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未熟児無呼吸発作に対するカフェイン療法の長期的影響は?

メチルキサンチン等カフェインは、新生児集中治療で頻繁に使用される薬剤の1つで、未熟児無呼吸発作に対して一般的に用いられているが、その有効性と安全性に関する十分なデータはない。ハミルトン大学(カナダ)Barbara Schmidt氏ら未熟児無呼吸発作カフェイン療法研究グループ(Caffeine for Apnea of Prematurity Trial Group)は、神経発達と成長の長期的影響に関する知見を報告した。NEJM誌11月8日号掲載。極低出生体重児2,006例の18~21ヵ月時点の転帰評価出生時体重500~1,250gの乳児2,006例を、カフェイン投与群とプラセボ投与群に無作為に割り付け、未熟児無呼吸発作の治療を必要としなくなるまで治療が続けられた。主要転帰は修正月齢18~21ヵ月時点での、死亡、脳性麻痺、認知機能の発達遅延(ベイリー乳幼児発達検査の精神発達指スコア<85)、難聴、視覚障害の複合。主要転帰検討のための十分なデータが得られたのはカフェイン投与群937例、プラセボ投与群932例だった。カフェイン投与群で神経発達能力障害を伴わない生存率を改善死亡または神経発達障害を伴い生存は、カフェイン投与群377例(40.2%)に対し、プラセボ投与群431例(46.2%)だった(施設間調整後オッズ比0.77、 95%信頼区間:0.64-0.93、P=0.008)。脳性麻痺の発病率に関しても、カフェイン投与群4.4%に対しプラセボ投与群7.3%、補正オッズ比0.58(95%信頼区間:0.39-0.87、P=0.009)で、カフェイン投与群のほうが低い。認知機能の発達遅延についても、カフェイン投与群33.8%、プラセボ投与群38.3%、補正オッズ比0.81(同0.66-0.99、P=0.04)で同様の結果が得られた。死亡、難聴、視覚障害、および身長、体重、頭囲の平均のパーセンタイルは、2群間で有意差がなかった。研究グループは、「未熟児無呼吸発作に対するカフェイン療法は、神経発達能力障害を伴わない生存率を改善する」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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先天性心疾患を有する新生児の脳発達異常は生まれつき?

先天性心疾患を有する新生児には発育上の全般的な機能障害がみられる。カリフォルニア大学神経学学部のSteven P. Miller氏らのグループは、先天性心疾患のある新生児について、脳の成熟度を示す尺度となる脳代謝とミクロ構造の特徴に関して、心臓手術前の時点で対照新生児との検討を行った。NEJM誌2007年11月8日号より。脳成熟度の4指標について対照群と比較研究グループは、磁気共鳴画像法(MRI)、MRスペクトロスコピー(MRS)、拡散テンソル画像法(DTI)を用いて、先天性心疾患を有し心臓手術を予定している満期産新生児41例に対し調査を行った。29例は大血管転位症、12例は(生理学的)単心室(症)を伴っていた。脳の成熟度を示す指標として、N-アセチルアスパラギン酸/コリン比(脳の成熟に伴って増加)、乳酸/コリン比(成熟とともに減少)、平均拡散率(成熟とともに減少)、白質路の異方性比率(成熟とともに増加)の4つについて算出した。これらの所見を在胎月齢が同等の対照群16例と比較した。先天性心疾患群の32%に白質損傷を観察先天性心疾患群は対照群と比較して、N-アセチルアスパラギン酸/コリン比は10%低く(P = 0.003)、乳酸/コリン比は28%高く(P = 0.08)、平均拡散率は4%高く(P

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肥満者の健康リスクは改善されてはいない

近年の研究報告は、肥満者は1960年代以降死亡率および心血管系のリスク因子が減少しており健康が高まっている、という示唆を与えるものとなっている。それに対しペンシルベニア大学(アメリカ)のDawn E. Alley氏らは、肥満者は以前と比べ長期にわたって危険因子に耐えているだけで、健康どころか、むしろ半面で能力機能障害が増大しているのではないかと提言。肥満症と能力機能障害との経時変化に着目した関連性を検討した。JAMA誌11月7日号掲載より。10年前と現在の能力機能障害を比較本研究は、全米で一般・代表的な国民健康栄養調査(NHANES)の2つの調査期間(調査期間1:1988~1994年、調査期間2:1999~2004年)からBMI値を評価し抽出した、60歳以上9,928例を対象に行われた。両期間調査で「困難」または「不可」と報告された2つの能力機能障害を主要評価項目として検討された。評価項目の1つは機能障害の程度(4分の1マイルのウォーキング、休みなく10ステップ歩行可能か、しゃがみ込むことが可能か、10ポンドのものを持ち運べるか、部屋と部屋との歩行移動、アームのない椅子からの立ち上がり)、もう1つは日常生活動作(ADL)の程度(移動、食事、着替え)。機能障害を有する肥満者は10年で5.4ポイント増加機能障害を有する肥満者は、調査期間1では36.8%だったが、調査期間2では42.2%で5.4%増加していた(P=0.03)。一方、非肥満者では増加はみられなかった。このため、機能障害を有する肥満者と正常体重者の比較では、調査期間1ではオッズ比1.78だったが、調査期間2では2.75に増していた。ADL障害に関しては、肥満者に関して期間1と2の間に変化はみられなかったが、非肥満者では34%に減少(オッズ比0.66)。このため肥満者と正常体重者との比較で、調査期間1ではオッズ比1.31と有意差はあまりなかったが、調査期間2では2.05となっていた。研究者らは、「本研究結果は、近年の心血管系の改善は肥満者の能力機能障害の減少に結びついてはおらず、ある種の能力機能障害のリスクは増大していることを示唆するものだった」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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BMI値と死因死亡率との関連について

