サイト内検索|page:810

検索結果 合計:36088件 表示位置:16181 - 16200

16181.

認知症リスクに対するPTSDの影響~メタ解析

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、認知症発症の潜在的なリスク因子といわれている。しかし、このリスクを定量化するためのメタ解析はこれまで実施されていなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のMia Maria Gunak氏らは、一般集団におけるPTSDに関連する将来の認知症リスクを定量化するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。The British Journal of Psychiatry誌オンライン版2020年9月15日号の報告。 2019年10月25日までのPTSDと認知症リスクを評価した縦断的研究を、9つの電子データベースより検索した。研究全体の推定値をプールし、ランダム効果と固定効果モデルのメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・PTSDは、すべての原因による認知症リスクと有意に関連していることが認められた(プールされたハザード比[HR]:1.61、95%CI:1.43~1.81、I2=85.8%、p<0.001、169万3,678例、8研究)。・プールされたHRは、退役軍人で1.61(95%CI:1.46~1.78、I2=80.9%、p<0.001、90万5,896例、5研究)、一般集団で2.11(95%CI:1.03~4.33、I2=91.2%、p<0.001、78万7,782例、3研究)であった。・バイアスリスクが高い研究を除外してもなお、PTSDと認知症との間には有意な関連が認められた(HR:1.55、95%CI:1.39~1.73、I2=83.9%、p<0.001、168万4,928例、7研究)。・ほとんどの研究がレトロスペクティブに実施されており、エビデンスの不均一性は高かった。 著者らは「本研究は、PTSDと認知症リスクの関連を定量化した初めての研究である。PTSDは、すべての原因による認知症の強力かつ潜在的に修正可能なリスク因子であることが示唆された。今後は、潜在的なメカニズムやPTSD治療による認知症予防効果を調査するための研究が求められる」としている。

16182.

患者人生に寄り添った治療法説明のために-協働意思決定の普及を

 Shared Decision Making (SDM、協働意思決定)をご存じだろうか? SDMとは、医療者と患者が治療法のエビデンスや患者を取り巻く環境、患者とその家族の治療生活に対する希望についての情報を共有し、一緒に治療方針を決めていくプロセスのことである。治療が患者のその後の人生を大きく左右するがんや末期腎不全などでは、早い段階で患者と医療者が話し合いの場を持ち互いに理解することが重要なため、このようなプロセスが必要とされる。 たとえば、末期腎不全患者に腎代替療法を説明する際、患者には腹膜透析、血液透析、腎移植の3つの選択肢がある。ところが、現状では医師の判断により1つの治療法しか患者に説明されていない場合が多いと言われている。また、患者にとっての最善の治療とは、エビデンスが優れている方法であると同時に患者自身の生活設計に見合ったものである。これらを解決するには、治療の前段階で患者と医療者との話し合う場、より良い治療選択の場を増やすことが必要であり、そのためのSDM普及が医療者に求められている。 SDM普及により期待されることは以下のとおり。・決定困難な臨床的決断を容易にする―合併症が多い高齢患者さんの腎代替療法―緩和/保存的治療・血液透析・腹膜透析・診療の質改善―患者さんの主体的参加―治療遵守度向上―治療選択の地域差・施設間格差が軽減 等・患者満足度の向上・緊急透析導入の回避につながることで、患者さんの計画的透析導入を強化・上記による医療費軽減 この普及活動とともに日本でSDMを支援するさまざまなツールや教材を開発・提供することで患者支援を行っているのが腎臓病SDM推進協会である。本協会のホームページ上には腎代替療法が始まる前から患者と医療者が話し合えるよう、事前に患者の不安を共有する際に有用な冊子も公開されている。 このほか、腎臓病SDM推進協会では、SDMの理解を進め、実践を支援するための医療者向けセミナーを2018年より毎年開催しているが、本年はコロナ禍によって見合わせとなった。その代わりホームページ上に『WEBで学ぶSDM ~基礎編~』を公開している。活用タイミングは大きな治療選択を迫る時だけではない 2019年より透析患者・保存期腎不全患者用の経口腎性貧血治療薬が続々と発売されている。既存の注射薬のエリスロポエチン製剤からの切り替えにより、身体への負担が軽減されるなどのメリットが期待されている一方で、副作用の懸念も大きい。治療法のように大きな決断を迫る時だけではなく、日々の処方切り替え時にも、SDMの活用が有用かもしれない。

16183.

CAR-T細胞製剤liso-cel、再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫でCR53%/Lancet

 CD19を標的とする自家キメラ抗原受容体発現T細胞(CAR-T細胞)製剤lisocabtagene maraleucel(liso-cel)は、さまざまな組織学的サブタイプや高リスクの病型を含む再発・難治性の大細胞型B細胞性リンパ腫患者の治療において、高い客観的奏効率をもたらし、重度のサイトカイン放出症候群や神経学的イベントの発生率は低いことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJeremy S. Abramson氏らが行った「TRANSCEND NHL 001試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年9月19日号に掲載された。liso-celは、さまざまなサブタイプの再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫で高い奏効率と持続的な寛解が報告されているが、高齢者や併存疾患を持つ患者、中枢神経リンパ腫などの高リスク集団のデータは十分でないという。シームレス・デザインの多コホート試験で安全性と有効性を評価 本研究は、米国の14のがんセンターが参加したシームレス・デザイン(seamless design)の多コホート試験であり、2016年1月11日~2019年7月5日の期間に、個々の患者のCAR+T細胞を作製するための白血球アフェレーシスが実施された(Juno TherapeuticsとBristol-Myers Squibbの助成による)。 対象は、年齢18歳以上の再発・難治性大細胞型B細胞性リンパ腫で、組織学的サブタイプとして、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、MYCおよびBCL2とBCL6の両方か一方の再構成を伴う高悪性度B細胞性リンパ腫(double-hitまたはtriple-hitリンパ腫)、インドレントリンパ腫から形質転換したびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、原発性縦隔B細胞性リンパ腫、Grade3Bの濾胞性リンパ腫が含まれた。 liso-celは、2つの組成(CD8+CAR+T細胞、CD4+CAR+T細胞)として連続的に投与され、被験者は4つの用量(50×106 CAR+T細胞[レベル1]、50×106 CAR+T細胞を2回[レベル1D]、100×106 CAR+T細胞[レベル2]、150×106 CAR+T細胞[レベル3])のうち1つを投与する群に割り付けられた。 主要エンドポイントは、有害事象、用量制限毒性、客観的奏効率(Lugano基準で評価)とした。有効性の評価は、PETで確定され1回以上のliso-celの投与を受けたすべての患者を対象に、独立判定委員会によって行われた。客観的奏効率73%、完全奏効率53% 344例がCAR+T細胞(liso-cel)を作製するための白血球アフェレーシスを受け、このうち269例が少なくとも1回のliso-celの投与を受けた。レベル1に45例、レベル1Dに6例、レベル2に177例、レベル3に41例が割り付けられた。 全体の年齢中央値は63歳(IQR:54~70、範囲:18~86)、112例(42%)が65歳以上で、男性が65%であった。全身療法の前治療レジメン数中央値は3(IQR:2~4、範囲:1~8)で、260例(97%)が2ライン以上を受けていた。また、181例(67%)が化学療法抵抗性で、2次性中枢神経リンパ腫が7例(3%)含まれた。119例(44%)は、前治療で一度も完全奏効を達成していなかった。 白血球アフェレーシスを受けた344例のフォローアップ期間中央値は18.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:15.0~19.3)であった。全体として、liso-celの安全性と抗腫瘍活性には用量による差はなく、推奨至適用量は100×106 CAR+T細胞(50×106 CD8+CAR+T細胞、50×106 CD4+CAR+T細胞)であった。 有効性の評価は256例で行われた。このうち、客観的奏効は186例(73%、95%CI:66.8~78.0)で得られ、136例(53%、46.8~59.4)で完全奏効が達成された。 頻度の高いGrade3以上の有害事象として、好中球減少が161例(60%)、貧血が101例(37%)、血小板減少が72例(27%)に認められた。また、サイトカイン放出症候群は113例(42%)、神経学的イベントは80例(30%)で発現し、このうちGrade3以上はそれぞれ6例(2%)および27例(10%)であった。用量制限毒性は9例(6%)でみられ、このうち1例(50×106 CAR+T細胞)がびまん性肺胞傷害によって死亡した。最大耐用量は特定されなかった。 著者は、「これらのデータは、65歳以上の高齢者や中等度の併存疾患を有するさまざまなサブタイプの高リスク大細胞型B細胞性リンパ腫患者の治療におけるCAR-T細胞療法の使用を支持するものである。現在、初回再発時の大細胞型B細胞性リンパ腫や他の再発・難治性のB細胞性腫瘍における評価が進められている」としている。

