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中等~重症心不全の血行動態モニタリング、QOL改善・入院減/Lancet

 遠隔血行動態モニタリングは、現行のガイドラインに準拠した治療を受けた中等度~重度の心不全患者において、QOLの実質的な改善をもたらし、心不全による入院を減少させることが、オランダ・エラスムスMC大学医療センターのJasper J. Brugts氏らが実施した「MONITOR-HF試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年5月20日号で報告された。オランダ25施設の無作為化試験 MONITOR-HF試験は、オランダの25の施設が参加した非盲検無作為化試験であり、2019年4月~2022年1月の期間に患者の登録が行われた(オランダ保健省などの助成を受けた)。 駆出率を問わず、NYHA心機能分類クラスIIIの慢性心不全で、心不全による入院歴がある患者が、標準治療に加え血行動態モニタリング(CardioMEMS-HFシステム、Abbott Laboratories)を行う群、または標準治療のみを受ける群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、intention-to-treat(ITT)集団におけるベースラインから12ヵ月の時点までのカンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)総合サマリースコアの平均変化量の群間差であった。 348例が登録され、CardioMEMS-HF群に176例、対照群に172例が割り付けられた。ベースラインの全体の年齢中央値は69歳(四分位範囲[IQR]:61~75)、駆出率中央値は30%(IQR:23~40)であった。KCCQ総合サマリースコアは、CardioMEMS-HF群が55.8(SD 23.3)点、対照群は54.9(22.3)点であった。平均フォローアップ期間は1.8(SD 0.9)年だった。安全性も良好 12ヵ月時のKCCQ総合サマリースコアの平均変化量は、CardioMEMS-HF群が+7.05点(95%信頼区間[CI]:2.77~11.33、p=0.0014)、対照群は-0.08点(95%CI:-3.76~3.60、p=0.97)であり、両群の変化量の差は7.13点(95%CI:1.51~12.75、p=0.013)と、CardioMEMS-HF群で有意に良好であった。 レスポンダー解析では、KCCQ総合サマリースコアが5点以上改善した患者の割合は、対照群が38.1%であったのに対し、CardioMEMS-HF群は47.7%(オッズ比[OR]:1.69、95%CI:1.01~2.83、p=0.046)と有意に良好で、KCCQ総合サマリースコアが5点以上悪化した患者の割合も、対照群の39.5%と比較して、CardioMEMS-HF群は24.2%(OR:0.45、95%CI:0.26~0.77、p=0.0035)と有意に優れた。 また、心不全による入院のイベント発生率は、対照群の0.678/人年に比べ、CardioMEMS-HF群は0.381/人年であり有意に低かった(ハザード比[HR]:0.56、95%CI:0.38~0.84、p=0.0053)。 CardioMEMS-HF群では、安全性の指標であるデバイスまたはシステム関連の合併症(DSRC)の発生は2.3%(4/172例)であり(無DSRC率97.7%)、センサーの故障は1.2%(2/168例)であった(無センサー故障率98.8%)。 著者は、「これらの知見は、血行動態モニタリングの技術に関するエビデンスの集約に寄与し、ガイドラインの推奨や遠隔肺動脈圧モニタリングの推進に影響を及ぼす可能性がある」としている。

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重症血小板減少症のCVC関連出血、輸血で予防可能か/NEJM

 重症血小板減少症の患者においては、中心静脈カテーテル(CVC)留置に関連する出血を防ぐための予防的な血小板輸血の必要性に疑問が提起されている。オランダ・アムステルダム大学医療センターのFloor L.F. van Baarle氏らは「PACER試験」においてこの問題を検証し、超音波ガイド下CVCの留置前に予防的な血小板輸血を行わない非輸血戦略は、行った場合と比較して、Grade2~4のカテーテル関連出血の発生は非劣性マージンを満たさず、出血イベントが多いことを示した。研究の詳細は、NEJM誌2023年5月25日号に掲載された。オランダ10病院の無作為化非劣性試験 PACER試験は、オランダの10ヵ所の病院が参加した無作為化対照比較非劣性試験であり、2016年2月~2022年3月の期間に患者の登録が行われた(オランダ保健研究開発機構[ZonMw]の助成を受けた)。 血液内科病棟または集中治療室で治療を受けている重症血小板減少症(血小板数:1万~5万/mm3)の患者を、超音波ガイド下CVC留置前に、予防的に1単位の血小板輸血を行う群、または血小板輸血を行わない群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムはGrade2~4のカテーテル関連出血で、主な副次アウトカムはGrade3または4のカテーテル関連出血であった。非劣性マージンは、相対リスクの90%信頼区間(CI)の上限値3.5とされた。総費用は、1件当たりは安価だが、24時間では高額に 338例に施行された373件のCVC留置がper-protocol解析に含まれた。血小板輸血群はCVC留置188件(患者の年齢中央値58歳[四分位範囲[IQR]:47~65]、女性33.5%)、血小板非輸血群は185件(59歳[50~65]、37.8%)であった。 Grade2~4のカテーテル関連出血は、輸血群では188件中9件(4.8%)、非輸血群では185件中22件(11.9%)で発生した。両群間の絶対リスク差は7.1ポイント(90%CI:1.3~17.8)で、相対リスクは2.45(90%CI:1.27~4.70)であり、非輸血戦略の非劣性は示されなかった。 Grade3/4のカテーテル関連出血は、輸血群では188件中4件(2.1%)、非輸血群では185件中9件(4.9%)で発生した(相対リスク:2.43、95%CI:0.75~7.93)。 有害事象は全体で15件観察された。このうち13件が重度と判定され、いずれもGrade3のカテーテル関連出血であった(輸血群4件、非輸血群9件)。 血小板輸血と出血イベントに関連する総費用は非輸血群より輸血群で高く、カテーテル留置1件当たりの総費用は非輸血群で410ドル安価であった。一方、CVC留置後24時間の輸血費用は、非輸血群のほうが血小板輸血と出血関連の輸血の頻度が高かったため、高額であった。 著者は、「輸血後に血小板数が少ない患者にみられた高い出血リスクは、CVC関連出血の予防には十分な量の血小板(血小板輸血を含む)が重要との考え方を、さらに裏付けるものである」としている。