本報告を行った米国保健統計センター/疾病予防管理センターのKatherine M. Flegal氏らは2000年時点の検討報告として以前に、低体重、過体重、肥満それぞれの全死因死亡率との関連について報告を行っている。すなわち正常体重群と比べて、低体重群と肥満群では全死因死亡率の有意な増加との関連が認められたが、過体重群では有意な減少が認められたとするものだった。 本報告では、BMI値と全原因死亡率との関連(2004年時点における)を調査。JAMA誌11月7日号で掲載された。各BMI値カテゴリーと、心血管疾患・・その他疾患との関連を調査低体重(BMI <18.5)、過体重(BMI 25~30)、肥満(BMI >30)とし、心血管疾患、、その他(、心血管疾患以外)疾患それぞれを死因とする死亡率との関連性が調べられた本研究は、全米対象の国民健康栄養調査(NHANES)の調査期間I(1971~1975年)、II(1976~1980年)、III(1988~1994年)の参加者571,042人年が対象。2000年までの死亡率追跡調査、1999~2002年期間調査からBMI値等のデータ、2004年人口動態統計データの25歳以上230万人の死因情報を加味して検討された。BMI値と各死因死亡率とには特異的関連がある?その結果低体重群では、と心血管疾患を除くその他疾患を死因とする死亡率で有意な増加(超過死亡:23,455例)が、過体重群ではこの点に関して有意な減少(超過死亡:-69,299例)が認められ、また肥満群では心血管疾患を死因とする死亡率に関してのみ有意な増加(超過死亡:112,159例)が認められた。より詳細な解析結果からは、過体重+肥満は、糖尿病、腎疾患で死亡率の増加(超過死亡:61,248例)が認められた一方、と心血管疾患を除くその他疾患については減少(超過死亡:-105,572例)していることが認められたと報告。また肥満群では、肥満との関連が指摘されるの死亡率の増加(超過死亡:13,839例)が認められた一方で、それ以外の死亡との関連は認められなかったという結果も得た。調査期間間の死亡率の比較からは、肥満と心血管疾患との関連は経時的減少傾向にあるという示唆が得られたとも報告。Flegal氏らは、「今回の結果は、BMI値と全死因死亡率との関連性を明らかにすることに結びつくだろう」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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救急医療隊員による病院到着前の治療介入が軽症高齢患者のアウトカムを改善

救急医療隊員は、訓練によって病院外で創傷、低血糖、転倒、鼻出血など広範な病態をトリアージして、治療あるいは照会できるようになる。また、地域社会において広範な保健医療やプライマリケアによるアウトリーチの役割を実現するには、特に地方などでは病院前救護活動(pre-hospital practitioner working)が有益なことが指摘されている。一方、救急部受診者の12~21%を高齢者が占め、そのほとんどが偶発事故や転倒である。 そこで、Suzanne Mason氏(イギリス・シェフィールド大学保健サービス研究科)らは、軽症疾患の高齢患者の評価および治療における、訓練を受けて技術が向上した救急医療隊員の役割を評価するための検討を行った。BMJ誌10月4日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。救急医療隊員による治療群と非治療群を比較するクラスター無作為化試験本研究は56週をクラスターとする無作為化対照比較試験である。試験開始前に、訓練を受けた救急医療隊員が救急サービスを要請した患者に治療を行う週(介入群、30週)と治療を行わない週(対照群、26週)を無作為に決定した。対象は、2003年9月~2004年9月の間に電話で救急サービスを要請した60歳以上の高齢患者3,018例(介入群:1,549例、対照群:1,469例)。主要評価項目は、day 0(発症日)~28の期間における救急部受診者数および入院患者数、電話要請から治療終了までの期間(疾患継続期間)、サービスに対する患者の満足度とした。介入群ですべての主要評価項目が有意に改善救急部受診者数は、対照群の87.5%に比し介入群は62.6%と有意に減少し(相対リスク:0.72、p<0.001)、入院患者数も対照群46.5%、介入群40.4%と有意に減少した(相対リスク:0.87、p<0.001)。ケアに対する患者満足度は、「たいへん満足」と答えた患者の割合が対照群の73.8%に比べ介入群は85.5%と有意に上昇した(p<0.001)。平均疾患継続期間は対照群の278分に対し介入群235分と約42分短縮した(p<0.001)。技術が向上した救急医療隊員による治療は、臨床的に有効な新たな選択肢Mason氏は、「技術が向上した救急医療隊員は、軽度疾患の急性期にある高齢患者に対して、標準的な救急車搬送や救急部での治療に代わる臨床的に有効な新たな選択肢をもたらす」と結論している。また、同氏は「この新たな救急サービスは、28日後のアウトカムおよび死亡率が対照群と同等であり、安全性にも問題はないと考えられる」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