16184.

10月からロタワクチン定期接種化、知っておくべきことは?

 10月1日より、ロタウイルス胃腸炎のワクチンが定期接種となった。これに先立ってMSDが主催したプレスセミナーにおいて、日本大学の森岡 一朗氏(小児科学系小児科学分野)が疾患の特性やワクチン接種時の注意点について解説した。 ロタウイルス胃腸炎は冬の終わりから春にかけて流行する急性疾患で、下痢、嘔吐、発熱などの症状を引き起こす。ロタウイルスワクチンが導入される前は、国内で毎年約80万人が罹患し、7~8万人が入院し1)、数名が死亡していた。感染するのは5歳までの乳幼児が中心だが、5歳までの入院を要する下痢症に占める割合は42~58%と推計される2)。最近では5歳以上の幼児の感染が増加しており、10~20代の感染報告もある。糞口感染し、感染力が非常に強いことが特徴で、先進国においても乳幼児下痢症の主要原因であり、院内感染や保育所等での集団感染の報告例も多い。感染した場合、抗ウイルス薬などの治療法はなく、経口補液や点滴などの対症療法が中心となる。 ほとんどの乳幼児が2歳までに1度は感染するが、1回の感染では完全な予防免疫は得られないため、ワクチンが有効な感染・重症化予防策となる。ロタウイルスワクチンは2011年から導入されているが、これまで任意接種だったため、計2~3万円の費用がかかっていた。今回の定期接種化の対象は2020年8月1日以降に生まれた子で、指定期間内に接種すれば全額が補助される。ロタウイルスワクチンには1価と5価の2種類があり、1価は2回、5価は3回接種となるが、効果に差はない。 ロタウイルスワクチンの副反応として腸重積症の増加が懸念されてきたが、厚生科学審議会がロタウイルスワクチン導入前後の国内における5歳未満の腸重積症入院例を調査し、ワクチン導入後の腸重積症の増加のリスクよりもロタウイルス胃腸炎の予防のベネフィットが上回るとして、今回の定期接種化に踏み切った。定期接種化によって接種率のさらなる向上が見込まれる。

16185.

胃がんのニボルマブ+化学療法1次治療、PFS改善(ATTRACTION-4)/ESMO2020

 国立がん研究センター中央病院消化管内科の朴 成和氏は、HER2陰性(HER2-)で未治療の切除不能な進行・再発の胃・胃食道接合部がん患者を対象としたニボルマブ+化学療法併用群(ニボルマブ併用療法群)とプラセボ+化学療法群(化学療法群)を比較した第II/III相臨床試験であるATTRACTION-4試験の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で発表。ニボルマブ併用により無増悪生存期間(PFS)は統計学的に有意な延長を認めたものの、全生存期間(OS)では統計学的に有意な延長は認めなかったと報告した。ATTRACTION-4試験から、ニボルマブ併用が胃がん1次治療の新たな選択肢に・対象:未治療のHER2-進行・再発胃・食道胃接合部がん(PS 0~1)724例・試験群:ニボルマブ360mg/日3週ごと+化学療法はSOX(S-1+オキサリプラチン3週ごと)あるいはCapeOX(カペシタビン+オキサリプラチン3週ごと)(ニボルマブ併用群、362例)・対照群:プラセボ+SOXあるいはCapeOX(化学療法群、362例)・評価項目:[主要評価項目]独立画像判定委員会の判定に基づく無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]研究者の判定に基づくPFS、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効までの期間(TTR)、最良奏効率(BOR)、安全性 ATTRACTION-4試験の主な結果は以下のとおり。・中間解析での独立画像判定委員会の判定に基づくPFS中央値は、ニボルマブ併用群が10.45ヵ月、化学療法群が8.34ヵ月で、ニボルマブ併用群において統計学的に有意な延長を示した(HR:0.68、98.51%CI:0.51~0.90、p=0.0007)。・1年PFS率はニボルマブ併用療法群が45.4%、化学療法群が30.6%であった。・OS中央値は、ニボルマブ併用療法群が17.45ヵ月、化学療法群が17.15ヵ月で両群間で統計学的に有意な差は認められなかった(HR:0.90、95%CI:0.7~1.08、p=0.257)。・ORRはニボルマブ併用療法群が57.5%、化学療法群が47.8%であった(p=0.0088)。・DoR中央値はニボルマブ併用療法群が12.91ヵ月、化学療法群が8.67ヵ月であった。・DCRはニボルマブ併用療法群が71.8%、化学療法群が68.5%であった。・TTRは両群とも1.4ヵ月であった。・Grade3~4の治療関連有害事象の発現率はニボルマブ併用療法群が57.1%、化学療法群が48.6%であった。 朴氏はATTRACTION-4試験ではOSの有意差は示せなかったものの、ORRはニボルマブ併用療法群で高率であり、持続性のある奏効状態が認められ、かつ安全性は管理可能なレベルだったと指摘。化学療法でのニボルマブ併用は「未治療の切除不能な進行・再発胃がん・食道胃接合部がんの一次治療での新たな選択肢となりうる」との見解を示した。

16186.

アテゾリズマブおよびベバシズマブ、肝細胞がんに国内承認/中外

 中外製薬はアテゾリズマブ(商品名:テセントリク)およびベバシズマブ(商品名:アバスチン)について、切除不能な肝細胞がん(HCC)に対する適応追加の承認を、2020年9月25日、厚生労働省より取得したと発表。同治療は、2020年4月に優先審査に指定され、承認申請より7ヵ月での承認取得となった。 今回の承認は、全身薬物療法未施行の切除不能なHCCを対象に実施された第III相試験IMbrave150試験の成績に基づいている。アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法は、ソラフェニブ単剤と比較し、死亡リスクを42%、病勢進行または死亡リスクを41%減少させた(OSハザード比:0.58、95%CI:0.42~0.79、p=0.0006[層別log-rank検定])(PFSハザード比:0.59、95%CI:0.47-0.76、p

16187.

