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公衆衛生施策における大腸がんスクリーニングの精度:フィンランド

便潜血検査を取り入れた大腸がんスクリーニングは死亡率を低下させることは、4つの無作為化スクリーニング試験で明らかになっている。しかし、公衆衛生施策において死亡率低下の効果があることが常に示されているわけではない。フィンランドがん登録機関のNea Malila氏らの研究グループは、2004年にフィンランドで開始された、大腸がんの無作為化スクリーニング・プログラムについて検証した。BMJ誌2008年12月6日号(オンライン版2008年11月3日号)より。参加者の偏りと診断バイアスを排除この研究は、大腸がん検出のための便潜血検査、スクリーニング・エピソード、スクリーニング・プログラムそれぞれの精度、および新しい公衆衛生施策の実施段階で取り入れられた無作為化の利点を検証することを目的に行われた。対象集団内の個々のレベルに無作為化を用いた公衆衛生施策は、2004~2006年にかけて、フィンランドの自治体431のうち161で実施された。60~64歳の成人10万6,000人が参加、スクリーニング群と対照群に無作為に割り付け、スクリーニング群の5万2,998例に便潜血検査キットが届けられた。主要評価項目は、出現率、参加者の偏りと過剰診断を補正したうえでの便潜血検査、エピソード、プログラムそれぞれの精度を感度で評価した。無作為化スクリーニングの有効性を支持スクリーニングへの応答は全体として高く(70.8%)、男性(63.3%)と比べて女性(78.1%)で有意に高率だった。対照群でのがん出現率は、男性のほうが女性より高かった(103対93:/10万人年)が、中間期に関しては逆転した(42対49:/10万人年)。便潜血検査の感度は54.6%。陽性例で中間期が検出されたのはごくわずかで、エピソード段階での出現感度は51.3%と便潜血検査時点の精度とほぼ並んだ。プログラム精度は37.5%だった。研究グループは、相対的に感度は低いとはいえ、フィンランドの大腸がんの無作為化スクリーニング・プログラムの精度はまずまずだと述べている。また、どんな検査方法を用いるにせよ、大腸がんのスクリーニングでは、対象集団を無作為化したうえで始める公衆衛生プログラムでなければならないと結論づけた。

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妊娠予定の女性はカフェイン摂取を100mg/日未満に

カフェイン摂取は、妊娠中に消費される最も多い生体異物である。300mg/日以上のカフェイン摂取が低体重児出産のリスクを増大することが明らかにされているが、わずか141mg/日以上でもリスクを増大とするとの知見もあり、英国「食品中の化学物質に関する委員会(Committee on Toxicity of Chemicals in Food)」が2001年に発表した論文レビューに基づく見解でも、300mg/日以上が自然流産と関連している可能性があるとしながらエビデンスは不明としていた。加えて近年、摂取量よりもカフェイン代謝の変動が胎児発育遅延と密接に関わるとの研究報告も寄せられている。それら知見を踏まえ本論は、リード大学とレスター大学の2つのティーチングホスピタルを基点に参加者を募り行われた大規模な前向き観察研究「CARE Study」の結果で、BMJ誌2008年12月6日号(オンライン版2008年11月3日号)にて報告された。妊娠8~12週の低リスク妊婦2,635人のカフェイン習慣と出生時体重を調査CARE Studyは、2003年9月から2006年1月に参加を募った18~45歳13,071人のうち、同意を得た妊娠8~12週の低リスク妊婦2,635人が参加し調査された。妊娠(受胎)前4週から出産時までのカフェイン摂取量(<100、100~199、200~299、≧300;mg/日)を、公認された評価ツール(リード大学作成の習慣性を問うアンケート、各製造メーカー公表のカフェイン成分値など)を用いて定量化し評価。アンケートは、カフェイン摂取が食事性からかOTCからかがわかるものとなっており、潜在的交絡因子(喫煙、アルコール摂取、つわり等)の詳細も評価できるものだった。またカフェイン半減期(クリアランスの代用値として)の評価をカフェイン負荷試験で実施。喫煙評価は自己申告および唾液ニコチンテストで、アルコールは自己申告で評価。主要評価項目は、アルコール飲酒、喫煙で補正した出生時体重に基づく胎児発育遅延の有病率とした。妊娠したら減らせばよいというものではない胎児発育遅延の有病率は全体で13%(343/2635)。妊娠中のカフェイン消費量と胎児発育遅延との関連オッズ比(対

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クリスマスよりも大晦日を元気に過ごしたい!!

