サイト内検索|page:1444

検索結果 合計:35665件 表示位置:28861 - 28880

28861.

非小細胞肺がんに有望な新規ALK阻害薬/NEJM

 未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子(ALK)再構成を有する非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、新しいALK阻害薬であるセリチニブは有望である可能性が示された。米国・マサチューセッツ総合病院のAlice T. Shaw氏らが、ALK阻害薬クリゾチニブ投与中に増悪した例を含む進行ALK再構成NSCLC患者を対象とした第I相臨床試験の結果、ALK耐性変異の有無にかかわらず高い活性が示された。ALK再構成NSCLCは、クリゾチニブに感受性を示すが、大多数の患者において耐性が生じる。セリチニブは、クリゾチニブよりも強い抗腫瘍効果を示すことが前臨床試験で示され、新たなALK阻害薬として期待されている。NEJM誌2014年3月27日号掲載の報告より。ALKに遺伝子変化を有する進行がん患者を対象に検討 試験は、ALKに遺伝子変化を有する進行がん患者を対象に、セリチニブ50~750mgを1日1回経口投与して行われた。試験の拡大期には、最大耐用量が投与された。 患者のセリチニブに対する安全性、薬物動態特性、抗腫瘍活性について評価した。なお、クリゾチニブの投与中に増悪したNSCLC患者群において、ALKの耐性変異の有無を調べるため、セリチニブ投与前に腫瘍生検を行った。 2012年10月19日時点で、合計130例の患者が治療を受けた。59例が用量漸増期に登録され、71例は拡大期の登録であった。 被験者130例の年齢は中央値53歳、ECOGスコア1の被験者が68%、NSCLC患者は94%であった。セリチニブ1日400mg以上NSCLC、全奏効率58%、無増悪生存期間中央値7.0ヵ月 セリチニブの最大耐用量1日1回750mgの投与下において、用量制限毒性イベントとして、下痢、嘔吐、脱水症状、アミノトランスフェラーゼ値の上昇、低リン酸血症などが認められた。 NSCLC患者においてセリチニブ1日400mg以上を投与された114例の全奏効率は58%(95%信頼区間[CI]:48~67)だった。同患者の無増悪生存期間中央値は7.0ヵ月(同:5.6~9.5)であった。 また、クリゾチニブ投与歴があった80例の奏効率は56%(同:45~67)であった。奏効は、ALKにさまざまな耐性変異がある患者および変異が検出されなかった患者においても認められた。同患者の無増悪生存期間中央値は6.9ヵ月(同:5.3~8.8)であった。クリゾチニブ投与歴がなかった34例では、無増悪生存期間中央値は10.4ヵ月(同:4.6~算出不可)であった。

28862.

救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は

 最近の専門ガイドラインでは、救急部門(ED)に搬送されてきた激しい興奮を呈する患者へのファーストライン治療として、第二世代抗精神病薬(SGA)の経口投与が推奨されているが、現実的にはほとんど投与は行われておらず、処方の増加もみられないことが判明した。また投与されている場合は通常は経口投与で、しばしばベンゾジアゼピン系薬の併用投与を受けており、アルコール依存症患者への処方頻度が最も高かったことも明らかになった。米国・UC San Diego Health SystemのMichael P. Wilson氏らが報告した。Journal of Emergency Medicine誌オンライン版2014年3月21日号の掲載報告。 これまでEDにおいて、どのような薬物投与が行われているのか、SGAがどれくらい処方されているのかは不明であった。研究グループは、1)患者特性、ベンゾジアゼピン系の併用投与を調べ、またSGAの使用についてハロペリドールまたはドロペリドールの使用と比較すること、2)ED患者へのSGA処方率の経時的変化を調べた。2つの大学EDを2004~2011年に受診した患者コホートを後ろ向きに分析した。コホートの患者は、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン(国内未発売)の処方を受けていた。記述的分析法にて年齢、性別、ハロペリドール/ドロペリドールなど第一世代抗精神病薬(FGA)の使用、ベンゾジアゼピン系薬併用使用の割合を比較。線形回帰分析法にてSGA処方が時間とともに増大しているかを調べた。 主な結果は以下のとおり。・試験期間中にEDを受診しSGA処方を受けていた記録は、患者1,680例、1,779件であった。・EDでSGA処方を受けた患者の大半は、経口投与であった(93%)。・ベンゾジアゼピン系薬の併用は、受診者の21%でみられた。また受診者の21%がアルコールに関連した患者であった。・EDにおけるSGA使用の割合は、時間とともに増加はしていなかった。関連医療ニュース 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには 急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える 自閉症、広汎性発達障害の興奮性に非定型抗精神病薬使用は有用か?

28863.

