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リウマチ患者の治療満足度はコミュニケーションで向上

 米国ファイザー社は5月28日(現地時間)、世界13ヵ国の成人関節リウマチ患者3,600人以上を対象に行った調査の結果を発表した。同社の日本法人であるファイザー株式会社が6月8日に報告した。データによると、患者と医療従事者の関係、そして関節リウマチとその治療に対する患者の認識が疾患管理に影響する可能性が示唆されたという。 RA NarRAtive患者調査は、2012年9月4日から2015年1月13日にかけて、ファイザー社に代わりHarris Poll社が世界13ヵ国の18歳以上の関節リウマチ患者3,649人 [アルゼンチン(217人)、オーストラリア(481人)、ブラジル(324人)、カナダ(237人)、フランス(122人)、ドイツ(525人)、イタリア(204人)、日本(354人)、韓国(168人)、スペイン(122人)、トルコ(123人)、英国(246人)、米国(526人)] を対象にインターネット上で調査を実施したもの。患者の治療や疾患管理における経験や満足度だけでなく、患者と医療従事者の関係やコミュニケーションについても同時に評価した今回の患者調査は、この種の調査としては初めてのケースとのこと。 調査データによると、患者の関節リウマチ治療に対する満足度、そして医療従事者との良好な関係が、疾患管理にプラスに影響する可能性があるという。調査では、心配事や不安を医師や医療従事者に相談できる患者のほうがそうでない患者と比べて、自身の健康状態全般について「とても良い」または「良い」と回答している割合が高かった(43% vs.29%)。 一方で、いくつかの問題も残っており、治療に対する満足度の自己報告と関節リウマチ管理に関わる病状の間にずれがあるという。調査では、関節リウマチ治療薬を処方されている患者の5人中4人(78%)が「治療法に満足している」と回答しているものの、同じ患者の中で自身の疾患が「コントロールできている」と答えたのはわずか30%であった。また、医療従事者によって病状が中等度から重度、または重度であると判断された患者の場合、患者本人の満足度と疾患管理に対する認識のずれがより顕著であった。 治療目標設定時にシェアード・ディシジョンメイキング(医師と患者がともに意思決定に関与すること)を実践することが最も望ましいとされているが、調査の結果、患者は治療目標や不安、とくに疾患管理や治療法について、医療従事者とよく話し合っていない可能性があることがわかったという。疾患管理のために現在医療従事者にかかっている患者の大多数(83%)が、関節リウマチ治療に関する医療従事者との話し合いに満足していると回答していた。一方で、やはり大多数(85%)が医療従事者との関係がよくなれば疾患管理がさらに改善されるであろうと回答している。 現在さまざまな治療薬や治療法があるにもかかわらず、一部の患者では最適な疾患管理が行われていない可能性があるという。今回調査を行った全関節リウマチ患者のうち47%が、日常生活の中で何らかの活動をあきらめたと回答していた。さらに、関節リウマチ治療薬に関しては、全回答者の42%が、関節リウマチの治療は関節リウマチとともに生きるのと同じくらい困難であると考えていた。詳細はファイザー株式会社のプレスリリースへ

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関節リウマチ、生物学的製剤で重度感染症リスク増大?/Lancet

 関節リウマチ(RA)患者への標準用量・高用量の生物学的製剤投与は、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)服用に比べ、重度感染症リスクを1.3~1.9倍に増加することが明らかにされた。低用量の投与については、同リスクの増加は認められなかったという。米国・バーミンガム退役軍人医療センターのJasvinder A. Singh氏らが、メタ解析の結果、報告した。生物学的製剤がDMARDsと比べて、重篤感染症のリスクを増大するかについては、これまで相反する報告が示されていた。Lancet誌オンライン版2015年5月11日号掲載の報告より。106試験をレビュー、生物学的製剤とDMARDsの重度感染症リスクを比較 研究グループは、MEDLINE、Embase、コクラン臨床試験レジストリ、米国の臨床試験登録システムClinicalTrials.govをデータソースに、RAと生物学的製剤に関する試験で重度感染症について報告のあるものを適格とし、システマティックレビューとメタ解析を行った。検索対象期間は、それぞれの発行開始から2014年2月11日時点までとした。ベイジアンネットワーク解析法を用いて行い、ヒットした論文のリスクバイアスについて、コクランバイアスリスクツールを用いた評価を行った。 システマティックレビューで106試験を特定した。 2項モデルを用いて、RA患者で生物学的製剤を服用する患者と、DMARDsを服用する患者について、重度感染症リスクを比較した。マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて重度感染症のオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を算出して治療効果の主要評価とした。生物学的製剤服用、標準用量で重度感染症リスクは1.3倍、高用量で1.9倍に 結果、DMARDs服用患者に比べ、生物学的製剤服用者は、標準用量と高用量ともに重度感染症リスクの有意な増大が認められた。ORは標準用量群が1.31(95%CI:1.09~1.58)、高用量群1.90(同:1.50~2.39)だった。低用量については、同リスクの増大はみられなかった(オッズ比:0.93、同:0.65~1.33)。 また、生物学的製剤服用者の中でも、メトトレキサート服用歴のない人は、DMARDsやTNF阻害薬服用歴のある人に比べ、同リスクは低かった。 DMARDs服用と比較した生物学的製剤服用による重度感染症発症の絶対増加数は、年間治療数1,000人当たりで、生物学的製剤標準用量群(DMARDsの併用ありまたはなし)の6例から、生物学的製剤組み合わせ服用群の55例にわたった。

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関節リウマチの予後・治療反応と関連する遺伝子/JAMA

 関節リウマチ(RA)患者では、HLA-DRB1ハプロタイプ遺伝子が疾患感受性と関連しており、放射線学的重症度、死亡、治療反応とも関連していることが明らかにされた。関連が認められたのは、HLA-DRB1ハプロタイプ遺伝子座の11にアミノ酸バリンが認められるタイプであった。英国・マンチェスター大学のSebastien Viatte氏らが、RA患者の複数のコホートを基に分析し報告した。なお今回の結果について著者は、他コホートで同様の所見がみられれば、次のステップとしてRA治療におけるHLA-DRB1ハプロタイプの位置付けを評価すべきと述べている。JAMA誌2015年4月28日号掲載の報告より。HLA-DRB1ハプロタイプと放射線学的重症度などを分析 研究グループは、Norfolk Arthritis Register(NOAR)などRA患者の4つのコホート(被験者数:1,691例、421例、2,432例、1,846例)を基に、HLA-DRB1ハプロタイプと、放射線学的重症度、死亡率、TNF阻害薬への反応性の関連を検討した。 検討は、縦断的統計モデルを用いて、患者単位で画像診断記録を統合して行った。すべての患者は英国生まれの白人(自己申告)だった。 HLA-DRB1ハプロタイプ遺伝子は、遺伝子座11、71、74のアミノ酸バリンで16タイプを特定。主要評価項目は、Larsenスコア(範囲:0~200、スコア高値ほど関節破壊が重度)を用いた放射線学的アウトカムと画像所見上での手足機能低下、全死因死亡、28関節に基づく疾患活動性スコア(DAS 28)、およびEuropean League Against Rheumatism(EULAR)反応とした。炎症性多発性関節炎では死亡率が1.16倍に RA患者で、HLA-DRB1遺伝子座11にアミノ酸バリンが認められる人は、放射線学的損傷と強い関連が認められた(オッズ比:1.75、95%信頼区間:1.51~2.05)。 5年間で手足機能低下が認められた患者は、同所見が認められなかった人(ノンキャリア)では48%だったが、ヘテロ接合体キャリア患者では61%、ホモ接合体キャリア患者では74%だった。 また、HLA-DRB1遺伝子座11にアミノ酸バリンが認められる炎症性多発性関節炎患者では、全死因死亡増大との関連がみられた(ハザード比:1.16、同:1.03~1.31、p=0.01)。年間死亡率はノンキャリアは1.9%に対しキャリアは2.5%だった。 さらに、EULAR基準に基づくTNF阻害薬に対する治療反応性を増大することも認められた(オッズ比:1.14、同:1.01~1.30、p=0.04)。ノンキャリア78%に対し、ヘテロ接合体キャリアは81%、ホモ接合体キャリアは86%だった。 HLA-DRB1ハプロタイプによって定義したリスク階層は、疾患感受性、重症度、死亡率と相関していた。しかし、TNF阻害薬治療反応とは逆相関の関連が認められた。

