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CAR-T ide-cel、多発性骨髄腫に国内承認/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年1月20日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR-T細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ)について、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得した。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象にしたCAR-T療法の承認取得は今回が国内初。 今回の承認取得は、国際共同第II相試験(実施地域:日本・米国・欧州・カナダ)、ならびに海外第I相試験(実施地域:米国)で得られた有効性および安全性の結果に基づいている。 国際共同第II相試験(外国人コホート128例、日本人コホート9例)では、主要評価項目とした全奏効割合は、外国人コホート128例において73.4%であり、統計的に有意であった。日本人コホート9例の全奏効割合は88.9%であった。  海外第I相試験において、全奏効割合は全体(62例)で74.2%、承認用量範囲である目標用量450×106個(38例)では84.2%であった。 国際共同第II相試験において、イデカブタゲン ビクルユーセルが投与された137例(日本人患者9例を含む)中134例(97.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(84.7%)、好中球減少症(59.9%)、血小板減少症(45.3%)、貧血(38.0%)、白血球減少症(27.7%)、疲労(16.1%)、リンパ球減少症(14.6%)、低γグロブリン血症(11.7%)、発熱(10.2%)等であった。 また海外第I相試験においては、62例中55例(88.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(75.8%)、好中球減少症(41.9%)、血小板減少症(40.3%)、貧血(38.7%)、疲労(32.3%)、白血球減少症(27.4%)、リンパ球減少症(16.1%)、悪心(14.5%)、頭痛(14.5%)、低リン酸血症(12.9%)、上気道感染(11.3%)等であった。

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再生不良性貧血に免疫抑制療法+エルトロンボパグが有効/NEJM

 未治療の重症再生不良性貧血患者において、エルトロンボパグと標準免疫抑制療法の併用は、血液学的奏効の得られる割合、速さ、大きさを改善し、さらなる毒性は認められなかった。フランス・パリ大学のRegis Peffault de Latour氏らが、未治療の重症再生不良性貧血患者を対象に、標準免疫抑制療法とエルトロンボパグの併用について検討した、研究者主導の無作為化非盲検第III相試験「RACE試験」の結果を報告した。重症再生不良性貧血患者を対象とした第I/II相試験において、エルトロンボパグは、ウマ抗胸腺細胞グロブリン(ATG)+シクロスポリンを含む標準免疫抑制療法の有効性を改善することが示されていた。NEJM誌2022年1月6日号掲載の報告。標準免疫抑制療法+エルトロンボパグ併用の有効性を標準免疫抑制療法単独と比較 研究グループは、2015年7月~2019年4月の期間に、新たに診断された15歳以上の重症再生不良性貧血患者205例を登録した。このうち、登録後に死亡した2例および再生不良性貧血以外の診断を受けた6例を除く、重症再生不良性貧血と確定診断された197例を、免疫抑制療法(ウマATG+シクロスポリン)単独群(A群、101例)、または免疫抑制療法+エルトロンボパグ併用群(B群、96例)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、3ヵ月時の血液学的完全奏効(CHR)で、intention-to-treat解析を実施した。エルトロンボパグ併用で3ヵ月時の完全奏効率が2倍に 3ヵ月時のCHR率は、A群10%、B群22%であった(オッズ比:3.2、95%信頼区間[CI]:1.3~7.8、p=0.01)。また、副次評価項目である6ヵ月時の全奏効率(完全奏効または部分奏効に至った患者の割合)は、A群で41%、B群で68%であり、初回奏効までの期間中央値はA群8.8ヵ月、B群3.0ヵ月であった。 重篤な有害事象の発現率は、両群で類似していた。追跡期間中央値24ヵ月において、骨髄異形成症候群に分類される核型異常が、A群1例およびB群2例に確認され、無イベント生存率はそれぞれ34%および46%であった。体細胞変異は、ベースラインでA群29%、B群31%が検出され、6ヵ月時にはそれぞれ66%、55%に増加したが、血液学的奏効および2年アウトカムへの影響は認められなかった。

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CAR-T療法イエスカルタ、大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療に有効 /NEJM

 大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療において、自家抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞製品アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel、商品名:イエスカルタ)は標準治療と比較して、無イベント生存期間および奏効割合を有意に改善し、Grade3以上の毒性作用の発現は予想された程度であることが、米国・H. Lee MoffittがんセンターのFrederick L. Locke氏らが実施した「ZUMA-7試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年12月11日号に掲載された。世界77施設で行われたCAR-T細胞製品の第III相無作為化試験 研究グループは、早期再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療におけるCAR-T細胞製品axi-celの有用性を評価する目的で、2018年1月~2019年10月の期間に、世界77施設で参加者を募り国際的な無作為化第III相試験を行った(米国・Kiteの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、世界保健機関(WHO)の分類基準(2016年版)で組織学的に大細胞型B細胞リンパ腫と確定され、1次治療で完全寛解が得られなかった患者、または1次治療終了から12ヵ月以内に生検で再発が確認された患者であった。 被験者は、axi-cel群または標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。axi-cel群は、白血球アフェレーシスを受け、前処置としての化学療法(シクロホスファミド+フルダラビン)が施行された後、目標用量(2×106/kg体重)のCAR-T細胞が単回注入された。標準治療群は、プロトコールで定義された化学免疫療法のうち担当医によって選択されたレジメンによる治療を受け、完全または部分寛解が得られた患者には、さらに大量化学療法と自家幹細胞移植が施行された。 主要エンドポイントは、盲検下の中央判定による無イベント生存。主な副次エンドポイントは奏効および全生存であり、安全性の評価も行われた。無イベント生存期間が6ヵ月以上延長、奏効割合は1.66倍に 359例が登録され、axi-cel群に180例、標準治療群に179例が割り付けられた。全体の年齢中央値は59歳(範囲:21~81)、30%(109例)が65歳以上であり、66%(237例)が男性だった。74%が難治性、79%がStageIII/IV、19%がMYCおよびBCL2とBCL6の両方かいずれか一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫であった。追跡期間中央値は24.9ヵ月だった。 無イベント生存期間中央値は、axi-cel群が8.3ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.5~15.8)、標準治療群は2.0ヵ月(1.6~2.8)で、24ヵ月無イベント生存割合はそれぞれ41%(33~48)および16%(11~22)であり、axi-cel群で有意に優れた(イベントまたは死亡のハザード比[HR]:0.40、95%CI:0.31~0.51、p<0.001)。 奏効割合は、axi-cel群が83%と、標準治療群の50%の1.66倍に達した(群間差:33ポイント、p<0.001)。完全奏効はそれぞれ65%、32%であった。また、中間解析における全生存期間中央値は、axi-cel群が未到達、標準治療群は35.1ヵ月であり両群間に有意な差はなかった(死亡のHR:0.73、95%CI:0.53~1.01、p=0.054)。推定2年全生存割合はそれぞれ61%および52%であった。 さらに、無増悪生存期間中央値は、axi-cel群が14.7ヵ月(95%CI:5.4~評価不能)であり、標準治療群の3.7ヵ月(2.9~5.3)に比べ延長した(進行または死亡のHR:0.49、95%CI:0.37~0.65)。24ヵ月無増悪生存割合は、それぞれ46%(95%CI:38~53)および27%(20~35)だった。 Grade3以上の有害事象の発現頻度は、axi-cel群91%(155例)、標準治療群83%(140例)であった。axi-cel群では、Grade3以上のサイトカイン放出症候群が6%(11例)、Grade3以上の神経学的イベントが21%(36例)に認められたが、これらによる死亡例はなかった。 著者は、「アキシカブタゲン シロルユーセルは、再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療において、化学免疫療法、大量化学療法、自家幹細胞移植によるレジメンの代替治療として実行可能であることが明らかとなった」としている。

