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FOLFOXIRI+BV、大腸がん1~2次治療でOS延長(TRIBE2)/ASCO2019

 切除不能大腸がんにおける、1~2次治療でのFOLFOXIRI+ベバシズマブ(BV)療法と、1次治療FOLFOX+BV、2次治療FOLFIRI+BVの治療シークエンスとを比較した第III相TRIBE2試験の結果、FOLFOXIRI+BV療法が奏効率、PFSおよびOSを有意に改善した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、同試験のアップデートデータをイタリア・Azienda Ospedaliera Universitaria PisanaのChiara Cremolini氏が発表した。 TRIBE2試験は、切除不能大腸がんの1~2次治療における3剤併用+BV(トリプレット群)と2剤併用+BVの逐次療法(ダブレット群)という2つの治療戦略の有効性を評価する非盲検無作為化第III相試験。被験者は、以下の2群に1:1の割合で無作為に割り付けられた(各併用療法はそれぞれ最大8サイクル)。【ダブレット群】FOLFOX+BV→維持療法として5-FU+BV(PDまで)→FOLFIRI+BV→5-FU+BV療法(PDまで)【トリプレット群】FOLFOXIRI+BV→5-FU+BV(PDまで)→FOLFOXIRI+BV→5-FU+BV(PDまで) 主要評価項目は、「無作為化から、2次治療のPD(2次治療なし、あるいは1次治療でのPDから3ヵ月以内に2次治療が開始されなかった場合は1次治療のPD)または死亡のいずれかが最初に生じるまでの期間」として定義される無増悪生存期間2(PFS2)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、1次治療/2次治療それぞれにおけるRECISTによる奏効率(RR)、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・2015年2月~2017年5月の間に、イタリアの58施設で、30~75歳、ECOG PS≦2(71歳以上はPS=0)の679例(ダブレット群/トリプレット群:340例/339例)の切除不能大腸がん患者が組み入れられた。年齢中央値:61歳/60歳、ECOG PS 0:85%/86%、右側原発:38%/38%、アジュバント化学療法歴有:2%/2%、同時性転移:89%/89%、肝限局転移:29%/32%、RAS変異型:65%/63%、BRAF変異型:10%/10%。・追跡期間中央値30.6ヵ月で、1次治療後のPD(PD1)が594例(303/291) 、2次治療後のPD(PD2)が514例(272/242)、OSイベントが408例(217/191)で報告された(データカットオフは2019年3月1日)。・トリプレット群ではダブレット群と比較して、1次治療のPFS中央値(9.8ヵ月 vs.12.0ヵ月、ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.63~0.88、p<0.001)およびRR(50% vs.62%、オッズ比:1.61、95%CI:1.19~2.18、p=0.002)、PFS2中央値(17.5ヵ月 vs.19.1ヵ月、HR:0.74、95%CI:0.62~0.88、p<0.001)を有意に改善した。・PD1後に2次治療を受けたのは、ダブレット群で86%(うちFOLFIRI+BV:78%、FOLFIRI:10%)、トリプレット群で81%(うちFOLFOXIRI+BV:59%、FOLFOXIRI:9%)であった。・2次治療のPFS中央値 は、5.6ヵ月 vs.6.2ヵ月、HR:0.87(95%CI:0.73~1.04、p=0.112)で有意差はなかった。しかしper protocol解析(324例)の結果、トリプレット群で2次治療のPFSを有意に延長した(5.8ヵ月 vs.6.5ヵ月、HR:0.76、95%CI:0.60~0.97、p=0.025)。・OS中央値(予備解析、イベント数は60%)は、トリプレット群で有意に延長した(22.6ヵ月 vs. 27.6ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.67~0.98、p=0.033)。・Grade3/4の有害事象のうち、トリプレット群で多くみられた項目は、1次治療:下痢(5% vs.17%、p<0.001)、好中球減少症(21% vs.50%、p<0.001)、発熱性好中球減少症(3% vs.7%、p=0.050)、2次治療:神経毒性(0% vs.5%、p=0.004)であった。

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「豪華盛り合わせ」のパワーとオトク感(解説:今中和人氏)-1056

