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冠動脈疾患へのPCI、FFRガイド下vs.IVUSガイド下/Lancet

 血管造影に基づく冠血流予備量比(FFR)ガイド下で血行再建の決定やステント最適化を行う包括的な経皮的冠動脈インターベンション(PCI)戦略は、血管内超音波(IVUS)ガイド下PCIと比較して、12ヵ月時の死亡、心筋梗塞または再血行再建術の複合アウトカムに関して非劣性が認められたことを、中国・the Second Affiliated Hospital of Zhejiang University School of MedicineのXinyang Hu氏らが、同国22施設で実施した医師主導の無作為化非盲検非劣性試験「FLAVOUR II試験」の結果で報告した。FFRガイド下での血行再建術の決定またはIVUSを用いたステント留置の最適化は、血管造影のみを用いたPCIと比較し優れた臨床的アウトカムが得られるが、血行再建の判断とステント最適化の両方を単一の手法で行った場合の臨床アウトカムの差は依然として不明であった。著者は、「今回の結果は、FFRガイド下PCIの役割と適応に関して、今後のガイドラインに影響を与えることになるだろう」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年3月30日号掲載の報告。1年後の死亡・心筋梗塞・再血行再建術の複合を比較 研究グループは、虚血性心疾患の疑いがあり、冠動脈造影で2.5mm以上の心外膜冠動脈に50%以上の狭窄が認められる18歳以上の患者を、血管造影によるFFRガイド下PCI群またはIVUSガイド下PCI群に1対1の割合で無作為に割り付けた。割り付けはWebベースのプログラムを用いて行い、試験実施施設および糖尿病の有無で層別化した。 両群とも、事前に規定されたPCI基準とPCI至適目標に基づいて、血行再建術の決定とステント留置の最適化が行われた。 主要アウトカムは、ITT集団における12ヵ月時点の死亡、心筋梗塞または再血行再建術の複合とし、非劣性マージンは累積発生率の群間差(絶対差)が2.5%ポイントとした。FFRガイド下はIVUSガイド下に対して非劣性 2020年5月29日~2023年9月20日に1,872例が登録された。このうち33例が同意撤回または医師の判断で登録中止となり、923例がFFRガイド下PCI群に、916例がIVUSガイド下PCI群に無作為化された。患者背景は、年齢中央値66.0歳(四分位範囲[IQR]:58.0~72.0)、男性1,248例(67.9%)、女性591例(32.1%)などであった。 FFRガイド下PCI群では標的血管990本中688本(69.5%)、IVUSガイド下PCI群では標的血管984本中797本(81.0%)で血行再建術が実施された。 追跡期間中央値12ヵ月(IQR:12~12)において、主要アウトカムのイベントは、FFRガイド下PCI群で56例、IVUSガイド下PCI群54例で確認され(6.3%vs.6.0%、絶対群間差:0.2%[片側97.5%信頼区間[CI]上限:2.4]、ハザード比[HR]:1.04[95%CI:0.71~1.51])であり、FFRガイド下PCIのIVUSガイド下PCIに対する非劣性が認められた(非劣性のp=0.022)。 全死因死亡率は、FFRガイド下PCI群1.8%、IVUSガイド下PCI群1.3%であり、群間差は確認されなかった(絶対群間差:0.4%[95%CI:-0.7~1.6]、HR:1.34[0.63~2.83]、p=0.45)。狭心症の再発率も両群とも低く、それぞれ923例中26例(2.8%)、916例中35例(3.8%)であった。

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第7回 コーヒーの淹れ方が心臓の健康を左右する?ディテールがモノを言うかもしれないという話

コーヒーは多くの方にとって、朝の目覚めから仕事の合間の息抜きまで、幅広い場面で登場する身近な存在でしょう。健康への影響についてはさまざまな研究があり、「適量であれば体に良い」という話を耳にされたことがあるかもしれません。実際、コーヒーの摂取と2型糖尿病1)やパーキンソン病2)のリスク低下との関連を示した研究がこれまで報告されています。しかし、最近スウェーデンの大学の研究者が公表した研究3)によれば、ただコーヒーを飲むかどうかだけではなく、コーヒーの「淹れ方」にも注目する必要があるかもしれないということです。今回は、この研究の内容と結果をお伝えしたいと思います。フィルターの有無が生む意外な差今回ご紹介する研究では、いわゆる「悪玉」コレステロールであるLDLコレステロールの値を上昇させる可能性があるジテルペンがコーヒーに含まれる量を、職場や公共施設などに設置されているコーヒーマシンで抽出したコーヒーやドリップコーヒーなどを対象に測定しています。すると、紙フィルターを通すドリップ式と比べて、構造上フィルターの機能が弱いコーヒーマシンでは、ジテルペンが高い濃度で残る傾向がみられたのです。図. 各種コーヒー抽出液のジテルペン(カフェストール)含有量Orrje E, et al. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2025 Feb 20. CC BY 4.0画像を拡大する以前から、トルコ式コーヒーやフレンチプレスなど「湯で煮出す」タイプ、あるいはフィルターを通さない抽出法ではジテルペンが多く含まれることが知られていました。これを踏まえ、一部の北欧諸国では「紙フィルターを用いてコーヒーを淹れる習慣」を推奨するガイドラインが示されています。実際、研究チームも「1日に何杯もコーヒーを飲む人が、紙フィルターを通さない淹れ方ばかりを選択すると、LDLを押し上げるリスクが高まるかもしれない」と指摘しています。日本人の日常にどう影響するのか日本ではコンビニやカフェ、自動販売機などから手軽にコーヒーを購入する機会が多いですが、これらがどのような抽出法かを常に意識する人は少ないかもしれません。とりわけ、職場にあるコーヒーメーカーで何杯も飲む方は、マシンが紙フィルターを使うドリップ方式なのか、それとも濃縮液をお湯で割るリキッド方式なのかなどを一度確認してみるのもよいかもしれません。研究では、リキッド方式のマシンではジテルペンが抑えられる傾向がある一方、抽出型のマシンではジテルペン濃度が高めになる可能性が示唆されています。また、エスプレッソのように短時間で高圧抽出する場合、特に高いジテルペン量が検出されたと報告されているため、日常的に何杯もエスプレッソまたはカフェラテなどを飲まれる方は注意が必要かもしれません。ただし、断定的に「エスプレッソは危険だ」とするものでもありません。実際の健康への影響がこの研究で測定されているわけではないため、一概に「どの淹れ方でどれほど健康リスクが高い」という話はできないからです。また、仮に健康リスクとの関連があったとしても、量も物をいうでしょう。しかし「フィルターをしっかり通したコーヒーの方が、余計なコレステロール上昇リスクを抑えやすい」という認識は持っていてもいいのかもしれません。コーヒーは香りや風味、リラックス効果など、多くの人を魅了する存在です。その一方で、こうした研究をきっかけに、淹れ方や飲み方にも少し目を向けてもいいのかもしれません。コーヒーに関する研究は無数にありますが、その淹れ方で分けると、研究結果が変わってくるのかもしれません。そうした視点は著者の私にもなかったので新しい発見で、体に良いイメージのあるコーヒーだからこそ、抽出法のようなディテールにも今後の研究で目を向けていく必要があるのでしょう。総じて、今回の研究結果だけをもとに「絶対に紙フィルターを使うべき」などと極端に捉える必要はないでしょう。あくまで自分の生活に合ったスタイルを保ちつつ、もしコーヒーをよく飲まれる方は適切なフィルターを選んだり、飲む頻度を一度見直してみたりしてもいいのかもしれません。今後さらに健康への直接的な影響を評価した研究が行われれば、この「淹れ方」による違いが実際問題どの程度の影響をもたらすのかが明確になるでしょう。いずれにせよ、同じコーヒーでも 「抽出方法の違い」が健康上の意味を持つかもしれないという鋭い視点は、コーヒーのみならずさまざまな食事、飲料にも応用が効きそうな話だったのではないでしょうか。 1) Huxley R, et al. Coffee, decaffeinated coffee, and tea consumption in relation to incident type 2 diabetes mellitus: a systematic review with meta-analysis. Arch Intern Med. 2009;169:2053-2063. 2) Zhang T, et al. Associations between different coffee types, neurodegenerative diseases, and related mortality: findings from a large prospective cohort study. Am J Clin Nutr. 2024;120:918-926. 3) Orrje E, et al. Cafestol and kahweol concentrations in workplace machine coffee compared with conventional brewing methods. Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2025 Feb 20. [Epub ahead of print] ■新着【大画像】/files/kiji/20250304132940-sns.png【サムネイル】/files/kiji/20250304133008.png