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手術不能の胃がん・食道胃接合部がんに対する第1次選択療法の変革(解説:上村直実氏)

 従来の標準化学療法+免疫チェックポイント阻害薬(PD-L1阻害薬)ニポルマブの併用療法がHER2陰性の進行胃がんと食道胃接合部がんに対する1次治療の有用性が2021年にLancet誌にて報告され、現在では保険収載されて医療現場で実際に使用されている。さらに、FOLFOX療法など従来の化学療法にPD-L1阻害薬のみでなく、さまざまな分子標的薬の上乗せ効果が注目されている。 今回、HER2陰性かつタイトジャンクション分子の一部で胃粘膜上皮層のバリア機能や極性の調整に関与しているCLDN18.2陽性の切除不能な進行胃がんと食道胃接合部がんに対してCLDN18.2を標的としたモノクローナル抗体であるzolbetuximabをmFOLFOX6に追加した際の上乗せ効果を示した研究結果が2023年4月のLancet誌に報告された。この研究は日本を含む20ヵ国215施設が参画した国際共同RCTであり、論文の筆頭著者は日本の研究者である。 筆者には本研究結果の解釈で少し気になる点がある。主要評価項目である無増悪生存期間はプラセボ群に比べてzolbetuximab群が有意な生存期間の延長を認めているが、食道胃接合部がんのみを対象としたサブ解析では両群の生存期間に差を認めていない。上部消化管領域を専門とする臨床家にとって、通常の胃がんと食道胃接合部がんの両者は浸潤態度や発育速度において異なる生物学的特性を有することが知られており、両者を同一視して対象と取り扱う臨床研究デザインに違和感がある。 すなわち、『CLDN18.2陽性、HER2陰性、局所進行の切除不能または転移性の胃がん患者において、zolbetuximabとmFOLFOX6と併用した場合、プラセボとmFOLFOX6の併用に比べて無増悪生存率と全体生存率を著しく延長したことから第1選択治療となる可能性がある。ただし、zolbetuximabを食道胃接合部がんに対する第1選択薬として推奨するためには、さらなる検証を必要とする。』との解釈が妥当と思われた。いずれにせよ、PD-L1阻害薬の登場により、消化管がんに対する薬物療法の選択順序が大きく変化しており、最新の情報に注意しておく必要がある。 最後に、国際共同試験の結果を基にして新たに承認されている分子標的薬は非常に高価なものが多く、コストパフォーマンスを考慮すべき時代になっている。一方、日本の食道や胃など上部消化管がんの診療は、欧米とは大きく異なっており、内視鏡検査により発見される小さな早期がんを内視鏡的切除術により根治できている症例が非常に多いことを知った診療が期待される。

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医学生は感染症専門医に興味がない【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第235回

医学生は感染症専門医に興味がないUnsplashより使用私は一応感染症専門医ですが、どちらかといえば抗酸菌感染症をたくさん診療しているので、性感染症や小児感染症については疎いです。オールラウンダーであるべき資格だとは思いますが…。コロナ禍で非常に重宝されましたが、全国には2023年4月10日時点で1,770人しかいないレアな資格でございまして。Hagiya H, et al.Interest in Infectious Diseases specialty among Japanese medical students amidst theCOVID-19 pandemic: A web-based, cross-sectional study.PLoS One. 2022 Apr 21;17(4):e0267587.もともと感染症専門医の数は、適正数と比べて非常に少ないことが指摘されていますが、COVID-19のパンデミックによってこの意向がどうなったか、ウェブアンケートを用いて調査されました。2021年3月に岡山大学医学部医学科に在学している医学生717名を対象に実施されました。回収率は45.7%と高く、解析対象者は328名でした。感染症専門医を認識している学生227名(69.2%)のうち、「パンデミック後に知った」が99名(43.6%)でした。低学年と高学年を比較すると、クリニカルクラークシップの経験がある医学生では、感染症専門医の認知度が高かったようです(19.5% vs. 57.4%、p <0.001)。やはり、現場をみてもらえれば、感染症専門医ってきっとカッコイイと思ってもらえるはず!さて、COVID-19パンデミックによって感染症専門医への興味が生じた人が多いとありがたいわけですが、「感染症専門医への興味が生じた」が12名(3.7%)、「むしろ感染症専門医にはなりたくない」が36名(11.0%)という残念な結果でした。(´・ω・`) ショボン以上のことから、現時点では日本の感染症専門医への関心度が非常に低いことが示されてしまいました。

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第162回 マイナ保険証は利活用できない!?個人情報漏洩以外の立ちはだかる壁