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イサツキシマブ、再発難治多発性骨髄腫に対する3レジメンが追加承認/サノフィ

 2021年11月、サノフィは再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬である抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブ(商品名:サークリサ)における、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法、単剤療法およびデキサメタゾン併用療法に関する承認事項一部変更を発表した。 12月17日に行われたプレスセミナーでは、日本赤十字社医療センターの鈴木 憲史氏、岡山医療センターの角南 一貴氏がイサツキシマブの各療法の承認に至った試験概要や新たな治療法への期待について講演した。イサツキシマブがIsaPdレジメンに加えて3レジメンに追加承認 多発性骨髄腫は日本における新規罹患者数は約7,700人(2018年)、死亡者数は約4,400人(2019年)、比較的高齢者に多く発症する。治療法は移植と薬物療法が中心で、複数の治療薬が承認されており、ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンのVRd療法をはじめとした多くの併用レジメンがある。薬剤の発達により予後は改善しているが、細胞遺伝学的高リスクや腎機能障害を合併などでは予後不良となるケースが多く、再発難治には患者背景に合わせた複数の治療オプションが求められていた。 今回の承認によって再発難治の多発性骨髄腫に対するイサツキシマブのレジメンは以下の4つとなった(スラッシュ以下は承認の基となった試験名)。・イサツキシマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(IsaPd)/ICARIA-MM試験・イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(IsaKd)/IKEMA試験・イサツキシマブ+デキサメタゾン(Isa+d)/TED10893試験・イサツキシマブ単剤/ISLANDs試験 「多発性骨髄腫は、再発ごとに治療可能期間が減少するため、早い段階で無増悪生存期間を最大化できる戦略が求められる。また、単剤ではなかなか制御できない疾患であり、薬剤の役割分担も重要。イサツキシマブは直接的な細胞死を誘導する作用機序があり、強力かつ長い効果が期待できる。駅伝でいえば花の2区走者になれるのではないか」(鈴木氏)。 「ISLANDs試験は日本人を対象とした日本発のエビデンスであり、抗体薬単剤のレジメンは国内初で、承認も日本のみとなっている。IsaPdやIsaKdの3剤併用レジメンはそれなりに強力なので、 Isa+dと単剤療法はフレイルの患者やポマリドミド・カルフィルゾミブが使いにくい患者の選択肢になるだろう」(角南氏)。

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DLBCLへのpola-R-CHP療法vs. R-CHOP療法/NEJM

 未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者において、R-CHOP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+prednisone)よりも、抗CD79b抗体薬物複合体・ポラツズマブ-ベドチン+R-CHP療法(pola-R-CHP療法)を受けた患者のほうが、2年時点の病勢進行・再発・死亡の複合リスクが約27%低かったことが示された。フランス・Centre Henri-BecquerelのH. Tilly氏らが、879例を対象に行った国際的な第III相二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2021年12月14日号で発表した。DLBCLに対しては通常R-CHOP療法が行われるが、治癒が期待できるのは60%のみであった。DLBCL患者を対象にpola-R-CHP療法とR-CHOP療法を比較 研究グループは、未治療で中等度~高度リスクの18~80歳のDLBCL患者を対象に、従来R-CHOP療法と、pola-R-CHP療法を比較する検討を行った。 被験者を無作為に1対1の割合で2群に分け、pola-R-CHP療法またはR-CHOP療法をそれぞれ6サイクル、その後リツキシマブを2サイクル投与した。 主要評価項目は、研究者の評価による無増悪生存(PFS)。副次アウトカムは、全生存(OS)および安全性とした。推定PFS率はR-CHOP療法70.2%でpola-R-CHP療法76.7% 被験者数は全体で879例(pola-R-CHP療法群440例、R-CHOP療法群439例)。追跡期間中央値28.2ヵ月後のマイルストーン解析で、2年時点の推定PFS率はR-CHOP療法群70.2%(95%信頼区間[CI]:65.8~74.6)に対し、pola-R-CHP療法群は76.7%(72.7~80.8)だった。 2年時点の無イベント生存率は、pola-R-CHP療法群がR-CHOP療法群よりも低く、Cox回帰分析による病勢進行、再発、死亡に関する層別ハザード比(HR)は、0.73(95%CI:0.57~0.95、p=0.02)だった。また、2年時点のOS率については、両群間で有意差はみられず、pola-R-CHP療法群88.7%(95%CI:85.7~91.6)、R-CHOP療法群88.6%(85.6~91.6)だった(HR:0.94、95%CI:0.65~1.37、p=0.75)。 安全性プロフィールは、pola-R-CHP療法群とR-CHOP療法群で類似していた。

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アグレッシブB細胞性リンパ腫の2次治療、チサゲンレクルユーセルvs.標準治療/NEJM