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lepodisiran、400mg投与で半年後のLp(a)値を93.9%低下/NEJM

 開発中の長期持続型低分子干渉RNA(siRNA)薬lepodisiranについて、投与後60~180日に血清リポ蛋白(a)(Lp(a))値を低下したことが示された。米国・Cleveland Clinic Coordinating Center for Clinical ResearchのSteven E. Nissen氏らALPACA Trial Investigatorsが、第II相試験である国際多施設共同無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。Lp(a)値の上昇は、アテローム性心血管疾患と関連する。lepodisiranは、肝臓でのLp(a)の産生を標的とし、第I相試験では、最高試験用量608mgの単回投与が337日間にわたりLp(a)値を90%以上低下したことが示された。今回報告された第II相試験は、Lp(a)高値の集団でのlepodisiranのさらなる安全性を評価するとともに、Lp(a)値低下の大きさと期間を明らかにし、現在進行中の心血管アウトカムを評価する長期の第III相試験の用量と投与間隔の設定を目的として実施された。NEJM誌オンライン版2025年3月30日号掲載の報告。5つの用量群で60~180日におけるLp(a)値の低下率を評価 第II相試験は2022年11月11日~2023年4月17日に、アルゼンチン、中国、デンマーク、ドイツ、日本、メキシコ、オランダ、ルーマニア、スペインおよび米国の66施設で行われた。対象は、Lp(a)値175nmol/L以上で、スタチン、PCSK9阻害薬、その他のLp(a)値に影響を及ぼすことが知られる脂質異常症治療薬の投与を受けている場合は、スクリーニング前4週間以上にわたり投与量が安定していた40歳以上の成人であった。 研究グループは被験者を、次の5群に1対2対2対2対2の割合で割り付けた。すべてが皮下投与で、(1)ベースラインと180日時にlepodisiran 16mg(16mg群)、(2)同96mg(96mg群)、(3)同400mg(400mg・400mg群)、(4)ベースラインにlepodisiran 400mg、180日時にプラセボ(400mg・プラセボ群)、(5)ベースラインと180日時にプラセボ(プラセボ群)。主要解析では、ベースラインでlepodisiran 400mg投与を受けた(3)と(4)の2つの群のデータをまとめて(400mg統合群)分析した。 主要エンドポイントは、60~180日の血清Lp(a)値のベースラインからの時間平均低下率(lepodisiran群とプラセボ群の差[すなわちプラセボ補正後])であった。400mg投与で60~180日に93.9%ポイント低下、30~360日に88.5~94.8%ポイント低下 計320例が無作為化された。平均年齢は62.7歳、138例(43%)が女性、219例(68%)が心血管イベントの高リスク基準を満たしており、153例(48%)が冠動脈疾患既往、99例(31%)が心筋梗塞既往であった。血清Lp(a)中央値は253.9nmol/L、LDLコレステロール中央値は79.3mg/dL、アポリポ蛋白B値79.0mg/dL、また、併用薬はスタチンが236例(74%)、エゼチミブが105例(33%)、PCSK9阻害薬が19例(6%)であった。 60~180日の血清Lp(a)値のベースラインからの、血清Lp(a)値の時間平均低下率(プラセボ補正後)は、16mg群40.8%ポイント(95%信頼区間[CI]:-55.8~-20.6)、96mg群75.2%ポイント(-80.4~-68.5)、400mg統合群93.9%ポイント(-95.1~-92.5)であった。 30~360日のベースラインからの同低下率は、16mg群41.2%ポイント(95%CI:-55.4~-22.4)、96mg群77.2%ポイント(-81.8~-71.5)、400mg・400mg群94.8%ポイント(-95.9~-93.4)、400mg・プラセボ群88.5%ポイント(-90.8~-85.6)であった。 重篤な有害事象は35例で報告されたが、試験担当医師がlepodisiranまたはプラセボに関連したと判定した事例はなかった。概して軽度の注射部位反応が用量依存性に報告され、lepodisiranの最高投与量群(400mg・400mg群)の発現率12%(8/69例)が最高であった。

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フィネレノン、CKD有するHFmrEF/HFpEFに有効~3RCT統合解析(FINE-HEART)/日本循環器学会

 心不全患者のほぼ半数が慢性腎臓病(CKD)を合併している。心不全とCKDは、高血圧、肥満、糖尿病といった共通のリスク因子を持ち、とくに左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)患者ではその関連がより顕著である。レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)や交感神経系の活性化、炎症、内皮機能障害、線維化、酸化ストレスといった共通の病態生理学的経路を有する。したがって、心不全患者、とくにHFpEF患者において、腎保護が治療成功の鍵となっている。 心不全とCKDを合併した約1万9,000例の患者におけるフィネレノンの効果を評価するため、3件の大規模無作為化比較試験(RCT)の統合解析「FINE-HEART試験」が実施され、2024年の欧州心臓病学会で発表された。その結果、心不全とCKDを合併した患者において、原因不明死を含めると、フィネレノンは心血管死を12%有意に減少させることが示され、腎疾患の進行、全死因死亡、心不全による入院などが有意に減少したことが示された。3月28~30日に開催された第89回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trials 1にて、富山大学の絹川 弘一郎氏によりアンコール発表された。 本試験では、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)のフィネレノンの効果を検証した以下の3件のRCTのデータが統合された。・FINEARTS-HF試験:2型糖尿病を含む左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)/HFpEF患者6,001例を対象とした試験。・FIDELIO-DKD試験:糖尿病性腎臓病患者5,662例を対象とした腎アウトカム試験(左室駆出率が低下した心不全[HFrEF]患者は除外)。・FIGARO-DKD試験:糖尿病性腎臓病患者7,328例を対象とした心血管アウトカム試験(HFrEF患者は除外)。 FINE-HEART試験の対象者の90%以上が、心不全、CKD、2型糖尿病の1つ以上を有する高リスクCKM(心血管・腎・代謝)背景を持っていた。本試験の主要評価項目は心血管死であり、副次評価項目は複合心血管イベント、心不全による初回入院、全死因死亡などが含まれた。 主な結果は以下のとおり。・FINE-HEART試験は、1万8,991例(平均年齢67±10歳、女性35%)で構成された。参加者の約90%が、推定糸球体濾過量(eGFR)の低下および/またはアルブミン尿のいずれかを伴うCKD進行リスクが高かった。・心血管死について、プラセボ群と比較して、フィネレノン群は、原因不明死を除くと、心血管死の有意ではない減少と関連していた(ハザード比[HR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.78~1.01、p=0.076)。ただし、原因不明死を含めると、フィネレノン群は心血管死を12%有意に減少させた(HR:0.88、95%CI:0.79~0.98、p=0.025)。・原因不明死を含めた場合の心血管死に対するフィネレノンの効果は、患者のCKM負担の程度かかわらず一貫していた。また、GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬といったベースラインの併用薬の有無にかかわらず、フィネレノンの効果は一貫していた。・フィネレノンは、複合腎アウトカム、心不全による初回入院、心血管死または全死因死亡、心房細動の新規発症を有意に減少させた。・HFmrEF/HFpEF患者7,008例(36.9%)を解析した結果、フィネレノン群ではプラセボ群と比較して、心血管死または心不全による入院が有意に減少した(HR:0.87、95%CI:0.78~0.98、p=0.008)。また、心不全による入院(HR:0.84、95%CI:0.74~0.94、p=0.003)、心房細動の新規発症(HR:0.75、95%CI:0.58~0.97、p=0.030)を有意に減少させた。・フィネレノンは忍容性が良好であり、プラセボ群より重篤な有害事象の発現率が低かった。MRAの性質上、フィネレノン群で高カリウム血症が多くみられたが、高カリウム血症に関連する死亡は認められなかった。低カリウム血症は少なかった。収縮期血圧低下がよくみられ、血圧への影響は今後さらに検討が必要とされている。急性腎障害の増加は認められなかった。 フィネレノンは、CKMリスクを有する患者に対して、心血管・腎アウトカムを改善し、安全性も高い有望な治療選択肢であることが本試験により示された。絹川氏は「フィネレノンは心血管死を12%有意に減少させた。FIDELIO試験とFIGARO試験では、心血管死は有意に減少しなかったため、これはFINE-HEART試験で新たに得られた知見だ。また、FIDELIO試験とFIGARO試験では、フィネレノンによるeGFRの初期低下が観察されたが、これも今後の検討課題となる」と述べた。(ケアネット 古賀 公子)そのほかのJCS2025記事はこちら

