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認知症リスクに対するPTSDの影響~メタ解析

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、認知症発症の潜在的なリスク因子といわれている。しかし、このリスクを定量化するためのメタ解析はこれまで実施されていなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMia Maria Gunak氏らは、一般集団におけるPTSDに関連する将来の認知症リスクを定量化するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2020年9月15日号の報告。 2019年10月25日までのPTSDと認知症リスクを評価した縦断的研究を、9つの電子データベースより検索した。研究全体の推定値をプールし、ランダム効果と固定効果モデルのメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・PTSDは、すべての原因による認知症リスクと有意に関連していることが認められた(プールされたハザード比[HR]:1.61、95%CI:1.43~1.81、I2=85.8%、p<0.001、169万3,678例、8研究)。・プールされたHRは、退役軍人で1.61(95%CI:1.46~1.78、I2=80.9%、p<0.001、90万5,896例、5研究)、一般集団で2.11(95%CI:1.03~4.33、I2=91.2%、p<0.001、78万7,782例、3研究)であった。・バイアスリスクが高い研究を除外してもなお、PTSDと認知症との間には有意な関連が認められた(HR:1.55、95%CI:1.39~1.73、I2=83.9%、p<0.001、168万4,928例、7研究)。・ほとんどの研究がレトロスペクティブに実施されており、エビデンスの不均一性は高かった。 著者らは「本研究は、PTSDと認知症リスクの関連を定量化した初めての研究である。PTSDは、すべての原因による認知症の強力かつ潜在的に修正可能なリスク因子であることが示唆された。今後は、潜在的なメカニズムやPTSD治療による認知症予防効果を調査するための研究が求められる」としている。

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1日1回投与の長時間作用型COMT阻害薬「オンジェンティス錠25mg」【下平博士のDIノート】第59回

1日1回投与の長時間作用型COMT阻害薬「オンジェンティス錠25mg」今回は、末梢COMT阻害薬「オピカポン錠(商品名:オンジェンティス錠25mg、製造販売元:小野薬品工業)」を紹介します。本剤は、血漿中レボドパの脳内移行を効率化することで、パーキンソン病の日内変動を改善してOFF時間を短縮することが期待されています。<効能・効果>本剤は、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)改善の適応で、2020年6月29日に承認され、2020年8月26日より発売されています。なお、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩による治療において、十分な効果の得られない患者に限り使用することができます。<用法・用量>通常、成人にはオピカポンとして25mgを1日1回、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後および食事の前後1時間以上空けて経口投与します。<安全性>国内第II相試験の安全性評価対象428例中、215例(50.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、ジスキネジア74例(17.3%)、便秘24例(5.6%)、幻覚19例(4.4%)、起立性低血圧18例(4.2%)、体重減少16例(3.7%)、悪心15例(3.5%)、幻視12例(2.8%)、口渇、傾眠各9例(2.1%)でした(承認時)。なお、重大な副作用として、ジスキネジア(17.3%)、幻覚(4.4%)、幻視(2.8%)、幻聴(0.7%)、せん妄(0.5%)、傾眠(2.1%)、前兆のない突発的睡眠(1.2%)があります。<患者さんへの指導例>1.この薬は、レボドパを分解する酵素の働きを抑えることで、脳内で不足しているドパミンを増やし、レボドパ製剤の効果が低下するOFF時間を短くします。2.食事やレボドパ製剤服用の前後1時間を避けて、毎日同じ時間帯に服用する必要があります。服用タイミングが難しい場合はご相談ください。3.体が勝手に動く、耐え難い眠気が突然現れる、ギャンブルや買い物、暴食などの衝動が抑えられない、実際にはないものがあるように感じる、便秘症状が強いなど、気になる症状がある場合はご連絡ください。4.眠気、立ちくらみ、めまいなどが現れることがあるので、自動車の運転、高所での作業など、危険を伴う作業は行わないでください。また、起立性低血圧などを引き起こす可能性があるので、転倒に伴うけがには十分に注意して生活してください。<Shimo's eyes>パーキンソン病の薬物療法では、病状の進行に伴ってレボドパ製剤の作用持続時間が短縮し、症状の日内変動(wearing-off現象)が発現することがあります。そのような場合には、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬などのドパミン附随薬の併用が検討されます。本剤は、エンタカポン(商品名:コムタンほか)に続く2番目のCOMT阻害薬です。エンタカポンは、レボドパ製剤と同時に1日数回服用する必要がありますが、本剤は長時間作用型であるため1日1回投与となっています。本剤は血液脳関門(BBB)を通過せず、末梢でのレボドパ分解を抑制して脳内へのレボドパ移行率を高める薬剤です。レボドパ・カルビドパ(同:ネオドパストン、メネシットほか)または、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩(同:マドパー、イーシー・ドパールほか)と併用して用いることで効果を発揮します。副作用では、レボドパのドパミン作動性により引き起こされるジスキネジア、幻覚、悪心、嘔吐、起立性低血圧などに注意が必要です。相互作用については、本剤はカテコール基を持つ薬物全般の代謝を阻害するため、COMTにより代謝される薬剤(アドレナリン、ノルアドレナリン、dl-イソプレナリンなど)だけでなく、MAO-B阻害薬(セレギリンなど)、三環系・四環系抗うつ薬、ノルアドレナリン取込み阻害作用あるいは放出促進作用を有する薬剤(SNRI、NaSSAなど)との併用によっても、作用が増強して血圧上昇などを引き起こす恐れがあります。また、本剤は消化管内で鉄とキレートを形成する可能性があり、本剤と鉄剤それぞれの効果が減弱する恐れがあるため、鉄剤とは少なくとも2~3時間以上空けて服用する必要があります。本剤は、1日1回1錠の投与で良好なアドヒアランスが期待できますが、毎日一定の時間帯に服用する必要があり、最適な服用タイミングは患者さんの生活リズムによって変わります。できる限り少ない負担で続けられる時間帯を確認するなど、適切なフォローを心掛けましょう。参考1)PMDA 添付文書 オンジェンティス錠25mg

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外来は患者1人につき30分以上でも大忙し!その訳は…【臨床留学通信 from NY】第12回