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ADL集中型作業療法は脳卒中発症後の活動性低下を防止する

リハビリテーションは脳卒中発症後の日常生活動作(ADL)を改善することが示されているが、作業療法の有用性は明らかでない。また、これまでの脳卒中後の作業療法に関するレビューは、個々の患者の活動性の評価が十分ではなかった。 そこで、Lynn Legg氏(イギリス・グラスゴー大学王立病院NHSトラスト老年医学)らは、脳卒中発症後のADLに重点を置いた作業療法による機能回復の改善効果について検討した研究の系統的レビューとメタ解析を行った。BMJ誌9月27日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。解析対象はADL集中型作業療法の評価を行っている試験Cochrane stroke group trials register、文献データベース、手作業による調査などから選択基準を満たす無作為化対照比較試験を抽出し、系統的なレビューとメタ解析を実施した。選択基準は、作業療法の効果を個々の患者のADL訓練に重点を置いて評価していること、すなわち脳卒中患者に対する作業療法のターゲットが作業遂行能力である研究とした。オリジナルデータは試験の報告者から得た。2名の研究者が独立に各試験の方法論の質を評価し、見解が異なる場合は協議により解決した。パフォーマンスが改善、不良なアウトカムのリスクが減少9試験の1,258例が対象となった。ADL集中型作業療法を受けた群は、介入なしあるいは通常のケアを受けた群に比べパフォーマンススコアが有意に増大した(p=0.001)。また、ADL集中型作業療法群は、不良なアウトカム(死亡、ADL低下あるいはADL依存)のリスクが有意に減少した(オッズ比:0.67、p=0.003)。Legg氏は、「ADL集中型作業療法は脳卒中発症後の患者のパフォーマンスを改善し、ADL低下のリスクを減少させる有効な介入法である」と結論し、「すべての脳卒中患者がADL集中型作業療法を利用できるようにすべき」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

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薬物溶出ステント(DES)が経済的なのは高リスク病変のみ

ステント留置後18ヵ月間の費用対効果を検討すると、薬物溶出ステント(DES)が効率的なのは高リスク病変への留置のみであり、低リスク病変に対する費用対効果はベアメタル・ステント(BMS)に軍配が上がることが、無作為化試験BASKETの結果明らかになった。Basel(スイス)、University HospitalのHans Peter Brunner-La Rocca氏らがLancet誌11月3日号で報告した。DES、BMSの主要心イベント抑制の費用対効果を検討BASKET(Basel Stent Kosten Effektivitats Trial)の対象は、Rocca氏らの施設にて2003年5月から1年の間にPCIを受けステントを留置された826例。ステント長が4.0mm以上だった例、あるいはステント内狭窄例は除外されている。これらをDES群(545例)とBMS群(281例)に無作為化し、主要心イベント(心臓死、非致死性心筋梗塞、虚血症状寛解のための責任病変血行再建再施行)発生を18ヵ月間追跡し、両ステントによる主要心イベント抑制の費用対効果を検討した。病変部のリスクにより費用対効果が異なる18ヵ月後、主要心イベント発生率は両群間に有意差はなかった。 次に、BMSとDESを置き換えた場合のコストの増減を縦軸に、主要心イベント相対リスクの変化を横軸にとり、実測値をBootstrap法にて5,000サンプルへシミュレートのうえプロットした(Cost-effectiveness plane)。するとDESがBMSよりも「安価で有効(主要心イベントを減少させる)」である機会は3%しかなく、「高価で有効」は71%、逆に「高価で無効」となる可能性が26%あった。しかし患者を低リスクと高リスクに分けて検討すると、高リスク群ではDESの費用対効果が優れていた。すなわち、バイパス・グラフトへの直径3.0mm未満のステント留置では、71%のケースでDESがBMSよりも「安価で有効」となっていた。一方、インターベンション歴のない血管に対する直径3.0mm以上のステント留置(低リスク)では逆に、75%のケースでDESがBMSよりも「高価で無効」となると考えられた。このような解析を基にRocca氏らは、ルーチンなDES留置に対しては費用対効果の観点から疑義を呈している。(宇津貴史:医学レポーター)

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高齢者のインフルエンザ、肺炎に対する意識は高い!?

