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dupilumab、好酸球数増多を伴う喘息患者の増悪を抑制/NEJM

 新たな抗体医薬dupilumabは、吸入ステロイド薬+長時間作用型β2刺激薬(LABA)でコントロール不十分な好酸球増多を伴う中等症~重症の持続型喘息患者の治療において、これらの併用薬を中止後もプラセボに比べ増悪を高度に抑制することが、米国・ピッツバーグ大学のSally Wenzel氏らの検討で示された。dupilumabはインターロイキン(IL)-4受容体のαサブユニットに対する完全ヒトモノクローナル抗体で、2型ヘルパーT(Th2)細胞経路の主要なサイトカインであるIL-4およびIL-13双方のシグナル伝達を遮断することから、Th2細胞経路関連疾患の治療薬としての評価が進められている。本報告は第109回米国胸部学会(ATS、5月17~22日、フィラデルフィア)で発表され、NEJM誌オンライン版2013年5月21日号に掲載された。増悪抑制効果をプラセボ対照無作為化第IIA相試験で評価 研究グループは、好酸球増多を伴う中等症~重症の持続型喘息患者に対するdupilumabの有効性および安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化第IIa相試験を実施した。 対象は、18~65歳、中~高用量の吸入ステロイド薬(フルチカゾン)+LABA(サルメテロール)でコントロールが不十分な、血中好酸球数≧300/μLまたは喀痰中好酸球濃度≧3%の中等症~重症の持続型喘息患者。これらの患者が、dupilumab群(300mg)またはプラセボを週1回皮下投与する群に無作為に割り付けられ、12週の治療が行われた。 割り付けから4週後にLABAを中止、6週後から3週をかけて吸入ステロイド薬を漸減して9週目に中止し、以降はdupilumabのみを12週目まで投与した。 主要評価項目は喘息の増悪、副次的評価項目は喘息コントロールの指標とし、Th2細胞関連バイオマーカーや安全性についても検討を行った増悪を87%抑制、FEV1、起床時PEF、ACQ5スコアも改善 2011年3月~2012年10月までに米国の28施設から104例が登録され、dupilumab群に52例(平均年齢37.8歳、男性50%、喘息罹患期間24.2年、過去2年間の平均喘息増悪回数1.4回、血中好酸球数0.55×10-9/L)、プラセボ群にも52例[41.6歳、50%、26.9年、1.4回、0.47×10-9/L(p=0.04)]が割り付けられた。 喘息増悪の発症率はdupilumab群が6%(3/52例)と、プラセボ群の44%(23/52例)に比べ有意に低下した(オッズ比[OR]:0.08、95%信頼区間[CI]:0.02~0.28、p<0.001)。これは、dupilumabにより増悪のリスクが87%抑制されたことを意味するという。増悪による入院例は両群ともにみられなかった。 増悪までの期間はdupilumab群がプラセボ群に比べ延長し、Kaplan-Meier解析による12週時の増悪率はdupilumab群が有意に良好だった(0.06 vs 0.46、OR:0.10、95%CI:0.03~0.34、p<0.001)。すべての副次的評価項目がdupilumab群で良好で、ベースラインから12週までの1秒量(FEV1)の変化(p<0.001)のほか、起床時最大呼気流量(PEF)(p=0.005)、5項目からなる喘息コントロール質問票(ACQ5)スコア(p=0.001)などには有意差が認められた。 12週後の呼気中一酸化窒素濃度(FENO)、TARC(Thymus and Activation-Regulated Chemokine)、eotaxin-3(CCL26)、IgEは、いずれもdupilumab群がプラセボ群よりも有意に低下した(すべてp<0.001)。YKL-40、がん胎児性抗原(CEA)には有意差はみられなかった。 治療関連有害事象の発現率はdupilumab群が81%、プラセボ群は77%であった。このうち重篤な有害事象はそれぞれ2%、6%、有害事象による治療中止は6%、6%だった。dupilumab群で多い有害事象として、注射部位反応(29 vs 10%)、鼻咽頭炎(13 vs 4%)、悪心(8 vs 2%)、頭痛(12 vs 6%)などが確認された。 著者は、「吸入ステロイド薬+LABA投与中の好酸球数増多を伴う中等症~重症の持続型喘息患者の治療において、dupilumabはこれらの併用薬を中止後もプラセボに比べ増悪を高度に抑制し、Th2細胞関連炎症マーカーを低下させた」と結論している。

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閉塞性肺疾患の増悪に対する新たな非侵襲性バイオマーカーとなるのは?