第12回:外来は患者1人につき30分以上でも大忙し!その訳は…2018年7月からの1年間、私は米国研修医としてフレッシュマンの一員となり、内科レジデントだったものの、特別にインターンと呼ばれ、2年目ないし3年目の下に配属されました。これが日本語だったら問題ないのですが、英語なのでひと際苦労しました。薬1つとってみても、名前が違う上に量も異なります。保険や医療の仕組みも日本と大きく異なるので、当初はかなり苦労しました。勤務シフトは、主に2週間ごとのローテーションで、52週のうち2週×2回のまとまったバケーションをもらえるのは米国の働き方の良い点です。 慣れるまでが一苦労!米国特有の勤務ローテーションとカルテ書き病棟はチーム制で、1人のアテンディング(指導医)、レジデント(2~3年目、1人)、インターン(2~3人)で構成されます。1日の流れは、朝6時ごろに病院に出勤し、5~10人程度を診察。7時ごろにレジデントが出勤してきた段階で異常があれば、それをディスカッションします。そして、8時半ごろアテンディングがやって来て、計20人弱の患者の状態をディスカッションし(そのためにプレゼン準備が必要)、時にはベッドサイドに赴き皆で診察します(昨今のCOVIDの影響で、ベッドサイドはかなり減りました)。内科的疾患の中でコンサルタントが必要であれば、その必要性についても検討し、感染症内科、腎臓内科、循環器内科、消化器内科、神経内科や外科系の科にコンサルトします(日本と違いホスピタリストと呼ばれる総合内科医がPrimaryで患者の診療を行い、必要に応じて専門医にコンサルタントする仕組みです)。例えば、循環器内科医はCCUの患者以外は主だって診ることがなく、総合内科医側で診療、判断ができる心不全、NSTEMIなどは、コンサルトなく治療し、退院させます。米国において大変なのが、カルテの作成です。診療費用は、カルテを基に算出されるためしっかり書かなければならず、米国のレジデントは、PCに向かう時間が長いことが問題視されています。しかも、ここニューヨークは患者層も多種多様な人種のるつぼです。とくにダウンタウンは、ヒスパニック系や中国系の患者さんが多く、通訳を介して診療することもあります。また、病棟とは別にICUローテーションもあるのですが、朝5時ごろに病院に行き、複雑な背景を持つ患者についてプレゼンするための準備が必要であり、かなり大変でした。ただ、それが週7日間ではなく、レジデントの場合は週80時間の上限が設けられており、トータルでは日本の研修医より労働時間が少ないと思います。私が勤務するMount Sinai Beth Israelは、経営を合理化するためのダウンサイジングを進めており、腫瘍疾患を診る診療科などがありません。そのため、私は同じマンハッタンにあってMount Sinai系列の大学病院であるMount Sinai Hospitalで血液腫瘍系のローテーションも経験しました。また、選択ローテーションの際に、臨床研究のため同院に出入りすることもできます。関連病院は経営母体も同じであり、レジデントが柔軟に行き来できるのも、米国の特長のひとつかもしれません。外来ローテーションは、病棟やICUとは異って、いわゆる「9時5時勤務」であり、インターンにとっては体力回復できるありがたい期間です。アテンディングの指導の下ですが、プライマリケア外来で主体的に患者を診る仕組みで、そこは日本と異なる点かと思います。外来も患者1人につき30~40分の枠が取られていますが、その中で複雑な背景について問診で聴き、カルテ記入、さまざまなドキュメントの作成業務があり、実際それくらい、もしくはそれ以上かかってしまうので、そこは米国の医療現場の問題点かもしれません。もっとも大変なローテーションはNight Floatです。夜8時から朝8時まで週6日間働くという鬼のようなシフトで、昼夜逆転といっても、実際昼間はあまりよく眠れない上、夜もなかなか集中しづらい状況です。ただし、ほぼ1人のレジデントが24時間働かなくて済むよう調整・管理は厳格に行われており、36時間労働が多い日本とはかなり違うと言えるでしょう。こうした米国での働き方は、膨大な医者の数かつ高い医療費によって支えられているのだと日々実感しています。ColumnCOVID-19の影響は、当然ながら循環器領域だけに限りません。COVID−19における研究を多岐にわたり推し進めていますが、オリジナルデータによるコホート研究と論文化されたデータをまとめるSystematic review and/or meta-analysisを主にやっています。特にSystematic review and/or meta-analysisの手法は渡米してから学んだもので (といっても、日本の静岡医療センターにおられる高木 寿人先生にご指導いただいています1))、その手法を循環器領域だけでなく、他科領域でも活用し、COVID-19の全体像を世の中に提示できるよう日々勉強中です2-4)。1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=hisato+takagi+kuno+toshiki&sort=date&size=1002)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=toshiki+kuno+covid&sort=date3)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32725955/4)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32797198/

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論文執筆した若手医師には超特急対応で応援だ!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第28回

第28回 論文執筆した若手医師には超特急対応で応援だ!初めて何とか英語で書いた論文原稿を、指導してくださる先輩医師に手渡した時の緊張感は今も忘れられません。論文といっても症例報告です。興味深い経過をとった担当例があり、生意気にも症例報告したいと志願したのです。先輩医師もサポートを快諾してくれました。1日に1行書くことを自らへの課題として執筆しました。英語を書くのは大変な苦労を伴います。「なるべく早く目を通しておくから」そう言って受け取ってくれました。その10分後に廊下で出会ったときには、もう修正を完了した原稿が返ってくるのではないかとドキドキしている自分がいました。その翌日の朝です。「少し手直ししておいたからね」「ありがとうございます」見事に赤ペンが入り、ことごとく修正されています。自分の書いた英語らしきものは、英語に変身していました。論旨も明確になり、何より半分近くに短くなっています。疑問点やコメントも記されています。何と、24時間もかからずに返ってきたのです。そんな短時間で完了する修正作業でないことは明白です。昨夜は遅くまで、もしかすると徹夜で読みこんで修正してくださったのかもしれません。ありがたいことです。自分もこのスピード感に応える以外にありません。翌朝には、再修正版の原稿を手渡しました。何度かのやりとりの後に、完成版ができあがり投稿です。メールが普及する前の時代ですから、国際郵便での「submission:投稿」です。ちゃんと届くいてれよ! 待つこと1ヵ月半、「revise:修正」の返事でした。この返事が届くまでの時間は、無限にも感じられました。「reject:却下」でないだけでも感謝すべき祝報なのですが、当時の自分は生意気にも、修正すべきという編集部からの返答に憤っていました。若さゆえと恥ずかしく思い起こされます。ここからの修正作業にも先輩の力添えをいただき、見事に「accept:採択」され、「publication:出版」されました。紙媒体として届いた英文の別刷を見た時の感激は言いようのないものでした。「Author:著者」としてローマ字で書かれた自分の名前が輝いているようでした。人生の紆余曲折を経て、不思議なことに若手医師から論文原稿を手渡される立場になりました。手渡しではなくメールですが、その若手の心情は痛いほど伝わってきます。自分が受けた先輩からの御恩を、次世代の医師に返さなければなりません。最優先事項として手直し作業に着手します。24時間以内は無理でも、数日内には修正したものを返却したいところです。とくに初めての英語論文の執筆者には、超特急のレスポンスが肝要です。ここで待たせるようでは、育つべき人材も芽が出ません。待たせていけません。人間は期待して待つときには時間を長く感じます。英文の医学雑誌に投稿しようとすると、要項には「impact factor」だけでなく、必ず「submission to first decision」つまり、投稿から最初の掲載可否の判断までの平均の日数が記載されています。投稿してから返事が来るまでの時間は長く感じるのです。待つことが苦手なのは洋の東西を問わないようです。世界中の医学雑誌の中でも頂点に位置するNEJM誌は、「reject:却下」の場合には1週間以内で返答があります。たとえダメでも短時間で決着するのならば挑戦してみようと、良い投稿が集中する仕組みです。膨大な投稿量の論文を読みこむ編集部の医学的な判断力は賞賛に値します。誰でも待たされることにはイライラします。病院を受診する際にイライラしながら待っている人は大勢います。部下からの報告を待ってイライラしている人もいます。論文、それも英語論文を執筆しようという者には、イライラ感を持つことが無いように応援してあげたいものです。イライラせずに待つことができる素晴らしい生き物が猫様です。いつも慌てず泰然自若としています。野生時代の猫は獲物を確実に捕まえられるように、機会をうかがってじっと待っていたそうです。飼い猫は、飼い主を待っていれば期待に応えてくれることを知っています。遊んでほしい、甘えたい、キャットフードが欲しい、いろいろの期待で一杯です。上目遣いにいじらしい姿で待つ猫には、つい優しくしてしまいます。では、猫に邪魔される前に、若手の英語論文の修正作業に取り掛かることにします。