今年もインフルエンザの流行の兆しが見え始め、メディアなどでも様々な話題が報じられているが、万有製薬株式会社は、2007年7月に全国65歳以上の男女計467人を対象に行ったインフルエンザと肺炎に関する意識調査を発表した。調査結果によると、 1.インフルエンザワクチンを接種した経験がある人は67.2%に上るが、最近1年間に接種した方は44.3%で、1年より前に接種した人は22.9%。 2.インフルエンザワクチンを接種した経験がない人でも98.7%がインフルエンザワクチンを知っており、そのうち53.7%が接種の必要性を感じている。 3.67.2%が「肺炎は怖い」というイメージを持っており、また66.2%が「自分もかかるかもしれない」と感じている。そして、36.8%が「肺炎は予防可能な疾患である」と考えている。 4.肺炎球菌ワクチンの認知率は52.7%で、そのうちの35.0%が1年以内に知ったものだった。 プレスリリースはこちら http://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2007/corporate_1112.html

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人工着色料・食品添加物(AFCA)は子どもの多動性を増強する

9月上旬、本報告がLancet誌オンライン版に掲載されるや、欧米では大きな反響が巻き起こったという。この試験で用いられている人工着色料・食品添加物(AFCA)の多くは日本でも使用されているため、今後、本邦においても広範な議論が展開されることを期待したい。 AFCAの子どもの行動への影響が指摘されて30年以上が経過している。AFCAによる主な行動障害は多動性(過活動、衝動性、不注意)と推察されるため、この行動パターンを示す子どもは注意欠陥多動性障害(ADHD)でない場合でも、ADHDと診断されている可能性がある。また、最近のメタ解析ではADHDに対する有意な影響も示唆されている。 Donna McCann氏(イギリス・サザンプトン大学心理学科)らは、AFCAの摂取が子どもの行動に及ぼす影響を広範に評価するために、対象年齢を拡大した検討を行った。Lancet誌9月6日付オンライン版、11月3日付本誌掲載の報告。297名の子どもが2種類のAFCA含有ジュースとプラセボを飲用本研究は、3歳児153名、8~9歳児144名を対象とした二重盲検プラセボ対照無作為化クロスオーバー試験である。各年齢群とも同じプロトコールに従ってAFCAを含む2種類のジュース(ミックスAおよびB)あるいはプラセボを6週間飲用した。ミックスAには、人工着色料20mg[黄色5号5mg+カルモイシン(日本指定外)2.5mg+黄色4号7.5mg+赤色102号5mg]+保存料(安息香酸ナトリウム45mg)が、ミックスBには人工着色料30mg[黄色5号7.5mg+カルモイシン(日本指定外)7.5mg+キノリンイエロー(日本指定外)7.5mg+赤色40号7.5mg]+保存料(安息香酸ナトリウム45mg)が含まれた。3歳児には1袋56gのお菓子2袋に相当する量のジュースにミックスA、Bを混ぜ、8~9歳児には2袋相当にミックスAを、4袋相当にミックスBを混合した。主要評価項目は、観察された行動のスコアおよび教師、両親による点数化に基づく全体的多動性集計(GHA)とし、8~9歳児にはコンピュータによる注意力の検査も実施した。3歳児、8~9歳児ともに、AFCAによる有害作用を確認16名の3歳児および14名の8~9歳児が、行動とは無関係の原因で試験を完遂できなかった。ミックスAは、すべての3歳児においてプラセボに比し有意に多動性のレベルを上昇させた(p=0.044)が、ミックスBとプラセボには有意差は認めなかった。ジュースを85%以上飲用した3歳児に限定した解析でも同様の結果であった(p=0.02)。8~9歳児は、ジュースを85%以上飲用した場合に限定した解析でミックスA(p=0.023)、ミックスB(p=0.001)ともプラセボに比し有意に多動性レベルが上昇した。多動性をもたらす特定の有害物質は不明McCann氏は「食品中の人工着色料または保存料(もしくはその両方)は、一般集団における3歳児、8~9歳児の多動性を増強する」と結論している。また、同氏は「今回の試験では各ミックス中の特定の有害物質は決定できない」とし、「食品への人工着色料の添加は不要と考えられるが、安息香酸ナトリウムは重要な保存機能を持つため同一には扱えない」と指摘している。(菅野 守:医学ライター)

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米国心臓学会において「HIJ-CREATE」の成績が発表