本来は将来的に国民一人一人に個別最適な医療・介護を提供するための基盤であるはずなのに、なぜこうもボロ船なのだ。昨今、報道を賑わしている「マイナ保険証」について、私が思っていることだ。最初にこの件について目にしたのはテレビ朝日「報道ステーション」のニュースだった。この事例(1)はAさんという女性が医療機関でマイナ保険証を利用しようとした際に、旧姓がAさんと同じで、かつ名の読み、生年月日も同じBさんという女性の情報がAさんのマイナ保険証に紐付いていたというもの。原因はBさんの加入する健康保険組合が、Bさんの情報を紐付ける際、検索で表示されたAさんに誤って紐付けてしまったからだった。最初に見た時は、同姓同名、生年月日、性別も同じ特殊事例だからありうることぐらいに考えていた。とはいえ、この報道を通じて、国側にマイナ保険証に関するトラブル対応窓口が存在しなかったことが明らかになった。ニュース映像では記者が厚生労働省やデジタル庁に問い合わせてもたらい回しにされる様子、総務省、デジタル庁、厚生労働省といった関係機関の大臣からの他人事のようなコメントが映し出された。結局、番組ではこうした事例の場合、社会保険診療報酬支払基金か国民健康保険中央会が問い合わせ窓口になると報じていた。これ以降も報道ステーションでは次々と以下のような問題事例を報道している事例2 社会保険から国民健康保険に移行した人の切り替え紐付け作業が半年以上にわたって放置されていた事例3 同一マイナンバーに2人以上の情報が紐付いていた確かに発端は健保組合や自治体のミスだが、この報道の過程で、たとえばAさんのケースでは、健保組合が加入者情報を紐付けする際には氏名がカタカナでしか表示されない(AさんとBさんでは氏名の読みが同じでも名の漢字が異なる)、システムが外字(がいじ)*にまったく対応していない、システム上は1つのマイナンバーに2人の個人情報登録が可能など、基盤システムに問題があることがわかっている。*JISやUnicodeなど公の規格に定義されておらず、各メーカーが独自に搭載した文字。そのためPCなどの文字入力ソフトに登録されていない。そもそもマイナ保険証は国が推進している施策である以上、最終的な責任を国が持つのは当然のことである。この状況で、国が健保組合や自治体のミスだと開き直るのはいかがなものだろう? 結局、関係3大臣がこの件について会見で謝罪を表明したのは、報道ステーションがAさんの事例を報じてから約半月後のことだ。民間企業がこんなことを起こしたらただでは済まない。個人情報保護法では要配慮情報が漏洩した場合には、個人情報保護委員会への報告と情報が漏洩した本人への通知が義務付けられている。今回の一件ではどこの誰がその責任を負ったのだろう? まさか親方(国)が作ったルールだから、親方は何の義務も負わないのだろうか?いずれにせよ担当大臣の公式謝罪が事態発覚から半月後という時点で、国民の大切な個人情報を預かる立場として当事者意識がなさ過ぎる。すでに国民全員の耳にタコができそうなほど聞かされている「少子高齢化」。その結果、増大する社会保障費負担の抑制・軽減に向けた対策の1つが医療・介護データのデジタル化とその利活用。その基盤となるのが、マイナポータルに集約される医療・介護データのはずである。ただ、この医療・介護データのデジタル化と利活用のためには、欠陥がないマイナンバーシステムが整備されただけではまだまだ不十分だ。現状でマイナポータルに集約可能なデータはレセプトデータに過ぎず、そこには各国民が受けた医療・介護のアウトカム情報はない。アウトカム情報とセットでようやく解析に値するデータとなり、その解析結果がエビデンスとして現実の医療や介護に還元されて初めて価値を持つ。しかし、アウトカムデータを有する国内医療機関の電子カルテの普及率は、2020年時点で病院が57.2%、診療所が49.9%に留まる。将来的な利活用のためには、電子カルテのさらなる普及とともに、データの標準規格が必要になる。こうしないと最終的にマイナポータルにある医療データと医療機関のアウトカムデータを突合することは難しいからだ。しかし、日本の場合、電子カルテシステムはベンダー同士の競合が激しく、かつ同一ベンダーのシステムでも医療機関ごとにカスタマイズが進化し過ぎているため、現状では医療機関同士や医療機関と行政の間でデータ突合する難易度がとりわけ高い。現在、電子カルテデータの国際標準規格FHIR**も動き始めているものの、日本ではまだ一部の先進的な医療機関で導入されているのみである。**医療情報交換の次世代フレームワーク。電子カルテの診療記録データや研究データなどの医療関連情報を交換できる。さらに言えば、日本では企業ごとに従業員の健康診断データなどを蓄積していながら、これが死蔵されたまま。これについてもデータ標準規格が確立され、マイナポータルデータに突合できれば、予防、治療の総合的なデータ利活用が可能になるはずだ。「そこまでデータがつながって、自分が丸裸にされるのはまっぴらごめん」という人も少なからずいるだろうが、使う使わないは個人の選択権とすれば概ね問題はないだろう。ただ、その根源となる個人の医療・介護情報という、いわゆる個人情報保護法でいう「要配慮個人情報」に当たる情報を一元的に集約することが理論上可能で、かつ国民がしても良いと納得できる主体はほぼ国しかないだろう。にもかかわらず、その要であるマイナ保険証がこの体たらくでは、国民の信頼を得られないばかりか、今後、民間保有データとの統合やそれに伴うセキュリティーが担保されたシステム構築なぞ「夢のまた夢」と言わざるを得ない。今回のマイナ保険証トラブルの多発を、マイナポイント事業で急増したマイナンバーカード申し込みの業務負荷による現場のミスがたまたま表面化しただけ、という見方もあるだろう。確かにそれは要因の一つだろうが、マイナンバーの仕組みも保険証との紐付けも、さらには2024年秋に紙の保険証を廃止することを決めたのも国である。その「性急な」決断の裏側に堅牢な計画やセーフティネットがあるならば、それも良いかもしれない。しかし、現実には掛け声だけのザルのような仕組みを前に現場が右往左往させられているのが実態と言っていいのではないだろうか。

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6月2日 むずむず脚症候群の日【今日は何の日?】

【6月2日 むずむず脚症候群の日】〔由来〕「む(6)ず(2)むず」と読む語呂合わせから、本症とその関連疾患の患者またはその家族などで構成される「むずむず脚症候群友の会」が2008年に制定。関連コンテンツ不眠の原因を探してみよう【患者説明スライド】エキスパートに聞く!「睡眠障害」Q&A Part1内科医のための睡眠障害(6) レストレスレッグス症候群レストレスレッグス症候群におけるプレガバリンの可能性/NEJM

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境界性パーソナリティ障害に有効な治療は~リアルワールドデータより