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RAへのTNF阻害薬、漸減戦略は有効か/BMJ

 低疾患活動性の関節リウマチ(RA)患者に対し、腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬の投与を疾患活動性に応じて段階的に投与間隔を延長して投与量を減らす方法は、通常の一定量を継続して行う方法に比べ、有効性について非劣性であることが示された。オランダ・Sint MaartenskliniekのNoortje van Herwaarden氏らが、180例について行った非盲検無作為化非劣性試験で明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年4月9日号掲載の報告より。主要アウトカムは18ヵ月時点の再燃期間3ヵ月超 研究グループは2011年12月~2014年5月にかけて、オランダ2ヵ所のRA専門の外来診療所で、低疾患活動性RAでアダリムマブまたはエタネルセプトを服用している患者180例を対象に試験を行った。 被験者のうち121例について、疾患活動性に応じて段階的に投与間隔を延長し、最終段階では投与を中止した(減量戦略群)。なお、途中で疾患活動性の再燃が認められた場合には、投与間隔を戻すなどの調整をした。残る59例については、投与間隔を延長せずに通常どおりの方法で投与を行った。 再燃の定義は、DAS28-CRPスコアで1.2超の増大、またはスコア3.2以上で0.6超の増大とした。 主要アウトカムは、18ヵ月時点で再燃期間が3ヵ月超だった患者の割合で、非劣性マージンは20%とした。減量戦略群、2割でTNF阻害薬投与を中止 結果、主要アウトカムの発生率は、減量戦略群が12%に対し、対照群は10%と、減量戦略群の非劣性が示された(群間差:2%、95%信頼区間:-12~12)。 減量戦略群では、TNF阻害薬の投与を中止できたのは20%(同:13~28)、投与間隔を延長したのは43%(同:34~53)だった。一方で、投与間隔を減らすことができなかった人は37%(同:28~46)だった。 短期間再燃の割合は、減量戦略群で73%、対照群で27%であり、最小限のX線画像上の進行の割合はそれぞれ32%、15%と、いずれも減量戦略群で高率だった。 機能状態、QOL、臨床的に意義のあるX線画像上の進行、有害事象の発生率については、いずれも両群で同等だった。

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ベーチェット病の口腔潰瘍にアプレミラストが有効/NEJM

 ベーチェット症候群の特徴的な病変である口腔潰瘍の治療に、アプレミラスト(apremilast、国内未承認)が有効であることが、トルコ・イスタンブール大学のGulen Hatemi氏らの検討で明らかとなった。ベーチェット症候群の他の粘膜病変には、陰部潰瘍や丘疹膿疱性、結節性の病変などがあるが、再発を繰り返す口腔潰瘍は身体機能を損ない、QOLに多大な影響を及ぼす。従来薬の効果は十分ではないため新規薬剤の開発が求められており、口腔潰瘍に有効な薬剤は他の病変への効果も有する可能性が示唆されている。アプレミラストはホスホジエステラーゼ4を特異的に阻害する低分子量の経口薬で、とくに免疫細胞内のサイクリックAMPを上昇させることでさまざまな炎症経路に作用するという。NEJM誌2015年4月16日号掲載の報告。口腔潰瘍の抑制効果を検討する無作為化第II相試験 研究グループは、ベーチェット症候群の口腔潰瘍に対するアプレミラストの有効性と安全性の評価を目的に、二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験を実施した(Celgene社の助成による)。対象は、国際ベーチェット病研究グループの診断基準を満たし、年齢18歳以上、口腔に2ヵ所以上の潰瘍を有する患者であった。 被験者は、アプレミラスト30mgを1日2回投与する群またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、12週の治療が行われた。引き続き、プラセボ群をアプレミラストに切り替え、両群ともさらに12週の延長治療を行った。その後28日間、経過を観察した。 主要評価項目は12週時の口腔潰瘍の数とし、副次的評価項目は口腔潰瘍による痛み(100mm視覚アナログスケール[VAS]で評価、スコアが高いほど痛みが強い)、陰部潰瘍数、疾患活動性、QOLなどであった。 2009年10月~2011年10月の間に111例が登録され、アプレミラスト群に55例(年齢中央値34.0歳、女性71%、罹病期間中央値4.44年、平均口腔潰瘍数3.2±2.0ヵ所、VASスコア 54.3±26.2点)、プラセボ群には56例(34.0歳、68%、2.97年、3.1±1.3ヵ所、51.7±22.6点)が割り付けられた。それぞれ50例(91%)、45例(80%)が最初の12週の治療を完遂した。良好な有用性を確認、長期効果や他の症状は評価できず 12週時の平均口腔潰瘍数は、アプレミラスト群が0.5±1.0ヵ所であり、プラセボ群の2.1±2.6ヵ所に比べ有意に少なく(p<0.001)、中央値はそれぞれ0(0~6)ヵ所、2(0~13)ヵ所であった。 ベースラインから12週時までに、口腔潰瘍の平均疼痛スコアは、アプレミラスト群で44.7±24.3点減少したのに対し、プラセボ群では16.0±32.5点の減少であった(p<0.001)。また、24週時までの平均疼痛スコアの低下は、プラセボからアプレミラストへの切り替え群が42.2.±32.2点、アプレミラスト群は44.8±29.8点であり、24週時の平均スコアはそれぞれ9.6±21.1点、9.7±20.3点だった。 ベースライン時にアプレミラスト群の10例、プラセボ群の6例に陰部潰瘍がみられたが、12週時にはアプレミラスト群が0例となったのに対し、プラセボ群は3例に認められた(p=0.04)。 疾患活動性は、Behcet’s Disease Current Activity Form(0~12点、スコアが高いほど活動性が高い)のベースラインから12週時の平均変化は、アプレミラスト群が-1.5点、プラセボ群は-0.1点(p<0.001)、Behcet’s Syndrome Activity Score(0~100点、スコアが高いほど活動性が高い)の平均変化はそれぞれ-21.2点、-6.0点(p<0.001)であり、いずれもアプレミラスト群で有意に抑制されていた。 Behcet’s Disease Quality of Life Measure(0~30点、スコアが高いほどQOLの低下が大きい)によるQOL評価では、ベースラインから12週時の平均変化は、アプレミラスト群が−4.5点、プラセボ群は−1.6点(p=0.04)、SF-36(0~100点、スコアが低いほどQOLの低下が大きい)の身体機能の平均変化はそれぞれ4.7点、−1.7点(p=0.001)であり、いずれもアプレミラスト群で有意に良好だった。 12週までにみられた最も頻度の高い有害事象は両群とも頭痛であった(アプレミラスト群:47%、プラセボ群:45%)。アプレミラスト群で頻度の高い有害事象として、悪心(40 vs. 18%)、嘔吐(16 vs. 2%)、下痢(22 vs. 4%)が認められた。重篤な有害事象は、アプレミラスト群で2例、プラセボ群では1例にみられた。また、12週までに、ベースライン時にはみられなかったベーチェット症候群の症状を新たに発現した患者は、それぞれ22%、48%であった。 著者は、「この予備試験は、長期的な効果やベーチェット症候群の他の症状に対する効果、低頻度の重篤な有害事象のリスクを評価するには症例数および試験期間が十分でなかった」と指摘している。