 11月7日(米国時間)、フロリダ州・オーランドで開催されている第80回米国心臓学会 (AHA: the American Heart Association's Scientific Sessions 2007) のlate-breaking clinical trials sessionにおいて、高血圧症治療薬ブロプレス(一般名:カンデサルタン シレキセチル)の大規模臨床試験「HIJ-CREATE」の成績が発表された。HIJ-CREATE試験は2001年6月から実施されたもので、日本の14施設が参加、高血圧症を有する日本人の冠動脈疾患患者2,049例を対象に、アンジオテンシン・受容体拮抗薬(ARB)ブロプレスを基礎治療にした薬剤群(ブロプレス群)とARBを使用しない標準治療薬剤群(標準治療群)について、心血管系イベントの発症を指標として比較。 今回の発表では、以下の点が明らかになった。1.ブロプレス群は標準治療群と比較して、心血管系イベントの発症リスクを11%抑制したものの統計的な有意差は得られなかった(p=0.194)。<主要評価項目> 2.糖尿病の新規発症率は、ブロプレス群1.1%、標準治療群2.9%であり、ブロプレス群は糖尿病の発症を抑制した(p=0.027)。<副次評価項目>3.腎機能の低下した患者においてブロプレス群は標準治療群と比較して、心血管系イベントの発症リスクを21%抑制した(p=0.039)。

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院内暴力で逮捕された男が病院に”お礼参り”

今月4日に東京慈恵会医科大付属病院でナイフで職員を脅かした男が逮捕されたが、その男は、今年9月に院内暴力で警察に通報され、逮捕されていたことがわかった。逮捕されたのは東京都町田市の無職の男(55)で、今年9月の逮捕後、10月に釈放されたばかりだった。病院に対する逆恨みから、今回の”お礼参り”を行ったようだ。院内暴力はマスコミでも取り上げられるケースが増えつつあるが、今年8月の読売新聞の報道によれば、全国の大学病院で、昨年1年間に医師、看護師が患者や家族から暴力を受けたケースは、少なくとも約430件あったという。これらは氷山の一角であり、全体としてはかなりの数になろう。病院だけでなく、介護、あるいは教育の現場でも暴力・暴言やクレーマーが増えていると言う。医療者側と患者とのコミュニケーションの問題もあると指摘されるが、もはやコミュニケーションの問題にとどまらず、リスクマネジメントの観点から安全対策の導入が必要な時代になったといえるのではないか。  読売新聞の「院内暴力」のニュースはこちらhttp://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070821-OYT8T00188.htm?from=goo(ケアネット 孫 秀煥)

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脳MRIは無症候性の脳異常の発見に結びつく

研究および臨床領域双方で利用が増している脳の磁気共鳴画像(MRI)は、一方ではスキャナやMRIシークエンスの改善がなされている。そうした画像診断技術の進歩は、脳腫瘍、動脈瘤、無症状の血管病変など予期しない無症候性の脳異常の発見に結びつく可能性があるとして、オランダのエラスムスMC大学医療センターのMeike W. Vernooij氏らは、偶発的な脳所見が一般集団で出現する割合を検討した。NEJM誌11月1日号より。2,000例のMRI画像を専門医が精査対象は、標準プロトコルに従って高解像度脳構造MRI(1.5T)検査を実施された、住民ベースのロッテルダム研究対象2,000例(平均年齢63.3歳、年齢範囲45.7~96.7歳)。訓練された評価者2名が、無症候性脳梗塞を含むすべての脳異常を記録した。白質病変量は、自動後処理法でミリリットル単位で定量化された。偶発的な所見の精査は、経験豊かな2名の神経放射線医が行い、診断はすべてMRI所見に基づいて行われ、組織学的検査は行っていない。加齢とともに増加した脳梗塞・髄膜腫・白質病変無症候性脳梗塞は145例(7.2%)にみられた。梗塞以外の所見では、脳動脈瘤(1.8%)と髄膜腫を主とする良性原発腫瘍(1.6%)が最も高頻度にみられた。無症候性脳梗塞と髄膜腫の有病率、および白質病変量は、加齢とともに増加していたが、動脈瘤の有病率には同様の年齢関連性はみられなかった。研究グループは、「無症状の血管病変を含めて、MRI画像による脳の偶発的な所見は一般集団でもよくみられた。最も頻度が高いのは脳梗塞であり、脳動脈瘤と良性原発腫瘍がこれに続いて多い」と報告。「臨床管理上これら病変の自然経過に関する情報が必要だ」と指摘している。(朝田哲明:医療ライター)

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術後患者の補助化学療法に関する日本発エビデンス:ACTS-GC