 境界性パーソナリティ障害(BPD)患者の多くは精神薬理学的治療を受けているが、BPDに関する臨床ガイドラインには、薬物療法の役割についてのコンセンサスはない。東フィンランド大学のJohannes Lieslehto氏らは、BPDに対する薬物療法の有効性について比較検討を行った。その結果、注意欠如多動症(ADHD)の治療薬が、BPD患者の精神科再入院、すべての原因による入院または死亡のリスク低下と関連していることが示唆された。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2023年4月24日号の報告。 2006~18年に治療を行ったBPD患者をスウェーデンの全国レジストリデータベースより抽出した。選択バイアスを排除するため、個別(within-individual)デザインを用いて、薬物療法の有効性を比較した。各薬剤に関して、精神科入院、すべての原因による入院または死亡に対するハザード比(HR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、BPD患者1万7,532例(男性:2,649例、平均年齢:29.8±9.9歳)。・精神科再入院リスクの増加と関連した治療は、ベンゾジアゼピン(HR:1.38、95%信頼区間[CI]:1.32~1.43)、抗精神病薬(HR:1.19、95%CI:1.14~1.24)、抗うつ薬(HR:1.18、95%CI:1.13~1.23)による治療であった。・同様に、すべての原因による入院または死亡リスクにおいても、ベンゾジアゼピン(HR:1.37、95%CI:1.33~1.42)、抗精神病薬(HR:1.21、95%CI:1.17~1.26)、抗うつ薬(HR:1.17、95%CI:1.14~1.21)による治療で増加が認められた。・気分安定薬による治療は、両アウトカムと統計学的に有意な関連が認められなかった。・ADHD治療薬による治療は、精神科入院リスクの減少(HR:0.88、95%CI:0.83~0.94)およびすべての原因による入院または死亡リスクの減少(HR:0.86、95%CI:0.82~0.91)との関連が認められた。・精神科再入院リスクの低下と関連した薬剤は、クロザピン(HR:0.54、95%CI:0.32~0.91)、リスデキサンフェタミン(HR:0.79、95%CI:0.69~0.91)、bupropion(HR:0.84、95%CI:0.74~0.96)、メチルフェニデート(HR:0.90、95%CI:0.84~0.96)であった。

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ASCO2023スタート!注目演題を集めた特設サイトオープン

 6月2~6日(現地時間)まで、世界最大の腫瘍学会であるASCO2023(米国臨床腫瘍学会年次総会)が、米国シカゴとオンラインのハイブリッド形式で開催される。新型コロナ感染拡大の影響が薄まり、コロナ前の規模に戻りつつあるようだ。各種カンファレンスや交流会なども多く企画されている。 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」(医師会員限定)では、ASCO2023のスタートに合わせ、5,000を超す演題の中から、複数のエキスパートが、専門分野の注目演題を計100題あまりピックアップ。学会期間スタートを控えてオープンした「ASCO2023特設サイト(医師会員限定)」では、「肺がん」「消化器がん」「乳がん」「泌尿器がん」「血液がん」「がん全般」のカテゴリに分け、ASCO視聴サイトの該当演題へのリンクを、エキスパートのコメントとともに紹介している。 各がん種別の注目演題の一部はこちら。【肺がん】・EGFR陽性NSCLCの術後補助療法としてのオシメルチニブ、3年OSは?/ADAURA・EGFR陽性NSCLCに対するEGFR-TKI vs. EGFR-TKI途中にシスプラチン+ペメトレキセド挿入/JCOG1404/WJOG8214L、AGAIN・NSCLCに対するDato-DXdとペムブロリズマブ±化学療法/TROPION-Lung08【乳がん】・HR+HER2-乳がんの術後療法、内分泌療法とribociclibの併用効果/NATALEE・HR+HER2-乳がんのCDK4/6阻害薬、1次治療か2次治療か/SONIA・StageIV乳がんにおける原発腫瘍切除の意義/JCOG1017【消化器がん】・局所進行直腸がん、術後化学療法の効果によって放射線療法を省略できるか/PROSPECT・KRAS G12C変異の既治療大腸がんに対するソトラシブ+パニツムマブにFOLFIRI上乗せ/CodeBreaK 101・StageIII胃がんに対する術後補助療法としてのニボルマブ+化学療法/ATTRACTION-5【泌尿器がん】・転移のある去勢抵抗性前立腺がんを対象とした177Lu-PSMA-617+オラパリブ/LuPARP・転移のある去勢抵抗性前立腺がん1次治療におけるエンザルタミド+タラゾパリブ/TALAPRO-2・ICI治療後の進行腎がんにおけるアテゾリズマブ+カボザンチニブ/CONTACT-03【造血器腫瘍】・未治療ホジキンリンパ腫におけるニボルマブ+AVD vs. A-AVD/SWOG S1826・未治療Ph陽性高齢ALLに対するイノツズマブ オゾガマイシン+ブリナツモマブのケモフリーレジメンの有用性/Alliance・未治療の多発性骨髄腫におけるエロツズマブ+KRd対KRd 学会終了後は、視聴レポートやまとめ記事なども続々アップしていく予定。 Doctors’Picks ASCO2023特設サイト(医師会員限定)

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CHDイベント予測の改善、CACスコアvs.多遺伝子リスクスコア/JAMA

 冠動脈疾患(CHD)のリスク予測において、冠動脈石灰化(CAC)スコアは多遺伝子リスクスコアより判別力が優れており、従来リスク因子に追加した場合、CACスコアはCHDリスクの判別と再分類を大きく改善したが、多遺伝子リスクスコアは改善しなかった。米国・ノースウェスタン大学のSadiya S. Khan氏らが、米国とオランダの2つのコホート研究の結果を報告した。CACスコアと多遺伝子リスクスコアは、CHDリスクを特定するための新規マーカーとしてそれぞれ個別に提案されているが、同一コホートでこれらのマーカーを直接比較した研究はこれまでなかった。JAMA誌2023年5月23・30日号掲載の報告。PCE+CACスコアvs.PCE+多遺伝子リスクスコア 研究グループは、2つの地域住民を対象とした観察研究、すなわち米国の6施設で実施された「Multi-Ethnic Study of Atheroscleosis(MESA)試験」、ならびにオランダのロッテルダムで行われた「Rotterdam Study(RS)試験」から、ベースラインで臨床的CHDのない45~79歳のヨーロッパ系住民参加者(それぞれ1,991例、1,217例)のデータを用いて解析した。 CHDリスクは、従来リスク因子を用いて計算し(pooled cohort equations:PCE)、CACスコアはCT画像に基づきAgatston法を用いて算出、多遺伝子リスクスコアは遺伝子型別のサンプルを使用した。 主要アウトカムは、CHDイベントの予測で、リスク閾値を7.5%として判別(discrimination)、較正(calibration)、再分類について評価した。PCE+CACスコアで予測精度が改善 被験者の年齢中央値は、MESA試験61.2歳(SD 9.7)、RS試験67.6歳(4.8)で、両試験とも女性被験者が半数超(それぞれ53%、52%)であった。CHD発生は、MESA試験では入手できた総追跡期間16.0年において187例(9.4%)、RS試験では同14.2年において98例(8.1%)であった。 MESA試験では、log(CAC+1)および多遺伝子リスクスコアの両方が、10年CHD発症リスクと有意に関連していた。それぞれの1SD当たりのハザード比(HR)は、2.60(95%信頼区間[CI]:2.08~3.26)、1.43(1.20~1.71)であった。C統計値は、CACスコアが0.76(95%CI:0.71~0.79)、多遺伝子リスクスコアは0.69(0.63~0.71)であった。 PCEにそれぞれを追加した場合のC統計量の変化は、CACスコア追加の場合0.09(95%CI:0.06~0.13)、多遺伝子リスクスコア追加の場合0.02(0.00~0.04)、両方を追加の場合0.10(0.07~0.14)であった。 PCEに追加した場合の全体的なカテゴリー再分類は、CACスコア追加では有意に改善したが(0.19、95%CI:0.06~0.28)、多遺伝子リスクスコア追加では有意な改善はみられなかった(0.04、95%CI:-0.05~0.10)。 PCEとCAC/多遺伝子リスクスコアモデルによる較正は適切であった(すべてχ2<20)。年齢中央値で層別化したサブグループ分析でも、同様の結果が示された。RS試験における10年リスクと、MESA試験の長期追跡調査(中央値16.0年)でも同様の所見が確認された。