グラクソ・スミスクライン株式会社が11月17日~12月7日に実施した「スマートチョイスでかぜに勝つ!キャンペーン」第2期アンケート結果によると、クリスマス(27%)よりも大晦日(73%)にかぜをひきたくない人の方が多いという結果が出たという。アンケートは働く人が中心のため、休日となる年末年始のほうを重視したと思われる。「スマートチョイスでかぜに勝つキャンペーン」はかぜに関する二者択一のアンケートで、このほかにも、マスクをする理由としては「周りのため」と答えた人が57%だったのに対して「自分のため」と答えた人は43%に。また、かぜをひいたときに食べたくなるのはラーメンよりも断然うどんに軍配!という結果だった。詳細はこちらhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2008_07/P1000515.html

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フルベストラントで進行乳がんの病勢コントロールを改善できる ―FIRST試験新データより

アストラゼネカ株式会社の15日の発表によると、英国本社が第31回米国サンアントニオ乳がんシンポジウムで、高用量のフルベストラント(500mg)がホルモン感受性進行乳がんの一次治療として、アロマターゼ阻害剤よりも良好に病勢をコントロールできたとの新データを発表した。このデータは閉経後ホルモン感受性局所進行もしくは転移乳がんを対象とした第II相無作為オープンラベルFIRST試験(FASLODEX fIRst line Study comparing endocrine Treatment)の結果によるもの。FIRST試験では、フルベストラント500mgを投与された患者のクリニカルベネフィット(奏効に関する指標)は、追跡期間の中央値8ヵ月時点ではアナストロゾール群67.0%に対し72.5%(p=0.386)で、両方の薬剤で高い臨床的効果が得られたものの、フルベストラント群では30%高いクリニカルベネフィットを享受できる可能性が示されたという(オッズ比1.30)。また、フルベストラント群ではアナストロゾール群よりも有意に、TTP(Time to progression 病勢進行までの期間)をおよそ60%延長したという(HR=0.63、95%CI[0.39-1.00];p

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子ども向けくすりのウェブサイトが全面リニューアル

サノフィ・アベンティス株式会社は15日、同社が運営する子ども向けウェブサイト「くすりについて(http://kodomo.sanofi-aventis.co.jp/)」を全面リニューアルしたことを発表した。このサイトは、未来を担う子ども達に、健康の大切さ、病気の予防や治療に使用される薬について学習してほしいという同社の思いから開設された学習ウェブサイト。小学校3、4年生向けに、子ども達が楽しく学習できるよう、アニメーションや動画が用いられている。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/3F805D50-0402-47F5-A2F6-A6AEC960EABF.pdf

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ホルモン感受性乳がん閉経後女性におけるアロマシンの試験結果、発表される

ファイザー株式会社は15日、ホルモン感受性乳がんのある9,775名の閉経後女性が参加したTEAM(Tamoxifen, Exemestane, Adjuvant, Multicenter)試験について、予定されていた1回目の解析の結果を発表した。TEAMは当初アロマシン(一般名:エキセメスタン錠剤)とタモキシフェンとのアジュバント療法5年間の比較試験として2001年に計画された。その後2004年に、インターグループ・エキセメスタン・スタディ(IES)の結果に基づき、タモキシフェン群はタモキシフェンからアロマシンへの逐次投与群にデザイン変更された。2.75年時点でのDFS解析では、DFSイベントのリスクはアロマシンのほうが11%低くなった(HR=0.89; 95% CI, 0.77-1.03)。この差は統計的に有意なものではなく(p=0.118)、計画されている第2回目の5年治療後のDFS解析は2009年末に行われる予定だという。TEAM試験のサブスタディの結果も、サンアントニオ乳がんシンポジウムで発表された。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_12_15.html

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サーモドックスの日本におけるライセンス契約が締結

株式会社ヤクルトは16日、セルシオンコーポレーションと同社の薬剤輸送技術から創製されたThermoDox(サーモドックス)の日本市場における商業化に関する最終的な契約を締結したと発表した。同社はこれから、国内における臨床開発の全ての必要事項を完遂させ、サーモドックスの原発性肝がんおよびその他がん腫での適応取得と、販売承認申請を目指すとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.yakult.co.jp/cgi-bin/newsrel/prog/news.cgi?coview+00343