 1次治療に抵抗性を示すなど、アグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫に対し、2次治療としてのチサゲンレクルユーセルは、標準治療(救援療法)に対して優越性を示さなかった。米国・シカゴ大学のMichael R. Bishop氏らが行った国際的な第III相無作為化試験で示された。同患者では、1次治療に抵抗性または同治療後12ヵ月以内に病勢進行が認められた場合の転帰は不良とされる。今回の結果を受けて著者は、「どの患者がいずれのアプローチから最大の利益を得ることができるのか、さらなる研究が必要である」と述べている。NEJM誌オンライン版2021年12月14日号掲載の報告。18歳以上の患者322例を対象に、国際無作為化比較試験 研究グループは2019年5月31日~2021年1月8日にかけて、18ヵ国65医療施設で1次治療に抵抗性、または同治療後12ヵ月以内に病勢進行が認められたアグレッシブB細胞性非ホジキンリンパ腫の18歳以上の患者322例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはチサゲンレクルユーセル+オプショナルでのブリッジング療法を(チサゲンレクルユーセル群)、もう一方には救援化学療法と自家造血幹細胞移植(HSCT)を行った(標準治療群)。 主要評価項目は無イベント生存で、無作為化から12週以降の評価時における、病勢安定または病勢進行、死亡までの期間と定義した。もし定義したイベントが、12週の評価時またはそれ以降に発生した場合には、チサゲンレクルユーセル群へのクロスオーバーが認められた。無イベント生存期間中央値は、両群ともに3.0ヵ月 ベースラインでのハイグレードリンパ腫患者の割合は、チサゲンレクルユーセル群(24.1%)が標準治療群(16.9%)より高率で、またPrognostic Indexスコアが2以上の患者の割合もチサゲンレクルユーセル群(65.4%)が標準治療群(57.5%)より高率だった。チサゲンレクルユーセル群の実薬投与の割合は95.7%で、標準治療群で自家HSCTを受けたのは32.5%だった。また、白血球除去療法からチサゲンレクルユーセル注入までの期間中央値は52日だった。 6週時点でリンパ腫の進行が認められたのは、チサゲンレクルユーセル群25.9%、標準治療群13.8%だった。無イベント生存期間の中央値は、両群ともに3.0ヵ月だった(チサゲンレクルユーセル群のイベントまたは死亡に関するハザード比[HR]:1.07、95%信頼区間[CI]:0.82~1.40、p=0.61)。奏効が認められたのは、チサゲンレクルユーセル群46.3%、標準治療群42.5%だった。 なお、有害事象による死亡が、チサゲンレクルユーセル群で10例、標準治療群で13例報告された。

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新型コロナ感染のがん患者の15%に後遺症、生存率にも影響

 がん患者がCOVID-19に感染した場合の後遺症の有病率、生存率への影響、回復後の治療再開と変更のパターンを調べた研究結果が、2021年11月3日のThe Lancet Oncology誌に掲載された。 本研究は、固形がんまたは血液がんの既往歴があり、PCR検査でSARS-CoV-2感染が確認された18歳以上の患者を登録する欧州のレトロスペクティブ試験で、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国の35施設で患者が登録された。2020年2月27日~2021年2月14日にSARS-CoV-2感染と診断され、2021年3月1日時点でレジストリに登録された患者を解析対象とした。 COVID-19による後遺症の有病率を記録し、それらの発症に関連する因子とCOVID-19後の生存率との関連を検討した。また、COVID-19診断後4週間以内に治療を受けた患者の全身性抗がん剤治療の再開についても評価した。 主な結果は以下のとおり。・2,795例が登録され、2,634例が解析対象となった。1,557例のCOVID-19生存者が、がん診断から中央値22.1ヵ月(IQR:8.4~57.8)、COVID-19診断から44(28~329)日後に再評価を受けた。なお、COVID-19ワクチンを少なくとも1回接種していたのは178例(7%)に過ぎず、そのすべてがCOVID-19回復後の接種であった。・234例(15.0%)がCOVID-19による後遺症を報告し、その中には呼吸器症状(116例[49.6%])と残存疲労感(96例[41.0%])が含まれていた。後遺症は、男性(対女性:p=0.041)、65歳以上(対その他の年齢層:p=0.048)、2つ以上の併存疾患(対1つまたはなし:p=0.0006)、喫煙歴あり(対喫煙歴なし:p=0.0004)に多く認められた。後遺症は、COVID-19による入院(p

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liso-cel、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療の転帰改善(TRANSFORM)/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2021年12月11日、成人の再発・難治大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の2次治療において、CD19を標的としたCAR-T細胞療法リソカブタゲン マラルユーセル(liso-cel)と標準療法(サルベージ化学療法とその後の大量化学療法と自家造血幹細胞移植からなる)を比較した、国際無作為化多施設第III相試験TRANSFORM試験の中間分析の結果を初めて開示した。 主要評価項目であるイベントフリー生存期間(EFS)中央値は追跡期間中央値6.2ヵ月の時点で、liso-cel群10.1ヵ月、標準治療群は2.3ヵ月で、liso-cel群で有意に改善した(HR:0.349、p<0.0001)。結果としてliso-celは、20年以上主流であった現在の標準療法の成績を上回ったことになる。データは第63回米国血液学会(ASH2021)で発表されている。 TRANSFORM試験では、自家幹細胞移植の対象となる再発・難治LBCL184例が、liso-cel(n=92)または標準治療(n=92)に無作為化された。50例の患者が標準治療群からliso-celにクロスオーバーした。 liso-celi群では、66%がCRを達成、PRを合わせた割合は86%であった。標準治療群では、CR39%、PRを合わせた割合は48%で、liso-celi群で有意な改善を示した(p <0.0001)。無増悪生存期間中央値は、liso-celi群14.8ヵ月、標準療法群5.7ヵ月と、liso-celi群で優れていた(HR:0.406、p=0.0001)。 この2次治療の設定でのliso-celiの新たな安全性シグナルは観察されなかった。この試験でのサイトカイン放出症候群(CRS)発現は全Gradeで49%、Grade3は1例で報告された。