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「寛解」から「治療の最適化」へ リウマチ治療最前線

 2015年3月9日、都内にて、東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター 所長の山中 寿氏が、関節リウマチ(RA)治療の最新動向に関して講演を行った(主催:ファイザー株式会社)。リウマチ治療の変遷 山中氏はまず、東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センターで2000年から行っているRA患者に対する前向き観察研究(IORRA)の結果を基に、RA治療の進歩について解説した。 本調査は年2回実施しており、毎回約6,000例のRA患者の情報を集積している。 その調査からわかったことは、「NSAIDs・ステロイドの服用率は年々低下し、逆にMTX・生物学的製剤の服用率が上昇していること」である。結果的に、疾患活動性を表すDAS28が改善し、寛解率の向上につながっている傾向がみられた。 寛解率向上の理由としては、2000年代前半は「MTXの普及」、2000年代後半は「生物学的製剤の普及」と考えられている。 手術に関しては、全体的に減少傾向にある。ただし、関節形成術は上昇傾向にあり、QOLの向上に重きが置かれている傾向がみられる。リウマチ診療ガイドライン2014のポイント 生物学的製剤の登場や、ガイドライン改訂などのインフラ整備により治療方針が明確になり、RA治療は大きな進歩を遂げた。 昨年改訂された『関節リウマチ診療ガイドライン2014』では、「有識者の意見」や「エビデンス」に加え、「リスクとベネフィットのバランス」や「患者の価値観や好み」「経済評価」に関しても考慮されていることが特徴として挙げられる。 本ガイドラインでは、「臨床症状の改善だけでなく、長期予後の改善を目指す」ことを治療目標として挙げており、また、治療方針に関しても「炎症をできるだけ速やかに鎮静化させて寛解導入し、寛解を長期間維持する」ことが明示されている。寛解の先にあるもの これまでのRA治療は寛解を目指して行われてきたが、治療環境が整備された今、これからのRA治療は寛解から「治療の最適化」を模索すべき時期にきている。 「治療の最適化」の1つとして挙げられる生物学的製剤の減量・休薬に関して、エタネルセプトをはじめとして実際の臨床試験でもその可能性が示唆されている。・ステロイド、MTX、生物学的製剤の減量・休薬・合併病態のマネジメント・薬剤経済学的観点・生命予後の改善・患者の視点といったさまざまな視点から、最適な治療を患者ごとに検討していく必要がある。リウマチ治療の今後 最後に、山中氏は「Hit and away strategy」をスローガンとして、・生物学的製剤の早期投与、早期寛解導入・6ヵ月以上寛解維持できれば休薬を考慮・再燃例では、同じ生物学的製剤を再投与のような指針に従い、治療を行っていくことが望ましいと強調した。

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家族性地中海熱〔FMF: Familial Mediterranean fever〕

