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境界性パーソナリティ障害患者の症状把握に期待!「BPDSI-IV」は有用か?

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、患者の機能的能力を低下させる深刻な疾患であり、医療経済的な損失が大きい。BPDの症状を短期的に評価可でき、臨床評価や治療アウトカムの研究に適用可能な、信頼性と妥当性が担保されたツールが求められている。フィンランド・オウル大学のLeppänen Virpi氏らは、境界性パーソナリティ障害患者の重症度を評価するために、BPDSI-IVが有効であるかどうかを、フィンランドにおいて初めて検討した。Nordic journal of psychiatry誌オンライン版2012年12月11日号の報告。 フィンランドのBPD患者に対しBPDSI-IVインタビューを行い、心理学的特性を評価した。本研究は、通常治療と専門家による治療の有効性を比較した無作為化試験monocentre Oulu-BPD試験の一部である。対象は、2年間の無作為化比較試験に登録されたBPD患者71例。最近のBPD症状を評価するためにBPDS-IVを用いた。フィンランドの患者サンプルにおけるBPDSI-IVの内的整合性は、クロンバックの α係数(Cronbach's alpha coefficient)と平均I-T相関分析を用い評価した。判別の妥当性は、フィンランドのBPD患者とオランダのBPD患者、非患者群を比較することにより検討した。 主な結果は以下のとおり。・クロンバックの α係数は0.58~0.79であり、解離性が最も高く、関係性が最も低かった。・9項目のうち5項目のサブスケールが許容範囲を超えていた(≧0.70)。・平均I-T相関に関しては、9項目のうち7項目のサブスケールが許容範囲内であった(≧0.30)。・BPDSI-IVはBPD患者の重要度や症状変化を測定するうえで、有用であると考えられる。関連医療ニュース境界性人格障害の自殺対策へ期待「DBT PEプロトコール」パイロット試験境界性人格障害患者の自殺予防のポイントはリハビリ うつ病や拒食症の女性は…「感情調節が困難」

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EPA/DHAはADHD様行動を改善する可能性あり?

 ノルウェー・オスロ大学のKine S Dervola氏らが行ったラット試験の結果、ADHDに対し、ω3(n-3系)多価不飽和脂肪酸(PUFA)のサプリメントを投与することにより、挙動や神経伝達物質代謝について、性特異的な変化をもたらすことが示された。先行研究において、n-3系PUFAサプリメントがADHD様行動を減じる可能性が示唆されていた。Behavioral and Brain Functions誌オンライン版2012年12月10日号の掲載報告。 本研究の目的は、ADHD動物モデルにおけるn-3系PUFA投与の影響を調べることであった。高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて、n-3系PUFA(EPAとDHA)強化飼料(n-6系 対 n-3系の割合1:2.7)を妊娠期間中、およびその産児に死亡するまで投与し続けた。SHRコントロール群とWistar Kyoto(WKY)ラットのコントロール群には、対照飼料(n-6系 対 n-3系の割合7:1)が与えられた。産児は生後25~50日の間、強化-依存的な注意力、衝動性、多動性および自発運動について検査を受けた。その後、55~60日時点で処分し、モノアミン、アミノ酸神経伝達物質に関して、高速液体クロマトグラフィーにて解析した。 主な結果は以下のとおり。・n-3系PUFA給餌により、オスのSHRでは強化-依存的な注意力の改善が認められたが、メスではみられなかった。・同一ラットでの新線条体の解析において、オスのSHRでは、ドパミンとセロトニン代謝率の有意な上昇が示されたが、メスのSHRでは、セロトニン分解代謝が上昇したことを除き、変化はみられなかった。・対照的に、オスとメスの両方のSHRで示されたのが、非強化の自発運動の低下と、グリシン値およびグルタミン代謝の性非依存的変化であった。・n-3系PUFAはADHDラットモデルにおいて、強化刺激行動において性特異的な変化をもたらし、非強化関連行動において性非依存的な変化をもたらすことが示された。それらは、シナプス前部線条体モノアミンとアミノ酸伝達シグナルとそれぞれ関連があった。・以上のことから、n-3系PUFAの摂取は、ADHD様行動(男性では強化誘発メカニズム、男女ともでは強化無反応メカニズム)をある程度改善する可能性が示された。関連医療ニュース ・うつ病予防に「脂肪酸」摂取が有効? ・統合失調症患者の脳組織喪失に関わる脂肪酸、薬剤間でも違いが ・抗てんかん薬の処方、小児神経科医はどう使っている?

