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体重減少伴う発症初期の糖尿病で膵がんリスク増/JAMA Oncol

 糖尿病と膵臓がんの関連は知られているが、体重減少を伴う発症して間もない糖尿病では、膵臓がんのリスクが大幅に高いことが明らかにされた。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のChen Yuan氏らによるコホート研究の結果で、「高齢」「以前は健康体重」「意図的な減量ではない」場合は、さらに膵臓がんの発症リスクが高まることも示された。米国において膵臓がんは、がん死要因で3番目に多いという。しかしこれまで、膵臓がんの早期診断戦略を促進する高リスク群は、ほとんど特定されていなかった。JAMA Oncology誌オンライン版2020年8月13日号掲載の報告。 研究グループは、30年以上にわたり繰り返し評価が行われてきた米国の2つのコホート研究(Nurses’ Health StudyおよびHealth Professionals Follow-Up Study)のデータを用いて、糖尿病罹病期間および最近の体重変化とその後の膵臓がんリスクとの関連を解析した。 膵臓がんの発症は、自己報告または参加者の死亡の追跡調査により特定し、死亡は近親者からの報告、米国郵便公社または国民死亡記録(National Death Index)で確認された。 主要評価項目は、膵臓がん発症のハザード比(HR)。2018年10月1日~12月31日にデータを収集し、2019年1月1日~6月30日に解析が行われた。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、女性11万2,818例(平均年齢59.4[SD 11.7]歳)、男性4万6,207例(64.7[10.8]歳)で、このうち膵臓がん発症は1,116件確認された。・非糖尿病者と比較した膵臓がんの年齢補正後HRは、糖尿病を発症して間もない(短期罹病)被験者で2.97(95%信頼区間[CI]:2.31~3.82)、長期罹病者で2.16(95%CI:1.78~2.60)であった。・非体重減少者と比較した膵臓がんの年齢補正後HRは、1~4ポンドの体重減少者は1.25(95%CI:1.03~1.52)、5~8ポンドの体重減少者は1.33(95%CI:1.06~1.66)、8ポンドを超える体重減少者は1.92(95%CI:1.58~2.32)であった。・1~8ポンドの体重減少を伴う糖尿病短期罹病者(91/10万人年[95%CI:55~151]、HR:3.61[95%CI:2.14~6.10])、または8ポンドを超える体重減少を伴う糖尿病短期罹病者(164/10万人年[95%CI:114~238]、HR:6.75[95%CI:4.55~10.00 ])は、いずれも非該当の被験者(16/10万人年[95%CI:14~17)と比較して、膵臓がんのリスクは大幅に高かった。・膵臓がんの罹患率は、糖尿病短期罹病者で、かつ体重減少前のBMIは25未満でありそこからさらに体重が減少した者(罹患率400/10万人年)、または身体活動の増加や健康的な食事の選択が認められ体重減少が意図的ではなかったと判断される被験者(334/10万人年)では、さらに高かった。

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うつ病を伴う糖尿病患者、医療従事者のケアで代謝指標が改善/JAMA

 うつ病を合併した糖尿病患者に対する共同ケア(collaborative care)は、通常ケアと比較して24ヵ月時点のうつ症状および循環代謝指標の複合評価を、統計学的に有意に改善することが認められた。米国・エモリー大学のMohammed K. Ali氏らが、インドにおけるうつ病を合併した糖尿病患者を対象とする実用的な無作為化非盲検臨床試験「INDEPENDENT試験」の結果を報告した。メンタルヘルス疾患を合併している患者は増加しており、糖尿病ではとくにケアが断片化しているとアウトカムが悪化する。低中所得国では、財政や医療従事者の不足などが障壁となって効果的なケアが阻まれ、ますます複数の慢性疾患を有する患者が増加し、回避可能にもかかわらず不良なアウトカムにつながっている。そのため、メンタルヘルスケアの導入を増加させアウトカムを改善するために有効で実現可能な統合ケアが求められていた。JAMA誌2020年8月18日号掲載の報告。うつ病を伴う2型糖尿病患者約400例で、共同ケアと通常ケアを比較 研究グループは、インドの社会経済的に多様な病院4施設において、2型糖尿病患者(患者健康質問票のうつ病評価尺度[PHQ-9]スコア10点以上、HbA1c 8%以上、収縮期血圧[SBP]140mmHg以上、LDLコレステロール130mg/dL以上)を登録し、介入群と対照群に無作為に割り付けた。登録期間は2015年3月9日~2016年5月31日。最終追跡調査日は2018年7月14日であった。 介入群(196例)では、医師ではないケアコーディネーター(栄養士、ソーシャルワーカーなど)による12ヵ月間のセルフマネジメントサポート、医師の診療を調整する意思決定支援電子健康記録の利用、および専門家による症例検討を受け、その後介入なしで12ヵ月間追跡を受けた。対照群(208例)は通常ケアを24ヵ月間受けた。 主要評価項目は、24ヵ月時点においてSymptom Checklist Depression Scale(SCL-20)スコアが50%以上低下、HbA1cが0.5%以上低下、SBPが5mmHg以上低下およびLDLコレステロール値が10mg/dL以上低下の複合エンドポイントを達成した患者の割合の群間差とした。介入群でうつ症状と循環代謝指標が改善 無作為化された404例(平均[±SD]年齢53±8.6歳、男性165例[40.8%])のうち、378例(93.5%)が試験を完遂した。 主要評価項目を達成した患者の割合は、介入群が71.6%、対照群が57.4%であり、対照群と比較して介入群で有意に増加した(リスク群間差:16.9%、95%CI:8.5~25.2、p<0.001)。事前に定義した16の副次評価項目のうち、12ヵ月時点で10項目、24ヵ月時点で13項目は、両群間で有意差は確認されなかった。 介入群と対照群における重篤な有害事象は、心血管イベントまたは入院(4例[2.0%]vs.7例[3.4%])、脳卒中(0例vs.3例[1.4%])、死亡(2例[1.0%]vs.7例[3.4%])、重篤な低血糖(8例[4.1%]vs.0例)であった。