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英語で「また連絡します」は?【1分★医療英語】第6回

第6回 英語で「また連絡します」は?Thank you for seeing our patient.(私たちの患者を診てくれてありがとうございます)Anytime. I’ll touch base with you later.(もちろんです。あとでまた連絡しますね)《例文1》I believe ischemia is unlikely, but I will dig into this case and touch base with you later.(虚血の可能性は低いと思いますが、もう少し症例の詳細を見てからまた連絡します)《例文2》Let’s touch base on our project today.(私たちのプロジェクトについて今日話し合いましょう)《解説》“I’ll touch base with you later.”英語圏で働いたことのない方には、あまりなじみのない表現かもしれません。意味は“I’ll contact you.”と同じで、「また連絡するよ」といった意味です。しかし、“contact”では味気がないので、ちょっとスパイスの効いたこの表現が頻繁に用いられるのでしょう。“base”は野球の「ベース」がその由来となっているようです。野球の世界でベースに触れていればセーフ(=安心)、という意味から派生して、さまざまな意味で「アウト」にならないように「連絡を取り合う」という意味の慣用句となったようです。この“touch base”を用いる場合、単なる「連絡する」ではなく、「何か共通の課題やプロジェクトがある際に連絡を取る」というニュアンスで用いられます。米国の病院で研修医として働いていると、たとえば指導医から「あの症例についてあとでまた話そう、いろいろ調べてまた伝えるよ」といった状況で、よくこの“I’ll touch base with you.”と声を掛けられます。臨床現場に限らず、とても使いやすい表現なので、ぜひ身に付けてください。英語表現で1つ先の“塁”を狙えるかもしれません。講師紹介

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12/11、第63回米国血液学会(ASH)スタート!注目演題は?

 12月11日(現地時間)から第63回米国血液学会(ASH)が米国アトランタとオンラインのハイブリッド形式で開催される。COVID-19の影響で昨年は完全オンライン開催だったが、今年はハイブリッド方式を選択。現地の参加者の交流を促すため、感染対策を行いながらウエルカムレセプションやオピニオンリーダーを囲む少人数セッションなどが企画されている。 既にAbstractが公開されており、Late-breakingには「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対するポラツズマブ ベドチンとR-CHP療法併用vs.R-CHOP療法/POLARIX」「初回免疫寛容誘導(ITI)療法に対するrFVIIIFcの有効性」「B細胞非ホジキンリンパ腫2次治療としてのCAR-T細胞tisagenlecleucel vs.標準治療/BELINDA試験」などの演題が選ばれた。 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」ではASHの特設カテゴリーを設置。横浜市立大学の山崎 悦子氏が選定した白血病、国立がん研究センター 東病院の山内 寛彦氏が選定したリンパ腫、群馬大学大学院医学系研究科の半田 寛氏が選定した骨髄腫を中心とした、計25の注目演題をコメント付きで紹介している。登録者向けのオンデマンド配信は2022年2月1日まで視聴可能となっている。

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Pacak-Zhuang症候群にbelzutifan治療が有効/NEJM

 赤血球増加症と多発性パラガングリオーマを有するPacak-Zhuang症候群の16歳女性患者において、低酸素誘導因子2α(HIF2α)阻害薬belzutifan治療により、高血圧、頭痛、および長期にわたる赤血球増加症の解消とともに、迅速かつ持続的な腫瘍縮退効果がもたらされたことを、米国・ダナファーバーがん研究所(DFCI)のJunne Kamihara氏らが報告した。Pacak-Zhuang症候群は、HIF2αをコードする遺伝子(EPAS1)の活性化変異によって引き起こされるまれな疾患で、生殖細胞系列の遺伝子検査で検出されることはほとんどなく、患者は幼少期に赤血球増加症を呈し、その後に複数の再発性および転移性のパラガングリオーマを発症する。小児期に発症した患者は複数の複雑な治療を受けることになるが、症候群の根本的な遺伝的原因を標的とする治療選択肢は限られていた。今回の結果を踏まえて著者は、「分子標的薬のレパートリーが増える中で、その長期的な効果を徹底的に調査することにより、腫瘍素因症候群の子供と大人におけるケアの目標はスクリーニングと早期発見から、将来的に腫瘍の治療、さらに予防へとシフトする可能性があるだろう」と述べている。NEJM誌2021年11月25日号掲載の報告。14歳時に臨床診断、16歳時に再発を認めbelzutifan治療(1日120mg)を開始 研究グループが報告した、Pacak-Zhuang症候群におけるbelzutifan治療評価は、16歳の女性患者を対象に行われた。 患者が初発症状(一過性脳虚血による左側脱力と複視)を呈したのは6歳時で、9歳時に赤血球増加症に関連すると推定される高血圧症に対する降圧療法を開始、14歳時に複数の腫瘍がみつかり切除が行われた。病理所見で少なくとも8つのパラガングリオーマが確認されている。その後に研究グループの小児がん遺伝リスクプログラムに紹介され、3世代家族歴の聴取が陰性であったこと、赤血球増加症と新規パラガングリオーマの同時罹患などを踏まえてPacak-Zhuang症候群と臨床診断された。 術後に降圧薬投与は中止となったが、2年後の16歳時に頭痛および高血圧症の再発、赤血球増加症の悪化、画像診断で腫瘍の存在が確認され、治療オプションが検討されbelzutifan治療(1日120mg)が開始された。投与量は、成人進行腎細胞がんを対象とした第II相試験の推奨用量に基づいている。治療開始17日時点で症状軽減、腫瘍の縮退を確認 belzutifan治療開始9日後に、Pacak-Zhuang症候群で上昇が認められる血漿中ノルメタネフリン値(16.2→5.7nmol/L)とクロモグラニンA値(642→136ng/L)が劇的に低下、赤血球増加症も速やかに軽減し、17日目までにヘモグロビン値は正常範囲に低下した。 それらに伴い、belzutifan治療開始後10日までに頭痛症状が解消され高血圧症が改善。降圧薬は3ヵ月後に中止に至った。 治療24ヵ月後において、Pacak-Zhuang症候群の一部の患者にみられるソマトスタチノーマは認められなかった。 画像診断では、治療開始11日前の時点では左副腎腫瘍(2.4×2.6cm)、大動静脈瘤(1.3×1.3cm)、および2つの小軟部腫瘍(<1cm径)が存在していたが、これらは治療開始17日後にはわずかだが縮退を認め、56日時点では明らかに縮退し大動静脈瘤や後腹膜腫瘍はかろうじて認められる程度になっていた。696日時点のMRIでは左副腎腫瘍は1.2×0.7cmまで縮退し、正常な副腎組織が大半を占めていることが確認された。 安全性については、治療24ヵ月時点までに報告された副作用は最小限にとどまり、有害事象Grade1/2のみであった。 belzutifan治療は本報告時点で継続中である。

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クイズ形式で慢性骨髄性白血病を知るプロジェクト/ノバルティスファーマ

