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国立がん研究センターの遺伝子パネル検査に基づく患者申出療養試験とは?/日本肺癌学会

 2019年6月に遺伝子パネル検査が保険適用になってから1年あまりが過ぎた。11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では、「遺伝子パネル検査によって肺がん診療はどう変わったか?」と題したシンポジウムが行われた。 この中で国立がん研究センター中央病院 臨床検査科の角南 久仁子氏は「がん遺伝子パネル検査に基づく新たな治療選択肢としての患者申出療養試験」と題し、同院が行う試験の概要を紹介した。 現在の遺伝子パネル検査を取り巻く問題点の1つに「パネル検査を受けても、治療への到達性が低い」ことがある。治療に結びつく遺伝子異常が検出されても、承認薬や治験といった薬剤の選択肢が限られているためだ。この問題に対応するため、保険診療もしくは先進医療で遺伝子パネル検査を実施した患者のうち、一定の基準を満たした場合に患者申出療養制度のもと既存承認薬を適応外使用して有効性を見る、というのが今回の試験(通称:受け皿試験)の概要。現状でも患者申出療養制度を用いて適応外薬剤を使用するという選択肢はあるが、申請に時間がかかる、データが蓄積されない、等の問題点があった。 受け皿試験の主な適格基準は以下のとおり(2020年12月現在)。・16歳以上の固形がん患者・手術不適で進行性病変あり・実施中の治験や先進医療の対象外・PS0~1 主要評価項目は薬剤ごとの16週時点の奏効割合で、副次評価項目は薬剤ごとの病勢制御割合、全生存期間、無増悪生存期間、有害事象の発生とした。製薬会社から薬剤の無償提供を受けることで患者の費用負担を抑える。国立がん研究センター中央病院が調整事務局となり、がんゲノム医療中核拠点病院11施設と連携して試験を実施する。 受け皿試験の参加の適否については、エキスパートパネルにおいて、対象薬剤の有効性についてのエビデンスレベルが一定以上(がん関連3学会合同ガイダンスのエビデンスレベルでD以上)あることが前提となり、最終判断は試験実施施設の研究責任/分担医師が行う。 「エキスパートパネルによって判断基準が異なってくる可能性は否定できない。すり合わせを細かく行い、基準を標準化する必要があるだろう」(角南氏)。今回の試験で高い有効性が期待できる薬剤が見つかった場合は、今後の治験立案や承認提案の参考データとして使われる予定という。

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日本人EGFR変異肺がん1次治療、エルロチニブ+ベバシズマブのOS(JO25567)/Lung Cancer

 日本人を対象とした無作為化第II相JO25567試験において、化学療法未治療EGFR遺伝子変異陽性非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ併用療法はエルロチニブ単剤に比べ全生存(OS)期間の有意差は認められなかった。同試験では無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが示されており、今回のアップデート解析でもPFSについては有意な延長が認められた。Lung Cancer誌2020年11月20日号掲載の報告。 研究グループは、StageIIIB/IVの未治療NSCLC患者を、エルロチニブ(150mg/日)+ベバシズマブ(15mg/kg 3週ごと)併用群(75例)もしくはエルロチニブ単剤群(77例)に無作為に割りつけた。 主な結果は以下のとおり。・主要解析と同様、併用群は単剤群に比べPFSを有意に改善した(PFS中央値:16.4ヵ月 vs.9.8ヵ月、HR:0.52、95%CI:0.35~0.76、log-rank検討両側p=0.0005)。・一方、OSの有意な改善は認められなかった(OS中央値:47.0ヵ月 vs.47.4ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.53~1.23、p=0.3267)。・後治療は治療群間で類似しており、EGFR変異タイプはOSの結果に影響しなかった。・5年OS率は、併用群が単剤群より数値的には高かった(41% vs.35%)。・安全性については、以前に報告された管理可能な忍容性プロファイルが確認され、新たな問題はみられなかった。

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brigatinib、日本人ALK陽性NSCLCでも有望(J -ALTA)/JTO