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予期せぬ体重減少、がん精査をすべき?/BMJ

 プライマリケアで予期せぬ体重減少を呈した成人のがんリスクは2%以下で、英国の現行ガイドラインに基づく検査対象とはならないことが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のBrian D. Nicholson氏らによる、予期せぬ体重減少のがん予測を定量化することを目的とした診断精度研究の結果で、著者は、「しかしながら、50歳以上の男性喫煙者および臨床所見を有する患者では、がんリスクを考慮すると、侵襲的な検査受診を紹介する必要がある」と述べている。報告では、特定のがん部位と関連する典型的な臨床所見は、予期せぬ体重減少が生じた際は複数のがん種のマーカーとなることも明らかにされた。BMJ誌2020年8月13日号掲載の報告。予期せぬ体重減少を呈した患者6万3,973例で、がんの診断精度を検証 研究グループは、英国のプライマリケアにおけるNational Cancer Registration and Analysis Service(NCRAS)およびClinical Practice Research Datalink(CPRD)電子健康記録を用いて、2000年1月1日~2012年12月31日に予期せぬ体重減少が記録された成人(18歳以上)6万3,973例を特定し解析した。 主要評価項目は、最初に体重減少が記録された日(インデックス日)から6ヵ月以内のがんの診断である。インデックス日の3ヵ月前から1ヵ月後までの期間の、付加的な臨床所見についても特定された。診断精度は、陽性および陰性の尤度比、陽性予測値、診断のオッズ比(OR)で評価した。 予期せぬ体重減少を認めた成人6万3,973例のうち、3万7,215例(58.2%)が女性、3万3,167例(51.8%)が60歳以上、1万6,793例(26.3%)が喫煙者であった。予期せぬ体重減少のみでプライマリケアを受診した成人患者のがんリスクは2%以下 インデックス日から6ヵ月以内にがんと診断された人は908例(1.4%)で、このうち882例(97.1%)が50歳以上であった。がんの陽性予測値は、50歳以上の男性喫煙者では英国国立医療技術評価機構による緊急検査の推奨閾値である3%を超えていたが、女性ではどの年齢でも確認されなかった。 予期せぬ体重減少を伴う男性では10項目の臨床所見が、女性では11項目が、がんと関連していた。陽性尤度比は、男性で非心臓性胸痛の1.86(95%信頼区間[CI]:1.32~2.62)から腹部腫瘤の6.10(3.44~10.79)までの範囲、女性では背部痛の1.62(1.15~2.29)から黄疸の20.9(10.7~40.9)までの範囲であった。 がんと関連があった血液検査異常値は、アルブミン低値(4.67、95%CI:4.14~5.27)、血小板数増加(4.57、3.88~5.38)、カルシウム高値(4.28、3.05~6.02)、白血球数増加(3.76、3.30~4.28)、C反応性蛋白高値(3.59、3.31~3.89)などであった。一方で、単独でがんの否定につながる血液検査正常値はなかった。また、予期せぬ体重減少を伴う臨床所見は、複数のがん部位と関連していた。

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第39回 「服薬期間中のフォロー」で実際に糖尿病患者のHbA1cは改善するのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 9月1日より施行される改正薬機法で義務化される「服薬期間中のフォロー」は多くの薬剤師が意識しているようで、電話やメッセージアプリなどによる支援を実施していたり、いろいろと検討していたりするという話を聞きます。海外においては、すでにテキストメッセージや電話によるフォローを行い、それらのアウトカムを検討した論文が少なからず存在します。今回はその中から、2018年5月にBMJ誌に掲載された、ショートメッセージサービス(SMS)をベースにした糖尿病自己管理サポートの論文を紹介します1)。対象患者は16歳以上のコントロール不良(HbA1cが65mmol/molまたは8%以上)の1型または2型糖尿病患者366例で、通常のケアに加えて個別化されたテキストメッセージによるフォローを最大9ヵ月間受ける介入群183例と、通常ケアのみを受ける対照群183例にランダムに割り付けて比較しています。途中脱落や連絡が取れなくなったなどの被験者を除き、各群177例が解析に含まれました。テキストメッセージで提供された情報は、糖尿病自己管理や生活スタイルに関わるサポート、動機付けおよびリマインドで、メッセージは自動コンテンツ管理システムにより送信されています。主要評価項目はHbA1cのベースラインから9ヵ月時点における変化、セカンダリアウトカムは3ヵ月と6ヵ月時点におけるHbA1cの変化、効果の自覚、セルフケアの行動、健康関連のQOLなど21項目をみています。9ヵ月時点の平均HbA1bは、対照群の-3.96mmol/mol(標準偏差[SD]:17.02)と比べて介入群では-8.85mmol/mol(SD:14.84)で、補正後平均差-4.23(95%信頼区間[CI]:-7.30~-1.15)と有意に低下しました。セカンダリアウトカムについては、21項目中、フットケア(補正後平均差:0.85[95%CI:0.40~1.29]、p<0.001)、全体的な糖尿病サポート(補正後平均差:0.26、95%CI:0.03~0.50、p=0.03)、EQ-5D評価による視覚アナログスケール(補正後平均差:4.38、95%CI:0.44~8.33、p=0.03)、糖尿病の症状の自覚(補正後平均差:-0.54、95%CI:-1.04~-0.03、p=0.04)の4項目で有意な差が出ています。患者の介入への満足度は高く、169例中161例(95%)が役に立ったと報告しており、164例(97%)がほかの糖尿病患者にも勧めたいと思うと報告していました。また、85例(50%)がほかの人とメッセージを共有しており、120例(71%)が糖尿病について学ぶ助けになったとしています。シンプル、簡易なメッセージでも血糖コントロールに効果あり実際どのようなメッセージがどのくらいの期間送られていたかについては、研究のプロトコル論文2)の表1にモジュールごとに詳しく書かれています。たとえば、インスリンモジュールであれば、「未開封のインスリンは冷所保管してください。変色したもの、塊が析出しているもの、期限切れのもの、ひび割れや漏れのあるもの、冷凍や過熱されたものは使用しないでください」などで、禁煙モジュールであれば「(こんにちは)(名前)さん。糖尿病の良好な管理と将来の健康のために禁煙をしましょう。禁煙サポート窓口へお電話ください(番号)」、血糖モニタリングモジュールであれば「(こんにちは)(名前)さん。血糖値をチェックする時間です。測定結果を返信してください」などです。そのほかにも運動の工夫、低血糖対策、親近者のフォローなどモジュールごとに決まったメッセージがあります。今後、臨床的なアウトカムとしての検討がさらに進んでいくと思いますが、薬剤師視点ではごく当たり前のシンプルなメッセージを送ることが、定期フォローの中で血糖コントロールに寄与するというのは現場としても勇気づけられる結果だと思います。実業務でも工夫して、服薬期間中のフォロー体制を構築する参考になるのではないでしょうか。1)Dobson R , et al. BMJ. 2018;361:k1959. 2)Dobson R, et al. Trials. 2016;17:179.