1日1回投与の長時間作用型COMT阻害薬「オンジェンティス錠25mg」【下平博士のDIノート】第59回

1日1回投与の長時間作用型COMT阻害薬「オンジェンティス錠25mg」今回は、末梢COMT阻害薬「オピカポン錠(商品名:オンジェンティス錠25mg、製造販売元:小野薬品工業)」を紹介します。本剤は、血漿中レボドパの脳内移行を効率化することで、パーキンソン病の日内変動を改善してOFF時間を短縮することが期待されています。<効能・効果>本剤は、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)改善の適応で、2020年6月29日に承認され、2020年8月26日より発売されています。なお、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩による治療において、十分な効果の得られない患者に限り使用することができます。<用法・用量>通常、成人にはオピカポンとして25mgを1日1回、レボドパ・カルビドパまたはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の投与前後および食事の前後1時間以上空けて経口投与します。<安全性>国内第II相試験の安全性評価対象428例中、215例(50.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、ジスキネジア74例(17.3%)、便秘24例(5.6%)、幻覚19例(4.4%)、起立性低血圧18例(4.2%)、体重減少16例(3.7%)、悪心15例(3.5%)、幻視12例(2.8%)、口渇、傾眠各9例(2.1%)でした(承認時)。なお、重大な副作用として、ジスキネジア(17.3%)、幻覚(4.4%)、幻視(2.8%)、幻聴(0.7%)、せん妄(0.5%)、傾眠(2.1%)、前兆のない突発的睡眠(1.2%)があります。<患者さんへの指導例>1.この薬は、レボドパを分解する酵素の働きを抑えることで、脳内で不足しているドパミンを増やし、レボドパ製剤の効果が低下するOFF時間を短くします。2.食事やレボドパ製剤服用の前後1時間を避けて、毎日同じ時間帯に服用する必要があります。服用タイミングが難しい場合はご相談ください。3.体が勝手に動く、耐え難い眠気が突然現れる、ギャンブルや買い物、暴食などの衝動が抑えられない、実際にはないものがあるように感じる、便秘症状が強いなど、気になる症状がある場合はご連絡ください。4.眠気、立ちくらみ、めまいなどが現れることがあるので、自動車の運転、高所での作業など、危険を伴う作業は行わないでください。また、起立性低血圧などを引き起こす可能性があるので、転倒に伴うけがには十分に注意して生活してください。<Shimo's eyes>パーキンソン病の薬物療法では、病状の進行に伴ってレボドパ製剤の作用持続時間が短縮し、症状の日内変動(wearing-off現象)が発現することがあります。そのような場合には、COMT阻害薬、MAO-B阻害薬などのドパミン附随薬の併用が検討されます。本剤は、エンタカポン(商品名:コムタンほか)に続く2番目のCOMT阻害薬です。エンタカポンは、レボドパ製剤と同時に1日数回服用する必要がありますが、本剤は長時間作用型であるため1日1回投与となっています。本剤は血液脳関門(BBB)を通過せず、末梢でのレボドパ分解を抑制して脳内へのレボドパ移行率を高める薬剤です。レボドパ・カルビドパ(同:ネオドパストン、メネシットほか)または、レボドパ・ベンセラジド塩酸塩(同:マドパー、イーシー・ドパールほか)と併用して用いることで効果を発揮します。副作用では、レボドパのドパミン作動性により引き起こされるジスキネジア、幻覚、悪心、嘔吐、起立性低血圧などに注意が必要です。相互作用については、本剤はカテコール基を持つ薬物全般の代謝を阻害するため、COMTにより代謝される薬剤(アドレナリン、ノルアドレナリン、dl-イソプレナリンなど)だけでなく、MAO-B阻害薬(セレギリンなど)、三環系・四環系抗うつ薬、ノルアドレナリン取込み阻害作用あるいは放出促進作用を有する薬剤(SNRI、NaSSAなど)との併用によっても、作用が増強して血圧上昇などを引き起こす恐れがあります。また、本剤は消化管内で鉄とキレートを形成する可能性があり、本剤と鉄剤それぞれの効果が減弱する恐れがあるため、鉄剤とは少なくとも2~3時間以上空けて服用する必要があります。本剤は、1日1回1錠の投与で良好なアドヒアランスが期待できますが、毎日一定の時間帯に服用する必要があり、最適な服用タイミングは患者さんの生活リズムによって変わります。できる限り少ない負担で続けられる時間帯を確認するなど、適切なフォローを心掛けましょう。参考1)PMDA 添付文書 オンジェンティス錠25mg

16188.

慣れない環境で仕事と臨床研究を並行することにした理由【臨床留学通信 from NY】第13回

第13回:慣れない環境で仕事と臨床研究を並行することにした理由1年目のインターン期間は、そもそも異国で医療をするということや、日本とは大きく異なる医療や教育の仕組みを学び、かつ英語力もある程度のレベルまでは自然と身に付くという点ではエキサイティングですが、日本ではアテンディング(指導医)だった立場からレジデントに逆戻りすることで、雑務も多く、仕事だけに充実感を求めるのは難しいことは当初からわかっていました。そのため、レジデントとしての仕事はきちんとしつつも、空き時間には積極的に臨床研究をしようと、渡米する段階から決めていました。それができることも、渡米の理由の1つでした。幸いにも、日本にいた間に多くの先生方に師事し、大学病院でなくとも臨床研究を学ぶ機会をいただいたので、まずはそれを継続しました。一方で、勤務先は大学病院ではなく大学関連病院のため、大きなデータベースがないことは事前に知っていたので、メタ解析の方法を勉強して臨床研究を続ける作戦としました。なかなか思い描くようにいかないこともありましたが、前回のコラムでご紹介した高木 寿人先生の指導で、何とか1つずつ論文化を進めていくうちに、だんだん軌道に乗ってきました。もちろんオリジナル研究には及ばない点が多くありますが、メタ解析による臨床研究は、コストが掛からず環境にも左右されない上、地道な論文作業からは確実に学びがあります。米国では、どんな環境でも、early careerであっても、論文を書いて発表する機会を得られるのが大きなメリットだと思います1)。もちろん、論文作成そのものが世の中のためになる、という漠然としたものだけではなく、ひいては自身のキャリア形成や、フェローシップのアプライなど含め、外国人として米国でいかにポジションを獲得し続けるかという点でも重要になります。また、リサーチをしつつ学会発表を数多くできるのも留学の利点です。現在はコロナの影響でなかなか難しくなりましたが、プログラム側も1つの学会につき800ドルを支給してくれるため、循環器の主要な学会であるAHA・ACC・TCTなどにも気軽に参加できるため、それを目標に研究を進めるのも楽しみでありました。地道な頑張りは、プログラムにおける日本人の評価の向上につながります。その積み重ねが、日本から留学してきた後進の採用にもつながると思います2)。そうした願いも込めて、気を引き締めて仕事と研究に一層取り組んでいきたいと思っています。 参考1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/?term=toshiki+kuno+hiroki+ueyama&sort=date&size=1002)https://twitter.com/MSBI_IMColumnこちらニューヨークは日本と同様に秋や春がありますが、あっという間に寒くなります。今年もインフルエンザワクチンを接種する季節になってきました。我々のグループからは、インフルエンザのシーズンではなかった3~5月のCOVID-19パンデミック中のインフルエンザの共感染率は0.3%と極めて低かったのですが1)、逆にシーズン中だと共感染する割合が高いというデータもあり2)、冬に備える必要があります。もちろん最初にCOVID-19と対峙した頃は、類似症状もあったため、盲目的にインフルエンザのテストをせざるを得なかったのですが、陽性率が低いことが病院として、また経験として蓄積されていくにつれ、次第に検査をしなくなっていった経緯があります。1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32910466/2)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7250072/pdf/main.pdf

16190.