 閉塞性肺疾患の増悪の診断において、非侵襲性バイオマーカー、とくに喀痰中のインターフェロンγ誘導タンパク(IP-10)、ネオプテリン、呼気濃縮液(Exhaled breath condensate:EBC)のpHは有用な非侵襲性バイオマーカーとなりうることが、オーストラリア ・セントビンセント病院のGeoffrey Warwick氏らによって報告された。Respirology誌オンライン版2013年3月25日号の掲載報告。  現在の気管支喘息やCOPDにおける増悪の診断法は、それぞれの病因や病態生理にほとんど光を投じていない。こうした状況の下、非侵襲性バイオマーカーが有用となる可能性がある。  本試験では、気管支喘息の増悪の既往を有する患者28人、COPDの増悪の既往を有する患者29人、呼吸器感染症を有するコントロール患者28人を対象に、呼吸器症状、EBC、誘発喀痰、CRPの分析を行った。対象患者には回復後、再び同様の検査を実施した。EBCおよび誘発喀痰中のタンパク、過酸化水素、インターフェロンγ誘導タンパク(IP-10)、ネオプテリン、IL-6、IL-8、ロイコトリエンB4(LTB4)、TNF-αの分析に加え、誘発喀痰細胞数とEBCのpHも分析した。  主な結果は以下のとおり。・EBCのpHは、増悪期の患者では回復期と比較して有意に低かった(p<0.001)。・誘発喀痰の上澄み液中のインターフェロン誘導タンパク質10(IP-10)およびネオプテリンは増悪期で有意に増加していた(それぞれ、増悪期vs 安定期:188.6 ± 102.1 vs 5.40 ± 1.28 pg/ml, p=0.006、 15.81 ± 2.50 vs 5.38 ± 0.45 nmol/L, p<0.0001)。同様に、TNF-αも有意に増加していた(137.8 ± 49.64 vs 71.56 ± 45.03 pg/ml, p=0.018)。・その他のバイオマーカーについては、増悪期と回復期で有意な差が認められなかったが、増悪期では末梢血のCRPが上昇していた。

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難治性の慢性特発性蕁麻疹、オマリズマブで症状改善/NEJM

 慢性特発性蕁麻疹(chronic idiopathic/spontaneous urticaria)で抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)の高用量投与でも症状が改善されない患者について、抗IgEモノクローナル抗体オマリズマブの投与により症状が改善されたことが、ドイツ・Charite-UniversitatsmedizinのMarcus Maurer氏らによる第3相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、報告された。慢性特発性蕁麻疹患者の多くが、抗ヒスタミン薬の高用量投与でも症状が改善しない。抗IgE抗体オマリズマブ(商品名:ゾレア、本邦での適応は気管支喘息)の有効性については第2相試験で示され、本試験では有効性と安全性が検討された。NEJM誌オンライン版2013年2月24日号掲載報告より。323例をオマリズマブ75mg、150mg、300mg群とプラセボ群に割り付け検討 第3相試験は、成人および12歳以上の中程度~重度の慢性特発性蕁麻疹患者(抗ヒスタミン薬治療が無効)を対象とした28週間にわたるオマリズマブ治療の有効性と安全性を検討することを目的とした。 466例の患者がスクリーニングを受け、323例(42.5±13.7、76%が女性、平均体重82.4±21.9kg)が3つの皮下注治療(75mg、150mg、300mg)群またはプラセボ群に無作為化された。治療は4週間隔で行われた。12週の治療期間終了後、16週間にわたって追跡が行われた。 主要有効性アウトカムは、かゆみ重症度スコアのベースラインからの変化で週単位で評価が行われた(範囲:0~21週、最高スコアが最も重症度が高いことを示す)。150mg、300mg群で有意に症状が改善、重大有害イベントは300mg群が高い ベースラインのかゆみ重症度スコアは、年齢階層や性別、体重、罹患期間など、全4群において14階層群から得ていた。 12週時点において、プラセボ群のスコアのベースラインからの変化は、平均-5.1±5.6であり、75mg群は-5.9±6.5(p=0.46)、150mg群は-8.1±6.4(p=0.001)、300mg群は-9.8±6.0(p<0.001)であった。また同時点での、事前特定の副次アウトカムについてはほとんどが同等性を示した。有害事象の頻度も同程度であった。 重大な有害イベントの発生は概して低かったが、300mg群(6%)で、プラセボ群(3%)や75mg群および150mg群(いずれも1%)よりも高率だった。

