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下肢静脈瘤患者の深部静脈血栓症予防は必須か?(解説:中澤達氏)-861

 下肢静脈瘤と診断された成人患者では、深部静脈血栓症(DVT)のリスクが有意に高いことが明らかにされた。下肢静脈瘤は一般的にみられるが、重大な健康リスクと関連することはまれである。「下肢静脈瘤を放置しておいて、悪いことは起きますか?」 普段、下肢静脈瘤の血管内焼灼術をしている私たち血管外科医にとって、外来でよく受ける質問である。その度に、「大丈夫です。肺梗塞になる人はほとんどいません」 と答えている。 対照群には未診断の下肢静脈瘤を有する患者が含まれている可能性があること、下肢静脈瘤の重症度については調べていないことなどを考慮しても、下肢静脈瘤患者21万人と対照21万人を比較した結果であることから、DVTの頻度は数倍高い可能性がある。調べてみると、同様の結果の先行研究もある。しかし、もしこれが事実だとしても一次性下肢静脈瘤の患者に予防的内服、弾性ストッキング継続が望ましいとは思えない。なぜなら、下肢静脈瘤の有病率は、30歳以上の女性で20~30%と高頻度な疾患だからだ。 血管外科医としてさらなる興味は、静脈瘤の治療をすればDVTのリスクが下げられるか? という点である。ぜひ、前向き研究の結果が知りたいものだ。

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CKD患者に水摂取を励行するのは意味があるか?(解説:木村健二郎氏)-862

 CKD患者における脱水が腎機能を低下させることは明らかで、日常臨床でも多く経験されるところである。しかし、逆に、水摂取を多くすることが、腎機能の低下を抑制するかどうかは明らかではない。 『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』(日本腎臓学会編)では、「水分摂取量はCKDの進展に影響を及ぼすか?」というCQに対して「CKDステージG1、2では、水分負荷は腎機能保持に有効である」「CKDステージG3以降では、水分負荷により腎機能が悪化する可能性がある」としており、いずれもエビデンスとしては弱いため推奨レベルは付けられていない。CKDにおける水分摂取を考える際には、そのステージも考慮する必要があるが、まだ、十分なエビデンスはない、ということになる。 本試験では、CKDステージ3の患者を水摂取励行群と対照群に分けて1年間経過をみたが、eGFRの低下に両群で有意差はみられていない。水摂取が確実に増加したことは、希釈尿(色で確認)、1日尿量増加および血漿コペプチン(抗利尿ホルモン分泌のバイオマーカー)の低下で確認しているので、信頼できる介入試験であると考えられる。ディスカッションで著者が述べているように、両群で有意差をつけるにはもっと大量の水摂取か2年以上の観察期間が必要なのかもしれない。本試験は水摂取励行に関する新しい知見をわれわれに提供しなかったが、このような生活習慣に関わる研究の難しさを示している。

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急性単純性膀胱炎に対するガイドライン推奨治療の比較試験(解説:小金丸博氏)-860

 膀胱炎に代表される尿路感染症はとてもありふれた感染症であり、とくに女性では一生涯で半数以上が経験すると言われている。膀胱炎に対して世界中で多くの抗菌薬が処方されることが薬剤耐性菌出現の一因になっていると考えられており、2010年に米国感染症学会(IDSA)と欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID)は「女性の急性単純性膀胱炎および腎盂腎炎の治療ガイドライン」を改訂した。このガイドラインでは、急性単純性膀胱炎に対する第1選択薬としてnitrofurantoin monohydrateやfosfomycin trometamolなどを推奨しており、これらの薬剤の使用量が増加してきているが、治療効果を比較したランダム化試験はほとんど存在しなかった。 本試験は、妊娠をしていない18歳以上の女性を対象に、急性単純性膀胱炎に対するnitrofurantoinとfosfomycinの治療効果を検討したオープンラベルのランダム化比較試験である。少なくとも1つの急性下部尿路感染症状(排尿障害、尿意切迫、頻尿、恥骨上圧痛)を有し、尿亜硝酸塩あるいは白血球エステラーゼ反応陽性を示すものを対象とした。その結果、プライマリアウトカムである28日目の臨床的改善率はnitrofurantoin群70%、fosfomycin群58%であり、nitrofurantoin群で有意に高率だった(群間差:12%、95%信頼区間:4~21%、p=0.004)。また、セカンダリアウトカムの1つである28日目の微生物学的改善率もnitrofurantoin群で有意に高率だった(74% vs.63%、群間差:11%、95%信頼区間:1~20%、p=0.04)。 本試験で検討された治療薬の用法は、それぞれnitrofurantoin100mgを1日3回・5日間経口投与とfosfomycin3gを単回経口投与であった。ガイドラインではnitrofurantoin100mgを1日2回・5日間経口投与が推奨されており、nitrofurantoinの至適投与方法は今後検討の余地がある。fosfomycinの単回投与は患者のコンプライアンスを考えると魅力的なレジメンであるが、臨床的改善率と微生物学的改善率の両方が有意に低率だったことは、今後の治療薬の選択に影響を与える結果であると考える。 本試験の治療成功率は、過去の報告と比較して低率だった。その理由の1つとして、大腸菌以外の細菌(Klebsiella sppやProteus sppなど)の割合が高かったことが挙げられており、尿路感染症の原因菌として大腸菌が多い地域であれば、もう少し治療成功率が高かった可能性はある。また、過去の試験より治療成功の定義が厳格であったことも影響したと考えられる。 実は、本試験で検討された2つの抗生物質はどちらも日本では発売されていない。日本で発売されているホスホマイシン経口薬はホスホマイシンカルシウムであり、fosfomycin trometamolとは異なる薬剤である。本邦における膀胱炎治療は、ST合剤、βラクタム薬、フロオロキノロンなどの中から選択することが多いと思われるが、地域での薬剤感受性情報や副作用を勘案し、総合的に判断することが求められる。

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第3回 無菌室のある薬局勉強会に参加&新しい患者さんの対応に緊張【はらこしなみの在宅訪問日誌】