下痢と体重減少を過敏性腸症候群と診断し、膵臓がんを見逃したケース

消化器概要約3ヵ月間続く下痢と、5ヵ月間に約9kgの体重減少を主訴に総合病院内科を受診、注腸検査、上部消化管内視鏡検査が行われ、過敏性腸症候群と診断された。担当医は止痢薬を約10ヵ月間にわたり投与し続け、その間に新たな検査は行われなかった。初診から11ヵ月後に別の病院を受診し、閉塞性黄疸を伴う膵頭部がんと診断されたが、その2ヵ月後に死亡した。詳細な経過経過1982年4月末食欲不振、下痢、全身倦怠感、体重減少に気付いた。6月30日5kgの体重減少、空腹時腹痛を主訴として近医受診。消化管X線検査、超音波検査などが行われ、膵臓にやや腫脹がみられたため膵炎疑いと診断された(アミラーゼは正常)。8月21日慢性下痢、体重減少を主訴にA総合病院内科受診。注腸検査、上部消化管内視鏡検査が行われ、出血性胃炎の所見以外は著変なしと判断し、過敏性腸症候群と診断した。その結果、下痢止めを処方し経過観察となった。12月27日血液検査で異常がないことから、下痢止めの処方を継続した。1983年1983年はじめ20kgに及ぶ体重減少、背部痛が出現し、鍼灸院などで治療を受ける。6月20日A総合病院再診し、下痢止めの処方を受ける。7月11日発熱を主訴に近医受診、担当医師は内臓の病気を疑い、B病院に紹介入院、精査の結果、閉塞性黄疸を伴う膵頭部がんと診断され、肝臓そのほかへの転移もみられる末期がんと判断された。8月15日A総合病院に転院、根治的治療は不可能と判断され、経皮胆管ドレナージなどが行われたが、9月25日死亡。当事者の主張患者側(原告)の主張下痢と体重減少を主訴とした患者に対し、胃・腸の形態的検査で異常がないという理由で過敏性腸症候群と診断した。アミラーゼが正常であったので膵がんあるいは膵疾患を疑わなかったということだが、胃・腸の形態的検査で異常がなければ膵疾患を疑うのは医学の常識である初診時に心窩部痛、全身倦怠感、食欲不振を申告したにもかかわらず、カルテにその記載がないのは問診が不十分である。さらに前医の超音波検査で膵炎疑いと診断されていながら、これを見過ごした上腹部超音波検査を行えば膵がん発見の可能性は高かった膵がんが早期に発見されていれば、延命、さらには助命の可能性があった。病院側(被告)の主張下痢と体重減少はみられたが、通院期間中疼痛(腹痛、背部痛)をはじめとして、膵がんを疑うべき特有な症状はみられなかった。便通異常は膵がんに特有な症状ではない問診では患者の協力が必要だが、当時の医師の問診に対して腹痛を否定するなど、患者の協力が得られなかった当時の医療水準(腹部超音波検査、腹部CT)で検出できるのは進行膵がんが中心であり、小膵がんを検出できるほどの技術は発達していなかったもし初診時に膵がんと診断しても、手術不能のStageIII以上であったものと推認され、延命は期待できなかった。裁判所の判断以下の過失を認定過敏性腸症候群との診断は結果的に誤診であった。顕著な体重減少、食欲不振の患者に対し、胃・大腸に著変なしとされたのであれば、腹痛・背部痛がなかったとしても胆嚢、胆道、膵臓などの腹部臓器の異変を疑うのが当然であり、患者の苦痛がない腹部超音波検査を実施するべきであったとくに見解は示さず小膵がんの発見は難しく、超音波検査は術者の技術に診断の結果が左右されるといわれているが、当時膵がんの発見が絶無とはいえない以上、病態解明のために考えうる手段をとることが期待されているので、債務不履行である初診時に膵がんと診断されていても、延命の可能性はきわめて低かった延命の可能性がまったくなかったわけではないのに、9ヵ月近く下痢止めの投薬を受けたのみで、膵がんに対する治療は何ら受けることなく推移したのであるから、患者の期待を裏切ったことになり、精神的損害賠償の対象となる。原告側合計7,768万円の請求に対し、慰謝料として200万円の判決考察本件では「体重減少」という、悪性腫瘍をまず除外しなければならない患者に対し、下痢症状に着目して消化管の検査だけを行いましたが、腹部超音波検査を行わず、約9ヵ月にわたって膵臓がんを診断できなかった点が「期待権侵害」と判断されました。もっとも、病院側に同情するべき点もいくつかはあります。おそらく、普段は多忙をきわめる内科外来においては一人の患者に割り当てられる時間が絶対的に少ないため、初診後一定の検査が終了して一つの診断に落ち着いた場合には、患者側からの申告が唯一の診断の拠り所となります。その際、「下痢と体重減少」という所見だけで腹痛の訴えがなく、さらに血液検査上も異常値がみられなかったのならば、過敏性腸症候群と考えて「しばらくは様子を見よう」と決めたのは自然な経過ともいえるように思います。さらに、止痢薬投与によってある程度下痢が改善している点も、あえて検査を追加しようという意思決定につながらなかったのかもしれません。しかしながら、慢性に下痢と体重減少に対して9ヵ月間も経過観察とした点は、注意が足らなかったいわれても仕方がないと思います。とくに、簡便にできる腹部超音波検査をあえて行わなかったことの理由を述べるのはかなり難しいと思います。裁判の判決額をみる限り、原告の請求よりも遙かに低い金額で解決したのは、膵臓がんという予後のきわめて悪い疾病を見落としたことに関連すると思います。もし、早期発見・早期治療によって予後が改善するような疾病であれば、当然賠償額も高額になったであろうと思います。消化器

28864.

立つときはゆっくり、話は短く【Dr. 中島の 新・徒然草】(011)

十一の段 立つときはゆっくり、話は短く80代の男性患者さんでした。患者「急に立ち上がったら、立ちくらみがしましてね」中島「そうなんですか!」患者「それでひっくり返って、左肩と腰と足を打って」中島「それは大変でしたね」患者「その拍子に反対に転がってしまって」中島「ほお!」患者「そこがちょうど畳とフローリングの境目で」中島「ええ」患者「運の悪いことに敷居があって」中島「そこで頭を打ったわけですね」患者「でも何ともなかったんで様子をみることにして」中島「それは良かったですね」患者「ところが次の日に腰がズキズキ痛くなってきて」中島「そうなんですか」患者「でも大丈夫やろと思って、そのまま様子をみていて」中島「・・・(相槌のストックが尽きた)」患者「次の日にもまだ腰が痛かったんで」中島「・・・」患者「それでも我慢できると思ったんで我慢して」中島「・・・」患者「土曜日に〇〇病院の整形外科に行ったら」中島「ついに病院に行きましたか!」患者「昔からかかっている××先生は休みだったので」中島「・・・(いつになったら話が終わるのか。トホホ)」患者「別の△△先生がレントゲンを撮って」中島「ようやくレントゲン登場ですね」患者「『骨は何ともあれへん』と言われて」中島「・・・(こうなったら無念無想だ)」患者「ほんで別の日に内科に行ったら▲▲先生に」中島「・・・(どんな外来も最後には終わる)」患者「『血圧も低いし貧血もあるからゆっくり立ちや』と言われて」中島「・・・(汗が出てきた)」患者「動作はゆっくりせな、あきませんなあ」皆さま、毎日のように高齢患者さんの長話を聞かされていることと思います。私も頑張っています。中島「要するに今のお話を2行で言ったら、『転んで腰を打ったけど整形で骨は何ともないと言われた』『内科では立つときはゆっくりするように言われた』と、そういうことですね」患者「えっと、まあそういうことになりますか」中島「正確に言えば、『立つときはゆっくり、話は短く』ですよ」患者「えっ・・・ええ」中島「人間、年を取るとどうしても話が長くなりますからね。『結論を先に言う、要点を伝える』という心がけが大切です」患者「そうなんですか」中島「いつも若いモンには、報告は10秒以内、と教育しとるんですわ」患者「若い先生にはいろいろと勉強してもらわんとあきませんなあ」中島「若いモンだけやない、全員です!」患者「はあ、全員ですか」中島「人間ダラダラしゃべっとるようになったら終わりです」患者「はい」中島「結論! 要点!」患者「はーい」とまあ、こんな調子で説教してしまい、私の話の方がよほど長くなりました。まだまだ修行が必要ですね。

28865.