 日本人を対象とした、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するbrigatinibの有効性と安全性を検討した第II相無作為化試験「J-ALTA試験」の結果が、がん研有明病院の西尾 誠人氏らにより論文発表された。多施設共同、単群非盲検による検討で、アレクチニブ難治性の日本人患者において、臨床的に意義のある有効性が示されたという。brigatinibは臨床的関連があるALK遺伝子変異に対して強力かつ幅広い活性を有するよう設計された次世代ALK-TKIであり、米国では本年承認された。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年11月25日号掲載の報告。 J-ALTA試験は、ALK-TKI難治性または未治療の20歳以上、StageIII B/C/IVのALK陽性NSCLC日本人患者を対象とし、まず(1)安全性を評価する導入試験(Safety Lead-in)、続いて(2)アレクチニブ既治療(単独またはクリゾチニブ既治療も含む)(メインコホート)とその他のALK-TKI既治療(探索コホート)の2コホートを対象とした難治性コホート拡大試験(Refractory Expansion)、および(3)未治療コホート拡大試験(TKI-Naive Expansion)が行われた。(3)の試験は進行中であり、今回は、(1)+(2)のALK-TKI難治性コホート試験の結果が報告された。 安全性導入試験は9例を対象とし、brigatinibを当初7日間は90mg/日、その後は180mg/日で1サイクル(28日間)投与し忍容性を評価した。難治性コホート拡大試験は、アレクチニブ既治療のメインコホート47例、その他ALT-TKI既治療の探索コホート16例を対象とし、brigatinibを180mg/日(導入期の7日間は90mg/日)投与した。 主要評価項目は、独立判定委員会(IRC)の評価による客観的奏効率(ORR)であった。 主な結果は以下のとおり。・2018年1月29日~2019年4月12日に72例が登録された。・2020年1月22日時点の解析において、72例のうち22例(31%)でbrigatinibの投与が継続され、アレクチニブ難治性の47例では14例でbrigatinibが継続投与されていた。・アレクチニブ難治性集団における、IRC評価の確定ORRは34%、奏効期間中央値は11.8ヵ月、病勢コントロール率は79%、IRC評価の無増悪生存期間は7.3ヵ月であった。・ベースラインで測定可能な脳病変を有していた8例のうち2例で、頭蓋内の部分的奏効が確認された。・brigatinibの抗腫瘍効果が、G1202R、I1171N、V1180L、L1196Mの2次的変異(secondary mutations)を有する患者で示された。・日本人患者における安全性プロファイルは既報のものと一致していた。

905.

オシメルチニブのEGFR変異肺がん術後補助療法が承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年12月18日、EGFR変異(exon19 delまたはexon21 L858R)を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者の腫瘍切除後補助療法として、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)を承認した。  今回の承認は、術前補助化学療法の有無にかかわらず、完全な腫瘍切除が行われたEGFR変異陽性(exon19 delまたはexon21 L858R)NSCLC患者を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験ADAURAに基づくもの。ADAURA試験では682例の患者が、オシメルチニブ80mg/日またはプラセボに1対1に無作為化され、比較された。 試験の結果、主要有効性評価項目である治験験担当医評価によるStage2〜3A EGFR変異陽性(exon19 delまたはexon21 L858R) 患者の無病生存期間(DFS)中央値は、プラセボ群19.6ヵ月、オシメルチニブ群では未達であった(HR:0.17、95%CI:0.12〜0.23、p<0.0001)。また、副次的有効性評価項目である対象集団全体のDFS中央値は、オシメルチニブ群未達に対し、プラセボ群27.5ヵ月であった(HR:0.20、95%CI:0.15〜0.27、p<0.0001)。オシメルチニブ群で多くみられた有害事象は、リンパ球減少、白血球減少、血小板減少、下痢、貧血、発疹、筋骨格痛、爪毒性、好中球減少症、乾燥肌、口内炎、倦怠感、咳であった。

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高齢者扁平上皮NSCLCの新スタンダードとなるか(CAPITAL)/名古屋医療センター

 高齢者のStage IIIB/IV扁平上皮非小細胞肺がん(SQ NSCLC)1次治療の標準治療が世代交代か。nab-パクリタキセルとカルボプラチンの併用(nab-PTX+CBDCA)とドセタキセル(DTX)単剤を比較した無作為化第III相試験CAPITAL試験の結果を名古屋医療センターが発表した。 肺がんには高齢患者が多い。高齢患者の標準化学療法は長期にわたりドセタキセル単剤である。非扁平非小細胞肺がん(NSQ NSCLC)おいては、JCOG1210/WJOG7813L試験でカルボプラチン+ペメトレキセドのDTX単剤に対する非劣性が示され、2019年の肺癌診療ガイドラインでCBDCA併用レジメンの使用が推奨された。しかし、SQ NSCLCについては依然としてドセタキセル単剤が標準である。 そのような中、CA031試験で良好な成績を示したnab-PTX+CBDCAが高齢者SQ NSCLCの新たな治療薬として浮上した。そこで、高齢者SQ NSCLCの1次治療におけるnab-PTX+CBDCA療法の第III相CAPITAL試験が行われた。CAPITAL試験は、山本小班インターグループ試験として6つの臨床試験グループ(NEJSG、TCOG、NHO、CJLSG、WJOG、LOGiK)から92施設が参加して行われた。 対象は70歳以上の化学療法未施行の根治照射不能進行・再発SQ NSCLC(ECOG PS 0〜1)250例を目標症例とした。登録患者は、DTX(60mg/m2 day1 3週ごと)とCBDCA(AUC6 day1 3週ごと)+nab-PTX(100mg/m2 day1,8,15 3週ごと)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は全生存期間、副次的評価項目は奏効割合、無増悪生存期間、安全性である。 事前から予定されていたイベント数92例時点での中間解析の結果、nab-PTX+CBDCAはドセタキセル単剤に比べOSを改善。有意水準0.0158を下回り、早期有効中止を達成した。 研究事務局である名古屋医療センターの小暮啓人氏は、この中間解析の結果から、nab-PTX+CBDCAは高齢者SQ NSCLCの標準療法になると述べている。この試験結果は2021年に投稿すると共に米国臨床腫瘍学会(ASCO)での発表を目標としているとのこと。