 ひと昔前は「80代に心臓手術の適応があるか? ないか?」と真剣に議論されていた(ちなみに結論は「ケース・バイ・ケース」がお約束)が、手術患者は明らかに高齢化しており、そんなのいまや日常的。ただ、高齢者に多い併存症の1つに貧血がある。一方、心臓外科の2割前後はいわゆる「急ぎ」の症例で、その方々は自己血貯血どころではなく、昨今の情勢では待期手術でも、まったりした術前入院など許されない。だから心臓手術の患者に貧血があって、何か即効性のある良いことができないか、というのはきわめて現実的なシナリオである。 本論文は、貧血を男性Hb 13、女性Hb 12(g/dL)未満、鉄欠乏を血清フェリチン100(ng/mL)未満と定義し、スイスのチューリッヒ大学病院での約3年半の開心術(バイパス、弁、バイパス+弁)約2,000例のうち、上記の定義に該当した505例に対する前向き二重盲検試験である。平均年齢は68歳とやや若く、35%が女性。平均BMIは27前後と肥満傾向で、貧血に該当する患者と、鉄欠乏に該当する患者がほぼ同数だったため、術前Hbは12.8~12.9と実はさほど低くなかった。実薬群は、手術前日に20mg/kgの鉄剤の静注、40,000単位のエリスロポエチンαの皮下注、1mgのビタミンB12の皮下注、5mgの葉酸薬の経口投与を行い、対照群にはplaceboを投与した。この投薬の赤血球輸血節減効果(輸血関係の研究だが、例によってFFPと血小板はほぼ無視)と採血データ等が、90日後まで検討された。 輸血基準は術中とICUではHb 7~8未満、ICUを出てからはHb 8未満であった。 この投与量だが、鉄剤は許容最高用量(本邦の用量は40~120mgだが化合物が異なり、比較が難しい)で、エリスロポエチンαは本邦では通常3,000~12,000単位、自己血貯血時のみ24,000単位が許容されていることから、これは相当な大量。ビタミンB12と葉酸も最高用量なので、要するに「豪華盛り合わせ」。上天丼に海老天を2本追加した、ぐらいのイメージである。 結果は、有害事象はなかった。赤血球輸血量は7日時点で実薬群1.5±2.7単位、対照群1.9±2.9単位、90日時点だとそれぞれ1.7±3.2単位(中央値0)、2.3±3.3単位(中央値1)で、ともに有意差がつき、赤血球1単位を節減できたと結論している。ところが赤血球1単位は212.5スイス・フランなのに、「豪華盛り合わせ」のお値段は682スイス・フラン。本稿執筆時点で1スイス・フランは108.57円なので、約51,000円の赤字である。 さらに貧血と鉄欠乏と区別してサブグループ解析すると、貧血患者では同様の輸血節減効果がある(ただしn数減少のため有意差は消滅)が、鉄欠乏患者では7日時点での輸血量が実薬群1.0±2.2単位、対照群1.3±2.8単位、90日時点でそれぞれ1.1±2.5単位(中央値0)、1.7±3.1単位(中央値0)と差がなく、薬価分74,000円はほぼ完全な「持ち出し」になった。著者らは、実薬群では後日のHbが上がっているから、この増加分を金銭換算すると赤字は相殺される、と、なかなか苦しい主張を展開しているが、少なくともオトク感は皆無に近い。おまけに本邦では保険も通らない。 エリスロポエチンの効果が出始めるのに2~3日はかかるといわれているのを、本論文は前日の投与でもなにがしかの違いがあることを示したわけで、立派な成果だとは思う。しかしHb 9以下など高度貧血では輸血はどだい不可避で、今回のように大柄な患者さんでちょっと貧血、なんていう場合に無輸血でいける可能性が上がる、という程度のパワーである。少々コスパが悪くても輸血合併症が多ければ輸血量削減の意義は大きいし、心臓外科医は私も含め輸血に関してPTSD状態で、つい無輸血にこだわってしまうが、日赤はじめ関係各位にあらためて感謝すべきことに、近年の深刻な輸血合併症は素晴らしく低率である(「PTSD心臓外科医のこだわりと肩すかし」)。 今回の造血薬「豪華盛り合わせ」のお金は、膨らむ一方の医療費の節減か、食の「豪華盛り合わせ」でないまでも、別の使途に振り向けたほうがよろしいのではないだろうか。

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5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」【下平博士のDIノート】第26回

5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」今回は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)「ダコミチニブ水和物(商品名:ビジンプロ錠15mg/45mg)」を紹介します。本剤は、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(HER)2および4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。<効能・効果>本剤は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月1日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはダコミチニブとして1日1回45mgを経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量し、副作用が現れた場合には、添付文書に記載されている基準を考慮して休薬、減量または中止します。本剤とCYP2D6基質の薬剤(デキストロメトルファンなど)を併用すると併用薬の血中濃度が上昇する恐れがあり、また、PPIなどの胃内pHを上昇させる薬剤を併用すると本剤の血中濃度が低下して有効性が減弱する可能性があるため、それぞれ併用注意となっています。<副作用>化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC患者を対象とした非盲検無作為化国際共同第III相試験において、本剤が投与された227例(日本人患者40例を含む)中220例(96.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、下痢193例(85.0%)、爪囲炎140例(61.7%)、口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍など)135例(59.5%)、ざ瘡様皮膚炎111例(48.9%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹など82例(36.1%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として間質性肺疾患(2.2%)、重度の下痢(8.4%)、重度の皮膚障害(31.7%)、肝機能障害(28.6%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、EGFRというタンパク質などの働きを抑えることで、がん細胞の増殖を抑えます。2.空咳、発熱など風邪のような症状が現れ、息切れや息苦しさを感じた場合には使用を中止し、すぐに受診してください。3.飲み始めに下痢が生じることが多いので、下痢止め薬が処方されている場合は持ち歩くようにしてください。脱水予防のため、水、白湯、お茶、スポーツドリンクなどでこまめに水分を補給しましょう。4.バランスのよい食事を心掛け、調理をする際は消化をよくするように工夫してください。乳製品、繊維質や脂質が多い食品、香辛料やコーヒー、アルコールなどの刺激物はなるべく控えましょう。5.薬を飲み続けていると、爪周囲や口腔内の赤み、腫れ、痛みなどが生じることがあります。患部は清潔に保ち、日常生活に支障がある場合はご相談ください。6.吹き出物や発疹などの皮膚症状が生じることがあります。症状の予防や軽減のため、低刺激の保湿剤によるスキンケアをこまめに行い、外出時は紫外線対策をしましょう。<Shimo's eyes>NSCLCは肺がん症例の約85%とされており、日本人のNSCLC患者の30~40%にEGFR遺伝子変異があるといわれています。本剤は、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)、エルロチニブ(同:タルセバ)、アファチニブ(同:ジオトリフ)、オシメルチニブ(同:タグリッソ)に続く、国内で5剤目のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)です。優先審査品目に指定され、申請から7ヵ月での承認となりました。本剤は、EGFRやHER2、HER4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することにより、EGFR遺伝子変異陽性のがん細胞の増殖を抑制すると考えられています。本剤で治療を行うためには、既存のEGFR-TKIと同様にEGFR遺伝子変異検査を実施する必要があります。臨床試験では副作用が高頻度で認められたため、患者さんには事前に発現率が高い副作用の好発時期を知らせておくことが重要です。個人差はありますが、投与を開始してから副作用が発現するまでの時期として、下痢は2ヵ月程度(中央値6日)、ざ瘡などの皮膚障害は4ヵ月程度(中央値9日)、口内炎や爪囲炎は6ヵ月間程度(それぞれの中央値9日、29日)が目安となります。投与初期から発現する可能性が高いので、それぞれの副作用への対策法も伝えるように心掛けましょう。NSCLCは分子標的薬の登場により着実に予後が改善しています。治療選択肢となる分子標的薬も増えたため、それぞれの薬剤の副作用プロファイルや用法を確認し、患者さんが安心して治療に専念できるように積極的にフォローしましょう。