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eldecalcitolが骨粗鬆症の新たな椎体骨折の発生を抑制することを確認

中外製薬株式会社と大正製薬株式会社は16日、両社が骨粗鬆症を予定適応症として共同開発中の活性型ビタミンD3誘導体(一般名:eldecalcitol、中外製薬開発コード「ED-71」、大正製薬開発コード「CT-081」)の無作為化二重盲検群間比較試験において、骨粗鬆症患者の新たな椎体骨折の発生頻度を有意に抑制する結果が得られたと発表した。この結果の詳細は、論文および学会等で発表する予定だという。eldecalcitolは中外製薬が創製した活性型ビタミンD3誘導体で、国内で広く骨粗鬆症治療薬として使用されている活性型ビタミンD3製剤の骨に対する作用を高めた薬剤。2004年より開始した第III相臨床試験は、骨粗鬆症患者を対象としてeldecalcitolの有効性および安全性を、アルファカルシドールを対照薬とした無作為化二重盲検群間比較試験にて検討したもので、1,087名の患者を無作為にeldecalcitolもしくはアルファカルシドールを1日1回経口投与する群に割り付け、3年間での新たな椎体骨折の発生頻度を観察したもの。その結果、eldecalcitolを投与した患者さんでは、対照薬のアルファカルシドールを投与した患者さんと比較して、有意に骨折発生頻度の低下が認められ、骨折予防効果に関する優越性が証明されたという。承認申請は、この試験結果をまとめ、2009年に行う予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeTable.jsp;jsessionid=5THCOLTZYVXQWCSSUIHCFEQ?documentId=doc_12673&lang=ja

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非心臓手術周術期のβ遮断薬投与は不要?

米国心臓学会/米国心臓協会(ACC/AHA)のガイドラインの推奨にもかかわらず、非心臓手術時の周術期における心血管死や脳卒中の予防を目的としたβ遮断薬の使用を支持する確固たるエビデンスはないことが、米Brigham and Women's病院循環器科のSripal Bangalore氏らが実施したメタ解析で明らかとなった。Lancet誌2008年12月6日号(オンライン版2008年11月11日号)掲載の報告。33試験に参加した1万2,306例を対象とするメタ解析実施周術期患者評価に関するACC/AHAのガイドラインでは非心臓手術時の周術期におけるβ遮断薬の使用が推奨されている。しかし、最近報告されたPOISE試験などこれを支持しない臨床試験もいくつかあるという。研究グループは、非心臓手術を受けた患者に対する周術期のβ遮断薬投与を評価したエビデンスについて厳格なレビューを行った。PubmedおよびEmbaseを用いて、非心臓手術時のβ遮断薬の使用について調査した無作為化対照比較試験のデータを検索した。30日全死亡率、心血管死亡率、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心不全、心筋虚血、および周術期の徐脈、低血圧、気管支攣縮に関する安全性アウトカムのデータを抽出した。33試験に参加した1万2,306例が対象となった。ACC/AHAガイドライン委員会は周術期β遮断薬使用の見解を緩和すべきβ遮断薬を投与しても、全死亡率、心血管死亡率、心不全のリスクは低下しなかった。また、β遮断薬投与により非致死的心筋梗塞および心筋虚血が低下した(オッズ比:それぞれ0.65、0.36)が、その代償として非致死的脳卒中が増加した(オッズ比:2.01)。β遮断薬の効果が高いとする試験の多くが、バイアスのリスクの高い試験であった。安全性については、周術期にβ遮断薬を使用すると治療を要する徐脈および低血圧のリスクが上昇した。気管支攣縮のリスク上昇は見られなかった。著者は、「非心臓手術を受けた患者では、周術期の心血管死や脳卒中などの臨床アウトカムの予防にβ遮断薬を使用することを支持するエビデンスは確認されなかった」と結論し、「ACC/AHAガイドライン委員会は、結論的なエビデンスが提出されるまで周術期β遮断薬使用の見解を緩和すべき」としている。(菅野守:医学ライター)