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ウパダシチニブ、中等~重症クローン病に有効/NEJM

 中等症~重症のクローン病患者において、ウパダシチニブによる寛解導入療法および維持療法はプラセボと比較し優れることが、43ヵ国277施設で実施された第III相臨床開発プログラム(2件の寛解導入療法試験「U-EXCEL試験」「U-EXCEED試験」と1件の維持療法試験「U-ENDURE試験」)の結果で示された。米国・Mayo Clinic College of Medicine and ScienceのEdward V. Loftus氏らが報告した。ウパダシチニブは経口JAK阻害薬で、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、関節症性乾癬、アトピー性皮膚炎および強直性脊椎炎に対して承認されており、クローン病治療薬としても開発中であった。NEJM誌2023年5月25日号掲載の報告。ウパダシチニブvs.プラセボ、寛解導入療法と維持療法の有効性および安全性を比較 研究グループは、中等症~重症のクローン病で18~75歳の患者を対象とし、「U-EXCEL試験」では1剤以上の既存治療または生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を、「U-EXCEED試験」では1剤以上の生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を、ウパダシチニブ45mg群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、1日1回12週間投与する寛解導入療法試験を行った(二重盲検期)。さらに、両試験において臨床的奏効が認められた患者は、維持療法試験「U-ENDURE試験」に移行し、ウパダシチニブ15mg、同30mgまたはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、1日1回52週間の投与を受けた。 主要エンドポイントは、寛解導入療法(12週)、維持療法(52週)のいずれにおいても、臨床的寛解および内視鏡的改善とした。臨床的寛解は、クローン病活動指数(CDAI、スコア範囲:0~600、高スコアほど疾患活動性が重症であることを示す)のスコアが150点未満と定義した。内視鏡的改善は、中央判定による簡易版クローン病内視鏡スコア(SES-CD、スコア範囲:0~56、高スコアほど重症度が高いことを示す)が、ベースラインから50%超減少(ベースラインのSES-CDが4点の患者ではベースラインから2点以上の減少)と定義した。 U-EXCEL試験では526例、U-EXCEED試験では495例、U-ENDURE試験では502例が各群に無作為に割り付けられた。臨床的寛解、内視鏡的改善ともにウパダシチニブが有意に優れる 臨床的寛解を達成した患者の割合(ウパダシチニブ45mg群vs.プラセボ群)は、U-EXCEL試験で49.5% vs.29.1%、U-EXCEED試験で38.9% vs.21.1%、同じく内視鏡的改善は、U-EXCEL試験で45.5% vs.13.1%、U-EXCEED試験で34.6% vs.3.5%であり、プラセボ群と比較してウパダシチニブ45mg群で有意に高かった(すべての比較でp<0.001)。 また、U-ENDURE試験の52週時において、臨床的寛解を達成した患者の割合はウパダシチニブ15mg群37.3%、同30mg群47.6%、プラセボ群15.1%、同じく内視鏡的改善はそれぞれ27.6%、40.1%、7.3%であり、いずれもウパダシチニブの両用量群がプラセボ群より有意に高かった(すべての比較でp<0.001)。 安全性については、帯状疱疹の発現率は、ウパダシチニブ45mg群および30mg群がプラセボ群より高く、肝障害ならびに好中球減少症の発現率は、ウパダシチニブ30mg群が他の維持療法群より高かった。消化管穿孔が、ウパダシチニブ45mg群で4例、ウパダシチニブ30mg群ならびに15mg群で各1例に発現した。

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認知症を止める 「脳ドック」を活かした対策

あなたの脳は、知らないうちに縮んでいる!?私たちから健康的な生活を奪う最大の要因は「脳の健康」です。介護要因は、認知症と脳血管疾患(脳梗塞、脳出血)で約半分を占めているのです。誰もが少なからず歩んでいる認知症の進行を知って止めることが、人生100年時代を健康で生き抜く唯一の手段です。脳ドックという世界的にも稀な仕組みがある日本だからこそできる脳の健康状態の可視化・管理から予防方法まで、研究・臨床の専門家が解説します。「認知症グレーゾーン」で踏みとどまるには欧米でなぜ認知症が減り始めているのかブラックボックスだった脳を“見える化”する脳の健康を守り続ける戦略的「セルフケア」回想法-単なる思い出話のすごい効用頭と体の運動-脳をフル稼働させる「シナプソロジー」画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    認知症を止める 「脳ドック」を活かした対策定価1,650円(税込)判型四六判頁数224頁発行2023年5月著者朝田 隆、森 進

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乱暴者がやってきた【Dr. 中島の 新・徒然草】(479)

