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CAR-T療法イエスカルタ、大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療に有効 /NEJM

 大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療において、自家抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞製品アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel、商品名:イエスカルタ)は標準治療と比較して、無イベント生存期間および奏効割合を有意に改善し、Grade3以上の毒性作用の発現は予想された程度であることが、米国・H. Lee MoffittがんセンターのFrederick L. Locke氏らが実施した「ZUMA-7試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年12月11日号に掲載された。世界77施設で行われたCAR-T細胞製品の第III相無作為化試験 研究グループは、早期再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療におけるCAR-T細胞製品axi-celの有用性を評価する目的で、2018年1月~2019年10月の期間に、世界77施設で参加者を募り国際的な無作為化第III相試験を行った(米国・Kiteの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、世界保健機関(WHO)の分類基準(2016年版)で組織学的に大細胞型B細胞リンパ腫と確定され、1次治療で完全寛解が得られなかった患者、または1次治療終了から12ヵ月以内に生検で再発が確認された患者であった。 被験者は、axi-cel群または標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。axi-cel群は、白血球アフェレーシスを受け、前処置としての化学療法(シクロホスファミド+フルダラビン)が施行された後、目標用量(2×106/kg体重)のCAR-T細胞が単回注入された。標準治療群は、プロトコールで定義された化学免疫療法のうち担当医によって選択されたレジメンによる治療を受け、完全または部分寛解が得られた患者には、さらに大量化学療法と自家幹細胞移植が施行された。 主要エンドポイントは、盲検下の中央判定による無イベント生存。主な副次エンドポイントは奏効および全生存であり、安全性の評価も行われた。無イベント生存期間が6ヵ月以上延長、奏効割合は1.66倍に 359例が登録され、axi-cel群に180例、標準治療群に179例が割り付けられた。全体の年齢中央値は59歳(範囲:21~81)、30%(109例)が65歳以上であり、66%(237例)が男性だった。74%が難治性、79%がStageIII/IV、19%がMYCおよびBCL2とBCL6の両方かいずれか一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫であった。追跡期間中央値は24.9ヵ月だった。 無イベント生存期間中央値は、axi-cel群が8.3ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.5~15.8)、標準治療群は2.0ヵ月(1.6~2.8)で、24ヵ月無イベント生存割合はそれぞれ41%(33~48)および16%(11~22)であり、axi-cel群で有意に優れた(イベントまたは死亡のハザード比[HR]:0.40、95%CI:0.31~0.51、p<0.001)。 奏効割合は、axi-cel群が83%と、標準治療群の50%の1.66倍に達した(群間差:33ポイント、p<0.001)。完全奏効はそれぞれ65%、32%であった。また、中間解析における全生存期間中央値は、axi-cel群が未到達、標準治療群は35.1ヵ月であり両群間に有意な差はなかった(死亡のHR:0.73、95%CI:0.53~1.01、p=0.054)。推定2年全生存割合はそれぞれ61%および52%であった。 さらに、無増悪生存期間中央値は、axi-cel群が14.7ヵ月(95%CI:5.4~評価不能)であり、標準治療群の3.7ヵ月(2.9~5.3)に比べ延長した(進行または死亡のHR:0.49、95%CI:0.37~0.65)。24ヵ月無増悪生存割合は、それぞれ46%(95%CI:38~53)および27%(20~35)だった。 Grade3以上の有害事象の発現頻度は、axi-cel群91%(155例)、標準治療群83%(140例)であった。axi-cel群では、Grade3以上のサイトカイン放出症候群が6%(11例)、Grade3以上の神経学的イベントが21%(36例)に認められたが、これらによる死亡例はなかった。 著者は、「アキシカブタゲン シロルユーセルは、再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療において、化学免疫療法、大量化学療法、自家幹細胞移植によるレジメンの代替治療として実行可能であることが明らかとなった」としている。

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精神疾患患者のCOVID-19感染による入院、死亡リスク

 統合失調症、双極性障害、うつ病を含む重度の精神疾患を有する人は、身体的健康においても、一般集団と比較し、大きな格差を抱えている。この格差の程度は明らかとなっていないが、新たなエビデンスでは、重度の精神疾患患者はCOVID-19による感染や死亡リスクが高いことが示唆されている。英国・マンチェスター大学のLamiece Hassan氏らは、UKバイオバンクのコホート研究データを用いて、重度の精神疾患患者におけるCOVID-19関連の感染、入院、死亡率を調査した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2021年12月7日号の報告。 UKバイオバンクから抽出した44万7,296例(統合失調症:1,925例、双極性障害:1,483例、うつ病:4万1,448例、重度の精神疾患でない対照群:40万2,440例)を対象とし、医療および死亡に関する記録とリンクさせた。多変量ロジスティック回帰分析を用いて、診断とCOVID-19関連アウトカムとの違いを調査した。また、社会人口統計学的要因および併存疾患で調整した場合においても検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・調整前の分析では、重度の精神疾患患者は、対照群と比較しCOVID-19関連の死亡リスクのオッズ比が高かった。また、重度の精神疾患患者は、COVID-19関連の感染、入院リスクも高かった。【死亡リスクのオッズ比(OR)】 ●統合失調症:4.84(95%信頼区間[CI]:3.00~7.34) ●双極性障害:3.76(95%CI:2.00~6.35) ●うつ病:1.99(95%CI:1.69~2.33)【感染リスクのOR】 ●統合失調症:1.61(95%CI:1.32~1.96) ●双極性障害:1.48(95%CI:1.16~1.85) ●うつ病:1.47(95%CI:1.40~1.54)【入院リスクのOR】 ●統合失調症:3.47(95%CI:2.47~4.72) ●双極性障害:3.31(95%CI:2.22~4.73) ●うつ病:2.08(95%CI:1.89~2.29)・調整後の分析では、死亡リスクと入院リスクのORは、重度の精神疾患患者において有意に高いままであったが、感染リスクのORは、うつ病のみ有意に高いままであった。 著者らは「統合失調症、双極性障害、うつ病などの重度の精神疾患患者では、COVID-19関連の感染、入院、死亡リスクが上昇することが示唆された。この違いが既存の人口統計学的要因や併存疾患によって説明できるのは、一部分であった。そのため、重度の精神疾患患者に対しては、優先的にワクチン接種や予防措置を講じる必要がある」としている。