 ノバルティス ファーマは、一般向けに慢性骨髄性白血病(CML)に対する正しい理解を促進するプロジェクト「C.M.L.PROJECT~ちゃんと・学んで・リンクする~」を展開しており、その一環として11月25日に啓発イベントを開催した。 プロジェクトの目玉は、テレビ番組やYouTubeで人気のQuizKnockのこうちゃん氏が考案した「CMLを知るためのクイズ」で、この日のイベントもクイズ王として有名な伊沢 拓司氏と俳優の鈴木 福氏がクイズに挑戦する、という形式だった。 出題されたクイズは7問で徐々に難易度が上がっていき、「10代がかかるがんの中で、白血病が占める割合は何位か。1)1位 2)2位 3)3位」(正解は1位)、「CMLの発症年代として比較的多いのは次のうちどれか。1)10代 2)30代 3)50代」(正解は50代)等の問題に出演者が挑戦した。 回答とあわせ、国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科 の南 陽介氏による解説があり、南氏は「比較的若い人にも多いがんであり、長く治療を続けることが必要」といった疾患の基本知識を共有した。最も反響を呼んだのは「CMLと診断された人の中で、診断後自ら仕事を辞めた人の割合は何%?」という問題で、「6割」「3割」といった回答が出る中で、正解の「1割」が発表されると「そんなに少ないの!」と驚きの声が上がった。 南氏は「白血病というと『不治の病』『助からない』といったイメージがあるが、白血病には急性・慢性、リンパ性・骨髄性と2因子の組み合わせの4種類があり、その中でCMLは分子標的薬の登場で多くの患者さんが長い予後を得られるようになっている」と説明。「それでも、長年に渡る治療が必要となる疾患であることは変わりなく、周囲の理解がないために仕事を失ったり偏見にあったりなど、苦しむ患者さんは多い。社会全体の理解とサポートが必要」とした。 クイズを作成したこうちゃん氏は「クイズをつくるにあたって患者会の方と話すなど、自分自身もとても勉強になった。正しい医療情報を得ることが大切な時代なので、クイズによって少しでも面白く、学ぶきっかけとして欲しい」と語った。関連サイト「C.M.L.PROJECTサイト」

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『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン 2021年版』が発刊

 日本がんサポーティブケア学会が作成した『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版』が10月20日に発刊した。外見(アピアランス)に関する課題は2018年の第3期がん対策推進基本計画でも取り上げられ、がんサバイバーが増える昨今ではがん治療を円滑に遂行するためにも、治療を担う医師に対してもアピアランス問題の取り扱い方が求められる。今回のがん治療におけるアピアランスケアガイドライン改訂は、分子標的薬治療や頭皮冷却法などに関する重要な臨床課題の新たな研究知見が蓄積されたことを踏まえており、患者ががん治療に伴う外見変化で悩みを抱えた際、医療者として質の高い治療・整容を提供するのに有用な一冊となっている。 がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版は、これまで“がん患者に対するアピアランスの手引き 2016年版”として公開してきたものをMinds診療ガイドライン作成マニュアル2017に準拠し作成、ガイドラインに格上げされたものだが、この作成委員長を務めた野澤 桂子氏(目白大学看護学部 看護学科/国立がん研究センター中央病院 アピアランス支援センター)に注目すべき点やアピアランスケアにおける患者への寄り添い方について伺った。アピアランスケアガイドラインと医学的エビデンス 今回、がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版を発刊するにあたり、野澤氏は「僅少の研究からエビデンスとなるものを抽出し推奨度を決定するのは困難を極めた。さらに、下痢や発熱などの副作用と異なり、直接は命に関わらない外見の副作用に対するケアを患者QOLと医学的エビデンスとのバランスの中でどうアピアランスケアガイドラインに反映させるか、今回の課題だった」と言及した。その一方で、エビデンスを重視し過ぎる医療者に危機感も感じたという。「支持療法の評価を、がん治療の効果を評価するのとまったく同じ手法で評価する必要がどこまであるのだろうか。ハードルが高すぎて、同じ労力なら支持療法より治療法の研究をしようとする研究者も増えるかも知れない」とし、「医療者は、ゼロリスクにするために少しでも危険を避けようとするが、たとえば、日用整容品の注意事項に書かれている“病中病後の使用はお控えください”という言葉もがん患者のエビデンスがあるとは限らない」と指摘した。また、「炎症や肌荒れがなく患者さんの希望があれば挑戦してほしい。医療者は、患者さんがその挑戦のメリットデメリットを判断できるような情報を提供することが重要」と説明した。アピアランスケアガイドラインが医療者のエビデンス呪縛を解く また、同氏は医療者のアピアランスケアの現状について「医療者は根拠なく患者さんの生活を限定させるような指導を行うべきではない。人間は息をするためだけに生きているのではない。その人らしく豊かに過ごすための時間にできなければ、患者さんにとって意味がないともいえる」と強調した。 そんな野澤氏も以前はざ瘡様皮疹が出現した患者さんには、当時言われていたように、症状の悪化を懸念してフルメイクではなくポイントメイクを推奨していた。しかし、ある患者さんの一言でケアの在り方を見直したのだという。“ポイントメイクでは隠したいブツブツが隠せない。私は可愛いおばあちゃんと言われることが生きがいだったのに、これでは孫に会えない。効いてる限り死ぬまで使う薬なのに、そもそも生きている意味がないじゃない”と患者さんに迫られた経験談を話し、「その時にケアに対する認識の転換期を迎えた。アピアランスケアがほかの副作用対策と異なるのは、“命に直接関わらない”ということ。ケアに挑戦して何かあってもそれに対する対策はある。重要なのは、患者さんが納得した選択ができること、その人らしさを表現できることではないか」と語った。がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版はある意味、医療者のエビデンス呪縛を解くための指南書の役割もあるのだろう。アピアランスケアガイドライン、治療に応じた患者管理がスムーズに 今回のがん治療におけるアピアランスケアガイドライン改訂では、各章の項目がひと目でわかる「項目一覧」というページが追加されている。ここでは分類(症状や部位)、番号(BQ:background question、CQ:clinical question、FQ:future research question)の項目分類が一覧になっており、研究の状況がわかると同時に、気になるページにすぐたどり着くようになっている。また、各章に総論が設けられており、治療ごとの現状など、本書の読者の理解が促される仕様になっている。たとえば、化学療法編では、「レジメン別脱毛の頻度」や「レジメン別の手足症候群の頻度」が表として掲載され副作用の発現率に注目することで、実際の治療に応じた患者管理がしやすくなっている。 各章の変更点については、5月に開催された日本がんサポーティブケア学会の特別シンポジウム『アピアランスケア研究の現状と課題~アピアランスケアガイドライン2021最新版を作成して~』にて、作成委員会の各領域リーダーらがトピックを解説。そこで挙げられた注目すべき点やアピアランスケアガイドラインの改訂にて変更されたquestionを以下に示す。<アピアランスケアガイドライン項目ごとの追加・改訂点>―――治療編(化学療法)・CQ1:化学療法誘発脱毛の予防や重症度軽減に頭皮クーリングシステムは勧められるか(推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:B[中]、合意率:100%)→周術期化学療法を行う乳がん患者限定。また、レジメンごとの脱毛治療の成功・不成功を踏まえた上で患者指導やケアが必要とされる。・CQ8:化学療法による手足症候群の予防や重症度の軽減に保湿薬の外用は勧められるか(推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:D[とても弱い]、合意率:94%)・CQ10:化学療法による手足症候群の予防や発現を遅らせる目的で、ビタミンB6を投与することは勧められるか(推奨の強さ:3、エビデンスの強さ:B[中]、合意率:94%)治療編(分子標的療法)・CQ17:分子標的治療に伴うざ瘡様皮疹の予防あるいは治療に対してテトラサイクリン系抗菌薬の内服は勧められるか(推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:B[中]、合意率:100%)→皮膚障害のなかで代表的なのが「ざ瘡様皮疹」だが、無菌性であることが特徴。テトラサイクリン系は抗菌作用のみならず抗炎症作用を持ち合わせており、この効果を期待して使用される。・FQ16:分子標的治療に伴うざ瘡様皮疹に対して過酸化ベンゾイルゲルの外用は勧められるか。治療編(放射線療法)・CQ28:放射線治療による皮膚有害事象に対して保湿薬の外用は勧められるか(推奨の強さ:2、エビデンスの強さ:C[弱]、合意率:乳がん-100%、頭頸部-94%)→強度変調放射線治療(IMRT)の普及に伴い、線量に関する規定が削除され、“70Gy相当”の文言が削除された。・FQ31:軟膏等外用薬を塗布したまま放射線治療を受けてもよいか日常整容編スキンケア(洗顔やひげ剃りなど)、カモフラージュとしてのメイクやつけまつげに関する項目は漠然としていたので今回は項目より削除。また、手術瘢痕へのテーピングについてはカモフラージュという表現から“顕著化を防ぐ方法”に変更されている。・BQ32:化学療法中の患者に対して、安全な洗髪等の日常的ヘアケア方法は何か→頭皮を清潔→決まった回数は存在せず、臭いや痒みに応じてでも構わない。シャンプーも指定品があるわけではないので患者の嗜好に応じたものをアドバイスする。・BQ37:がん薬物療法中の患者に対して勧められる紫外線防御方法は何か→前回あまり触れられていなかった衣服について盛り込まれた。・FQ42:乳房再建術後に使用が勧められる下着はあるか――― 今回は43項目(FQ:19、CQ:10、BQ:14)が出来上がったものの、患者の生命に直接関わるわけではない点がボトルネックとなりエビデンスレベルの高い研究が今後望まれる。次回の課題として「研究の蓄積、免疫チェックポイント阻害剤の皮膚障害に関する項目が盛り込まれること」と同氏は話した。アピアランスケア実践でがん患者を治療ストレスから開放 アピアランスケアを実践することは患者の自己表現を容認するものであり、治療効果ひいては生存率にもかかわってくるのではないだろうか。同氏は「患者さんにはもっと安心して治療をしてもらいたい。今は外見の副作用コントロールのための休薬・減量のスキルも進歩してきており、不安なことはケア方法含めて医療者に聞いて欲しい。そして、医療者はエビデンスをベースとしつつも、個々に応じた対応を心がけることが必要」と締めくくった。