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YouTube を使った英語リスニング練習法【Dr. 中島の 新・徒然草】(338)

三百三十八の段 YouTube を使った英語リスニング練習法しばらく灼熱地獄でしたが、8月22日(土)の夜にはついに秋の虫が鳴き始めました。「ツィッ、ツイッ、ツィッ、ツイッ、ツイッ」という声が部屋の中から聞こえてきますがなかなか見つけられません。YouTube の動画で調べると、どうやらカネタタキという虫のようでした。さて、最近は YouTube を使った英語リスニング練習にはまっています。そもそも英語には「読む、書く、聴く、話す」という4技能があるわけですが、なぜリスニングなのか? それは、相手の言うことさえ理解できれば、相づちは "Yes" "No" "Thank you" くらいで済むからです。自分の言いたいことを英語で表現できるのは、もう1つ上の段階になります。なので、私はとくにリスニングに取り組んできました。リスニング練習に適した動画とは?まずは長さ。5分程度がベストですが、長くても15分まで。それ以上長いと続きません。次に読みやすい字幕。多くの YouTube 動画で英語の字幕が出せるようになりましたがその質はピンキリで、音声から遅れて出てくるものとか、白背景に白字で読めないものとか、そういうのは練習に使えません。そして英語のレベル。あまりにも難解で1場面に知らない単語が複数、というのでは到底ついて行けません。5~10分の動画で分からない単語が10~20程度がせいぜいかと思います。後は興味ある分野。以前にも述べたように(「続・中田の英語」)、ティーンエイジャーのたわごとみたいな動画が私には面白いのですが、そのほかにも近隣諸国のニュースとか天気予報なども視聴しています。具体的なリスニング練習法は?パソコン画面に YouTube を出し、最初から英語字幕を出した上で動画を視聴する。知らない単語や確信の持てない単語に出くわしたら一旦停止し、その単語をメモする。その時に文脈や場面から日本語を推測できるなら、それも書いておく。このような単語が5つほど溜まるたびにオンライン辞書で意味を調べ、メモに書き加える。発音の難しいものは耳に聞こえたとおりのカタカナを書く。LとR、SとTHの違いは、カタカナだけでなくひらがなも駆使して区別する。アクセントのある音節は ' ' でくくる。たとえば Nakajima なら「ナカ'ジー'マ」と表記する。動画の全編に渡ってこの作業を終えたら、字幕なしで見直して自らの進歩を確認する。最後にこのメモをスマホでも見れるようにしておき、電車待ちの時間などに眺めては記憶を新たにする。実際、英語の構文自体は単純なものばかりなので、単語さえわかれば、意味をとるのは容易です。私が知らなかったり確信を持てなかったりした単語をここに並べてみると、artillery, indigenously, midget, inventory, subsidiary, parity, infantry, auxiliary, archipelago など。アジア諸国の軍事的緊張に関するニュースだったので、その系統の単語ばかりになりました。また、単語自体は簡単なものでも、発音にクセがあって聴き取れないものもありました。たとえばニーチャー(nature)、コンデミー(condemn me)、シャー(sure)、ニーミック(anemic)、クートゥーヤ(criteria)、インディエン(in the end)などです。邪道ですが「インディエンと聞こえたらそれは in the end だ」と私は覚えています。だいたい5分の動画だと全体の作業時間が15分くらいなので、さほど苦になりません。そればかりか、1つの動画の英語を理解できるようになると、関連するほかの動画も理解しやすくなるので、どんどん勉強が進み、あっという間に1時間経っています。あと、やっていて気付いたのですが、英語リスニング練習には適度な目標設定が必要な気がします。つまり「英語のニュースを聴いて理解する」とか「アメリカ映画を字幕なしで理解する」とかという目標は、遠大すぎて容易には達成できません。1時間程度の勉強であれば「ハリケーン〇〇の被害についてのニュースを理解する」とか「映画〇〇の冒頭10分間の会話を理解する」という程度が正しい目標設定だと思います。これを適正目標と呼びましょう。この適正目標を達成するために大切なのが、ボキャブラリーです。われわれが大学受験のときに否応なく記憶させられた6,000語の単語をコアとして、あと20~30語ほど記憶したらこの適正目標は達成できるはず。で、もう少し目標の範囲を広げて「国際政治についての英語ニュースを理解する」とか「映画〇〇の冒頭から最後までの英語を理解する」となると、20~30語では済まず、200語ほどの記憶が必要になるものと思います。つまり6,000語+分野ごとに200語ですね。なので、「国際政治の英語ニュース」と「映画〇〇全体」の両方となるとコアの6,000語に加えて400語を覚えなくてはなりません。400語というと大変そうに感じますが、20~30語を積み重ねていっていつの間にか400語になっていた、くらいの気持ちでやれば、決してできなくはないものと思います。このリスニング練習法を始めてからまだ1ヵ月ほどですが、気のせいか以前に比べて格段に英語を聴きとりやすくなりました。もう少し続けてみたいと思います。最後に1句 YouTube 英語がわかり ヤル気出る

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第21回 COVID-19の知見惜しみなくシェア・拡散、医学論文も“新たな様式”へ