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日本における若年性認知症の有病率とサブタイプ

 若年性認知症患者の生活には、その年代に合った社会的支援が求められる。最新情報を入手し、適切なサービスを提供するためには、疫学調査が必要である。東京都健康長寿医療センター研究所の粟田 主一氏らは、若年性認知症の有病率、サブタイプの内訳、患者が頻繁に利用するサービスを明らかにするため、調査を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2020年8月19日号の報告。 本研究は、マルチサイト人口ベース2ステップ研究として実施された。全国12地域(北海道、秋田県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、東京都、新潟県、山梨県、愛知県、大阪府、愛媛県[対象となる人口:1,163万322人])の医療機関、介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所、相談機関などを対象にアンケートを実施した。ステップ1として、過去12ヵ月間で若年性認知症患者がサービス求めたかまたは滞在したかを調査した。ステップ1で「はい」と回答した施設に追加のアンケートの協力を求め、若年性認知症患者へ質問票を配布し、認知症サブタイプなどのより詳細な情報を収集した。 主な結果は以下のとおり。・ステップ1では、1万6,848施設(63.8%)より有効な回答が得られ、若年性認知症患者4,077例が特定された。・ステップ2では、施設から1,614例(39.6%)、患者から530例(13.0%)の詳細な情報が得られた。・日本における若年性認知症の有病率は、人口10万人当たり50.9人(95%信頼区間:43.9~57.9、年齢範囲:18~64歳)と推定された。・2018年時点での日本における若年性認知症の患者数は、3万5,700人と推定された。・認知症サブタイプの内訳は、以下のとおりであった。 ●アルツハイマー型認知症:52.6% ●血管性認知症:17.1% ●前頭側頭型認知症:9.4% ●頭部外傷による認知症:4.2% ●レビー小体型認知症・パーキンソン病による認知症:4.1% ●アルコール関連障害による認知症:2.8%・若年性認知症は、認知症疾患医療センターで最も頻繁に診断されていた。 著者らは「本研究で推定された若年性認知症の有病率は、以前の研究結果と同等であった。しかし、認知症サブタイプの内訳は異なっており、アルツハイマー型認知症が最も多い結果となった。認知症疾患医療センターは、若年性認知症患者に質の高い診断と診断後のサポートを提供することにより、主要な特別医療サービスとして機能し続けることが期待される」としている。

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ALS、フェニル酪酸ナトリウム+taurursodiolが機能低下を遅延/NEJM

 筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者へのフェニル酪酸ナトリウム+taurursodiol投与は、24週間の機能低下をプラセボよりも遅らせる可能性があることが、米国・ハーバード大学医学大学院のSabrina Paganoni氏らによる、ALS患者137例を対象とした多施設共同無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、示された。フェニル酪酸ナトリウムおよびtaurursodiol投与は、実験モデルでは神経細胞死を抑制することが示されていたが、ALS患者に対する2剤併用の有効性と安全性は明らかになっていなかった。今回の試験では、副次アウトカムについて2群間で有意差は認められず、結果を踏まえて著者は、「有効性と安全性を評価するには、より長期かつ大規模な試験を行う必要がある」と述べている。NEJM誌2020年9月3日号掲載の報告。 24週間のALSFRS-Rスコア低下率を比較 研究グループは2017年6月~2019年9月にかけて、米国25ヵ所の医療機関を通じ、ALSの確定診断を受けた発症後18ヵ月以内の患者を登録して試験を行った。 被験者を無作為に2対1の割合で無作為に割り付け、一方にはフェニル酪酸ナトリウム-taurursodiolを投与(フェニル酪酸ナトリウム3g+taurursodiol 1gを1日1回3週間、その後は1日2回)、もう一方の群にはプラセボを投与した。 主要アウトカムは、24週間の「筋萎縮性側索硬化症機能評価スケール改訂版」(ALSFRS-R、0~48点でスコアが高いほど機能良好)の合計スコアの低下率だった。 副次アウトカムは、等尺性筋力・血漿中リン酸化軸索ニューロフィラメントHサブユニット濃度・静的肺活量それぞれの低下率と、死亡・気管切開・永続的人工呼吸器の使用までの期間、死亡・気管切開・永続的人工呼吸器の使用・入院までの期間だった。スコア低下幅、プラセボ群-1.66点/月に対し実薬群-1.24点/月 ALS患者177例について試験適格スクリーニングを行い、137例をフェニル酪酸ナトリウム-taurursodiol群(89例)またはプラセボ群(48例)に無作為に割り付けた。 修正intention-to-treat解析の結果、ALSFRS-Rスコアの平均変化率は、プラセボ群-1.66点/月に対し、実薬群-1.24点/月だった(群間差:0.42点/月、95%信頼区間:0.03~0.81、p=0.03)。 副次アウトカムについては、2群間で有意差は認められなかった。実薬による有害事象は、主に消化器系に関連したものだった。

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アイスクリーム頭痛は2種類ある?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第170回

アイスクリーム頭痛は2種類ある?pixabayより使用さて、まだまだ冷たいものが欲しくなる暑さが続いています。かき氷を食べたときにキーンと頭が痛くなる、あの現象。あれは国際的には「アイスクリーム頭痛(ice-cream headache)」と呼びます。私は、幸いにもどれだけかき氷を食べても頭痛が起きない体質なのですが、1杯食べただけでキーン!という人もいるようで、個人差がかなりありそう。そんなアイスクリーム頭痛、実は2つのフェノタイプがあるのではないかと考えられています。Mages S, et al.Experimental provocation of ‘ice-cream headache’ by ice cubes and ice waterCephalalgia . 2017 Apr;37(5):464-469.この研究は、角氷(ice cube)と氷水(ice water)を飲み食いしてもらって、アイスクリーム頭痛がどのくらい出るか、77人の被験者でクロスオーバーし比較検討したものです。角氷はバリボリ食べるのではなく、硬口蓋に押し付けるよう規定されました(接触時間90秒)。また、氷水は、できるだけ速やかに200mL飲み干すよう規定されました。かき氷で出やすいというくらいなのだから、角氷のほうが頭痛の頻度が高そうに思います。しかし、結果はその逆でした。なんと、氷水のほうが角氷よりも頭痛の出現が多かったのです(77人中9人 vs. 77人中39人)。角氷が11.7%、氷水が50.6%ですから、圧倒的。そして、氷水によるアイスクリーム頭痛は、潜時が短いということがわかりました(中央値:15秒[範囲:4~97秒] vs. 68秒[範囲:27~96秒])。疼痛の部位について差はありませんでした。こめかみや、前頭部のような緊張型頭痛で痛くなる部位に多かったようです。どちらも同じ痛みだろうと予想していたら、角氷による頭痛は圧迫されるような痛み、氷水による頭痛は刺すような痛みだったとのことです。どうでしょう、みなさんも自宅で試してみてください。もしかすると、アイスクリーム頭痛には2つのフェノタイプがあるのかもしれませんね。流涙を伴うような頭痛の場合、三叉神経由来と本文中に考察されていますが、さすがにかき氷を食べただけでそこまでの頭痛になることは多くないと思います。圧迫されるようなアイスクリーム頭痛を1型、刺すようなアイスクリーム頭痛を2型、などの名前で呼んでもいいかもしれませんね。キャッキャッ。