1 疾患概要■ 概要家族性地中海熱(Familial Mediterranean fever:FMF)は、持続時間が比較的短い(1~3日)周期性発熱と漿膜炎を主徴とする遺伝性の自己炎症疾患である。本疾患は、MEFV遺伝子の異常に伴うインフラマソームの機能異常とIL-1βの産生による自己炎症が病態の中心にある。2009年に行った全国調査の結果では、各種臨床症状の頻度は、発熱が95.5%、胸痛(胸膜炎症状)が35.8%、腹痛(腹膜炎症状)62.7%、関節炎が31.2%であった。また、AA アミロイドーシスは3.7%に確認された。治療に関しては、コルヒチン(商品名:同)が92.0%の患者に有効であった。わが国において一定数のFMF患者が存在しており、重篤な合併症であるAA アミロイドーシスを予防するためにも早期診断、早期治療介入が望まれる。■ 疾患概念FMFは、パイリンの機能異常を背景として、炎症制御機構の破綻により発症する遺伝性自己炎症疾患である。臨床的には、漿膜炎(胸痛発作、腹痛発作)、関節炎を周期的に繰り返す。FMFの病型は、典型例、非定型例(不完全型)に大別され、典型例では12~72時間持続する38℃以上の発熱発作を認めるのに対して、非定型例では発熱期間、発熱の程度(38℃以上でないことがある)が典型例と異なり、また随伴する漿膜炎症状が、不完全である点も典型例と異なる。■ 病態生理FMFは、NLRP3インフラマソーム関連蛋白であるpyrinをコードするMEFV遺伝子の変異で発症すると考えられている。インフラマソームは、NLRとASC、caspase-1からなる。NLRはヒトで20個あまり同定されており、N末端にcaspase recruitment domain(CARD)あるいはpyrin domain (PYD)を持ち、中央にNOD領域を有するのが基本である。(NLR family PYD-containing 3)NLRP3を例に取るとNLRP3、ASC、caspase-1がCARD、PYDを介してインフラマソームを形成し重合すると、最終的に活性化されたcaspase-1によりpro-IL-1βが切断され活性型IL-1βに変換されることで炎症が誘導される1)。FMFの責任遺伝子であるMEFV遺伝子がコードするpyrinはNLRP3とASCのPYDを介した結合に干渉し、インフラマソームの活性を負に制御すると推定されている2)。MEFV遺伝子変異とpyrinの機能異常に関して結論が出ていないが、MEFV遺伝子変異によりpyrinのインフラマソームの抑制機能が障害され、自己炎症が起こると考えられている。■ 臨床症状1) 発熱症状FMFでもっとも高率にみられる症状が、周期性発熱である。発熱パターンには特徴があり、典型例では周熱期間が1~3日と短く、発熱は自然に軽快する。発熱はCRP、SAAなどの急性期蛋白の増加を伴っている。発熱発作の頻度は個人差があり、発熱発作の誘因としてストレス、手術などによる侵襲、女性の場合は月経などが挙げられる。FMFの責任遺伝子産物であるpyrinは好中球で、高発現していること、また、FMFの発作時に漿膜などの炎症局所に好中球が浸潤していることにより、FMFの自己炎症の病因の1つとして好中球の機能異常が考えられている。2) 随伴症例発熱に伴い出現することが多い随伴症状として漿膜炎、滑膜炎が挙げられる。漿膜炎の中でも胸膜炎において、咳嗽、胸水貯留を認めることは少なく、患者は胸痛に加え背部症、呼吸の際の違和感などの症状を訴えることもある。本症でみられる無菌性漿膜炎発作の病理的特徴は、漿膜細胞への好中球の浸潤である。腹膜炎による急性の腹痛は、腹水や腹膜刺激症状などの所見を伴うこともあり、急性腹症との鑑別が重要である。女性の場合は、月経で誘発されることもあり、激しい下腹部に限局した腹膜炎症状を呈することもある。滑膜炎は、膝関節、足関節などの下肢の単関節で発症することが多く、組織学的には、滑膜組織への好中球浸潤を特徴とする。また、頻度は少ないが、心外膜炎、無菌性髄膜炎、丹毒様紅斑などの随伴症状がみられることもある。■ 臨床経過・予後FMFの予後に影響する重大な合併症、遷延する炎症に続発するAAアミロイドーシスである。全国調査の結果でも134人中5人(約4%)にアミロイドーシスの合併がみられた3)。アミロイドーシス合併頻度は、コルヒチンの投与開始がまだ遅れているわが国の状況を考慮しても、海外症例に比べて明らかに低い。これらの結果は、わが国には重症例に多く、アミロイドーシス合併にも関連があると考えられているM694V変異例がみられないこと、MEFV exon10のホモ接合体の頻度が低いことに起因していると考えられ、遺伝子変異型と重症度の関連が考えられる。アミロイドーシスを合併したFMF症例の発症から治療開始までの平均期間は、20.1±4.5年と長く、アミロイドーシスの合併予防には、FMFの早期治療、早期治療介入が必要と考えられる。また、FMFはSAA高値接続するのではなく、周期的に上昇がみられる点が、関節リウマチなどの慢性炎症性疾患と異なり、SAAの厳密な陰性化は、RAほど重要でないかもしれないが、SAAの陰性化もアミロイドーシス予防には必要である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 診断基準FMFの診断には、Tel-Hashomer criteriaが海外では用いられているが4)、漿膜炎発作を限局型、非限局型に分類するなど難解な点も多い。わが国で使用されている診断基準を表に示す。必須項目と補助項目のいずれか1項目以上認める場合、臨床的にFMF典型例と診断する。感染症、自己免疫疾患、ほかの自己炎症疾患の鑑別は必要である。遺伝子診断に関しては、MEFV遺伝子の疾患に関連する遺伝子変異を認めない症例が一部みられ、臨床診断が中心となるが、exon10の変異(日本人は主にM649I)は、浸透率が高く診断的意義は高い。また、典型例と非定型例の識別には、MEFV遺伝子解析がある程度有用である。表 FMF診断基準●必須項目:12時間から72時間続く38℃以上の発熱を3回以上繰り返す。発熱時には、CRPや血清アミロイドA(SAA)などの炎症検査所見の著明な上昇を認める。発作間欠期にはこれらが消失する。●補助項目:1 発熱時の随伴症状として、以下のいずれかを認める。a 非限局性の腹膜炎による腹痛 b 胸膜炎による胸背部痛 c 関節炎d 心膜炎 e 精巣漿膜炎 f 髄膜炎による頭痛2 コルヒチンの予防内服によって発作が消失あるいは軽減する。必須項目と、補助項目のいずれか1項目以上を認める症例を、臨床的にFMF典型例と診断する。■ 不完全型FMFの存在典型的なFMFは、発熱発作、漿膜炎発作が半日~3日以内のことが多い。一方、非定型的なFMFは、発熱期間が典型例と異なり、数時間以内であったり、4日以上持続したり、38℃以上の発熱がみられない(微熱)こともある。また、漿膜炎発作が典型的でなく(限局している、激しい腹痛はなく腹膜刺激症状を伴わない)、関節痛、筋肉痛などの非特異的症状がみられることがある。これら病像を呈する症例は、不完全型(非定型的)FMFである可能性があり、MEFV遺伝子検査が診断の補助となる。不完全型FMFでは、MEFV遺伝子 exon10の変異は少なくexon1(E84K)、exon2(E148Q、L110-E148Q、R202Q、G304R)、exon3(P369S-R408Q)、exon5(S503C)の変異を伴っていることが多い。■ 検査所見検査所見では、好中球優位の白血球増加、赤沈亢進、CRPおよびフィブリノゲンの上昇など、非特異的な炎症所見を認める。アミロイドーシス合併例では、尿蛋白、腎機能の上昇を認めることがある。FMFでは、好中球の機能亢進が病態の1つと考えられており、筆者らもFMF患者において、好中球CD64分子が、自己免疫疾患患者に比べ、有意に上昇していることを確認している5)。■ 画像所見FMFに特異的な画像診断はないが、FMFの随伴症状である漿膜炎発作を画像で検出できる可能性がある。胸膜炎(胸痛)発作時に示すように胸水、心嚢水を認める場合もあるが6)、このようなケースはまれである。家族性地中海熱の一部は、MEFV遺伝子に疾患関連変異がない症例が少なくなく、臨床診断が中心となるが、exon10の変異(日本人は主にM694I)は、浸透率が高く診断的意義は高い。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)FMFの治療の中心はコルヒチン投与であり、コルヒチンで症状の改善がみられる。治療に関する海外のリコメンデーション7)でも、コルヒチンの有用性はランダム化比較試験でも確認されており、成人、小児においても、第1選択薬として位置付けられている。コルヒチン治療開始後は、3ヵ月間隔で治療効果を判定すべきで、発熱発作が3ヵ月に1回以上、あるいは発作の有無にかかわらず、炎症反応が持続する場合は、コルヒチンの投与量を増量すべきと推奨されている。コルヒチンの投与は、小児例においても、症状の改善、アミロイドーシスの予防のために考慮されるべきである。小児におけるコルヒチンの投与量は、0.03~0.07mg/kg/日である。成人においては、1mg/日(1日2~3回の分割投与が望ましい)が至適投与量であるが、わが国FMFにおいては0.5mg/日と比較的少ない投与量でも改善がみられることがある。コルヒチン治療で改善がみられない場合やコルヒチンの副作用のため使用できない場合は、代替治療が必要である。十分量のコルヒチンを投与しても年間6回以上の発熱発作がある場合は、コルヒチン耐性と考え、他の治療法を考えるべきであり、その場合、IL-1阻害薬が第1選択薬と考えられている8)。4 今後の展望これまでの調査などにより、わが国でも一定数の家族性地中海熱症例が存在し、その臨床像の海外症例との相違点が明らかにされている。わが国で経験する症例は海外症例に比べ、重症度は高くないと考えられるが、治療が遅れるとアミロイドーシス合併リスクがあり、早期診断、早期治療介入が望まれる。また、非特異的症状を呈する不完全型FMFの存在に加え、本症の責任遺伝子であるMEFV遺伝子の異常が家族性地中海熱以外のリウマチ性疾患の病態にも関与している可能性があり、今後の研究の進展が望まれる。5 主たる診療科膠原病・リウマチ内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 家族性地中海熱(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報自己炎症疾患友の会 家族性地中海熱(患者とその家族向けのまとまった情報)1)Pedra JH, et al. Curr Opin Immunol. 2009; 21: 10-16.2)Stojanov S, et al. Curr Opin Rheumatol. 2005; 17: 586-599.3)Migita K, et al. Medicine (Baltimore). 2012; 91: 337-343.4)Livneh A, et al. Arthritis Rheum. 1997; 40: 1879-1885.5)Migita K, et al. Clin Exp Immunol. 2011; 164: 365-372.6)Takazono T, et al. Respiration. 2012; 84: 334-336.7)Hentgen V, et al. Semin Arthritis Rheum. 2013; 43: 387-391.8)Hashkes PJ, et al. Ann Intern Med. 2012; 157: 533-541.