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「乳腺外科医事件」裁判の争点 【後編】

手術直後の女性患者への準強制わいせつ罪を問われた執刀医が、逮捕・勾留・起訴された事件。一審では無罪判決が言い渡されたが、検察は控訴し、争いは現在も続いている。この事件に関しては、ネットを中心として被害者とされる女性に対するバッシングと、医療者に対するバッシングがそれぞれ見られる。しかし、本件では「麻酔(注:本件ではプロポフォールやセボフルラン、笑気等が使用されていた)の影響で幻覚を体験した可能性がある」 として無罪判決が下されており、事件の本質からすると、女性も医師もある意味で被害者といえる。担当弁護人の1人である水沼 直樹氏に、実際に法廷で論じられた2つの争点について、前・後編で解説いただく本企画。前編に引き続き、今回は術後せん妄の有無についての裁判の経過と、このような事案を防ぐために考えられる医療安全対策を取り上げる。後編:術後せん妄か否かをめぐり、何が争点となったのか1.麻酔薬による術後せん妄の可能性本件の良性腫瘍摘出術では、麻酔薬としてプロポフォール200mgのほか、笑気ガスとセボフルランを継続的に投与し、鎮痛薬としてペンタゾシン5mg、坐薬等を投与していました(患者:30代前半、体重約50kg)。患者には、せん妄の準備因子の1つである脳の器質的障害は認められませんでしたが、誘発因子の1つとされる疼痛については、患者が術後に痛みを訴えています。また、直接因子とされる手術侵襲や上記の麻酔薬、オピオイド(ペンタゾシン)の使用も本件ではあります。弁護側証人は、乳房手術は全身麻酔後の覚醒時せん妄リスクが高い(オッズ比:5.19)と報告1)されていることを証言し、また、検察側証人がせん妄の可能性が低い理由の1つとして若年者であることを挙げたことに対し、せん妄の発症には必ずしも年齢による有意差があるわけではないと証言しました。実際に、小児麻酔においても術後せん妄が問題となり2)、学会等でも取り上げられていることも言及しています。麻酔薬と性的幻覚の症例報告は世界中にあり3)、プロポフォールについていえば、同薬により生々しい性的幻覚を見たという症例が世界中で報告されています4-7)。2.医師のDNAが患者の乳房に付着する可能性執刀医は、手術前に病室で患者の両胸を触診し、術前マーキングを実施していました。また、手術室内でも再度触診し、上級医と術式確認をしながら切開部を狭めるための再マーキングを行っています。これらの際、医師は通常どおり素手で触診しました。3.裁判所の判断患者が痛みを訴えていたことや術後にバイタルチェックを受けたこと等の記憶が無いこと、専門家の証言等を総合した結果、患者が「せん妄状態に陥っていた可能性は十分にあり、また、せん妄に伴って性的幻覚を体験していた可能性が相応にある」と判断しました。また、現場に臨場した警察官が、左胸以外の他の部分からも付着物を採取していれば、何らかの事実が判明でき真相解明につながった可能性がある、という旨が述べられました。なお、顔と両胸が写されていたこと等から、性的興味があったのではないかと検察官が指摘した医師が撮影した写真も、すべてマーキングされたものです。裁判所は、医師が医学的な目的以外で撮影したとはいえないと判断しました。詳細については、拙稿となりますが『医療判例解説 Vol.079』8)にも経緯をまとめています。4.医療安全対策この事件から得られた対策は、3つ考えられるでのはないでしょうか。1つは、患者の回診(とくに女性患者の回診)には、医療者1人で訪室しないことです。あらぬ疑いをかけられたり、また実際に犯行の機会を作ったりせずに済むからです。家族の立ち会いを求めるのも一案です。2つ目は、せん妄の診断基準としてはDSMやICD等がありますが、簡易版のスクリーニングツールも複数あります。CAMは、(1)急激な発症・症状の変動、(2)注意の障害、(3)解体した思考、(4)意識の障害の4項目から構成されるツールで、(1)(2)があり、かつ(3)または(4)があればせん妄と診断するという簡便なツールとなっています。これらを活用し、患者のせん妄を早期に医療機関が把握し、放置しないことが重要です。最後に、せん妄の可能性を患者や家族に対して、あらかじめ説明しておくことも重要です。英国立医療技術評価機構(NICE)のガイドラインや、厚生労働省制作の、せん妄に関する啓発動画9)を活用することも一案かと思います。参考1)Lepousé C et al. Br J Anaesth. 2006;96:747-53.2)Morgan E et al. Plast Reconstr Surg. 1990;86:475-8; discussion 479-480.3)Schneemilch C et al. Anaesthesist. 2012 ;61:234-41.4)Balasubramaniam B et al. Anaesthesia. 2003;58:549-53.5)Yang Z et al. J Anesth. 2016;30:486-8.6)Martínez Villar ML et al. Rev Esp Anestesiol Reanim. 2000;47:90-2.7)Marchaisseau V et al. Therapie. 2008;63:141-4.8)医療判例解説Vol.079 . 医事法令社;2019.9)厚生労働省委託緩和ケア普及啓発事業企画制作/日本サイコオンコロジー学会企画制作協力.『あれ?いつもと様子が違う=せん妄とは?』講師紹介

