clin Oncol. 2019;16:356-371.7)Gandhi L, et al. N Engl J Med. 2018;378:2078-2092.8)Singh AK, et al. Lancet Oncol. 2020;21:e168-e178.9)Zacharakis N, et al. Nat Med. 2018;24:724-730.10)Ishida Y, et al. EMBO J. 1992;11:3887-3895.

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Round tableがん栄養【Oncologyインタビュー】第18回

出演者進行:聖マリアンナ医科大学 水上 拓郎氏ゲスト:静岡県立静岡がんセンター 内藤 立暁氏、名古屋医療センター 杉山 圭司氏2020年度診療報酬改定で外来化学療法を受けるがん患者の栄養管理評価が見直されるなど、進行がん患者に対する介入の意義は注目の分野である。当該分野で活躍する3名の医師によるディスカッションを紹介する。

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