四百七十九の段 乱暴者がやってきた「毎日雨ばかりだし、ちょっと寒いなあ」そう思っていたら近畿地方はすでに梅雨です。気象庁の発表によれば、梅雨入りは5月29日。いつの間にか、あちこちで紫陽花が咲いています。例年より梅雨入りが早い分、今年は本格的な雨降りが続くかもしれません。さて、外来の患者さんにもいろいろな人がおられますが、今回登場していただくのは乱暴者の男性です。私と同年代くらいでしょうか。車にはねられて頭を強打したそうです。ヘルパーさんに連れられて、車椅子に乗って脳外科外来にやってきました。患者「先生、MRIのほうはどないなっとるん?」中島「小さな脳挫傷が点々とありますね」患者「なんやて!」この患者さん、急に表情が険しくなりました。患者「前の病院ではCTを撮って『何ともない』って言われたんやけど」中島「CTに比べたらMRIのほうがよくわかりますからね」患者「それ、治るの?」中島「多分ずっと残るでしょうね」この人、やおら携帯を取り出しました。患者「ちょっと弁護士に電話かけるわ」そう言っていきなり電話をかけました。患者「あ、先生。今、大阪医療センターという所に来とるんやけど」中島「……」患者「MRIで脳挫傷があるらしいんや」自分の名前も名乗らずに用件を言って通じるものなのでしょうか。こんな乱暴者も滅多にいないでしょうから、通話相手の弁護士さんもすぐにわかったのかもしれません。患者「前の病院はアカンわ。『無茶苦茶な診断や!』って、ここの病院の先生も言うとってな」言ってない、言ってない。患者「ちょっと電話変わるから」そう言うなり携帯を渡されました。弁護士「脳挫傷があるってことなんですけど」中島「ありますね」弁護士「じゃあ、診断書を書いてもらうことはできますか」中島「いいですよ」弁護士「それで、何か後遺症のようなものは出ていますか」中島「本人に確認してみます」この乱暴さも、頭を打ったために出て来た症状かもしれません。しかし、どう尋ねたものか。中島「ちょっとお聞きしたいんですけど」患者「なに?」中島「事故で頭を打ってから結構イライラしたりしていますか」患者「そう言われたらそうかもしれんな」中島「事故の前からイライラはありましたかね」患者「前は普通やったよ」この人の普通の基準というのは一体どこにあるのでしょうか。「元からそんなに乱暴者だったんですか?」とストレートに聞くわけにもいかないし。中島「事故の前は『ホトケの○○』と言われてたとか?」患者「ああ、言われてたよ」はあ?ギャグのつもりなんですけど。患者「なんせ僧侶やからな。△△宗◇◇寺や」中島「そ、僧侶って!」ホンマかいな。こんな有難くない坊さんがいてエエんか?頭を剃っておられないので気が付きませんでした。中島「元々が穏やかだったのに頭を打ってからガラの悪い人になってしまった、という場合は後遺症ということになるのですけど」回りくどい言い方だというのは自分でもわかっています。中島「私は○○さんの元の状態を知らないですから、知っている人に教えてもらわないといけないですね」患者「また誰か連れてくるわ」とりあえず医師としてのアドバイスをしておきましょう。中島「頭を打ってからイライラして他人とトラブルを起こす人が多いので、そうならないよう注意してください」患者「どないしたらイライラせんでも済むんかな」まずは言葉遣いを改めるのが第一歩ですが、恐ろしくてそんなことは言えません。中島「とにかく人の顔を見たら手を合わせることですね」そう言いながら、私は○○さんを拝みました。考えてみれば、手を合わせることに関して言えば、この人こそ本職中の本職!しかし、私のほうが余程ありがたそうなお坊さんに見えるんじゃないかな。頭も剃っているし、丁寧にしゃべっているし。それにしても、こんな乱暴な僧侶がいたとは。世の中の広さに驚かされた外来でした。最後に1句梅雨入りて 乱暴者に 手を合わす

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第47回 コロナ後遺症の新たな定義

定義を明確にすべきという論調Unsplashより使用日本ではCOVID-19後に持続的に起こる医学的な影響のことを「罹患後症状」と定めています。手引き1)では「COVID-19罹患後に、感染性は消失したにもかかわらず、他に明らかな原因がなく、急性期から持続する症状や、あるいは経過の途中から新たに、または再び生じて持続する症状全般」と定義されています。英語論文では、PASC(postacute sequelae of SARS-CoV-2 infection)、Long COVIDなどと呼ばれています。そもそもこの病態を明らかにするためには、コンセンサスある定義が必要なのですが、いまだにナラティブな位置付けになっています。信頼性の高いデータセットを用いてこれを提唱した報告がJAMAに掲載されました2)。12症状をスコアリング85施設において、SARS-CoV-2感染30日以内の2,248例、30日以降の6,398例、そして非感染の1,118例の合計9,764例が登録されました。年齢中央値は47歳(IQR 35~60歳)でした。頻度が2.5%以上だった37の症状について解析されました。PASCスコアに寄与する症状を抽出し、LASSO回帰により1~8の範囲で重み付けを行い、対応スコアを有する12の症状を表のように定めました。脱毛は有意なスコア因子には含まれませんでした。表. PASCスコア(参考資料2より引用)感染から30日を超えた場合のPASCの割合は、オミクロン株流行期ではそれ以前よりも低いという結果でした(17%[95%信頼区間[CI]:15~18]vs.35%[95%CI:34~37])。また、オミクロン株によるPASCは、ワクチン接種を受けていない参加者よりもワクチン接種を完了した参加者のほうが低頻度でした(16% vs.22%)。まとめ今回のスコアはあくまで提唱であるため、今後これが実臨床において有用かどうか検証を重ねられていくことになるでしょう。それにしても、脱毛が有意なスコアリングとしてエントリーされなかったのは意外でした。参考文献・参考サイト1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第2.0版2)Thaweethai T, et al. Development of a Definition of Postacute Sequelae of SARS-CoV-2 Infection. JAMA. 2023 May 25. [Epub ahead of print]

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抗うつ薬、非定型抗精神病薬、ベンゾジアゼピン使用の世界的な傾向~64ヵ国横断的分析