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肺癌診療ガイドライン2020薬物療法の改訂ポイント/日本肺癌学会

 肺癌診療ガイドラインが改訂され、2020年版が発刊された。第61回日本肺癌学会学術集会の教育講演では、薬物療法領域の変更点について岡山大学の堀田勝幸氏が発表した。肺癌診療ガイドライン2020の主な変更点EGFR変異陽性 一次治療におけるゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドの追加(CQ52 2A)、エルロチニブと血管新生阻害薬の併用がアップデート(CQ52 2A)されるなど改訂された。ALK融合遺伝子陽性 二次治療において、アレクチニブの使用のアップデート(CQ59 1C)、新たなALK-TKIブリガチニブが追加(CQ59 2C)されるなど改訂された。MET遺伝子変異陽性 MET遺伝子変異陽性が新設され、MET-TKI(テポチニブ、カプマチニブ)の推奨が追加された(CQ62 1C)。ROS1融合遺伝子陽性 エヌトレクチニブ使用の推奨が追加された(CQ60 1C)ドライバー遺伝子変異/転座陰性もしくは不明 一次治療におけるニボルマブ+イピリムマブ併用がPD-L1 TPS50%以上(CQ64 2C)、1~49%(CQ70 2C)に追加された。小細胞肺癌  進展型小細胞肺癌においてのプラチナ製剤併用療法へのPD-L1阻害薬の上乗せについて、プラチナ製剤併用療法+PD-L1阻害薬の使用が推奨された(CQ11 1A)。

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なぜ・どうやって患者に禁煙をすすめるか?/日本肺癌学会

 11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では、「禁煙を通して肺がん撲滅をめざす」と題したシンポジウムが行われ、この中で岡山済生会総合病院 がん化学療法センター長の川井 治之氏が「呼吸器内科医はなぜ・どうやって患者に禁煙をすすめているのか」と題した講演を行った。 冒頭に川井氏は、患者に禁煙を薦める理由として 1)喫煙は多くの呼吸器疾患の原因や悪化因子となる 2)がん治療への悪影響がある 3)がん治療後の2次(原発)がんの発生要因となる という基本事項を確認した。 1)について、今年に入って注目されたトピックスとして、COVID-19と喫煙の関係を紹介し、最新の研究を踏まえると「喫煙者は非喫煙者と比較して約2倍、新型コロナ感染症で重症化しやすい」1)というデータを共有した。 2)について、手術においては術後合併症発生率・術後死亡率・再手術の発生率がいずれも上がること、抗がん剤治療においてはイリノテカン・エルロチニブの全身曝露量を低下させ効果を減弱させる、シスプラチンの作用によるアポトーシスを阻害して耐性をもたらす、放射線治療においては治療効果の低下、治療関連毒性の増加など、各治療において広範囲に及ぶ悪影響があることを紹介した。さらに、小細胞肺がんの放射線化学療法中に喫煙を継続した場合、5年生存率が5%低下する2)、喫煙が肺がんの脳転移リスクを上昇させる3)といった研究結果も紹介した。 3)の喫煙関連の2次がんのリスク増については、喫煙者は治療後の肺がん発症リスクが6~24倍になること4)、2次がん発症のリスクが76%増加すること5)を指摘した。さらに診断時、3年以内に禁煙していた場合、現在の喫煙者と比較して死亡リスクが11%減少するというデータ6)を紹介し、喫煙の有害性、禁煙の有効性を改めて訴えた。相手に合わせて言葉を変え、あらゆる機会に介入 続けて、実際に診療にあたってどのように患者に禁煙をすすめるのかという点について、自身の実践を踏まえて紹介した。 初診時は、カルテのバイタルサイン欄に喫煙歴のチェック欄を設け、診療時に医療者が喫煙について触れる機会をつくる試みを紹介。この際、過去に喫煙歴のある患者は「(現在は)喫煙していない」と回答しがちなので、過去の喫煙歴も必ず聞くとよい、とアドバイスした。  「検診の胸部異常陰影で受診したが、CTでは異常がなかった」というケースの診療時では、「肺がんでなくてよかったですね。でもこのままタバコを吸っていると6人に1人は肺がんになります。良い機会ですから禁煙しませんか?」と伝え、40歳以下の患者であれば「喫煙者は寿命が10歳短くなりますが、今禁煙すれば寿命に対する影響をほぼなしにできますよ」と相手に響く言葉を添えたうえで禁煙外来につなぐことを紹介した。 さらに、非専門医が禁煙をすすめる際の手引きとして日本肺癌学会が翻訳・公開するNCCNガイドラインを推奨、自身のブログ・SNSを使った禁煙についての情報発信も紹介し、一般向けにわかりやすく禁煙の大切さを伝える重要性を訴えた。■参考1)Patanavanich R , et al. Nicotine & tobacco research. 2020 ;24:22;1653-1656.2)Videtic GMM, et al. J Clin Oncol. 2003;21:1544-9.3)Wu SY, et al. Int J Clin Exp Med. 2020;03:2174)The Health Consequences of Smoking—50 Years of Progress: A Report of the Surgeon General5)Tabuchi T, et al. Ann Oncol. 2013;24:2699-27046)Tabuchi T, et al. Int J Cancer. 2017;140:1789-1795.