大事なのはリスク管理。病院から新たなTPNの依頼が!在宅訪問専任薬剤師のはらこし なみです。勉強会で各薬局の無菌調整マニュアルを比較先日、無菌室を持つ薬局が集まって、勉強会をしました。それぞれの手技を確認し、無菌調製マニュアルを比較。あれが違う、これが違う...。たった5薬局なのに使っているグローブもガウンも違う。アンプルの扱いも、無菌室への入り方も...。しかし、根本にあるのはリスク管理。改めて徹底することとなりました。私にとってルートや針を扱うのは初めてのことであり、新鮮でした。でも、器材も定期的に扱わないと忘れてしまうよなあ~と思っていた矢先。患者さん+先生+器材 新しい出会いに感謝TPNはあまり扱ったことがないという泌尿器科の先生。退院時カンファレンスのとき「出してほしい物、処方箋に書くから言って!」と。「輸液セットは?ポンプは?病院で出しますか?それともこちらで準備しますか?」結局、先生がポンプを準備、輸液セットは院外処方箋で薬局から患者宅にお届けすることになりました。「とにかく、TPNが体に流れるようにしてほしいの!病院と同じように!」と医師から強く言われ、退院まで1週間。毎日ドキドキでした。病院の入退院連携室と毎日連絡を取り合い、ルート、針の品番、使用頻度、ガーゼやテープなどの衛生材料について...色々教えてもらいました。そして在宅スタート医療保険を利用し2週間は特別指示期間。 毎日看護師さんが訪問し、TPNやカニューレ管理(気管切開あり)、訪問医もほぼ毎日顔を見に。この2週間は、在宅療養ができるか?を見極める期間。本人がどんなに希望しても、必要な処置や治療がお家でできなければ、在宅療養は成り立ちません。ご家族にも、輸液バックの交換や痰の吸引(吸引器の使い方や吸引カテーテルの扱い方など)を覚えてもらう。エルネオパは開通してから持参し、ルートと針は訪問看護師さんが週1回交換。訪問医や訪問看護師さんが、在宅療養はちょっと無理だろうなぁ、と言っていたけれど、どうにか頑張ったご本人とご家族。2週間が過ぎ、介護保険に切り替わっても処方が途切れることはありませんでした。

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これからの心不全治療、認識新たに【東大心不全】

高齢化に伴い急増する心不全。今後も、より大きな問題となる心不全に、どう対応していくべきか。東京大学循環器内科学 教授 小室一成氏に聞いた。わが国の心不全の現状について教えてください。画像を拡大する画像を拡大する日本の心不全患者数は、現在、推計100万人。その数は2030年まで増え続け、130万人を超えるといわれています。増加は日本だけでなく、米国、欧州などの先進諸国やアジア、アフリカ諸国でもみられます。理由は高齢化です。心不全の発症は高齢者、とくに65歳を超えると急増します。わが国は高齢化が最も進んでいますので、心不全が今後大きな問題になることは間違いないといえます。わが国の心不全治療の現状について教えていただけますか。心不全の治療は、あらゆる疾患の中で最も確立されています。心不全リスク群であるステージAおよびBでは、器質的心疾患の発症・進展予防を、症候性の心不全であるステージCでは、症状コントロールを行います。とくに、ACE、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬は、心不全に対する複数の大規模臨床試験によって、生存予後を20~30%改善するというエビデンスがあります。また、最重症のステージDでは、適応があれば、心臓移植となりますが、わが国はこの分野でも成績は良好で、海外の心移植後5年生存率が8割程度なのに対し、日本では9割を超えます。さらに、移植待機中のLVAD治療についても良好な結果を示しています。しかし、問題点もあります。薬剤は有効であるものの、すべて対症療法です。移植についても、わが国ではドナーが少なく、移植までの待機期間は平均3年。世界でも飛び抜けて長いといえます。この待機期間は今後さらに伸びると予想され、ドナーを増やすよう活動していく必要があると思っています。学会としての取り組みについて教えていただけますか。画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大する一昨年(2016年)、日本循環器学会と脳卒中学会を中心に「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」を作成しました。“健康寿命の延伸”と“5年で5%の死亡率減少”を大目標とし、5戦略(医療体制の充実、人材育成、予防・国民への啓発、登録事業の促進、臨床・基礎研究の強化)と3疾患を定めました。3疾患は脳卒中、血管病、そして、現在、循環器疾患の死亡で最も多い心不全です。心不全における5戦略、1つ目は医療体制の構築です。心不全患者さんの多くは、入院治療により改善して退院しますが、退院後の生活習慣、服薬指導が重要なのです。これを怠ると、急性増悪を繰り返しながら悪化し、最終的に命を落とすことになります。これを防ぐためには、専門病院から慢性期、在宅までの診療をシームレスに行える、心不全を念頭に置いた医療体制を作ることが必要です。2つ目は人材育成です。このように心不全は退院後が非常に重要なので、患者さんと密接な関係にある、実地医家の医師やメディカルスタッフの人材育成が重要になります。画像を拡大する3つ目は、予防・国民への啓発です。心不全は重症度に応じて4つの予防チャンスがあります。塩分・脂質過多、喫煙、多量飲酒、運動不足といった生活習慣の改善による0次予防。肥満、糖尿病、高血圧、脂質異常の改善による心臓病にならないための、ハイリスク群の1次予防。そして、心不全の早期治療と再発予防による2~3次予防。最後は突然死の予防です。しかし、このチャンスも、患者さんに“心不全は予防できる”、ということをご理解いただかないと活かせません。そのために、アニメキャラクター「ハットリシンゾウ」を啓発大使とし、「シン・シン(心臓・身体)健康プロジェクト」を展開しています。そこでは、一般の方にわかりにくかった心不全の定義を「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です」とし、疾患としての認知促進を図っています。4つ目は登録事業の促進です。前述のとおり、日本の心不全患者数は100万人とされますが、この数字は新潟県佐渡市の統計から推計したものです。正確な統計ではありません。心不全患者がわが国に何人おり、どのような治療が行われていて、どのような地域差があるのか、こういった実態をレジストリで明らかにすることを考えています。5つ目は基礎研究です。これも前述のとおり、心不全の治療薬は有効であるものの、対症療法です。心不全発症の分子機序を解明して、それに基づいた新薬や新デバイスの開発をしないと、急増する心不全を減らすことはできません。そのためにも、メカニズムを明らかにする基礎研究が重要だと考えています。今年(2018年)の日本循環器学会学術集会で、「急性・慢性心不全診療ガイドライン」の改訂が発表されました。今回のガイドラインの大きな改訂ポイントは、急性と慢性の統合、ステージングの明確化、予防の重要性の強調です。急性と慢性を統合した理由は、急性心不全の多くは慢性心不全の増悪であるからです。心不全では、急性期に入院し、回復して退院しますが、その状態は慢性心不全の継続です。状態は入院前よりも悪化しています。それが理解されないと、入退院の繰り返しにつながります。今回のガイドラインでは、症状とリスク因子などを示し、患者さん自身が、どのステージングにおり、何をすべきか一目でわかるように工夫しています。東京大学での取り組みについて教えていただけますか。わが国の心臓移植は、東京大学、大阪大学、国立循環器病研究センターの3施設で8割、東京大学では、全国の4分の1を担っています。また、東京大学は交通の便が良いこともあり、遠方からも多くの心不全患者さんが受診されます。そのような中、2017年12月、新病棟に高度心不全治療センターを開所しました。同センターでは、移植待機、移植後など多くの重症心不全患者さんを、心臓外科と循環器内科がワンフロアで診療しています。場合によっては、3~4年入院して移植を待つこともあるため、快適な病室やリハビリテーション設備に工夫を凝らしています。また、東京大学では、循環器内科と心臓外科が一体となって、心不全を含めたあらゆる循環器疾患の最後の砦になるため、ほかの施設では治療できない重症患者さんを引き受けて治療しています。多くの施設から相談を受けますが、必要があれば、施設に伺って患者さんを拝見させていただきますし、場合によっては当院への入院を勧めています。最後に先生方にメッセージをお願いします。大学・大病院では心不全の急性増悪患者さんを診療します。それらの患者さんの多くは退院されますが、2度と急性増悪しないことが、最も重要です。とはいえ、退院していったケースは、大学や大病院では十分に管理できません。患者さんと密接な関係にある実地医家の方々に、患者さんの日常生活や服薬などを注意していただくことで、初めて急性増悪が防げるのです。このように、心不全治療は、専門施設と実地医家が連携を深め、一体となって行う必要があります。実地医家の先生方にも心不全をご理解いただき、共に診療にあたっていただければと思います。講師紹介