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2021年、がん専門医に読まれた記事は?「Doctors’Picks」ランキング

 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」(医師会員限定)は、2021年にがん専門医によく読まれた記事ランキングを発表した。がん横断的なトピックスやCOVID-19とがんに関連する記事のほか、米国腫瘍学会(ASCO)関連の話題が多くランクインしている。【1位】おーちゃん先生のASCO2021肺がん領域・オーラルセッション/Doctors'Picks 6月に行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO)。4,500を超える演題から注目すべきものをエキスパート医師がピックアップして紹介。肺がん分野は山口 央氏(埼玉医科大学国際医療センター)が「CheckMate-9LA試験の2年アップデート」「IMpower130、IMpower132、IMpower150 の免疫関連の有害事象を分析」などを選定した。【2位】がん関連3学会、がん患者への新型コロナワクチン接種のQ&A公開/CareNet.com 3月末、がん関連3学会(日本学会、日本治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A―患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版―」を公開した。【3位】ASCO 乳がん 注目演題まとめ(1)オーラル/周術期/Doctors'Picks ASCO注目演題、乳がん分野は寺田 満雄氏(名古屋市立大学)が全オーラル演題をチェックしたうえで注目すべき10演題を選定、サマリーと共に紹介した。【4位】リキッドバイオプシーを用いたがん遺伝子パネル検査が国内で初承認/日経メディカル 3月、中外製薬は血液検体を用いて固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリングを行う検査「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の承認獲得を発表。リキッドバイオプシーを用いたがん遺伝子パネル検査は国内初承認となる。進行固形がん患者を対象に、血液中の循環腫瘍 DNA(ctDNA)を用いて324個のがん関連遺伝子を解析する。【5位】免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象…メカニズムと緩和戦略/Nature Reviews Drug Discovery チェックポイント阻害薬(ICI)治療に関連した免疫関連有害事象(irAE)の発生と、発生を予測するバイオマーカーを特定し、発症を抑制するメカニズムを解説する論文がNature Reviews Drug Discovery誌に掲載された。6~10位は以下のとおり。【6位】ASCO 消化器がん 注目演題まとめ/Doctors'Picks【7位】固形がん患者における新型コロナワクチン接種後の抗体価/Annals of Oncology【8位】がん免疫療法患者に対するCOVID-19ワクチン接種/SITC【9位】IMpower150試験、EGFR陽性・肝/脳メタ解析の最終報告/Journal of Thoracic Oncology【10位】「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」の保険適用を了承/中医協

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COVID-19関連のPTSDリスク~6ヵ国の大学生を調査

 ポーランド・ワルシャワ工科大学のDominika Ochnik氏らは、欧州6ヵ国の大学生におけるCOVID-19パンデミックの第1波、第2波の影響および第2波期間中の心的外傷後ストレス障害(PTSD)リスクとその有病率との関連について調査を行った。Journal of Clinical Medicine誌2021年11月26日号の報告。 ドイツ、ポーランド、ロシア、スロベニア、トルコ、ウクライナの大学生を対象に、横断的研究を繰り返し実施した(第1波:1,684人、第2波:1,741人)。COVID-19への曝露は、8項目(COVID-19の症状、検査、COVID-19による入院、親族の感染、親族の死亡、失業、COVID-19パンデミックによる経済状況の悪化)について測定した。COVID-19関連のPTSDリスクの評価には、PTSD評価尺度(PCL-S)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19の症状は、ドイツを除く5ヵ国において第1波よりも第2波の方が高かった。・COVID-19の検査は、すべての国において第1波よりも第2波の方が多く、その差はドイツが最も大きかった。・第2波でのCOVID-19による入院は、ポーランド、トルコ、6ヵ国全体の学生において入院率が高かった。・COVID-19の検疫を受けた学生の割合は、ポーランド、トルコ、ウクライナで高かった。・すべての国において、第1波よりも第2波において、友人、親族のCOVID-19感染および死亡を経験していた。・COVID-19による失業率の増加は、ウクライナのみで認められた。・第2波期間中の経済状況は、ポーランドで悪化が認められ、ロシアでは改善が認められた。この理由として、規制の厳しさが影響していると考えらる。・3つのカットオフ値(25、44、50)によるCOVID-19関連のPTSDリスクの有病率は、それぞれ78.20%、32.70%、23.10%であった。・PTSDリスクの重症度が異なる場合、予測モデルに違いが認められた。・COVID-19関連PTSDリスクと強いおよびとても強い関連が認められた因子は、女性、うつ病診断歴、友人、親族の死亡、失業、経済状況の悪化であった。・COVID-19関連PTSDリスクと中程度の関連が認められた因子は、女性、PTSD診断歴、COVID-19症状の経験、COVID-19の検査、友人、親族の感染、経済状況の悪化であった。

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大規模屋内ライブ、包括的介入でコロナ感染予防は可能か~無作為化比較試験

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)蔓延防止のため、2020年は多くの屋内で集まるイベントが禁止された。フランスにおけるSPRING研究(Study on Prevention of SARS-CoV-2 Transmission During a Large Indoor Gathering Event)グループでは、大規模な屋内集会イベントで、開催前3日以内の抗原検査、医療用マスクの着用、十分な換気などの包括的な予防的介入を実施した場合、参加者と非参加者の感染率が同等かどうかを非劣性試験で検証した。その結果、イベント参加とSARS-CoV-2感染リスクに関連は認められなかったことをThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年11月26日号で報告した。 2020年12月にバルセロナでの屋内ライブで実施された無作為化比較試験では、当日の迅速抗原検査とN95マスク着用が感染を予防するという予備的エビデンスが報告されたが、この試験は参加者数が少なく、またいくつかのロジスティックな問題が起こった。本試験は前向き非盲検無作為化比較試験で、2021年5月29日にパリのAccor Arenaで開催された屋内ライブコンサートにおいて検証した。専用ウェブサイトで募集した試験参加者は、18〜45歳、併存疾患なし、COVID-19症状なし、最近のCOVID-19患者との接触なし、イベント前3日以内の迅速抗原検査で陰性であった。試験参加者を、イベント参加者群と非参加者群(対照群)に2:1の割合で無作為に割り付け、主要評価項目はイベント後7日目に参加者が自己採取した唾液のRT-PCR検査におけるSARS-CoV-2陽性者数(非劣性マージン:0.35%未満)とした(per-protocol population)。 当日は、全員に会場入り口で医療用マスクとペットボトルの水を配布し、手指消毒を実施した。マスクの取り外しは飲用時のみ許可、バーは閉鎖、アルコール飲料は禁止とした。会場の総面積は5万5,000平方メートル、最大収容人数は2万人で、イベント中に入れるのはフロア(1,900平方メートル)のみとし、歌やダンスは許可された。 主な結果は以下のとおり。・2021年5月11日~25日に、専用ウェブサイトで1万8,845人が登録され、事前登録の現地参加者から1万953人が無作為に選ばれた。約束どおり検査を受けた6,968人から、無作為に6,678人が割り付けられた(イベント参加者群4,451人、非参加者群2,227人、年齢中央値28歳、女性59%)。参加者群の88%(3,917人)および非参加者群の87%(1,947人)がフォローアップ要件を順守した。・イベント後7日目のRT-PCRで、参加者群3,917人中8人(発生率:0.20%、95%CI:0.09~0.40)、非参加者群1,947人中3人(発生率:0.15%、95%CI:0.03~0.45)が陽性で、陽性率の絶対差の95%CIは-0.26~0.28%だった。