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迅速承認制度を適用しすぎるのも弊害がありそうだ(解説:折笠秀樹氏)

 FDAが第II相の結果で迅速承認した抗がん剤を対象に、承認後の第III相試験で有効性が立証できなかった18件を調べたものです。第II相試験で代替エンドポイントの腫瘍縮小効果は有効であったのに、第III相試験の延命効果は有効でなかった事例が2016年から2020年の間に18件もあったのです。18件のそうした事例のうち、製薬企業が自主的に取り下げたのは11件、FDAが取り下げを命令したのが1件、残る6件は取り下げなかったというのです。 日本での承認が初の抗がん剤、オプジーボは皆さんご存じでしょう。肝がんへの適応拡大を目指していましたが、第II相までの試験結果で2017年にFDAは迅速承認しました。承認後に行われた第III相試験で延命効果は有意に優れなかったことを受け、2021年4月にFDAの諮問委員会が開かれました。そこの投票で5:4と不支持が勝ったため、開発企業のBMSは自主的に承認を取り下げたようです。 抗がん剤の延命効果を立証する第III相試験は数年かかります。このため、とくに必要とされる抗がん剤については第II相までの結果で条件付き承認し、その後に第III相試験を行ってもらうという方針は現実的だろうと思います。また、コロナウイルスのように緊急性を要する場合、または代替治療がなく医療上の必要性が高い場合、そのようなときも迅速承認は必要だろうと思います。しかし、いったん承認したものを撤回するのはなかなか難しいし、撤回しないこともあることがわかりました。このような事実から、緊急性を除き、安易に迅速承認を認めるべきではないと考えます。あとで有効ではないとわかったら、その間、無駄な医療費が使われてしまうことになるからです。 条件付き承認するにしても、代替エンドポイントの有効性が統計学的有意だけでなく、真のエンドポイントの有効性も一部確認すべきではないでしょうか。たとえば、有効である事後確率が70%(あるいは80%)以上などの縛りが必要ではないでしょうか。統計学的有意なら、有効である事後確率は95%(片側なら97.5%)以上ということです。第II相試験の例数や観察イベント数の観点から、そこまで求めるのはさすがに無理でしょう。かといって、事後確率が50%以上では甘すぎます。点推定が効果0(プラセボとの差はなし)だからです。これでは、さすがに効果があるとはいえないでしょう。効果があるかないかは五分五分だからです。

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造血器腫瘍における遺伝子パネル検査、現状と今後の課題は?/日本血液学会