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統合失調症におけるアドヒアランス不良と医療費との関係

 統合失調症治療における服薬アドヒアランス不良は、重大な問題となっている。アドヒアランス不良が医療費に及ぼす影響を理解することは、治療アドヒアランスが懸念される際に行われる介入の費用対効果を評価するうえで重要である。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMark Pennington氏らは、統合失調症治療における抗精神病薬のアドヒアランス不良が医療費へ与える影響に関して、利用可能な文献による包括的なレビューを行った。PharmacoEconomics誌オンライン版2018年4月26日号の報告。 2018年2月までに報告された、統合失調症患者の抗精神病薬のアドヒアランスと医療費との関連を調査した研究について、複数のデータベース(MEDLINE、Embase、PsycINFO、Health Management Information Consortium)を用いて検索を行った。対象とした研究には、行動介入試験は含まれたが、異なる薬理学的介入の比較試験は除外された。また、対象患者の1/3以上が統合失調症患者であり、医療費が報告された研究についてレビューした。 主な結果は以下のとおり。・28研究、34件の文献が包括基準を満たした。・20研究は、行政データベース(主にメディケイド)の分析を報告していた。・医療費の調査結果は混在していたが、アドヒアランス不良患者における薬剤費の低下は、入院費(薬価が比較的高い)の増加を上回る可能性があることが示唆された。・いくつかの研究において、プロスペクティブコホートデータの分析や、主に欧州におけるアドヒアランスに影響を及ぼす行動介入試験について発表されていた。・調査結果は再び混在していたが、アドヒアランスの向上は、医療費の低下に関連しないことが示唆された。 著者らは「行政データの分析からの推論は、選択バイアスのリスクにより制限される。また、試験からの推論は、小さいサンプルサイズにより制限される。これらの文献から、アドヒアランス不良が医療費を増加させるとの仮説は、一貫して支持されるものではない」としている。■関連記事統合失調症、服薬アドヒアランス研究の課題とは抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか統合失調症、双極性障害に対する持効性注射剤使用と関連コスト

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降圧薬が皮膚がんのリスク増加に関連

 米国・マサチューセッツ総合病院のK.A. Su氏らによる調査の結果、光感作性のある降圧薬(AD)による治療を受けた患者では、皮膚の扁平上皮がん(cSCC)のリスクが軽度に増加することが明らかになった。多くのADは光感作性があり、皮膚の日光に対する反応性を高くする。先行の研究では、光感作性ADは口唇がんとの関連性が示唆されているが、cSCCの発症リスクに影響するかどうかは不明であった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2018年5月3日号掲載の報告。 研究グループは、北カリフォルニア州の包括的で統合的なhealthcare delivery systemに登録され、高血圧症に罹患した非ヒスパニック系白人のコホート研究において、ADの使用とcSCCリスクとの関連を調べた。ADの使用については電子データを用いて分析。ADは、公表論文に基づいて、光感作性(α2刺激薬、利尿薬[ループ系、カリウム保持性、サイアザイド系および配合剤])、非光感作性(α遮断薬、β遮断薬、中枢性交感神経抑制薬およびARB)または光感作性不明(ACE阻害薬、Ca拮抗薬、血管拡張薬およびその他の配合剤)に分類された。 Coxモデルを用いて補正ハザード比(aHR)と95%信頼区間(CI)を推定した。共変量は、年齢、性別、喫煙、合併症、cSCCおよび日光角化症の既往歴、調査年、医療制度の利用、医療保険会員の期間、光感作性ADの使用歴とした。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中に、cSCCを3,010例が発症した。・AD不使用群と比較し、cSCCのリスクは、光感作性AD使用歴ありの群(aHR:1.17、95%CI:1.07~1.28)、光感作性不明AD使用歴ありの群(aHR:1.11、95%CI:1.02~1.20)で増加したが、非光感作性AD使用歴ありの群では関連は認められなかった(aHR:0.99、95%CI:0.91~1.07)。・光感作性ADの処方数の増加に伴い、cSCCのリスクが軽度に増加した。1~7剤(aHR:1.12[95%CI:1.02~1.24])、8~15剤(同:1.19[1.06~1.34])、16剤以上(同:1.41[1.20~1.67])。

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軽~中等度認知症への運動介入、進行遅延効果はなし?/BMJ