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Dr.中野のこどものみかたNEO

第1回「小児気管支喘息最前線 ! 」第2回「使ってみよう ! こどもに漢方」第3回「ワクチン(1) Hib,肺炎球菌」第4回「ワクチン(2) 子宮頸癌の予防ワクチンとHPV」 第1回「小児気管支喘息最前線 ! 」他科領域で“最も難しい”、“なるべくなら回避したい”とされる小児科。小児の特異性は成人を診ることが多い医師にはどうしても判断しにくいものです。このシリーズでは、一般内科医の「診断はどうすれば良いのか?」「治療薬の処方は?」などの疑問に小児科専門医が答えるQ&A形式でわかりやすくお伝えしていきます。新米ママでもある馬杉先生が臨床現場の生の声をぶつけます。2008 年に改訂されたガイドラインを基軸に、現在の小児・乳児の気管支喘息の診断や治療、そして保護者への具体的な指導内容とその方法を徹底的に解説します。医師のみならず薬剤師や看護師など、小児と保護者に接する機会のある全ての医療従事者にご覧いただける内容です。第2回「使ってみよう ! こどもに漢方」最近では一般の医師でも漢方を処方したり、西洋薬と併用使用したりするケースが増えてきましたが、逆に情報通の保護者から漢方処方を依頼されることもあるのではないでしょうか。夜泣きや疳の虫、引きつけなど小さなこどもに多くみられる特有の症状。病気とはいえないがママ達には大変なストレス ! 漢方はそんな症状にズバリ著効することが多々あるのです。もちろん、嘔吐や下痢、発熱、くしゃみ鼻水といった一般的な症候によく効く漢方薬もあります。比較的小児に用い易い漢方処方を取り上げ、症例に沿って紹介します。大流行したノロウイルス感染症に効果のある「五散」のほか、「抑肝散」の母子同服という裏ワザ、そして服薬指導も行います。苦手意識をもたずに先ずは実践してみてください。第3回「ワクチン(1) Hib,肺炎球菌」Hib(インフルエンザ菌b型)と肺炎球菌(7価混合型)の2 種のワクチンについて学習します。Hib も肺炎球菌も、細菌性髄膜炎や中耳炎、肺炎、ときには菌血症といった非常に深刻な感染症を引き起こす菌。こどもが保育園などに通い始めると1年あまりで保菌率が飛躍的に上昇します。そのため家族に高齢者がいれば飛沫感染で影響を及ぼすこともあります。これらのワクチンは、世界的には非常にポピュラーでありWHO でも定期接種が勧められていながら日本では認知度も接種率も低かったのですが、2011 年度から公費助成での接種が始まりました。公衆衛生や集団免疫の観点からも、小児科医だけでなく全ての医師と医療従事者がきちんと知っておく必要がありますので、この機会に是非ワクチンの知識を身につけてください !第4回「ワクチン(2) 子宮頸癌の予防ワクチンとHPV」第4回は小児疾患ではなく、子宮頸がんとそのワクチンについて学習します。近年急増傾向にあり、特に20 代から30 代女性の罹患と発症が問題となっています。子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルス感染症によって引き起こされ、日本では成人女性の実に4 割以上がHPV に感染しているという驚くべき感染症です。タイプによっては予後が非常に悪く発症後の死亡率も高いため「Mother killer」と呼ばれています。にも関わらず日本では定期検診受診率が低くワクチンに関しても浸透しておらず、医師を含む医療従事者の間でさえ認知度が高いとはいえませんでした。しかし、2009 年12月から一般の医療機関でワクチン接種が可能となり、国と市町村の公費助成がはじまったため、婦人科以外で問合せを受ける可能性もあります。ワクチンで予防可能ながんをよく知り、その重要性を患者さんに啓蒙できるようになることが、これからの医療には求められるのではないでしょうか。