公益財団法人ときわ会常盤病院乳腺外科医の尾崎 章彦氏らがCOVID-19に関する学術論文をリスト化し、NPO法人医療ガバナンス研究所のホームページで公表している1)。公開されている18本の学術論文(2020年8月26日現在)は、尾崎氏をはじめとする同研究所に関わる医療者および研究者らによる執筆だ。同氏はこの取り組みの意義について、「データがオープンにシェアされれば、大学や研究機関に所属しない在野の医療者でもCOVID-19についての研究ができる。この流れは、医療以外の社会の流れと相まって、ますます大きな潮流になっていくのでは」と話す。彼らの活動の最大の特徴は、海外の医師・研究者との共同研究が多くあることだ。実際、掲載論文の多くがネパールの医師・研究者との共同研究により執筆されている。例えば、COVID-19の流行がネパールの観光業に与えた影響についての論説論文は、Journal of Travel Medicineという渡航医学の専門雑誌に掲載された2)。驚くべきことに、論文作成の過程におけるコミュニケーションは、もっぱらSNSやメールだという。海外の医師・研究者と知り合うきっかけは、知人の紹介や論文を読んでコンタクトを取ったこと、また科学者・研究者向けのSNS「ResearchGate」などで、実際に臨床で一緒に仕事をしたり、会ったりしたことがないメンバーがほとんどだという。日本の場合、研究はアカデミアで行うものというイメージが強い。実際、大規模調査などは大学や公的な研究機関だからこそできるものもある。一方で、ネットワークや公開データを用いれば、小規模でもコツコツと調査を実施したり論文を書いたりすることはできる。尾崎氏は福島県内の一般病院の常勤医として、それを実践した。「さまざまなテクノロジーを使えば、あらゆる課題についてフットワーク軽く海外の人とも協同して仕事ができることが改めてわかった」。彼らの取り組みに関してもう一つの特徴を挙げるとすれば、2011年の東日本大震災の被災地の状況に研究の着想を得ていることだ。尾崎氏は「放射能災害とCOVID-19は、原因となる物質が目に見えず、目に見えないことが恐怖をもたらすという点で共通点がある」と述べる。同氏らは震災後、被害地の乳がん患者を診療・調査を行った結果、症状自覚後に受診が長期的に遅れるような未診断乳がん患者が震災後に増加したことを明らかにした3)。さらに、増加傾向は震災から5年が経過した時点まで続いていたこともわかった。この研究により、医療機関の受診を躊躇するような行動様式の変化が、患者自身に生じたことが浮き彫りになった。尾崎氏らは、医療体制が復旧した後もなお、がんを自覚しながら患者が受診をためらったように、COVID-19に関しても同様の現象が増える可能性を考え、論文にまとめた。その内容は、Journal of Global Healthという国際保健の専門雑誌に掲載されている4)。COVID-19に関する論文バブル、世界の一流医学専門誌での論文取り下げが相次ぐ中、尾崎氏は「フットワーク軽く調査に取り組みつつも、データの正確さや倫理面は当然担保しながら進めていくことが極めて重要だ」と語る。大学や研究所、一般病院といった所属や立場に縛られず、それぞれのフィールドで柔軟に調査・研究を行うことの重要性を改めて感じる。今や世界共通課題であるCOVID-19に関してはなおさらで、日本発の研究のアウトプットを増やしていくのは国際社会に対する責務でもある。参考1)https://www.megri.or.jp/covid-19論文2)https://academic.oup.com/jtm/advance-article/doi/10.1093/jtm/taaa105/58683043)https://bmccancer.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12885-017-3412-44)http://www.jogh.org/documents/issue202002/jogh-10-020343_AU.pdf

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治療抵抗性精神疾患治療のための3次医療サービスの有効性

 治療抵抗性統合失調症は、2次医療機関における疾患マネジメントが困難な場合が多い疾患の1つである。再入院や長期介護費用などのリスクを軽減するため、複雑な治療抵抗性精神疾患に対しエビデンスに基づき個別で、集学的な医療を提供する専門の3次医療機関として英国精神疾患ユニット(National Psychosis Unit:NPU)がある。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのCecilia Casetta氏らは、NPUでの治療の長期的な有効性を自然主義的なアウトカムを検討することにより評価した。BJPsych Open誌2020年8月3日号の報告。 精神科病床と一般病床の入院回数、入院日数、緊急度、NPU入院前後に処方された向精神薬の数と抗精神病薬の用量について、ミラーイメージデザインを用いて比較した。CRISシステム、South London and Maudsley NHS Trustデータベース、HESシステムを用いてデータを収集した。 主な結果は以下のとおり。・NPU入院2年前と比較し、入院後には以下の改善が認められた。 ●精神疾患に伴う入院の減少(1.65±1.44 vs. 0.87±0.99、z=5.594、p<0.0001) ●精神科病床使用の減少(335.31±272.67 vs. 199.42±261.96、z=5.195、p<0.0001) ●一般病床の総入院日数の減少(16.51±85.77 vs. 2.83±17.38、z=2.046、p=0.0408) ●総入院日数の減少(351.82±269.09 vs. 202.25±261.05、z=5.621、p<0.0001)・NPUでの治療後に、必要とされるサポートレベルは低下した(z=-8.099、p<0.0001)。 著者らは「治療抵抗性精神疾患に特化した3次医療サービスの長期的な有効性が示唆された」としている。

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妊婦の定期健診とSARS-CoV-2感染リスクの相関は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック時に懸念されたことの1つに、患者の受診自粛がある。しかし、医療機関を訪れることが感染リスクにどう影響するかについては、十分に明らかになっていない。本研究は、米国・Brigham and Women's HospitalのSharon C. Reale氏らの研究チームが、コロナパンデミックの中にあっても定期的な診察が必要だった妊婦を対象に、受診回数がSARS-CoV-2感染のリスクと関連しているかどうかを検証した。JAMA誌オンライン版2020年8月14日号リサーチレターでの報告。 本研究の対象は、2020年4月19日~6月27日(産科患者全員が入院時にSARS-CoV-2のRT-PCR検査を実施した期間)にマサチューセッツ州ボストンの4つの医療機関で出産した2,968例。リスクセットサンプリングを用いて、妊娠中または分娩・出産のための入院時にSARS-CoV-2陽性と判明した症例を最大5例の対照とマッチさせた、ネステッドケースコントロール研究を実施した。症例がSARS-CoV-2陽性と判明した日(±6日)における妊娠期間、人種/民族、保険の種類および患者の居住地域におけるSARS-CoV-2感染率に基づいて対照とマッチさせた。電子カルテデータから、3月10日(マサチューセッツ州で必要不可欠ではない業種が停止される2週間前)から症例における陽性判定日までの受診回数を調べた。 主な結果は以下のとおり。・対象集団2,968例中、SARS-CoV-2が検出された患者は111例(3.7%、95%CI:3.1%~4.5%)であった。このうち、45例は出産前にSARS-CoV-2陽性であり、66例は分娩・出産のための入院時に陽性が判明した・州外居住者(2.2%)と、マッチングに必要なデータが欠落している患者(0.8%)を除く、SARS-CoV-2陽性93例(症例群)と372例(対照群)を比較したところ、平均受診回数は、症例群3.1回(SD:2.2、範囲:0~10)に対し、対照群は3.3回(SD:2.3、範囲:0~16)だった。・妊婦健診の受診回数とSARS-CoV-2感染の関連性について、受診を1回追加することによるオッズ比は0.93(95%CI:0.80~1.08)だった。 本結果について、著者らは「ボストンエリアにおける産科患者のサンプルでは、妊婦健診の受診回数とSARS-CoV-2感染率の間に有意な関連は見られなかった」と結論。マサチューセッツ州では、2020年春のコロナ患者急増時に感染率が全米で3番目に高く、とくにボストンエリアで多くの感染者が出た。著者らは、「病院に行くことが感染の重要な危険因子である可能性は低く、コロナ流行下においても妊婦健診を受けることは必要であり、かつ安全に実施できることを本研究は示唆している」と結んでいる。