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オキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者の症状を改善

 統合失調症患者に対して、オキシトシンを投与することで症状改善につながるとの先行研究がある。しかし、それらは短期間の研究にとどまっており、統合失調症患者に対するオキシトシン投与について、3週間超のエビデンスは存在しなかった。イラン・テヘラン医科大学Roozbeh精神病院のAmirhossein Modabbernia氏らは、リスペリドンによる治療を受けている統合失調症患者にオキシトシン鼻腔内スプレーを8週間併用し、有効性と忍容性についてプラセボと比較検討した。その結果、オキシトシン鼻腔内投与により統合失調症患者の症状、なかでも陽性症状が著明に改善されることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2012年12月12日号の掲載報告。 本研究は、統合失調症患者におけるオキシトシン鼻腔内スプレーの有効性と忍容性を評価することを目的とした、8週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験。DSM-IV-TRにて統合失調症と診断され、リスペリドン固定用量(5または6mg/日)の治療を少なくとも1ヵ月以上受けている患者40例(18~50歳男女)を対象とし、オキシトシン群またはプラセボ群に無作為に割り付けた。オキシトシン鼻腔内スプレーは、最初の1週間は20 IU(5スプレー)を1日2回投与し、以降は40 IU(10スプレー)を1日2回、7週間投与した。ベースライン時、2、4、6、8週後に、陽性・陰性症状評価尺度(Positive and Negative Syndrome Scale:PANSS)により評価を行った。主要アウトカムは、治療終了時におけるPANSSスコアの2群間の差とした。主な結果は以下のとおり。・全患者がベースライン後1回以上の評価を受け、37例(オキシトシン群19例、プラセボ群18例)が試験を完了した。・反復測定分散分析によると、PANSS総スコア[F(2.291,87.065) = 22.124、p<0.001]および陽性スコア[F(1.285,48.825) = 11.655、p = 0.001]、陰性スコア[F(2.754,104.649) = 11.818、 p < 0.001]、総合精神病理[F(1.627,61.839) = 4.022、 p = 0.03]サブスケールについて、相互作用による有意な効果がみられた。・8週後までに、オキシトシン群はプラセボ群に比べ、PANSSサブスケールの陽性症状について著明かつ有意な改善を示した(Cohen's d=1.2、スコアの減少20%vs. 4%、p<0.001)。・オキシトシン群はプラセボ群に比べ、PANSSサブスケールの陰性症状(Cohen's d=1.4、スコアの減少7%vs. 2%、p<0.001)、総合精神病理(Cohen's d=0.8、スコアの減少8%vs. 2%、p=0.021)においても統計学的に有意な改善を示したが、臨床的にはその差が実感されなかった。・オキシトシン群はプラセボ群に比べ、PANSSの総スコア(Cohen's d=1.9、スコアの減少11%vs. 2%、p<0.001)において有意な改善を示した。・有害事象の発現状況は、2群間で同程度であった。・以上のことから、リスペリドン併用下のオキシトシン鼻腔内投与は、統合失調症患者のとくに陽性症状を、忍容性を保ちつつ有効に改善することが示された。・本パイロット試験で得られた興味深い知見は、より大規模な母集団を用いて再現する必要がある。関連医療ニュース ・統合失調症治療にニコチン作動薬が有効である理由とは? ・統合失調症患者の認知機能改善にフルボキサミンは有効か? ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

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レベチラセタムは末梢性の鎮痛・抗浮腫作用を示す

 セルビア・ベオグラード大学のRadica M. Stepanovic-Petrovic氏らは、ラット炎症性疼痛モデルを用いて、レベチラセタムの末梢局所における鎮痛・抗浮腫作用とその作用機序について検討した。その結果、レベチラセタムはオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介して末梢性の鎮痛作用を示すことが明らかになった。Anesthesia & Analgesia誌2012年12月号(オンライン版2012年11月9日号)の掲載報告。 本研究は、ラット炎症性疼痛モデルにおいて、レベチラセタムの炎症局所における鎮痛・抗浮腫作用ならびにその作用機序を検討することを目的とした。ラット足底(paw)皮下にカラゲナンを注射して炎症性浮腫を惹起させ、レベチラセタム(200~1,000nmol/paw)および各種受容体アンタゴニストの鎮痛作用を足圧痛法により評価した。さらに、レベチラセタムの浮腫に及ぼす影響を体積変動測定法により測定した。検討した各種受容体アンタゴニストは以下。オピオイド受容体アンタゴニスト:ナロキソン(75~300nmol/paw)、CTAP(1~5nmol/paw)アドレナリン受容体アンタゴニスト:ヨヒンビン(130~520nmol/paw)、BRL 44408(50~200nmol/paw)、MK-912(5~20nmol/paw)アデノシン受容体アンタゴニスト:カフェイン(500~1,500nmol/paw)、DPCPX(3~30nmol/paw)5-HT受容体アンタゴニスト:メチセルギド(10~100nmol/paw)、GR 127935(50~200nmol/paw)GABA受容体アンタゴニスト:ビククリン(400nmol/paw) 主な結果は以下のとおり。・レベチラセタムは、用量依存的かつ有意な疼痛閾値の低下、足浮腫抑制作用を示した。・レベチラセタム(1,000nmol/paw)の鎮痛作用は、GABA受容体アンタゴニストのビククリンで抑制されなかった。一方で、オピオイド受容体アンタゴニスト、アドレナリン受容体アンタゴニスト、アデノシン受容体アンタゴニスト、5-HT受容体アンタゴニストにより有意に抑制された。・ラットの対側後足にレベチラセタム、各種受容体アンタゴニストを投与した場合に効果が観察されなかったことから、これらの作用は末梢性であると考えられた。・以上のことから、レベチラセタムは末梢局所で鎮痛ならびに抗浮腫作用を示し、その作用はオピオイド受容体、アドレナリン受容体、アデノシン受容体、5-HT受容体を介したものであることが示唆された。レベチラセタムは、全身性の副作用および薬物相互作用の出現を低く抑え、炎症性疼痛を改善させうる。■関連記事とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用レベチラセタム、部分てんかん患者に対する1年間の使用結果レビュー疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も抗てんかん薬レベチラセタム、日本人小児に対する推奨量の妥当性を検証

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統合失調症治療にニコチン作動薬が有効である理由とは?