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Dr.林の笑劇的救急問答5

第3回「さ、さ、酸素! ~一酸化炭素中毒~」第4回「さ、さ、酸素! ~気管支喘息~」 第3回「さ、さ、酸素! ~一酸化炭素中毒~」一酸化炭素(以下CO)中毒は、案外日常生活の中や事件・事故現場に潜んでいます。しかし、疑わないと分からないのがCO中毒の落とし穴。患者さんの主訴や血液検査の結果だけでは見逃してしまう事もあります。何を、どう疑えば診断に辿り着けるのか、そしてCO中毒と診断した場合どのように戦えばいいのか、習得してください。 40歳男性 頭痛と嘔吐を主訴に来院。本人は食あたりを主張するが下痢はない…。 家具工場の火事から救出された三人の男性。それぞれの状態に合せどう対応すればいいのか?第4回「さ、さ、酸素! ~気管支喘息~」気管支喘息は非常によくある疾患で、夜間外来などにも老若男女を問わず来院します。重症の患者さんが徒歩で来院することも決して珍しくありません。また「吸入で改善するだろう」などと甘く見ていると吸入薬が効かなかったり、来院後にみるみる具合が悪くなっていくケースもあります。そんなとき、次の一手はどうするか? 様々な戦術をDr.林が披露します ! 27歳女性 喘息発作で来院。呼吸困難でピークフローは100l/min SpO2 88% 75歳男性 夜間、喘息発作で救急へ。気管支拡張薬やステロイドが著効しない…。

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小児期の吸入グルココルチコイド服薬と発育との関連/NEJM

 思春期前の小児における吸入グルココルチコイドの使用は、服薬開始後数年間の発育を低下し、大人になった時の身長は低くなるが、発育の低下は進行も累積もしないことが明らかにされた。米国・ニューメキシコ大学のH. William Kelly氏ら小児喘息マネジメントプログラム(CAMP)研究グループが、「服薬開始後1~4年の発育の低下が、成人でも発育を低下するとは考えられない」として、同プログラム参加者を対象に調査した結果で、NEJM誌2012年9月6日号(オンライン版2012年9月3日号)にて発表した。試験開始時にブデソニド、ネドクロミル、プラセボ投与群に無作為化 研究グループは、CAMP(Childhood Asthma Management Program)の参加者1,041人のうち943人(90.6%)について、平均24.9±2.7歳時の成人身長を測定・評価した。被験者は5~13歳時の試験開始時に、ブデソニド(商品名:パルミコート)400μg/日投与群、ネドクロミル(国内未承認)16mg/日投与群、プラセボ投与群の、いずれかに無作為に割り付けられ4~6年の間投与を受けた。人口統計学的特性、喘息の特性、試験登録時の身長を調整した多重線形回帰分析を用いて、各治療群の成人身長を算出し、プラセボ群と比較した。身長格差は吸入服薬開始後2年間、1日投与量が増すほど大きく結果、平均成人身長は、プラセボ群と比較してブデソニド群は1.2cm低く(95%信頼区間:-1.9~-0.5、p=0.001)、ネドクロミル群は0.2cm低かった(同:-0.9~0.5、p=0.61)。最初の2年間、吸入グルココルチコイドの1日投与量が多いほど成人身長は低くなる関連(1μg/kg体重につき-0.1cm)が認められた(p=0.007)。ブデソニド群のプラセボ群に対する成人身長の格差は、治療2年後時点で認められた格差(-1.3cm:95%信頼区間:-1.7~-0.9)と同等であった。ブデソニド群の最初の2年間の発育速度の低下は、主に思春期前の被験者で認められた。

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チオトロピウムによる喘息患者の肺機能改善

 2012年欧州呼吸器学会(ERS)総会にて、ベーリンガーインゲルハイムは、喘息患者を対象とした包括的な第3相臨床試験PrimoTinA-asthma試験結果の一部を発表した。 PrimoTinA-asthma試験は2つの二重盲検並行群間比較試験からなる第3相臨床試験。高用量ICSとLABAの併用治療を受けており、気管支拡張剤投与後の1秒量が予測値の80%未満、喘息管理質問票(ACQ)スコアが1.5以上の喘息患者912人を、チオトロピウム(5μgレスピマットソフトミスト吸入器使用)または、プラセボ群に分け、それぞれ48週間上乗せ投与した。 主要評価項目である肺機能(投与24週間後のピークFEV1とトラフFEV1)は、プラセボ群と比べチオトロピウム投与群で有意に改善した。また、重度の喘息増悪については、プラセボ群に比べチオトロピウム投与群で初回の重度の喘息増悪までの期間を有意に遅らせ、そのリスクを抑制した(HR= 0.79、P=0.03)。さらに、チオトロピウム投与群は、すべての喘息増悪のリスクを抑制した(P

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成人気管支喘息治療薬「シムビコートタービュヘイラー」による頓用吸入する治療法が承認