初発の心血管疾患の予測にHbA1c値は寄与しない/JAMA

 従来の心血管リスク因子にHbA1c値の情報を加えても、初発の心血管疾患(CVD)リスク予測改善にはほとんど寄与しないことが判明した。英国・ケンブリッジ大学のJohn Danesh氏らEmerging Risk Factors Collaborationが、73件の前向き試験に参加したCVDまたは糖尿病歴のない被験者約30万人のデータを分析した結果、明らかになった。高血糖と高率のCVD発生との関連性から、初発のCVDイベント予測のためにその測定を推奨する動きがある。一方で、ACC/AHAが2013年に改訂した心血管リスク評価に関するガイドラインでは推奨がされていないなど、HbA1c値測定に対する評価は定まっていなかった。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。従来の心血管リスク因子にHbA1c情報を加えた場合のリスク予測改善を検討 本検討は、従来の心血管リスク因子にHbA1c値の情報(<4.5、4.5~<5、5~<5.5、5.5~<6、6~<6.5、≧6.5%)を加えることで、糖尿病非既往の中高年における初発のCVDアウトカム予測を改善するのかについて確定することが目的だった。また、HbA1c値測定と、その他によく行われている血糖値測定(空腹時、ランダム測定、またはブドウ糖負荷試験)との比較も行われた。 研究グループは、73件の前向き試験に参加した、ベースライン時には糖尿病またはCVDが非既往であった29万4,998例のデータを分析した。従来リスク因子だけ(年齢、性別、喫煙状況、収縮期血圧値、総またはHDLコレステロールなど)とHbA1cなど血糖値情報を加えた場合のCVDリスク予測モデルを作成し、アウトカムのリスク層別化(C統計値)および10年リスク予測(低:5%未満、中:5~7.5%未満、高:7.5%以上)の再分類(ネット再分類改善)について検討した。他の血糖値測定法と比べても、リスク予測改善は同程度かより良好 全被験者のベースライン時の平均年齢は58歳(SD 9)、49%が女性、86%がヨーロッパまたは北米の住民であり、HbA1c平均値は5.37%(SD 0.54)であった。 追跡期間中央値9.9年(四分位範囲:7.6~13.2)で記録された致死的・非致死的CVDの発生は、2万840例(冠動脈心疾患1万3,237例、脳卒中7,603例)だった。 従来の心血管リスク因子補正後分析において、HbA1c値とCVDリスクとの関連性は、ほぼJカーブの関連が認められた。また同関連性は、総コレステロール、トリグリセリド、またはeGFR値で補正後のみわずかに変化がみられ、HDLコレステロール、C反応性蛋白で補正後は減弱が認められた。 CVDリスク予測モデルのC統計値は、従来の心血管リスク因子のみでは0.7434(95%信頼区間[CI]:0.7350~0.7517)だった。HbA1cに関する情報を追加した場合のC統計値の変化は0.0018(95%CI:0.0003~0.0033)で、10年リスク予測分類のネット再分類改善は0.42(同:-0.63~1.48)だった。 なおCVDリスクの予測にHbA1c情報を加えた場合の改善は、その他の血糖値測定法における情報を加えた場合と比べて、同程度かより良好ではあった。

28866.

バレット食道のがん進行リスク、高周波アブレーションで抑制/JAMA

 軽度異形成を伴うバレット食道に対する高周波アブレーションは、腫瘍への進行リスクを抑制することが、オランダ・アムステルダム大学のK. Nadine Phoa氏らが行った追跡期間3年の無作為化試験の結果、報告された。過去30年で食道腺がんの発生率は6倍増大しており、西側諸国において最も急速に増大したがんとなっているという。食道腺がんのリスクは、軽度異形成を伴うバレット食道により増大するが、大半のガイドラインは、同患者における腫瘍への進行について内視鏡検査(6~12ヵ月ごと)でのモニタリングを勧めている。Phoa氏らは、内視鏡サーベイランスとの比較で内視鏡的高アブレーションが同患者における腫瘍への進行リスクを抑制するかを検討した。JAMA誌2014年3月26日号掲載の報告より。内視鏡サーベイランス群との比較で3年間にわたる無作為化試験 試験は2007年6月~2011年6月にかけて、ヨーロッパ9地点で136例の患者を登録して行われた多施設共同無作為化試験であった。試験適格患者は無作為に、内視鏡的高アブレーション群(焼灼群、68例)または内視鏡サーベイランス群(対照群、68例)に割り付けられた。アブレーション手技は、バルーンデバイスで食道の円周を焼灼または局所デバイスでターゲット部位を焼灼する方法で行われた。 患者は、2013年5月まで追跡を受け、主要アウトカムは、無作為化後3年間の追跡期間中における高度異形成または腺がんへの進行だった。副次アウトカムは、異形成と腸上皮化生の根治、および有害事象であった。腫瘍への進行リスク25.0%抑制、異形成根治率は92.6%、腸上皮化生根治率88.2% 結果、焼灼により、高度異形成または腺がんへの進行リスクは25.0%抑制された(焼灼群1.5% vs. 対照群26.5%、95%信頼区間[CI]:14.1~35.9%、p<0.001)。腺がんへの進行リスクの抑制は7.4%だった(同:1.5% vs. 8.8%、95%CI:0~14.7%、p=0.03)。 焼灼群の患者では、異形成の根治率は92.6%、腸上皮化生の根治率は88.2%だった。一方、対照群はそれぞれ27.9%、0.0%だった(p<0.001)。 また、焼灼群の治療関連の有害事象の発生率は19.1%だった(p<0.001)。最も頻度の高かった有害事象は食道狭窄で、焼灼群8例(11.8%)でみられた。しかし全例が内視鏡的拡張(手技の中央値1回)によって解決した。 本試験は、主要アウトカムおよび安全性に関する焼灼群の優越性により早期に中断された。

28867.

双子の研究で判明、ガーデニング作業は腰痛と関連あり

 家庭内労働やレクリエーション的身体活動と腰痛は、関連性があるのか。オーストラリア・シドニー大学のMarkus Hubscher氏らは、双生児を対象とした調査を行い、家庭内重労働が腰痛発症リスクの増加と関連しており、家庭内重労働とレクリエーション的身体活動の組み合わせは、どちらか一方のみより腰痛発症リスクが高いことを明らかにした。一卵性双生児の症例対照分析時に関連性がより強く、身体活動と腰痛との関係に遺伝的要因および環境要因が影響を与えることが示唆されるという。European Spine Journal誌オンライン版2014年3月12日号の掲載報告。 研究グループは、オーストラリア双子登録を通じて募集した双生児486組を対象に、腰痛有病率ならびに家庭内重労働(活発なガーデニング、重い庭仕事)とレクリエーション的身体活動(ウォーキング)について、質問票を用い調査した。 腰痛と身体活動との関連性について、全486組を対象に横断分析を行うとともに、表現型の異なる一卵性双生児69組(一方が腰痛を有し、もう一方は腰痛を有していない一卵性双生児)を対象に症例対照分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・症例対照分析において、腰痛は家庭内重労働と有意に関連したが(オッズ比[OR]: 2.88、95%信頼区間[CI]:1.29~6.43)、いかなるタイプのレクリエーション的身体活動とも有意な関連は認められなかった。・家庭内重労働とレクリエーション的身体活動の両方を行った場合、レクリエーション的身体活動のみと比較し腰痛発症リスクが有意に増加した(OR:3.48~4.22)。・全体の横断分析でも、同様の弱い関連性が認められた。

28868.