 米国・Western New York Stem Cell Culture and Analysis CenterのM.K. Stachowiak氏らは、マウス試験の結果、FGF受容体シグナル伝達の変異が統合失調症に結びつく発達異常の中心的な役割を果たしており、統合失調症の治療についてニコチン作動薬が有効であることを示唆する知見を得た。Schizophrenia Research誌オンライン版2012年12月8日号の掲載報告。 統合失調症は、複数の神経システムの構造や結びつき、化学的作用を特徴とする神経発達障害であり、脳の発達障害は、成人期の初期に表れる臨床的な疾患症状よりずっと以前の妊娠期間中に確立されるとみられている。一方で、統合失調症には多数の遺伝子が関連しており、大半の患者に共通してみられる変異遺伝子の存在が認められていない。著者は、さまざまな変異遺伝子が統合失調症患者の脳でみられる複合的な一連の障害にどのように結びつくのかを検証した。 主な内容は以下のとおり。・著者は、さまざまな変異遺伝子からつくられるタンパク質が、共通の神経発達経路に収束し、複数の神経回路や神経伝達システムの発達に影響するのではないかと仮説を立てた。・そのような神経発達経路は、Integrative Nuclear FGFR1 Signaling(INFS)であった。・INFSには多様な神経性シグナル(直接的な遺伝子再プログラミングで、有糸分裂後に肝幹細胞や神経前駆細胞、未成熟な神経細胞の成長に直接働きかける)が集積される。・さらに、FGFR1とそのパートナータンパク質は、統合失調症と結びついた遺伝子が機能する複数の上位経路と結びつき、それらの遺伝子と直接的に影響し合う。・FGF受容体シグナル伝達の障害があるトランスジェニックマウスにより、複数の重要なヒト擬態統合失調症の特徴(神経発生的成因、出生時の解剖学的異常、行動症状の遅延発症、疾患の複数領域にわたる欠損、定型・非定型抗精神病薬とセロトニン拮抗薬およびニコチン受容体作動薬による症状の改善)が実証された。関連医療ニュース ・第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析 ・日本人女性の統合失調症発症に関連する遺伝子が明らかに ・統合失調症の遂行機能改善に有望!グルタミン酸を介した「L-カルノシン」

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双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か?

 双極性障害患者は薬物療法を継続してもなお、再発するケースが少なくない。再発抑制を目指し、近年注目されているのがマインドフルネス認知療法(MBCT)である。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のT Perich氏らは、12ヵ月間のフォローアップを行ったランダム化比較試験により、双極性障害患者の治療におけるMBCTの有用性を検証した。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2012年12月9日号の報告。 対象はDSM-IVで双極性障害と診断された患者95例。通常療法+MBCT実施群48例と通常療法単独群47例に無作為に割り付けた。主要評価項目は、DSM-IVの大うつ病、軽躁、軽躁エピソードの再発までの期間、モントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、ヤング躁病評価尺度(YMRS)とした。副次的評価項目は再発回数、うつ病・不安ストレススケール(DASS)、特性不安尺度(STAI)とした。 主な結果は以下のとおり。・気分エピソードの最初の再発までの期間、12ヵ月間の再発合計回数は両群間で有意な差が認められなかった(ITT解析)。・MADRS、YMRSのスコアも両群間で有意な差は認められなかった。・STAIの不安状態スコアにおいては、両群間に有意な差が認められた。・DASSのアチーブメントサブスケールの治療反応時間に有意な差が認められた。・今回の試験では、MBCTは主要評価項目に対する有用性は認められなかったものの、双極性障害に併存する不安症状の軽減に対し有効である可能性が示唆された。関連医療ニュース ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける? ・双極性I型障害におけるアリピプラゾールの有効性-AMAZE試験より-

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中年期の広範囲の慢性疼痛リスク、少年期の知能指数1SD低下につき1.26倍上昇

 精神的因子は、慢性疼痛に関わる因子の一つと考えられていることから、英国・サウサンプトン大学のCatharine R. Gale氏らは、中年期の慢性疼痛について、少年期の知能との関連について調査した。その結果、少年期知能指数が低値になるほど中年期の慢性疼痛リスクは上昇すること、そのリスク上昇は、BMIが高いほど、また社会経済的階層が低くなるほど有意であることが明らかになったという。Pain誌2012年12月号の掲載報告。 研究グループは、1958年英国生まれの人を登録した全国小児発達サーベイから、男女6,902人について、少年期の知能と、成人期の慢性疼痛リスクとの関連について調査した。 被験者は、11歳時に一般知能指数試験を受け、45歳時点で、広範囲の慢性疼痛について、米国リウマチ学会診断基準(ACR)に基づく評価が行われた。ログ二項式回帰を用いて、性および潜在的な交絡因子、媒介因子を補正しリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・ACR基準に基づく広範囲の慢性疼痛リスクは、知能指数が低下するほど段階的に上昇した(線形傾向p<0.0001)。・性補正後解析において、知能指数1SD低下に対する慢性疼痛のRRは1.26(95%CI:1.17~1.35)であった。・多変量後方段階的回帰解析において、少年期知能は、社会階級、教育達成レベル、BMI、喫煙状態、精神的ストレスとともに、慢性疼痛の独立した予測因子であり続けた(RR:1.10、95%CI:1.01~1.19)。・中年期の広範囲の慢性疼痛リスクに対する少年期知能の低さの影響は、BMIが高くなるほど、また社会経済的位置付けがより低くなるほど有意であった。・少年期に高い知能を有する男女はともに、成人期に慢性疼痛を報告する頻度は低いようである。