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「523遺伝子を搭載した国内完結型がん遺伝子パネル検査」先進医療に承認/岡山大学

 新たながん遺伝子パネル検査に関する厚生労働省・先進医療技術【先進医療B】研究として、「国内完結型個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査研究」が厚生労働省より承認され、2020年12月1日より、岡山大学病院が全国で初めて実施することになった。523遺伝子を搭載した国内では最多となるがん遺伝子パネル検査となる。 わが国で保険適応されている遺伝子パネル検査は2種類で、それぞれ114、324個の遺伝子を対象にしていた。しかし、がん種によっては十分な遺伝子が調べられないこともあった。  今回、同研究で使用する新たな遺伝子パネルTruSightTM Oncology500(TSO500) は、 523遺伝子を調べることが可能。また、遺伝子の数が多いほど精度が高くなることが示されていることから、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を予測指標の1つである腫瘍遺伝子変異量(TMB)についても、より正確に測定することができるという。 同研究の対象は、抗がん剤による標準治療を実施後の固形がんと診断された、16歳以上で腫瘍組織が得られる患者。研究は、2020年12月1日(予定)~2022年3月31日までの期間で実施し、予定参加患者は250人である。先進医療にかかる医療費は全額患者負担となり、約60万円程度。

911.

ロルラチニブ、進行ALK陽性NSCLCの1次治療で有効/NEJM

 未治療の進行未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者では、ロルラチニブの投与はクリゾチニブと比較して、無増悪生存(PFS)期間が有意に延長し頭蓋内奏効の割合が優れるが、Grade3または4の有害事象(主に脂質値の異常)の発生頻度は高いことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのAlice T. Shaw氏らが行った「CROWN試験」の中間解析で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年11月19日号で報告された。ロルラチニブは第3世代のALK阻害薬で、血液脳関門を通過して中枢神経系に到達するようデザインされており、第Iおよび第II相試験では、第1・第2世代ALK阻害薬による治療が失敗した患者において強力な抗腫瘍活性が確認されている。第1世代ALK阻害薬クリゾチニブは、本試験開始時の標準的な1次治療薬であった。23ヵ国104施設が参加した無作為化第III相試験 研究グループは、進行ALK陽性NSCLC患者の1次治療におけるロルラチニブの有用性をクリゾチニブと比較する目的で、国際的な無作為化第III相試験を実施した(Pfizerの助成による)。23ヵ国104施設が参加し、2017年5月~2019年2月の期間に参加者の無作為割り付けが行われた。今回は、中間解析の結果が報告された。 対象は、年齢18歳または20歳以上(参加施設の地域の法令に準拠)で、組織学的/細胞学的に局所進行または転移を有するNSCLCと確定され、ALK陽性で、転移を有する疾患に対する全身治療歴のない患者であった。被験者は、ロルラチニブ(100mg/日)またはクリゾチニブ(250mg×2回/日)の経口投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントはPFS期間とし、盲検下で独立した中央判定によって評価された。副次エンドポイントは、独立した評価による客観的奏効や頭蓋内奏効などであった。有効性の中間解析は、病勢進行または死亡の期待件数177件の約75%(133件)が発生した時点で行われた。1年後の病勢進行または死亡のリスクが72%減少 296例が登録され、149例がロルラチニブ群(平均年齢[±SD]59.1±13.1歳、女性56%)、147例がクリゾチニブ群(55.6±13.5歳、62%)に割り付けられた。ベースラインで、ロルラチニブ群の26%、クリゾチニブ群の27%で脳転移が認められた。PFSのフォローアップ期間中央値は、ロルラチニブ群が18.3ヵ月、クリゾチニブ群は14.8ヵ月だった。 12ヵ月の時点におけるPFS患者の割合は、ロルラチニブ群が78%(95%信頼区間[CI]:70~84)と、クリゾチニブ群の39%(30~48)に比べ有意に優れた(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.28、95%CI:0.19~0.41、p<0.001)。 客観的奏効の割合は、ロルラチニブ群が76%(95%CI:68~83)と、クリゾチニブ群の58%(49~66)と比較して良好であった(オッズ比[OR]:2.25、95%CI:1.35~3.89)。また、ベースライン時に脳転移が認められた患者(測定可能か否かを問わず)における頭蓋内奏効割合は、ロルラチニブ群が66%、クリゾチニブ群は20%であり(OR:8.41、95%CI:2.59~27.23)、測定可能病変を有していた患者の頭蓋内奏効割合はそれぞれ82%および23%であった(16.83、1.95~163.23)。測定可能病変を有していた患者の頭蓋内完全奏効は、それぞれ71%および8%で達成された。 12ヵ月の時点で、脳転移の進行のない生存割合は、ロルラチニブ群が96%と、クリゾチニブ群の60%よりも良好であった(HR:0.07、95%CI:0.03~0.17)。また、同時点での初回イベントとしての脳転移の進行の累積発生率は、ロルラチニブ群が3%、クリゾチニブ群は33%だった(0.06、0.02~0.18)。 ロルラチニブ群でとくに頻度の高い有害事象として、高コレステロール血症(ロルラチニブ群70% vs.クリゾチニブ群4%)、高トリグリセライド血症(64% vs.6%)、高脂血症(11% vs.0%)、浮腫(55% vs.39%)、体重増加(38% vs.13%)、末梢性ニューロパチー(34% vs.15%)、認知障害(21% vs.6%)、高血圧(18% vs.2%)、気分障害(16% vs.5%)が認められた。また、ロルラチニブ群はクリゾチニブ群と比較して、Grade3または4の有害事象(主に脂質値の異常)が多かった(72% vs.56%)。有害事象による治療中止は、それぞれ7%および9%で発生した。 著者は、「ロルラチニブは、複数の前臨床研究で第1・第2世代のALK阻害薬よりも強力にALKを阻害することが示され、既知のすべての単一ALK耐性変異に対する効力を保持している。これらの点が、今回の1次治療におけるロルラチニブの顕著な有効性の要因と考えられる」としている。