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ペムブロリズマブ+化学療法、食道がん1次治療で生存改善(KEYNOTE-590)/Merck

 Merck社は、2020年8月19日、局所進行または転移のある食道がん患者の1次治療に対する第III相KEYNOTE-590試験において、ペムブロリズマブと化学療法の併用が主要評価項目を達成したと発表。 同試験の中間解析では、ペムブロリズマブと化学療法(シスプラチン+5-FU)の併用は、化学療法(同)と比較して、OSおよびPFSを統計的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。また、主要副次評価項目である客観的奏効率(ORR)も有意に改善したとしている。試験の結果は、欧州腫瘍学会(ESMO)2020Virtual Congressで発表される予定。 ペムブロリズマブは現在、PD-L1発現(CPS≧10)再発局所進行または転移のある食道扁平上皮がんの2次治療に単剤療法として中国と米国で承認されている。

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第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」を策定し、同学会のホームぺージで公開した。 本計画は、増加を続ける糖尿病患者の歯止めと診療の進歩への寄与などを盛り込んで、2004年より策定されているもの。第3次計画では、糖尿病予備群の数の減少、健康寿命の延伸、わが国独自の糖尿病の疫学・臨床データの蓄積、専門知識を持つさまざまな職種の人材の育成などが予測される成果として標榜され、検証されている。 第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」では、同学会作成委員会(委員長:綿田 裕孝)を中心に作成され、次の2項目を具体的な目標として掲げている。 1)糖尿病患者と非糖尿病患者の寿命の差をさらに短縮させる 2)糖尿病患者の生活の質(QOL)を改善させる これらについて「本計画を教育などさまざまな場面で活用いただきたい」と委員会では一読を呼び掛けている。1,000万通りの個別化医療構築にむけて 今回の計画では、糖尿病患者のQOLを維持・改善させ、非糖尿病者との寿命の差を短縮させるために、個々の患者の病態と置かれているさまざまな状況を考慮した「個別化医療の推進」が不可欠としている。そこで、併存疾患の病態とその進行度を総合的に把握する方法の開発、患者の置かれている状況にもとづく、血糖コントロール目標および動脈硬化性疾患の危険因子などのコントロール目標を個別設定し、食事、運動、薬物療法を含む最適な治療レシピの構築や効果的な新規治療法の確立を目指すとしている。 また、「J-DREAMS」など蓄積された診療データからより細かい患者ごとの血糖コントロール目標値の設定や将来的には治療シミュレーションを示すことで、複数の適切な治療が提示できるようなシステムをつくり、1,000 万通りの個別化医療の構築を目指すとしている。将来の糖尿病対策を担う人材の育成にむけて 計画の達成には、糖尿病専門医、看護師、栄養士、理学療法士を中心とした医療スタッフのみならず合併症予防のために他科診療科との連携が必要不可欠となる。また、先述の包括的データベースによるエビデンスの構築では基礎研究者、医療データの活用ができる人材育成が喫緊の課題としている。 そのために糖尿病専門医、研修指導医の育成はもとより、国際的にわが国発の糖尿病に関する論文数が減少していることに憂慮し、学会などでも若手研究者の奨励賞や研究助成金の充実、地方会などでの発表の奨励などを行うほか、ビッグデータの利活用のできる人材の育成のために日本医療情報学会や日本公衆衛生学会などとも連携し、人材育成を行うとしている。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)にも言及した今後の展開 国民への啓発と情報発信は、糖尿病の発症予防、合併症への進展防止に以前より行われてきた。現在でも糖尿病予備群の増加、高齢者の患者も多くなっていることから市民公開講座、各種リーフレット、ホームページなどを通じて引き続き情報発信を行うとともに、糖尿病への偏見や誤った知識の是正などにも取り組んでいくとしている。 最後に「新興・再興感染症の脅威と糖尿病」として、糖尿病は肥満症、心血管障害などと同様にCOVID-19の重症化リスク因子と想定されることを考慮し、国際協力をしつつエビデンスを確立する必要があるとしている。また、患者や患者家族が不確かな情報で不利益を被らないように、COVID-19に関しても正しい知識を広く周知していくとしている。具体的には、エビデンスの収集と整理、ワクチンなどの有効策ができた場合の普及と啓発、迅速な症例把握のための症例登録システムの樹立などを含め、COVID-19以外の新興感染症が流行した場合に迅速に対応ができ、糖尿病患者が安心して生活できる体制構築にむけて準備を進めると述べている。

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SARS-CoV-2変異株、重症度が変化/Lancet

 遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)8領域に382ヌクレオチド欠損(Δ382)を認める新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異体の感染者は、症状が軽症であることが明らかにされた。シンガポール・国立感染症センターのBarnaby E. Young氏らによる観察コホート試験の結果で、著者は「観察されたORF8における欠損の臨床的影響は、治療やワクチン開発に影響を与えるものと思われる」と述べている。ORF8領域にΔ382を有するSARS-CoV-2遺伝子変異体は、シンガポールおよびその他の国でも検出されていた。Lancet誌オンライン版2020年8月18日号掲載の報告。Δ382変異体感染者と野生型感染者の低酸素症の発生を比較 研究グループは、シンガポールの公立病院7ヵ所で2020年1月22日~3月21日に、PCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された患者のうち、Δ382変異のスクリーニングを受けた患者を後ろ向きに特定し、それら患者を集めた前向きコホート試験「PROTECT試験」を行った。 被験者の臨床情報や臨床検査・放射線検査データを、電子カルテおよび入院中・退院後に採取された血液・呼吸器検体情報から収集して、Δ382変異体感染者と野生型SARS-CoV-2感染者を比較。精確ロジスティック回帰法を用いて群間の関連性と、酸素補充療法を要する低酸素症の発生(主要エンドポイントで重症COVID-19の指標)について調べた。低酸素症発生リスク、Δ382変異体群は野生型群より低い 278例がPCR検査でSARS-CoV-2への感染が確認され、Δ382変異のスクリーニングを受けていた。そのうち131例がPROTECT試験に登録。92例(70%)が野生型に感染、10例(8%)が野生型とΔ382変異体の混合感染で、29例(22%)がΔ382変異体に感染していた。 酸素補充療法を要する低酸素症の発生率は、Δ382変異体感染群が野生型感染群よりも低率だった。Δ382変異体感染群は0%(0/29例)、野生型感染群は28%(26/92例)で絶対群間差は28%(95%信頼区間[CI]:14~28)だった。年齢や併存疾患について補整後、Δ382変異体感染群の酸素補充療法を要する低酸素症の発生に関するオッズは、野生型感染群と比べてより低かった(補正後オッズ比:0.07、95%CI:0.00~0.48)。(8月27日 記事の一部を修正いたしました)