臨床上の疑問とリサーチ・クエスチョン【「実践的」臨床研究入門】第1回

学会抄録締切前に良くある? 風景指導医Aそろそろ〇〇学会の抄録締切だね。外来の慢性腎臓病患者さんに対する食事療法のデータも集まってきたし、何か演題出せないかな。専攻医Bデータ・セットはもうあるのですか?指導医Aうん、このUSBに途中までは入力してあるから、足りないところは補って統計解析してみてよ。専攻医Bところで、何について統計解析すれば良いのですか?指導医Aそうだなぁ。あまりよく考えてないけれど、“食事療法と患者予後”みたいな感じでどうかな。それで、どうにか有意差出してみてよ。よろしくね!専攻医Bわかりました、やってみます…(病棟業務で忙しいのに…泣)学会抄録締切直前になると、日本全国の病棟や医局でこのような風景がよくみられるのではないでしょうか。 この架空のシナリオに登場した指導医A先生の発言には、丸投げ感満載の若干パワハラ(アカハラ?)チックな面は置いておくとしても、キチンとした臨床研究を実践するうえで、いくつかの問題点があります。クリニカル・クエスチョンとリサーチ・クエスチョンクリニカル・クエスチョン(CQ)とは臨床現場で日々生じる「漠然とした臨床上の疑問」です。指導医A先生は「“食事療法と患者予後”みたいな感じ」と言っているので、“食事療法と患者予後”について何かCQを持っているのかもしれません。たとえば、「食事療法を遵守すると慢性腎臓病患者の腎予後は本当に改善するのだろうか」というような。リサーチ・クエスチョン(RQ)はこの「漠然とした臨床上の疑問」であるCQを「具体的で明確な研究課題」に落とし込んだものです。別の言い方をすれば、RQとは「臨床研究で明らかにしたい臨床上の疑問を、具体的かつ明確に示した短い文」です。典型的なRQは「ある疾患を有する患者にAという治療を行った場合と、行わなかった場合を比較して生命予後に違いがあるだろうか?」というような疑問文の形をとることが多いです。また、RQは以下の4つの要素によって構成されることが一般的です。Patients(対象)Exposure(曝露要因)もしくはIntervention(介入)Comparison(比較対照)Outcome(アウトカム)これらの4つの要素は頭文字を並べてPECOまたはPICOと呼ばれます。このPE(I)COは「漠然とした臨床上の疑問」であるCQを「具体的で明確な研究課題」であるRQに「流し込む」際の、代表的な「鋳型」になります。また、この「鋳型」は臨床研究立案だけでなく臨床研究論文を読み解く際にも有用なツールとなりますので、PE(I)COの要素を意識しながら論文を読んでいただくと良いと思います。臨床上の疑問の定式化:PE(I)CO 指導医A先生の「“食事療法と患者予後”みたいな感じ」のままでは箸にも棒にもかかりません。この発言を忖度して、前述のとおり推察して考えた仮のCQを「食事療法を遵守すると慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか」、としたとします。このCQをもとに、丸投げされてかわいそうな専攻医B先生の身になって、まずはざっくりとRQの典型的な「鋳型」であるPE(I)COへ「流し込む」ことを考えてみましょう。この手順を「臨床上の疑問の定式化」とも言います。CQ:食事療法を遵守すると慢性腎臓病患者の腎予後は改善するのだろうか↓P:慢性腎臓病患者 E:食事療法の遵守C:食事療法の非遵守O:腎予後このように、ざっくりとしたRQ(PECO)を立てたあとは、PECOそれぞれの要素を具体的かつ明確なカタチに磨き上げる必要があります。次回は、RQをブラッシュアップする過程について解説します。1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.

16191.

第28回 新型コロナウイルスのまたぞろ悪知恵、はたまたご利益?~鎮痛作用を発見

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の手の内はまだまだ出尽くしていないようで、またもや思ってもみない奥の手・鎮痛作用を米国アリゾナ大学のRajesh Khanna氏率いるチームが発見し、その仕組みを明らかにしました1,2)。すでに広く知られているようにSARS-CoV-2は手持ちのスパイクタンパク質とヒト細胞膜のACE2受容体の連結を介して感染を確立します。biorxivに最近掲載された2つの査読前報告3,4)でスパイクタンパク質は別の受容体・ニューロピリン1(NRP1)の細胞外領域b1b2にも結合し、その結合も細胞感染を助けていると示唆されました。NRP1のb1b2領域は生来のリガンド・VEGF-Aの結合領域でもあります。VEGF-AがNRP1に結合して生じる信号伝達は神経を過度に興奮させて、痛みを誘発します。アリゾナ大学チームの今回の研究の結果、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質はそのVEGF-A信号伝達を遮断し、VEGF-Aによる痛みをすっかり解消することがラット実験で確認されました。がん治療を目的に開発されたb1b2領域遮断化合物EG002295)もスパイクタンパク質と同様の鎮痛作用があることも示され、さらに研究を進めれば、乱用が問題となっているオピオイドに代わるNRP1標的鎮痛薬を生み出せそうです。アリゾナ大学のチームは天然成分を起源とするNRP1標的鎮痛薬の設計にすでに取り組んでいます1)。米国疾病管理センター(CDC)の先月9月10日時点の情報では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の40%は無症状で、発症前の元気な人が感染の半分(50%)を広めていると推定されています6)。SARS-CoV-2に感染しても具合いが悪くならず平気なことに今回判明したスパイクタンパク質の鎮痛作用がもしかすると寄与しているかもしれません1)。参考1)Pain relief caused by SARS-CoV-2 infection may help explain COVID-19 spread / Eurekalert2)Moutal A, et al. Pain. 2020 Oct 1. [Epub ahead of print]3)Neuropilin-1 facilitates SARS-CoV-2 cell entry and provides a possible pathway into the central nervous system. bioRxiv.(最新版;July 15, 2020)4)Neuropilin-1 is a host factor for SARS-CoV-2 infection. bioRxiv. June 05, 20205)Jarvis A, et al. J Med Chem. 2010 Mar 11;53:2215-26.6)COVID-19 Pandemic Planning Scenarios / CDC

16192.