河川や水道水で抗うつ薬検出:東ヨーロッパ

 抗うつ薬は低濃度曝露であっても、脊椎動物・無脊椎動物のいずれにおいても中枢系および末梢神経系を通じてホメオスタシスを妨げ、水生生物に若干の有害作用をもたらす可能性がある。これまで東ヨーロッパの河川または水道水における、抗うつ薬の存在に関する報告はなかったことから、ポーランド・ワルシャワ大学のJoanna Giebultowicz氏らは、21種の抗うつ薬の出現について、ポーランドの主要河川であるヴィスワ川の特異的地点と、ワルシャワ近郊の小さな川であるウトラタ川、そしてワルシャワの水道水について調べた。その結果、河川からは21種のうち11種が、水道水からは同5種が検出されたことなどを報告した。本調査は、東ヨーロッパの水資源中の抗うつ薬の含有状況についての最初の調査報告であった。Ecotoxicology and Environmental Safety誌オンライン版2014年3月14日号の掲載報告。 月に2回の頻度で検体を集め、固相抽出(SPE)法、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)、多重反応モニタリング(MRM)を用いて分析した。ポーランドにおける抗うつ薬の環境リスクアセスメントは、NFZ(Narodowy Fundusz Zdrowia国民保健サービス)の年報データ(医薬品の償還に関する)を基礎として推定し、ターゲット医薬品の環境中濃度(PEC)の予測値と、実測濃度(MEC)を比較した。また、抗うつ薬の環境リスクアセスメントに関するEMEA/CHMPガイドラインの適用についても考察した。 主な結果は以下のとおり。・モクロベミドやトラゾドンといった抗うつ薬が環境中に存在するかが調べられたのは本検討が初めてであった。・モクロベミド、ベンラファキシン、シタロプラムの検出濃度が最も高かった。・河川からは21種のうち11種の抗うつ薬が検出された。・最も高い濃度の抗うつ薬が観察されたのは、小さい川であるウトラタ川であった。・水道水では、シタロプラム(痕跡量:最高1.5ng/L)、ミアンセリン(最高0.9ng/L)、セルトラリン(<3.1ng/L)、モクロベミド(最高0.3ng/L)、ベンラファキシン(最高1.9ng/L)の5種の抗うつ薬だけが検出された。・一方で、このことは飲用水処理施設での不十分な除去状況を浮き彫りにした。・飲用水および水資源中における抗うつ薬の検出は、長期にわたる低曝露が起きていることを示唆するものであり、とくに、医薬品間の相互作用が起きている可能性があることを示すものであった。関連医療ニュース 難治性うつ病に対する効果的な治療は何か 双極性障害に抗うつ薬は使うべきでないのか 認知症患者の調子のよい日/ 悪い日、決め手となるのは

28869.

内視鏡中に音楽をかけると不安が減少する【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第16回

内視鏡中に音楽をかけると不安が減少する私は呼吸器内科医なので、内視鏡といえば基本的に気管支鏡を意味します。当院では気管支鏡の手技中には音楽をかけていませんが、咽頭喉頭にリドカインを噴霧する際に音楽をかけています。いわゆる癒し系ミュージックやクラシック音楽が主体です。Triller N, et al.Music during bronchoscopic examination: the physiological effects. A randomized trial. Respiration. 2006; 73: 95-99.気管支鏡検査は事前に「咳が出る検査だ」という情報を得るため、声が出せずに息が止まってしまうのではないかと不安を覚える患者さんは少なくありません。気管支鏡中の患者さんの不安を軽減することができれば気管支鏡検査を滞りなく行うことができるのではないか、と考えた筆者らによってこの研究が報告されました。この研究は、気管支鏡中にリラクゼーション音楽をかけることで不安症状の改善が得られるかどうか、血圧や心拍数の変化を抑制できるかどうかを調べたものです。試験期間中、200人の成人患者さんが登録されました。気管支鏡後、患者さんには気管支鏡の手技について0点(問題なかった)から10点(最悪だった)のスコアリングをお願いしました。200人のうち、93人が音楽群、107人が非音楽群にランダムに割り付けられました。これら2群の患者背景に差はみられませんでした。平均手技時間もそれぞれ12.7±6.5分、11.9±6.0分と同等で、スコアリングについても4.6±2.5点、4.6±2.6点と差はありませんでした。しかしながら、手技後の平均心拍数(87.7±14.4/分 vs. 92.7±17.4/分、p = 0.03)、平均収縮期血圧(142.9±21.9 mmHg vs. 149.6±22.4 mmHg、p = 0.03)、平均拡張期血圧(77.6±12.8 mmHg vs. 82.3±12.7 mmHg、p = 0.01)は音楽群のほうが有意に低いという結果でした。確かに手技後のバイタルサインに差はあるようですが、これをもって音楽による不安症状の軽減というには少し飛躍があるような気がします。過去にも同様の研究結果が発表されたことがあるのですが、その結果は一定していません。咳嗽や不快感を軽減したという報告もあれば(Chest. 1995; 108: 129-130.)、ヘッドフォンで音楽を流しても不安症状の軽減がみられなかったとする報告もあります(Chest. 1999; 116: 819-824.)。気管支鏡ではなく消化器内視鏡ではどうかというと、上部消化管内視鏡検査でも同様に不安の軽減がメタアナリシスで報告されています(Endoscopy. 2007; 39: 507-510.)。下部消化管内視鏡にいたっては、内視鏡時の疼痛を軽減したという報告まであります(Dig Liver Dis. 2010; 42: 871-876.)。検査中に音楽を流しても決して害はありませんので(ヘビメタなどはもしかしたら好き嫌いがあるかもしれませんが)、手技の邪魔にならない程度であればリラクゼーション音楽を流してもよいのかな、とも思います。患者さんの音楽の好みも配慮できれば、なおよいですね。

28870.