 軽度~中等度認知症に対する、中~高強度の有酸素運動と筋力トレーニングのプログラムの介入には、認知障害の進行を遅らせる効果はないことが、英国・オックスフォード大学のSarah E. Lamb氏らによる無作為化試験「Dementia And Physical Activity:DAPA試験」の結果で示された。筋トレのプログラムで体力の改善は認められたが、その他の臨床的アウトカムの明らかな改善は認められなかったという。認知症者の認知低下の遅延に果たす運動の役割について、これまで臨床に反映できる十分な規模と方法論に基づく無作為化試験は行われていなかった。BMJ誌2018年5月16日号掲載の報告。通常ケアと比較、12ヵ月時点の認知障害の進行について評価 研究グループは、研究者盲険下で多施設共同のプラグマティック無作為化対照試験で、中等度認知症者の認知障害およびその他のアウトカムに与える、中~高強度の有酸素運動と筋力トレーニングのプログラムの影響を調べた。被験者は、イングランドの15地域から集めた、NHSプライマリケアの患者、大学のコミュニティ&メモリサービス利用者、認知症研究登録者、ボランティアであった。 494例が集まり、2対1の割合で329例が運動介入群に、165例が通常ケア群に無作為に割り付けられた。運動介入群は、通常ケアに加えて監督下で行う運動を4ヵ月間、その後は継続的に運動に関するサポートを受けた。運動の介入は、地域のジム施設およびNHSの施設で行われた。 主要アウトカムは、アルツハイマー病評価スケール下位項目(ADAS-cog)の12ヵ月時点のスコアであった。副次アウトカムは、ADL、神経学的症状、健康関連QOL、要介護度などであった。運動介入群では介入期間中に体力測定(6分間歩行テストなど)が行われた。差は小さいが、運動介入群のほうが認知障害が進行、体力は改善 被験者494例は、平均年齢77歳(SD 7.9)、男性301/494例(61%)であった。 12ヵ月時点のADAS-cogスコアは、運動介入群25.2(SD 12.3)、通常ケア群23.8(SD 10.4)であった(補正後群間差:-1.4、95%信頼区間[CI]:-2.6~-0.2、p=0.03)。平均差は小さく、臨床的意義は不明であったが、運動介入群のほうが、認知障害が進んでいることが示唆された。 副次アウトカムや、認知症のタイプ(アルツハイマー病、その他)、認知障害の程度、性別、疾患別による事前に計画されたサブグループ解析について、有意差は認められなかった。 運動介入群のコンプライアンスは良好で、スケジュールセッションの4分の3以上に参加した被験者は65%(214/329例)を占めた。運動介入群の6分間歩行テストの結果は、6週間にわたって改善が認められた(平均変化:18.1m、95%CI:11.6~24.6)。

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鼻炎患者の半数以上が未治療のまま?

 アレルギー性鼻炎の患者数は近年増加しており、本疾患による労働者1人当たりの経済的損失額は19万1,783円/年になるという報告もある。鳥居薬品株式会社は、「通年性アレルギー性鼻炎・花粉症 全国意識・実態調査」を実施し、結果を公表した。 調査の結果、長年アレルギー性鼻炎の症状に悩まされている患者の割合が回答者全体の半分以上であるにもかかわらず、医療機関への定期受診率は20%未満であり、疾患の原因と治療法の認識不足が浮き彫りになった。他科受診などを機会に、鼻炎症状が見られた場合、症状の程度や治療の理解についての確認が必要かもしれない。 本研究は、全国の通年性アレルギー性鼻炎、花粉症いずれかの症状を申告した15~64歳の患者4,692例(各都道府県100例、山梨県のみ92例[調査結果の分析ではウェイトバック集計で補正])と、子供(5~15歳の小児)が両疾患のいずれかを持っていると申告した保護者1,600名(全国を8地域に分け、各地方200名)を対象に、2018年3月、インターネット調査として実施された。 主な結果は以下のとおり。・症状を自覚し、10年以上悩まされている患者は、通年性アレルギー性鼻炎で64.6%、花粉症で51.9%だった。また、症状が出てから3年以上症状に悩まされている小児は、通年性アレルギー性鼻炎で53.8%、花粉症で48.0%だった。・症状や対策で、最も不満に思っていることは「完治しない」が最多だった。 患 者/通年性アレルギー性鼻炎:47.3%、花粉症:41.0% 保護者/通年性アレルギー性鼻炎:49.4%、花粉症:43.0%・患者における医療機関への定期受診率は、通年性アレルギー性鼻炎で8.1%、花粉症で16.0%だった。未受診の理由は、通年性アレルギー性鼻炎では「体質だから仕方ない」が、花粉症では「市販薬で対応しているから」が上位を占めた。また、小児における定期受診率は、通年性アレルギー性鼻炎で19.8%、花粉症で36.1%だった。・「舌下免疫療法」による治療の意向がある保護者は、通年性アレルギー性鼻炎で45.0%、花粉症で48.4%だった。 調査の監修を担当した大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学研究科 頭頸部・感覚器科学分野 教授)は、「アレルギー治療において重要なことは、まず症状の原因を特定し、できる限りその原因を避けることにあります。とくに小児においては、幼少期のアレルギー疾患が起点となり他のアレルギー疾患に進展する傾向がみられること(アレルギーマーチ)が知られており、その重要性はなおさらです。今後はより多くの患者さんがアレルギー疾患、検査、治療に対して正しい情報を得ることができ、より適切な対処ができるよう、そしてわれわれ医療者はそれらに対応できるようになることが求められています」とコメントしている。■参考鳥居薬品株式会社 プレスリリース■関連記事診療よろず相談TV シーズンII 第17回「花粉症」

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男女の排尿時間はどちらが長いか?~日本抗加齢医学会総会

 「あなたは自分が何秒間おしっこしているか知っていますか?」 男女別の排尿時間という、これまで泌尿器科、婦人科の世界できちんと検証されてこなかったシンプルな疑問を明らかにしたのは、旭川医科大学病院臨床研究支援センターの松本 成史氏。5月25日~27日に大阪で開催された日本抗加齢医学会のシンポジウム中でその研究成果を発表した。男女とも排尿時間は加齢とともに有意に延長 ヒトの排尿に関する数値としては、1回20~30秒、1回200~400mL、1日1,000~1,500mL、1日5~7回などが標準とされている。しかし、「ヒトの本当の1回の排尿時間を実際に測定して分析した研究報告はこれまでなかった」(松本氏)。一方で、すべての哺乳類の平均排尿時間は、体の大きさに関係なく、21±13秒と結論付けられており、この研究論文は2015年のイグ・ノーベル賞を受賞している(Yang PJ, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2014;111:11932-11937.)。 松本氏は、これら排尿に関する数値を日本人で実証すべく、本研究を行った。 排尿時間の調査対象は、NHKの番組企画に協力してくれた20歳以上の3,719人(男性2,373人、女性1,336人)。「通常の尿意」の際の排尿時間(尿が実際に出始め、出終わるまでの時間)を自己計測し、高血圧、糖尿病、腎機能障害の有無、過活動膀胱症状スコア、国際前立腺症状スコアとQOLスコア(男性のみ)などとともに自己申告で記載してもらった。 その結果、平均排尿時間は、男性(平均63.36±11.72歳)で29.00±20.62秒、女性(平均52.63±13.05歳)で18.05±12.48秒と、男性のほうが10秒以上上回った。排尿時間は、尿道が長い男性のほうが女性より長いと一般的に考えられており、それを裏付ける結果となった。 年齢との関係を見ると、男女とも排尿時間は加齢とともに有意に延長。自己申告に基づく高血圧、腎機能障害等の有病者と健常者の比較では、有病者グループのほうが男女とも有意に長かった。 排尿時間の哺乳類標準である「21秒」との乖離について松本氏は、「(排尿時間を延長させる)前立腺肥大の影響がないと考えられる20~50歳に限ると、男性の平均は21.98±17.87秒である」とし、先行研究と矛盾しない結果だと説明する。それも踏まえ、「排尿時間は自己測定が容易であり、アンチエイジング、疾病早期発見の1つの指標になりえる。とくに男性については、[21秒]はわかりやすい数値だ」と話している。