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検証!結婚できない男性の精神的健康状態

 中国は100人の女性あたり118人の男児を出産する、世界中で最も男児の出生が過剰な国であり、現在、生殖年齢に達する男性は2,000万人も過剰となっている。そのため、結婚できない男性が少なくない。これらかなりの数の結婚できない男性の精神的健康(well-being)における影響は不明である。Xudong Zhou氏らは、30~40歳の未婚男性についてうつ病の発症リスク、自尊心、攻撃性に関する検証を行った。Social psychiatry and psychiatric epidemiology誌オンライン版2012年12月12日号の報告。 男性比率の高い農村部(雲南省と貴州省)で、自己記入式アンケートを用いた横断的調査を行った。評価には、ベックのうつ病調査票、Rosenbergの自尊心尺度、Bryant-Smithの攻撃性アンケートを用いた。 主な結果は以下のとおり。・30~40歳の未婚男性1,059名、既婚男性1,066名が調査を完了した。・未婚男性は既婚男性と比較して、経済的に劣っており、教育水準が低かった。・年齢、教育、所得を調整した結果、未婚男性は既婚男性と比較して、低い自尊心のスコア、高い抑うつスコア、高い攻撃性スコアを示す傾向が有意に高く、自殺念慮や自殺願望を有する傾向が高かった(各々p

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SSRIの短期治療、うつ症状改善に先立ち正常化する扁桃体機能

 SSRIなどの抗うつ薬は、うつ病患者の行動や神経の評価指標である感情プロセスを改善させる。しかし、それが臨床変化の前に起こるのか、結果として起こるのか明らかではなかった。英国・Warneford病院のGodlewska BR氏らは、うつ病患者へのSSRIの短期治療の影響を調査し、抑うつ症状の改善に先立ち扁桃体機能活性が正常化されることを明らかにした。Psychological Medicine誌2012年12月号の掲載報告。 本研究は、うつ病患者へのSSRIの短期治療について、感情面の臨床的改善以前における恐怖の表情に対する神経性反応への影響について調査した、プラセボ対照無作為化並行群間試験である。42例の未治療うつ病患者に、SSRI(エスシタロプラム10mg/日)かプラセボを投与した。恐怖の表情と幸福な表情に対する神経性反応は、治療開始7日目にMRIを用いて脳内を測定し評価した。同様の方法で、健常者(対照群)の画像診断も行った。 主な結果は以下のとおり。・恐怖の表情に対する扁桃体反応は、対照群よりもうつ病患者群で有意に強かった。・一方で、この反応はSSRIによる治療を7日間受けた患者では正常化していた。・7日時点の臨床的なうつ病評価について、SSRI治療群とプラセボ群に有意な差はみられなかった。・以上から、SSRIの短期治療は、うつ病患者の抑うつ感情を改善するのに先立って、ネガティブな感情刺激に反応する扁桃体機能活性を正常化することが示唆された。・この結果は、抗うつ薬の臨床効果は早期の感情プロセスの変化を通じてもたらされるとの仮説を支持する。さらなる研究で、これら早期の効果が、最終臨床転帰を予想しうるかを検証する必要がある。関連医療ニュース ・うつ病に対するミルタザピンvs他の抗うつ薬 ・検証!デュロキセチンvs.他の抗うつ薬:システマティックレビュー ・双極性障害では短期間の強いうつ症状が高頻度に出現

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慢性不眠症患者の中途覚醒の原因は?

 これまで、慢性不眠症患者の中途覚醒の原因調査はほとんど行われていなかった。この度、米国・Sleep and Human Health InstituteのBarry Krakow氏らが慢性不眠症患者を前向きに調査した結果、報告した。Sleep誌2012年12月1日号の掲載報告。 調査は、地域密着型の民間睡眠医療センターで、不眠症患者を対象に、中途覚醒の原因を主観的および客観的に、前向きに評価し行われた。対象は、2008年4月~2010年2月の間に登録された慢性不眠症患者(不眠症疾患診断基準を満たす)20例、これまで睡眠専門医や睡眠検査の受診歴がなく、睡眠を障害する典型的な呼吸器症状もみられなかった患者である。被験者の不眠症、眠気、機能障害、不安、うつ症状、QOLについて規定スケールで評価し、覚醒に関する主観的理由をインタビューで評価するとともに、覚醒や不眠の誘発について客観的に評価した。 主な内容は以下のとおり。・主観的および客観的データは、臨床的に認められる不眠症の存在(主に睡眠維持障害)を示した。・自己申告による覚醒理由のうち、最も頻度が高かったのは、「原因不明(50%)」であり、次いで「悪夢(45%)」「夜間頻尿(35%)」「寝室が騒がしい(20%)」「疼痛(15%)」であった。また、呼吸器症状が原因であると回答した患者はいなかった。・客観的評価では、全サンプルから531件の覚醒エピソードが観察され、478件(90%)において睡眠時の呼吸イベント(無呼吸、低呼吸、呼吸努力に関連したイベント)が認められた。その他の覚醒因子は下肢の痙攣(7例)、特発性(14例)、ラボ誘発性(32例)であった。・5分間以上の覚醒(不眠エピソードの傾向といえる)は30例で、いずれも呼吸イベントに続いてみられた。関連医療ニュース ・睡眠薬、長期使用でも効果は持続 ・夢遊病にビペリデンは有望!? ・睡眠時間が短いと脂質異常症のリスク上昇―日本の男性労働者を対象とした研究―