アステラス製薬株式会社とアストラゼネカ株式会社は22日、成人気管支喘息治療薬シムビコートタービュヘイラーによる維持療法に加えて頓用での吸入が新たな用法・用量として承認取得されたことを発表した。シムビコートタービュヘイラーは、1日2回投与のドライパウダー吸入式の喘息治療配合剤として、2010年1月に発売された。新たに承認された1日2回投与の定期吸入に加えて頓用吸入する治療法では、まず発作発現時に1吸入し、数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入することができるという。必要に応じてこれを繰り返すことができるが、1回の発作発現につき最大6吸入までとなっている。シムビコートタービュヘイラーは、1剤で気管支喘息の病態である気道炎症と気道狭窄の両方に優れた効果を示すのが特徴。喘息患者の多くは「季節の変わり目の気温差」や「ウイルス感染」など何らかの刺激を受けることで炎症が悪化し、症状の発現や増悪を経験してしまうことが報告されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2012/12_6_22_1.html

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喘息治療・理想と現実のギャップ ―25,000人の喘息患者と5,000人の医師に対する実態調査―

2010年4月20日、東京大手町サンケイプラザにてアステラス製薬株式会社/アストラゼネカ株式会社による喘息プレスセミナーが開催された。セミナーでは、帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー学教授の大田 健氏が「喘息治療・理想と現実のギャップ」と題して講演を行った。大田氏は、気管支喘息の治療と管理のあり方に対する理想と現実のギャップについて、「ACTUAL II」という実態調査の結果を紹介した。本調査は、医師5,000名とその医師が診療している患者25,000名を対象に、調査票記入郵送法により2009年7月~10月に行われた。有効回答数は、患者24,150名、医師4,766名であった。回答した医師のうち、診療所・医院・クリニックに所属する医師は91.3%を占め、「喘息の治療実態を如実に反映している」と大田氏は話した。調査の結果から、およそ9割の対象患者が配合剤を含む吸入ステロイド剤を処方されていたが、52%の患者は、喘息のコントロールが不十分であることがわかった。また、53%の患者は服薬を遵守できていなかった。服薬遵守率は低いほど、コントロール不十分の割合が上昇することも明らかになった。この原因として大田氏は「喘息の病態ついて、医師と患者の理解・認識にギャップがあること」を挙げている。喘息の基本的かつ重要な病態である「気道の炎症が原因である」という点について、90%の医師が「説明している」と認識している一方で、「説明を受けた」とする患者は44.3%にとどまっていた。一方、現治療に対する満足度に関しては、患者はおおむね満足していることがわかった(10点満点中7.7点が平均)。しかし、満足度が高い患者群においても、コントロール不十分の割合は3割を超えることが明らかになった。患者の治療満足度に対する影響度を重回帰分析で調べたところ、最も影響した因子は、「長期にわたって発作のない安定した生活が送れる」と「数分で症状が消失し、長時間安定した状態が続く」であった。このことから、喘息患者では、ある程度の症状が起こるのは、仕方がないことと諦めてしまっている可能性が示唆された。最後に、大田氏は「喘息の治療目標は、健常人と変わらない生活を送ることです。喘息の病態に対する理解を深め、医師・患者ともに、このゴールを目指していけるようにしたい」と講演を締めくくった。(ケアネット 呉 晨/吉田 直子)