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急性冠症候群のDCB治療後DAPT、段階的漸減レジメンで十分か/BMJ

 薬剤コーティングバルーン(DCB)による治療を受けた急性冠症候群患者では、有害臨床イベントの発生に関して、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を段階的に減薬(de-escalation)するレジメンは12ヵ月間の標準的なDAPTに対し非劣性であることが、中国・Xijing HospitalのChao Gao氏らREC-CAGEFREE II Investigatorsが実施した「REC-CAGEFREE II試験」で示された。研究の成果は、BMJ誌2025年3月31日号で報告された。中国の無作為化非劣性試験 REC-CAGEFREE II試験は、DCBを受けた急性冠症候群患者において、抗血小板薬療法の強度を弱めることは可能かの評価を目的とする医師主導型の非盲検評価者盲検無作為化非劣性試験であり、2021年11月~2023年1月に中国の41病院で患者を登録した(Xijing Hospitalの助成を受けた)。 年齢18~80歳で、パクリタキセルを塗布したバルーンによるDCB治療のみを受けた急性冠症候群患者1,948例(平均年齢59.2歳、男性74.9%)を対象とした。被験者を、DAPTを段階的に減薬する群(975例)、または標準的なDAPTを投与する群(973例)に無作為に割り付けた。 段階的DAPT減薬群では、アスピリン+チカグレロル(1ヵ月)を投与後、チカグレロル単剤(5ヵ月)、引き続きアスピリン単剤(6ヵ月)の投与を行った。標準的DAPT群では、アスピリン+チカグレロルを12ヵ月間投与した。 主要エンドポイントは、有害臨床イベント(全死因死亡、脳卒中、心筋梗塞、血行再建術、BARC type 3または5の出血)とした。絶対リスク群間差の片側95%信頼区間(CI)の上限値が3.2%未満の場合に非劣性と判定した。出血リスクは低い 全体の30.5%が糖尿病で、8.8%が脳卒中の既往、13.2%が心筋梗塞の既往、32.2%が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の既往を有しており、20.6%は出血リスクが高かった。治療を受けた病変の60.9%が小血管で、17.8%にステント内再狭窄を認めた。DCBの直径の平均値は2.72(SD 0.49)mmだった。 12ヵ月の時点で、主要エンドポイントである有害臨床イベントは、段階的DAPT減薬群で87例(8.9%)、標準的DAPT群で84例(8.6%)に発現した。発生率の群間差は0.36%(95%CI:-1.75~2.47)で、95%CI上限値は3.2%未満であり、段階的DAPT減薬群の標準的DAPT群に対する非劣性が示された(非劣性のp=0.01)。 BARC type 3または5の出血の発生は、段階的DAPT減薬群で少なかった(4例[0.4%]vs.16例[1.6%]、群間差:-1.19%[95%CI:-2.07~-0.31]、p=0.008)。また、患者志向型複合エンドポイント(全死因死亡、脳卒中、心筋梗塞、血行再建術)の発生は、両群で同程度だった(84例[8.6%]vs.74例[7.6%]、1.05%[-1.37~3.47]、p=0.396)。階層的な臨床的重要性を考慮したwin ratioが優れる 全死因死亡、脳卒中、心筋梗塞、BARC type 3出血、血行再建術、BARC type 2出血というあらかじめ定義された階層的複合エンドポイントについて、win ratio(勝利比)法による階層的な臨床的重要性を考慮すると、標準的DAPT群(勝率10.1%)に比べ段階的DAPT減薬群(14.4%)で勝率が有意に高かった(勝利比:1.43[95%CI:1.12~1.83]、p=0.004)。 著者は、「ITT集団では、標準的DAPT群に比べ段階的DAPT減薬群で、患者志向型複合エンドポイントの発生率が1%高く、BARC type 3または5の出血の発生率が1%低かったことから、虚血リスクと出血リスクにはトレードオフが存在する可能性が示唆される」としている。

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高齢者の不眠症に最も効果的な運動は?

 高齢者の不眠症の改善に最も効果的な運動は、レジスタンストレーニング(筋トレ)であるとする論文が発表された。ただし、筋トレだけでなく、有酸素運動などの有効性も確認されたという。マヒドン大学ラマティボディ病院(タイ)のKittiphon Nagaviroj氏らによる研究の結果であり、詳細は「Family Medicine and Community Health」に3月4日掲載された。 加齢とともに睡眠の質が低下する。高齢者の12~20%が不眠症に悩まされているという報告もある。不眠症はうつ病や不安症、その他の精神疾患と関連のあることが明らかになっており、さらにメタボリックシンドロームや高血圧、心臓病などの身体疾患との関連も示されている。 高齢者の不眠症に対する治療としては、安全性の観点から認知行動療法などの非薬物療法が優先されるが、専門スタッフの不足や時間を要することなどのため、実臨床で行われることは少ない。一方、運動が不眠症改善、および不眠症に併存しやすい前記の疾患のリスク抑制に有効であるとするエビデンスが蓄積されてきている。ただし、運動の種類によって不眠症に対する効果が異なるのか否かという点は、これまで明らかにされていない。そこでNagaviroj氏らは、過去の研究報告のデータを統合した解析によりこの点について検討した。 著者らは、Medline、Embase、CINAHLなどの文献データベースに2022年10月までに収載された論文を対象として、60歳以上の成人における運動と睡眠の質との関連を検討したランダム化比較試験の報告を検索。25件の報告を解析対象として抽出した。 これらの研究の参加者数は合計2,170人で平均年齢70.38±4.56歳、女性71.85±21.86%であり、20件(80%)は一般住民対象、5件(20%)は介護施設居住者を対象として実施されていた。アジアでの研究が過半数(56%)を占め、次いで北米と南米が各16%、欧州が12%だった。運動介入期間は平均14週間で、1回に50分強の運動を週に2~3回行っていた。運動の種類は、有酸素運動(速歩、サイクリング、水泳、ダンス、ガーデニングなど)、レジスタンストレーニング(ウェイトや体重を利用した筋トレ)、バランス運動(つま先立ちなど)、柔軟性運動(ヨガ、ピラティスなど)、およびこれらを組み合わせた複合運動として行われており、運動強度は軽度から中等度とした研究が半数以上だった。 複数の異なる介入研究で得られた結果を統計学的手法により比較可能とする、ネットワークメタ解析の結果、ピッツバーグ睡眠品質指数(PSQI)の改善効果が最も高い運動はレジスタンストレーニングであり、PSQIが5.75点低下していた(PSQIは低い方が睡眠の質が高いことを意味する)。有酸素運動は3.76点、複合運動は2.54点の低下(改善)を示した。 この結果に基づき著者らは、「睡眠の質の改善には運動の中でも特に、レジスタンストレーニングと有酸素運動が有益である」と結論付けている。