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アジアにおけるCOVID-19うつ病とそのリスク因子~メタ解析

 アジア太平洋地域におけるCOVID-19パンデミックに伴ううつ病の有病率やそのリスク因子について、マレーシア・マラヤ大学のVimala Balakrishnan氏らは、文献報告のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年11月18日号の報告。 2021年1月~3月30日までの文献をPubMed、Google Scholar、Scopusより検索した。PRISMAガイドラインに従ってシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。スクリーニングの結果、82文献(20万1,953人)が抽出された。 主な結果は以下のとおり。・プールされたうつ病の有病率は34%(95%信頼区間[CI]:29~38%、I2=99.7%)であった。コホート、タイムライン、地域間での有意な差は認められなかった(p>0.05)。・主なリスク因子は、COVID-19感染に対する恐怖(13%)、女性(12%)、基礎疾患の悪化(8.3%)であり、グループ間での差は認められなかった。・COVID-19感染に対する恐怖は、一般集団(研究数:14)および医療従事者(研究数:8)において最も報告されたリスク因子であった。・リスク因子として、医療従事者では女性(研究数:7)、作業負荷の増加(研究数:7)が報告されたのに対し、学生では教育の混乱(研究数:7)が報告された。・なお、今回のレビューは、3つの電子データべースからの論文に限定されている。 著者らは「COVID-19パンデミックは、アジア太平洋地域の一般集団、医療従事者、学生のうつ病発症に影響を及ぼしていることが示唆された。この問題に対処するためにも、関係当局による迅速な対応や介入が求められる」としている。

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ノババックスワクチン、安全性と有効性を確認/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのNVX-CoV2373(Novavax製)は、COVID-19の予防に関して安全かつ有効であることを、米国・NovavaxのLisa M. Dunkle氏らが、米国およびメキシコで行われた第III相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。NVX-CoV2373は、英国と南アフリカで行われた第IIb・III相の試験において臨床的効果が示されていたが、北米ではまだ検討が行われていなかった。NVX-CoV2373は、サポニンベースのアジュバントを添加した遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンで、冷蔵保管(2~8℃)が可能であることから、世界的なワクチン不足に資するワクチンと目されている。NEJM誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。2021年上旬、米国とメキシコで18歳以上を対象にプラセボ対照無作為化試験 NVX-CoV2373の有効性と安全性を評価する試験は、2021年上旬に、米国113ヵ所、メキシコ6ヵ所の医療拠点で被験者を募り行われた。被験者は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染していない18歳以上の成人(健康または慢性疾患症状が安定している有病者を含む)。 被験者は2対1の割合で無作為に2群に割り付けられ、NVX-CoV2373の2回接種またはプラセボを21日間隔で接種を受けた。 試験の主要目的は、2回接種後7日以降に発症がRT-PCR法で確認されたCOVID-19に対するワクチンの有効性を評価することであった。また、中等症~重症化に対する有効性およびさまざまな変異株への有効性も評価した。有効性は90.4%、中等症~重症化の予防効果は100% 2020年12月27日~2021年2月18日に2万9,949例が無作為化を受け、合計2万9,582例(年齢中央値47歳、65歳以上12.6%)がワクチンの1回以上の接種を受けた(NVX-CoV2373群1万9,714例、プラセボ群9,868例)。 2021年4月19日(約3ヵ月間)まで追跡を受けた有効性に関するper-protocol解析集団2万5,452例において、検査で確認されたCOVID-19の症例は、77例であった。内訳はNVX-CoV2373群14例(1,000人年当たり3.3例[95%信頼区間[CI]:1.6~6.9])、プラセボ群63例(同34.0例[20.7~55.9])であり、ワクチンの有効性は90.4%(95%CI:82.9~94.6、p<0.001)であった。 中等症例は10例、重症例は4例で、全例がプラセボ接種者で認められたものであり、中等症~重症化に対するワクチンの有効性は100%(95%CI:87.0~100)であった。 ゲノム解析で特定されたウイルスの大半(48/61例、79%)が、懸念または注視されている変異株で、なかでも最も多くを占めたのはB.1.1.7(アルファ株)であった(懸念変異株35のうち31、89%)。これら懸念または注視される変異株に対するワクチンの有効性は、92.6%(95%CI:83.6~96.7)であった。 反応原性は、ほとんどが軽度~中等度で一過性のものだった。発現頻度は、NVX-CoV2373群のほうがプラセボ群よりも高く、1回目接種後よりも2回目接種後に多く認められた。