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ビスホスホネートの非定形大腿骨骨折リスク、服用中止後速やかに低下/NEJM

 非定型大腿骨骨折リスクは、ビスホスホネートの使用期間とともに上昇するが、使用中止後は速やかに減少することが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のDennis M. Black氏らによる検討の結果、示された。また、リスクはアジア人のほうが白人よりも高いことや、非定型大腿骨骨折の絶対リスクは、ビスホスホネート使用に伴う大腿骨近位部骨折およびその他の骨折リスクの減少と比べると、非常に低いままであることも明らかにされた。ビスホスホネートは、大腿骨近位部および骨粗鬆症骨折を抑制する効果がある。しかし、非定型大腿骨骨折への懸念からビスホスホネートの使用が大幅に減少しており、大腿骨近位部骨折が増加している可能性が示唆されていた。NEJM誌2020年8月20日号掲載の報告。非定型大腿骨骨折と、ビスホスホネートおよびその他リスク因子の関連を評価 研究グループは、不確実性が残っている非定型大腿骨骨折とビスホスホネートおよびその他リスク因子との関連を明らかにする検討を行った。 2007年1月1日~2017年11月30日に、カイザーパーマネンテ南カリフォルニア医療システムの会員で、ビスホスホネートを処方された50歳以上の女性を追跡評価した。 主要アウトカムは非定型大腿骨骨折で、ビスホスホネートの使用を含むリスク因子データは電子健康記録から入手。骨折についてはX線画像で判定し、多変量Coxモデルを用いて解析を行った。 ビスホスホネートのリスク-ベネフィットのプロファイルを、使用期間1~10年でモデル化し、使用に関連する非定型骨折と、使用により予防したその他の骨折を比較した。ビスホスホネートの非定型骨折リスク、アジア人は白人の4.84倍 ビスホスホネートを処方された被験者女性は総数19万6,129人で、追跡期間中に発生した非定型大腿骨骨折は277件だった。多変量補正後の非定型骨折リスクは、ビスホスホネートの使用期間が長期になるほど上昇し、3ヵ月未満と比較したハザード比(HR)は、3~5年未満の使用では8.86(95%信頼区間[CI]:2.79~28.20)、8年以上では43.51(13.70~138.15)だった。 その他のリスク因子としては、アジア人種(対白人種HR:4.84、95%CI:3.57~6.56)、身長、体重(いずれも高い・重いほど上昇)、グルココルチコイドの使用などだった。 一方で、ビスホスホネートの使用中止により、非定型骨折リスクは急速に低下することが示された。 リスク-ベネフィットについては、ビスホスホネートを1~10年使用中の骨粗鬆症骨折・大腿骨近位部骨折リスクの低下は、白人については非定型骨折リスクの上昇を大幅に上回っていた。アジア人についても、大腿骨近位部骨折などビスホスホネートの予防効果は非定型骨折リスク増加を上回っていたが、白人ほど顕著ではなかった。具体的には、ビスホスホネート使用3年後の時点で、白人では大腿骨近位部骨折が149件予防され、ビスホスホネート関連の非定型骨折の発生は2件だった。これに対してアジア人ではそれぞれ、91件と8件だった。

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慢性心不全にARNIのエンレスト発売/ノバルティス ファーマ

 ノバルティス ファーマは8月26日、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)のエンレスト(一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)を「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る」を効能・効果として発売した。医療従事者への情報提供はノバルティス ファーマと大塚製薬が共同で行う。ARNIのエンレストには効能又は効果に関連する注意 ARNIのエンレストは、ネプリライシン阻害作用をもつサクビトリルとアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)であるバルサルタンを1:1のモル比で含有する単一の結晶複合体。心不全の病態を悪化させる神経体液性因子の1つであるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)の過剰な活性化を抑制するとともに、RAASと代償的に作用する内因性のナトリウム利尿ペプチド系を増強し、神経体液性因子のバランス破綻を是正する。 ARNIのエンレストは欧米を含む世界100ヵ国以上で承認されており、米国では収縮不全を伴う心不全(NYHAクラスII~IV)、欧州では成人の左室駆出率が低下した症候性慢性心不全を適応として承認されている。日本では「慢性心不全」を適応として承認され、効能又は効果に関連する注意として「1)本剤は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬から切り替えて投与すること。2)「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率、収縮期血圧等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。」と記載されている。製品概要■製品名:エンレスト錠50mg、100mg、200mg■一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物■効能又は効果:慢性心不全ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。■用法及び用量:通常、 成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する。1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与する。なお、忍容性に応じて適宜減量する。■薬価:エンレスト錠50mg:65.70円、同100mg:115.20円、同200mg:201.90円

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コクラン共同計画のロゴマークからメタ解析を学ぶ【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第27回