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第22回 めまい part2:頭部CT撮ればいいんでしょ? 【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)CT、MRI陰性でも中枢性めまいは否定できない!2)年齢などのリスクの有無よりも、Hi-Phy-Viを意識し、鑑別を!3)歩くことができなければ要注意!【症例】68歳女性。来院当日の起床時からめまいを自覚した。しばらく横になり、その後トイレにいこうと歩き始めたところ、再度症状が出現し、嘔気・嘔吐も伴い救急車を要請した。病院到着時、嘔気の訴えはあるがめまい症状は消失していた。しかし、病院のストレッチャーへ移動すると再びめまいが。。。●受診時のバイタルサイン意識清明血圧158/85mmHg脈拍95回/分(整)呼吸18回/分SpO298%(RA)体温36.1℃瞳孔開眼困難で評価できず既往歴高血圧、脂質異常症、虫垂炎危険なめまいを見逃す5つの理由めまい診療が苦手な方は多いですよね。前回第21回お話しした通り、最も頻度の高い良性発作性頭位めまい症(BPPV)について自信を持って診断できるようになると、だいぶマネジメントし易くなりますから、特徴は頭に入れておいてください。今回は、誰もが陥りやすい点から、めまいの具体的なアプローチを整理しておきましょう。めまい診療を難しく、そしてエラーしがちになる5つの理由を表にまとめました1)。表 誤診の5つの理由 -判断を誤るのには理由がある-画像を拡大する(1)症状の質を過度に依存してしまうこれは前回お話ししましたね。回転性、浮動性という患者さんの訴えは当てになりません。また、つらい患者さんに対して、「グルグル回るようなめまいですか? それともフワフワする感じですか?」と問診しても正確な答えはそもそも返ってきません。参考にはなりますが、絶対的なものではないことを改めて理解しておきましょう。(2)時間や誘発因子の未活用BPPVの最大の特徴はなんでしたか? 持続時間でしたね。安静の状態で1分以内におさまるめまい、それがBPPVの最大の特徴です。1回1回のめまいの持続時間を確認するのでしたね。誘発因子では、寝返りで症状が引き起こされる場合には「BPPV」、起き上がると症状を認めるのが「起立性低血圧」です。姿勢によらずめまいが持続している場合には、急性前庭症候群(Acute vestivular syndrome:AVS)を考え、前庭神経炎や脳梗塞を考えます。それ以外にも考えることがありますが、まずはこの大枠を頭に入れておくことをお勧めします。(3)身体診察に精通していない急性前庭症候群を前庭神経炎か脳梗塞かを見極めるためには、CT、MRIも重要ですが後述の(5)の理由から絶対的な指標とはなり得ません。重要なこと、それが身体診察ということになります。主に、“head impulse”、“nystagmus”、“test of skew”の3項目を評価し見極めます。詳細はここでは述べませんが、眼振はまずは典型的な眼振を頭に入れてしまいましょう。ただ、例外はいくらでもありますので、後半規管型/水平半規管型BPPV、前庭神経炎の際の眼振を繰り返し動画サイトなどで確認し、目に焼き付けてください。実際の臨床現場では可能な限りフレンツェル眼鏡を使用しましょう。(4)年齢や血管危険因子などのリスクを過大評価救急外来で研修医と診療にあたっていると、よく聞く台詞が「高齢者なので中枢性が否定できないと思うのでCTを撮影します」というのがあります。しかし、頻度の高いBPPVは、高齢者であってもめまいの原因として多いのです。年齢のみを理由に頭部CTをオーダーしてはいけませんよ。(5)CT・MRIへの依存、評価の見誤り小脳出血など出血性病変であれば、頭部CTで白黒つけることはほぼできますが、脳梗塞、特に急性期脳梗塞はCTでは判断できず、MRIを撮影しても必ずしも異常を指摘できません。発症1〜2日以内の後方循環系の脳梗塞のMRIでは10~20%見逃してしまうのです2-4)。実践的アプローチ5)これらを意識して、実際のアプローチは図の通りとなります。前回のアプローチで鑑別すべき疾患を頭に入れながらこのアプローチをみると、より実践的な対応ができると思います。そもそも安静時にめまいが持続している場合には、頻度の高いBPPVの可能性がぐっと下がり、逆に持続時間からBPPVらしければ、年齢や基礎疾患に依らず積極的にBPPVを疑い対応するのです。片頭痛性めまいなど診断に苦渋する場合もありますが、対応が変わるわけではありませんので、目の前の患者さんに対して何をするべきかは判断できるようになるでしょう。図 急性めまい患者へのアプローチ画像を拡大する歩けなかったら要注意最後に、末梢性めまいと判断し帰宅可能とする場合には、普段と同様のADLであることを確認する必要があります。普段歩行可能な方であれば、実際に歩けるか否かを必ず確認しましょう。ストレッチャー上でめまいが消失したからといって安心してはいけません。  体幹失調の有無をきちんと評価し、問題ないことを確認しなければ、小脳梗塞を見逃します。1)Kerber KA,et al. Neurol Clin. 2015;33:565-575.2)Choi JH, et al. Neurol Clin Pract. 2014;4:410-418.3)Kattah JC, et al. Stroke. 2009;40:3504-3510.4)Saber Tehrani AS, et al. Neurology. 2014;83:169-173.5)Jonathan A, et al. J Emerg Med. 2018;54:469-483.