経口フッ化ピリミジン系薬剤(S-1)に関して、日本国内の109医療機関、患者1,059人が参加して行われたACTS-GC試験(Adjuvant Chemotherapy Trial of TS-1 for Gastric CancerTS-1:胃術後補助化学療法比較試験 http://acts-gc.jp/index.html)の結果が、NEJM誌11月1日号に掲載された。筆頭執筆者は北里大学の桜本信一氏。治癒的切除術が施行された胃患者に対するS-1を用いた補助化学療法の有用性を評価したもの。ステージIIまたはIIIの胃切除術後患者に経口S-1錠投与ACTS-GCは2001年10月から2004年12月にかけて、D2リンパ節郭清を伴う胃切除術を受けたステージIIまたはIIIの日本人の胃患者を、術後にS-1投与による補助化学療法を受けた(投与群)529例と、手術療法のみの(手術単独群)530例にランダムに割り付け行われた。投与群は術後6週間以内に投与を開始し、1年間継続。処方計画は原則として、経口S-1錠80mg/m2/日を4週間投与した後2週間休薬する6週間周期で構成された。主要エンドポイントは全生存率。3年全生存率は投与群80.1%、手術単独群70.1%患者登録終了後1年時点の最初の中間解析で、S-1投与群が手術単独群よりも高い全生存率を示した(P=0.002)。そのため効果・安全性評価委員会の勧告に基づき試験は中止されている。追跡調査データの解析によって、3年全生存率は、S-1投与群が80.1%、手術単独群が70.1%で、S-1投与群の対手術単独群死亡ハザード比は0.68だった(95%信頼区間:0.52-0.87、P=0.003)。S-1投与群で比較的よくみられたグレードIIIまたはIVの有害事象は、食欲不振(6.0%)、悪心(3.7%)、下痢(3.1%)だった。これらから研究グループは、「東アジア人でD2郭清を施行した局所進行性胃患者に対するS-1を用いた補助化学療法は効果的である」と結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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産学結びつきの現状ともたらす影響

産学連携(Institutional Academic-Industry Relationships:IAIR)は、組織内に利害対立をも引き起こす可能性をはらんでいる。しかしこれまで、大学および教育病院と産業界との関係を管理する方針や手法に関して確立・評価するのに役立つ観察データは示されていなかった。そこで医学部と教育病院の産学連携の性質、範囲そして影響について、学部教授を対象とした全国調査がマサチューセッツ総合病院のEric G. Campbell氏らによって行われ、その結果がJAMA誌2007年10月17日号に掲載された。教授職の6割が産業界と何らかの個人的関係を持つ125の逆症療法を主体とする医学部と15の独立系教育病院の学部教授を対象とした全米調査は、2006年2月から同年10月にかけて実施された。主要評価項目は産業界とのつながりのタイプ。対象となった学部教授職688例のうち459例について調査を完了、回答率は全体の67%だった。学部教授職の60%は産業界との間に何らかの個人的なつながりを持っており、その内訳は、コンサルタント(27%)、学術顧問(27%)、有給講演者(14%)、役員(7%)、設立発起人(9%)、または重役会メンバー(11%)などとなっていた。また、学部単位では3分の2に当たる67%が産業界との関係があった。この中で臨床系学部は非臨床系学部よりも、研究装置(17%対10%、P=0.04)、無制限の資金提供(19%対3%、P

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ザンビアでのエイズ罹患小児への抗レトロウイルス療法

ザンビア保健省はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した小児への抗レトロウイルス療法(ART)を首都ルサカにある初期医療施設で提供しているが、同国では周産期予防の規模拡充にもかかわらず小児の多くが感染している状況にある。治療を受けた小児の臨床および免疫学的予後に関する調査報告がJAMA誌2007年10月24日号に掲載された。3剤併用ART療法を受けた小児の転帰データを分析ザンビア感染症研究センターのCarolyn Bolton-Mooreらによる本調査は、ルサカにある18の国立の初期医療施設でARTを受けた小児の転帰データを使ったオープンコホート研究。対象は2004年5月1日から2007年6月29日の間にHIV治療を受けた15歳以下の小児で、治療は主に看護師と、米国の医師助手に類似した医師補によって行われていた。3剤併用ART療法(zidovudineあるいはstavudine+ラミブジン+nevirapineあるいはefavirenz)を受けたのは、国内の治療判定基準を満たした小児。主要評価項目は生存、体重増加、CD4細胞数とヘモグロビン値とされた。登録された4,975例中、2,938例(59.1%)でARTが開始された。ART開始の対象年齢中央値は81ヵ月(四分位範囲36-125)、1,531例(52.1%)が女子であり、WHO定義に基づく病期は2,087例(72.4%)がIII期またはIV期だった。予後、CD4値とも有意に改善2,398例中198例(8.3%)が死亡、これはフォローアップした3,018人年死亡率で換算すると6.6/100人年(95%信頼区間5.7-7.5)に当たることが明らかとなった。また死亡例のうち112例(56.6%)は治療開始から90日以内で転帰に至っており、早期死亡率は17.4/100人年、90日死亡率は2.9/100人年となる。死亡率は、CD4細胞減少、低体重、低年齢、貧血と関連していた。一方で、1回以上の測定を行った1,561例の、ART開始時の平均CD4細胞パーセンテージは12.9%(95%信頼区間12.5%-13.3%)だったが、6ヵ月後には23.7%(同23.1%-24.3%)まで増え、12ヵ月後は27.0%(同26.3%-27.6%)、18ヵ月後は28.0%(同27.2%-28.8%)、そして24ヵ月後には28.4%(同27.4%-29.4%)に増加していた。これを受け、「看護師や医師補のような臨床家が提供するケアでも、HIV感染児のためのプライマリ・ケアは、南部アフリカという環境下で良好な治療成績を上げることができた」と報告。治療導入初期90日の死亡率が高いことについては、早期介入の必要性を示しているものだと結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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「タミフル」の2007-2008年シーズンの供給計画