尿路上皮がんに対するペムブロリズマブ+化学療法の結果(KEYNOTE-361)/ESMO2020

 進行尿路上皮がんの1次治療として、ペムブロリズマブとプラチナ系化学療法薬の併用投与は、化学療法のみに比べ、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)の統計学的に有意な延長を示さなかったことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で、米国・ミシガン大学のAjjai Alva氏から発表された。 このKEYNOTE-361試験は、オープンラベル第III相のグローバル試験であり、症例はペムブロリズマブ+化学療法群(Pem+CT群)、ペムブロリズマブ単独群(Pem群)、化学療法群(CT群)の3群に割り付けられた。・対象:局所進行または転移のある尿路上皮がん患者で、PS0~2、進行病変に対する全身療法が行われていない1,010例・試験群:[Pem+CT群]ペムブロリズマブ200mgを3週ごと化学療法薬を最長6サイクルまで投与し、その後、維持治療としてペムブロリズマブ200mgを3週ごと最長29サイクル[Pem群]ペムブロリズマブ200mgを3週ごと最長35サイクル・対照群:CT群はゲムシタビン(1,000mg/m2)と、シスプラチン(70mg/m2)またはカルボプラチン(AUC5)を主治医が選択して投与した。化学療法薬は最長6サイクル・評価項目:[主要評価項目]盲検下中央判定によるPFSおよびOS[副次評価項目]盲検下中央判定による奏効率、病勢制御率、奏効期間、および安全性・統計学的設計:全集団(ITT)におけるPem+CT群対CT群のPFSとOSの優越性を検証。優越性が示された場合、PD-L1陽性(CPS≧10)集団でのPem群対CT群のOSの非劣性、次にOS優越性を検証 主な結果は以下のとおり。・観察期間中央値は31.7ヵ月であった。・ITTにおける盲検下中央判定のPFS中央値は、Pem+CT群で8.3ヵ月、CT群で7.1ヵ月、HR0.78(95%CI:0.65~0.93)、p=0.0033であった。これは予め設定されたp値の閾値0.0019を達成できず、統計学的な有意差は示されなかった。・ITTでのOS中央値は、Pem+CT群17.0ヵ月、CT群14.3ヵ月で、HR0.86(95%CI:0.72~1.02)、p=0.0407であった。これも予め設定されたp値の閾値0.0142を達成できず、統計学的な有意差は示されなかった。12ヵ月OS率は61.8%と56.0%だった。・CPS≧10の集団を対象とした探索的解析でのOS中央値は、Pem群16.1ヵ月、CT群15.2ヵ月で、HR1.01(95%CI:0.77~1.32)であった。・抗PD-1/PD-L1抗体による後治療を受けた患者はそれぞれPem+CT群6.6%、Pem群4.6%、CT群48.0%であった。・奏効率はPem+CT群54.7%、Pem群30.3%、CT群44.9%であった。・奏効期間中央値はそれぞれ8.5ヵ月、28.2ヵ月、6.2ヵ月だった。・Grade3~5の有害事象は、Pem+CT群87.4%、Pem群62.9%、CT群81.9%であった。有害事象による死亡はそれぞれ9.2%、8.6%、2.6%だった。有害事象による投薬中止は30.9%、15.9%、18.1%であった。

16193.

職場における不眠症介入~メタ解析

 スペイン・セビリア大学のJuan Vega-Escano氏らは、従業員の不眠症の改善または軽減に対する介入の影響を特定および評価するため、ランダム化臨床試験を通じたシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2020年9月2日号の報告。 PRISMAおよびMARSステートメントの推奨事項に従って、PubMed、Web of Science、CINHAL、PsycINFOのデータベースよりシステマティックに文献を検索した。アウトカムの尺度として、変量効果モデルと不眠症重症度指数を用い、メタ解析を実施した。バイアスリスクとエビデンスの質の評価には、コクラン共同計画ツールとGRADEシステムをそれぞれ用いた。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューで22件の研究が抽出され、メタ解析には12件を用いた。・従業員のサンプル数は827例で、14の介入グループを作成した。・最も用いられていた介入は、認知行動療法であった。・平均間の推定差では、介入は不眠症状軽減に対する中程度の効果が認められ(MD:-2.08、95%CI:-2.68~-1.47)、不均一性の程度に有意な差は認められなかった(p=0.64、I2=0%)。・エビデンスの質とバイアスリスクは、中程度であった。 著者らは「職場における不眠症への介入は、従業員の健康を改善するのに効果的である。週間の睡眠時間の増加や入眠潜時の短縮は、睡眠の質を改善し、不眠症状を軽減させる可能性が示唆された。仕事面では、生産性向上、プレゼンティズムの改善、燃え尽き症候群の対策につながるであろう」としている。

16194.

週1回の基礎インスリン、1日1回と同等の血糖降下作用/NEJM

 2型糖尿病患者の治療において、insulin icodecの週1回投与は、インスリン グラルギンU100の1日1回投与と同程度の血糖降下作用を発揮し、安全性プロファイルは同等で低血糖の頻度も低いことが、米国・Dallas Diabetes Research Center at Medical CityのJulio Rosenstock氏らが行った「NN1436-4383試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2020年9月22日号に掲載された。基礎インスリン注射の回数を減らすことで、2型糖尿病患者の治療の受容やアドヒアランスが改善される可能性があると考えられている。insulin icodecは、糖尿病治療のために開発が進められている週1回投与の基礎インスリンアナログ製剤で、最高濃度到達時間は16時間、半減期は約1週間とされる。週1回と1日1回を比較する実薬対照無作為化第II相試験 本研究は、insulin icodecの週1回投与と、インスリン グラルギンU100の1日1回投与の有効性と安全性を比較する26週間の二重盲検ダブルダミー実薬対照無作為化第II相試験である(Novo Nordiskの助成による)。 対象は、年齢18~75歳、長期のインスリン治療歴がなく、スクリーニングの180日以上前に2型糖尿病の診断を受け、DPP-4阻害薬投与の有無を問わず安定用量のメトホルミン毎日投与を受けており、糖化ヘモグロビン値が7.0~9.5%の患者であった。 被験者は、insulin icodecを70U/週で投与開始する群(icodec群)またはインスリン グラルギンU100を10U/日で投与開始する群(グラルギン群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。無作為割り付け後は、朝食前の患者の自己測定による血糖値70~108mg/dL(3.9~6.0mmol/L)を目標に、毎週、用量の調整が行われた。 主要エンドポイントは、糖化ヘモグロビン値のベースラインから26週までの変化とした。安全性エンドポイントは、低血糖エピソードやインスリン関連有害事象などであった。糖化ヘモグロビン値<7%達成割合:72% vs.68% 247例が登録され、icodec群に125例、グラルギン群には122例が割り付けられた。ベースラインの全体の平均年齢は59.6±8.9歳、男性が56.3%であった。平均糖尿病罹患期間は9.7±7.4年、平均BMIは31.3±4.6で、46.6%がDPP-4阻害薬の投与を受けていた。 糖化ヘモグロビン値のベースラインから26週までの推定平均変化率は、icodec群が-1.33ポイント、グラルギン群は-1.15ポイントで、icodec群は8.09±0.70%から6.69%へ、グラルギン群は7.96±0.65%から6.87%へと低下した。ベースラインからの変化の群間差は-0.18ポイントであった(95%信頼区間[CI]:-0.38~0.02、p=0.08)。 26週の時点で糖化ヘモグロビン値<7%を達成した患者の割合は、icodec群が72%、グラルギン群は68%であり(推定オッズ比:1.20、95%CI:0.98~2.13)、≦6.5%達成割合はそれぞれ49%および39%だった(1.47、0.85~2.52)。 患者の自己測定による血糖値は、9つの測定時点(朝食後、昼食後、夕食後、就寝時など)のすべてでicodec群がグラルギン群よりも低かった。また、icodec群では、9つの測定時点の平均自己測定血糖値のベースラインから26週までの低下が大きく、治療期間の最後の2週間における厳格な血糖値範囲(70~140mg/dL)内を維持する時間が長かった。空腹時血漿血糖値や体重の変化は両群間で差はなかった。 有害事象は、icodec群52.0%、グラルギン群50.8%で発現した。インスリン関連の主な有害事象の頻度に群間差はなく、過敏症(icodec群1例[0.8%] vs.グラルギン群2例[1.6%])や注射部位反応(5例[4.0%] vs.3例[2.5%])の頻度は低かった。ほとんどの有害事象は軽度で、試験薬関連と判定された重篤な有害事象は認められなかった。また、レベル2(血糖値<54mg/dL)およびレベル3(重度の認知機能障害を伴う)の低血糖の発現率は両群ともに低く、icodec群は0.53件/人年、グラルギン群は0.46件/人年であった(推定率比:1.09、95%CI:0.45~2.65)。 著者は、「これらの知見は、週1回インスリン投与はインスリン管理を容易にし、臨床的有益性をもたらすとともに、年間インスリン注射回数の365回から52回への削減を示唆する」としている。