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レビー小体型認知症とパーキンソン病認知症を鑑別する臨床病理学的特徴

 レビー小体型認知症(DLB)とパーキンソン病認知症(PDD)は、臨床的および神経病理学的な特徴が重複している疾患であり、神経病理にはともに、DLBとアルツハイマー型認知症(AD)の病理学的特徴が含まれている。また、脳アミロイド血管症(CAA)はADでよくみられる所見であり、認知症との関連が知られている。英国・UCL Queen Square Institute of NeurologyのD. Hansen氏らは、DLBとPDDの臨床的および神経病理学的な違いについて調査を行った。Neuropathology and Applied Neurobiology誌オンライン版2020年7月27日号の報告。 Queen Square Brain Bank for Neurological disordersより得たPDD 50例、DLB 16例を分析した。運動および認知機能の包括的な臨床データは、医療記録より抽出した。神経病理学的評価には、CAA、DLB、ADの病理学的検査を含めた。 主な結果は以下のとおり。・CAAは、PDDよりもDLBで認められた(p=0.003)。・DLB は、PDDよりもCAAの重症度が高く(p=0.009)、頭頂葉(p=0.043)および後頭葉(p=0.008)のCAAスコアが有意に高かった。・最も高いCAAスコアは、APOEε4/4およびε2/4で観察された。・生存分布では、DLBはPDDよりも各臨床段階への進行が早く、予後が不良であった。・DLBにおけるジスキネジアの欠如は、レボドパの生涯累積用量がPDDと比較して有意に少ないことと関連していた。 著者らは「DLBとPDDは、顕著なCAA病理および各臨床段階への急速な進行により鑑別できる可能性があることが示唆された」としている。

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コクラン共同計画のロゴマークからメタ解析を学ぶ【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第27回

第27回 コクラン共同計画のロゴマークからメタ解析を学ぶこの原稿を執筆している2020年7月末には、新型コロナウイルスへの感染者数が再び増加しています。パンデミック収束の気配はありません。数多くの、抗ウイルス薬やワクチンの開発の報道はありますが、決定的な方策はない状況です。どの薬剤にも、有効という臨床試験の結果もあれば、無効という結果もあるからです。同じ臨床上の課題について、それぞれの試験によって結果が異なることは、医学の世界では珍しいことではありません。このような場合に有効な方法がメタ解析です。メタ解析は、複数のランダム化比較試験の結果を統合し分析することです。メタ解析の「メタ」を辞書的にいえば、他の語の上に付いて「超」・「高次」の意味を表す接頭語で、『より高いレベルの~』という意味を示すそうです。メタ解析の結果は、EBMにおいて最も質の高い根拠とされます。ランダム化比較試験を中心として、臨床試験をくまなく収集・評価し、メタ解析を用いて分析することを、システマティック・レビューといいます。このシステマティック・レビューを組織的に遂行し、データを提供してくれるのが、コクラン共同計画です。英語のまま「コクラン・コラボレーション」(Cochrane Collaboration)と呼ばれることも多いです。本部は、英国のオックスフォード大学にあり、日本を含む世界中100ヵ国以上にコクランセンターが設立されています。システマティック・レビューを行い、その結果を、医療関係者や医療政策決定者、さらには消費者である患者に届け、合理的な意思決定に役立てることを目的としている組織です。フォレスト・プロット図をデザイン化した、コクラン共同計画のロゴマークをご存じでしょうか。早産になりそうな妊婦にステロイド薬を投与することによって、新生児の呼吸不全死亡への予防効果を検討した、メタ解析の結果が示されています。数千人の未熟児の救命につながったと推定される、システマティック・レビューの成功例なのです。この図を、Cochrane Collaborationの2つの「C」で囲んだデザインが、コクラン共同計画のロゴです。フォレスト・プロットの図から、メタ解析の結果を視覚的に理解することができます。横線がいくつか並んでいますが、これは、過去の複数のランダム化比較試験の結果を上から順に記載したものです。1本の縦線で左右に区切られており、この線の左側は介入群が優れていることを意味します。すべての研究を統合した結果が一番下の「ひし形」に示されます。ロゴの図をみると、7つの臨床研究の結果を統合し、ひし形が縦線の左にあることから、ステロイド薬使用という介入が有効であるという結果が読み取れます。縦線が樹木の幹で、各々の研究をプロットした横線が枝葉で、全体として1本の樹木のようにみえることからフォレスト・プロットと呼ばれるのです。個々の試験では、サンプルサイズが小さく結論付けられない場合に、複数の試験の結果を統合することにより、検出力を高めエビデンスとしての信頼度を高めるのがメタ解析です。症例数が多いほど、結論に説得力があるのです。数は力なのです。多ければ良いというものではない場合もあります。それは、猫の数です。面倒みることができないほど多くの猫の数になる、いわゆる多頭飼育崩壊です。メタ解析ではなく、「メチャ飼い過ぎ」でしょうか、苦しいダジャレです。仲良く猫たちが、じゃれ合う姿は可愛らしいものですが、何事にも程合いがあります。小生は、ただ1匹の猫さまに愛情を集中しています。ここでわが家の愛猫が、原稿を執筆しているパソコンのキーボードの上に横たわりました。自分が猫のことを考えているのが伝わったのか、邪魔をしようという魂胆のようです。ウーン可愛い過ぎる! 原稿執筆終了です。

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レビー小体型認知症が疑われる患者の初期症状と診断時の特徴

 レビー小体型認知症(DLB)は、さまざまな初期症状がみられるが、多くのDLBの症例に焦点を当てた報告は、これまでほとんどなかった。北海道・砂川市立病院の内海 久美子氏らは、診断時にDLBおよびDLB関連症状が認められた患者234例を対象に、初期症状をレトロスペクティブに評価し、症状プロファイルの性差について検討を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2020年8月2日号の報告。 対象は、2017年に改訂されたDLBの臨床診断に関するコンセンサス基準を満たした、DLBの可能性の高い患者234例。DLBは、ドパミントランスポーターシンチグラフィと123 I-MIBG心筋シンチグラフィで確認した。脳灌流は、SPECTを用いて測定した。これらに加えて、中心および補助的な臨床的特徴を考慮した。 主な結果は以下のとおり。・初期症状には、認知機能障害(41.9%)、幻視、幻聴、妄想、うつ症状などの精神症状(42.3%)が認められた。・女性では、ほぼ半数で最初に精神症状が認められ、男性よりも幻聴の頻度が高かった。・男性では、女性よりもREM睡眠行動障害の発生率が有意に高かった。・診断時のDLB関連症状は男女間で異なっており、男性では、女性よりもREM睡眠行動障害、パーキンソニズム、嗅覚低下、失神が有意に多く認められた。女性では、男性よりも幻聴が有意に多く認められた。 著者らは「DLBの症状は、初期症状だけでなく診断時に観察されるその後の症状においても、性差があることが示唆された。男性ではREM睡眠行動障害、女性では精神症状の発生率が高かった」としている。

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セロクエルとセロクラールとの取り違えに注意

 アステラス製薬とサノフィは、2020年8月、「セロクエル(一般名:クエチアピンフマル酸塩):抗精神病剤」(製造販売:アステラス製薬)と「セロクラール(一般名:イフェンプロジル酒石酸塩):脳循環代謝改善薬」(製造販売元:サノフィ、販売元:日医工、販売提携:日医工サノフィ)について、これらを処方・調剤する際には薬効および販売名を今一度確認すること、また処方オーダーシステムを使用する場合は入力後の内容確認、アラートを表示させるなどの薬剤の選択ミス防止策を検討するよう注意喚起を行った。 これら2剤は販売名が類似していることから、2012年10月に取り違えに関する注意喚起を行っているが、その後も処方オーダーシステムにおける両薬剤の選択ミスや調剤時の薬剤取り違えなどが繰り返され、2020年6月1日時点で25件の事例が日本医療機能評価機構ホームページへ掲載されているという(日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業報告事例 3件、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業報告事例 22件)。