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第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析

 初回エピソードの統合失調症スペクトラム障害の治療では、早期治療の選択が重要である。米国・ザッカーヒルサイド病院のJian-Ping Zhang氏らは統合失調症スペクトラム障害患者における第一世代抗精神病薬(FGAs)と第二世代抗精神病薬(SGAs)の有効性および忍容性をメタアナリシスにより比較検討を行った。The international journal of neuropsychopharmacology / official scientific journal of the Collegium Internationale Neuropsychopharmacologicum (CINP)誌オンライン版2012年12月3日号の報告。 2010年12月12日までに報告された、「急性期、1剤以上のFGAとSGAを比較した無作為化試験、初回エピソードで精神疾患、統合失調症スペクトラム障害と診断された患者、精神病理学的変化(治療反応、治療中止、副作用、または認知機能)について得られたデータ」に関する系統的文献検索を行い、メタアナリシスを実施した。13試験、2,509例が該当した。 主な結果は以下のとおり。・有効性の評価においてFGAs(ハロペリドール9/13試験)を上回ったのは、オランザピン(7試験)で9/13試験、アミスルプリド(1試験)で8/13試験、リスペリドン(8試験)4/13試験、クエチアピン(1試験)3/13試験、クロザピン(2試験)1/13試験、ジプラシドン(1試験)1/13試験であった。・錐体外路症状(EPA)に関連する評価においてFGAsと比較したところ、オランザピン、リスペリドン、クロザピンは少なかったが、体重増加はクロザピン、オランザピン、リスペリドンで多かった。・総合精神病理学的変化、うつ症状、治療反応、代謝系の変化においてSGAsはFGAsと同等であった。・SGAsは体重増加を来す一方で、治療中止率(原因にかかわらず)、陰性症状、認知機能、EPS、アカシジアについて、FGAsと比較し有意に少なかった(p<0.05~0.01)。・結果はFGAsの用量や出版バイアスによる影響を受けなかったが、業界主催の研究の方が政府主導の研究よりもSGAsに好ましい結果が得られていた。初回エピソード統合失調症患者の治療においてFGAsと比較したところ、オランザピン、アミスルプリド、次いでリスペリドン、クエチアピンが優れた有効性、治療継続性、EPSの少なさを示した。しかしながら、オランザピン、リスペリドン、クロザピンは体重増加が多く、オランザピンは代謝系の変化に来す影響が大きかった。関連医療ニュース ・初回エピソード統合失調症患者、長期予後予測に新基準! ・長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与 ・抗精神病薬の効果をどのタイミングで見極めるべきか?

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側頭葉てんかんでの海馬内メカニズムの一端が明らかに

 てんかん重積状態(SE)およびその後のてんかん発作を誘発するため、ラットの全身または脳内(海馬や扁桃体など)へのカイニン酸投与が広く行われている。しかし脳内投与では、特発性再発性てんかん発作が認められるラットの割合は低く、再発頻度も比較的低い。ドイツ・ハノーバー獣医科大学のMarta Rattka氏らは、ラットモデルにおける再発側頭葉てんかん発作時の、海馬内のカイニン酸の作用機序について明らかにした。Epilepsy Research誌2012年11月26日号の掲載報告。 特発性再発性てんかん発作の発現や頻度が低いという問題について、最近、カイニン酸を覚醒ラットの背側海馬に投与することで解決できるのはないかということが示唆されており、先行研究が報告されていた。Rattka氏らは、さらにこのモデルの特徴を詳述するため、覚醒ラットの片側の後側海馬のCA3にカイニン酸(0.4μg)を投与した。 主な内容は以下のとおり。・すべてのラットで、死亡例なく、辺縁系SE(範囲:4~20時間)が発生した。・SE後1~8ヵ月の1~2.5週の期間において、再発てんかんビデオ脳波モニタ(24時間/日、7日/週)を行った結果、91%のラットでてんかんが発症し、発作の頻度も有意に増大した。・てんかん発作は、興奮性を増し水迷路試験における学習記憶害を増大することが認められた。海馬の病理学的影響(同側海馬のCA3、歯状回門の広範囲のニューロン欠損や顆粒細胞の拡散によって特徴づけられる)によるものと思われた。・本試験のラットを用いたフェノバルビタールの試験では、すべてのラットが、特発性再発性てんかん発作の抑制に対する治療に反応を示した。・以上の結果より、覚醒ラットの脳内へのカイニン酸投与は、ヒト側頭葉てんかんの優れたモデルを提供するものであり、とくに抗てんかん薬や抗てんかん発作治療のターゲットとしての外傷性てんかんや共存症のメカニズムを検討するモデルとして優れている可能性があることが示された。関連医療ニュース ・てんかん患者のうつ病有病率は高い ・てんかん発作時の脳炎がPET画像診断活用で明らかに ・てんかんを持つ人のうつ病発症を理解することが急務