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医学部減員は2022年度以降、医師需給「第3次中間とりまとめ」了承:厚労省

 厚生労働省は「第6回医療従事者の需給に関する検討会」(座長=森田 朗・津田塾大学総合政策学部教授)および「第21回医師需給分科会」(座長=片峰 茂・長崎大学前学長)を5月28日に合同で開催し、検討会は2020年度以降の医師養成数の方向性を示した「第3次中間取りまとめ」の内容について了承した。 2020~21年度については、2019年度までの「新成長戦略」に基づく医学部定員の暫定増の方針をおおむね維持する、とした一方で、2022年度以降については「医師の働き方改革に関する検討会」で議論される時間外労働規制に関する意見等を踏まえ引き続き検討することとされた。今後、2019年度から議論を始め、2020年度には結論を出す見通し。 これまで分科会では、厚生労働省による将来の医師需給推計に基づき議論を進めてきた。性年齢階級別の詳細なデータを用いて仕事量を算出することで、医師の労働時間として3つのケースを仮定し、需給推計を算出している。これによると、労働時間の見込みを一番厳しい週55時間に制限する場合、2033年頃に約36万人で医師需給が均衡し、2040年には医師供給が約2万5,000人過剰となることが見込まれた。 また、取りまとめには「2022年度以降の医師養成数については全国レベルのマクロの医師需要推計だけでなく、ミクロの領域における医師偏在対策や、将来の都道府県毎の医師需給、診療科ごとの医師の必要数、長時間労働を行う医師の人数・割合の変化等についても適切に勘案した上で、人口構造の変化や医療技術の進展など医師を取り巻く環境がこれまでよりも短いスパンで変化していくことも踏まえ、定期的に検討をしていく必要がある」と明記されている。 しかし、日本医師会常任理事の釜萢 敏氏や日本精神科病院協会会長の山崎 學氏は、「地域かかりつけ医としての役割に対する認識や専門医制度が地域包括ケアの将来像と乖離している」と現行の新医師臨床研修制度について指摘。医師養成の現状に危惧する見解を示した。 最後に森田氏は「マクロの議論でありミクロの議論については不完全燃焼な思いの方もおられるだろう。この点は引き続き検討会や分科会で議論していきたい」と今後の方針を示した。■参考厚生労働省:医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第21回)

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durvalumab、切除不能StageIII NSCLCのOSを有意に改善(PACIFIC)

 AstraZenecaとMedImmuneは2018年5月25日、durvalumabの第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験PACIFICにおいて、化学放射線同時併用療法(CRT)後に進行していない切除不能StageIII非小細胞肺がん(NSCLC)患者の全生存期間(OS)の評価項目を達成したと発表。 独立データモニタリング委員会が実施した中間解析では、プラセボと比べ、durvalumab群で、臨床的に意味のある改善が認められ、統計的に有意なOSベネフィットを示した。これにより、durvalumabは、この試験において、無増悪生存期間(PFS)に続き、2つの主要評価項目を達成したことになる。durvalumabの安全性および耐容性プロファイルは、無増悪生存期間(PFS)分析の時点で報告されたものと一致していた。AstraZenecaは、このPACIFIC試験の結果を今後の医学会議で発表する予定。  PACIFIC試験は、化学放射線療法(CRT)後に進行していない切除不能StageIII NSCLC患者に対するdurvalumabの無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験。26ヵ国235施設から713例の患者が参加している。主要評価項目はPFSとOS、副次評価項目はランドマークPFSとOS、奏効率、奏効期間など。■参考AstraZeneca社プレスリリース■関連記事durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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認知症に対する運動介入の息の根が止められたのか?(解説:岡村毅氏)-859

 非常に大規模に、そしてほかの要因が交絡しないように厳密に、運動介入が認知症の人の認知機能に及ぼす効果を調べたら、なんと効果がないどころか通常のケアに負けたという報告である。通常のケアより優位であったのは「一定時間内に歩く距離」というのも微妙だ。1年も激しく運動すれば足は鍛えられるだろう。 とはいえ、動機は美しい。個人的には、本研究のクリニカルクエスチョンは優しい、楽観的な臨床観察に基づくと思う。私の患者さんでも認知症と診断されてから運動を始め、とても楽しく活動し、友人も多く、認知機能の低下も目立たない人が何人かいる。尊敬すべき人々であり、常識人としての私は「運動は効果があるのだろう」と思う。一方で「もともと活動的で尊敬すべき人々が運動し、たまたま進行がゆっくりなだけだ」という解釈も成り立つ。nが1桁では何も言えないし、そもそも際立ったケースだけを述べても仕方ないと科学者としての私は思う。 本件は、ケースシリーズ研究が、大規模のRCTで否定された格好であろう。これは○○を食べると良い、○○を拝むと良い、というような言説にも当てはまるかもしれない。 一方で本研究から「運動は無意味だ」と結論してはならない。今言えるのは、 ・認知症の進行予防になると思って運動をする/させられる根拠はない(→認知症予防ファシズムは否定されたわけだ) ・運動をしたい人、楽しみたい人はどうぞしてください ・肥満や引きこもりは避けるべきで、やはり運動はしないよりはしたほうが良い あたりではないだろうか。 以下、本論文の主旨とは関係ないところで一言述べさせて頂きたい。この研究に異議を唱えているのではなく、一般論です。本研究では、専門家が本人の研究に対する理解度を評価し、理解しているなら本人同意、理解していないようなら代諾者が当人の過去の考え方などを勘案して同意するとされていた。高齢者を対象とした研究ではいつも課題になるのが同意能力の問題であるが、代諾者がいない人はどうなるのだろうか? あるいは貧困状態にある人や、孤立している人や、事情があって家族がいない人は、代諾者が立てられない可能性が高いであろう。特定の土俵・文脈で、方法と結果と解釈が妥当であれば1つの真実である。しかし研究なるもの、とりわけ疫学研究が、社会をあまねく記述し照らしていると思ったら大間違いだぞ! などと言うと私はアカデミアでは消されるだろうか(もちろん冗談です)。 科学を否定しているのではない。臨床医としては光の当たらない部分を見せられるので、もっと広く、深く、そして優しく照らすような研究をせねばと思う次第である。

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ミルクチョコ vs.ダークチョコ、視力に良いのは?