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新たな痛風関連遺伝子を同定

3つのコホートを対象としたゲノム関連試験で、新たにABCG2遺伝子、SLC17A3遺伝子が血清尿酸値および痛風と関連することが確認された。オランダErasmus 医療センター疫学科のAbbas Dehghan氏が、Lancet氏2008年12月6日号(オンライン版2008年10月1日号)で報告した。既報のSLC2A9遺伝子の関連も確認痛風は関節炎の形態として最も頻度の高い疾患のひとつである。イギリスでは70万人以上、アメリカでは300万人近くが罹患しており、毎年ほぼ400万人が外来を受診し、複数の国の疫学調査でその有病率および発症率の上昇が報告されているという。また、痛風の主要リスク因子である高尿酸血症は、高度の遺伝形質を有する。研究グループは、血清尿酸値と痛風に関連する新たな遺伝子の同定を目的に検討を行った。Framingham試験のコホート7,699人とRotterdam試験のコホート4,148人を対象に、血清尿酸値のゲノム関連試験を実施した。また、Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)試験の参加者(白人:1万1,024人、黒人:3,843人)において有意な一塩基多型(SNPs)の解析を行った。Framingham試験あるいはRotterdam試験のコホートにおいて尿酸値と有意な関連を示したSNPsについて痛風との関連を評価し、白人参加者から得られた結果についてメタ解析を行った。Framingham試験コホートでは3つの遺伝子座が、Rotterdam試験コホートでは2つの遺伝子座が、尿酸値との有意な関連を示した。最も高い関連性を示した各遺伝子座のSNPsは、rs16890979(SLC2A9遺伝子のミスセンス変異)、rs2231142(ABCG2遺伝子のミスセンス変異)、rs1165205(SLC17A3遺伝子のミスセンス変異)の3つであった。白人では、これら3つのSNPsがすべて痛風と有意な関連を示した。ARIC試験の黒人ではrs2231142のみが痛風と有意な関連を示した。また、SLC2A9遺伝子は3つの試験とも男性よりも女性で尿酸値との関連が高かった。ARIC試験では、ABCG2遺伝子の尿酸値および通風との関連が女性よりも男性で高かった。3つの試験ともに、3つの遺伝子のリスクスコアは尿酸値、痛風との関連性が高く、いずれも段階的に上昇した。なお、SLC2A9遺伝子については、以前の研究で白人において尿酸値および痛風との関連が報告されている。著者は、「SLC2A9遺伝子、ABCG2遺伝子、SLC17A3遺伝子が尿酸値および痛風と有意な関連を示した。このうちABCG2遺伝子とSLC17A3遺伝子の関連は、今回、初めて確認された」と結論しており、「試験のパワーを考慮すると、これら以外にも痛風に関与する遺伝子が存在する可能性はある」としている。(菅野守:医学ライター)

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欧州委員会がPegasysに新たな適応を承認

中外製薬株式会社によると、12日、ロシュのPegasys(peg interferon alfa-2a[40 KD])とCopegus(ribavirin)の併用を、インターフェロンα(ペグ化または非ペグ化)の単独あるいはribavirin併用による初回治療が成功しなかったC型肝炎患者の再治療として、欧州委員会が承認したことを発表したという。近年、C型肝炎治療は著しい進歩を遂げてきたが、多くの患者が初回治療では治療成功(持続的ウイルス陰性化[SVR]:広義では治癒に等しいとされる)に至っていない。そのため、多くの患者はそれに代わる治療法を早急に必要とし、またその数は増え続けている。今回の承認によって、Pegasysの適応はさらに広範になり、最も治療が困難なウイルスに感染した治療経験患者に対する新たな標準治療が確立されたことになる。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/html/press/2008/081212.html;jsessionid=CGOZHNNJ4ABY0CSSUIHCFEQ

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特発性肺線維症治療薬ピレスパ新発売

塩野義製薬株式会社は12日、特発性肺線維症治療薬「ピレスパ錠200mg」(一般名:ピルフェニドン)を発売したと発表した。ピレスパ錠は、線維化の抑制作用を有する薬剤で、米国マルナック社およびKDL株式会社から導入し、当社が日本国内において開発を行い、10月16日に世界で初めて製造販売承認を取得している。同剤は、線維化そのものを抑制するという新しい作用機序で、臨床試験において、肺活量の低下を抑制することが確認され、無増悪生存期間についても低下の抑制が見られたことから、特発性肺線維症の進行を抑えることが期待できるという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/081212.pdf