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統合失調症患者の予後は?治療と生存率との関係

 統合失調症は過剰な死亡率や複数疾患の罹患率と関連しており、それは本疾患が心身複合疾患のため治療が困難であることと関連している可能性が示唆されている。米国・退役軍人省のJack Y Tsan氏らは、レセプトから11種類のガイドライン治療を解析し、それら治療と生存率との関連を評価した。その結果、高齢の統合失調症患者はガイドラインに即した治療が行われている割合が相対的に低く、長期の治療傾向と生存率との関連は非線形パターンを示すことなどが明らかにされた。BMC Medicine誌オンライン版2012年11月26日号の掲載報告。 全米4万9,173例の50歳以上退役軍人である統合失調症患者を対象に、2002~2009年の8年間にわたるガイドライン治療を調査した。退役軍人健康管理局(VA)の電子カルテから、被験者の人口統計学的および医学的な情報を収集し、2004米国精神医学会(APA)ガイドラインを基に、11種類の治療パターンを定め、クラスター解析を行った。治療タイプは、心血管系、代謝系、体重管理、ニコチン依存症、感染症、視覚系、メンタルヘルスカウンセリング(個人、家族、薬物/アルコール、薬物療法、作業療法)などであった。ケアパターンと生存率との関連について、臨床変数および人口統計学的変数で補正後に生存解析にて評価した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症に加えて、平均4つの慢性疾患がみられた。とくに高血圧症(43%)と脂質異常症(29%)が多くみられた。・対象コホートにおいて長期の治療傾向について3つのクラスターが同定された。「介入が高度」(毎年平均5.4種類の治療)、「介入が中程度」(平均3.8種類)、「介入が低調か減少」(平均1.9種類)。・対象患者の多くが、心血管治療(67~76%)、肝・腎機能アッセイ(79~84%)、個人カウンセリング(72~85%)、精神医学的コンサルト(66~82%)を受けていた(割合はクラスターグループによって異なっていた)。・年齢、ベースラインにおける共存症、その他共変量で補正後、「介入が低調か減少」群の生存率は、「介入が高度」群よりも高かった。「介入が高度」群は「介入が中程度」よりも生存率が高く、治療傾向と生存率の関連は非線形パターンを示した。・「介入が低調か減少」群は、最も高齢だったが、年齢およびその他変数で補正後の生存率は最も高かった。その理由として、より若く体調が優れない人と比べて、必要とした治療が少なく、共存症の負荷が顕著に低かったためと考えられた。・補正後モデルにおいて、体調が最も良くない人(共存症スコアが最も高い人で、障害度も高い人)のグループでは、ガイドライン治療を受けることによって、介入が中程度である群と比べた場合にのみ生存率が顕著に改善した。関連医療ニュース ・抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇 ・日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証! ・統合失調症における長期転帰の予測因子は「男性」「顕著な陰性症状」

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統合失調症入院高齢患者、アジアでの多剤併用率は50%以上

 アジア各国の協力のもと、東アジアにおける向精神薬処方調査(REAP)が1999年より実施されている。今回、Yu-Tao Xiang氏らは、アジア各国における高齢の統合失調症入院患者における抗精神病薬の多剤併用状況と人口統計学的および臨床的相関について検討し、報告を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2012年12月号掲載。 対象は2001~2009年のREAPデータベースより抽出した、中国、香港、日本、韓国、シンガポール、台湾など6ヵ国・地域における55歳以上の統合失調症入院患者1,439例。社会人口統計学的および臨床的な特性と抗精神病薬の処方箋を標準化されたプロトコルとデータ収集手法により集積した。 主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬が多剤併用処方されていた頻度は51.6%であった。・抗精神病薬が多剤併用処方されていた患者では、抗精神病薬の投与量が多く、第一世代抗精神病薬の処方割合が高かった(多重ロジステック回帰分析)。関連医療ニュース ・日本における抗精神病薬の用量はアジア各国と比較し、まだ多い ・ベンゾジアゼピン系薬剤の使用で抗精神病薬多剤併用率が上昇?! ・抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は?

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日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は?:岩手医科大学