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日本人高齢者における身体活動と認知症発症との関連

 岡山大学のYangyang Liu氏らは、高齢者における定期的な身体活動と認知症発症リスクとの関連について評価を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2019年5月2日号の報告。 本検討は、岡山市で実施したレトロスペクティブコホート研究である。日本人高齢者5万1,477人を2008~14年にかけてフォローアップを行った。定期的な身体活動は、健康診断質問票を用いて評価を行った。認知症発症は、介護保険の認知症尺度を用いて評価した。身体活動のカテゴリ別の認知症発症率は、Cox比例ハザードモデル、95%信頼区間(CI)を用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・7年間のフォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、1万3,816例であった。・認知症発症の多変量調整ハザード比は、身体活動の実施が1回以下/週であった高齢者と比較し、2回以上/週で0.79(95%CI:0.75~0.84)、毎日で0.94(95%CI:0.89~0.98)であった。・身体活動と性別との相互の関連性は有意であった(p<0.01)。・サブグループ解析における認知症発症の多変量調整ハザード比は、身体活動が2回以上/週の場合、男性で0.76(95%CI:0.70~0.84)、女性で0.81(0.76~0.87)と低いままであった。身体活動が毎日の場合、男性では0.82(95%CI:0.76~0.89)であったが、女性では1.01(0.95~1.07)であった。 著者らは「日本人高齢者における定期的な身体活動は、毎日行っている女性を除き、認知症発症リスクの低下に寄与すると考えられる」としている。

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1日1杯でも効果、コーヒーが死亡率を改善~高山スタディ

 これまでの疫学研究では、コーヒー摂取と全死因死亡ならびに疾患特異的死亡は逆相関する、と言われている。今回、岐阜大学大学院医学系研究科疫学・予防医学分野の山川 路代氏らが、岐阜県高山市で実施された高山スタディにおいて、コーヒー1日1杯以上の摂取が全死因死亡および心血管疾患、感染症、消化器疾患による死亡と逆相関することを明らかにした。Public Health Nutrition誌オンライン版2019年5月20日号掲載の報告。 著者らは、集団ベース前向きコホート研究である高山スタディにおいて、1992年のベースライン時点で、がん、冠動脈疾患、脳卒中の既往がない35歳以上の住民2万9,079人を対象とし、2008年まで追跡した。本研究は、コーヒー摂取と全死因死亡ならびに疾患特異的死亡の関連を食事や生活習慣の因子で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。また、コーヒー摂取量を含む食事摂取量は食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)を用い、ベースライン調査時のみ評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間は14.1年であった。・41万352人年が解析に含まれ、5,339例が死亡した。・コーヒー摂取は全対象者の全死因死亡および心血管疾患による死亡と逆相関していたが、がんによる相関はなかった。・まったく飲まない人の全死因死亡と比較した場合、多変量ハザード比(HR)は、1杯未満/日は0.93(95%信頼区間[CI]:0.86~1.00)、1杯/日は0.84(95%CI:0.76~0.93)、2~3杯/日は0.81(95%CI:0.71~0.92)であった。・心血管死で調整したHRは、それぞれ0.87(95%CI:0.77~0.99)、0.76(95%CI:0.63~0.92)、0.67(95%CI:0.50~0.89)であった。・ほかの原因による死亡でも逆相関がみられ、とくに感染症や消化器疾患による死亡でみられた。■関連記事コーヒーは5杯未満が有益?日本人の死亡率への影響コーヒーと大腸がんの関連、日本の8研究をプール解析コーヒーやお茶は糖代謝を改善するか~メタ解析慢性腎臓病患者でもコーヒー摂取で寿命が延びる?

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敗血症関連凝固障害への遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤、第III相試験結果/JAMA

 敗血症関連凝固障害がみられる重症患者の治療において、遺伝子組換えヒト可溶性トロンボモデュリン(rhsTM)製剤ART-123はプラセボと比較して、28日以内の全死因死亡率を改善しないことが、ベルギー・Universite Libre de BruxellesのJean-Louis Vincent氏らが実施した「SCARLET試験」で示された。研究の詳細はJAMA誌オンライン版2019年5月19日号に掲載された。rhsTMは、播種性血管内凝固症候群(DIC)が疑われる敗血症患者を対象とする無作為化第IIb相試験の事後解析において、死亡率を抑制する可能性が示唆されていた。26ヵ国159施設のプラセボ対照無作為化試験 本研究は、日本を含む26ヵ国159施設が参加する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2012年10月~2018年3月の期間に患者登録が行われた(Asahi-Kasei Pharma America Corporationの助成による)。 対象は、心血管あるいは呼吸器の障害を伴う敗血症関連凝固障害で、集中治療室に入室した患者であった。被験者は、rhsTM(0.06mg/kg/日、最大6mg/日、静脈内ボーラス投与または15分注入)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、1日1回、6日間の治療が行われた。 主要エンドポイントは、28日時の全死因死亡であった。28日全死因死亡率:26.8% vs.29.4% 816例が登録され、このうち800例(平均年齢60.7歳、男性54.6%)が試験を完遂し、最大の解析対象集団(FAS)に含まれた。rhsTM群が395例、プラセボ群は405例であった。 28日全死因死亡率は、両群間に有意な差は認めなかった(rhsTM群26.8%[106/395例]vs.プラセボ群29.4%[119/405例]、p=0.32)。絶対リスク差は2.55%(95%信頼区間[CI]:-3.68~8.77)だった。 サブグループ解析では、ヘパリンの投与を受けた患者(416例)は、28日全死因死亡率がrhsTM群で低かった(差:-0.87%、95%CI:-9.52~7.77)のに対し、ヘパリンの投与を受けていない患者(384例)は、rhsTM群のほうが高かった(6.25%、-2.72~15.22)。 重篤な出血有害事象(頭蓋内出血、生命に関わる出血、担当医が重篤と判定した出血イベントで、赤血球濃厚液1,440mL[典型的には6単位]以上を2日で輸血した場合)の発生率は、rhsTM群が5.8%(23/396例)、プラセボ群は4.0%(16/404例)であった。 なお著者は、これらの知見に影響を及ぼした可能性のある原因として、次のような諸点を挙げている。(1)患者の約20%が、ベースライン時に凝固障害の基準を満たさなかった、(2)プラセボ群の死亡率が、試験開始前にサンプルサイズの算出に使用した予測値よりも高かった、(3)深部静脈血栓症の予防に用いたヘパリンが、rhsTMの効果を減弱させた可能性がある、(4)無作為化の際に施設で層別化したが、159施設中55施設は登録患者が1例のみであり、効果の結果に影響を及ぼした可能性がある。