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第92回 英国でもオミクロン株入院リスクが低いと判明

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン(Omicron)株感染者の入院リスクはデルタ株感染者に比べて20~25%低いとの英国データ解析結果(Report 50)を同国の大学Imperial College Londonが先週22日水曜日に発表しました1,2)。その入院の定義はPCR検査でのSARS-CoV-2感染(COVID-19)が判明してから14日以内の事故/救急科(Accident and Emergency department;A&E)受診を含む来院記録があることです1)。オミクロン株感染者の1泊以上の入院リスクはより小さく、デルタ株感染者を40~45%下回りました。今月中旬16日の報告(Report 49)の段階ではオミクロン株感染者の入院全般(hospitalisation attendance)や症状のデルタ株との差は認められていませんでした3)。オミクロン株感染者の入院リスクがデルタ株感染者に比べてより低いことは英国政府の保健安全保障庁(UKHSA)の解析でも示されています4)。UKHSAの報告によると今月20日までのイングランドのオミクロン株感染者数は5万6,066人で、そのうち132人が病院で治療(admitted or transferred from emergency department)を受けました。14人がオミクロン株感染判明から28日以内に死亡しました。UKHSAの報告でのオミクロン株感染者の入院リスクはImperial College Londonの解析結果よりどうやらさらに小さく、デルタ株感染者より62%(95%信頼区間では50~70%)低いことが示されました。オミクロン株感染者は救急も含む入院(emergency department attendance or admission)にも至りにくく、デルタ株感染者より38%(95%信頼区間では31~45%)少ないという結果も得られています。オミクロン株感染者の入院リスクが他の変異株感染者に比べて低いらしいことは好ましい兆候だがひとまずの結果であって更なる検討が必要だとUKHSAの長Jenny Harries氏は言っています5)。オミクロン株感染がどうやら軽症らしいのはワクチン接種の普及または先立つ感染で備わった免疫のおかげかもしれません。またはウイルス自体の変化が軽症で済むようにさせている可能性もあります6)。参考1)Report 50 - Hospitalisation risk for Omicron cases in England / Imperial College London2)Some reduction in hospitalisation for Omicron v Delta in England: early analysis / Imperial College London3)Report 49 - Growth, population distribution and immune escape of Omicron in England. MRC Centre for Global Infectious Disease Analysis / Imperial College London4)SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England / UKHSA5)UKHSA publishes updated Omicron hospitalisation and vaccine efficacy analysis / UK Health Security Agency (UKHSA) 6)Omicron cases at much lower risk of hospital admission, UK says / Reuters

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COVID-19パンデミック時の不眠症状とそれに関連する因子

 ノルウェー・オスロ大学のOyvind Halsoy氏らは、COVID-19パンデミック中の不眠症状に関連する因子について、調査を行った。Frontiers in Psychiatry誌2021年11月5日号の報告。 ノルウェーの成人4,921人を対象に、2020年3月31日~4月7日および2020年6月22日~7月13日の2つの期間において調査依頼を実施した。1回目の調査で関連するリスク因子や心理的相関を、2回目の調査で不眠症状を測定し、時間経過に伴う関連を含めた調査を行った。不眠症状の測定には、Bergen Insomnia Scale(BIS)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19によるロックダウン中の不眠症状は、2008年に実施したパンデミック前の調査結果と比較し、平均レベルが高いことが明らかとなった(p<0.0001、Cohen's d=0.29)。・ソーシャルディスタンスを守った人は、そうでない人と比較し、不眠症状の平均レベルが高かった。・女性、教育水準の低い人、職を失った人、不特定の精神疾患診断歴を有する人は、最も多くの症状を報告していた。・回帰モデル(R2=0.44)では、身体運動が不眠症状の減少と関連が示唆された。・不眠症状レベルの高さと関連していた因子は、健康不安症状、抑うつ症状、役立たない対処法、仕事や経済への懸念、高齢者であった。 著者らは「本調査結果は、とくに脆弱なグループを特定しただけでなく、不眠症状に苦しんでいる患者を支援することへの重要性を改めて示している」としている。