31)麺類が大好きな人へのアドバイスのコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先生、私、麺類が大好きなんです。医師どんな麺類がお好みですか?患者うどん、そば、ラーメン、ソーメン、など何でも大好きです。本当にメン食いなんです。ご飯は控えているつもりなんですが・・・医師そうですか。確かに、麺類はおいしいですね。ご飯と違って、あまり噛まなくていいので、つい食べすぎちゃいますよね。患者そうなんです。それにすぐにお腹が空くし・・・医師ご飯1杯(150g = 240kcal)と比べると、うどん・そばなら1玉、ソーメンなら1.5束と同じくらいのカロリーがありますね。患者そんなにあるんですか。ソーメンなら3束くらい、するっと食べてしまいます。太るのは当たり前ですね。医師メン食いの人は要注意ですね。患者はい。わかりました。気をつけます。●ポイント控えているご飯と比較することで、麺類が高カロリーであることを理解してくれます●資料ごはん150g = ソーメン1.5束 = うどん・そば1玉 = ラーメン3/4玉 = 焼きそば・スパゲッティ2/3玉

28871.

膠芽腫の新規診断例に対する治療、ベバシズマブの上乗せ効果得られず(コメンテーター:中川原 譲二 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(191)より-

 血管内皮増殖因子Aに対するヒト化モノクロナール抗体:ベバシズマブ(商品名:アバスチン)は、わが国では昨年6月に初発および再発の悪性神経膠腫(膠芽腫)の治療薬として製造販売承認されたばかりであるが、膠芽腫の新規診断例の治療においてベバシズマブの上乗せ効果が得られないことがNEJMの2月20日号に相次いで報告され、ベバシズマブに対する過度の期待を戒めている。 米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMark R Gilbert氏らは、膠芽腫の新規診断例の治療におけるベバシズマブの上乗せ効果を検討する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。対象は、年齢18歳以上、新規に診断された膠芽腫(WHO分類Grade IV)で、全身状態が良好(Karnofskyスコア≧70)な患者とした。全患者に標準治療として放射線療法(60Gy)+テモゾロミド(連日投与)が施行され、放射線療法の4週目にベバシズマブ(10mg/kg、2週ごと)またはプラセボの投与を開始する群に無作為に割り付け、最大12サイクルの維持療法中も投与を継続した。病態が増悪した時点で、患者と担当医に割り付けられた治療を知らせ、ベバシズマブ治療の開始または継続を可能とした(クロスオーバー)。この試験では、ベバシズマブの追加による死亡リスクの25%低下、増悪または死亡リスクの30%低下の達成を、2つの主要エンドポイントとした。 2009年4月~2011年5月までに登録された978例のうち637例が無作為割り付けの対象となった。全生存期間(OS)の中央値は、ベバシズマブ群(320例)が15.7ヵ月、プラセボ群(317例)は16.1ヵ月であり、両群間に有意な差は認めなかった(ハザード比[HR]:1.13、95%信頼区間[CI]:0.93~1.37、p=0.21)。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ベバシズマブ群が10.7ヵ月とプラセボ群の7.3ヵ月に比べ有意に21%延長した(HR:0.79、95%CI:0.66~0.94、p=0.007)が、エンドポイントである30%には達しなかった。ベバシズマブ群では、プラセボ群に比べ化学放射線療法中の高血圧、血栓塞栓イベント、消化管穿孔の発生率、好中球の減少率がわずかながら上昇した。また、経過中に、ベバシズマブ群で症状負荷の増大、QOL低下、認知機能の低下がより頻繁に見られた。 以上の結果から、著者らは「膠芽腫の新規診断例に対する治療において、標準治療にベバシズマブを追加してもOSは改善せず、PFSは延長したものの事前に設定された目標値には達しなかった」として上乗せ効果がなかったことを報告している。 一方、フランス・エクス=マルセイユ大学のOlivier L. Chinot氏らは、新規診断例を対象とする標準治療に対するベバシズマブの上乗せ効果を評価するために、第3相無作為化プラセボ対照試験を実施した。テント上膠芽腫患者を、ベバシズマブ静注(10mg/kg体重、2週ごと)群またはプラセボ群に無作為に割り付け、放射線療法(2Gyを週5日、最大60Gy)+経口テモゾロミド(75mg/m2体表面積/日)との併用治療を6週間続けた。28日間の治療中断後、テモゾロミド(150~200mg/m2/日、5日間)+ベバシズマブ静注(10mg/kg体重、2週ごと)またはプラセボの併用による維持療法を6サイクル(1サイクル4週間)継続した。その後、増悪もしくは忍容できない毒性作用発現まで、ベバシズマブ静注単独療法(15mg/kg体重、3週ごと)またはプラセボの投与が続けられた。主要エンドポイントは2つで、担当医評価による無増悪生存と全生存期間だった。  2009年6月~2011年3月の間に23ヵ国120施設で921例の患者が登録され、458例がベバシズマブ群に、463例がプラセボ群に割り付けられた。結果として、無増悪生存期間の中央値は、ベバシズマブ群がプラセボ群より長かった(10.6ヵ月vs. 6.2ヵ月、ハザード比[HR]:0.64、95%信頼区間[CI]:0.55~0.74、p<0.001)。無増悪生存に関するベネフィットは、サブグループ全体(メチル化・非メチル化MGMT別などを含む)で観察された。一方、全生存は、両群で有意差がみられなかった(HR:0.88、95%CI:0.76~1.02、p=0.10)。ベバシズマブ群とプラセボ群それぞれの全生存率は、1年時点72.4%と66.3%(p=0.049)、2年時点33.9%と30.1%(p=0.24)であった。ベースラインの健康関連QOLおよび活動状況は、ベバシズマブ群のほうがより長期間維持した。また、糖質コルチコイドを必要とした患者が、より少なかった。有害事象に関して、grade 3以上の発現患者がベバシズマブ群のほうが多く(66.8%vs. 51.3%)、grade 3以上の有害事象はベバシズマブと関連している頻度が高かった(32.5%vs. 15.8%)。 これらの結果から、著者らは「標準治療へのベバシズマブの追加は、膠芽腫の生存を改善させない。無増悪生存の改善とベースラインのQOLおよび活動状況の維持がベバシズマブ群で見られたが、ベバシズマブ群では有害事象の頻度が高かった」として明確な上乗せ効果がなかったことを報告している。

28873.