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セリアック病とグルテンフリー食実践者の関連に人種差?

 米国・メイヨークリニックのRok Seon Choung氏らは、米国・国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた横断研究を行い、セリアック病の有病率や人種差といった特色などを調べた。その結果、1988年から2012年の間で同罹患患者は増加しており、白人でより顕著であることを明らかにした。また、グルテンフリー食を実践し続けている人の多くは黒人で、セリアック病と診断されてはいないことも明らかにした。American Journal of Gastroenterology誌オンライン版2015年2月10日の掲載報告。 研究グループは、1988~1994年、1999~2004年、2009~2012年の米国・全国健康栄養調査(NHANES)のデータを用い、一般成人集団(入院・入所者を除く)におけるセリアック病の有病率や、セリアック病有病者および非セリアック病でグルテンフリー食実践者の人種差について分析した。 NHANES参加者におけるセリアック病の有無については抗組織トランスグルタミナーゼIgAやIgA抗筋内膜抗体などの血清学的検査を行い、グルテンフリー食の実践に関してはインタビュアーによるアンケート調査で情報を得た。 主な結果は以下のとおり。・2009~2012年のNHANESにおいて、セリアック病の有病率は、非ヒスパニック系白人(1.0%)が非ヒスパニック系黒人(0.2%)およびヒスパニック系(0.3%)より有意に高かった(p<0.0001)。・一方、非セリアック病でグルテンフリー食実践者の割合は、黒人(1.2%)がヒスパニック系(0.5%)および白人(0.7%)より有意に高かった(p=0.01)。・50歳以上におけるセリアック病の血清陽性率は、1988~1994年の0.17%(95% CI;0.03~0.33)から、2009~2012年には0.44%(95% CI;0.24~0.81)に増加していた(p<0.05)。

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経口避妊薬を使うとリウマチを予防できる?

 経口避妊薬と関節リウマチ(RA)との関連について、多数の疫学調査で相反する結果が示されている。中国・China-Japan Union HospitalのShuang Qi氏らは、この関連性を検討するためメタ解析を行ったが、「経口避妊薬が女性のRA発症を予防する効果がある」という仮説を証明することはできなかった。Therapeutics and Clinical Risk Management誌2014年11月4日号の掲載報告。 本研究では、PubMedとEMBASEを検索し、経口避妊薬のRA発症リスクとの関連を検討した試験を収集し、それを基にメタ解析を行った。ランダム効果モデルを用いて、相対リスク(RR)および95%信頼区間(95%CI)を算出した。主な結果は以下のとおり。・メタ解析に組み込まれたのは、1982年から2010年に行われた17試験(12件のケースコントロール試験、5件のコホート試験)であった。・経口避妊薬とRA発症リスクとの間に有意な関連は認められなかった(RR 0.88、95%CI:0.75~1.03)。・地域別にみたサブグループ解析によると、欧州の調査では、経口避妊薬の使用とRAの発生リスク低下との関連は有意傾向であった(RR 0.79、95%信頼区間:0.62~1.01)。・北米の調査では、この関連は認められなかった(RR 0.99、95%CI:0.81~1.21)。・本試験の出版バイアスはみられなかった(Egger’s testにおけるp=0.231)。

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Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり~もっと工夫してみる~ <長期罹患編>