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ケアネットDVD サンプル動画リンク集(2020年9月版カタログ掲載)

インデックスページへ戻るケアネットDVD 新刊・おすすめのサンプル動画をご覧いただけます。(※YouTube「ケアネット公式チャンネル」にリンクします)Dr.増井の心電図ハンティングDr.皿谷の肺音聴取道場Dr.白石のLet's エコー 運動器編Dr.長尾の胸部X線ルネッサンスDr.長尾の胸部X線クイズ 初級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコーナベちゃん先生のだれでも読める心エコーネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術Dr.徳田のすぐできるフィジカル超実技Dr.志賀のパーフェクト!基本手技一発診断Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)Dr.飯島の在宅整形岡田正人のアレルギーLIVE肩腰膝の痛みをとるDr.究のあなたもできるトリガーポイント注射骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈上巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈下巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2Dr.安部の皮膚科クイズ 初級編Dr.安部の皮膚科クイズ 中級編毎日使える 街場の血液学救急エコー最速RUSH!プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【循環器編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【呼吸器編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【消化器編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【整形外科編】プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】Dr.林の笑劇的救急問答15Dr.林の笑劇的救急問答15Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察Dr.たけしの本当にスゴい症候診断Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 医療関連感染症編Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上巻)Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(下巻)Dr.須藤のやり直し酸塩基平衡ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテ出直し看護塾〈第1巻〉出直し看護塾〈第2巻〉Dr.野原のナルホド!接触・嚥下障害マネジメント~キュアからケアへ~すべての作品のサンプル動画はこちらからご覧いただけます。

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抗血小板薬単剤療法はアスピリン単独かP2Y12阻害薬単独か?(解説:上田恭敬氏)-1275

 脳心血管疾患患者の2次予防としての抗血小板薬単剤療法は、アスピリン単剤とP2Y12阻害薬単剤のいずれが優れているかを、メタ解析によって検討した研究が報告された。1989年から2019年までに報告された9個のRCTが解析に含まれており、P2Y12阻害薬としてはチクロピジン、クロピドグレル、チカグレロルが含まれている。観察期間は3〜36ヵ月のものが含まれている。 心筋梗塞の発生率については、P2Y12阻害薬単剤群で低くなったが、全死亡、心血管死亡、脳卒中、出血イベントについては、群間差がなかった。結果は、P2Y12阻害薬の種類によらず同じであった。よって、2次予防としては、アスピリン単剤よりもP2Y12阻害薬単剤のほうがやや優れているという結果となった。ただし、sensitivity analysisとして、解析に含まれた9個のRCTの1つであるCAPRIE試験を除外すると、心筋梗塞発生率についての差はなくなるとしている。 この結果の解釈においては、多くの点について注意を払う必要がある。著者らはメタ解析の限界について触れているが、ほかにも、P2Y12阻害薬の効果が人種や体重、遺伝子多型などによって異なる可能性や、出血イベントの人種による特性の違いや、年代による他の薬物療法の違いなど、多くの疑問点が残っている。P2Y12阻害薬単剤群で、出血イベントが多くないのに心筋梗塞予防効果が強いという結論についても、定義や統計上の問題ではないのかと疑いたくなる。 P2Y12阻害薬は、種類と投与量が決まって初めて効果が決まるため、このように「P2Y12阻害薬単剤群」として一律に扱うべきものではない。同じ薬でも投与量を2倍にすれば、結果はまったく異なるだろう。本試験にプラスグレルは含まれていないが、含まれていたとしても、その結果から日本人用に設定された欧米とは異なった投与量のプラスグレル単剤療法の効果について推定することはできない。 すなわち、対象集団を決めて、薬剤の種類・投与量を決めて、RCTを実施することで初めて、その効果を正しく比較できるだろう。

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認知症と女性の生殖期間との関係

 85歳以上の女性は、同年齢の男性よりも認知症の発症リスクが高い。これには、内因性エストロゲンの影響が示唆されている。スウェーデン・ヨーテボリ大学のJenna Najar氏らは、内因性エストロゲンが認知症リスクに及ぼす影響を調査するため、縦断的研究を行った。Alzheimer's & Dementia誌オンライン版2020年6月23日号の報告。 スウェーデン・ヨーテボリ市在住の自然閉経後の女性1,364例を追跡した(追跡期間:1968~2012年)。内因性エストロゲン(初潮年齢、閉経年齢、妊娠回数、母乳育児の月数)に関する情報は、1968~1992年のインタビューより収集した。認知症の診断は、神経精神医学的検査および情報提供者のインタビューによる情報に基づいて確立された基準に従い実施した。 主な結果は以下のとおり。・生殖期間の長さは、認知症リスク増加との関連が認められた。 ●認知症 年間ハザード比(HR):1.06(95%信頼区間[CI]:1.03~1.20) ●アルツハイマー病 年間HR:1.06(95%CI:1.02~1.11)・生殖期間の長さと認知症リスク増加との関連は、とくに85歳以上で認められた。 ●認知症 年間HR:1.10(95%CI:1.04~1.17) ●アルツハイマー病 年間HR:1.15(95%CI:1.06~1.26) 著者らは「認知症の症例数が最も多い85歳以上において、女性は男性よりも認知症発症リスクが高く、このことに内因性エストロゲンが関連している可能性が示唆された」としている。