 ダークチョコレートは、短期間の血流改善や、気分および認知機能を改善するが、視機能に対する影響はほとんど知られていない。米国・University of the Incarnate Word Rosenberg School of OptometryのJeff C. Rabin氏らは、無作為化クロスオーバー単盲検試験の結果、ダークチョコレートはミルクチョコレートと比較し、摂取2時間後のコントラスト感度と視力を有意に改善したことを報告した。著者は「これらの効果の持続期間や日常臨床での影響については、さらなる検討が待たれる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年4月26日号掲載の報告。 研究グループは、視力ならびに大きい文字と小さい文字のコントラスト感度に対する短期効果をダークチョコレートとミルクチョコレートの摂取で比較する目的で、2017年6月25日~8月15日に、Rosenberg School of Optometryにて無作為化クロスオーバー単盲検試験を行った。 病理学的な眼疾患のない30例(男性9例、女性21例、年齢[平均±SD]26±5歳)に、ダークチョコレートとミルクチョコレートを別個に食べてもらい、1.75時間後に視力および大きい文字と小さい文字のコントラスト感度をそれぞれ測定し、比較した。 主な結果は以下のとおり。・小さい文字のコントラスト感度(平均±SE, logCS)は、ダークチョコレート摂取後1.45±0.04、ミルクチョコレート摂取後1.30±0.05で、ダークチョコレート摂取後のほうが有意に高かった(平均差:0.15、95%信頼区間[CI]:0.08~0.22、p<0.001)。・大きい文字のコントラスト感度(同上)は、ダークチョコレート摂取後2.05±0.02、ミルクチョコレート摂取後2.00±0.02で、ダークチョコレート摂取後のほうがわずかに高かった(平均差:0.05、95%CI:0.00~0.10、p=0.07)。・視力(平均±SE, logMAR)も、ダークチョコレート摂取後-0.22±0.01(約20/12)、ミルクチョコレート摂取後-0.18±0.01(約20/15)で、ダークチョコレート摂取後わずかに改善した(平均差:0.04、95%CI:0.02~0.06、p=0.05)。・すべての検査結果を合わせた複合スコア(logU)は、ダークチョコレート摂取後のほうが、ミルクチョコレート摂取後より有意な改善を示した(平均差:0.20、95%CI:0.10~0.30、p<0.001)。

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認知症発症リスクと身体測定値との関連

 これまで、認知症と特定の身体測定値との関連を調査した研究は、あまり行われていなかった。台湾・亜東技術学院のPei-Ju Liao氏らは、認知症発症リスクと身体測定値との関連について調査を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2018年5月4日号の報告。 2000~08年における台湾の医療センター健康診断部のデータより、6,831例の人体3D計測によるスキャニングデータ(38の身体測定値を含む)を収集した。そのうち236例が、10年のフォローアップ期間中に認知症を発症した。データ解析には、多重Cox回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・胸幅(ハザード比:0.90、95%CI:0.83~0.98)、右大腿中央囲(ハザード比:0.93、95%CI:0.90~0.96)は、認知症発症予防の予測因子であった。・腹囲(ハザード比:1.03、95%CI:1.02~1.05)は、認知症発症のリスク因子であった。・これらの組み合わせにおいて、腹囲の値が大きく、右大腿中央囲の値が小さい人の認知症発症リスクが最も高かった(ハザード比:2.49、95%CI:1.54~4.03)。 著者らは「身体測定は、臨床医学と予防医学の両方において、将来の応用や科学的なメリットの糸口となる」としている。■関連記事アルツハイマー病へ進行しやすい人の特徴は認知症リスクとBMIとの関連歯の残存数と認知症リスクに関するメタ解析

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リアルワールドエビデンスを活用したSGLT2阻害薬の治療ゴールとは