第1回 長期罹患患者への対応      ~時間の経過に逆らって~ 第2回 慢性的な痛みへの対応      ~「痛みに慣れる」ということは無い~ 第3回 リハビリテーション      ~患者さんを優しく導け!~第4回 注意すべきは関節外症状      ~RAは全身疾患だ!~ 第5回 合併症マネジメント     ~関節はもちろん、生活を守れ!~ 第6回 関節リウマチの手術療法     ~手術にも「機会の窓」がある!~ 第7回 リウマチ診療落ち穂拾い     ~外来診療スキルアップ~ 何十年と長期で関節リウマチを患っている患者は、近年著しく進歩した関節リウマチ診療の恩恵を十分に受けられていないのが現実です。しかしながら、長期罹患患者でも現在の関節炎と身体障害の程度を適切に評価し、可能な限り疾患活動性を低くする治療を行うことで、QOLを高めることはできます。つまり長期罹患患者に対しても、プライマリケア医ができることはたくさんあるのです。Dr.ハギーが実践している、プライマリケア医ができる長期罹患患者への診療の工夫を、手とり足とりお伝えします!第1回 長期罹患患者への対応 ~時間の経過に逆らって~ 何十年と長期にわたって関節リウマチを患っている患者さんの治療はどうすればよいのでしょうか?話題の生物学的製剤も、曲がってしまった関節を元に戻すことはできません。でも、あきらめてはいけません。適切な治療を行えば、患者の痛みをやわらげ、生活の質を高めることができるのです。Dr.ハギーが実践している、プライマリ・ケア医ができる長期罹患患者への診療の工夫を手とり足とりお伝えします。第2回 慢性的な痛みへの対応 ~「痛みに慣れる」ということは無い~ 関節が痛いと訴える患者さんに、漫然とNSAIDsやステロイドを投与していませんか?NSAIDsやステロイドは即効性に優れていますが、効きめがあるからといって長期間使用すると重篤な副作用をもたらすリスクが高まります。Dr.ハギーが推奨するのは、「可能な限りステロイドは減量し、NSAIDsの連用は避ける」ことです。そのために実践しているさまざまな工夫をレクチャーします。患者さんそれぞれに合った治療計画を考えていきましょう。第3回 リハビリテーション ~患者さんを優しく導け!~ 炎症のある関節に負担をかけると悪化するのでは?という考えから、関節リウマチ長期罹患患者へのリハビリテーション指導を躊躇される先生もいらっしゃるかもしれません。もちろん過度な関節の使用は控えなければなりませんが、関節を動かすのは関節そのものではなく付近に付着する腱・筋肉などで、その部分の無動が続くと動かしにくくなってしまいます。そのため関節を動かす筋肉のストレッチや、関節に負担をかけない「等尺性収縮運動」を指導することが大事になってくるのです。Dr.ハギーが実演する、診察室内でできるリハビリテーション指導を覚えて、明日からの診療に生かしてください。第4回 注意すべきは関節外症状 ~RAは全身疾患だ!~ 関節リウマチは関節だけの病気ではありません。実は、関節以外の様々な合併症を伴いやすい全身疾患なのです。昨今、重篤な関節外合併症は概ね減少傾向にありますが、肺疾患は依然として今日の関節リウマチ診療の中で大きな問題となっています。どんな肺疾患が起こるのか?肺に安全な抗リウマチ薬は?この回では、関節リウマチの肺合併症の中でも特に代表的な間質性肺炎を中心に、手とり足とり解説していきます。第5回 合併症マネジメント ~関節はもちろん、生活を守れ!~ 関節リウマチにおける心血管リスク因子として、「遷延する炎症」「NSAIDs/COX-2阻害薬の長期服用」「ステロイドの長期服用」が考えられます。これらリスク因子がどんな心血管疾患と結びつくのか?また、対処方法はあるのでしょうか?関節リウマチと心血管疾患とのつながりをしっかり押さえておきましょう。第6回 関節リウマチの手術療法 ~手術にも「機会の窓」がある!~ 関節リウマチの薬物療法の著しい進化はすでに解説してきましたが、近年、整形外科手術も大変進歩し、人工関節素材の向上や、3DプリンターとCT画像を組み合わせた精度の高い術前計画が立てられるようになりました。ここでのプライマリケア医が持つ重要な役割は、「整形外科医へのコンサルトのタイミングを逸さない」こと。関節リウマチ手術のタイミングは個々の症例によって異なります。どのような病態が手術適応となるのか?それによってどのくらいQOLの改善が期待できるのか?きちんと学んでいきましょう。第7回 リウマチ診療落ち穂拾い ~外来診療スキルアップ~ 長期に罹患している関節リウマチ患者に対してもできることはたくさんある、というDr.ハギーの思いのもと、適切な薬物療法や診察室でできるリハビリテーション、合併症についてなど、プライマリケア医ができる診療の工夫や知っておくべき項目を数々学んできました。最終回は、今後さらなる発展が期待できる画像検査や新規薬剤、栄養療法の3つを中心にレクチャーしていきます。「リウマチ科医の聴診器」としての地位を築きつつある関節・筋骨格の超音波検査や、新薬開発の今後など、これからの関節リウマチ診療の進展にもぜひ注目してください。

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働き盛りを襲う難渋する腰痛の正体

 12月3日、アッヴィ合同会社とエーザイ株式会社は、都内で「長引く腰痛を見過ごさない!」をテーマに共催でプレスセミナーを開催した。セミナーでは、「“怠け病”ともみられがちな男性若年層に潜む難病『強直性脊椎炎』とは?」と題し、疾患に関するレクチャーが行われた。国民病である腰痛を分析する はじめに「国民病の腰痛と知られていない強直性脊椎炎について」と題し、織田 弘美氏(埼玉医科大学医学部整形外科学 教授)より、いわゆる「腰痛」に関する概要と「強直性脊椎炎」に関する説明が行われた。 「腰痛」は、厚生労働省の調査によると、男性では有訴者率の1位、女性では「肩こり」に続く2位となっており、身近な疾患として知られている。ただ、その定義については、確立したものはなく、主に疼痛部位(解剖的な位置)、有症期間(急性、亜急性、慢性)、原因などから総合して診断される。たとえば、原因別分類であれば、脊椎由来、神経由来、内臓由来、血管由来、心因性、その他に分類され、整形外科をはじめとしてさまざまな専門領域で診療されているとのことである。 そして、鑑別診断では、動作に関係ない痛みであれば整形外科以外の疾患が考えられること、動作に関係のある痛みの場合、安静でも痛みがあれば炎症や腫瘍が、動作時だけ痛めば腰痛症、骨粗鬆症、腰椎分離・すべり症などが考えられると説明した。 次に、腰痛を起こす整形外科疾患として、腰痛症、変形性腰椎症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症・腰椎すべり症、骨粗鬆症などを紹介、その原因と症状を述べた。そのうえで、腰痛を呈するその他の疾患として、脊椎関節炎、乾癬性関節炎、急性ぶどう膜炎、反応性関節炎などを挙げ、これらを網羅する形で強直性脊椎炎が存在すると解説した。 強直性脊椎炎の診断では、(1)発症年齢40歳未満、(2)潜行性に発症、(3)体操で改善、(4)安静では改善しない、(5)夜間疼痛(起き上がると改善する)の5項目のうち、4項目に該当する場合は本症が疑われる。とくに動作を行うと軽快するのは、他の腰痛と異なるポイントとのことである。 織田氏は「腰痛患者の中に慢性で長引く患者がいた場合、本症も疑ってもらいたい」とレクチャーを終えた。痛みを我慢して仕事を続ける患者像 続いて「長引く腰痛に関連する強直性脊椎炎について」と題し、門野 夕峰氏(東京大学医学部整形外科・脊椎外科 講師)が、強直性脊椎炎の具体的な診療内容や、本症がQOLに及ぼす影響について説明を行った。 強直性脊椎炎は、社会的に広く知られていないことから、初発から確定診断まで9年程度要している現状を紹介。患者は、症状が進行すると外見的に問題が無いようでも脊椎のこわばりから動作が不自然になったり(たとえば首の可動ができないなど)、周囲の期待する動きができなかったりすることで、誤解を受けているといった状況を説明した。 強直性脊椎炎の具体的な症状については、背部痛、関節炎などのほか、画像所見はMRIでの仙腸関節炎陽性やX線での仙腸関節炎が観察されると解説。 また、3ヵ月以上続く腰痛を有する人(n=1,236)へのアンケート調査を紹介し、約8割の人が痛みの程度を「かなりつらい」「つらい」と感じているにもかかわらず、現在、医療機関を受診している人は10%にとどまり、多くの人が「痛み」を我慢しているという状況を指摘した。また、その「痛み」により、約60%の人が仕事のモチベーションが低下したとしており、休職などで労働生産性が低下している現状が明らかになった。 強直性脊椎炎の治療では、痛みにはNSAIDsを使用した対症療法と脊椎病変への運動療法、理学療法が行われているが、近年ではTNF阻害薬も使用されていると説明。CRP正常値群と高値群におけるNSAIDsの効果を比較した試験では、NSAIDs治療継続群のほうが同間欠群よりも予後良好との報告や、TNF阻害薬とNSAIDsの比較では、TNF阻害薬処方群のほうがmSASSS変化で4年目以降に効果発現することなどが報告された。 最後に門野氏は、強直性脊椎炎を疑ったら、まずはリウマチや整形外科の専門医を探すこと、WEBなどで情報を収集することを勧め、早期に治療を受けてもらいたいとレクチャーを終えた。