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骨髄腫治療におけるCAR-T細胞療法が示す可能性とその問題点(解説:藤原弘氏)-1055

 この令和元年5月初めに、NCIのKochenderfer博士等のグループからB-cell maturation antigen(BCMA)を標的分子として難治性多発性骨髄腫を対象疾患とするCAR-T細胞の1つであるbb2121を用いた第I相臨床試験の有望な観察結果がNew England Journal of Medicine誌に報告された。 bb2121はBCMAを認識するマウス抗体の短鎖・長鎖可変領域を一本鎖とした細胞外ドメイン(scFv)と4-1BBとCD3ζを直列につないだ細胞内ドメインを持つ第2世代CAR-T細胞である。CD19 CAR-T細胞での経験と同様に、CD28型第2世代CAR-T細胞(Brudno JN, et al. J Clin Oncol. 2018;36:2267-2280. )に比較して、輸注細胞の体内生存期間の延長傾向が得られている。このCAR-T細胞はBlueBird Bio/Celgeneが開発を進め、2017年にはFDAのBreakthrough Therapy designationを受けるなど、難治性骨髄腫に対する画期的な治療薬として期待されてきた経緯がある。日本国内でも、Celgeneが第II相試験(JapicCTI-184195)を計画している。 この論文も含めて、bb2121が抱える問題点は、その“瞬発力の高い抗腫瘍効果”に比べて、“再発率が高いこと”である。現在、世界で行われている骨髄腫に対するCAR-T細胞療法臨床試験の8割以上がBCMAを治療標的分子としているが、再発を抑制する、すなわち長期的な抗腫瘍効果を得るという視点に立った時、CAR遺伝子構造の改良や分子標的薬との併用といった方法でそれが達成できるのか、あるいはBCMA以外により適した標的抗原を探す必要はないのか、など課題は今も未解決である。米国・中国を中心に、さまざまな抗BCMA CAR-T細胞の開発が進められている現状、それ自体が、難治性骨髄腫に対する抗BCMA CAR-T細胞療法が、現時点では“決め手に欠ける”状況にあると感じさせる。

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第40回 入らにゃ損!在宅療養支援連絡会J-HOPとは?【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回は川添先生による全国薬剤師・在宅療養支援連絡会 J-HOPのご紹介。J-HOPでは在宅医療に関する基本的な情報や疑問などの”あるある"を検索できる「あるシェア」をはじめ、情報共有や横の連絡を大切にしています。2017年より医師、歯科医との合同大会として全国在宅医療医歯薬連合会全国大会を開催し、他職種連携のための繋がりの場ともなっています。この時代に在宅と無関係な薬剤師など存在しない!地域のドクターと繋がりが持てる!川添先生お勧め団体第1弾。

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新型タバコ時代!電子タバコと加熱式タバコは何が違う?(1)【新型タバコの基礎知識】第1回

第1回 新型タバコ時代!電子タバコと加熱式タバコは何が違う?(1)Key Points新型タバコとは、加熱式タバコと電子タバコのことを指す。加熱式タバコと電子タバコは別物だが、患者さんや一般の人は、加熱式タバコも電子タバコだと思っていることが多い。世界的には電子タバコはe-cigaretteであり、タバコではないものとして扱われる。英語論文を読む場合には要注意。タバコを吸うことは、肺がん、胃がん、大腸がんなどの多くのがん、心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患、COPDや糖尿病に加え、関節リウマチ、不妊や勃起不全など非常に多くの病態と関連することがわかっています。そしてタバコといえば、これまでずっとライターやマッチで火をつけて使う、紙巻タバコでした。本連載では、加熱式タバコと電子タバコを合わせて、新型タバコと呼びます。加熱式タバコは、海外ではheated tobacco productsと呼ばれ、日本語では加熱式タバコとなります。加熱式タバコという呼び名よりも、商品名であるアイコスやプルーム・テック、グローと言ったほうが伝わりやすいかもしれません。2014年にタバコ会社フィリップモリス・インターナショナルは世界に先駆けて、日本でアイコスの販売を開始しました。日本たばこ産業(JT)およびブリティッシュ・アメリカン・タバコは2016年からプルーム・テックおよびグローをそれぞれ販売開始しました。電子タバコは英語ではelectronic cigarettes(e-cigarettes)またはvapor(ベイパー)と呼ばれます。日本では、e-cigarettesに対する訳語として電子タバコという“タバコ”という表現を含む言葉が一般に使用されており、文字通り「電子タバコ」はタバコの一種だと考えている日本人が多いようです。私も日本の多くの人々と同様に、電子タバコはタバコの一種として扱えばよいのではないかと考えていますが、世界的にはその解釈は簡単には受け入れられないものと言えるでしょう(図)。画像を拡大する電子タバコの英語の名称(e-cigarettes)には、タバコ(tobacco)という文字は含まれていません。世界的には、英国などでは紙巻タバコに替えて電子タバコを使用することをハームリダクション*になるとして推奨している現状があるのです。いわゆるタバコは悪いものであるが、電子タバコ(e-cigarettes)は悪いものではなく、電子タバコ(e-cigarettes)はいわゆるタバコ製品ではない、とタバコ研究業界の権威者が主張しているのです。そのため、たとえば論文で電子タバコ(e-cigarettes)をタバコ製品として記述すると、「電子タバコはタバコではない」という指摘を受けることとなります。本連載では、加熱式タバコと電子タバコを合わせて新型タバコと呼びますが、世界的な英語論文ではこのようには定義されていません。新型タバコに関する英語論文や海外からの情報を読む場合には、ご注意ください。第2回では、「加熱式タバコと電子タバコの構造」についてお伝えします。*ハームリダクション:大きな害のある行動をそれよりも小さな害の行動に置き換えることで、害を完全にはなくせないが、少なくさせるという考え方。タバコ問題の場合、どうしてもタバコを止められない人に対して、代わりにニコチン入り電子タバコを吸ってもらえば、有害物質への曝露を減らせるのではないかという戦略。電子タバコがハームリダクションになるのかどうか、世界的に、専門家の間でも意見が割れている。