 2018年5月15日、アストラゼネカ株式会社は、「リアルワールドデータから見えるSGLT2阻害剤による糖尿病治療の新たなステージ~日本人を含むCVD‐REAL2研究の結果によって示唆される日本人糖尿病患者さんのベネフィットや真の治療ゴールとは~」をテーマとしたプレスセミナーを開催した。香坂 俊氏(慶應義塾大学医学部 循環器内科 講師)と門脇 孝氏(東京大学医学部付属病院 特任研究員・帝京大学医学部 常勤客員教授)の2名が講師として招かれ、リアルワールドエビデンス(RWE)の未来と糖尿病治療のエビデンスへの活用についてそれぞれ解説した。安全性確立の時代からランダム比較化試験(RCT)へ 香坂氏によると、1960~70年代に世界を震撼させたサリドマイド事件をきっかけに臨床試験の重要性やそれに基づく認可システムに警鐘が鳴らされ、比較対照試験が一般的となった。さらに、この事件を踏まえ、1990年代からランダム化比較試験(RCT)が一般化されるようになるが、 「基礎研究が安全性の検証のみ」「比較対照がプラセボ」 「効果の実証」についての問題点が議論されるようになり、根拠に基づく医療(EBM)、客観的な医療的介入が治療方針として提唱されるようになった。RCTの限界 さらに、2000年代になるとRCT中心の医療から薬剤間の比較研究へと変わったが、患者の予後に差がつく薬剤に淘汰されていく。その中で、「副作用検出に症例数が少ない(Too Few)」「適応疾患が限定(Too Narrow)」「高齢者が除外(Too Median-Aged)」のような、いわゆる「RCTの5Toos」の問題が指摘されるようになった。なぜRWEなのか? これらの問題を踏まえ、登場したのが「リアルワールドエビデンス(RWE)」である。コホートあるいはデータベース研究、症例対照研究を利活用するため、相対的に「早く」「広く」「安く」結論が得られることが最大のメリットであり、臨床データで選ばれないような特定集団に着目することができる(ビッグデータの活用)点も大きな特徴である。 一方で、「『バイアスを完全に除くことができない』『登録されている情報が限定的』『コントロール(比較対照群)を設定できない』ため、データの信憑性に欠ける点が今後の解決すべき課題である」と同氏は語る。CVD-REAL2:RCTとRWEの方向性が合致した研究 ここで、事例としてRWEを使ったCVD-REAL2が示された。この研究は、世界主要3地域の2型糖尿病患者を対象に、SGLT2阻害薬もしくは他の血糖降下薬による治療において、全死亡、心不全による入院、全死亡または入院の複合解析、心筋梗塞、そして脳卒中との関係性を比較した試験である。そして、SGLT2阻害薬の大規模なRWEの中でも、同薬がより良好な心血管ベネフィットを示したと注目を浴びている。 このほかにRWEが活用された例として、『急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)』の事例を紹介し、同氏は「これは非常にRWEの特性が活かせた事例」と述べ、「データ活用の発展に伴い、RCTの結果のみを鵜呑みにして医療を行うのではなく、その場面や領域に即したRWEを活用しながら診断の方針を確定させることが必要」と強調した。SGLT2阻害薬に対する意識変化 続いて、門脇氏が糖尿病専門医の視点からSGLT2阻害薬でのRWEの活用を説明した。SGLT2阻害薬は発売直後、「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」が策定され、服用により通常体液量が減少するので脱水、脳梗塞への注意喚起が行われた治療薬である。 ところが2015年9月にEMPA-REG OUTCOME試験での非致死的脳卒中の減少が報告されたことから、SGLT2阻害薬は糖尿病専門医だけでなく循環器科専門医の間でも、その可能性に期待が高まるようになった。DECLARE-TIMI58のもたらす結果とは 今回、門脇氏が講演で紹介したDECLARE-TIMI58試験は、2型糖尿病(6.5%≦HbA1c<12%)かつ、心血管疾患既往のある40歳以上、または1つ以上の心血管リスク因子を保有する男性(55歳以上)あるいは女性(60歳以上)の患者、約1万7,000例が登録され、試験期間が中央値4.5年の研究である。同試験では、心不全の抑制を評価するために、これまでの試験では副次評価項目としてしか評価されてこなかった、心血管死または心不全による入院の複合や心血管死、心筋梗塞、虚血性脳卒中の複合が主要評価項目となっている。同氏は「この研究でRWEを活用し、糖尿病治療の最終目標をより多くの医師が意識し達成することを期待したい」と伝えている。また、「この研究結果は2018年の後半に発表される予定で、重要な役割を果たす可能性があるのでぜひ注目してほしい」とも述べている。■参考アストラゼネカ株式会社 プレスリリースDECLARE-TIMI 58試験スキーム■関連記事SGLT2阻害薬で心血管リスク低下~40万例超のCVD-REAL2試験SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

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発症時間不明の脳梗塞、rt-PAで転帰改善か/NEJM

 発症時間不明の急性脳卒中患者において、脳虚血領域のMRI拡散強調画像とFLAIR画像のミスマッチを根拠に行ったアルテプラーゼ静脈内投与は、プラセボ投与と比べて、90日時点の機能的アウトカムは有意に良好であることが示された。ただし、頭蓋内出血は数的には多く認められている。ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのGotz Thomalla氏らによる多施設共同無作為化二重盲険プラセボ対照試験「WAKE-UP試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2018年5月16日号で発表された。現行ガイドラインの下では、静脈内血栓溶解療法は、発症から4.5時間未満であることが確認された急性脳卒中だけに施行されている。研究グループは、発症時間が不明だが、MRI画像の特色として発症が直近の脳梗塞と示唆された患者について、静脈血栓溶解療法はベネフィットがあるかを検討した。MRI画像を基に介入、90日時点の対プラセボの機能的アウトカムを評価 研究グループは、ヨーロッパの8ヵ国で発症時間が不明の脳卒中患者を集め、アルテプラーゼ静脈内投与群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。すべての患者について、MRI拡散強調画像で虚血病変が認められるが、FLAIR像では明らかな高信号域(hyperintensity)が認められず、脳卒中発症がおそらく4.5時間未満と示唆された。なお、被験者のうち、血栓除去術が予定されていた患者は除外した。 主要評価項目は、修正Rankinスケールによる90日時点の神経学的障害スコア(スコア範囲:0[障害なし]~6[死亡])が良好なアウトカム(同スコアが0または1で定義)とした。副次アウトカムは、シフト解析による、アルテプラーゼ静脈内投与がプラセボよりも、修正Rankinスケールのスコアを低下する尤度とした。アウトカムは有意に改善、一方で死亡・頭蓋内出血例が有意ではないが上昇 試験は、2012年9月24日~2017年6月30日に、61施設で1,362例がスクリーニングを受けた時点で、試験継続の資金調達が困難と予想され早期に中止となった。当初計画では800例を見込んでいたが、無作為化を受けたのは503例であった(アルテプラーゼ群254例、プラセボ群249例)。 90日時点でアウトカム良好であった患者は、アルテプラーゼ群131/246例(53.3%)、プラセボ群102/244例(41.8%)であった(補正後オッズ比:1.61、95%信頼区[CI]:1.09~2.36、p=0.02)。90日時点の修正Rankinスケールスコアの中央値は、アルテプラーゼ群1、プラセボ群2であった(補正後共通オッズ比:1.62、95%CI:1.17~2.23、p=0.003)。 一方で死亡は、アルテプラーゼ群10例(4.1%)、プラセボ群3例(1.2%)が報告された(オッズ比:3.38、95%CI:0.92~12.52、p=0.07)。また症候性頭蓋内出血は、アルテプラーゼ群2.0%、プラセボ群0.4%で認められた(オッズ比:4.95、95%CI:0.57~42.87、p=0.15)。