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鉄欠乏症心不全患者に対するカルボキシマルトース第二鉄の静注は、心不全入院と心血管死を有意に減少させなかった:The FAIR-HF2無作為化臨床試験-心不全治療において貧血は難題-(解説:佐田政隆氏)

 心不全では貧血を伴うことが多く、貧血は心不全の重要な予後規定因子である。心不全による貧血の進行の機序としては、慢性炎症、腎機能低下、体液貯留による血液希釈、鉄欠乏などが想定されているが、「心・腎・貧血症候群」として近年、問題視されており、その病態の悪循環を断つためにいろいろな介入方法が試みられているが、特効薬がないのが現状である。 鉄欠乏は心不全患者の半数以上に合併し、心不全症状や運動耐容能の低下、心不全入院、心血管死と関連することが報告されている。鉄欠乏状態を評価するため、2つの指標が用いられている。フェリチンは体内の鉄を貯蔵するタンパク質で、血液中のフェリチンの量を測定することで体内の鉄の貯蔵量を推定することができる。一方、血清鉄は、トランスフェリンというタンパク質に結合して搬送され、血清鉄/総鉄結合能✕100(%)が鉄飽和度(TSAT)と呼ばれ、血液中の鉄と結合しているトランスフェリンの割合を指し、鉄の過不足を判断する指標として用いられる。心不全患者の鉄欠乏の基準として、血清フェリチン<100ng/mL、または血清フェリチン100~300ng/mLかつTSAT<20%と定義されており、このような患者を対象にして鉄補充の有効性と安全性をみる数々の臨床研究が行われてきた。6分間歩行や最大酸素摂取量といったソフトエンドポイントでは有効性を示した報告が多いが、心血管死と心不全入院といったハードエンドポイントでは、有効性を示すことができなかった研究がほとんどである。 今回のFAIR-HF2研究でも、カルボキシマルトース第二鉄の静注は主要評価項目である心血管死+心不全入院を36ヵ月の経過観察期間中に、減らす傾向はあったが有意差を示すことはできなかった。患者のQOLや患者自身による全体的な健康評価の改善に寄与することは確認された。 このような状況下、2025年3月28日発表の日本循環器学会・日本心不全学会の心不全診療ガイドラインにおいて、「鉄欠乏を有するHFrEF/HFmrEF患者に対する心不全症状や運動耐容能改善を目的にした静注鉄剤を考慮する」ことが推奨クラスIIaとされている。しかし、鉄過剰は酸化ストレスの増加をもたらし、脱力感や疲労感を生じさせ、発がん性との関係も報告され、重症の場合は、肝硬変や糖尿病、勃起不全、皮膚色素沈着、糖尿病といったヘモクロマトーシス様の症状を呈する。漫然と鉄剤を投与するのではなく、血清フェリチンやTSATによる細目なモニターが重要である。 心不全患者では慢性炎症のためヘプシジンが上昇しており、フェロポルチンといったマクロファージ中の鉄の有効利用を促進するタンパク質の分解が生じ、鉄利用が障害されている。このため、単なる鉄剤の投与が貧血の改善につながらないことが多い。最近、貧血治療薬として経口のHIF-PH阻害薬が各社から発売され、保存期慢性腎臓病患者と透析患者で、ヘモグロビン上昇作用はESA製剤に非劣性であることが報告されている。HIF-PH阻害薬は、ヘプシジンの低下、鉄の利用促進作用があることも報告されており、今後、心腎貧血症候群の悪循環を断ち切って、心不全患者の予後改善効果のエビデンスがRCTで示されることが期待される。

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週2回貼付のアルツハイマー型認知症治療薬「リバルエンLAパッチ25.92mg/51.84mg」【最新!DI情報】第37回

週2回貼付のアルツハイマー型認知症治療薬「リバルエンLAパッチ25.92mg/51.84mg」今回は、持続放出性リバスチグミン経皮吸収型製剤「リバスチグミン(商品名:リバルエンLAパッチ25.92mg/51.84mg、製造販売元:東和薬品)」を紹介します。本剤は、わが国初の持続放出性のアルツハイマー型認知症の貼付薬であり、介護者の負担軽減やアドヒアランスの改善が期待されています。<効能・効果>軽度および中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制の適応で、2025年3月27日に製造販売承認を取得しました。<用法・用量>通常、成人にはリバスチグミンとして1回25.92mgから開始し、原則として4週後に維持量である1回51.84mgに増量します。本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付します。原則として開始時は4日間貼付し、1枚を3~4日ごとに1回(週2回)貼り替えます。なお、貼付期間は4日間を超えないようにし、週2回行う本剤の貼り替えのタイミング(曜日)は原則固定します。<安全性>重大な副作用として、QT延長(1%未満)、狭心症、心筋梗塞、徐脈、房室ブロック、洞不全症候群、脳卒中、痙攣発作、食道破裂を伴う重度の嘔吐、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃腸出血、肝炎、失神、幻覚、激越、せん妄、錯乱、脱水(いずれも頻度不明)があります。その他の副作用は、接触性皮膚炎、適用部位紅斑、適用部位そう痒感(5%以上)、食欲減退、期外収縮、悪心、嘔吐、適用部位浮腫、適用部位皮膚炎、適用部位発疹、適用部位水疱、適用部位腫脹、体重減少(1~5%未満)、貧血、不眠症、幻視、易怒性、不整脈、心房粗動、高血圧、腹痛、蕁麻疹、適用部位皮膚剥脱、適用部位湿疹、適用部位蕁麻疹、しゃっくり、耳鳴(1%未満)、尿路感染、好酸球増加症、糖尿病、血尿、疲労、肝機能検査異常など(いずれも頻度不明)があります。<患者さんへの指導例>1.この薬は、軽度および中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行を遅らせる薬です。2.この薬は、皮膚から有効成分が吸収される貼り薬(パッチ剤)です。3.初めに貼り替える曜日を決めて、1週間に2回、1回1枚、同じ時間に薬を貼り替えてください。4.背中、上腕、胸のいずれかの健康な皮膚に貼ってください。5.貼る場所は毎回変え、同じ場所に貼らないでください。6.貼り忘れに気付いたときは、気付いた時点で新しい薬を貼り、次からはいつもと同じスケジュールで貼り替えてください。<ここがポイント!>アルツハイマー型認知症は、認知症の原因の約6割を占める緩徐進行性の疾患で、記憶障害や複数の認知機能障害が特徴です。この認知機能の低下は、コリン作動性神経機能の低下と関連するといわれており、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬が現在の治療の中心です。日本では、これらの薬剤は内服薬と貼付薬で販売されており、通常、1日1~2回の投薬が必要です。アセチルコリンエステラーゼおよびブチリルコリンエステラーゼの阻害薬であるリバスチグミンは、2011年4月に1日1回貼付の貼付薬として承認されました。貼付薬は投薬状況が可視化されるため、内服薬に比べて介護者の負担を軽減することができます。服薬管理の負担を一層軽減するために、さらなる投薬頻度の低減が求められていました。リバルエンLAパッチは、日本初の持続放出性リバスチグミン経皮吸収型製剤であり、週2回の貼付が特徴です。従来の毎日1回の貼付薬に比べ、アドヒアランス向上が期待されます。外国人健康成人57例を対象に、本剤の51.84mg製剤を週2回(4日間と3日間の交互)またはリバスチグミン貼付薬(1日1回貼付)の18mg製剤を1日1回、上背部に11日間反復経皮投与したとき、リバスチグミン貼付薬に対する本剤の幾何平均値の比は、Cmax96-264で1.051(90%信頼区間[CI]:0.984~1.124]、Cmin96-264で1.078(0.978~1.189]、Ctau_264で1.086(1.018~1.158)およびAUC96-264で1.136(1.073~1.203)でした。このことから、51.84mg製剤の週2回投与がリバスチグミン貼付薬の18mg製剤の1日1回投与と同程度の曝露量を示すことが確認されました。軽度および中等度アルツハイマー型認知症患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験(国内第III相試験:NDT-2101試験)において、24週時のADAS-Jcogのベースラインからの変化量の最小二乗平均値は、本剤群で-0.54(95%CI:-1.150~0.065)、リバスチグミン貼付薬群で0.30(-0.306~0.900)で、変化量の群間差は-0.84(-1.695~0.016)でした。群間差の95%CIの上限が事前に設定した非劣性限界値1.1を下回ったことから、リバスチグミン貼付薬群に対する本剤群の非劣性が検証されました。