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「肺癌診療ガイドライン」改訂、会員アンケートから見えた改善点は?/日本肺癌学会

 2020年11月、「肺癌診療ガイドライン」改訂版が公開された。肺癌診療は新規薬剤が次々と承認され、ガイドラインが毎年改訂されるという特異な状況にある。11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では「肺癌診療ガイドライン(薬物):過去10年の軌跡とこれからの未来」と題し、ガイドライン作成・改訂のこれまでを振り返り、今後について議論するシンポジウムが行われた。 この中で国立がん研究センター東病院呼吸器内科の野崎 要氏は「ガイドラインは誰のものか?:アンケート結果報告」と題し、日本肺癌学会正会員(医師)の薬物療法従事者を対象に行ったアンケート結果を発表した。このアンケートは肺癌診療ガイドラインの使用実態を調査し、以後の改訂に活かすことを目的に、2020年6~10月にWeb上で行われたもの。有効回答数は540だった。 「現在の肺癌診療ガイドラインに満足していますか?」(単一回答)との設問では、「満足している」(28%)、「どちらかといえば満足している」(65%)との回答が計93%となり、概ね満足している現状が確認された。さらに、「肺癌診療ガイドラインを日々の診療において参考にしていますか?」との設問にも「参考にしている」(76%)、「どちらかといえば参考にしている」(21%)で計97%と、多くが参考にしていると答えた。 演題のテーマにも掲げられた「肺癌診療ガイドラインの最も適切な読者対象は?」(単一回答)との設問には「肺癌診療専門医」が58.5%だった一方で、「肺癌診療非専門医」との回答も29.4%あり、「その他」として「肺癌診療に携わるすべての医師・医療者」といった回答も寄せられた。野崎氏は「専門医のニーズを満たしつつ、非専門医も使えるガイドラインを提供する、というこれまでの方針の妥当性を確認できた」とした。 続けて、「現在の肺癌診療ガイドラインの長所」(複数回答可)として挙げられた点としては、「樹形図により選択肢が明確である」(64.1%)、「各項の内容が詳しく記述されている」(55.4%)、「推奨の記載が明確である」(54.5%)等、各改訂時に委員が工夫、改善してきた点が評価された。一方で「短所」としては、「同じCQで推奨される治療法が複数ある」(24.1%)が最多となり、その最たる例として「EGFR遺伝子陽性NSCLC患者の1次治療」として7種ものレジメンが挙げられている状況を紹介した。「委員会内でもこの点は常に議論になっている。現場であまり使われなくなった薬剤は削るべきとの議論もあったが、現在のエビデンスでは時期尚早と判断した」(野崎氏)と説明した。 自由記載欄には「保険適応のない薬剤が推奨されており、しかも解説がない」「発刊時には既に新しい治療が期待されていることが多いので、その注意書きが欲しい」といった治療の進歩が速い肺癌診療ならではの意見も寄せられた。 「推奨度の決定に置いて、重要な要素は下記のどれだと考えますか?」という設問において優先順位順に回答を募ったところ、1番は「全生存期間(OS)」75.4%、2番は「無増悪生存期間(PFS)」が51.1%と過半以上を占めたが、3番以降は「費用対効果」「QOL」「毒性(有害事象)」と回答が分かれたという点も紹介した。 遺伝子パネル検査や新規薬剤の登場で高額化が著しいがん診療において、現在ガイドラインでは触れられていない「費用対効果(コスト)」の視点を盛り込むべきなのか、盛り込むとしたら誰の視点から評価すべきなのか、という点は、シンポジウム全体を通じた大きな論点となっていた。 第61回日本肺癌学会学術集会は21日(月)までオンデマンド配信が行われている(http://conference.haigan.gr.jp/61/ondemand/ 要参加登録)。