 救急医療機関における自殺企図患者は、何かしらの精神疾患を抱えているケースが少なくない。岩手医科大学 肥田篤彦氏らは統合失調症患者における自殺企図の特徴を、うつ病患者と比較し、検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2012年11月3日号の報告。統合失調症患者は重篤な自殺未遂方法を選択する傾向 対象は、8年間に岩手医科大学精神科救急部門においてICD-10で統合失調症(F2)と診断された患者260例、およびうつ病(F3)と診断された患者705例。対象患者は24歳以下、25~44歳、45歳以上の3群で比較した。自殺未遂方法の重篤度に関連する因子は、多変量ロジスティック回帰分析を用いて同定した。 統合失調症患者における自殺企図の特徴を検討した主な結果は以下のとおり。・25歳以上の統合失調症患者は、うつ病患者と比較し、平均年齢がより若く、1年以内の自殺企図、過去の自殺企図を有する割合が高かった。・統合失調症患者では、年齢にかかわらず、幻覚・妄想に起因する自殺未遂が圧倒的に多く、高所からの飛び降り、対向列車への投身、自分自身に火をつけるなどの重篤な自殺未遂方法を選択する傾向にあった。・45歳以上の患者では、独居者の割合が高かった。・すべての年齢層において、失業者が多かった。また統合失調症患者では、うつ病群と比較し、LCU(Life Change Unit:生活変化単位)スコアが低値であった。・25~44歳の統合失調症患者では、より高いBPRS(簡易精神症状評価尺度)スコアとより低いGAS(総合評価尺度)スコアが認められた。・自殺未遂方法の重篤度に影響を与える要因として、1年以内の自殺企図の既往が重篤度を上昇させ、教育年数と重篤度にも相関が認められた。また、統合失調症患者、うつ病患者の双方で、GASにおける全体的な健康の低スコアが重篤度を上昇させることが示された。

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長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与

 大塚アメリカファーマシューティカル社のSteve Offord氏らは、長時間作用型注射製剤または経口の抗精神病薬による治療を開始した統合失調症患者について、入院と再発の状況を評価した。その結果、長時間作用型注射製剤による治療は入院回数、入院日数とも著明に減少させることを報告した。Journal of Medical Economics誌オンライン版2012年11月28日号の掲載報告。 本研究の目的は、長時間作用型注射製剤または経口の抗精神病薬による治療を開始した統合失調症患者について、入院および再発の発生を比較検討することであった。民間医療保険およびメディケアの保険請求を含む大規模データベースを用いて、長時間作用型注射製剤または経口の抗精神病薬による治療を開始した統合失調症患者を抽出。治療開始前のベースライン期間(12ヵ月)と治療開始後のフォローアップ期間(12ヵ月)における入院の状況と再発率を比較検討した。また、多変量解析を用いて、ベースライン期間とフォローアップ期間の入院回数および入院期間の差に及ぼす両製剤の影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・長時間作用型注射製剤の抗精神病薬を開始した民間医療保険加入患者(394例)において、治療開始前と比べて治療開始後は入院回数、入院期間とも有意に減少した。 全原因による入院回数:1.60±1.66 vs 0.70±1.20、p < 0.001 入院期間:16.9±20.7 vs 6.6±14.4日、p 

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呼称変更から10年、統合失調症患者へのスティグマを減らすためには:日本医科大学

 日本医科大学精神神経科の大森 中氏らは、臨床研修医の統合失調症患者に対する潜在的な態度と患者と接する上での影響について調べた。また、精神科での臨床トレーニング前後の態度と接し方の変化についても評価した。統合失調症患者とその家族は、スティグマに非常に苦しんできた。名称変更など偏見やスティグマを根絶するためのさまざまな努力にもかかわらず、いまだ医療従事者においてすら偏見にとらわれている者がいる。また、臨床研修医が患者とどのように向き合っているのかについてはほとんど知られていなかった。BioMed Central Psychiatry誌オンライン版2012年11月22日号の掲載報告。 研究グループは、臨床研修医について、統合失調症に関する日本語の名称変更の影響を評価した。また、精神科での1ヵ月間の臨床トレーニング前後の統合失調症に対する態度を比較し、それらの統合失調症患者と接する上での影響を評価した。評価は、IAT(Implicit Association Test)とLinkスティグマ尺度にて行った。主な内容は以下のとおり。・51人の臨床研修医が参加した。・トレーニング前、旧名称である「精神分裂病」は新名称「統合失調症」よりも、犯罪と結び付く傾向が強かった。・ところがトレーニング後、まったく予想に反して、旧名称よりも新名称についてより強く犯罪と結び付ける傾向が強まった。・Linkスティグマ尺度とIATとには有意な相関性は認められなかった。・統合失調症への名称変更は、臨床研修医における統合失調症の負のイメージを減少したが、統合失調症患者とのコンタクトが、予想に反してネガティブな態度への変化を増長した。・これらの結果は、統合失調症に関するネガティブな態度の形成を理解することに寄与し、懸念される偏見やスティグマを減らすための精神科での適切なトレーニングを開発する一助となるだろう。関連医療ニュース ・厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ ・検証!非定型抗精神病薬の神経保護作用 ・抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大

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認知症ケアでプライマリケア・リエゾンに求められる3つのポイント