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脂肪性肝疾患の新たな分類とMASLDの概念・診断基準【脂肪肝のミカタ】第1回

脂肪性肝疾患の新たな分類とMASLDの概念・診断基準Q. 脂肪性肝疾患(SLD)の新たな分類とMASLD診断基準とは?2023年、欧米において脂肪性肝疾患(steatotic liver disease:SLD)の新たな分類が報告された。従来使用されてきた、fattyやalcoholicという表現が不適切であることから、病名変更が必要となり、エタノール摂取量を基準に大きく3つのグループに分類された。具体的には、以下の3群である(図1)1-3)。代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD)代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MASLD and increased alcohol intake:MetALD)、アルコール関連肝疾患(alcohol-associated [alcohol-related] liver disease:ALD)(図1) 脂肪性肝疾患(SLD)の新たな分類画像を拡大するこれらの英語病名は、欧州肝臓学会(EASL)/米国肝臓病学会(AASLD)/ラテンアメリカ肝疾患研究協会(ALEH)の専門家の意見を収集し、専門家が回答した意見を統計学的に分析・再評価を繰り返して、最終的に新しい診断基準や概念に関する合意を得たものである(Delphi consensus)。MASLDは、画像診断または組織学的に診断される脂肪性肝疾患(steatotic liver disease, SLD)のうち、心代謝系危険因子(cardiometabolic risk factor:CMRF、表1)を1つ以上有し、飲酒量はエタノール換算で女性<140g/週、男性<210g/週(女性<20g/日、男性<30g/日)かつ他の原因が関わるSLDを除く疾患である(図2)。(表1)MASLD診断における心代謝系危険因子(成人)5項目画像を拡大する(図2)MASLD診断のフローチャート画像を拡大する肥満、耐糖能異常、脂質異常症、血圧異常などの生活習慣病と相互に関連し、肝線維化の進行を来し、肝硬変や肝がんへと進展する。病状の進行には、環境要因と遺伝的要因が影響する。併存疾患として、心血管イベントや肝臓以外の悪性腫瘍なども関連し、全身疾患と考える必要がある。しかし、4人に1人がSLDと言われる時代において、全症例を組織学的に診断することは不可能である。よって、診断フローチャートのはじめに、画像診断と記載されたことは(図2)、将来的に非侵襲的な腹部超音波検査を含む画像診断の時代にシフトする可能性を示していると言える。Q. NAFLDからMASLDとなり、何が変わるのか?MASLDと非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)の対象の一致率は海外からの報告では99%である4)。本邦におけるメタボリック症候群(Mets)の腹囲基準は、男性≧85cm、女性≧90cmであるが、今回のSLDを診断する上でのCMRFにおける腹囲基準は、男性>94cm、女性>80cmと異なっている(表1)1-3)。しかし、本邦におけるMetsの腹囲基準を採用して検討してもその一致率は97%であることが確認された5)。結論的には、MASLDとNAFLD、そして組織学的診断に基づく代謝機能障害関連脂肪肝炎(metabolic dysfunction-associated steatohepatitis:MASH)と非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis, NASH)は、概ね同じ概念であることが確認され、これまでNAFLD/NASHから創出された疫学、診断、治療に関するエビデンスは従来通り採用できることが確認された(図3)4,5)。(図3)NAFLDとMASLDの対象の比較画像を拡大するCMRFとしての腹囲基準はあくまでMASLD診断のための基準であり、本邦のMets基準とは区別して捉える必要がある。今後、CMRFの基準が、本邦でどれくらいの心血管系イベントリスクに繋がるのか検証することと、更なる妥当なカットオフ値が存在するのか検討していく必要がある。1)NAFLD Nomenclature consensus group. J Hepatol. 2023;79:1542-1556.2)NAFLD Nomenclature consensus group. Hepatology. 2023;78:1966-1986.3)NAFLD Nomenclature consensus group. Ann Hepatol. 2024;29:101133.4)Younossi ZM, et al. J Hepatol. 2024;80:694-701.5)Suzuki K, et al. Hepatol Res. 2024;54:600-605.

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ワインによる各脂質レベルへの影響~メタ解析

 ワイン摂取が脂質プロファイルに及ぼす影響について、これまで脂質をトリグリセライド、総コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール、フィブリノゲンに分けてメタ解析を行った研究はなかった。今回、スペイン・University of Castilla-La ManchaのMaribel Luceron-Lucas-Torres氏らが系統的レビューとメタ解析を実施した結果、赤ワインによるLDLコレステロール減少効果が示された。The Journal of Nutrition, Health and Aging誌2025年6月号に掲載。 本研究では、MEDLINE(PubMed)、Scopus、Cochrane、Web of Scienceのデータベースを調べ、系統的レビューとメタ解析を行った。ランダム効果モデルを使用して、各脂質パラメータのプールされた標準化効果量(ES)推定値と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・系統的レビューに33件の研究が含まれ、29件がメタ解析に含まれた。・赤ワインの影響に関してプールされたESは、前後比較研究において赤ワインのLDLコレステロールに対する影響のみが有意であった(-0.29、95%CI:-0.54~-0.05)。・白ワインの影響に関してプールされたESは、前後比較研究および臨床研究において、ワインの各パラメータへの影響について有意な結果は示されなかった。 本研究から、赤ワイン摂取はLDLコレステロールを減少させる効果があり、総コレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド、フィブリノゲンには影響がないことが明らかになった。また、介入期間がトリグリセライドと総コレステロール値に影響することが明らかになり、介入期間が長いほどこれら2つのパラメータに効果的であることが示された。

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DES留置術前の石灰化病変処置、オービタルアテレクトミーは予後を改善するか/Lancet