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パクリタキセル、薬物動態ガイド下投与で有害事象減少

 がん化学療法の有害事象の抑制に朗報となる知見が寄せられた。中国・同済大学上海肺科病院のJie Zhang氏らは、進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するカルボプラチン・パクリタキセル併用療法時のパクリタキセルの投与量について、体表面積に基づいた量と個別の薬物動態ガイド下での量を比較する、前向き無作為化臨床試験を行った。その結果、薬物動態ガイド下でのパクリタキセル投与は治療効果に悪影響を及ぼすことなくGrade4の血液毒性およびGrade2の神経障害を有意に低下させることが認められたという。British Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2019年5月11日号掲載の報告。 研究グループは、1次化学療法を受けるStage IIIB/IVのNSCLC患者319例を登録し、3週ごとのカルボプラチン・パクリタキセル併用療法を実施。1サイクル目をパクリタキセル175mg/m2で実施後、体表面積に基づいた量を投与する群(BSA群)と、血漿中パクリタキセル濃度が0.05μmol/Lを超える時間(PTXTc>0.05)が26~31時間になるよう薬物動態ガイド下で投与する群(PK群)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、Grade4の血液毒性、副次評価項目は神経障害、客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)である。 主な結果は以下のとおり。・2サイクル以上の化学療法を完了した患者は275例(86%)であった(BSA群140例、PK群135例)。・1サイクル目におけるパクリタキセルの曝露(PTXTc>0.05)は平均37時間(範囲18~57時間)であった。・2~4サイクルの間、PK群はBSA群と比較しパクリタキセルの平均投与量(128 mg/m2 vs.161mg/m2、p<0.0001)および平均曝露(29時間 vs.35時間、p<0.0001)が有意に低かった。・PK群はBSA群と比較し、Grade4の血液毒性(15% vs.24%、p=0.004)、Grade4の好中球減少症(15% vs.23%、p=0.009)、およびGrade2の神経障害(8% vs.21%、p=0.005)の発現率が有意に低かった。・PK群とBSA群で、ORR(32% vs.26%、p=0.28)およびOS(21.0ヵ月vs.24.0ヵ月、p=0.815)は同程度であった。・PFSはPK群でわずかに改善した(4.67ヵ月vs.4.17ヵ月、p=0.026)。

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小児自閉スペクトラム症に対するメマンチンの有効性と安全性~第II相多施設共同研究

 小児自閉スペクトラム症に対するメマンチン徐放性製剤(ER)治療の有効性と長期安全性を評価するため、米国・スタンフォード大学のAntonio Y. Hardan氏らは、3つの第II相試験(MEM-MD-91、MEM-MD-68、MEM-MD-69)を実施した。Autism誌オンライン版2019年4月26日号の報告。 MEM-MD-91(50週間のオープンラベル試験)は、MEM-MD-68(12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照治療中止試験)への登録のため、メマンチンER治療反応患者を同定した。MEM-MD-69(オープンラベル延長試験)では、MEM-MD-68とMEM-MD-91、MEM-MD-67(オープンラベル試験)の参加者に対し、メマンチンERで約48週間治療を行った。 主な結果は以下のとおり。・MEM-MD-91では、対人応答性尺度(SRS)による治療反応患者が12週目で517例(59.6%)であった。平均SRS合計スコアは、臨床的に重要な最小ポイント差(10点)の2~3倍改善していた。・MEM-MD-68では、メマンチンはプラセボと比較し、主要な有効性パラメータ、治療効果喪失(SRS合計スコアがベースラインから10倍増加)患者の割合において、差は認められなかった。・MEM-MD-69の探索的分析では、最初の導入研究のベースラインからSRS合計スコアが32.4(26.4)の平均標準偏差の改善が認められた。・新たな安全性の懸念は、認められなかった。 著者らは「二重盲検試験の先験的に定義された有効性の結果には到達しなかったものの、オープンラベル試験におけるベースラインからの平均SRSスコアの大幅な改善は、臨床的に重要であると考えられる」としている。