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最良のEGFR-TKIシーケンシャルは何か:臨床エビデンスからのシミュレーション【肺がんインタビュー】 第57回

第57回 最良のEGFR-TKIシーケンシャルは何か:臨床エビデンスからのシミュレーション出演:九州大学 呼吸器外科 原武 直紀氏EGFR-TKIのシーケンシャル治療パターンによる生存結果を臨床エビデンスからシミュレーションした研究が発表される。同研究の筆頭著者である九州大学 原武直紀氏に研究内容とその結果について聞いた。

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コロナは将来の肺がん死亡者数にも影響を及ぼす!?

 2020年11月30日、アストラゼネカ株式会社は、「緊急提言 新型コロナウイルス感染症流行下におけるがん検診の重要性~つづけよう、がん検診~」と題し、コロナ禍の肺がん検診の現状に関するメディアセミナーを開催した。 セミナーでは、光冨 徹哉氏(近畿大学)、弦間 昭彦氏(日本医科大学)、小西 宏氏(日本対がん協会)が登壇し、トークゲストとして三遊亭 圓楽氏が参加した。コロナ拡大に伴う受診控えにより肺がん発見に遅れ 新型コロナウイルス感染拡大に伴い、2020年1月~7月のがん検診の受診者数が前年比で55%減少した。同年4月の緊急事態宣言発出時に、厚生労働省ががん検診の受診延期を要請したが、宣言解除後も受診者数が前年同期の水準まで回復していない。この現状について、光冨氏は、コロナ拡大で検診の受診を控えたために肺がんの発見が遅れ、将来、肺がんによる死亡者数が増加する事態を懸念した。 肺がんの病期別5年生存率はIII期、IV期で著しく低下するため、早期発見・早期治療が重要となる。しかし2020年の4月〜5月、DPC病院では肺がんの新規診断患者数と手術件数が減少しており、検診の受診控えは肺がん発見数の減少や手術ができる患者(潜在的に完治が見込める患者)の減少につながっているといえる。これに対して同氏は「コロナも怖いけれども、肺がんは待ってくれない」と警鐘を鳴らした。コロナ禍でも安心して肺がん検診の受診を とくに、肺腺がんなどの肺野型のがんは症状が発現しにくいが、比較的早期からX線やCT等の検査で発見されるケースも多い。肺腺がんはI期〜III期の一部は手術の対象となるため、検診を実施して早期に発見・治療することが重要となる。 弦間氏は、「コロナの蔓延期にがん検診を受けるのは怖いと思う方も少なくないと思われる」と述べたうえで、日本肺癌学会が検診実施時の新型コロナウイルス感染症対策について周知していることに言及し、「各施設で対策を実施しているので、安心して肺がん検診を受診してほしい」と呼び掛けた。 また、自身も肺がんの治療・復帰を経験している三遊亭 圓楽氏は、「がんの治療法はどんどん進歩している。数年後には怖がる必要のない病気になっていると思う。早く見つけちゃったほうが得」と話し、早期発見・早期治療の重要性を訴えた。

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がんの緩和ケア、「穏やかに看取る」から「健やかに過ごす」へ/日本肺癌学会