第27回 コクラン共同計画のロゴマークからメタ解析を学ぶこの原稿を執筆している2020年7月末には、新型コロナウイルスへの感染者数が再び増加しています。パンデミック収束の気配はありません。数多くの、抗ウイルス薬やワクチンの開発の報道はありますが、決定的な方策はない状況です。どの薬剤にも、有効という臨床試験の結果もあれば、無効という結果もあるからです。同じ臨床上の課題について、それぞれの試験によって結果が異なることは、医学の世界では珍しいことではありません。このような場合に有効な方法がメタ解析です。メタ解析は、複数のランダム化比較試験の結果を統合し分析することです。メタ解析の「メタ」を辞書的にいえば、他の語の上に付いて「超」・「高次」の意味を表す接頭語で、『より高いレベルの~』という意味を示すそうです。メタ解析の結果は、EBMにおいて最も質の高い根拠とされます。ランダム化比較試験を中心として、臨床試験をくまなく収集・評価し、メタ解析を用いて分析することを、システマティック・レビューといいます。このシステマティック・レビューを組織的に遂行し、データを提供してくれるのが、コクラン共同計画です。英語のまま「コクラン・コラボレーション」(Cochrane Collaboration)と呼ばれることも多いです。本部は、英国のオックスフォード大学にあり、日本を含む世界中100ヵ国以上にコクランセンターが設立されています。システマティック・レビューを行い、その結果を、医療関係者や医療政策決定者、さらには消費者である患者に届け、合理的な意思決定に役立てることを目的としている組織です。フォレスト・プロット図をデザイン化した、コクラン共同計画のロゴマークをご存じでしょうか。早産になりそうな妊婦にステロイド薬を投与することによって、新生児の呼吸不全死亡への予防効果を検討した、メタ解析の結果が示されています。数千人の未熟児の救命につながったと推定される、システマティック・レビューの成功例なのです。この図を、Cochrane Collaborationの2つの「C」で囲んだデザインが、コクラン共同計画のロゴです。フォレスト・プロットの図から、メタ解析の結果を視覚的に理解することができます。横線がいくつか並んでいますが、これは、過去の複数のランダム化比較試験の結果を上から順に記載したものです。1本の縦線で左右に区切られており、この線の左側は介入群が優れていることを意味します。すべての研究を統合した結果が一番下の「ひし形」に示されます。ロゴの図をみると、7つの臨床研究の結果を統合し、ひし形が縦線の左にあることから、ステロイド薬使用という介入が有効であるという結果が読み取れます。縦線が樹木の幹で、各々の研究をプロットした横線が枝葉で、全体として1本の樹木のようにみえることからフォレスト・プロットと呼ばれるのです。個々の試験では、サンプルサイズが小さく結論付けられない場合に、複数の試験の結果を統合することにより、検出力を高めエビデンスとしての信頼度を高めるのがメタ解析です。症例数が多いほど、結論に説得力があるのです。数は力なのです。多ければ良いというものではない場合もあります。それは、猫の数です。面倒みることができないほど多くの猫の数になる、いわゆる多頭飼育崩壊です。メタ解析ではなく、「メチャ飼い過ぎ」でしょうか、苦しいダジャレです。仲良く猫たちが、じゃれ合う姿は可愛らしいものですが、何事にも程合いがあります。小生は、ただ1匹の猫さまに愛情を集中しています。ここでわが家の愛猫が、原稿を執筆しているパソコンのキーボードの上に横たわりました。自分が猫のことを考えているのが伝わったのか、邪魔をしようという魂胆のようです。ウーン可愛い過ぎる! 原稿執筆終了です。

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「レンドルミン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第14回

第14回 「レンドルミン」の名称の由来は?販売名レンドルミン®錠0.25mg/レンドルミン®D錠0.25mg一般名(和名[命名法])ブロチゾラム(日局、JAN) 効能又は効果不眠症、麻酔前投薬用法及び用量本剤の用量は、年齢、症状、疾患などを考慮して適宜増減するが、一般に成人には次のように投与する。不眠症1回ブロチゾラムとして0.25mgを就寝前に経口投与する。麻酔前投薬手術前夜:1回ブロチゾラムとして0.25mgを就寝前に経口投与する。麻 酔 前:1回ブロチゾラムとして0.5mgを経口投与する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌 (次の患者には投与しないこと)】(1)急性閉塞隅角緑内障の患者 [抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。](2)重症筋無力症のある患者 [重症筋無力症を悪化させるおそれがある。]【原則禁忌 (次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)】肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している場合 [炭酸ガスナルコーシスを起こすおそれがある。]※本内容は2020年8月26日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年7月改訂(改訂第16版)医薬品インタビューフォーム「レンドルミン®錠0.25mg/レンドルミン®D錠0.25mg」2)ベーリンガープラス:製品情報

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第21回 ワクチン2題。あなたはワクチン打ちますか、打たせますか?