中外製薬株式会社(東京都中央区)は、抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」(一般名:リン酸オセルタミビル)の2007-2008年シーズンの供給計画を発表した。昨シーズン複数報告された10代患者の転落死との関係は調査中としながらも、3月20日に出された緊急安全性情報等も考慮し、今シーズンは、従来の最大流行規模を想定した1,200万人相当分の供給体制から処方患者数の半減を考慮、600万人相当分の供給体制にする。なお、これを上回る需要に備え、追加供給体制についても検討していくという。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp?documentId=doc_10210&lang=ja

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世界初の選択的アルドステロンブロッカー「セララ」発売

ファイザー株式会社(東京都渋谷区)は、11月13日(火)に、選択的アルドステロンブロッカー「セララ錠25mg/50mg/100mg」(一般名:エプレレノン)を発売する。アルドステロンの受容体であるミネラロコルチコイド受容体に選択的に結合することにより、アルドステロンの有害作用をブロックして、血圧降下や臓器保護を示す。単独、併用双方で優れた降圧効果を示すほか、1日1回投与で、24時間良好な降圧効果を発揮する。また、長期投与でも安定した血圧コントロールを可能とするという。日米欧の診療ガイドライン(GL)で、心疾患に伴う高血圧治療薬として紹介されており、現在、すでに日本を含めて世界64カ国で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2007/2007_11_07.html

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激しい興奮状態の精神疾患患者を速やかに鎮静するには?

精神疾患症状としての興奮症状や暴力的行動に対し、速やかな鎮静を図る手段として、筋注olanzapine(オランザピンは筋注剤は日本未承認)と筋注ハロペリドール+プロメタジンとを比較する無作為化臨床試験の結果が報告された。インドVelloreにあるキリスト教医科大学精神医学部Nirmal S Raveendran氏らによる。BMJ誌オンライン版10月22日付け、本誌10月27日号で掲載。筋注olanzapineと筋注ハロペリドール+プロメタジンを比較本試験は、南インドVelloreにある総合病院精神科部門の救急サービスを基点に行われた。激しい興奮状態あるいは暴力的行動を呈する成人患者300例を無作為に、筋注olanzapine投与群150例と筋注ハロペリドール+プロメタジン投与群150例に割り付け、同剤投与による介入から治療を開始した。主要評価項目は、15分後、240分後時点で、落ち着きを取り戻し眠っている患者の比率。副次評価項目は、15、30、60、120、240分時点での、「落ち着いている」「眠っている」「抑制されている」「逃走」「臨床的に好転」した患者の各比率。さらに4時間を過ぎた時点でのさらなる医療行為介入と副作用の状況、2週間にわたる経口薬のコンプライアンスと副作用の状況も評価された。追跡調査されたデータは298例(99%)。ハロペリドール+プロメタジン群のほうが追加介入が少ない15分後「落ち着きを取り戻し眠っている」患者の比率は、olanzapine群 131/150(87%)、ハロペリドール+プロメタジン群136/150(91%)で同程度だった(相対リスク比0.96、95%信頼区間:0.34-1.47)。240分後もそれぞれ、144/150(96%)、145/150(97%)(同0.99、0.95-1.03)で同程度。しかし、4時間を過ぎた時点で追加投与を必要とする患者が、olanzapine群65/150(43%)で、ハロペリドール+プロメタジン群31/150(21%)よりも多かった(同2.07、1.43-2.97)。副作用は、いずれの治療群でもまれだった。これらからRaveendran氏らは、「いずれの筋注も興奮状態あるいは暴力的な精神病患者を鎮静するのに効果的だったが、ハロペリドール+プロメタジン群のほうが追加介入の割合が低かった。多忙かつ無秩序な状況では併用群を選んだほうがよいということだ」とまとめている。

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高血圧放置が減少、血圧コントロール率の改善も:メキシコ公的健康保険プログラム