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「頭痛の診療ガイドライン」8年ぶり改訂、ポイントは

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新規薬剤の片頭痛予防薬としての相次ぐ承認、2018年の「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」の発表等、頭痛診療における重要な変化を反映する形で、8年ぶりの改訂となった「頭痛の診療ガイドライン 2021」1)が10月に刊行された。ガイドライン作成委員会委員長を務めた荒木 信夫氏(よみうりランド慶友病院院長)に、頭痛の診療ガイドライン改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。 「頭痛の診療ガイドライン 2021」は前回の「慢性頭痛の診療ガイドライン 2013」をもとに改訂が行われているが、二次性頭痛の項目を加え、その記載を大幅に拡充したことから、タイトルは従来の「慢性頭痛」から「頭痛」に変更されている。頭痛の診療ガイドライン2021で慢性片頭痛が頭痛のサブタイプに ICHD-2では慢性片頭痛は片頭痛合併症の1つとして分類されていたが、ICHD-3では片頭痛のサブタイプの1つとして分類され、その概念・診断法が明確に定義された(CQII-1-12)。荒木氏は、「CGRP関連薬剤の慢性片頭痛への有効性が明らかになり、この診断はとても重要」と話す。また、薬物の使用過多による頭痛(MOH)との鑑別において、今版では慢性片頭痛と両方の診断基準を満たす場合は両方の診断名を与えることが可能とされた。MOHについては、頭痛の診療ガイドライン旧版では薬物乱用頭痛とされていたが 「頭痛の診療ガイドライン 2021」では訳語が変更され、そのサブタイプや診断時の基準となる服薬日数などが一部変更されている(CQVI-1)。頭痛の診療ガイドライン2021における片頭痛急性期治療 今回の「頭痛の診療ガイドライン 2021」において、片頭痛の急性期治療におけるトリプタンとNSAIDsを文献から比較・分析した結果、トリプタンで有意に投与2時間後の頭痛消失率が高く、24時間以内の再発率が低いことが示された。一方で有害事象はトリプタンで多かったが、重篤なものはなく、多職種および患者代表も参加したGRADE方式による検討の結果、トリプタンを使用できない症例を適切に除外することで利益が不利益を上回るとされた。なお、推奨文の付帯事項として、片麻痺性片頭痛、脳幹性前兆を伴う片頭痛でのトリプタンの使用は非推奨となっている(CQII-2-3)。 また、トリプタンにはノンレスポンダーや血管収縮作用のために使用できない症例も存在する。そこで現在、血管収縮作用をもたない選択的5-HT1F受容体作動薬(ditan)やCGRP受容体拮抗薬(gepant)の開発が進められている。今回、米国FDAですでに認可された、ditanのlasmiditan、gepantのubrogepant、rimegepantが片頭痛急性期治療薬としてトリプタンと同じGroup 1(有効)に位置付けられた(CQII-2-1)。頭痛の診療ガイドライン2021で片頭痛予防薬にCGRP関連薬剤 2021年、本邦では抗CGRP抗体ガルカネズマブ、フレマネズマブ、および抗CGRP受容体抗体エレヌマブが片頭痛予防薬として相次いで承認された。「頭痛の診療ガイドライン 2021」でも予防薬としてGroup 1(有効)に位置付けられ(CQII-3-2)、強い推奨/エビデンスの確実性Aとされている(CQII-3-14)。「月に一度の投与で、1週間ほどで改善がみられる患者さんが多い。片頭痛治療においては、トリプタン登場以来のインパクトといえるのではないか」と荒木氏。3剤の効果はほぼ同等といえるが、初回本数の違いによるコストの違い、12週間隔を選択できることによる間隔の違いなどがある。荒木氏は、「医師がそれらの違いをしっかり説明して、合うものを選んでもらえるようにしていくことが望ましい」とした。 なお、日本頭痛学会では、ホームページ上で今回の「頭痛の診療ガイドライン 2021」とは別に「CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)」2)を公開しており、3剤それぞれの使用に関する手順や留意事項をまとめている。投与が可能な医師要件としては、日本神経学会、日本頭痛学会、日本脳神経外科学会の専門医、日本内科学会の総合内科専門医のうちいずれかを有していることなどが挙げられている。 2つのガイドラインについて荒木氏は、適正使用に関しては「CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)」、学問的な根拠については「頭痛の診療ガイドライン2021」としてそれぞれ活用してほしいと話した。 その他、CGRP受容体拮抗薬(gepant)、海外で良好な成績が報告されているA型ボツリヌス毒素、適応外使用が認められた抗うつ薬のアミトリプチリンが予防薬のGroup 1(有効)として今回新たに追加されている(CQII-3-2)。また、ニューロモデュレーションについても新たにCQが設けられ、弱い推奨/エビデンスの確実性Aとされた(CQII-3-18)。荒木氏は「日本では治験も行われていない状況だが、海外ではエビデンスが蓄積してきており、電気刺激療法についても、将来の治療法の選択肢の1つといえるだろう」と期待感を示した。頭痛の診療ガイドライン2021で片頭痛予防療法の対象を改訂 CGRP関連薬剤を含む予防療法の対象について、今回の 「頭痛の診療ガイドライン 2021」では推奨事項が変更されている。頭痛の診療ガイドライン旧版では、「片頭痛発作が月に2回以上、あるいは生活に支障をきたす頭痛が月に6日以上ある患者」とされていたが、今回「片頭痛発作が月に2回以上、生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある患者」に改訂された(CQII-3-1)。海外のガイドラインなどを検証した結果、ほとんどの国で3日を超える場合として定義されており、委員会での検討のうえ変更され、より多くの患者が対象となる。頭痛の診療ガイドライン2021は小児・思春期の頭痛を大幅拡充 三叉神経・自律神経性頭痛に関しては、群発頭痛に対して在宅酸素療法(HOT)が保険適用で使えるようになったことが大きいと荒木氏。新たにCQが設けられ、強い推奨/エビデンスの確実性Aとされた(CQIV-7)。 小児・思春期の頭痛については、「頭痛の診療ガイドライン 2021」では記述が大幅に拡充され、「CQVII-7 不登校・不規則登校を伴う頭痛はどのような頭痛か、どう対処すればよいか」が加えられるなど、診療現場で重要な頭痛についてまとめられている。 今回の「頭痛の診療ガイドライン 2021」では、二次性頭痛が新項目として加えられた。頭痛の診療ガイドライン旧版ではくも膜下出血など一部しか掲載がなかったが、今版ではICHD-3の二次性頭痛をほぼ網羅、より細分化して整理している。「例えばRCVS(可逆性脳血管攣縮症候群)はICHD-2にはなかった新しい概念」と荒木氏。ICHD-3では一次性頭痛でも二次性頭痛でもない3番目の分類に位置付けられているニューロパチーやその他の顔面痛についても、本ガイドラインでは二次性頭痛の項目の1つとして取り上げ、診断・治療法を整理している。

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心血管疾患2次予防にインフルエンザワクチンは必要か

 急性冠症候群の治療期間中における早期のインフルエンザワクチン接種によって、12ヵ月後の心血管イベント転帰改善が示唆された。本研究は、スウェーデン・Orebro UniversityのOle Frobert氏らにより欧州心臓病学会(ESC 2021)にて報告された。Circulation誌2021年11月2日号に掲載。 実施された国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(IAMI trial)は、2016年10月1日~20年3月1日の4シーズンに8ヵ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ラトビア、英国、チェコ、バングラデシュ、オーストラリア)30施設で参加者を登録。急性心筋梗塞(MI)または高リスクの冠動脈疾患患者を対象に、入院から72時間以内にインフルエンザワクチンまたはプラセボを接種する群に1:1でランダムに割り付けた。 なお、過去12ヵ月間にインフルエンザワクチン接種を受けた者、入院したシーズン中にワクチン接種を受ける意思がある者は除外された。 主な結果は以下のとおり。・試験には2,571例が参加し、ワクチン群1,272例、プラセボ群1,260例に割り付けられた。 ・登録患者の平均年齢は59.9±11.2歳で、女性18.2%、男性81.8%だった。また喫煙者が35.5%含まれ、21.1%が糖尿病を合併していた。両群に有意な差はなかった。・参加者のうち、1,348例(54.5%)がST上昇型心筋梗塞、1,119例(45.2%)が非ST上昇型心筋梗塞、8例(0.3%)が安定冠動脈疾患で入院していた。・主要評価項目である12ヵ月後の全死亡、MI、ステント血栓症の複合発生率は、プラセボ群7.2%(91例)に対し、ワクチン群では5.3%(67例)と有意にリスクが低下した。(ハザード比[HR]:0.72、95%CI:0.52~0.99、P=0.040)。・それぞれの発生率について、全死亡はワクチン群2.9%(37例)vs.プラセボ群4.9%(61例)、心血管死はそれぞれ2.7%(34例)vs. 4.5%(56例)で、いずれのリスクもワクチン群で有意に低下した(全死亡のHR:0.59、95%CI:0.39~0.89、p=0.010/心血管死のHR:0.59、95%CI:0.39~0.90、p=0.014)。・MIの発生率はワクチン群2.0%(25例)vs.プラセボ群2.4%(29例)で両群に有意な差はなかった(HR:0.86、95%CI:0.50~1.46、p=0.57)。 この結果により、研究者らは心血管疾患患者における毎年の季節性インフルエンザワクチン接種の重要性を強調している。 なお、本試験は登録患者4,400例を目標にしていたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で、目標の58%が登録された時点(2020年4月7日)でデータ安全監視委員会(DSMB)により早期中止された。