 がん治療の進展に伴い、がん治療における緩和ケアにも変化が起きている。11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では、「肺癌緩和ケアの新時代~長期治療の中での緩和~」と題したシンポジウムが行われ、演者がそれぞれの立場から現状を報告した。 演者の1人、飯塚病院連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行氏は、がん緩和ケアの原則となる「WHO方式がん疼痛治療法」が一部改訂されたことを紹介。前版にあった「鎮痛剤使用の5原則」中の「除痛ラダーに沿って効力の順に」という記載が削除され、症状や個人に応じた個別化が緩和ケアでも進んでいる状況を紹介した。 また、現状の課題として、がん緩和ケアにおいて非薬物療法を提供する重要性にも言及。一例として、肺がんや前立腺がんに多い骨転移では、身体を動かすリハビリ療法が痛みの緩和に有効であり、看護師やPT・OTをはじめとする多職種によるチーム医療が緩和ケアにおいても重要になっている、とした。 柏木氏は「オピオイドによる鎮痛一辺倒だった、かつてのがん緩和療法から状況は大きく変わり、非身体的アプローチや非薬物療法など、症状や患者ごとのニーズが多様化している。医師は自分の主観だけでなく、チーム医療の視点を活かして緩和療法に取り組むべき」と述べた。さらに「がん患者の高齢化が進み、がんだけでなく併存疾患をもつ患者さんが多くを占めるようになっている。一病院の枠を超え、緩和ケアとプライマリ・ケアの統合など、地域の状況に合わせた緩和ケア体制の再編も必要となるだろう」とまとめた。がん患者のメンタルリスクにどう対処するか 続いて、岡山大学病院精神科神経科の井上 真一郎氏が「精神症状の緩和 抑うつを中心に」と題し、精神科医の立場から、がん患者の精神的ケアについて発表を行った。 がん患者はがんの宣告、薬剤による副反応、再発など、各段階においてうつ状態になりやすい状況にある。井上氏は「気分が落ち込むのは当然だが、日常生活に支障が出るくらいの落ち込みが2週間以上に続けば、うつ病を疑うことになる」と述べ、さらにうつ病患者には、精神症状だけでなくさまざまな身体症状が出ることを指摘。こちらも、がんそのものや薬剤の副反応から来る身体症状との見分けが難しいため、「普段の診療時に気持ちのつらさを聞くなど、定期的にうつ病のアセスメントを取り入れることが重要だ」とした。 うつ病のアセスメント方法として、2質問法1)、つらさと支障の寒暖計2)、PHQ-93)という3つのツールを紹介したうえで、「どれも有用なツールだが、がん患者は多くの気がかりを抱え、診断基準に当てはまる方が大勢いる。こうしたとき診断の一助となるのが、『今のしんどさが取れれば、気持ちがラクになりますか?』という問いかけ。がん症状から気持ちがつらい患者は『それはそうだろう』と答えるが、うつ病患者はそうした状況すら想像できない、いわゆる心理的な視野狭窄に陥っているケースが多い」とアドバイスした。 さらに、「うつ病が強く疑われるケースでは、必ず希死念慮の確認をして欲しい」と強調。「死に関する質問はしにくいだろうが、オブラートに包み過ぎず、シンプルに『死にたいと思うことはありますか』と問いかけ、深刻と判断すればすぐ専門医につないで欲しい」とした。 最後に、うつ病とせん妄の誤診リスクも指摘。「せん妄というと、攻撃的になる『過活動型せん妄』が想起されるが、新たなサブタイプとして活動意欲が薄れる『低活動型せん妄』がある。こちらはさらにうつ病との見分けがつきにくく、認知症等に隠れて見逃されるケースも多い。こうした疾病の存在も念頭に置いて対応して欲しい」とした。

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ラムシルマブの30分投与、国内承認/日本イーライリリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、すべての適応に対する投与時間短縮に係る承認事項一部変更承認を取得した。  この承認は、ラムシルマブにおける既承認のがん種等を対象に実施された国内外の臨床試験で得られ たラムシルマブの薬物動態及び母集団薬物動態モデルを用いたモデリング&シミュレーションに基づいたもの。 すべての適応に対して、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮が可能となる。

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ラムシルマブとエルロチニブまたはゲフィチニブとの併用、非小細胞肺がんに国内承認/リリー

 日本イーライリリーは、2020年11月27日、抗悪性腫瘍剤ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する 用法及び用量の追加に係る承認事項一部変更承認を取得した。 用法及び用量の追加の承認は、国際共同第1b/III相試験であるRELAY試験から得られた有効性及び安全性に基づいている。同試験は、EGFR遺伝子エクソン19欠失またはエクソン21(L858R)点突然変異が認められる未治療の進行非小細胞肺がん患者を対象とし、ラムシルマブ+エルロチニブ併用療法およびラムシルマブ+ゲフィチニブ併用療法の有効性および安全性を検討したもの。

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リキッドバイオプシー検査、ドライバー遺伝子変異では8割の一致率/日本肺癌学会

