Tarcevaの1次化学療法後の早期使用が、進行性非小細胞肺がん患者の全生存期間を延長する

提供元:ケアネット

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公開日:2009/07/22

 



主要な第III相臨床試験であるSATURN試験において、1次化学療法後に速やかにTarceva(一般名:erlotinib)を投与された進行性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者において、重要な副次的評価項目である全生存期間が延長したことを発表した。中外製薬株式会社を通じて、スイス・ロシュ社が報告した。

Tarcevaの日本での効能・効果は「切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌」で、「タルセバ錠25mg/100mg/150mg」の名で販売されている。

今回の試験に参加したすべての患者を対象として行われた最終解析において、全生存期間は統計学的に有意な延長が認められたという。新しいデータは、2009年7月31日から8月4日にサンフランシスコで開催される第13回世界肺がん会議で発表される予定とのこと。

Tarcevaは、化学療法で奏効が得られなかった後の進行性NSCLCの2次治療薬としてすでに確立されており、このような患者の多くで生存期間の延長が証明されているという。また、ASCO 2009において、すでにSATURN試験の主要評価項目の解析結果が発表されている。結果は、1次化学療法後に病勢の進行が認められなかった患者に対して、速やかにTarcevaによる治療を行った場合、プラセボを投与した群と比較して無増悪生存期間を41%延長させるものであったという。

米国でTarcevaの共同販促を行っているロシュとOSIは、Tarcevaを進行性NSCLCの患者における1次化学療法後の維持療法としての使用の承認に向け、欧州ならびに米国での申請用サポートデータとして今回発表された全生存期間のデータを使用する予定とのこと。この申請は、主要な第III相臨床試験であるSATURN試験に基づき、すでに欧州医薬品庁ならびに米国食品医薬品局に行われているという。

詳細はプレスリリースへ
http://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp;jsessionid=2KGGNAYNL4WUCCSSUIHSFEQ?documentId=doc_14601&lang=ja