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LUSEDRA注射剤、FDAより承認を取得

エーザイ株式会社は15日、同社の米州統括会社であるエーザイ・コーポレーション・オブ・ノース・アメリカが、成人患者の検査もしくは処置における鎮静を目的とした鎮静剤「LUSEDRA(一般名:fospropofol disodium)注射剤」について、FDA(米国食品医薬品局)より承認を取得したことを発表した。なお、この承認においてFDAは、全身麻酔についての訓練を受けた医療従事者が投与すること、本剤を投与された全ての患者を検査・処置中および鎮静からの回復まで医療従事者の観察下におくこととしている。詳細はプレスリリースへhttp://www.eisai.co.jp/news/news200861.html

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ACE阻害薬、利尿薬とよりもCa拮抗薬との併用のほうが優れる:ACCOMPLISH試験

 米国の現行の高血圧治療ガイドライン(JNC 7)では、ハイリスクの高血圧患者に対してサイアザイド系利尿剤を含んだ併用療法を用いることを推奨しているが、最適な併用治療は十分に検討されていなかった。国際的な多施設共同試験ACCOMPLISHは、ACE阻害薬「ベナゼプリル」+ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬「アムロジピン」と、「ベナゼプリル」+サイアザイド系利尿薬「ヒドロクロロチアジド」とを比較したもので、ACE阻害薬+Ca拮抗薬併用療法のほうが、心血管イベントの減少効果が優れていることを報告した。NEJM誌2008年12月4日号より。アメリカ、北欧の計5ヵ国548施設から1万強が参加 ACCOMPLISH(Avoiding Cardiovascular Events through Combination Therapy in Patients Living with Systolic Hypertension)試験は多施設共同無作為化二重盲検試験で、アメリカ、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドの5ヵ国548施設から参加した、心血管イベントリスクが高い高血圧患者1万1,506例(2003年10月登録開始)を、ベナゼプリル+アムロジピン併用療法群(Ca拮抗薬併用群)とベナゼプリル+ヒドロクロロチアジド併用療法群(利尿薬併用群)に割り付け行われた。 両群の患者基線値は同等。試験は、追跡平均36ヵ月時点で、事前規定の試験有効性の中止基準を上回ったため早期に終了された。Ca拮抗薬併用群のイベント発生は利尿薬併用群の2割減 平均血圧は、Ca拮抗薬併用群で131.6/73.3 mmHg、利尿薬併用群で132.5/74.4 mmHgで、目標血圧(140/90 mmHg以下)は前者75.4%、後者72.4%の達成率だった。 主要なアウトカムイベント(心血管系を原因とする死亡、心筋梗塞、脳卒中、狭心症による入院、突然の心停止後に蘇生、冠動脈血行再建)は、Ca拮抗薬併用群では552件(9.6%)だったが、利尿薬併用群では679件(11.8%)発生し、Ca拮抗薬併用群のイベント発生は利尿薬併用群の0.80倍(95%信頼区間:0.72~0.90、P

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イルベサルタン、左室駆出率45%以上心不全患者のアウトカム改善せず

心不全患者の約半数では左室駆出率が少なくとも45%あるが、これら患者の予後を改善する治療法は示されていない。サンフランシスコ退役軍人メディカルセンターのBarry M. Massie氏らのI-PRESERVE研究グループは、これら心不全患者へのイルベサルタン(商品名:イルベタン、アバプロ)の治療効果について検証した。NEJM誌2008年12月4日号(オンライン版2008年11月11日号)より。心不全患者4,128例をイルベサルタン投与群とプラセボ群に無作為割り付けI-PRESERVE(Irbesartan in Heart Failure with Preserved Ejection Fraction Study)には、ニューヨーク心臓協会(NYHA)が定めた心不全の重症度分類によるクラスII、III、IVの60歳以上の心不全患者で、左室駆出率45%以上が確保されている患者4,128例が参加し、イルベサルタン300mg/日投与群、またはプラセボ投与群に無作為に割り付け追跡された。主要評価項目は、全死因死亡および心血管疾患(心血管系を原因とする心不全、心筋梗塞、不安定狭心症、不整脈または脳卒中)による入院とし、副次評価項目は心不全による死亡、または心不全による入院、全死因死亡または心血管を原因とする死亡、そして生活の質とした。主要転帰、副次転帰いずれも有意差は認められず平均追跡期間は49.5ヵ月間で、742例のイルベサルタン群患者と763例のプラセボ群患者で主要複合転帰のイベントが起きた。イベント発生率は、イルベサルタン群が100.4/千人年、プラセボ群が105.4/千人年で、ハザード比0.95(95%信頼区間:0.86~1.05、P=0.35)で有意差は認められなかった。全死因死亡率はそれぞれ52.6/千人年、52.3/千人年でハザード比は1.00(0.88~1.14、P=0.98)で、これも同様だった。主要転帰をもたらした心血管系の原因による入院率についても、それぞれ70.6/千人年、74.3/千人年で、ハザード比は0.95(0.85~1.08、P=0.44)だった。他の事前に特定したアウトカムについても有意差は認められなかった。このため研究グループは、イルベサルタンは左室駆出率が一定以上に保たれた心不全患者のアウトカムを改善しないと結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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中年女性のアルコール摂取、1日2杯以上は心房細動リスクを増大