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抗HER3抗体薬物複合体HER3-DXd、EGFR変異陽性非小細胞肺がんでFDAブレークスルーセラピーに指定/第一三共

 第一三共は、2021年12月24日、パトリツマブ デルクステカン (U3-1402/HER3-DXd)が、米国食品 医薬品局(FDA)より、第3世代EGFR-TKIおよびプラチナ製剤併用療法の治療歴のあるEGFR遺伝子変異陽性で転移のある非小細胞肺がんを対象とした「ブレークスルーセラピー」指定を受けたと発表。 今回の指定は、2021年6月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で発表された、EGFR遺伝子変異を有する転移または切除不能な非小細胞肺がんを対象とした第I相臨 床試験の結果に基づくものである。

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PFO閉鎖術で脳梗塞再発予防効果が得られる患者は?/JAMA

 18~60歳の卵円孔開存(PFO)関連脳梗塞患者において、PFOのデバイス閉鎖による脳梗塞再発リスクの低減効果は、脳梗塞とPFOの因果関係の確率で分類されたグループにより異なることが示された。この分類法は個別の治療意思決定に役立つ可能性があるという。米国・タフツ医療センターのDavid M. Kent氏らが、「Systematic, Collaborative, PFO Closure Evaluation(SCOPE)コンソーシアム」によるメタ解析の結果を報告した。PFOに関連する脳梗塞は、18~60歳の成人における脳梗塞の約10%を占める。PFOのデバイス閉鎖は脳梗塞の再発リスクを減少させるが、どのような治療法が最適かは不明であった。JAMA誌2021年12月14日号掲載の報告。再発例をPFO閉鎖術+内科的治療vs.内科的治療単独で比較 研究グループは、脳梗塞再発に対するPFO閉鎖術の治療効果の異質性を、これまでに開発されたスコアリングシステムに基づいて評価する目的で、2021年9月までに発表された脳梗塞再発予防のためのPFO閉鎖術と内科的治療を比較したすべての無作為化第III相試験について、個人データのメタ解析を行った。 有効性の主要評価項目は脳梗塞の再発で、PFO閉鎖術+内科的治療と内科的治療単独を比較するとともに、RoPE(Risk of Paradoxical Embolism)スコアおよびPASCAL(PFO-Associated Stroke Causal Likelihood)分類システムを用いたサブグループ解析を行った。 RoPEスコア(1~10点)は、原因不明の脳梗塞で発見されたPFOが、偶発的所見ではなく脳梗塞の原因である確率を示すもので、RoPEが高いほど若年でその確率が高いことを反映する。また、PASCAL分類システムは、RoPEスコアと高リスクPFOの特徴(心房中隔瘤またはシャント量増大のいずれか)を組み合わせ、因果関係を「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」の3つのカテゴリーに分類するものである。 2000年から2017年にかけて世界的に実施された無作為化臨床試験6件、計3,740例が解析に組み込まれた。脳梗塞の原因がPFOである可能性が高いほど、デバイス閉鎖の効果あり 追跡期間中央値57ヵ月(四分位範囲:24~64)において、3,740例中121件のイベントが認められた。脳梗塞の年間発生率は、内科的治療が1.09%(95%信頼区間[CI]:0.88~1.36)に対して、デバイス閉鎖併用では0.47%(0.35~0.65)であった(補正後ハザード比[HR]:0.41、95%CI:0.28~0.60)。 サブグループ解析では、統計学的に有意な交互作用が認められた。HRは、RoPEスコア低値の患者で0.61(95%CI:0.37~1.00)、高値の患者で0.21(0.11~0.42)であった(交互作用のp=0.02)。また、PASCAL分類システムで「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」と分類された患者のHRは、それぞれ1.14(95%CI:0.53~2.46)、0.38(0.22~0.65)、0.10(0.03~0.35)であった(相互作用のp=0.003)。2年間の絶対リスク減少は、PASCAL分類システムの「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」でそれぞれ-0.7%(95%CI:-4.0~2.6)、2.1%(0.6~3.6)、2.1%(0.9~3.4)であった。 デバイス関連有害事象は、「可能性が低い」と分類された患者で高く、無作為化後45日目以降の心房細動の絶対リスク増加は、「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」でそれぞれ4.41%(95%CI:1.02~7.80)、1.53%(0.33~2.72)、0.65%(-0.41~1.71)であった。

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第83回 診療報酬、人件費増も全体マイナス、医療費は1.35%減