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敗血症、新規の臨床病型4つを導出/JAMA

 敗血症は異質性の高い症候群だという。米国・ピッツバーグ大学のChristopher W. Seymour氏らは、患者データを後ろ向きに解析し、宿主反応パターンや臨床アウトカムと相関する敗血症の4つの新たな臨床病型を同定した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2019年5月19日号に掲載された。明確に分類された臨床病型が確立されれば、より精確な治療が可能となり、敗血症の治療法の改善に結び付く可能性があるため、検討が進められていた。敗血症の4つの臨床病型の頻度、臨床アウトカムとの相関、死亡率などを評価 研究グループは、臨床データから敗血症の臨床病型を導出し、その再現性と、宿主反応バイオマーカーや臨床アウトカムとの相関を検討し、無作為化臨床試験(RCT)の結果との潜在的な因果関係を評価する目的で、後ろ向きにデータ解析を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 敗血症の臨床病型は、ペンシルベニア州の12の病院(2010~12年)を受診し、6時間以内にSepsis-3の判定基準を満たした2万189例(1万6,552例のunique patientを含む)のデータから導出した。 再現性と、生物学的パラメータおよび臨床アウトカムとの相関性の解析には、2次データベース(2013~14年、全4万3,086例、3万1,160例のunique patientを含む)、肺炎に起因する敗血症の前向きコホート研究(583例)および3件の敗血症のRCT(4,737例)のデータを用いた。 評価項目は、導出された臨床病型(α、β、γ、δ)の頻度、宿主反応バイオマーカー、28日および365日時点の死亡率、RCTのシミュレーション出力とした。敗血症の臨床病型の実臨床における効用性確立には、新たな研究が必要 解析コホートには、敗血症患者2万189例(平均年齢64[SD 17]歳、男性1万22例[50%]、SOFAスコアの最長24時間平均値3.9[2.4]点)が含まれた。検証コホートは、4万3,086例(67[17]歳、男性2万1,993例[51%]、3.6[2.0]点)であった。 導出された敗血症の4つの臨床病型のうち、α型の頻度が最も高く(6,625例、33%)、この型は入院中の昇圧薬の投与日数が最も短かった。β型(5,512例、27%)は高齢で慢性疾患や腎不全の罹患者が多く、γ型(5,385例、27%)は炎症の測定値が上昇した患者や肺機能不全の患者が多く、δ型(2,667例、13%)は肝不全や敗血症性ショックの頻度が高かった。 検証コホートでも、敗血症の臨床病型の分布はほぼ同様であった。また、臨床病型によるバイオマーカーのパターンには、一貫した違いが認められた。 解析コホートの累積28日死亡率は、α型が5%(unique patient、287/5,691例)、β型が13%(561/4,420例)、γ型が24%(1,031/4,318例)、δ型は40%(897/2,223例)であった。すべてのコホートと試験における28日および365日死亡率は、δ型が他の3つの型に比べ有意に高かった(p<0.001)。 シミュレーションモデルでは、治療に関連するアウトカム(有益、有害、影響なし)は、これら敗血症の臨床病型の分布の変化と強く関連した(たとえば、早期目標指向型治療[EGDT]のRCTで臨床病型の頻度を変化させると、>33%の有益性から>60%の有害性まで、結果の可能性が変動した)。 著者は、「実臨床におけるこれら臨床病型の有用性を確定し、試験デザインやデータの解釈に有益な情報をもたらすには、さらなる研究を要する」としている。

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脳内出血生存例への抗血小板療法は安全か/Lancet

 脳内出血の生存例は、出血性および閉塞性の血管疾患イベントのリスクが高いが、これらの患者で抗血小板薬が安全に使用可能かは明らかでないという。英国・エジンバラ大学のRustam Al-Shahi Salman氏らRESTART試験の研究グループは、抗血栓療法中に脳内出血を発症した患者への抗血小板療法は、これを行わない場合と比較して脳内出血再発率が低い傾向にあり、安全性は保持されることを示した。研究の詳細はLancet誌オンライン版2019年5月22日号に掲載された。再発リスクが閉塞性血管イベント抑制効果を上回るかを検証 研究グループは、脳内出血の再発予防における抗血小板薬の有効性を評価し、再発のリスクが閉塞性血管イベントの抑制効果を上回るかを検証する目的で、非盲検エンドポイント盲検化無作為化試験を行った(英国心臓財団の助成による)。 対象は、抗血栓療法中に脳内出血を発症したため治療を中止し、その後、発症から24時間以上生存し、閉塞性血管疾患の予防のために抗血栓薬(抗血小板薬、抗凝固薬)の投与を受けている年齢18歳以上の患者であった。 被験者は、抗血小板療法を行う群と行わない群に無作為に割り付けられた。主要アウトカムは、最長5年の症候性脳内出血の再発とした。再発率:4% vs.9%、閉塞性血管イベント発生率:15% vs.14% 2013年5月~2018年5月までに、脳内出血生存例537例(発症からの期間中央値76日[IQR:29~146])が登録された。抗血小板療法群に268例、非血小板療法群には269例(1例が脱落)が割り付けられた。追跡期間中央値は2.5年(IQR:1.0~3.0、追跡完遂率:99.3%)だった。 ベースラインの全体の平均年齢は76歳、約3分の2が男性で、92%が白人であった。62%が脳葉出血で、88%に1ヵ所以上の閉塞性血管疾患(ほとんどが虚血性心疾患、脳梗塞、一過性脳虚血発作)の既往があり、割り付け時に約4分の3が高血圧、4分の1が糖尿病や心房細動を有していた。 脳内出血再発率は、抗血小板療法群が4%(12/268例)と、非血小板療法群の9%(23/268例)に比べ低い傾向がみられたものの、有意な差はなかった(補正後ハザード比[HR]:0.51、95%信頼区間[CI]:0.25~1.03、p=0.060)。 主な出血イベント(再発性症候性脳内出血[主要アウトカム]、外傷性頭蓋内出血など)の発生率は、抗血小板療法群が7%(18例)、非血小板療法群は9%(25例)であり、有意差は認めなかった(補正後HR:0.71、95%CI:0.39~1.30、p=0.27)。また、主な閉塞性血管イベント(脳梗塞、心筋梗塞、腸間膜虚血、末梢動脈閉塞、深部静脈血栓症など)の発生率は、それぞれ15%(39例)および14%(38例)と、こちらも両群に有意差はみられなかった(1.02、0.65~1.60、p=0.92)。 著者は、「脳内出血例における閉塞性血管疾患の予防ための抗血栓療法では、抗血小板療法による脳内出血の再発リスクの増加はきわめてわずかであり、おそらく2次予防において確立された抗血小板薬の有益性を超えるものではない」とまとめ、「現在、別の無作為化試験が進行中であり、本試験と合わせたメタ解析や、適切な検出力を持つ信頼性の高い無作為化試験が求められる」としている。