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喘息治療の新展開 ―2剤目の配合剤が登場―

2009年12月4日、日本記者クラブにて開催された喘息プレスセミナー(主催:アステラス製薬株式会社/アストラゼネカ株式会社)で、昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科部門教授の足立満氏が「日本の喘息治療の現状と新展開」について講演を行った。近年、わが国の喘息の死亡率は、吸入ステロイド薬の普及に伴い、大きく低下し続けている。その減少率は主要疾患の中でもひと際目立つといえる。しかし、人口10万人あたりの喘息死亡率は1.9人(2008年)と、フィンランドの0.3人(2003年)、米国の1.3人(2004年)に比べ、先進国中では、依然高いのが現状である。その理由としては、喘息治療が進んでいる北欧に比べ、わが国の吸入ステロイド薬の使用率が低いことがあげられている1)。吸入ステロイド薬使用率の低さの原因としては、吸入手技の指導やステロイド薬に対する不安があるものの、足立氏は別の視点で見る必要があると話した。今年3月に行ったインターネットの調査によると、喘息治療に用いる吸入薬に期待する特性としては、医師は「効き目の速さ」と、発作・増悪の抑制といった「効果の持続」を同程度に重要視している一方で、患者さんのおよそ8割は「効き目の速さ」を期待している。つまり、「症状消失に対する患者ニーズが高い」現状に対して、吸入ステロイド薬は、速やかな症状消失効果はないため、治療の実感が得られないというギャップがあると考えられる。2009年10月に承認されたシムビコートは、吸入ステロイド薬のブデソニドと即効性・長時間作用性吸入β2刺激薬のホルモテロールからなる配合剤である。本剤1剤で気管支喘息の病態である気道炎症・気道狭窄両方に対して優れた効果を示す。また、本剤に含まれるホルモテロールは、吸入3分後にも呼吸機能を大きく改善し、強い気管支拡張効果を持続的に発揮することから、患者さんは治療効果を実感しやすく、アドヒアランスの向上が期待される。喘息予防・管理ガイドライン2009では、治療ステップ2から、配合剤の使用が認めてられている。今後、配合剤の普及が期待される。最後に、足立氏は、喘息の治療における配合剤の有用性は明らかであり、長期にわたる優れた喘息コントロールと速やかな効果発現を示すシムビコートは、今後日本の喘息治療に変化をもたらす薬剤ではないかと講演を締めくくった。(ケアネット 呉 晨/吉田 直子) 出典:1) 足立満ほか:アレルギー 51: 411-420, 2002.2) 足立満ほか:アレルギー 57: 107-120, 2008.3) K.F. Rabe et al.: Eur Respir J 16: 802-807, 2000.4) 大田健ほか:アレルギー・免疫 16: 1430-1440, 2009.

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成人気管支喘息治療薬「シムビコートタービュヘイラー」製造販売承認取得

アストラゼネカ株式会社は16日、成人気管支喘息治療薬「シムビコートタービュヘイラー30吸入、同60吸入」の製造販売承認を取得したと発表した。同製品は、アストラゼネカ株式会社が製造・開発を担当、アステラス製薬株式会社が流通・販売を担当し、プロモーション活動は両社で行うという。 シムビコートタービュヘイラーは、1日2回投与の吸入喘息治療薬で、1回吸入量としてステロイド薬であるブデソニド160μg、および即効性・長時間作動型吸入β2刺激剤であるホルモテロールフマル酸塩水和物4.5μgを吸入器具(タービュヘイラー)より吸入するドライパウダー吸入式喘息治療配合剤。国内第III相臨床試験の結果、日本人成人気管支喘息患者において、本剤と吸入ステロイド薬(ブデソニド)とテオフィリン徐放性製剤の併用治療とを比較した際に本剤の臨床的有用性が示されるとともに、安全性については、両薬剤群ともに忍容性は良好であることが示された。また、長期投与(52週間)における本剤の良好な忍容性および有効性についても報告されている。シムビコートタービュヘイラーは、2000年に欧州で初めて承認され、現在では100を超える国と地域で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.astrazeneca.co.jp/activity/press/2009/09_10_16.html

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吸入ステロイド喘息治療剤 アズマネックス ツイストヘラー新発売

シェリング・プラウ株式会社は14日、吸入ステロイド喘息治療剤「アズマネックス ツイストヘラー 100μg 60吸入」(Asmanex Twisthaler)(一般名:モメタゾンフランカルボン酸エステル吸入用散剤)を新発売した。アズマネックスの効能・効果は「気管支喘息」で、通常成人には、モメタゾンフランカルボン酸エステルとして1回100μgを1日2回吸入投与する。アズマネックスは、米国シェリング・プラウ社が開発した合成ステロイドであるモメタゾンフランカルボン酸エステルを主成分とする気管支喘息治療剤で、強い局所抗炎症作用により優れた効果を示し、また吸入時の全身吸収性(絶対バイオアベイラビリティ)が約1%と低い。アズマネックスの吸入器であるツイストヘラーは、吸入時において、吸入器内の薬剤粒子を治療に理想的な粒子サイズに粉砕するため、中枢気道および末梢気道の肺全体への薬剤の送達率が約40%と高く、良好な炎症コントロールができるという。また、吸気力の弱い患者には吸入が難しいとされるドライパウダー製剤の弱点を克服し、患者の吸気力に左右されることなく、薬剤が安定して放出されるため、薬剤を確実に吸入することが可能になったとのこと。海外では2005年に米国で気管支喘息に対し承認を取得して以来、 2009年4月現在、60ヵ国以上で承認を取得している。日本における臨床試験においても効果および安全性が認められている。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