<先週の動き>1.診療報酬、人件費増も全体マイナス、医療費は1.35%減2.ノババックス製ワクチン、WHOが緊急使用許可3.来年度からリフィル処方箋導入へ、具体的ルール策定に進む4.研修医の募集枠、定員上限をさらに縮小へ/厚労省5.後発品医薬品メーカーの相次ぐ不祥事、改善を求める声1.診療報酬、人件費増も全体マイナス、医療費は1.35%減22日、厚生労働大臣と財務相の閣僚折衝が行われた。来年度の診療報酬の改定率は、医師・看護師などの人件費を見込んで本体部分を0.43%増、薬価改定率を医療費ベースで1.35%減とすることで合意した。国費削減額は1,600億円程度。全体では0.94%のマイナスとなった。中川 俊男日本医師会長はこれを受け、「厳しい国家財政の中、必ずしも満足するものではないが、プラス改定となったことについて率直に評価する」と定例記者会見で語った。(参考)令和4年度診療報酬改定率の決定を受けて―中川俊男会長定例記者会見(日医)診療報酬0.94%下げ 医師人件費はプラス―国費1320億円削減・22年度改定(時事通信)資料 診療報酬改定について(厚労省)2.ノババックス製ワクチン、WHOが緊急使用許可世界保健機関(WHO)は21日、米・ノババックス製新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。緊急使用が認められたワクチンは10例目。なお、同ワクチンで製造パートナーであるインド・セラム インスティチュート オブ インディアが製造するものは先立って17日に承認されている。本剤は「組み換えタンパクワクチン」に分類され、英国や米国などで行われた試験によると、有効性は90%で、WHOは18歳以上を対象に3~4週間あけて2回の接種を勧めている。冷蔵保管可能なこともあり、COVAXを通じた途上国などへの分配加速につながることが期待されている。(参考)ノババックス製のワクチン、WHOが承認…日本では武田薬品が申請中(読売新聞)WHO 米ノババックス社製ワクチンを緊急使用リストに追加(NHK)3.来年度からリフィル処方箋導入へ、具体的ルール策定に進む厚労省は22日に中医協の総会を開催し、2022年度の診療報酬改定で、一定期間内に一回分の処方箋を繰り返し利用できる「リフィル処方箋」の導入を決めた。これは、今年の6月に閣議決定された骨太方針2021で「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する」とされていたもの。厚労省は本方針を踏まえ、「分割調剤の指示、分割調剤に係る処方箋様式の在り方」を論点として提示していた。今後、詳細についてはさらに検討し、来年4月以降の導入に向けて具体的な方針が示される見込み。(参考)処方箋の反復利用可能に 22年度から―診療報酬改定(時事通信)処方箋の反復利用導入へ 政府、医療費の膨張抑制(日経新聞)資料 経済財政運営と改革の基本方針2021(内閣府)4.研修医の募集枠、定員上限をさらに縮小へ/厚労省厚労省は、22日に第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会を開催した。これまでは国が過去の受け入れ実績などによって研修医の募集枠設定を行っていたが、地域の必要数と募集定員数との乖離が指摘されたため、昨年度に定員の設定権限を都道府県へ移譲している。臨床研修が必修化されて以降、研修医の募集定員が研修希望者の1.3倍を超える規模まで拡大したため、2010年度からは募集定員について上限を設定しているが、近年は縮小の動きがある。2020年度には約1.1倍であり、今後2025年度には約1.05倍まで縮小させる見込み。(参考)資料 都道府県による令和4年度の臨床研修病院の募集定員設定について(厚労省)資料 令和3年度都道府県別募集定員上限について(同)5.後発品医薬品メーカーの相次ぐ不祥事、改善を求める声厚労省は、22日に医薬品等行政評価・監視委員会を開催し、今年はじめに発覚した小林化工の事件をきっかけに相次ぐ後発品メーカーの行政処分について触れた。承認書で規定された内容と異なる方法で製造・出荷するなど薬機法違反により業務停止、業務改善などの処分により、数多くの後発品に欠品が生じている状況を鑑み、無通告立ち入り検査の実施などを行い、適切な品質管理体制を確保し再発防止を図ることを求めた。(参考)資料 後発医薬品等の製造管理及び品質管理について(厚労省)ジェネリック医薬品が相次ぐ欠品 持病の薬が値上げも…背景に何が?(NHK)

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統合失調症患者およびその介護者に対するCOVID-19の影響

 チリ・タラパカ大学のAlejandra Caqueo-Urizar氏らは、統合失調症患者とその介護者に対するCOVID-19パンデミックの心理社会的影響について、分析を行った。Frontiers in Psychology誌2021年11月5日号の報告。 対象は、チリ北部の都市アリカに在住する統合失調症患者120例およびその介護者(対照群)。次の3点の仮説について検討を行った。(1)患者と介護者の間でCOVID-19パンデミックの影響に関する自己報告には正の相関が認められる、(2)介護者は、パンデミックが日常生活に及ぼす影響が大きいと感じている、(3)COVID-19に感染した患者は、メンタルヘルスの改善レベルが不良で、心理的苦痛レベルが高い。これらの仮説は、相関、平均差、エフェクトサイズ(Cohen's d)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・約1年間隔離された統合失調症患者は、健康および日常生活について、介護者と同レベルの懸念を抱いていた。・介護者は、統合失調症患者と比較し、収入、懸念、雇用について有意な差が認められた。・COVID-19に感染した患者は、ウェルビーイングレベルが低く、精神的リカバリーの不良が認められた。 著者らは「本検討において、パンデミック時における統合失調症患者の介護者に対するメンタルヘルス介入の必要性が示唆された。また、COVID-19感染は、統合失調症患者のリカバリーやウェルビーイングに大きな影響を及ぼすことが示唆された」としている。

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押さえておきたいリアルタイムCGMの使用要件/日本糖尿病学会