 45歳以上の健康な女性がアルコールを1日2杯以上定期的に摂取すると、全く飲まない人に比べ、心房細動の発症リスクはおよそ1.6倍に増大するという。一方で、1日2杯未満の摂取なら、同リスクは増えないとも。米国ハーバード大学医学部のDavid Conen氏らが「Women’s Health Study」で明らかにしたもので、JAMA誌2008年12月3日号で発表した。これまでの研究で、男性の中程度~多量のアルコール摂取が、心房細動の発症リスクを増大する可能性があることは知られていたが、女性についての適切な研究はなかった。健康な中年女性約3万5千人を中央値12年追跡 同氏らは、1993~2006年にかけて、45歳以上で心房細動の病歴のない健康な女性3万4,715人について、そのアルコール摂取量を調べ追跡した。追跡期間の中央値は、12.4年だった。 アルコール摂取量については、試験開始時と、追跡開始後48ヵ月後に調査し、1日の摂取量に応じて、0杯(1万5,370人)、0~1杯(1万5,758人)、1~2杯(2,228人)、2杯以上(1,359人)の4グループに分け検討された。1日2杯以上飲む人は、絶対リスクが0.66件/千人・追跡年の増加 追跡期間中に心房細動を発症したのは、653件だった。アルコール摂取量によるグループ別の年齢補正後発症率は、それぞれ千人・追跡年当たりで、0杯群が1.59件、0~1杯群が1.55件、1~2杯群が1.27件、2杯以上群が2.25件だった。 アルコールを全く飲まない人に比べ、1日2杯以上飲む人は、絶対リスクが0.66件/千人・追跡年増えていた。 また、心房細動発症に関する補正後ハザード比は、アルコール摂取量1日0杯のグループに対し、2杯以上群が1.60(95%信頼区間:1.13~2.25)だった。一方、0~1杯群と1~2杯群の同ハザード比はそれぞれ1.05と0.84で、0杯群に比べて有意差はなかった。

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薬物抵抗性の側頭葉てんかん、前頭側頭葉切除術で期待余命や生活の質改善

薬物抵抗性側頭葉てんかんで、前頭側頭葉切除術が可能な人には、手術をすることで期待余命が5年ほど延長し、また生活の質も改善するようだ。米国コロンビア大学のHyunmi Choi氏らが、モンテカルロ・シミュレーションを用いた研究で明らかにしたもので、JAMA誌2008年12月3日号で発表した。なお、てんかん患者のおよそ20~40%が、薬物抵抗性だという。モンテカルロ・シミュレーションで1万回模擬Choi氏らは、前頭側頭葉切除術の合併症やてんかんの状態などを盛り込んだ、モンテカルロ・シミュレーション・モデルを用い、1万回の模擬を繰り返した。モデルの対象とした患者は、少なくとも2種の抗痙攣薬に抵抗性のある難治性部分発作の人で、前頭側頭葉のてんかん誘発部位が特定できた人とした。平均年齢は35歳(標準偏差11歳)。前頭側頭葉切除術で期待余命が5年延長シミュレーションの結果、モデル対象患者の場合、手術を受けることで、薬物治療を続けるよりも期待余命が5.0年(95%信頼区間:2.1~9.2)延長した。シミュレーションの100%で、手術をしたほうが薬物治療を続けるよりも結果が良好でもあった。また、生活の質で補正を行った生存年数(QALYs;quality-adjusted life-years)で期待余命を計算したところ、前頭側頭葉切除術を行うことで、7.5QALY(95%信頼区間:-0.8~17.4)の延長が見られた。手術をすることで、障害の原因となるてんかんを発症せずに過ごす年数が増えることなどから、シミュレーションの96.5%で、手術をしたほうが結果は良好だった。また、同モデルによると、手術をせずに薬物治療を続けた場合の平均期待余命は27.3年(95%信頼区間:24.1~30.5)で、一般の同44.3年よりも15年以上短いことも示されている。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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【コラム】自殺は感染する。悪意は伝染する。