 英国・ウスター大学のKay de Vries氏らは、認知症ケアでプライマリ・ケア・リエゾン(primary care liaison)に求められるコンピテンシー(高い成果を生む行動特性)について文献等レビューと協議などを行い、主として「カウンセリング」「スクリーニング」「健康教育・促進」の3領域が同定されたと報告した。プライマリ・ケアにおいて長い間、診断未確定の認知症に対する対応の改善が求められている。プライマリ・ケア・リエゾンには、その解決を果たす役割が期待されており、そのために必要とされる専門的コンピテンシーについて検討した。Primary Health Care Research & Development誌オンライン版2010年11月6日号の掲載報告。 著者らは、コンピテンシーの草案、コンピテンシーの各オプション/組み合わせ、およびコンピテンシーレベルを確立することを目的に、総合的な文献および政策レビューを行った。多様なステークホルダーによる協議と、70人以上の利用者および介護者が、フォーカスグループや電子メールのやりとり、電話インタビューを介して議論を交わした。協議と同時にEquality Impact Assessmentを行った。 主な内容は以下のとおり。・文献レビューによって、認知症の人の診断率を改善すること、および診断に至る道筋を改善することの両方のニーズが明らかになった。・ステークホルダーの協議は、あらためて、認知症だが未診断である人とその介護者が適切なサービスにアクセスできていないことに言及し、早期かつ「適時」に診断が行われるシステムを改善できる役割を担う者が必要であることを確認した。・協議プロセスを介して、文献および政策文書に基づくコンピテンシーが開発・討議され、3つの主要領域「カウンセリング」「スクリーニング」「健康教育・促進」が同定された。・その役割を果たすにはスキルと経験豊かな専門的アプローチが求められ、家庭医(GP)の診療録にアクセス可能な「GP cluster」に位置付けられることで、有用なチームモデルが確立可能であり、GPとの協働作業がその役割の基本となる。・個人の継続的な専門性開発への取り組みが、これらのコンピテンシーを高く維持することにつながる。関連医療ニュース ・アルツハイマーの予防にスタチン!? ・「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う?

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グルタミン酸作動性システムは大うつ病の効果的な治療ターゲット

 グルタミン酸作動性システムについては、とくにグルタミン酸とNMDA受容体の異常が大うつ病の病態生理に関与していることを示すエビデンスが数多く報告され、グルタミン酸作動性神経伝達の不均衡がNMDAアゴニズムの活性に寄与し、大うつ病に関連する脳内の興奮活性を亢進する可能性が示唆されていた。しかし、NMDA受容体阻害薬が抗うつ病薬のような活性を備えていることが示されたにもかかわらず、依然として異常なグルタミン酸作動性シグナル伝達の基底にある分子的な変化は十分に解明されていなかった。そのような中、グルタミン酸作動性システムが、大うつ病に対する効果的な治療介入ターゲットであることが、イタリア・ローマ大学サピエンツァ校のGianluca Serafini氏らによる最新のレビュー研究によって明らかにされた。Current Pharmaceutical Design誌オンライン版2012年11月19日号の掲載報告。 研究グループは、大うつ病でNMDA受容体をターゲットとしているグルタミン酸作動薬の主要な薬理学的特性と影響に焦点を合わせ、最新文献のレビューを行った。文献の検索は、PubMed/Medline、ScienceDirect databasesにて、グルタミン酸、うつ病、大うつ病性障害をキーワードに行った。 主な内容は以下のとおり。・大半のグルタミン酸受容体作動薬は、臨床および前臨床研究いずれにおいても、抗うつ作用の活性を示す生化学的な影響を示した。また、最新の神経画像診断や遺伝学により、これら薬物の抗うつ作用性が確認されていた。・NMDA受容体阻害薬などヒトを対象とした試験が、結果に混乱を生じさせていた。・全体的には、グルタミン酸作動性受容体の調節機能は、ヒトのうつ病に対する治療反応と関連している神経伝達物質の放出と同じように、ニューロン幹細胞の増殖(ニューロン形成)を容易にする可能性がある。ただし、認知機能に対する副作用と精神障害の発現性があり、臨床への適用および有用な薬剤開発を難しくしている。・NMDA受容体をターゲットするグルタミン酸作動薬(神経伝達物質の放出を阻害したり、シナプス後部反応を調節する)は、特異的な抗うつ作用を持つ分子モジュレーターとして役立つ可能性がある。関連医療ニュース ・検証「グルタミン酸仮説」統合失調症の病態メカニズム ・難治性うつ病に対するアプローチ「SSRI+非定型抗精神病薬」 ・SPECT画像診断による前頭部脳血流評価で、大うつ病高齢者のSSRI有効性を予測

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統合失調症患者における「多飲」その影響は?:奈良県立医大

 統合失調症において多飲傾向を認める患者は多い。多飲による過度な水分摂取は、低ナトリウム状態を誘発したり、水中毒につながることもある。奈良県立医科大学 永嶌 朋久氏らは、統合失調症患者の多飲と神経心理学的障害や脳の構造的変化との相関を検討した。BMC psychiatry誌オンライン版2012年11月26日号の報告。 対象は多飲を認める統合失調症患者、多飲を認めない統合失調症患者、健常対象者の各々8例。すべての被験者はMRIと神経心理学的テストを施行した。構造異常は、ボクセルベース形態計測(VBM)を用いて分析した。患者の神経心理学的機能は、統合失調症認知機能簡易評価尺度日本語版(BACS-J)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・両患者間で臨床的特徴の有意な差は認められなかった。・多飲を認める統合失調症患者は、健常者と比較して、広範囲な脳容積の減少と神経心理学的障害を示した。・多飲を認める統合失調症患者は、多飲を認めない患者と比較し、左側島皮質の有意な減少を示した。・多飲を認めない統合失調症患者における神経心理機能テストの結果は、他の2つのグループの中間であった。・統合失調症患者における多飲は、左側島皮質の減少により、深刻な神経心理学的障害を誘発する可能性があることが示唆された。関連医療ニュース ・日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証! ・性的強迫観念は、統合失調症患者で頻度が高く、自殺行動と独立して関連 ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは

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