揚げ物は肥満遺伝子を活性化する?/BMJ

 肥満遺伝子と肥満の関連は、揚げ物の摂取頻度が増えることで増強されることが判明した。10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、揚げ物摂取頻度が週1回未満だと1.61に対し、4回以上だと2.72に上ることが示されたという。米国・ハーバード公衆衛生大学院のQibin Qi氏らが、看護師健康調査(Nurses’ Health Study)や医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)などのデータを基に行った検討で明らかにした。著者は「今回の所見は、遺伝的に肥満体質の人は、とくに揚げ物の摂取量を減らすことが重要であることを強調するものである」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。 女性1万例弱、男性6,000例超について追跡 研究グループは、看護師健康調査に参加した女性9,623例と、医療従事者追跡調査に参加した男性6,379例、また再現コホートとして女性ゲノム健康調査(Women’s Genome Health Study)の被験者2万1,421例を対象に、遺伝的素因と揚げ物摂取頻度が、BMIと肥満に及ぼす影響について分析を行った。主要アウトカムは、追跡期間中のBMIだった。 その結果、看護師健康調査と医療従事者追跡調査の両方で、揚げ物摂取頻度と32 BMI関連変異体に基づく遺伝子リスクスコアに、BMIとの関連が認められた(相互作用に関するp≦0.001)。揚げ物頻度が増えると、10リスクアレル当たりの肥満リスクが増大 遺伝子リスクスコアの高位3分の1の人についてみると、揚げ物を週に4回以上摂取する人と、週に1回未満しか摂取しない人のBMIの差は、女性で1.0、男性で0.7に上った。それに対し、リスクスコアの低位3分の1の人では、同差は女性が0.5、男性が0.4にとどまった。こうした遺伝的要素と食事との相互作用は、女性ゲノム健康調査でも再現された(相互作用に関するp<0.001)。 10リスクアレル当たりのBMI差は、揚げ物摂取頻度が増えるに従い増大し、週に1回未満だと1.1(SE 0.2)、1~3回だと1.6(SE 0.3)、4回以上だと2.2(SE 0.6)だった(相互作用に関するp<0.001)。 10リスクアレル当たりの肥満に関するオッズ比は、摂取頻度が週1回未満だと1.61、1~3回だと群2.12、4回以上だと2.72だった(相互作用に関するp=0.002)。

28874.

多発性硬化症におけるシンバスタチン高用量の有用性/Lancet

 二次性進行型多発性硬化症(MS)患者に対し、シンバスタチンの高用量投与により、全脳萎縮率は約4割低下することが明らかにされた。英国・ロンドン大学のJeremy Chataway氏らが、140例の二次性進行型MS患者を対象に行った第II相臨床試験の結果で、忍容性、安全性も良好であり、第III相試験を進める根拠が得られたと報告した。二次性進行型MSについては満足いく治療法がなく障害を有しているのが現状である。シンバスタチンは血管性疾患に広く用いられており、安全性プロファイルに優れ、免疫調整や神経保護の特性を有していることが知られていた。Lancet誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。シンバスタチン80mgを24ヵ月投与 Chataway氏らは2008年1月28日~2011年11月4日の間に、英国3ヵ所の神経科学センターを通じ、18~65歳の二次性進行型MS患者140例を対象に、二重盲検無作為化比較試験を行った。被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはシンバスタチン80mgを、もう一方にはプラセボをそれぞれ24ヵ月間投与した。被験者の平均年齢は51~52歳、女性の割合は69~70%だった。 主要アウトカムは、容積MRI検査による年換算全脳萎縮率だった。シンバスタチン群とプラセボ群の年換算全脳萎縮率の差は-0.254ポイント その結果、年換算全脳萎縮率は、プラセボ群0.584%(標準偏差:0.498)に対し、シンバスタチン群は0.288%(同:0.521)と有意に低率だった。同萎縮率の補正後群間格差は-0.254ポイント(95%信頼区間:-0.422~-0.087、p=0.003)で、年換算43%の減少だった。 なお、重度有害事象の発生率は、プラセボ群で14例(20%)、シンバスタチン群で9例(13%)であり、両群で有意差はなかった。 これらの結果を踏まえて研究グループは、「第III相臨床試験の実施を支持するものだった」と結論づけた。

28875.

抗精神病薬による体重増加や代謝異常への有用な対処法は:慶應義塾大学

 抗精神病薬に誘発される代謝異常の管理はしばしば困難であり、これらを軽減するうえで薬剤の併用は理にかなっているとされている。慶應義塾大学の水野 裕也氏らは、統合失調症患者における抗精神病薬誘発性の代謝異常に対する薬物療法の有効性を明らかにすることを目的とした、システマティックレビューとメタ解析を行った。その結果、各種薬剤の併用により体重増加およびその他の代謝異常の軽減が図られることが示され、なかでもメトホルミンは体重増加の軽減、インスリン抵抗性の改善、血清脂質の低下など代謝異常の是正に好ましい多彩な作用を示すことを報告した。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2014年3月17日号の掲載報告。 2013年11月までに公表された文献について、5つの電子データベースを用いて検索した。未公表の試験に関しては臨床試験登録により調査した。検索対象とした試験は、統合失調症患者を対象とした二重盲検無作為化プラセボ対照試験で、抗精神病薬に誘発される代謝異常に対する薬物併用の効果を主要アウトカムとしているものとした。検索した試験データから、被験者、介入、比較、アウトカムおよび試験デザインに関連する変数を抽出し分析した。主要アウトカムは体重変化とし、副次アウトカムは臨床的に意味のある体重変化、空腹時血糖値、HbA1c値、空腹時インスリン値、インスリン抵抗性、コレステロール値およびトリグリセリド値とした。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、40試験、19の独自の介入を包含した。・体重に関して最も広範囲に検討されていたのはメトホルミンであり、プラセボと比較した体重の平均差は-3.17kg(95%CI:-4.44~-1.90kg)であった。・トピラマート、シブトラミン(国内未発売)、アリピプラゾ-ル、レボキセチン(国内未発売)のプール有効性解析においても、プラセボとの間に差がみられた。・メトホルミンとロシグリタゾン(国内未発売)は、インスリン抵抗性を改善した。・アリピプラゾール、メトホルミンおよびシブトラミンは、血清脂質を低下した。・統合失調症患者において、抗精神病薬に誘発される体重増加およびその他の代謝異常の軽減が、非薬物療法単独では不十分な場合、あるいは相対的に体重への影響がない抗精神病薬への切り替えができそうもない場合は、メトホルミンをファーストチョイスとした反作用の薬物療法を行うことが文献上では支持された。関連医療ニュース 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 最初の1年がピーク、抗精神病薬による体重増加と代謝異常

28876.

小児のアトピーにも低用量メトトレキサート治療は有効

 ニュージーランド・ワイカトホスピタルのManeka Deo氏らは、同国内で行われた小児および若者のアトピー性皮膚炎に対するメトトレキサート治療について、後ろ向きレビューを行った。31例(平均年齢10歳)を対象とした分析の結果、著者は、「低用量投与では安全性/忍容性は良好であり、有効であると思われた」と発表し、今後の公式の比較試験の必要性を提言した。International Journal of Dermatology誌オンライン版2014年3月6日号の掲載報告。 低用量メトトレキサート治療は、成人のアトピー性皮膚炎ではセカンドラインの治療として確立されるようになっている。 一方でその投与について、小児への導入も支持する一部のデータがあることから、著者らは、ニュージーランドの病院の皮膚科部門をベースに、18歳未満の患者で、メトトレキサート治療を受けた患者について後ろ向きにレビューを行った。対象期間は2005年1月~2010年4月の間であった。 主な結果は以下のとおり。・レビュー対象となったのは、31例(女子17例、平均年齢10歳、範囲3~18歳)であった。・メトトレキサートが有効であった(effective)または非常に有効であった(very effective)は、75%で認められた。25%は、無効例(ineffective)であった。・最も頻度の高い有害事象は、軽度の悪心で報告は4例(14%)であった。肝酵素の増加は4例報告があったが有意ではなかった。・重篤な副作用は報告がなかった。

28877.