16195.

コロナ流行した2020年上半期の超過死亡、例年より少なく/厚労省研究班調べ

 2020年1~6月における日本の超過死亡は、過去3年に比べて少ないことが、厚生労働省研究班の推計で明らかになった。今年の上半期は、世界的に新型コロナウイルスの発生および感染拡大があり、超過死亡にかかわる重要なファクターと見られたが、推計値ではコロナ流行前を大きく下回った。2020年1~6月の日本の超過死亡は2つのアルゴリズムで例年を大きく下回る 本調査では、2020年1~6月、例年の死亡数を基に推定される死亡数(予測死亡数の点推定)およびその95%片側予測区間(上限)と、実際の死亡数(観測死亡数)との差のレンジを週別、都道府県別に推計。データ分析には、米国疾病予防管理センター(CDC)のFarringtonアルゴリズムおよび欧州死亡率モニターのEuroMOMOアルゴリズムの2つを使用している。 日本全国の超過死亡の積算は、Farringtonアルゴリズムで191~4,577人、EuroMOMOアルゴリズムでは319~7,467人だった。これを過去3年の同時期と比べると、Farringtonアルゴリズムで最大1万4,779~2万6,890人、EuroMOMOアルゴリズムでは最大1万7,316~2万862人となっており、いずれの分析方法でも2020年の超過死亡は例年を大きく下回っていた。 2020年1~6月に日本で最も多くの超過死亡が確認されたのは4月だった(Farringtonアルゴリズム:174~2,598人、EuroMOMOアルゴリズム:298~4,216人)。両アルゴリズムにおいて、期間中に予測死亡数の上限を超える観測死亡数を認める週が検出されたのは10都府県(栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、富山、愛知、大阪、奈良、徳島)、いずれか一方で検出されたのは4県(茨城、静岡、香川、福岡)だった。 研究班は、今回観察された超過死亡は新型コロナウイルスを直接の原因とする死亡の総和ではなく、外出自粛等に伴う病院不受診や生活習慣の変化に伴う持病の悪化による死亡や、例年より減少している可能性があるとされる交通事故死など、新型コロナウイルスの感染拡大による間接的な影響も含まれていることに注意すべきとしている。その上で、「報告の遅れや、介入、社会人口学的・経済的状況が異なるため、必ずしも直接比較はできないが、日本のすべての死因を含む超過死亡は、おおよそ同時期の欧米における超過死亡よりも相対的に小さい(絶対数や対人口比)可能性がある」としている。

16196.

9日から開催の日本乳学会学術総会、注目トピック

 COVID-19感染拡大の影響により延期されていた第28回日本乳学会学術総会が、10月9日(金)~31日(土)にWEB開催される。9月17日にプレスセミナーが開催され、総会会長を務める岩田 広治氏(愛知県がんセンター 副院長・乳腺科部長)、事務局長を務める澤木 正孝氏(同乳腺科医長)らが見どころについて紹介した。第28回日本乳学会学術総会開催スケジュール10月9日(金)~31日(土) 完全WEB開催(共催セミナーのほか、パネルディスカッションや教育講演のオンデマンド配信などが期間を通じて閲覧可能)10月9日(金)~18日(日) LIVE配信10月13日(火)~15日(木) 厳選口演(LIVE)日本乳学会学術総会厳選口演の注目トピック 第28回日本乳学会学術総会の厳選口演では、応募総数1,938演題の中から採用された51題(2.6%)が発表される。それぞれLIVE配信後に、後日オンデマンド配信が行われる予定。澤木氏は、全13セッションの注目トピックについて解説した。ここでは、外科/薬物/放射線療法の各トピックを抜粋して紹介する。・厳選口演1:外科療法[10月13日(火)9:30~10:30] 全乳房切除から部分切除、腋窩郭清からセンチネルリンパ節生検へとさらなる手術縮小を目指した研究成果が発表予定。・厳選口演2:オンコプラスティックサージェリー・乳房再建[10月13日(火)11:00~11:45] 両側同時再建、部分再建、内視鏡手術での再建の工夫やNSMの新たな適応基準など。・厳選口演6:薬物療法1[10月14日(水)9:30~10:45] 進行乳がんに対するwPTX+BV導入療法後のホルモン維持療法の有用性(JBCRG BOOSTER試験) 転移再発乳におけるパクリタキセル+ベバシズマブ導入化学療法後のホルモン療法+カペシタビン併用維持療法 乳周術期化学療法時の脱毛軽減目的での頭皮冷却後の毛髪回復状況を調べた前向き研究結果・厳選口演7:薬物療法2[10月14日(水)11:00~12:00] HER2陽性転移性乳におけるT-DM1治療直後の薬物療法の有効性:KBCSG-TR1917観察研究 転移性HER2陽性乳に対するT-DM1後の治療の臨床効果に関する多施設共同コホート研究(WJOG12519B) HER2陽性進行乳患者を対象としたDS-8201のfirst-in-human第1相試験及び第2相試験(DESTINY-Breast01)における併合解析及び日本人サブセット解析・厳選口演8:薬物療法3[10月14日(水)13:00~13:45] ホルモン受容体陽性乳の術後内分泌療法におけるS-1の併用効果(POTENT試験) Pembrolizumab+Chemotherapy vs Chemotherapy in Metastatic TNBC:KEYNOTE-355 Japanese Subgroup Data NTRK fusion陽性乳がんにおけるエヌトレクチニブ:3つの国際共同第1/2相試験の統合解析・厳選口演13:放射線療法[10月15日(木)14:15~15:30] 本邦乳患者に対する小線源を用いた乳房部分照射における観察期間中央値5年の治療成績と再発形式の特徴 早期乳に対する乳房温存手術+術中放射線部分照射:10年の結果 早期乳に対する炭素イオン線治療の臨床試験の経過乳学会で今年のESMOでの発表を徹底議論 第28回日本乳学会学術総会では10月12日(月)16:00~18:00に、9月に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)での乳がん領域の注目トピックについて議論する緊急特別企画がLIVE配信される(後日オンデマンド配信予定)。・セッション1 1)Impassion 131:TN 1st line, PD-L1+でAtezo+Nab paclitaxelのfinal OS 2)Impassion 130:TN 1st lineでAtezo+weekly Pがnegative data 3)ASCENT study:TN late lineで、Satizumab govitecan(SG)のP3 dataの発表・セッション2 4)Impassion 031:TN neoadjuvantで、Atezoを加えて、pCRが有意にアップ 5)PALLAS study:Palboのadjuvant study negative data 6)MONARCH E study:Abemaのadjuvant positive data乳学会学術総会はWEB上で“直接議論できる場”複数 本来、乳学会学術総会はAichi Sky Expoにおいて7月に開催予定であった。医師だけでなく、患者さんも含め全員で最新情報を共有・議論したいという意図から、通常のようにいくつもの会場を設けず、「2つのメイン会場を中心に、できるだけ仕切りを設けず、広い場所のいたるところで人が集まり議論をするというイメージで計画していた」と岩田氏。完全WEB開催となったが、その利点を生かして、演者や海外の先生方と直接議論・交流ができるような場がいくつか設けられている。・Meet the Expert[10月14日(水)、15日(木)8:00~9:00、16:00~17:00] 7名の先生と学会参加者が少人数で直接交流できる。※9月23日より若干名の追加登録開始。締切の可能性あり。・ポスターツアー[10月14日(水)、15日(木)9:00~11:00] 68名の先生が“ツアーコンダクター”となり、各6演題を厳選し、参加者とともにポスターの閲覧・演者との議論を行う初の企画。※9月23日より若干名の追加登録開始。締切の可能性あり。・オフ会(ZOOMで飲み会)[10月12日(月)~15日(木)20:30~22:00] 岩田会長は毎日参加予定。MC数名は毎日交代で行われる。第28回日本乳学会学術総会