 薬剤溶出性ステント(DES)を用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行前の重度の冠動脈石灰化病変の切削において、バルーン血管形成術に基づくアプローチと比較して、アテローム切除アブレーション式血管形成術用カテーテル(Diamondback 360 Coronary Orbital Atherectomy System)によるオービタルアテレクトミーは、最小ステント面積を拡張せず、1年後の標的血管不全の発生率も減少しないことが、米国・Columbia University Medical Center/NewYork-Presbyterian HospitalのAjay J. Kirtane氏らECLIPSE Investigatorsが実施した「ECLIPSE試験」で示された。研究の詳細は、Lancet誌2025年4月12日号に掲載された。米国の無作為化試験 ECLIPSE試験は、DES留置術前の重度冠動脈石灰化病変の前処置としてのオービタルアテレクトミーとバルーン血管形成術の有効性の比較を目的とする非盲検無作為化試験であり、2017年3月~2023年4月に米国の104施設で参加者の無作為化を行った(Abbott Vascularの助成を受けた)。 年齢18歳以上、1つ以上の新たな冠動脈標的病変に対するPCIを受ける慢性または急性冠症候群で、血管造影または血管内画像により冠動脈に重度のカルシウム蓄積を認め、推定生存期間が1年以上の患者を対象とした。これらの患者を、DESによるPCI施行前に重度石灰化病変を切削するために、オービタルアテレクトミーまたはバルーン血管形成術を受ける群に1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは2つで、1年後の標的血管不全(心臓死、標的血管心筋梗塞、虚血による標的血管の血行再建術の複合)と、事前に規定されたコホートにおける手技を行った後の血管内光干渉断層撮影(OCT)で評価した最大石灰化部位の最小ステント面積とし、ITT解析を行った。1年後の標的血管不全:11.5%vs.10.0% 2,005例(2,492病変)を登録し、ステント留置術の前にオービタルアテレクトミーによる病変の前処置を行う群に1,008例(1,250病変)、バルーン血管形成術を行う群に997例(1,242病変)を割り付けた。全体の年齢中央値は70.0歳(四分位範囲:64.0~76.0)、541例(27.0%)が女性であり、881例(43.9%)が糖尿病、479例(23.9%)が慢性腎臓病(112例[5.6%]が血液透析中)であった。 コアラボラトリーで血管造影により重度のカルシウム蓄積が確認されたのは、オービタルアテレクトミー群で97.1%(1,088例/1,120病変)、バルーン血管形成術群で97.0%(1,068例/1,101病変)だった。また、血管内画像ガイド下PCIは、それぞれ62.2%(627例/1,008例)および62.1%(619例/997例)で行われた。 1年後までに、標的血管不全はオービタルアテレクトミー群で1,008例中113例(11.5%[95%信頼区間[CI]:9.7~13.7])、バルーン血管形成術群で997例中97例(10.0%[8.3~12.1])に発生し、両群間に有意な差を認めなかった(群間差:1.5%[96%CI:-1.4~4.4]、ハザード比[HR]:1.16[96%CI:0.87~1.54]、p=0.28)。 また、OCTコホート(オービタルアテレクトミー群276例[286病変]、バルーン血管形成術群279例[292病変])における最大石灰化部位の最小ステント面積は、オービタルアテレクトミー群が7.67(SD 2.27)mm2、バルーン血管形成術群は7.42(2.54)mm2であり、両群間に有意差はなかった(平均群間差:0.26[99%CI:-0.31~0.82]、p=0.078)。1年後のステント血栓症:1.1%vs.0.4% 1年以内に、心臓死はオービタルアテレクトミー群で39例(4.0%)、バルーン血管形成術群で26例(2.7%)に発生した(HR:1.49[95%CI:0.91~2.45]、p=0.12)。最初の30日間にオービタルアテレクトミー群で8例に心臓死が発生し、このうち2例がデバイス関連、2例がデバイス関連の可能性があると判定された。 また、1年以内の標的血管心筋梗塞は、オービタルアテレクトミー群で55例(5.6%)、バルーン血管形成術群で43例(4.4%)(HR:1.27[95%CI:0.85~1.89]、p=0.24)、虚血による標的血管の血行再建術はそれぞれ40例(4.2%)および41例(4.4%)(0.97[0.63~1.49]、p=0.88)で発現し、ステント血栓症(definiteまたはprobable)は11例(1.1%)および4例(0.4%)(2.74[0.87~8.59]、p=0.085)に認めた。 著者は、「これらのデータは、ステント留置術前の冠動脈石灰化病変の処置の多くにおいては、血管内画像ガイド下のバルーン血管形成術を優先するアプローチが支持されることを示すものである」としている。

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3枝病変へのFFRガイド下PCIは有効か/Lancet

 左冠動脈主幹部以外の冠動脈3枝病変を有する患者の治療では、冠動脈バイパス術(CABG)と比較してゾタロリムス溶出ステントを用いた冠血流予備量比(FFR)ガイド下経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、5年間の追跡調査において、死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合アウトカムの発生に関して有意差はみられないが、心筋梗塞と再血行再建術の頻度は高いことが、米国・スタンフォード大学のWilliam F. Fearon氏らが実施した「FAME 3試験」で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2025年3月30日号に掲載された。世界48施設の医師主導型無作為化試験 FAME 3試験は、左冠動脈主幹部以外の冠動脈3枝病変を有する患者において、ゾタロリムス溶出ステントを用いたFFRガイド下PCIとCABGの有効性と安全性を比較する医師主導型の無作為化試験であり、2014年8月~2019年11月に欧州、米国、カナダ、オーストラリア、アジアの48施設で参加者を募集した(MedtronicとAbbott Vascularの助成を受けた)。 年齢21歳以上、左冠動脈主幹部には臨床的に重大な狭窄がなく、冠動脈造影所見で3枝病変を認める患者を対象とし、心原性ショックや最近のST上昇型心筋梗塞、重度の左室機能障害(駆出率<30%)、CABGの既往歴がある患者は除外した。 主要エンドポイントは、ITT集団における死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合の5年間の発生率とした。なお、1年後の解析では、FFRガイド下PCIはCABGに対して、死亡、脳卒中、心筋梗塞、再血行再建術の複合アウトカムに関して、事前に規定された非劣性の閾値を満たさなかった。死亡、脳卒中には差がない 1,500例を登録し、PCI群に757例、CABG群に743例を割り付けた。全体の登録時の年齢中央値は66歳(四分位範囲:59~71)、1,235例(82%)が男性で、428例(29%)は糖尿病、587例(39%)は非ST上昇型急性心筋梗塞であった。PCI群の724例(96%)とCABG群の696例(94%)が5年間の追跡期間を完了した。 5年の時点での死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合の発生率は、PCI群が16%(119例)、CABG群は14%(101例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(ハザード比[HR]:1.16[95%信頼区間[CI]:0.89~1.52]、p=0.27)。 主要エンドポイントの個々の項目については、死亡(PCI群7%vs.CABG群7%、HR:0.99[95%CI:0.67~1.46])と脳卒中(2%vs.3%、0.65[0.33~1.28])の発生率には両群間に差はなかったが、心筋梗塞(8%vs.5%、1.57[1.04~2.36])、再血行再建術(16%vs.8%、2.02[1.46~2.79])の発生率はPCI群で高かった。安全性のエンドポイントはCABG群で発生率が高い 一方、安全性のエンドポイントである出血、急性腎障害、心房細動/重大な不整脈、再入院の1年後の発生率は、いずれもPCI群に比べCABG群で有意に高かった。 著者は、「これらのデータは、この分野における先行研究の結果とは明らかに異なっており、医師と患者のより効果的な共同意思決定(shared decision making)の促進に資する可能性がある」としている。