第24回 予後不良の責任は? 患者と医師の過失相殺

■今回のテーマのポイント1.代謝疾患で一番訴訟が多い疾患は糖尿病であり、糖尿病性ケトアシドーシスと糖尿病合併症の事例が争われている2.糖尿病性ケトアシドーシスに関する訴訟の争点としては、診断の遅れが多い3.国民皆保険制度下にあった適切な「損害の公平な分担」を模索していく必要がある■事件のサマリ原告患者家族(債権者)被告Y医師(A医院/債務者)争点診断の遅れ結果原告一部勝訴、約1,600万円の損害賠償(結審)事件の概要X(16歳、男性、身長157.4cm、体重約95kg)は、昭和56年8月7日夜、母に対し、「足がふらふらする」「体がだるい」と訴えました。その翌朝、起床したものの、朝食を食べたくないといい、「体がだるい。体がしんどい」「喉が渇く。喉がからからになる」というので、午前9時頃、かかりつけのA医院を受診しました。Xは、Y医師に対し、腹痛、吐き気、つかえた感じがあるなど訴えました。Y医師は診察を行い、急性胃炎と診断し、注射および投薬をしました。その際、Xの「喉が渇く」との訴えに対し、「ジュースは飲んでもよい」と指示しました。帰宅後、Xは、昼におかゆを食べ、夕食を少し食べましたが、しきりに喉が渇いて苦しいと訴え、炭酸飲料水、スポーツドリンク、麦茶などを多飲しました。翌9日は日曜日でしたが、Xの食思不振は改善せず、前日よりも具合が悪そうにしていたため、A医院に電話で治療を頼み、受診することになりました。Xの主訴は前日同様、腹痛、吐き気であり、Y医師は、前日と同じく急性胃炎の診断にて治療をしました。その際、Xから、「ジュースを飲んでもよいか」という質問が出たので、Y医師は、「プリン、ジュースはよいから飲ませてあげなさい。炭酸飲料のような刺激物はいけません」と付き添いのXの父に指示しました。Xは、帰宅途中、「先生はジュースは飲んでもよいというただろう。すぐスーパーへ行ってくれ」と父に頼み、スーパーでジュース類を10数本とアイスキャンディー4本を買って帰りました。そして、それからジュース(炭酸飲料)を4~5本飲み、プリン1個、アイスキャンディー4本を食べました。Xは、同日午後4時過ぎ、ひどくだるそうな様子で、「しんどうていけん。どこか医者に連れていってくれ」といいました。このため、午後6時半頃、A医院よりも大きいB内科医院を受診しました。C医師が診察したところ、Xに意識障害、呼吸障害を認め、血液検査および尿検査を行ったところ、血糖は760mg/dL、尿糖は1g/dLを認めました。C医師は、糖尿病性昏睡と診断し、D病院に転院させました。その際、C医師は、Xの父に対し、「これが明日だったら殺していた。どうしてこんなになるまで放っていたのだ」と叱責しました。D病院で治療が行われたものの、Xは、翌10日午前1時40分、若年性糖尿病による糖尿病性昏睡のため死亡しました。そこで、Xの遺族は、Y医師に対し、遅くとも8月9日の診察の時点で糖尿病を疑い、適切な問診および検査を行うべきであったとして約6,100万円の支払いを求める訴訟を提起しました。事件の判決被告(Y医師)は、初診の際食べ過ぎによる腹痛、吐き気が主訴であったから急性胃炎と診断したというが、前記認定事実にてらしXに過食があった形跡はないから、Xが過食を訴えたということには疑問がある。被告は、Xが異常に肥満していることを良く知っており、かつて慢性胃炎の治療したこともあって常々食べ過ぎないよう助言していたので、過食の予断をもった疑いがある。診療録に、冷えた麦茶と判読できる記載があるところからみて、Xは被告の問診に対して冷えた麦茶の飲み過ぎを答えたとみるのが合理的である。また、翌8月9日の診察の際、Xはジュースを飲みたがっている。これらの点に鑑み、Xは被告に対し、言葉不十分ながら糖尿病の典型的症状である口渇、多飲を訴えていたものと考えられる。したがって、もし被告に過食の予断がなければ、Xが異常肥満体であること、かつて脂肪肝で入院治療を受けたことがあることを知っている被告としては、社会経験の乏しいXの不完全な主訴のみに依存せず、待合室で待っているXの父に対し家庭内における症状を補充的に説明を求めることによって糖尿病を疑いえたものと考えられる。このことは、被告の診察から数時間後に診察したC医師がすぐ糖尿病を疑ったことにてらしても裏付けされるといえる。そうすると、被告は、Xが8月9日に被告の診察を受けた時点では若年性糖尿病の典型的症状である口渇、多飲を訴えていることに気づき若年性糖尿病を疑うべきであったのに、過食による急性胃炎と誤診したものと認められ、右誤診につき不可抗力ないしこれに準ずるような事情があったとは認め難い。したがって、被告は、善良な管理者としての注意義務を怠ったもので、本件診療契約に基づく診療債務につき不完全履行があることになる。●過失相殺前記認定事実に徴すると、債権者側に過失があるものと認められる。即ち、Xは、まだ高校1年生で社会生活経験が浅いため、病気の症状を的確、正確に医師に告げる能力が十分であったとは考えられないのに、被告の診察を受ける際保護者が付き添わなかったため、前記認定の如き家庭内における症状全部が正確に被告に伝えられなかった形跡がある。また、Xは、ジュース、アイスキャンデー、プリン等を常識の範囲をこえるほど多飲食しており、証拠によると、糖質の多いこれらジュース等の多飲食がその後の病状激変の大きな原因となっていることが明らかである。したがって、原告らに生じた損害のうちその7割は、債権者側の過失によるものとして控除するのが相当である。そうすると、被告の支払義務は、原告1人につき金748万6,626円となる。(*判決文中、下線は筆者による加筆)(広島地判尾道支部平成元年5月25日 判時1338号127頁)ポイント解説■代謝疾患の訴訟の現状今回は、代謝疾患です。代謝疾患で最も訴訟となっているのは糖尿病です(表1)。代謝疾患は疾患自体により、直接的に身体・生命損害が発生することが少ない、すなわち、民法709条の要件である「損害」が発生することが少ないことから、訴訟件数自体は多くはありません。その中でも、糖尿病は罹患者数が多く、かつ、(1)糖尿病性ケトアシドーシスおよび(2)糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経症による壊疽)により、身体・生命に直接損害が発生することから訴訟件数が多いという結果となっています。糖尿病に関する訴訟は大きく分けて(1)糖尿病性ケトアシドーシスと(2)糖尿病合併症の2つの類型があります。原告勝訴率は、糖尿病性ケトアシドーシスが66.6%(表2)で、糖尿病合併症が50%と大きな差はないのですが、平均認容額は、糖尿病性ケトアシドーシスが8,500万円に対し、糖尿病合併症では560万円と大きな差がついています(表3)。本事例でもそうですが、やはり、ケトアシドーシスは死に至ることから損害額が大きくなるものと考えられます。糖尿病性ケトアシドーシスに関する訴訟の争点は、診断の遅れと、治療の瑕疵の2つに分けられますが、やはり多いのは診断の遅れです(表3)。診断の遅れが争われた事例はいずれも糖尿病の診断がついていない患者であり、本件のように不定愁訴で受診する事例もありますが、別の疾患で受診した際にたまたま糖尿病を発症していて、かつ、糖尿病性ケトアシドーシスにまで至ったという事例もあることから注意が必要といえます。本事例もそうですが、劇症1型糖尿病のように急速に糖尿病性ケトアシドーシスに至るケースは、そもそも救命が困難であり、それをコモンディジーズの単純な見落としのように扱われることには違和感を覚えます。そもそも、「後医は名医」であり、初診における診断の誤りを後から振り返って違法であると誹ることは、よほどの事例でない限り、医療に対する理解が根本的に欠けているといえます。一方、本事例において、前医がいたことを知らなかったとはいえ、後医となったC医師の「これが明日だったら殺していた。どうしてこんなになるまで放っていたのだ」との発言が本訴訟提起に寄与した可能性は高く、患者に対する発言には注意が必要です。■過失相殺第6回で解説しましたが、民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる」と過失相殺を定めています。本事例でもXが病状をちゃんと伝えなかったこと、Xが常識の範囲を超えるほどジュースなどを摂取したことから、7割の過失相殺が認められています。民法の不法行為の基本理念に「損害の公平な分担」という考え方があります。実社会において、現に何らかの損害が発生している中で、被害者を含め、その損害に関与した当事者間において、何対何で当該損害を分担することが公平といえるかが、民法の不法行為の基本的な考え方なのです。自動車対人の事故を想起してみましょう。現実に人の身体・生命に損害が発生しており、その損害を自動車運転者と被害者との間で何対何で分担すれば公平かというのが民法の不法行為の考え方です。皆さんもご存じのとおり、現在の実務運用として、自動車対人の事故において、自動車側の過失割合が0となるのは、よほどのことがない限りありません。このとき、判決では、「不法行為は成立するが過失相殺により減額する」という理論を構成することになります。たとえば自動車の過失割合が2割という場合は、現実的には自動車運転手にとって避けようがない事故とさえいえます。それでも2割の責任を認めるために当該運転に過失があったと判決上は示されるのです。医療訴訟において、しばしば「トンデモ判決」と揶揄される判決が見受けられます。しかし、医療訴訟の判決を見る場合には、まず、認容額、認容割合を確認してください。本事例でも、Xを糖尿病と診断することは、現実にはなかなか困難であり、このような事例において、後から見て誤診だ違法だというのはとんでもないという思いはあります。しかし、16歳の男の子が連日診察を受けたにもかかわらず、診断がつかずに死亡してしまった。その男の子の死亡という損害を被害者と医師で7対3で分けましょうという判断は、不当かと問われると若干考え方が変わってくるのではないでしょうか。もちろん、国民皆保険制度により、医療費が統制価格下にあるわが国においては、リスクを価格に転嫁できないこと、また、自動車運転と異なり、医療は行わなくても患者の身体・生命を損ねることなど、自動車運転と医療はまったく異なりますので、同様に判断することは妥当とはいえません。自動車事故とは違う、わが国の医療提供体制にあった「損害の公平な分担」を模索していく必要があるものと思われます。裁判例のリンク次のサイトでさらに詳しい裁判の内容がご覧いただけます。(出現順)広島地判尾道支部平成元年5月25日 判時1338号127頁本事件の判決については、最高裁のサイトでまだ公開されておりません。