 2019年6月に固形がんに対する遺伝子パネル検査が保険適用となり実臨床で使われるようになっているが、リキッドバイオプシーを使ったパネル検査が登場し、造血器腫瘍においても数年内にパネル検査が保険適応となる見込みだ。2021年9月23~25日にオンライン開催された第83回日本血液学会学術集会では「血液内科におけるゲノム医療の現状と課題」と題するシンポジウムが行われ、現状の課題と今後について情報が共有された。 冒頭、国立がん研究センター研究所の片岡 圭亮氏が「造血器腫瘍におけるパネル検査の活用:診断・予後予測」と題する発表を行った。この中で片岡氏は「固形がんのパネル検査は遺伝子異常を発見して適合する薬を見つける、いわゆるコンパニオン診断が主な目的なのに対し、造血器腫瘍では治療のほか、診断と予後予測にも使われる。現在、固形がんのパネル検査は標準治療後の患者が対象だが、造血器腫瘍では初発段階から使えることが望ましい」と説明した。さらに「造血器腫瘍で多く発生する遺伝子異常は固形がんとは異なるため、新たな専用パネルが必要となる」と述べた。 すでにがんセンターでは、2020年から大塚製薬や他医療機関と合同で国産の造血器腫瘍専用パネルの開発と臨床現場への応用を行う試験的プロジェクトを開始しており、この試験の中間解析からも、造血器腫瘍における遺伝子パネル検査の結果は、治療よりも診断・予後予測に役立つ確率が高く、とくに骨髄系腫瘍においてその傾向が顕著であることが裏付けられたという。 後半は、岡山大学の遠西 大輔氏を座長として、現場でパネル検査を運用する医師も加わり、臨床現場での応用と今後の課題をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。現時点での造血器腫瘍におけるパネル検査は保険適用外であり、がん関連3学会が合同で作成する「次世代シークエンサー等を用いた 遺伝子パネル検査に基づくがん診療ガイダンス」でも造血器腫瘍は対象外となっている。日本血液学会が独自に「造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン」を発表・改訂しているが、患者側への説明事項やエキスパートパネルの開催方法などの実務面については今後議論される段階だ。 このような状況下で試験的にパネル検査を行う各医師からは、「エキスパートパネルがないので、検査結果が実際に診療に役立てられているかがわからない」「生殖細胞系列変異が検出された場合、どこまで患者さんに伝えるべきか」といった声が上がった。これに対し、パネル検査が先行している固形がん、とくに遺伝子外来・カウンセリングを重点的に行っている小児がん分野の取り組みから学ぶことが多いのではないか、という意見が出されていた。

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ニボルマブ、小児ホジキンリンパ腫に対する承認取得/BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、抗PD-1抗体のニボルマブ(商品名:オプジーボ)が、小児の再発又は難治性古典的ホジキンリンパ腫に対する承認を取得したことを発表した。 ホジキンリンパ腫はリンパ細網系から生じた細胞の限局性又は播種性の悪性腫瘍であり、国内の年間発症患者数は約1,720人、小児における年間発症患者数は約70人と推定されている。小児ホジキンリンパ腫の一次治療には化学療法等が行われ、再発または治療抵抗性の場合にはさらなる化学療法や抗CD30モノクローナル抗体であるブレンツキシマブ ベドチン等による治療が行われているものの予後は厳しく、ニボルマブは新たな選択肢の一つとして期待される。 今回の承認取得は、国立がん研究センター中央病院で実施された、小児期およびAYA(思春期・若年成人)世代の患者を対象としたニボルマブの有用性を見ることを目的とした医師主導治験(PENGUIN試験)の結果に基づいたもの。本試験は、小児・AYA世代の難治悪性固形腫瘍とホジキンリンパ腫患者のうち、標準的な治療(2種類以上の化学療法後)抵抗性の患者を対象とし、主要評価項目は用量制限毒性相当の有害事象の発生割合、副次評価項目は全生存期間、無増悪生存期間、奏効率等だった。 試験は2017年から開始され、26例の患者(平均年齢12.4歳、11歳以下10/26[38.5%]、12~17歳13/26[50.0%]、18歳以上3/26[11.5%]が組み入れられた。参加者のがん種は横紋筋肉腫が4/26(15.4%)、ユーイング肉腫が3/26(11.5%)、神経芽腫および神経節芽腫が2/26(7.7%)、古典的ホジキンリンパ腫、肺の神経内分泌がんなどが1名ずつだった。結果として、古典的ホジキンリンパ腫の1例において完全奏効が得られ、成人患者での承認時用量と同様の3mg/kgの体重換算用量で確認した結果、有害事象と薬物動態について成人において観察されたものと大きな違いがないことが確認された。 その他のがん種に対するニボルマブの有効性など、本試験の詳細な結果は10月21日から開催されるSIOP 2021(国際小児腫瘍学会)で発表予定となっている。

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「ザイボックス」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第71回

第71回 「ザイボックス」の名称の由来は?販売名ザイボックス注射液600mgザイボックス錠600mg一般名(和名[命名法])リネゾリド(JAN)効能又は効果○〈適応菌種〉本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)〈適応症〉敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎○〈適応菌種〉本剤に感性のバンコマイシン耐性エンテロコッカス・フェシウム〈適応症〉各種感染症用法及び用量<ザイボックス注射液 600mg>通常、成人及び12歳以上の小児にはリネゾリドとして1日1200mgを2回に分け、1回600mgを12時間ごとに、それぞれ30分~2時間かけて点滴静注する。通常、12歳未満の小児にはリネゾリドとして1回10mg/kgを8時間ごとに、それぞれ30分~2時間かけて点滴静注する。なお、1回投与量として600mgを超えないこと。<ザイボックス錠 600mg>通常、成人及び12歳以上の小児にはリネゾリドとして1日1200mgを2回に分け、1回600mgを12時間ごとに経口投与する。通常、12歳未満の小児にはリネゾリドとして1回10mg/kgを8時間ごとに経口投与する。なお、1回投与量として600mgを超えないこと。警告内容とその理由警告本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5.効能又は効果に関連する注意」、「8.重要な基本的注意」 の項を熟読の上、適正使用に努めること。禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年9月29日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2021年6月改訂(第17版)医薬品インタビューフォーム「ザイボックス®注射液600mg・ザイボックス®錠600mg」2)Pfizer for Professionals:製品情報