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PCI後DAPT例の維持療法、クロピドグレルvs.アスピリン/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に標準的な期間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を完了した、虚血性イベントの再発リスクが高い患者の維持療法において、アスピリン単剤療法と比較してクロピドグレル単剤療法は、3年時の主要有害心・脳血管イベント(MACCE)が少なく、なかでも心筋梗塞のリスクが有意に減少し、出血の発生率は両群で差がなく、上部消化管イベントのリスクはクロピドグレル群で低いことが、韓国・Sungkyunkwan University School of MedicineのKi Hong Choi氏らSMART-CHOICE 3 investigatorsが実施した「SMART-CHOICE 3試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2025年3月30日号で報告された。韓国の無作為化試験 SMART-CHOICE 3試験は、薬剤溶出ステントによるPCI後に標準的な期間のDAPTを完了した患者における、クロピドグレル単剤とアスピリン単剤の有効性と安全性の比較を目的とする非盲検無作為化試験であり、2020年8月~2023年7月に韓国の26施設で参加者の適格性を評価した(Dong-A STの助成を受けた)。 年齢19歳以上、PCI後に標準的な期間のDAPTを完了し、虚血性イベントの再発リスクが高い患者(心筋梗塞の既往歴がある、糖尿病で薬物療法を受けている、複雑な冠動脈病変を有する)を対象とした。被験者を、クロピドグレル(75mg、1日1回)またはアスピリン(100mg、1日1回)を経口投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、ITT集団におけるMACCE(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合)の累積発生率とした。MACCEの推定3年発生率:4.4%vs.6.6% 5,506例を登録し、クロピドグレル群に2,752例、アスピリン群に2,754例を割り付けた。全体の年齢中央値は65.0歳(四分位範囲[IQR]:58.0~73.0)、1,002例(18.2%)が女性であった。2,247例(40.8%)が糖尿病(2,089例[37.9%]が糖尿病の薬物療法を受けていた)で、2,552例(46.3%)が急性心筋梗塞(1,330例[24.2%]が非ST上昇型、1,222例[22.2%]がST上昇型)でPCIを受けていた。PCI施行から無作為化までの期間中央値は17.5ヵ月(IQR:12.6~36.1)だった。 追跡期間中央値2.3年の時点で、MACCEはアスピリン群で128例に発生し、Kaplan-Meier法による推定3年発生率は6.6%(95%信頼区間[CI]:5.4~7.8)であったのに対し、クロピドグレル群では92例、4.4%(3.4~5.4)と有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.71[95%CI:0.54~0.93]、p=0.013)。 MACCEの個々の項目(副次エンドポイント)の推定3年発生率は、全死因死亡がクロピドグレル群2.4%、アスピリン群4.0%(HR:0.71[95%CI:0.49~1.02])、心筋梗塞がそれぞれ1.0%および2.2%(0.54[0.33~0.90])、脳卒中が1.3%および1.3%(0.79[0.46~1.36])であった。大出血の発生率にも差はない 出血(BARC type 2、3または5)(クロピドグレル群3.0%vs.アスピリン群3.0%、HR:0.97[95%CI:0.67~1.42])、大出血(BARC type 3または5)(1.6%vs.1.3%、1.00[0.58~1.73])のリスクは両群で差はなかった。 上部消化管イベント(クロピドグレル群2.8%vs.アスピリン群4.9%、HR:0.65[0.47~0.90])および有害な臨床イベント(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、大出血の複合)(5.4%vs.7.3%、0.78[0.61~0.99])はクロピドグレル群で少なく、血行再建術(4.2%vs.4.5%、0.94[0.69~1.27])の頻度は両群で同程度だった。 著者は、「これらの患者において、クロピドグレル単剤療法は、出血を増加させずに全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合リスクの低下をもたらしたことから、長期維持療法としてアスピリン単剤療法に代わる好ましい選択肢と考えられる」としている。

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バターを植物油に置き換えると死亡リスク17%減

 バターがあれば何でもおいしくなる、というのは料理人の格言だが、バターは健康には良くないことが新たな研究で示された。バターの摂取量が多い人は少ない人に比べて早期死亡リスクが高いが、オリーブ油のような植物性の油を主に使っている人は早期死亡リスクが低いことが明らかになったという。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のYu Zhang氏らによるこの研究結果は、「JAMA Internal Medicine」に3月6日掲載されると同時に、米国心臓協会(AHA)の生活習慣科学セッション(EPI/Lifestyle Scientific Sessions 2025、3月6~9日、米ニューオーリンズ)でも発表された。 この研究は、医療従事者を対象とした3つの長期研究で30年以上にわたって追跡調査された、22万1,054人の参加者の食事や健康状態に関するデータに基づいたものだ。参加者の中に、研究参加時にがん、心血管疾患(CVD)、糖尿病、神経変性疾患を有する人はいなかった。これらの研究では、4年ごとに食事内容に関する調査が実施されていた。調査では、バターの総摂取量として、バターとマーガリンをブレンドしたもの、バタースプレッド、家庭でのパン作りや揚げ物、炒め物などの料理に使われるバターの摂取量も調査された。植物油の摂取量は、揚げ物や炒め物、ソテー、パン作り、サラダのドレッシングに使った量に基づき推定された。 33年間の追跡期間中に5万932人が死亡していた。死因は主に、がん(1万2,241人)とCVD(1万1,240人)だった。バターまたは植物油の摂取量に応じて、参加者をそれぞれ4群に分類して解析した結果、バターの摂取量が最も多い群では、最も少ない群と比べて死亡リスクが15%高いことが示された(ハザード比1.15、95%信頼区間1.08〜1.22、P for trend<0.001)。一方、植物油の摂取量が最も多い群では、最も少ない群と比べて死亡リスクが16%低かった(同0.84、0.79〜0.90、P for trend<0.001)。さらに、毎日少量のバターを植物油に置き換えるだけでも死亡リスクが低下することが示された。具体的には、1日当たり10gのバターを植物油に置き換えることで、全死亡およびがんによる死亡のリスクがそれぞれ17%低下することが明らかになった(全死亡:同0.83、0.79〜0.86、P<0.001、がんによる死亡:同0.83、0.76〜0.90、P<0.001)。 Zhang氏は、「驚いたのは、その関連の強さだ。毎日の食事でバターを植物油に置き換えることで全死亡リスクが17%低下するというのは、健康に対してかなり大きな影響だと言える」とAHAのニュースリリースの中で述べている。 また、ブリガム・アンド・ウイメンズ病院栄養学助教のDaniel Wang氏は、「バターを大豆油やオリーブ油に置き換えるというシンプルな食事内容の変更が、長期的に大きな健康効果をもたらす可能性がある。このことを人々は考慮した方が良いかもしれない」とニュースリリースの中で述べている。 Zhang氏らによる研究の背景情報によると、バターと植物油にはいくつかの種類の脂肪酸が含まれており、それぞれが体に異なる影響を与えるという。例えば、バターにはコレステロールの上昇や動脈硬化との関連が指摘されている飽和脂肪酸が多く含まれている。飽和脂肪酸は、炎症の亢進やホルモン活性の変化にも関連しており、がんのリスクを高める可能性がある。一方、植物油にはコレステロールを下げ、細胞や脳の健康を維持し、炎症を抑え、特定のビタミンの吸収を助ける不飽和脂肪酸が多く含まれている。 また、米アーカンソー医科大学疫学助教のYong-Moon Mark Park氏らが執筆した付随論評では、バター好きの人は日頃から他にも健康を損なうような食事を選択している可能性があると指摘されている。Park氏は、「バターは不健康な食習慣との関連が指摘されることが多い。一方、植物油は地中海食や植物性食品を中心とした食事など、より健康的な食習慣との関係が示されることが多い。こうした食事には、栄養価の高い食品と健康的な脂肪が豊富に含まれており、これらが相乗的に作用して慢性疾患と早期死亡のリスクを低下させる」と述べている。