無保険者が健康保険に加入することにより、高血圧治療を受ける患者が有意に増えるだけでなく、血圧コントロール率まで改善される可能性が、メキシコにおける横断的住民研究の結果、明らかになった。米国Johns Hopkins School of Public HealthのSara N Bleich氏らが、BMJ誌オンライン版10月22日付けで早期公開、その後本誌27日号で掲載されている。貧困者対象の公的保険開始から6年メキシコでは2001年より、貧困者を対象にした公的健康保険Seguro Popularを立ち上げ、2010年までに無保険者をなくす予定である。今回Bleich氏らはSeguro Popularの対象になりうる高血圧患者で被保険者と未保険者を比較し、公的健康保険が高血圧治療に及ぼすインパクトを調べた。2005年の全国調査ではSeguro Popularの対象となり得る成人高血圧例は4,032例。1,065例はすでに健康保険に加入していたが、2,967例は未加入だった。被保険者と未保険者では背景因子が大きく異なるため、「年齢」、「性別」、「定期収入」、「貧困度」など9項目に関し傾向(propensity)スコアを用いてマッチングを行った。 治療率・コントロール率とも改善その結果、Seguro Popular下で被保険者となっている高血圧患者が降圧治療を受ける確率は未保険者に比べ1.5倍、有意に高かった(95%信頼区間:1.27-1.78)。また治療により収縮期血圧(SBP)が120mmHg未満にコントロールされている割合も相対的に1.35倍増加していた(95%信頼区間:1.00-1.82)。一方、「人口1,000人当たりの医師・看護士数」と「降圧治療による血圧コントロール(SBP<120mmHg)」達成には有意な相関はなかった。「メキシコ(のような国)では医師・看護士よりも被保険者を増やすほうが降圧治療に直接的な影響があるかもしれない」とBleich氏らはコメントしている。また同氏らが結論している通り、本研究は無保険者を多く抱える他国にとってポジティブな実例となると思われるが、肝心なのはSeguro Popularが公的保険という点だろう。自治体は実情に併せて上乗せが許可されている。したがって、米国で大統領選挙を控えヒラリー(クリントン)氏らが推進しようとしている「(医師の裁量権を事実上制限している)民間保険への皆加入」とは異質であり、米国の保険改革が同等の効果をもたらすかは改めて検討が必要だろう。(宇津貴史:医学レポーター)

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J-WIND、待望の論文化

わが国で実施され、2006年には米国心臓協会にて報告された大規模試験J-WINDが、Lancet誌10月27日号に掲載された。心筋梗塞に対する再灌流療法にヒト心房性ナトリウムペプチド(カルペリチド)、あるいはニコランジルを加える有用性を検討した本試験、筆頭著者は国立循環器病センターの北風政史氏である。カルペリチドとニコランジルの有用性を別個に検討J-WINDは2つの別個の試験から成る。いずれも急性心筋梗塞例を対象としているが、J-WIND-ANP試験では再灌流療法時にカルペリチドを3日間持続静注、J-WIND-KATP試験ではニコランジルをボーラス静注し、いずれの試験も梗塞サイズと左室駆出率を対照群と比較した。ANP試験ではカルペリチド群に277例、対照群に292例が、KATP試験ではニコランジル群に276例、対照群に269例がそれぞれ無作為割り付けされ、単盲検にて平均2.7年(ANP試験)、2.5年(KATP試験)追跡された。  カルペリチド群では梗塞サイズが縮小し左室機能も保たれる569例が無作為化されたANP試験では、まず535例(カルペリチド群:255例、対照群:280例)で梗塞サイズが検討された。梗塞巣サイズの評価は、再灌流療法前と再灌流1時間~72時間後の間に少なくとも6回採取した血液サンプルから求めたクレアチニンキナーゼのAUCで行なった。その結果、対照群の77,878.9IU/L時に比べカルペリチド群では66,459.9IU/L時と有意(p=0.016)に低下していた。梗塞サイズに換算すると相対的に14.7%の減少になるという。ただし再灌流後12〜18時間に測定したトロポニンT濃度は減少傾向にとどまった。また398例(各群199例ずつ)で評価できた6~12カ月後の左室駆出率も、カルペリチド群では対照群に比べ相対的に1.05倍、有意(p=0.024)に高値だった。この結果よりJ-WIND研究者らは、「経皮的冠血行再建術を施行される心筋梗塞患者に対し、カルペリチド追加は安全かつ有効な治療だと信じている」と記している。 ニコランジルは用量の問題か対照的だったのがKATP試験である。ニコランジル群で梗塞サイズ、左室駆出率とも対照群と有意差を認めなかった。 しかしJ-WIND-KATP試験については本年度の日本循環器学会のセッション「Late Breaking Clinical Trials in Japan」において、以下が指摘されている。すなわち、これまでに報告された臨床試験で、ニコランジルによる梗塞巣縮小が認められた場合、用量は8~12mg程度が用いられている。特に、プラセボ群に比べ心筋梗塞患者の「心血管系死亡と心不全による予定外入院」を有意に抑制し,Circulation誌に掲載された臨床試験では12mgが用いられていた [Ishii H et al. Circulation 2005; 112: 1284]。しかし今回J-WINDで用いられた「0.067mg/kgボーラス+1.67μg/kg/分×24時間」というレジメンではおよそ4mg程度にしかならないため、「もう少し高用量ならば異なった結果になっていた可能性もある」(コメンテーター)とのことである。(宇津貴史:医学レポーター)

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