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迅速承認がん治療薬、確認試験が否定的でも推奨薬のまま?/BMJ

 米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受けたがん治療薬の適応症は、法令で定められた承認後確認試験で有効性の主要エンドポイントの改善が得られなかった場合であっても、3分の1が添付文書に正式なFDAの承認を得たものとして記載され、数年にわたり診療ガイドラインで推奨されたままの薬剤もあることが、カナダ・クイーンズ大学のBishal Gyawali氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2021年9月8日号で報告された。承認後確認試験で否定的な迅速承認薬の後ろ向き観察研究 研究グループは、FDAの迅速承認を受けたものの、承認後確認試験で主要エンドポイントの改善が得られなかったがん治療薬の規制上の取り扱いを調査し、承認後確認試験の否定的な結果が診療ガイドラインでの推奨にどの程度影響を及ぼしているかを評価する目的で、後ろ向き観察研究を実施した(米国・Arnold Venturesの助成を受けた)。 FDAのDrugs@FDAデータベースを用いて、2020年12月までに迅速承認を受けたすべてのがん治療薬が系統的に検索された。また、FDAのPostmarketing Requirements and Commitmentsデータベースを検索し、これらの薬剤の適応症について、法令で定められた承認後確認試験の結果が調査された。 規制措置や確認試験の否定的な結果が臨床現場に及ぼす影響を評価するために、迅速承認された各薬剤の適応症について、全米包括的がんネットワーク(NCCN)の診療ガイドラインにおける、2021年5月の時点での推奨状況の確認が行われた。自主的に撤回は61%、1項目はFDAが承認を取り消し 迅速承認を受けたが承認後確認試験で主要エンドポイントが改善されなかったがん治療薬とその適応症として、10剤の18項目(免疫チェックポイント阻害薬 11項目、モノクローナル抗体 4項目、分子標的薬、化学療法薬、抗体薬物複合体 各1項目)が特定された。 18項目のうち、11項目(61%)が製薬会社によって自主的に撤回され、1項目(HER2陰性乳がんのベバシズマブ)はFDAにより承認を取り消されていた。11項目の自主的撤回のうち6項目は2021年に行われていた。また、18項目のうち残りの6項目(33%)は、添付文書に適応と記載された状態だった。 一方、NCCNガイドラインでは、承認の自主的撤回および取り消し後も一定の頻度で、これらの薬剤が高いレベルで推奨されており、1項目(PD-L1陽性トリプルネガティブ乳がんのアテゾリズマブ)がカテゴリー1(高レベルのエビデンスに基づき、NCCNの統一したコンセンサスがある)、7項目はカテゴリー2A(比較的低レベルのエビデンスに基づき、NCCNの統一したコンセンサスがある)であった。 著者は、「これらの知見は、迅速承認の行程を支える速度とエビデンスの妥結点が達成されていないことを表している。最近の規制措置の動きからは、FDAがこのような状況に多大な注意を払ってきたことがうかがわれるが、FDAが承認したすべての薬剤が患者にとって安全で有効であることを示すには、迅速承認の行程の新たなガイダンスと改革が求められる」としている。

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23日より血液学会スタート!会長インタビューと注目演題紹介

 9月23日より第83回日本血液学会学術集会がオンラインで開催される。ケアネットが運営する医師限定キュレーションサイト「Doctors'Picks」では学会の特集サイトを公開しており、掲載された会長の東北大学の張替 秀郎氏による動画メッセージの一部を紹介する。ーー本学会のテーマ「恒常性と復元力」にはどのような意味を込めたのでしょうか? 血液細胞は、酸素運搬、感染防御、止血といった身体の恒常性の根幹を担う必須の細胞です。そして、血液のがんはほかのがんと異なり、腫瘍を取ってしまえばよいわけではなく、そこから正常な造血機能が回復してはじめて寛解となる。そうした意味で復元力が極めて大切な臓器です。そうした2つの血液の本質に立ち返り、改めて考察したいという狙いからテーマとしました。 そして、このテーマには、もう一つの思いが込められています。2021年は東日本大震災から10年の節目にあたります。2011年、東日本大震災により日本、とくにこの東北は甚大な被害を受け、すべての恒常性が失われました。そして2020年、COVID-19感染症によって、世界は再度すべての恒常性を失いました。東日本大震災から10年、社会がその復元力によって恒常性を取り戻したように、現在はまだコロナ禍にはありますが、社会の復元力によって生活・科学・医療の恒常性を取り戻すことを信じて願う、という意味も込めました。ーー今回の学会でとくに注目の演題は? 各専門別の最新の情報が集まるというのは毎年のことですが、私が企画したのはPresidential Symposiumと特別講演です。Presidential Symposiumは「The Path from Stem Cells to Red Blood Cells」という演題で、赤血球の分化過程という基礎的なテーマを設定しました。特別講演は2つで、ハーバード大学の幹細胞研究を専門とするDavid Scadden氏の「Biology to therapy in the hematopoietic niche」と、UCLAの鉄代謝を専門とするTomas Ganz氏の「Systemic iron homeostasis: hormones, pathways, diseases」、いずれもなかなか話を聞けない高名な先生なので、貴重な機会になるはずです。海外演者の方もディスカッションにはライブで参加いただく予定です。 また、コロナ関連の特別シンポジウムも企画しており、「ポストコロナの医療・社会変容」をテーマに、早稲田大学教授のロバート・キャンベル氏、プロ野球楽天の社長である立花 陽三氏など、医療以外の専門家を招き、多様な視点からコロナ後の社会の変化についてディスカッションを行う予定です。ーー仙台の会場とオンラインのハイブリッド開催を予定されていましたが、完全オンライン方式に変更されました。 新型コロナの感染状況を鑑みてやむを得ないと判断しました。ただし、学会のライブ感を大切にしたいと考え、会期後にオンデマンドで配信するのは教育講演と一部のシンポジウムにとどめ、基本的には会期中にライブで視聴いただくことを想定しています。ぜひご参加いただき、血液学の「旬」を感じ、明日からの治療に役立てていただければと思います。Doctors’ Picks 第83回日本血液学会 特集サイトhttps://drpicks-spot.carenet.com/ 特集サイトでは、入山 規良氏(日本大学)、柴山 浩彦氏(国立病院機構 大阪医療センター)、丸山 大氏(がん研究会有明病院)、山崎 悦子氏(横浜市立大学附属病院)が選定した学会の注目演題も紹介している。

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