16197.

第25回 公立病院事業934億円の赤字、前年度からさらに増加/総務省

<先週の動き>1.公立病院事業934億円の赤字、前年度からさらに増加/総務省2.医師の労働時間短縮、派遣医師の引き上げ防止など対策案が進む3.新型コロナワクチン接種、全国民に努力義務で無料実施へ4.2021年度予算編成、新型コロナ対策を含めた効率的な予算配分へ5.上手な医療のかかり方アワード、今年も開催/厚労省1.公立病院事業934億円の赤字、前年度からさらに増加/総務省総務省は、9月30日に発表した2019年度の地方公営企業決算の概要の中で、公立病院事業の赤字が934億円に上ることを明らかにした。地方公営企業など全体の総収支は7,472億円の黒字で、前年(2018年)度に比べ5,107億円(40.6%)減少しているものの、引き続き黒字であった。病院事業は、地方公営企業など全体の決算規模では5兆8,450億円と3割以上の規模を占めているが、赤字額は前年度840億円から934億円と増加が見られ、さらに累積欠損金の金額では1兆9,907億円と、過去5年にわたって増加していることが明らかとなり、経営の健全化が求められている。(参考)令和元年度地方公営企業決算の概要(総務省)2.医師の労働時間短縮、派遣医師の引き上げ防止など対策案が進む厚生労働省は、9月30日に開催された「医師の働き方改革の推進に関する検討会」において、医師の労働時間短縮などに関する大臣指針を策定した。2035年度末を目途に(B)水準(年間1,860時間)を解消するために、「すべての(B)水準対象医師が到達することを目指すべき時間外労働(休日労働を含む)の上限時間数の目標値」を3年ごとに設定して、医師の時間外労働短縮に取り組むことが提案され、了承された。また医師の副業・兼業問題では、大学病院・地域医療支援病院について、地域医療提供体制の確保の観点から、大学医局からの要請で医師を派遣するなど、派遣元が(A)水準を適用した場合、時間外・休日労働時間を(B)水準まで可能とすることで、派遣医師の引き上げを防止する方向性が了承された。今後、関連する法改正を行い、告示される見込み。(参考)副業・兼業を行う医師に関する地域医療総合確保暫定特例水準の適用について(厚労省)医師の労働時間短縮等に関する大臣指針について(同)第9回医師の働き方改革の推進に関する検討会 資料(同)3.新型コロナワクチン接種、全国民に努力義務で無料実施へ厚労省は2日に開催された「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」において、新型コロナウイルスワクチンについて、接種を原則として努力義務とし、全国民を対象に無料で実施する方針を決めた。すでに9月8日の閣議決定にて、ワクチン購入の費用は国費で賄うことが承認されており、米ファイザーや英アストラゼネカとの間でワクチン供給について合意している。今月下旬に招集予定の臨時国会において、関連法案を提出し法案成立後、承認後の接種実施体制構築に取り組む。(参考)第17回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 資料(厚労省)4.2021年度予算編成、新型コロナ対策を含めた効率的な予算配分へ財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会・財政制度分科会」が1日に開催され、2021年度政府予算の編成を開始した。9月30日に締め切られた国の来年度予算案の概算要求では、新型コロナ対策のため、各省庁からは予算額が不明のまま項目のみの事項要求が相次いだことを考慮し、より効率的な予算配分に取り組む方針を明らかにした。また麻生 太郎財務相は、現役世代が減少して高齢者が増えても、社会保障制度を借金なしに維持できるように見直す必要性を指摘した。(参考)財政制度分科会(令和2年10月1日開催)資料一覧(財務省)5.上手な医療のかかり方アワード、今年も開催/厚労省厚労省は、2019年度から医師・医療従事者の負担軽減や突然の病気や怪我への対応などを目的に、「上手な医療のかかり方プロジェクト」を推進・啓発している。今年も「いのちをまもり、医療をまもる」有用な取り組みを表彰し、全国で共有するために『第2回 上手な医療のかかり方アワード』を開催することとなった。去年はブラザー工業のような企業や健康保険組合のほか、飯塚病院や横須賀市立うわまち病院などが行った地域住民に対する取り組みが表彰されている。第2回アワードの応募は今年の11月30日(金)まで。(参考)第2回「上手な医療のかかり方アワード」開催(厚労省)上手な医療のかかり方.jp

16198.

