パンクレリパーゼは膵がん患者の生存期間を延長する可能性

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ケアネット

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 パンクレリパーゼの投与により膵がん患者の生存期間が延長したことが、東京大学の斎藤 友隆氏らの研究によって明らかになった。Pancreas誌2018年8月号に掲載。

 膵外分泌不全は膵がん患者の栄養状態を悪化させる疾患であるが、それに対する膵酵素補充療法の役割については評価が十分にされていない。そこで、膵がん患者への膵酵素補充療法の役割を評価するために、著者らは多施設非盲検ランダム化比較試験を実施した。

 本研究では、化学療法を受けている切除不能な膵がん患者を、パンクレリパーゼ群と非パンクレリパーゼ群にランダムに割り当てた。パンクレリパーゼ群には、酵素活性が4万8,000ユニットのパンクレリパーゼを毎回の食事で投与した。ベースラインでは、NBT-PABA試験が行われた。主要評価項目は8週時点でのBMI変化、副次評価項目は全生存期間と8週時点での栄養状態変化とした。

 主な結果は以下のとおり。

・2014年5月~2016年5月の間で、88人の膵がん患者に対してNBT-PABA試験が行われ、患者の膵機能は通常の90%に低下していた。
・8週時点でのBMI変化は、パンクレリパーゼ群で0.975、非パンクレリパーゼ群で0.980であり、両者に有意差は認められなかった。
・栄養状態に関しても、両者で有意差は認められなかった。
・全生存期間中央値は、パンクレリパーゼ群で19.0ヵ月、非パンクレリパーゼ群で12.0ヵ月であった。(p=0.070)

(ケアネット 生島 智樹)

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