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日常生活でのポイント

【関節リウマチ】ケア(まとめ)⽇常⽣活の7つのポイント〜⽇々の積み重ねが⼤切!ストレスをためず、安定した精神状態を保とう。住まいの環境を整えよう(段差を少なく)。運動と安静の両⽅が⼤切。冷えや湿気は、痛みやはれを強めるので要注意。食事はバランスよく、3食規則正しく。関節に負担をかけない動作を身につけよう。できることはできるだけ自分で。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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補助具や便利グッズの紹介

【関節リウマチ】関節破壊を予防し、関節への負担を減らす!補助具・便利グッズ①●手が届かないときリーチャー孫の手トングソックスエイド監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.【関節リウマチ】関節破壊を予防し、関節への負担を減らす!補助具・便利グッズ②●つまむ⼒、握⼒を補助するペットボトルオープナー 缶オープナードアノブ回し監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.【関節リウマチ】関節破壊を予防し、関節への負担を減らす!補助具・便利グッズ③●⽴ち上がりを補助する補⾼ざぶとん補⾼便座椅子の⾼さや⽴ち上がりやすい⾼さに合わせて作る。市販の取り付けタイプと、患者さんの⾼さに合わせて作製するタイプがある。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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推奨される食事

【関節リウマチ】食事では、筋肉をつくるタンパク質 を積極的にとろう!メモ関節リウマチでは、全⾝の筋肉量が落ちやすいので、良質なタンパク質(肉、⿂、卵、⼤⾖製品など)をとる。・動物性タンパク質は貧血予防にも効果的。・タンパク質を中心に、ビタミン、ミネラルをバランスよく。監修:慶應義塾大学医学部リウマチ内科 ⾦⼦祐⼦⽒Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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PRIZE試験:早期関節リウマチにおけるエタネルセプト減量による寛解維持(解説:金子 開知 氏)-284

 関節リウマチ (RA) 治療は、メトトレキサート (MTX) や生物学的製剤をはじめとする強力な治療薬によりパラダイムシフトをもたらした。生物学的製剤は、優れた寛解率や関節破壊抑制効果を持つが、高薬価であり、寛解後はいつまで継続すべきであるかという課題がある。 今回のPRIZE試験では、MTXまたは生物学的製剤の投与歴のない中等度以上の活動性を有するRAに対して、抗TNF (tumor necrosis factor) 製剤であるエタネルセプト (ETN) 50mg/週とMTX (10~25mg/週) を併用した。52週目までに寛解した症例をETN減量群 (ETN25mg/週に減量とMTX併用)、ETNフリー群 (ETNを中止しMTX単独)、薬剤フリー群の3群に二重盲検下で無作為に割り付けし、39週後の寛解を維持している割合を比較検討した。また、39週目までに3群で寛解維持している症例は薬剤を中止し65週まで追跡し寛解維持している割合を比較検討した。 結果は、二重盲検期の39週目で寛解を維持している割合は、ETN減量群は63%、ETNフリー群は40%、薬剤フリー群は23%であった。薬剤中止観察期の65週目では、ETN減量群は44%、ETNフリー群は29%、薬剤フリー群は23%であった。39週目と65週目の時点において、ETN減量群はETNフリー群および薬剤フリー群に比べて寛解率が有意に高かった。X線像上の疾患進行には、いずれの時点でも3群間で有意差は認められなかった。 今回の臨床研究では、高疾患活動性の早期発症RAに対して早期からのタイトコントロールにより寛解導入が達成できた患者では、薬剤を減量、中止できる可能性を示した。薬剤の減量、中止は、薬剤の副作用を減らし、医療経済の観点でも貢献できる。しかし、本研究において減量、中止の観察期間は1年と短く、どのくらいの期間再燃がなければよいのか明確でない。今後、長期観察により、この点を明らかにする必要があると思われる。

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エタネルセプト+MTX、漸減療法が有効/NEJM

 最大投与量のエタネルセプト(商品名:エンブレル)+メトトレキサート(MTX)併用治療により寛解が得られた早期関節リウマチ(RA)患者について、同併用療法を減量継続投与したほうが、投与を中断したりMTX単独に切り替えたりするよりも、寛解維持が長期化するなど良好な結果に結び付くことが明らかにされた。ただしX線所見上での疾患進行に有意差はみられなかった。英国・リーズ大学のPaul Emery氏らがヨーロッパとアジア57施設で行った第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告より。最大量投与寛解後、減量、MTX単独、投与中止に割り付け寛解維持を評価 試験は2009年10月20日~2012年12月17日にわたって行われた。被験者は、疾患活動性が中等度~重度(DAS 28スコアが3.2超)で、発症から12ヵ月以内、MTXや生物学的製剤未治療の成人RA患者であった。 被験者はまず非盲検下で、エタネルセプト50mg+MTX療法を52週間受けた(非盲検期)。その後、39週時点および52週時点での適格反応(DAS 28スコアが39週時点で3.2以下、52週時点で2.6未満など)に基づき、エタネルセプト25mg+MTXの併用群と、MTX単独群、プラセボ(投与中止)群の3群に無作為に割り付けられて、39週間の治療を受けた(二重盲検期)。3群の患者は、同39週時点で評価を受け、適格反応(DAS 28スコアが3.2以下)を示した患者は治療を中止し、65週時点まで追跡を受けた(治療中止期)。 主要エンドポイントは、二重盲検期に寛解が維持されていた患者の割合であった。治療中止後も併用群は44%が寛解を維持、MTX単独群は29%、投与中止群は23% 試験に登録されたのは306例で、二重盲検期に無作為化を受けたのは193例であった(併用群63例、MTX単独群65例、プラセボ群65例)。その後、治療中止期への組み込み資格を得て65週時点まで追跡を受けたのは131例(53例、46例、32例)であった。 65週時点において、寛解維持が認められたのは、併用群28例(44%)、MTX単独群19例(29%)、プラセボ群15例(23%)であった(併用療法vs. MTX単独のp=0.10、併用療法vs. プラセボのp=0.02、MTX単独 vs. プラセボのp=0.55)。 X線上の疾患進行について3群間で有意差はみられなかった。 重大有害事象の報告は、併用群3例(5%)、MTX単独群2例(3%)、プラセボ群2例(3%)だった。

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リツキシマブ維持療法、ANCA関連血管炎に有効/NEJM

 抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の治療において、リツキシマブ(商品名:リツキサン)はアザチオプリン(同:アザニン、イムラン)に比べ良好な寛解維持をもたらすことが、フランス・コシャン病院のL. Guillevin氏らが行ったMAINRITSAN試験で示された。主なANCA関連血管炎として、多発血管炎性肉芽腫症(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれた)、顕微鏡的多発血管炎、腎限局型ANCA関連血管炎があり、患者の多くはシクロホスファミドとグルココルチコイドの併用療法により寛解に至るが、アザチオプリンやメトトレキサートによる維持療法を行った場合でも、依然として再燃率が高い。リツキシマブ維持療法の有効性は示唆されているが、いまだ十分な検討は行われていない。NEJM誌2014年11月6日号掲載の報告。リツキシマブとアザチオプリンの2つの、維持療法レジメンを無作為化試験で評価比較 MAINRITSAN試験は、ANCA関連血管炎患者に対するリツキシマブによる維持療法の有用性を評価する非盲検無作為化試験。対象は、年齢18~75歳の多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、腎限局型ANCA関連血管炎の新規診断または再燃例で、シクロホスファミドのパルス療法とグルココルチコイドの併用により完全寛解が得られた患者であった。 被験者は、リツキシマブ500mgを0、14日、6、12、18ヵ月に投与する群またはアザチオプリンの連日投与を22ヵ月(1~12ヵ月:2mg/kg/日、13~18ヵ月:1.5mg/kg/日、19~22ヵ月:1mg/kg/日)行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、28ヵ月時の重症再燃率とした。重症再燃は、疾患活動性の再発または増悪[バーミンガム血管炎活動性スコア(BVAS、0~63点、点数が高いほど疾患活動性が高い)0超]、および1つ以上の主要臓器への転移、疾患関連の致死的イベントあるいはその両方と定義された。リツキシマブによる維持療法に明確な臨床ベネフィット重症再燃率:29 vs. 5%、軽症再燃率:16 vs. 11% 2008年10月~2010年6月までに、115例(多発血管炎性肉芽腫症:87例、顕微鏡的多発血管炎:23例、腎限局型ANCA関連血管炎:5例)が登録され、アザチオプリン群に58例、リツキシマブ群には57例が割り付けられた。全体の平均年齢は55歳、女性が43%で、新規診断後の寛解例が80%、再燃後の寛解例が20%であった。 28ヵ月時の重症再燃率は、アザチオプリン群が29%(17例)、リツキシマブ群は5%(3例)であり、有意な差が認められた(再燃のハザード比[HR]:6.61、95%信頼区間[CI]:1.56~27.96、p=0.002)。 軽症再燃(BVASスコア0超;重症ではないが軽度の治療強化を要する再燃)率は、アザチオプリン群が16%(9例)、リツキシマブ群は11%(6例)であり、両群間に差はみられなかった(p=0.43)。一方、軽症/重症再燃のHRは3.53(95%CI:1.49~8.40、p=0.01)であり、リツキシマブ群が有意に良好であった。 重篤な有害事象が両群とも25例に発現し、アザチオプリン群が44件、リツキシマブ群は45件であった(p=0.92)。重症感染症が、それぞれ8例、11例に認められ、がんが2例(膵、基底細胞)、1例(前立腺)に発生した。また、重篤な血液学的イベントがそれぞれ9例、1例にみられた。アザチオプリン群の2例が死亡した(敗血症1例、膵がん1例)。 著者は、「リツキシマブによる維持療法の明確な臨床ベネフィットが確認された」と結論し、「この知見は、抗ミエロペルオキシダーゼANCA陽性血管炎患者においてリツキシマブの有用性を評価する試験を行う論拠となる」と指摘している。

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手指運動併用でRA患者の機能改善/Lancet

 手指の関節リウマチ(RA)の治療において、標準的な薬物療法に手指の運動プログラムを併用すると、標準治療単独に比べ手指機能が有意に改善され、費用効果も良好であることが、英国・オックスフォード大学のSarah E Lamb氏らが行ったSARAH試験で示された。疾患修飾性の生物学的製剤などによる薬物療法レジメンは、手指RAの疾患活動性を大きく改善し関節破壊を最小のものとするが、これに相応の機能やQOLの改善が得られるとは限らないという。個々の患者に合わせた手指の運動が、機能のさらなる改善効果をもたらす可能性が指摘されているが、これを支持するエビデンスはこれまでなかった。Lancet誌オンライン版2014年10月10日号掲載の報告。運動療法の併用効果を無作為化試験で評価 SARAH試験は、種々の薬物療法を受けている関節リウマチ患者において、手指や腕の運動プログラムの併用の有効性および費用効果を評価するプラグマティックな無作為化試験。対象は、手指の痛みおよび機能障害を有し、安定的な薬物療法を3ヵ月以上受けているRA患者である。 被験者は、通常治療に加え手指の運動プログラムを行う群または通常治療のみの群に無作為に割り付けられた。運動療法群の患者は、理学療法士または作業療法士による6回の対面セッションを受けたほか、個々の患者に合わせた運動を自宅で毎日、12週以上行うこととした。7種の可動性運動と、4種の筋力強化あるいは持久力運動が含まれた。 患者と理学療法士、作業療法士には治療割り付け情報はマスクされなかったが、アウトカムの評価担当者と研究者にはマスクされた。主要評価項目は、12ヵ月時のミシガン手の質問表(Michigan Hand Outcomes Questionnaire:MHQ)の手指機能スコア(0~100点、点数が高いほど機能良好)であった。ADL、作業も有意に改善 2009年10月5日~2011年5月10日までに、英国の17施設に490例が登録され、運動療法群に246例が、通常治療群には244例が割り付けられた。このうち438例(89%)で12ヵ月のフォローアップデータが得られた。データ収集前に脱落した通常治療群の2例は解析から除外された。 運動療法群の平均年齢は61.3歳、女性76%、白人97%で、診断後の経過期間中央値は10年、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)のうち生物学的製剤の投与を受けていたのは21%、非生物学的製剤の併用療法が29%、単剤療法が42%であった。通常治療群はそれぞれ63.5歳、76%、98%、10年、22%、22%、49%であった。 12ヵ月時のMHQ手指機能スコアのベースラインからの変化は、運動療法群が7.93点であり、通常治療群の3.56点に比べ有意に改善した(平均群間差:4.28点、95%信頼区間[CI]:1.49~7.06、p=0.0028)。 12ヵ月時のMHQ日常生活動作(ADL)スコア(両手を合わせた点数、5.89 vs. 2.27点、平均群間差:3.48点、95%CI:0.31~6.66、p=0.0321)、MHQ作業スコア(8.12 vs. 3.11点、同:4.62点、0.82~8.42、p=0.0175)およびMHQ総スコア(7.59 vs. 4.22点、同:3.21点、0.53~5.89、p=0.0195)には運動による有意な改善効果が認められたが、痛み(p=0.1814)、満足度(両手、p=0.0784)、美容(両手、p=0.5933)に有意差はなかった。 重篤な有害事象が103件報告されたが、治療関連の重篤な有害事象はなかった。一方、運動療法に要した患者1人当たりの費用は156ポンドであった。フォローアップ期間中に使用された医療資源を考慮すると、運動療法群は通常治療群よりも平均103ポンド高額であった。EuroQol EQ-5Dで評価した質調整生存年(QALY)を1年延長するのに要する費用は9,549ポンド、Short-Form(SF)-6Dで評価した場合は7,440ポンドだった。 著者は、「手指の運動プログラムは、種々の薬物療法レジメンの補助療法として十分に価値があり、低費用の介入法である」と結論し、「本研究は、厳格な方法論に基づく大規模試験であり、質の高いエビデンスをもたらすもの」としている。

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