胃バイパス術による2型糖尿病改善効果はほとんどすべてが体重減少で説明できる(解説:住谷哲氏)-1291

 肥満外科手術bariatric surgeryが肥満合併2型糖尿病患者の糖代謝異常を大幅に改善することが明らかとなっている。肥満外科手術の術式には、本試験で用いられた胃バイパス術(Roux-en-Y gastric bypass surgery)、スリーブ状胃切除術(sleeve gastrectomy)が代表的であるが、わが国で保険適用となっているのは後者のみであり、主としてこちらの術式が用いられている。これまでの報告で、腸管の連続性intestinal continuityを解除する胃バイパス術が他の術式に比べて糖代謝異常改善効果が高いことが示唆されていたが、統計解析上交絡因子が十分に調整されていないとの批判があり疑問が持たれていた。本試験はその点を明らかにするため、胃バイパス術群と食事療法群との2群において、体重減少の程度(約18%)をマッチさせたうえで、前後における種々の糖代謝パラメータを詳細に比較検討した非ランダム化前向きコホート試験である。 試験に組み込まれたのは体重120kg、BMI 42kg/m2の著明な肥満合併2型糖尿病患者である。そもそもこのような患者において食事療法のみで20%近い体重減少が可能であるのか筆者には疑問であった。論文の方法には、「食事療法についての週1回の教育セッションを実施し、すべての食事はliquid shakes and prepackaged entreesで試験期間中提供された」と記載されていた。これでは摂取カロリーが不明であるが、Supplementを見ると、提供されたのは毎食OPTIFAST HP Shake Mix(160kcal)およびprepackaged entrees (200kcal)であり、1日1,080kcalであった。食事療法群が目標体重を達成したのは平均23週後であった。 主要評価項目は肝インスリン感受性の変化とされた。体重減少の前後で、オクトレオチド併用高インスリン正常血糖クランプ法を用いた詳細な肝、骨格筋でのインスリン感受性評価ならびに膵β細胞機能が評価された。結果は、体重減少量をマッチさせた両群において、評価したすべての項目に有意差を認めなかった。胃バイパス術における、体重減少とは独立した糖代謝改善メカニズムとして、これまで血漿分枝鎖アミノ酸濃度の減少、血中胆汁酸の上昇、腸内細菌叢の変化が提唱されている。本試験においてもこれらの3項目はすべて既報と同様の変化を示したが、両群での糖代謝改善の程度に差は認めなかった。以上から著者らは、胃バイパス術による糖代謝改善効果はほとんどすべて体重減少によるものであると結論している。 筆者の外来でもbariatric surgeryを受けた患者さんが増えてきている。ほとんどは著明な体重減少と2型糖尿病の改善を認めており、その威力を実感している。しかしこれまでにも指摘されていることであるが、手術を受けるまでには厳格な食事療法および心理的サポートが必須であり、手術にたどり着けない患者さんも少なくない。本試験で示された、BMI 42kg/m2の患者さんでも、摂取カロリーを制限することで体重が20%近く減量可能であった結果を肝に銘じておきたい。

16199.

信頼される外科医とは【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第18回

手術ではじめての経験「ヘル、アン! 明日、あんたが入る手術の患者、検査陽性だったよ!!」と突然ナースステーションで声をかけられました。「え! コロナ?」と聞き返したら、「違う。H I V」とのことでした。「な~んだ、ビックリしたなー」と一瞬思ったのですが…。いやいや、そういえばHIV陽性の患者のオペって人生で初めてだわ。俺。翌日、術前のカンファレンスではグローブを二重にすることだけ伝えられ、何事もなく手術へと向かいました。ドイツでは日本よりHIV陽性者の頻度は多く、必要以上に大騒ぎしている印象はありませんでした。手術はかなりややこしいバイパス手術で、チームで最も手術がうまい、キューバ人のDr.ギネスタが行うことになりました。Dr.ギネスタは、定年を過ぎても非常勤で働いているお爺ちゃん先生です。手術がメチャクチャ上手なので、用心棒みたいな感じで病院に残ってもらっているそうです。当院の上級医達も、みんなDr.ギネスタに鍛えられたそうです。豪快なDr.ギネスタの手術手技日本ではあまり見かけないのですが、当院では術中に手術室の隅っこで暇なナースが集まって、ゲラゲラ笑い話をしていることが(しょっちゅう)あります。雑音を極端に嫌うドクターもいますが、Dr.ギネスタは手術の手を止めてナースの話に乗っかったりします。バイパス手術中に冠動脈に針を入れ、まだ針を抜いていない状態で横を向いてゲラゲラ笑い話をする姿に、初めは面食らいました。Dr.ギネスタは、これまでに10,000例以上の執刀をしてきた経験から、少々の出血を物ともせずに手術を進めていきます。豪快と言うか、スピード重視の荒い手術をされます。そのため、術中に血液が飛び散ることも珍しくなく、手術直前にはちょっと不安な気持ちになりました。手洗いして、ガウンを着ているときに、ナースに「Dr.ギネスタのオペだし、ちょっと心配だよね」って話を振ると、「大丈夫、Dr.ギネスタだから安心していいよ」と返ってきました。Dr.ギネスタの手術の神髄Dr.ギネスタはいつも通り鼻歌まじりにオペ室に入ってきて、「手袋は二重にしろよー」とナース達に声をかけていました。手術が始まると、Dr.ギネスタは「今日はいつもと手順を変えるから、俺の指示を聞いてから動いてくれ」と言ってきました。手術中は助手の私やナースに対し、細かく詳しく指示を出し、いつもよりもゆっくり(それでも周りの医師達より早いのですが)手術は進行しました。下を向いてる色黒の人がDr.ギネスタです。シャイな人なので、カメラを向けたら「外から撮れ」と怒られました。相変わらずナースのお喋りに反応してゲラゲラ笑っていましたが、手術が終わって振り返ってみると、血液はどこにも飛び散ってはおらず、それどころか手袋を見ても、指先にしか血液がついていない! それもDr.ギネスタ本人にも、助手の私にも!!「ほらね」とウインクしながら部屋を出て行くナースを見送りながら、軽くため息が出ました。「ああ、かっこいいな~」到底、計り知れないDr.ギネスタの実力ですが、確実なことは「病院中のスタッフが彼の技術を信頼している」と言うことです。出世は望むわけでもなく、ただただ手術の腕を磨いてきた老外科医。Dr.ギネスタは、今日も鼻歌歌いながら手術室に向かいます。

16200.

事例011 点滴注射手技料の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説「G004 点滴注射の手技料」では、下記の3つに分かれています。(1)6歳未満の乳幼児に対する1日の注射薬剤総量が100mL以上の場合に「1」(2)6歳以上で1日の注射薬剤総量が500mL以上の場合に「2」(3)注射薬剤総量が6歳未満で100mL未満または6歳以上で500mL未満の場合には「3」以上のように、それぞれに応じた区分を算定します。この場合、同日に静脈内注射を行っている場合は、注射薬剤に含めて総量を計算します。事例は、6歳以上の患者(40歳)であって、実日数が2日あり、同日再診が2回ありますので計4回受診されています。注射薬剤に目を向けると、250mLを3本、200mLを1本算定されています。静脈内注射はありませんでした。どのように組み合わせても1日当たり注射薬剤総量は、500mL以上が1回、500mL未満が1回です。500mLに満たない場合は、点滴注射区分「3」の算定が妥当となるため、点滴注射手技料2(1日分の注射料が500mL以上の場合)1回分が、同手技料3(入院中の患者以外の患者に限る)に査定となったものです。レセプトコンピュータでは、修正入力を行った場合に、注射薬剤総量と一致しない手技料区分が入力できてしまいます。とくに、事例のように、1日2回以上の点滴を行う場合や、同日に造影剤点滴注入などが行われている場合に、誤った手技料を入力してしまう場合がありますので注意が必要です。

検索結果 合計:36088件 表示位置:16181 - 16200