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多発性硬化症、オファツムマブが有意に再発抑制/NEJM

 多発性硬化症に対し、オファツムマブ(本邦では慢性リンパ性白血病の適応で承認)はteriflunomideに比べ、年間再発率を有意に低下することが示された。3ヵ月、6ヵ月時点の障害の悪化リスクも3割強低く、また6ヵ月時点で障害が改善した患者の割合は1.35倍だったという。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のStephen L. Hauser氏らが、2件の二重盲検ダブルダミー第III相無作為化比較試験を行い報告した。オファツムマブは抗CD20モノクローナル抗体の皮下注射剤で、選択的にB細胞数を減少する。teriflunomideは経口ピリミジン合成阻害薬で、T細胞およびB細胞の活性化を抑制するが、両薬剤の多発性硬化症に対する相対的有効性については明らかになっていなかった。NEJM誌2020年8月6日号掲載の報告。年間再発率と障害の悪化、改善などを比較 研究グループは、多発性硬化症の患者を対象に2件の比較試験を行い、オファツムマブとteriflunomideの効果を比較した。同グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはオファツムマブ(1、7、14日目に負荷投与量20mg、その後は4週ごとに20mg)の皮下投与を、もう一方にはteriflunomide(14mg/日)の経口投与を、最長30ヵ月間実施した。 主要エンドポイントは、年間再発率だった。副次エンドポイントは、3ヵ月または6ヵ月時点の評価で確認された障害の悪化、6ヵ月時点で確認された障害の改善、T1強調MRIのスキャン1回当たりのガドリニウム増強病変の数、T2強調MRI上の新規病変または拡大病変の年間発生率、3ヵ月時点での血清ニューロフィラメント軽鎖(NfL)濃度、脳容積の年間減少率などとした。年間再発率、オファツムマブ群0.10~0.11、teriflunomide群0.22~0.25 被験者は2試験全体で、オファツムマブ群946例、teriflunomide群は936例で、追跡期間の中央値は1.6年だった。 オファツムマブ群とteriflunomide群の年間再発率は、試験1ではそれぞれ0.11と0.22(群間差:-0.11、95%信頼区間[CI]:-0.16~-0.06、p<0.001)、試験2では0.10と0.25(群間差:-0.15、95%CI:-0.20~-0.09、p<0.001)だった。 副次エンドポイントは、2試験全体で、3ヵ月時点で障害の悪化が確認された患者の割合はオファツムマブ群10.9%、teriflunomide群15.0%(ハザード比[HR]:0.66、p=0.002)、6ヵ月時点ではそれぞれ8.1%、12.0%(HR:0.68、p=0.01)と、オファツムマブ群で低率だった。また、6ヵ月時点で障害の改善が確認された患者の割合はそれぞれ11.0%、8.1%で、オファツムマブ群で高率だった(HR:1.35、p=0.09)。 T1強調MRIのスキャン1回当たりのガドリニウム増強病変の数、T2強調MRI上の新規病変または拡大病変の年間発生率、3ヵ月時点での血清NfL濃度については、主要エンドポイントと同様の傾向がみられ、オファツムマブ群がteriflunomide群より低率・低値だった。脳容積の年間減少率は両群で同等だった。 注射に関連した反応は、オファツムマブ群20.2%、teriflunomide群15.0%(プラセボ注射)でみられた。重篤な感染症発生率は、オファツムマブ群2.5%、teriflunomide群1.8%だった。

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血液検査で認知症診断をする深い理由(解説:岡村毅氏)-1273

 血漿リン酸化タウ217(血液検査)によりアルツハイマー型認知症の診断ができる可能性を報告している。ここではその臨床的背景について深掘りしよう。 そもそもアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症等は、症状は大きく異なるものである。教科書だけ見ていたら、こんなもの診断は簡単だろうと思うかもしれない。 一方、臨床は教科書通りにいかない。長い人生を歩んできた方はいろいろ複雑であるので、(1)脳梗塞などの血管性要因の併存、(2)たとえば特異な家族環境であるといった外的要因、(3)その人の生活歴やパーソナリティなどの内的要因、(4)いくつかの認知症性疾患の合併、(5)実は薬剤を飲んでいるが申告しない、といったことが起きる。するとアルツハイマー型なのに前頭側頭型的な症状が出る、みたいなことが起きる。 もちろん診断困難な事態は多くはないし、だいたいが専門病院に来る(紹介してよいです)。 かつては認知症の診断自体は、亡くなった後に脳を見ること(剖検)でしか確定できないとされてきた。だって脳は基本的に生検(一部取ってくること)ができないから。 しかし脳画像検査の進歩で、生きている人の脳内をのぞけるようになってきた。しかも、形→詳しい形→血の流れ→アミロイドやタウなどの原因的な物質の分布、とだんだん本質に迫っている。とはいえ、詳しい検査は高額なうえに、巨大な機械の中に長時間とどまるという体験をせねばならず、その結果何がわかるかというと臨床的には「○○の可能性が高まった(でも治るものではない)」ということなのである。 詳しい検査の存在意義は、研究のためと、鑑別診断が困難な場合であろう。たとえばアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症で使われるコリンエステラーゼ阻害薬は、基本的に脳を賦活する(元気にする)ので、興奮や妄想には油を注いでしまい、前頭側頭型認知症の方においては症状を悪化させることが多い(絶対にとは言えないが)。診断に困って、本人・家族も困って、次の一手にコリンエステラーゼ阻害薬が挙がったとき、詳しい検査は有意義だろう。 検査はあくまで補助的。ベテランの認知症専門医ほどやたらな検査には頼らないのはそういった背景がある(逆に若手は経験値の蓄積が少ないので頼るのは合理的だし責められまい)。いずれにせよ血液検査でわかれば、簡便なのでとても有意義であろう。 とはいえ、私も15年目の医師であるので、「若者よ、検査に頼ってばかりではだめだぞ」、という暑苦しい教訓を話してこのコラムを終えよう。 Aさん(80歳男性)が外来に来て、(1)毎日同じ時間に家の周りを散歩し、(2)自宅のみならず隣家の枝を切ってしまい、(3)止めるとひどく怒る、という場合を考えてみよう。学生さんから見れば「前頭側頭型認知症ですかね」となるだろう。時刻表的生活、脱抑制、易怒性…国試的には正解だ。現実世界ではそういう人の頭部CTで側頭葉内側の萎縮がかすかにあったりする。おかしいな…そこでこの論文にあるようなリン酸化タウなりを測定したら、なんとアルツハイマー型認知症だったりする。 どう考えればいいのだろう。 精神科医としては患者さんの歴史を深掘りすることに尽きる。本人、家族、(近しい家族は逆に視野狭窄も多いので客観的なことが言える)第三者などから複眼的に聞く。生活歴(生まれてから今までの80年のざっくりした経過)、現病歴(生活にかすかな不調が現れてからの10年間の詳しい経過)、家族の歴史、と3列で聞く。これを外来では15分でする。すると大体説明がつく。たとえば、(1)もともと植木屋さんで自宅周囲の木花のケアをしていた(が、できなくなった)、(2)家族とは植木屋さんを継ぐ継がないで葛藤があった、みたいな要因が出てくる。不思議なことに、こじれたBPSDの背景は「個人の生活史に根差した要因」×「家族内葛藤」が多いような気がする。すると、介入は心理的なものになろう。診断は、どうでもいいとは言わないが、このケースではあまり影響力はない。これが臨床の醍醐味である。 上記はいかにも精神科医っぽい意見かもしれないので、ついでに一言述べておこう。認知症に関して、神経内科、老年内科、精神科のいずれでも診ているが、どこがいいかとよく聞かれる。神経内科は鑑別診断が強く、老年内科は身体全体を見た加療が強く、精神科は本人の心理や家族の背景を踏まえたケアが強い。逆に言うと、得意分野以外は弱点であることが多い(本人や家族の話はよく聞いてとても感謝されているが残念ながら診断が間違っている精神科医とか…他の2科は敵を作りそうなのでやめておこう)。しかし、優れた専門家は大体が自分の専門外もよくできる。そして限界を知っているので、きちんと他科コンサルトする。優秀な人が多い病院ほど精神科と神経内科と老年内科は仲が良い気がする。逆にけんかしたり張り合ったりしている病院はやばいかもしれない。弱い犬ほどよく吠えるということである。

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DOAC服用心房細動患者のイベント発生予測因子/日本循環器学会