28880.

ドナーの年齢や性別の不一致は予後に影響する?HCV感染/非感染者への肝移植

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染者への肝移植は、50歳以上のドナーからの移植を回避することで、予後を向上させる可能性があることが、ポーランド・ワルシャワ医科大学のMichal Grat氏らの報告により明らかになった。一方、ドナーとレシピエントの性別の一致/不一致で予後が左右されることはなかった。Annals of transplantation誌2013年12月23日号の報告。 著者らは、ドナーの年齢やドナーとレシピエントの性別のマッチングが肝移植後の予後に与える影響について、HCV感染/非感染者の違いに着目し、後ろ向きコホート研究を行った。 対象は、肝移植レシピエント622例。HCV感染群(164例)とHCV非感染群(458例)に分け、ドナーの年齢(30歳以下、31~50歳、51歳以上)、ドナーとレシピエントの性別構成によってさらに細分化した。予後の指標は、レシピエントの5年生存率および移植片生着率とした。 主な結果は以下のとおり。・5年生存率は、HCV感染群83.1%、HCV非感染群81.6%であった(p=0.614)。・移植片生着率は、HCV感染群81.2%、HCV非感染群79.3%であった(p=0.538)。・HCV感染群における50歳以上のドナーからの移植は、31~50歳のドナーからの移植と比較して、5年生存率(p=0.035)および移植片生着率(p=0.006)が有意に低かった。この差異は、HCV非感染群では観察されなかった(5年生存率:p=0.994、移植片生着率:p=0.878)。・ドナーとレシピエントの性別構成別の予後は、HCV感染群(5年生存率:p=0.751、移植片生着率:p=0.592)と非HCV群(5年生存率:p=0.217、移植片生着率:p=0.249)で差はなかった。・ただし、非HCV感染群における男性から女性への移植は、女性から女性への移植よりも、5年生存率が低い傾向を認めた(p=0.064)。・31~50歳のドナーからの移植において、HCV感染群の予後はHCV非感染群よりも有意に優れていた(5年生存率:p=0.080、移植片生着率:p=0.026)。

検索結果 合計:35665件 表示位置:28861 - 28880