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学会員のゲノム解析から成果を発信

日本人のアンチエイジングのために学会員の遺伝子解析に乗り出した日本抗加齢医学会。本学会の理事長である堀江 重郎氏(順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授)に研究目的やアンチエイジングの展望について聞いた。遺伝子研究はアンチエイジングの第一歩老化のメカニズム解明は、この10年で飛躍的な進化を遂げています。われわれの課題は、その成果を老化予防に活用できる医療へ変換していくことです。性格や骨格、顔貌などは、ゲノムによって支配されています。テクノロジーによってゲノムに介入できれば、根本的なアンチエイジングが達成できるはずですが、そのためにはゲノム医療を「使える医療へ発展させていく」ことが求められます。アンチエイジングにおけるゲノム医療の発展を目指すため、日本抗加齢医学会はジェネシスヘルスケア株式会社と提携し、「アンチエイジング全ゲノム解析」臨床研究プロジェクトを立ち上げました。20年前、1人の全ゲノムをシークエンスするためには、200億円もの費用と10年の歳月が必要でした。それが今では10万円、約1日で解析が可能なところまできました。半導体開発の高速化と低価格化が寄与しています。この研究では、加齢度の生理データと病歴・食事・運動習慣などの加齢調査票を組み合わせて解析することで、アンチエイジングと関連する遺伝子群を探索します。また、全ゲノム解析に加えて、エピゲノム(遺伝子修飾)による日本人の遺伝子年齢時計も作成していきます。このプロジェクトのユニークな点は、学会員自らの全ゲノムを解析することです。本学会員はさまざまな医療従事者が約9,000人加入していますが、この研究プロジェクトには主に医師が参加する予定です。抗加齢に関する指標を推定した後に、自身の遺伝子情報が含まれたデータを解析します。およそ1,000人のゲノム解析を行うことで、「ハツラツ」とした健康長寿を国民が享受し、社会貢献できる人口の増大と医療費抑制に貢献することを目標としています。抗加齢医学にテストステロンは不可欠アンチエイジングに関係するホルモンの1つにテストステロンがあり、もともとは獲物を取る意欲を高めるために必要なホルモンでした。現代で言えば、社会で活躍し健康に楽しく暮らすために必要な物質ですが、テストステロンとその受容体は加齢に伴い減少していきます。生活習慣病や加齢による筋力低下を防ぐために運動療法が推奨されますが、テストステロンが減少している状態で運動を行っても筋肉はつかず、むしろ転倒してけがの原因になってしまいます。テストステロンを補充してから運動してこそ筋肉がつき、運動の価値も高まるわけです。現在、テストステロンの低下は病気と判断されず、テストステロン補充療法は保険上認められていません。しかし、このような背景をしっかり踏まえた上でテストステロン補充の保険収載が認められるべきだと考えています。近年、遺伝子の老化度を示すものとして、テロメアの長さが注目されています。テロメアは染色体のなかでタンパク質をコードしていない部分で、細胞分裂により長さが変化します。テロメアは生まれたときから短い人もいれば生活環境や病気などで長短が変動する場合もあり、寿命に影響を及ぼします。テロメアは、テロメアーゼという逆転写酵素の働きによって伸長することが明らかになっており、驚くことに、テストステロンにはテロメアーゼを活性化させる効果があります。テロメアの長さを遺伝子解析と同時に調べて、テストステロンを含む最も効果的な延伸方法を考えるのが、遺伝子のアンチエイジングではないでしょうか。「人間とはなんだ」という根底にある考え方に基づきアンチエイジングを理解し、実践していくことが本学会の役割であると考えています。今回の学術総会では、理事長提言の場で学会員の遺伝子研究についてお話する予定です。ぜひ、学会員以外の方もお越しください。メッセージ(動画)

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CareNeTVプレミアム会員限定 長門流 認定内科医試験 直前対策LIVE!2019

「長門流 認定内科医試験 直前対策LIVE!2019」概要日 時 :2019年6月23日(日)15:00~17:00ごろ(休憩 10分)概 要 :CareNeTVプレミアム会員限定「長門流 認定内科医試験 直前対策LIVE!2019」講 師 :長門 直氏(中国中央病院 内科部長)会 場 :インターネット配信受講料 :無料(CareNeTVプレミアム会員限定)視聴ページへは CareNeTVトップページ からアクセスできます。対象はCareNeTVプレミアム会員のみです。CareNeTVプレミアムにご入会いただくと当日のライブを視聴することができます。※視聴ページはライブ配信開始直前に公開いたします。内科系に進む医師にとっての最初の登竜門「認定内科医試験」。年に1度のチャンスだけに一発でクリアしたいところ。そこでCareNeTVでは、今年7月7日に受験する方々のためだけに、プレミアム会員限定の直前インターネットライブ講義を開催します。講師は、CareNeTVの総合内科専門医試験・認定内科医試験対策番組で毎年出題傾向を予測し、高い的中率で支持されている長門 直先生。ライブだからこそ話せる際どい部分も含め、予想される出題のポイントを2時間でズバズバ解説していきます。認定内科医試験受験者の皆さん、ラストスパートは、この直前LIVE!で合格を確かなものにしてください。視聴環境について本ライブは、PC、スマートフォン、タブレットでご視聴いただけます。視聴環境についてはこちら視聴環境のチェックページはこちらスマートフォン、タブレット用アプリの詳細・ダウンロードはこちら配信 株式会社ブイキューブ開催当日のお問い合わせ窓口 TEL:03-6738-8185(受付時間 9:00~21:00)視聴ページへは CareNeTVトップページ からアクセスできます。対象はCareNeTVプレミアム会員のみです。CareNeTVプレミアムにご入会いただくと当日のライブを視聴することができます。※視聴ページはライブ配信開始直前に公開いたします。

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