 米国・ピッツバーグ大学のOrges Alabaku氏らは、高所得国、中所得国、低所得国における抗うつ薬、非定型抗精神病薬、ベンゾジアゼピン(BZD)使用の世界的な傾向を調査した。その結果、高所得国は中・低所得国と比較し向精神薬の治療利用率が高いことを報告した。PLOS ONE誌2023年4月26日号の報告。 IQVIAのMIDASデータベースを用いて、2014年7月~2019年12月までの国別横断的時系列分析を行った。人口で調整された使用率は、人口規模ごとに、薬剤クラス別の薬剤標準単位数で算出した。高所得国、中所得国、低所得国の分類には、国連の「2020年世界経済状況・予測」を用いた。薬剤クラス別の使用率の変化は、2014年7月~2019年7月の期間で算出した。経済状況を予測変数として用い、各国の薬剤クラス別の使用率について、ベースラインからの変化の予測可能性を評価するため線形回帰分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・分析には64ヵ国(高所得国:33ヵ国、中所得国:6ヵ国、低所得国:25ヵ国)を含めた。・ベースラインにおける人口規模ごとの薬剤クラス別平均使用率(標準単位)は、以下のとおりであった。【抗うつ薬】高所得国:2.15、中所得国:0.35、低所得国:0.38【抗精神病薬】高所得国:0.69、中所得国:0.15、低所得国:0.13【BZD】高所得国:1.66、中所得国:1.46、低所得国:0.33・経済状況でみた薬剤クラス別の使用の平均変化率は、以下のとおりであった。【抗うつ薬】高所得国:20%、中所得国:69%、低所得国:42%【抗精神病薬】高所得国:27%、中所得国:78%、低所得国:69%【BZD】高所得国:-13%、中所得国:4%、低所得国:-5%・経済状況が向上するほど、抗うつ薬(p=0.916)、非定型抗精神病薬(p=0.23)、BZD(p=0.027)使用の変化率が減少することが示唆された。・同様に、抗うつ薬と非定型抗精神病薬のベースラインにおける使用率が高いほど、変化率の低下は小さかった(各々、p=0.026、p=0.054)。・BZDでは、ベースラインの使用率が高いほど、使用率の変化が大きかった(p=0.038)。

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抗菌薬の長期使用で肺がんリスクが増加

 近年の研究で、抗菌薬によるマイクロバイオーム異常および腸と肺の相互作用が肺がん発症の引き金になる可能性が指摘されている。今回、韓国・ソウル国立大学のMinseo Kim氏らが抗菌薬の長期使用と肺がんリスクの関連を調べたところ、抗菌薬の累積使用日数および種類の数が肺がんリスク増加と関連することが示された。Journal of Infection and Public Health誌2023年7月号に掲載。 本研究は後ろ向きコホート研究で、韓国国民健康保険サービスのデータベースから2005~06年に健康診断を受けた40歳以上の621万4,926人について調査した。抗菌薬の処方累積日数と種類数で層別し、多変量Cox比例ハザード回帰を用いて、抗菌薬使用に対する肺がんリスクの調整ハザード比(aHR)および95%信頼区間(CI)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・抗菌薬処方累積日数が365日以上の参加者の肺がんリスクは、抗菌薬非使用者より有意に高く(aHR:1.21、95%CI:1.16~1.26)、1~14日の参加者よりも有意に高かった(aHR:1.21、95%CI:1.17~1.24)。・5種類以上の抗菌薬を処方されていた参加者の肺がんリスクは、抗菌薬非使用者より有意に高かった(aHR:1.15、95%CI:1.10~1.21)。

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真性多血症治療薬ロペグインターフェロン発売/ファーマエッセンシアジャパン

 ファーマエッセンシアジャパンは、抗悪性腫瘍剤/真性多血症治療薬のロペグインターフェロン アルファ-2b(商品名:ベスレミ)の皮下注250μgシリンジと500μgシリンジを6月1日に発売した(薬価収載は5月24日)。適応は真性多血症で既存治療が効果不十分または不適当な場合に限るとされている。 真性多血症(PV)は、骨髄増殖性腫瘍の一種で、骨髄の造血幹細胞の異常により、赤血球が過剰に産生される血液の希少疾病。PVは、遺伝子変異によって発症すると推定され、ほぼすべてのPV患者で造血幹細胞中のヤヌスキナーゼ2(JAK2)遺伝子に主に「JAK2 V617F」と称される変異が生じ、著しい赤血球の増加を来たす。PVはどの年齢でも発症し、とくに60歳以上の成人に多く認められる。症状は、頭痛、疲労、脱力感、浮動性めまいなど多彩であり、心筋梗塞や脳卒中などの血栓症を合併することもある。その場合、生命にかかわる恐れがあり、一部の患者では疾患が進行し、骨髄線維症や白血病に移行することもある。治療は血栓症の合併を予防することが重要とされ、瀉血や抗血小板療法、細胞減少療法、分子標的治療薬などが用いられている。 本治療薬は新規の長時間作用型モノペグ化プロリンインターフェロンであり、従来のペグ化インターフェロンからさらに投与間隔を延長することが期待できる。これには部位選択的モノペグ化技術が用いられており、この技術はタンパク質分子内の特定のアミノ酸を、ポリエチレングリコールという高分子化合物によって、選択的に修飾できるようにした革新的な技術。このペグ化を行ったタンパク質医薬品は体内における分解が抑制され、半減期の延長と長時間にわたる効果の持続につながり、薬物動態/薬力学的特性を示す。また、部位選択的モノペグ化タンパク質医薬は、化学的に均一な単一アイソマーであることから、複数アイソマーの混在比率などに起因する薬剤の有効性・安全性への影響の懸念がない。 ロペグインターフェロンは、2023年3月27日に国内の医薬品製造販売承認を取得し、5月24日に薬価基準に収載。【ロペグインターフェロン製品概要】一般名:ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組み換え)販売名:ベスレミ皮下注250μgシリンジ、ベスレミ皮下注500μgシリンジ効能または効果:真性多血症(既存治療が効果不十分または不適当な場合に限る)用法および用量:通常、成人には、ロペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)(インターフェロン アルファ-2b[遺伝子組換え]として)1回100μg(他の細胞減少療法薬を投与中の場合は50μg)を開始用量とし、2週に1回皮下投与する。患者の状態により適宜増減するが、増量は50μgずつ行い、1回500μgを超えないこと。薬価ベスレミ皮下注250μgシリンジ:29万7,259円ベスレミ皮下注500μgシリンジ:56万5,154円薬価収載日:2023年5月24日発売日:2023年6月1日製造販売元:ファーマエッセンシアジャパン