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アステラスとアストラゼネカが吸入喘息治療薬「ブデソニド・ホルモテロール配合剤」のコ・プロモーション契約締結

アストラゼネカ株式会社とアステラス製薬株式会社は4日、吸入喘息治療薬「ブデソニド・ホルモテロール配合剤(一般名)」の日本国内におけるコ・プロモーションについて、アストラゼネカ株式会社の関連会社であるスウェーデンのアストラゼネカABとアステラス製薬が契約書を締結したと発表した。ブデソニド・ホルモテロール配合剤は、1日2回投与の吸入喘息治療薬で、ステロイド剤であるブデソニドと即効性・長時間作用性β2刺激剤であるホルモテロールを配合し、ひとつの吸入器具に収めた薬剤。2000年にSymbicortの製品名で欧州において承認を取得して以降、100以上の国と地域で承認されている。日本では成人の気管支喘息を目標適応症として現在、承認申請中にあるほか、慢性閉塞肺疾患(COPD)の開発が進められている。ブデソニド・ホルモテロール配合剤の製造・開発はアストラゼネカが担当し、流通・販売はアステラス製薬が担当することになるが、プロモーション活動はアストラゼネカ株式会社とアステラス製薬が共同で行うとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-58.html

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アドエア、「COPD診断と治療のためのガイドライン」に安定期の薬物療法の選択肢として紹介される

グラクソ・スミスクライン株式会社(GSK)は9日、社団法人日本呼吸器学会より発行した「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第3版」にCOPDの安定期の薬物治療の選択肢として長時間作用性β2刺激薬/吸入ステロイド配合薬(「アドエア」)が紹介され、その改善効果に関する記述が掲載されたと発表した。「アドエア」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)は、GSKが2007年6月に成人の気管支喘息を適応として発売した薬剤で、本年1月にCOPDに対する追加適応を取得している。今回、改訂したガイドラインでは、COPDの安定期の治療について、気流閉塞の程度だけでなく、症状の程度(呼吸困難、運動能力の低下、繰り返す増悪)を加味し、重症度を総合的に判断した上で治療法を選択することとなった。薬物治療は、長時間作用性気管支拡張薬(長時間作用性抗コリン薬または長時間作用性β2刺激薬)をベースとして、吸入ステロイド薬等を追加することとされている。従来は、吸入ステロイド薬の追加はIII期(高度の気流閉塞)からとされているが、新たなガイドラインでは、より早い段階でも症状の程度に応じて使用を考慮することが推奨された。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_07/P1000563.html

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第5回クリニカルパス教育セミナー:開催ご案内 『そこが知りたい!地域連携パスの最前線』

日本クリニカルパス学会は、6月に大阪で、8月に東京で教育セミナーを開催します。ひとつの医療機関で治療が完結することは難しい時代にあって、ますます地域連携パスが注目を集めています。  今年のセミナーでは、がん、心臓病、糖尿病、肝炎、気管支喘息等の連携パスについて、アクティブに行っている施設から、講師をお迎えしました。疾患によって、連携パスの効果や課題が異なる部分もあると思いますし、医療機関として求められる性格による違いもあるでしょう。また職種ごとに果たす役割も考えたいところです。多くの医療者の皆さまにご参加頂き、連携パスへの理解を深めて頂ければ幸いです。 日時・場所大阪 2009年6月27日(土)〈千里ライフサイエンスセンター〉東京 2009年8月 1日(土)東京〈日本教育会館 一ツ橋ホール〉(地図)       定員:大阪400名、東京600名 参加費:5000円(資料代含む) 主催:日本クリニカルパス学会・医学書院 《関連リンク》日本クリニカルパス学会 ホームページhttp://www.jscp.gr.jp/index.html大阪会場プログラムほかhttp://www.jscp.gr.jp/info/2009kyouiku_oosaka.html東京会場プログラムほかhttp://www.jscp.gr.jp/info/2009kyouiku_tokyo.html