時事通信によると、硫化水素による自殺者が今年1~11月の間で1007人となり、昨年1年間の29人の約35倍に上ったという。その影響として市販商品を使って簡単に発生させる方法がネット上に多数紹介されたことが挙げられるとのこと。インターネットの前に報道のあり方が硫化水素自殺の問題にはあったと思う。メディアが大きく取り上げたことをきっかけにインターネットで急速に広がったというのが経緯ではないだろうか。自殺に関する報道は慎重であるべき。自殺方法や有名人の自殺場所が報道されると、その影響を受けて後追い自殺が起きるからだ(自殺の連鎖反応=群発自殺)。メディアを介した自殺の感染といえる。それがインターネットとなれば感染の速度が加速されるだけである。自殺報道に関しては、WHO(世界保健機関)やオーストリア、ニュージーランドなどでガイドラインを出している。WHOのガイドラインでは、写真や遺書を公表しない、自殺の方法について詳細に報道しない、自殺を美化したりセンセーショナルに報じない、といった原則を設けている。こうした点で日本のマスコミは遅れているといわざるを得ないのが現状だろう。ましてインターネットとなると規制が不可能に近い。日本の自殺者は年間3万人を越え、政府も自殺対策を進めているが、メディアの自主規制に委ねず、報道規制も真剣に検討する必要があるのではないだろうか。さらに、メディアを介して伝染するのが犯罪だ。犯罪報道が新たな犯罪を生むこともある。秋葉原の殺傷事件後、無差別殺人が続いたのは記憶に新しい。読売新聞によれば、今年1月から11月におきた「通り魔殺人」は、統計を開始した1993年以来、最も多い13件に上るという。その要因に犯罪報道の影響はないだろうか。また、大麻汚染の報道でもインターネットで種子が買えることをメディア自身が宣伝していることに気づかないのだろうか。犯罪報道の問題は自殺報道以上に遅れている。ましてインターネットには犯罪を誘発する情報があふれている。インターネットも規制と自由と自己責任を考える時期かもしれない。

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ジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼する患者が増加

沢井製薬株式会社は11日、2008年4月の処方せん様式の変更から半年後の処方・調剤環境を調査するために同社が行った意識調査から、ジェネリック医薬品を処方・調剤を依頼をしたことがある患者が増加していることがわかった。この調査は、10月16日と17日の2日間、過去3ヶ月以内に薬を処方・調剤された患者400名を対象に行われたもの。その結果、患者側の「ジェネリック医薬品」認知率は97.0%と非常に高く、医師や薬剤師にジェネリック医薬品での処方・調剤を依頼した経験のある患者は、前回の5月の調査では13.2%だったのが、今回10月の調査では20.5%と着実に増加していることがわかったという。また、実際にジェネリック医薬品を処方・調剤された患者も26.3%(前回18.0%)と増加傾向にあるとしている。詳細はこちらhttp://www.sawai.co.jp/press/2008/20081211.html

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患者さんにジェネリック医薬品について常に説明している薬剤師は、わずか14%

ジェネリック医薬品への変更については、4月に制度が改正されたが、その後、「患者に常に説明している」薬剤師は14.3%であることが、沢井製薬株式会社が行った調査によって明らかになった。結果は12日に同社から発表された。この意識調査は、同社が4月の制度改正から半年後の処方・調剤環境を調査するため、10月16日、17日の2日間、薬剤師300名を対象にを行われたもの。本年4月の制度改正により、ジェネリック医薬品への変更が可能な処方せんを応需した薬剤師は、患者さんに対してジェネリック医薬品の説明を適切に行うよう「保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則」により規定された。しかし、実際にジェネリック医薬品への変更が可能な処方せんを受け付けた際、「常に説明している」薬剤師は14.3%と少なく、「患者さんから尋ねられたら説明をしている」薬剤師が最も多く、51.0%だったという。詳細はこちらhttp://www.sawai.co.jp/press/2008/20081212.html

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