 心房細動患者の抗凝固薬治療と予後を調べた多施設共同前向き観察研究であるRAFFINE研究から、直接経口抗凝固薬(DOAC)服用患者における脳梗塞および全身塞栓症の独立した予測因子として年齢、糖尿病、脳梗塞の既往が、また重大な出血の独立した予測因子として年齢、脳梗塞の既往が示唆された。第84回日本循環器学会学術集会(2020年7月27日~8月2日)で宮崎 彩記子氏(順天堂大学医学部循環器内科)が発表した。 RAFFINE(Registry of Japanese Patients with Atrial Fibrillation Focused on anticoagulant therapy in New Era)研究は、心房細動治療の実態把握とDOAC服用者におけるイベント発生の予測因子の調査を目的とした前向き研究である。対象は、2013~15年に研究参加施設に外来通院していた20歳以上の非弁膜症性心房細動(発作性、持続性、永続性のすべて)患者で、入院患者、研究参加の同意が得られなかった患者、余命1年以下と判断された患者を除外した3,706例が解析対象となった。観察は1年ごとに3年(最大5年)まで、観察期間中央値は1,364日であった。 主な結果は以下のとおり。<ベースライン時の状況>・3,706例の非弁膜症性心房細動患者のうち、ワルファリン服用患者(ワルファリン群)1,576例、DOAC服用患者(DOAC群)1,656例、経口抗凝固薬(OAC)投与なしの患者(No-OAC群)474例であった。・年齢およびCHADS2スコアはワルファリン群で高く、No-OAC群では低かった。また、うっ血性心不全既往歴、高血圧、糖尿病、脳梗塞/TIA既往歴を有する患者の割合もワルファリン群で高く、No-OAC群で低かった。・発作性心房細動の割合は、ワルファリン群28.0%、DOAC群41.0%、No-OAC群64.6%とNo-OAC群で高かった。消化管出血はNo-OAC群が最も高く、HAS-BLEDスコアはワルファリン群で最も高かった。・抗血小板薬を投与されていた割合は、ワルファリン群28.6%、DOAC群17.9%、No-OAC群40.7%で、No-OAC群で高かった。<観察期間での調査>・DOAC服用患者の割合はベースライン44.7%から3年時の58.7%まで徐々に増加していた。・DOAC投与量については、適応内の通常用量が38%、適応内の減量が29%、適応外の低用量が27%、適応外の過量が6%で、適応外用量は33%であった。適応外用量の割合を薬剤別にみると、ダビガトラン(n=653)では35%、リバーロキサバン(n=569)では35%、アピキサバン(n=408)では27%、エドキサバン(n=26)では31%であった。・DOAC服用者における脳梗塞および全身塞栓症の独立した予測因子として、年齢(ハザード比[HR]:1.09、95%CI:1.04~1.13、p<0.0001)、糖尿病(HR:2.17、95%CI:1.23~3.82、p=0.007)、脳梗塞/TIAの既往(HR:2.65、95%CI:1.46~4.80、p=0.001)が示唆されたが、適応外用量は関連しなかった。また、重大な出血(ISTH基準)の独立した予測因子としては、年齢(HR:1.07、95%CI:1.03~1.10、p<0.0001)、脳梗塞/TIAの既往(HR:2.06、95%CI:1.17~3.61、p=0.011)が示唆され、抗血小板薬投与は関連しなかった 宮崎氏は、DOAC服用者における適応外用量が33%に認められたことから、イベント発生におけるDOACの適応外用量の影響を調べるためにさらなる研究が必要と述べた。

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日本人高齢者における認知症の生涯累積発症率

 日本のコミュニティ在住の高齢者における認知症の累積発症率とそのサブタイプを推定するため、九州大学の吉田 大悟氏らが検討を行った。Neurology誌オンライン版2020年7月7日号の報告。 コミュニティ在住で60歳以上の日本人高齢者1,193例を対象に、17年間プロスペクティブにフォローアップを行った。認知症の累積発症率は、ワイブル比例ハザードモデルを用いて算出した各年の死亡や認知症がない生存関数および認知症のハザード関数に基づいて推定した。認知症の生涯リスクは、母集団の生存確率が0.5%未満と推定された時点での認知症の累積発症率と定義した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、350例であった(アルツハイマー病[AD]:191例、血管性認知症[VaD]:117例)。・認知症の生涯リスクは、55%であった(95%CI:49~60%)。・女性の認知症の生涯リスクは、男性と比較し、約1.5倍であった。 ●女性:65%(95%CI:57~72%) ●男性:41%(95%CI:33~49%)・男女別のADおよびVaDの生涯リスクは、以下のとおりであった。 ●女性のAD生涯リスク:42%(95%CI:35~50%) ●女性のVaD生涯リスク:16%(95%CI:12~21%) ●男性のAD生涯リスク:20%(95%CI:7~34%) ●男性のVaD生涯リスク:18%(95%CI:13~23%) 著者らは「日本人高齢者の認知症の生涯リスクは、50%以上であり、非常に高かった。現在の日本のコミュニティにおいて、認知症に起因する生涯負担は、計り知れないことが示唆された」としている。

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高齢者の睡眠時間と認知症発症因子はどう関連するか?

 高齢者における生活習慣因子と皮質アミロイド負荷および脳グルコース代謝の関連を調べた研究において、総睡眠時間が軽度認知障害の高齢者の脳機能と関連することを示す結果が得られた。大分大学の木村 成志氏による報告で、JAMA Network Open誌2020年7月9日号に掲載された。 本研究は2015年に開始された前向きコホート研究であり、大分県臼杵市において、認知症既往のない65歳以上の成人を対象とした。データ収集は2015年8月~2017年12月、分析は2019年6月に行われた。被験者が装着したウエアラブルセンサーにより、歩数、会話時間、睡眠などのデータを収集し、PET検査によって皮質アミロイド負荷と脳グルコース代謝を調べることで、生活習慣因子とアルツハイマー型認知症発症因子との関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・基準に該当する855例(女性538例 [62.9%]、平均[SD]年齢73.8 [5.8]歳)のうち、軽度認知障害(MCI)と診断された118例(女性66例[55.9%]、平均[SD]年齢75.7[5.8]歳)に、carbon-11 labeled Pittsburgh compound B(PiB)-PET検査とfluorine-18 fluorodeoxyglucose(FDG)-PET検査を実施した。・変化点回帰分析において、総睡眠時間(TST)が325分(5.41時間)より長い場合、TSTと脳のグルコース代謝に逆相関がみられた(B=-0.0018、95%CI:-0.0031〜-0.0007)。・TSTとFDG取り込みも逆相関していた(β=-0.287、95%CI:-0.452〜-0.121、p<0.001)。・歩数、会話時間、睡眠効率とアミロイド取り込みの間には相関関係が認められなかった。 著者らは「本研究の最も興味深い結果は、TSTが脳のグルコース代謝と逆相関していたことだ」と述べ、長過ぎる睡眠時間が認知障害の危険因子になる可能性がある、と指摘した。また、さらに大規模研究を行うことによって、高齢者の認知機能障害を遅らせるためのエビデンスに基づく新しい介入の開発につながる可能性がある、としている。

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