ワクチンは高齢者、医療従事者が優先の方向こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。相変わらず猛暑が続きます。私は2週間前に越後駒ヶ岳を登った時の日焼けが思いの外ひどく、しばらく皮膚がめくれた醜い腕をさらしていたのですが、やっと収まってきました。NHKニュースでも「たかが日焼け?~甘く見ないで対策を」と、重症の日焼けについて報道していましたが、よく言われる「日焼けは皮膚がんになる」は、日本人(黄色人種)の場合、当てはまるのでしょうか?日焼けクリームがなかった昔から、農家の人は夏には真っ黒になって仕事をしてきました。でも、農業従事者に皮膚がんが多い、とは聞きません。また、登山やサーフィンを趣味にする人に皮膚がんが多い、とも聞きません。とくに肌が白い人はともかく、普通の日本人の肌の色であれば日焼けクリームはそんなに塗らなくてもいいのでは、と毎年思うのですが、皆さん、いかがでしょう?さて、今週はワクチンの話題について書きたいと思います。連日、全国各地でクラスター発生の報道がある中、8月21日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が開かれ、東北大の押谷 仁教授から、「東京都、大阪府、愛知県のいずれも7月末がピークだったとみられる」と、再流行が収束に向かう兆しがある旨の発言がありました。もっとも、「東京都は高止まりの可能性があり、急激には下がることはない」とのこと。一方、感染拡大が続いている沖縄県については「不確実だが、少しずつ減っている可能性もある」と述べました。全体として、このまま行けば徐々に収束に向かうのでは、との期待を持たせる報告でした。また、この分科会では、新型コロナウイルス感染症のワクチンが開発された場合にどのような優先順位で接種するかについて「現時点での考え方」が公表され、新聞他各メディアもそれを大きく報じました。そこでは、重症化の可能性が高い高齢者や基礎疾患を有する人、直接診療に当たる医療従事者は優先的に接種する必要性が高いと指摘。一方で、妊婦や高齢者施設で働く人は検討課題とされました。今後、政府は優先的に接種する対象をどこまで広げるかなどについて分科会で議論してもらい、秋にもワクチン接種のあり方を定めた基本方針を策定する予定とのことです。「国民が期待していない事実が出てくるかもしれない」と尾身氏この「考え方」、安全性や有効性に不確実な面があることを指摘し、情報収集と国民への正確な発信の重要性を強調するなど、全体としてかなり冷静でドライな内容となっています。例えば、「特に留意すべきリスク」として、「現在開発が進められているワクチンでは、核酸やウイルスベクター等の極めて新規性の高い技術が用いられていることである。また、ワクチンによっては、抗体依存性増強(ADE)など重篤な副反応が発生することもありうる。ワクチンの接種にあたっては、特に安全性の監視を強化して接種を進める必要がある」と、新規性の高い技術のためリスクの見極めが難しい点や、ADEの危険性にも言及しています。さらに、「一般的に、呼吸器ウイルス感染症に対するワクチンで、感染予防効果を十分に有するものが実用化された例はなかった。従って、ベネフィットとして、重症化予防効果は期待されるが、発症予防効果や感染予防効果については今後の評価を待つ必要がある」と、ワクチンが開発されたとしても当面期待できるのは重症化予防効果だけである点にも触れています。その上で、「わが国では、ワクチンの効果と副反応の関係については、長い間、国民に理解を求める努力をしてきたが、副反応への懸念が諸外国に比べて強く、ワクチンがなかなか普及しなかった歴史がある。 従って、国民が納得できるような、十分な対話を行っていくべきである」と国民への情報提供や配慮の重要性にも触れています。分科会長の尾身 茂氏も、「国民が必ずしも期待していない事実が出てくるかもしれない。100%理想のものでなかったらがっかりするが、副作用があるのかないのか透明性を持って伝えることが私どもの仕事だ」と話したとのことです。「全員接種」を強制の可能性も政府は、これまでに米国ファイザー社と英国アストラゼネカ社からワクチンの供給を受けることで合意。開発に成功した場合、来年初頭からワクチンの一部が日本に供給される予定です。今回のワクチン接種の優先順位は、とりあえず開発が先行するこの2社のワクチンを想定してのものと考えられます。さて、優先順位の上位に医療従事者が入っていますが、読者の皆さんは打ちたいと思いますか?医療関係者からは「ワクチンを打って安心して働きたい」という声の一方で、「安全性が確立していない初物のワクチンなんて打ちたくない」という声も聞こえてきます。開発を担当する製薬企業の研究者ですら、「私はちょっと…」とお茶を濁す人もいると聞きます。仮に来年、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種がスタートし、医療従事者が優先となった場合、医療機関によって「スタッフ全員接種」か「希望者のみに接種」か、対応が異なってくると思われます。先の「考え方」には、「接種を優先すべき対象者がリスクとベネフィットを考慮した結果、接種を拒否する権利も十分に考慮する必要がある」と書かれてはいますが、「あそこの病院はワクチンを全員打っていないから危険だ!」といった、意味のない風評を嫌う病院経営者(公立病院の場合は首長)が、「全員接種」を強制する可能性も考えられます。「今回のワクチンはあくまで重症化予防であり、感染予防ではない」ことを、一般人のみならず、大阪府知事など医学に疎い自治体の首長にも事前にしっかりと啓発し、ワクチンの登場までにヘルスリテラシーをしっかり高めておいて欲しいと思います。9価HPVワクチンが定期接種検討へワクチンということでは、今週はもう一つ興味深いニュースがありました。厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会「ワクチン評価に関する小委員会」が8月18日、MSDの9価HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン「シルガード9 (組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)」を、公費で接種できる定期接種に組み入れるかどうかの是非を今後検討することを了承したのです。同ワクチンは先月7月21日に製造販売が承認されたばかり。HPVワクチンは日本ではこれまで子宮頸がんになりやすいハイリスクな16型、18型への感染を防ぐ2価ワクチン(サーバリックス)と、その2つの型に加え尖圭コンジローマを起こす6型、11型も防ぐ4価ワクチン(ガーダシル)しか承認されていませんでした。シルガード9は上記に加え、やはりがんになりやすい31、33、45、52、58の5つの型も含めた9価ワクチンです。子宮頸がんの90%以上を防ぐとして先進国では主流(肛門のがんや性器イボも予防できるとして男性も接種対象)ですが、日本だけ承認が大幅に遅れていました。ちなみにMSDが製造販売の承認申請をしたのは2015年7月ですが、9価ワクチン承認に反対する団体の影響もあったのか、承認までになんと5年もかかっています。WHOからも叱られた「いい思い出がない」ワクチンHPVワクチンは日本のワクチン行政上、「いい思い出がない」ワクチンとも言えます。新型コロナウイルス感染症に関しての分科会の「考え方」で述べられた、「副反応への懸念が諸外国に比べ強く、ワクチンがなかなか普及しなかった歴史」とはHPVワクチンのことでもあるのです。2013年に予防接種法に基づき2価、4価ワクチンが定期接種化されたものの、接種後の副反応の疑い例が大々的に報道されました。その影響で自治体から接種対象者に接種時期を知らせたり、個別に接種を奨めたりするような積極的勧奨は中断したままです。現在の高校3年生以下の女子の接種率は1%未満という数字もあります。一方で、子宮頸がんの患者数は増加傾向にあり、毎年国内で約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しています。特に20~30代のAYA世代に多く、30歳代後半がピークとなっています。こうした状況下、WHOは2015年の声明で、若い女性が本来予防し得るHPV関連がんのリスクにさらされている日本の状況を危惧し、「安全で効果的なワクチンが使用されないことに繋がる現状の日本の政策は、真に有害な結果となり得る」と警告。日本産科婦人科学会も、「科学的見地に立ってHPVワクチン接種は必要」との立場で、HPVワクチン接種の積極的勧奨の再開を国に対して強く求める声明を繰り返し発表し、9価ワクチンについても早期承認と定期接種化を求めてきました。その定期接種化に向けての動きがやっと始まった、というわけです。既に世界で効果と安全性の評価が固まっているHPVワクチンと、これから評価待ちの新型コロナウイルスワクチン。ワクチンに対しセンシティブで過剰反応が過ぎると言われる日本人が、この2つのワクチンにこれからどのような“反応”をし、“判断”を下すのか、とても気になります。

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第27回 ケアマネを取ってみたものの…【噂の狭研ラヂオ】

動画解説山形県最上地域に3店舗を構えるほし薬局社長 星利佳先生にインタビュー。さすがは雪深い山形県、薬局の一部はバスの待合室としても開放しているそう。ドラッグストアのポップ作りは得意だけど、ケアプランは苦手だから得意な人に任せる。自分の得手不得手を見極めて前進する彼女のやり方とは?

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