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水中エアロビクスは減量とウエスト周囲径の減少に効果あり

 水中エアロビクス(有酸素運動)により、過体重や肥満の人の体重が2.7kg程度減り、ウエスト周囲径も2.75cm細くなったとする研究結果が報告された。論文の上席著者である国立釜慶大学校(韓国)のJongchul Park氏は、「10週間以上の水中エアロビクスによる介入により、試験参加者の体重とウエスト周囲径が大幅に減少した」と述べている。この研究の詳細は、「BMJ Open」に3月11日掲載された。 Park氏らは、論文データベースを用いて、過体重または肥満の人を対象に水中エアロビクスが人間の身体計測値(体重、ウエスト周囲径など)と体組成に与える影響を、他の介入や何もしない場合と比較したランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューを実施し、10件を選出(対象者の総計286人)。これらのRCTのデータを抽出した後、メタアナリシスを行い、過体重や肥満の人における水中エアロビクスの効果を評価した。 これらのRCTで対象者は、1セッション当たり1時間程度の、水中エアロビクス、水中ズンバ、水中ヨガ、水中ジョギングなどの水中運動を、週に2〜3回、6~12週間にわたって行っていた。研究グループは、水中エアロビクスは、水の浮力により陸上での運動中に起こり得る関節へのダメージが軽減されるため、特に過体重や肥満の人には有効だと述べている。 その結果、水中エアロビクス群では対照群と比べて、介入により体重が平均2.69kg減少し(加重平均差−2.69、95%信頼区間−4.10〜−1.27、P<0.05)、水中エアロビクスが減量に有効であることが示唆された。また、水中エアロビクス群では対照群に比べてウエスト周囲径も2.75cm減少していた。(同−2.75、−4.41〜−1.09、P<0.05)。一方、BMIなど他の指標に対する水中エアロビクスの効果は認められなかった。 ただし研究グループは、本研究対象者に男性が占める割合は非常に低かったため、水中エアロビクスにより男性も同様の効果を得られるのかを判断することはできないと述べている。それでも研究グループは、本研究の全体的なエビデンスは、「肥満関連の健康リスクの管理において重要な要素である体重と中心性肥満の改善に、水中エアロビクスが効果的な介入策となることを支持するものだ」と結論付けている。 研究グループは論文の結論部分において、「水中エアロビクスは過体重や肥満の人にとって重要な運動の一つであり、体組成と全体的な健康の改善に大きな効果をもたらす」と述べている。また、水中エアロビクスの潜在的な利点をより深く理解するためには、より多くの人を対象に研究を行うことが必要だとし、「水中エアロビクスの長期的な効果を調査し、その有効性を他の運動方法と比較することで、貴重な洞察が得られるだろう」と付言している。

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高感度CRP、心不全の悪化予測に有用か/日本循環器学会

 日本人の高齢化に伴い、国内での心血管疾患(CVD)の発生が増加傾向にある。このCVD発生には全身性の炎症マーカーである高感度C反応性蛋白(hsCRP)の上昇が関連しており、これが将来の心血管イベントの発症予測にも有用とされている。しかし、その関連性は主に西洋人集団で研究されており1)、日本人でのデータは乏しい状況にある。そこで今回、小室 一成氏(国際医療福祉大学 副学長/東京大学大学院医学系研究科 先端循環器医科学講座 特任教授)が日本人集団における全身性炎症と心血管リスクの関係を評価し、3月28~30日に開催された第89回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies1において発表した。 本研究は、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)および心不全(HF)患者における全身性炎症に関連する長期健康アウトカム、ならびに医療費や医療資源の利活用にも注目してその特徴などを調査した観察研究である。メディカル・データ・ビジョンのデータベースの約5,000万例2)を基に、2008~23年にASCVDまたはHFと診断された18歳以上で、ASCVDまたはHF患者と診断され、hsCRP測定が適格と判断された約360万例を解析。主要評価項目は主要心血管イベント(MACE)とHF複合累積罹患率であった。 主な結果は以下のとおり。・ASCVDを有する患者集団をコホート1(10万7,807例)、HFを有する患者集団をコホート2(7万1,291例)とし、各コホートの患者をhsCRPで3群(正常低値:0.1mg/dL未満、正常高値:0.1~0.2mg/dL未満、高値:0.2~1.0mg/dL)に分類した。 ・コホート1について、hsCRPの上昇と関連する因子を特定するためにステップワイズ法を用いたロジスティクス回帰分析を実施したところ、高値群の患者特性として、男性、高齢、認知症、2型糖尿病、CKDなどがみられた。 ・コホート2も同様に解析したところ、脳卒中の既往歴を有する患者割合がコホート1よりも少ない一方で、高血圧症は約75%超の患者でみられ、COPD、2型糖尿病、心房細動、認知症と続いた。 ・HF複合累積罹患率として5年発症リスクを各群で分析したところ、正常低値群は17.6人年、正常高値群は24.0人年(調整ハザード比[HR]:1.31、95%信頼区間[CI]:1.25~1.38、p<0.0001)、高値群は27.3人年(HR:1.37、95%CI:1.32~1.44、p<0.0001)だった。 ・HF複合累積罹患率から各群の入院や全死亡を見ると、hsCRPが高くなるほどいずれも発生率が上昇した。 最後に小室氏は「本結果より、日本人のCVD患者の35%以上がhsCRP高値であった。とくに男性、高齢者、およびCKD、COPD、2型糖尿病、認知症などの特定の併存疾患が、両コホートにおいてhsCRP高値と関連していた。また、MACEやHF複合累積罹患率に影響することが明らかになったことから、炎症がASCVDだけでなくHFの悪化にも寄与する可能性が示唆された。この状態あるいは疾患における炎症関連の有害事象が、何らかの共通メカニズムを介しているのか、それともいくつかの異なるメカニズムによって引き起こされているのかは、今後の検討課題である」と締めくくった。(ケアネット 土井 舞子)そのほかのJCS2025記事はこちら

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子供も食事の早食いは肥満に関係する/大阪大

 「早食い」は太る原因といわれている。この食べる早さと肥満の相関は、子供にも当てはまるのだろうか。この課題に対し、大阪大学有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座の高阪 貴之氏らの研究グループは、わが国の小学生1,403人の咀嚼能力および咀嚼習慣と肥満との関連を検討した。その結果、早食いや咀嚼能力の低下は、男子で肥満と関連していた。この結果は、Journal of Dentistry誌2025年3月8日号のオンライン版に掲載された。男子は早食い、満腹、噛む力が肥満に関係 研究グループは、大阪市の9~10歳の児童1,403人を対象に、咀嚼習慣を質問紙で評価し、咀嚼能力は色変化するチューインガムを用いて測定した。肥満は、身長と体重に基づく過体重の割合で判定し、多変量ロジスティック回帰分析を行い、咀嚼習慣と咀嚼能力を説明変数とし、性別、DMFT指数、ヘルマン歯発育段階を調整した肥満のオッズ比を算出した。 主な結果は以下のとおり。・ロジスティック回帰分析では、すべての参加者において、肥満と性別(オッズ比[OR]=1.54、95%信頼区間[CI]:1.08~2.17 )、早食い(OR=1.73、95%CI:1.23~2.44 )、咀嚼能力低下(OR=1.50、95%CI:1.05~2.15)との間にそれぞれ有意な関連が認められた。・男子では、早食い(OR=1.84、95%CI:1.16~2.92)、満腹(OR=1.59、95%CI:1.03~2.46)、咀嚼能力の低下(OR=1.63、95%CI:1.02~2.59)が肥満とそれぞれ有意に関連していた。・女子では、有意に関連する変数はなかった。早食いと咀嚼能力の低下を組み合わせると、肥満と有意に関連し、両方の行動を示す男子で最も強いオッズ比が観察された(OR=3.00、 95%CI:1.49~6.07)。 この結果から研究グループは、「9~10歳の児童において、早食い、口一杯の食事、および咀嚼能力の低下は、とくに男子で肥満と関連していた。さらに、肥満との関連は、早食いと咀嚼能力の低下を組み合わせた場合に高かった」と結論付けている。

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