 液性検体(血漿や尿など)を検査等に利用する、リキッドバイオプシーの医療現場での普及が急速に進んでいる。がん治療においては、低侵襲で簡便な検査による早期発見や組織採取が難しい部位のがんでの診断等に応用が期待される。 こうした状況を背景に、11月に行われた第61回日本肺癌学会学術集会では「リキッドバイオプシーの可能性」と題したシンポジウムが開催された。この中で、国立がん研究センター東病院の善家 義貴氏は「リキッドバイオプシーの有効性に関する前向き観察研究(LC-SCRUM-Liquid)」について、最新情報を共有した。 LC-SCRUMは肺がんの遺伝子変異をスクリーニングし、治療薬開発につなげることを目的とした産学連携プロジェクトであり、現在全国200施設が参加し、現在、非小細胞肺がん(NSCLC)患者1万例を組み入れ、進行中だ。この試験の付随研究として実施されたLC-SCRUM-Liquidは、1)現行の組織採取による次世代シークエンス(NGS)遺伝子検査と血中遊離DNA(cfDNA)を用いたNGS解析の肺癌遺伝子異常の検出精度の比較2)リキッドバイオプシーによる遺伝子検査で特定遺伝子の異常を確認した場合、分子標的治療が有効かどうかという2点の検証を目的とした。 LC-SCRUM-Liquid には39都道府県159施設が参加、患者の組み入れ基準はLC-SCRUMに準じており、主なものは以下の通り。・20歳以上のNSCLC患者・StageIIIまたはIV・手術・放射線療法不適で、化学療法を実施または予定され、2レジメンまでの薬物療法歴・検査用組織を採取した4週以内に血漿(cfCNA)を採取・組織はオンコマイン(OCA v3)、cfCNAはGuardant360を用いて解析、ターゲットとする遺伝子はEGFR/KRAS/BRAF/ERBB2/MET/ALK/ROS1/RETとした。・腫瘍組織はOncomine Comprehensive Assay version 3 (OCA:Thermo Fisher Scientific社) を、cfDNAはGuardant 360(G360:Guardant Health社)を用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・2017年12月~2020年10月に887例が登録され、非適格者等を除いた832例が解析対象となった。・年齢中央値は68(SD:25~91)歳、男性が60%、腺がんが77%、初回治療例が92%だった。・検査受診から結果が返ってくるまでの日数中央値は組織検査が23(8~55)日、cfCNA検査が15(7~27)日だった。・組織検査は主に肺(59%)とリンパ節(22%)から、気管支鏡(69%)による生検で採取された。・遺伝子異常の検出率はEGFR(組織26% vs.cfCNA 24%)、KRAS(14% vs.12%)の順で高く、約半数で何らかのドライバー遺伝子が検出された。・腫瘍組織検査陽性に対し、cfCNA検査も陽性となった一致率を見ると、EGFR:78%、KRAS:76%、BRAF:80%、ERBB2:71%と遺伝子変異は高かったが、MET:57%、ALK:44%、ROS1:8%、RET:54%など融合遺伝子では低かった。・cfDNAのみで陽性となった患者の60%は, 組織検体不良が原因であった。・もっとも多かったEGFR変異陽性例で分子標的治療の効果を見たところ、組織検査のみ陽性(43例)で奏効率(ORR)60%、cfCNA検査のみ陽性(40例)で70%、両方で陽性(36例)で69%と、ほぼ同等の結果だった。 善家氏は「リキッドバイオプシーによるコンパニオン診断は現時点では保険承認されていないが、今回の試験によってその精度を確認できた。今後の承認に向け、一致率が高く、治療薬が存在するEGFR/ALKについてはすでにアンブレラ試験を開始し、RET/ROS1についても12月中に開始予定だ。ただし、融合遺伝子の検出精度については引き続き検討が必要だろう」とまとめた。

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非小細胞肺がん1次治療、3種の二ボルマブ関連併用療法が国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年11月27日、ニボルマブとイピリムマブについて、「切除不能な進行・再発の 非小細胞肺がん」の効能又は効果に対して、以下の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 (1) ニボルマブとイピリムマブとの併用療法 (2) ニボルマブとイピリムマブおよびプラチナダブレット化学療法との併用療法(3) ニボルマブとプラチナダブレット学療法との併用療法 今回の承認は下記の試験結果に基づいたもの。・(1)(3):化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)患者 を対象に、ニボルマブ単剤療法、ニボルマブとイピリムマブの併用療法又はニボルマブとプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法をプラチナダブレット化学療法と比較した複数のパ ートで構成された多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-227試験) ・(2):化学療法歴のない切除不能進行・再発の NSCLC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法にプラチナ製剤を含む2剤化学療法(2サイクル)を追加した併用療法を、プラチナダブレット化学療法と比較した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験 (CheckMate -9LA試験)の結果に基づいた承認である。関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用NSCLC1次治療、日本人の結果(CheckMate-227)/日本肺癌学会2020進行NSCLCの初回治療、ニボルマブ+イピリムマブが有効/NEJMニボルマブ+イピリムマブ+2週間化学療法の肺がん1次治療、アジア人の成績は?(CheckMate9LA)/日本肺癌学会2020ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法限定追加レジメン、肺がん1次治療でOS改善(CheckMate9LA)/ASCO2020

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PD-L1高発現NSCLC、ICIへのベバシズマブのadd onを評価する:WJOG@BeStudy【肺がんインタビュー】 第56回

第56回 PD-L1高発現NSCLC、ICIへのベバシズマブのadd onを評価する:WJOG@BeStudy出演:九州がんセンター 呼吸器腫瘍科 瀬戸 貴司氏未治療のPD-L1高発現非小細胞肺がんにおける抗PD-L1抗体アテゾリズマブへのベバシズマブの上乗せ効果を検証した第II相WJOG@BeStudy。治験調整医である九州がんセンター 呼吸器腫瘍科 瀬戸 貴司氏に(ESMO Virtual Congress 2020)での発表を再現いただいた。

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