 糖尿病診療で広く活用されてきているリアルタイム持続グルコース測定(リアルタイムCGM)。2018年12月からはリアルタイムCGMが保険適用となり、CGM機は施設基準を満たした医療機関で、適用患者も限定され使用されている。 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、2019年に発表した「『リアルタイムCGM適正使用指針』について」の内容を改訂し、12月16日に公表した。リアルタイムCGM適正使用指針の主な改訂点【2.使用できる施設】・インスリンポンプ一体型リアルタイムCGMと同様にインスリンポンプ治療を行っている施設で、糖尿病治療経験5年以上の糖尿病専門医が1名以上常勤していることに加えて、インスリンポンプ治療の経験を2年以上有する常勤の看護師や薬剤師(糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師など)が1名以上配置されている施設に限定される。・糖尿病専門医や糖尿病療養指導士、糖尿病看護認定看護師に対しては、日本糖尿病学会が行うSAPやCGMのe-learningの受講を必須。【3.適応と注意点】 ・本機器は、(1)急性発症1型または劇症1型の糖尿病患者で、低血糖対策と血糖コントロールの両立が強く求められるが就労や生活環境上の理由でインスリンポンプ一体型リアルタイムCGM(SAP)を使用できない者、(2)2型の糖尿病患者でも内因性インスリン分泌が欠乏(空腹時血清Cペプチド 0.5ng/mL未満)しており、インスリン治療を行っていても低血糖発作など重篤な有害事象がおきている血糖コントロール不安定な者が適応となる。具体的にはインスリン頻回注射またはSAP以外のインスリンポンプ治療と1日最低2回以上のSMBGを行っているが、血糖が不安定で予期せぬ低血糖や著明な高血糖を繰り返す者で、上記に示した施設基準を満たす医療機関を受診している者が適応となる。・低血糖リスクが乏しく、血糖コントロールの安定している者または医師の指導に従わず、SMBG を行わない患者等は適応外である。【4.アラートの設定閾値】(1)低グルコースのアラート低グルコースアラートを使用する場合は使い始めてしばらくは60~70mg/dLに設定する。(2)高グルコースのアラート高グルコースアラートを使用する場合は使い始めてしばらくは250~300mg/dLに設定する。(3)その他のアラート機能これらのアラ―ト機能の内容、使い方、対処法については、患者の特性を考慮して個別的に設定、説明、指導を行う。【5.アラート鳴動時の対応】1)患者・原則として、アラート鳴動後にSMBGを行い、その結果をもとに糖尿病専門医、および糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師による事前の指導に従った対応を取ることが求められる。・医師は本機器での測定結果を過信せず、SMBGで血糖値を確認することが推奨されることを患者に対して教育する必要がある。また患者によってはアラート鳴動時以外にも本機器の数値に対して過剰に反応し、ブドウ糖の摂取やインスリン追加注射などを自己判断で行ってしまう可能性もあることから、低血糖・高血糖への対応については日常的な継続指導が必要である。2)患者家族等・患者自身が対応を取ることが難しく、かつ患者家族等が患者の傍にいる場合には、患者に代わって事前の医師の指導に従って対応を行うことを指導しておく必要がある。 なお、実際の使用開始に際しては学会が作成するeラーニングの受講が必須とされているので注意を願いたい。

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イサツキシマブ、再発難治多発性骨髄腫に対する3レジメンが追加承認/サノフィ

 2021年11月、サノフィは再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬である抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブ(商品名:サークリサ)における、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法、単剤療法およびデキサメタゾン併用療法に関する承認事項一部変更を発表した。 12月17日に行われたプレスセミナーでは、日本赤十字社医療センターの鈴木 憲史氏、岡山医療センターの角南 一貴氏がイサツキシマブの各療法の承認に至った試験概要や新たな治療法への期待について講演した。イサツキシマブがIsaPdレジメンに加えて3レジメンに追加承認 多発性骨髄腫は日本における新規罹患者数は約7,700人(2018年)、死亡者数は約4,400人(2019年)、比較的高齢者に多く発症する。治療法は移植と薬物療法が中心で、複数の治療薬が承認されており、ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンのVRd療法をはじめとした多くの併用レジメンがある。薬剤の発達により予後は改善しているが、細胞遺伝学的高リスクや腎機能障害を合併などでは予後不良となるケースが多く、再発難治には患者背景に合わせた複数の治療オプションが求められていた。 今回の承認によって再発難治の多発性骨髄腫に対するイサツキシマブのレジメンは以下の4つとなった(スラッシュ以下は承認の基となった試験名)。・イサツキシマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(IsaPd)/ICARIA-MM試験・イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(IsaKd)/IKEMA試験・イサツキシマブ+デキサメタゾン(Isa+d)/TED10893試験・イサツキシマブ単剤/ISLANDs試験 「多発性骨髄腫は、再発ごとに治療可能期間が減少するため、早い段階で無増悪生存期間を最大化できる戦略が求められる。また、単剤ではなかなか制御できない疾患であり、薬剤の役割分担も重要。イサツキシマブは直接的な細胞死を誘導する作用機序があり、強力かつ長い効果が期待できる。駅伝でいえば花の2区走者になれるのではないか」(鈴木氏)。 「ISLANDs試験は日本人を対象とした日本発のエビデンスであり、抗体薬単剤のレジメンは国内初で、承認も日本のみとなっている。IsaPdやIsaKdの3剤併用レジメンはそれなりに強力なので、 Isa+dと単剤療法はフレイルの患者やポマリドミド・カルフィルゾミブが使いにくい患者の選択肢になるだろう」(角南氏)。

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COVID-19退院後の血栓イベント予防に、抗凝固療法が有用/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した高リスク患者において、退院後のリバーロキサバン10mg/日投与は抗凝固療法を行わない場合と比較し35日後の臨床アウトカムを改善することが、無作為化非盲検試験「MICHELLE試験」で示された。ブラジル・Science Valley Research InstituteのEduardo Ramacciotti氏らが報告した。COVID-19で入院した患者は、退院後に血栓イベントのリスクがあるが、この集団における血栓予防の効果は不明であった。Lancet誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。退院時にリバーロキサバン10mg/日投与と抗凝固療法なしに無作為化、35日間追跡 研究グループは、ブラジルの14施設において、COVID-19により入院し、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが高い患者(VTE予防のための国際登録「IMPROVE」のVTEスコア≧4、または2~3でDダイマー>500ng/mL)を、退院時にリバーロキサバン10mg/日を投与する群(リバーロキサバン群)と抗凝固療法を行わない群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 有効性の主要評価項目は、35日目における症候性または致死性VTE、両側下肢静脈超音波検査およびCT肺血管造影による無症候性VTE、症候性動脈血栓塞栓症、および心血管死の複合とし、盲検下で判定した。安全性の主要評価項目は大出血。いずれもintention-to-treat解析を行った。リバーロキサバン群で血栓イベントリスクが67%低下 2020年10月8日~2021年6月29日の間に997例がスクリーニングされ、このうち適格基準を満たした320例が登録され、リバーロキサバン群(160例、50%)または対照群(160例、50%)に無作為に割り付けられた。 全例、入院中は標準用量のヘパリンによる血栓予防を行った。165例(52%)は入院中に集中治療室に入室しており、197例(62%)はIMPROVEのVTEスコアが2~3のDダイマー高値例、121例(38%)は同スコア≧4であった。2例(各群1例)は、同意を撤回したため追跡調査ができず、解析から除外された。 有効性主要評価項目の複合イベントは、リバーロキサバン群で159例中5例(3%)、対照群で159例中15例(9%)に発生し、相対リスクは0.33(95%信頼区間[CI]:0.12~0.90、p=0.0293)であった。 両群とも大出血は認められなかった。リバーロキサバン群で2例(1%)にアレルギー反応が報告された。

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