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会員医師の投資希望は「安全で、低利」

 ケアネットでは、「医師のためのお金の話」の評価と会員医師の「資産形成」についてのアンケートを実施した。今回、その結果がまとまったので、概要をお伝えする。 調査は、2018年5月11日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は324名。その内訳は、20~30代:18%、40代:30%、50代:35%、60代:15%、70代以上:2%、所属別では勤務医師:77%、開業医師:23%だった。聞きたい情報は「国内株式投資」 設問1で「『医師のためのお金の話』で今後取り上げてほしい資産形成の内容」(複数回答)について質問したところ、「国内株式投資」「円建て預貯金」「生命保険」の順で多く、低リスクの金融商品への関心が高く、「FX(外国為替保証金取引)」「不動産」「ビットコイン(仮想通貨)」など比較的リスクの高い商品、資金を大量に必要とする商品への関心は低かった。多くの会員医師は金融商品の情報に興味がない 設問2で「資産形成のため実行している情報収集法」(複数回答)について質問したところ、「とくに情報は集めていない」が一番多く、金融資産への関心の低さをうかがわせた。次いで「専門WEBサイトやブログの閲覧」「新聞、雑誌などの紙媒体」の順となり、情報収集法では新聞、雑誌、専門書などの紙媒体よりもWEBからのほうが多く、簡単に集めて閲覧・視聴できる媒体に人気が集まった。 最後に設問3で「資産形成に関する話題で、今後取り上げてほしいテーマ」について自由記入方式で質問したところ、「株式」「不動産」「税金」の順でコメントが多く、「株式」では株式投資の基礎や投資信託、株主優待などに関するコメントのほか、「不動産」ではタワーマンションへの投資、国内の不動産動向などへのコメントが寄せられた。 今回の調査の詳細と、寄せられた具体的なコメントは、CareNet.comに掲載中。

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きっちり飲める降圧薬は2剤まで?

 高血圧症治療に対する医師の満足度は、2014年度時点で98.9%1)と高いにもかかわらず、降圧目標達成率は、2013年の研究によると男性30%、女性40%と低いことが報告されている2)。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は「医師および高血圧患者の高血圧治療に対する意識の実態調査」を実施し、その結果は医学雑誌「血圧」に調査研究として掲載された3)。 調査の結果、医師と患者の間で、治療説明の認識にずれが存在する可能性が示唆された。また、約半数の患者は薬剤を減らしたいと考えており、およそ70%の患者は、正しく服用できる降圧薬は多くても2剤までと答えている。患者は、よりシンプルでわかりやすい治療を求めている。 本研究は、1~3すべての条件を満たす医師321名(1.掲げる診療科名が循環器内科、代謝・内分泌科あるいは一般内科、2.1ヵ月間の高血圧症診察患者数が100例以上、3.30歳以上)と、1~3すべての条件を満たす高血圧症患者1,000例(1.高血圧症のため医療機関に2回以上通院したことがあり、現在も定期的に通院している、2.高血圧症治療の目的で薬物治療中、3.40歳以上)を対象とした、インターネットによる全国調査。なお、患者の抽出に際しては、事前の高血圧患者の調査分布に基づき、降圧薬配合剤服用中の患者200例、降圧薬単剤服用中の患者300例および降圧薬2剤以上を併用している患者500例となるように調整した。 主な結果は以下のとおり。≪診断や治療に関して≫・初診時に「治療の目的」を説明したと86%の医師が回答したのに対し、説明されたと答えた患者は39%だった。説明を受けていない、あるいは覚えていないと答えた患者は23%存在した。・処方決定前に治療選択肢を説明したと49%の医師が回答したが、患者での認識は18%だった。全体で54%の患者が、処方決定前に治療選択肢の説明を望んでいた。・「降圧目標値について説明した」と95%の医師が回答したのに対し、44%の患者は説明を受けていない、あるいは覚えていないと回答した。≪残薬と服薬アドヒアランスに関して≫・服薬アドヒアランスを重視する割合は、医師が78%であったのに対し、患者は48%と両者の間に乖離がみられた。・薬剤数を減らしたいと考えている患者は48%存在し、とくに3種類以上服用している患者でその傾向が強いという結果だった。・良好な服薬アドヒアランスで服用できる薬剤数について、医師は43%が「2種類まで」、36%が「3種類まで」と回答したのに対し、患者は33%が「1種類まで」、34%が「2種類まで」と、患者が考える薬剤数は、医師が考えているより少ないという結果だった。 本調査研究の筆者である檜垣 實男氏(愛媛大学名誉教授/医療法人 仁友会 南松山病院 病院長)は、「高血圧患者さんと医師のコミュニケーションギャップを改善し、患者さんが高血圧治療の目的や治療選択肢について理解し、医師と共に治療に向き合える体制を作ることが大切です。患者さんの服薬アドヒアランス向上のためには、配合剤という選択肢も有効であると考えられ、今後高齢化が進む中で、残薬を減らし血圧をしっかりと管理していくことが、心血管イベント抑制や、医療経済的な貢献にもつながると期待しています」とコメントしている。■参考文献1)平成27年度(2015年度)国内基盤技術調査報告書「60疾患の医療ニーズ調査と新たな医療ニーズII」【分析編】. 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団. 2016.2)Miura K, et al. Circ J. 2013;77:2226-2231.3)西村誠一郎ほか. 血圧. 2018;25:364-376.■参考日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 プレスリリース

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複合型ADHD児における運動能力がADHD症状と睡眠問題に及ぼす影響

 複合型注意欠如多動症(ADHD-Combined Type:ADHD-CT)の小児は、睡眠や運動に関する問題を有する割合が高いといわれている。オーストラリア・ディーキン大学のNicole Papadopoulos氏らは、小児においてADHD-CTの有無にかかわらず、運動能力がADHD症状と睡眠問題との関係を緩和するか、この緩和によりADHD診断に違いがあるかについて検討を行った。Behavioral sleep medicine誌オンライン版2018年3月12日号の報告。 対象は、8~15歳の初等教育男児70例。その内訳は、ADHD-CT群38例(平均年齢:10歳2ヵ月[SD:1歳6ヵ月])、対照(典型的な発達)群32例(平均年齢:9歳6ヵ月[1歳5ヵ月])。運動能力の評価はMovement Assessment Battery for Children第2版(MABC-2)、ADHD症状の評価はConners' Parent Rating Scale(CPRS)、親より報告された睡眠問題の評価はChildren's Sleep Habits Questionnaire(CSHQ)を用いて、それぞれ測定した。 主な結果は以下のとおり。・ADHD症状スコアが高く、運動能力スコアが低い小児において、睡眠問題がより多く報告された。・緩和効果は、ADHD-CT群で認められたが、対照群では認められなかった。 著者らは「本知見は、運動能力の低下したADHD症状がより重症な小児では、睡眠問題リスクが高くなる可能性があることを示唆している。睡眠介入を含むADHD-CT児の睡眠問題のリスクファクターを検討する際には、運動能力を考慮することの重要性も示唆している」としている。■関連記事ADHD発症しやすい家庭の傾向日本でのADHDスクリーニング精度の評価:弘前大学ADHDの小児および青年における意図しない怪我のリスクとADHD薬の影響

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