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ホクナリンテープにスピリーバへの追加効果が実証される

マルホ株式会社とアボット ジャパン株式会社は20日、ホクナリンテープ(一般名:ツロブテロール)が慢性閉塞性肺疾患の臨床診断基準を満たす安定期の慢性気管支炎や肺気腫に伴う閉塞性気道障害(以下COPD と略)を対象とした臨床研究で「スピリーバ吸入用カプセル18μg」(一般名:チオトロピウム)への追加効果を持つことが示されたと発表した。ホクナリンテープは、気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎および肺気腫にともなう気道閉塞性障害治療のための貼付型の長時間作用性β2刺激薬。アボット ジャパンと日東電工株式会社によって開発され、マルホを含めた3社で共同で販売されている。この臨床研究は、チオトロピウム単独またはホクナリンテープとチオトロピウム併用で、COPD患者に8週間にわたり投与した場合の有効性および安全性を比較したもの。試験は、合計103例の40歳以上のCOPD患者を対象に、無作為にチオトロピウム単独群(チオトロピウム18μg/日)またはチオトロピウムとホクナリンテープの併用群(チオトロピウム18μg/日+ツロブテロール2mg/日)に割り付けて行われた。患者の背景(平均年齢、喫煙比率、他の気管支拡張剤の併用率)は2群間に有意差はなかったという。BAREC(Beta-2 Agonist Research and Evaluation committee in COPD)研究会の和歌山県立医科大学内科学第三講座 教授 一ノ瀬正和氏らによる本試験の結果は、現地時間5月19日、サンディエゴで開催された米国胸部学会議(ATS)において発表された。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.maruho.co.jp/pdf/200905/0905hokunarintape_pr_jpn.pdf

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日本初のカウンター付吸入用エアゾール剤喘息治療配合剤「アドエア 50エアー120吸入用」発売

グラクソ・スミスクライン株式会社は、4月6日に喘息治療配合剤「アドエア 50エアー120吸入用」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)を発売した。同剤は、1月21日に成人および小児の気管支喘息を適応として製造販売承認を取得したもので、3月13日に薬価収載された。アドエア 50エアー120吸入用には、喘息治療用の吸入用エアゾール剤としては日本で初めてドーズカウンターがつき、残りの使用回数の確認が可能となった。アドエアは、気管支拡張作用を持つ長時間作動型吸入β2刺激薬(サルメテロールキシナホ酸塩)と抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬(フルチカゾンプロピオン酸エステル)をひとつの吸入器具におさめた配合剤。海外では1998年に欧州で承認されて以来、喘息およびCOPD(慢性気管支炎・肺気腫)の治療薬として130ヵ国以上で承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_01/P1000543.html

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日本の医師の93%がアレルギー性鼻炎を喘息のリスクファクターと認識

万有製薬株式会社は、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.がグローバルで実施した気管支喘息に関する調査「The Asthma Management Survey」より、日本の医師および患者の気管支喘息とアレルギー性鼻炎との関連性に対する認識についての結果をまとめ、発表した。この調査は、2007年12月から2008年2月にかけて、日本、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、メキシコの6ヵ国において、計450名の医師と計757名の気管支喘息患者を対象に、インターネット上で実施されたもの。日本の医師、患者における主な結果は、気管支喘息とアレルギー性鼻炎は関連があると回答した医師は84%、アレルギー性鼻炎の症状があるときに気管支喘息が悪化すると回答した患者は59%、アレルギー性鼻炎を気管支喘息のリスクファクターと考えている医師は93%であった。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2009/product_news_0331.html

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気管支喘息治療剤「ゾレア」の製造販売承認を取得

ノバルティスファーマ株式会社は21日、気管支喘息治療薬の抗体医薬では国内初となる「ゾレア皮下注用」(一般名:オマリズマブ(遺伝子組換え)の承認を取得したと発表した。「ゾレア」は、アレルギー反応に関与しているIgEに直接結合し、その作用を特異的に阻害することで、喘息の病態の根底にあるアレルギー炎症反応を抑制する。気管支喘息治療薬として開発された世界初のヒト化抗ヒトIgEモノクローナル抗体で、2週間または4週間ごとに皮下注射することで、これまでの喘息治療薬とは異なる作用機序で効果を発揮する。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090121_03.html

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喘息治療配合剤「アドエア」、小児の気管支喘息とCOPDの適応追加 

グラクソ・スミスクライン株式会社は、1月21日付で喘息治療配合剤「アドエア」(一般名:サルメテロールキシナホ酸塩・フルチカゾンプロピオン酸エステル)について、小児気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の適応追加の承認、さらに剤型追加としてエアゾール剤の製造販売承認を取得したと発表した。小児の気管支喘息については、迅速審査品目として審査されたもの。また、COPDの適応は、吸入ステロイド薬を有効成分とする薬剤として国内で初めての承認。詳細はプレスリリースへhttp://glaxosmithkline.co.jp/press/press/2009_01/P1000520.html

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