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せっけん手洗いで、低中所得国の急性呼吸器感染症が減少/Lancet

 低中所得国において、せっけんによる手洗い励行の介入は急性呼吸器感染症(ARI)を減少可能であることが示された。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のIan Ross氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。ARIは、世界的に罹患および死亡の主な原因で、ARIによる死亡の83%は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック以前の低中所得国で発生していたという。結果を踏まえて著者は、「低中所得国においてせっけんによる手洗いはARIによる大負荷を防ぐのに役立つと考えられる」とまとめている。Lancet誌2023年5月20日号掲載の報告。低中所得国におけるせっけん手洗いに関する研究26件についてメタ解析 研究グループは、MEDLINE、Embase、Web of Science、Scopus、Cochrane Library、Global Health、Global Index Medicusを用いて、2021年5月25日までに発表された低中所得国におけるせっけんによる手洗いに関する研究を検索し、家庭、学校または保育の場で実施された介入の無作為化および非無作為化比較研究を特定し、システマティックレビューとメタ解析を行った。せっけんによる手洗い以外の手指衛生励行の介入、および医療施設や職場における介入は除外された。 主要アウトカムは、あらゆる病原体に起因するARI罹患率。副次アウトカムは、下気道感染症、上気道感染症、診断検査で確認されたインフルエンザ、診断検査で確認されたCOVID-19、および全死因死亡であった。 研究結果の統合にはランダム効果メタ解析を、異質性の評価にはメタ回帰を用い、相対リスク(RR)を算出した。個々の研究のバイアスリスクはNewcastle-Ottawaスケールを用いて評価し、GRADE(Grading of Recommendations, Assessment, Development, and Evaluation)を用いてエビデンスの確実性を評価した。 適格基準を満たした26件の研究(合計16万1,659例)から、27件の比較(無作為化比較は21件)が解析に組み込まれた。せっけん手洗い励行で、急性呼吸器感染症罹患率は低下 せっけんによる手洗い励行の介入は、手洗いなしと比較してARIを減少させた(RR:0.83、95%信頼区間[CI]:0.76~0.90、I2:88%、27件)。 副次アウトカムについては、下気道感染症(RR:0.78、95%CI:0.64~0.94、I2:64%、12件)および上気道感染症(0.74、0.59~0.93、91%、7件)は減少したが、インフルエンザ(0.94、0.42~2.11、90%、3件)、COVID-19(比較なし)および全死亡(死亡率比:0.95、95%CI:0.71~1.27、1件)は抑制しなかった。 ARIの異質性共変量に有意性は認められなかった(p<0.1)。GRADE評価によるエビデンスの質は「中」であった。

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デュアルチャンバー型リードレスペースメーカー、安全性を確認/NEJM

 オランダ・アムステルダム大学医療センターのReinoud E. Knops氏ら「Aveir DR i2i試験」グループは、デュアルチャンバー型リードレスペースメーカーシステムが安全性の主要エンドポイントを達成し、移植後3ヵ月間、適切な心房ペーシングと確実な房室同期が得られたことを報告した。シングルチャンバー型リードレスペースメーカーでは心房ペーシングや確実な房室同期が得られないが、右心房と右心室にそれぞれデバイスを経皮的に植え込むデュアルチャンバー型リードレスペースメーカーシステムは、より幅広い適応症の治療選択肢となることが期待されていた。NEJM誌オンライン版2023年5月20日号掲載の報告。合併症(デバイス/手技関連の重篤な有害事象)なし患者の割合を評価 研究グループは、従来のデュアルチャンバーペーシングの適応を有する患者を登録し、デュアルチャンバー型リードレスペースメーカーシステムの植え込みを行った。 安全性の主要エンドポイントは、植え込み後90日間の合併症(デバイスまたは手技に関連した重篤な有害事象)の発生で、合併症なしの患者の割合78%を達成目標とした。また、性能の主要エンドポイントの1つ目は3ヵ月時点の適切な心房捕捉閾値と感知振幅の複合、2つ目は3ヵ月時点の座位での房室同期70%以上とし、達成目標はそれぞれ、患者の割合82.5%、および同83%であった。 今回は、2022年2~8月に、米国、カナダおよび欧州の55施設でデュアルチャンバー型リードレスペースメーカーシステムの植え込みが行われた最初の登録患者300例に関する、追跡調査3ヵ月間の主要エンドポイントの解析結果が報告された。90日間の合併症なし患者の割合は90.3% 300例中、190例(63.3%)は洞結節機能不全、100例(33.3%)は房室ブロックが主たるペースメーカー植込みの適応であった。295例(98.3%)で植込み手術が成功し、植え込まれた2つの機能するリードレスペースメーカー間の通信が確立された。 植え込み後3ヵ月間で、29例に計35件の合併症(デバイスまたは手技に関連した重篤な有害事象)が発生した。安全性の主要エンドポイントである合併症なしの患者の割合は90.3%(95%信頼区間[CI]:87.0~93.7)で、達成目標の78%を上回った(p<0.001)。 性能の主要エンドポイントの1つ目である3ヵ月時点の適切な心房捕捉閾値と感知振幅の複合は、90.2%(95%CI:86.8~93.6)の患者で満たされ、達成目標の82.5%を上回った(p<0.001)。平均(±SD)心房捕捉閾値は0.82±0.70V、平均P波振幅は3.58±1.88mVであった。P波の振幅が1.0mV未満の患者21例(7%)のうち、感知が不十分でデバイスの再調整が必要となった患者はいなかった。 性能の主要エンドポイントの2つ目である3ヵ月時点の座位での房室同期70%以上の患者の割合は97.3%(95%CI:95.4~99.3)であり、達成目標の83%を上回った(p<0.001)。

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