認知症ケアでプライマリケア・リエゾンに求められる3つのポイント 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/12/06 英国・ウスター大学のKay de Vries氏らは、認知症ケアでプライマリ・ケア・リエゾン(primary care liaison)に求められるコンピテンシー(高い成果を生む行動特性)について文献等レビューと協議などを行い、主として「カウンセリング」「スクリーニング」「健康教育・促進」の3領域が同定されたと報告した。プライマリ・ケアにおいて長い間、診断未確定の認知症に対する対応の改善が求められている。プライマリ・ケア・リエゾンには、その解決を果たす役割が期待されており、そのために必要とされる専門的コンピテンシーについて検討した。Primary Health Care Research & Development誌オンライン版2010年11月6日号の掲載報告。 著者らは、コンピテンシーの草案、コンピテンシーの各オプション/組み合わせ、およびコンピテンシーレベルを確立することを目的に、総合的な文献および政策レビューを行った。多様なステークホルダーによる協議と、70人以上の利用者および介護者が、フォーカスグループや電子メールのやりとり、電話インタビューを介して議論を交わした。協議と同時にEquality Impact Assessmentを行った。 主な内容は以下のとおり。 ・文献レビューによって、認知症の人の診断率を改善すること、および診断に至る道筋を改善することの両方のニーズが明らかになった。 ・ステークホルダーの協議は、あらためて、認知症だが未診断である人とその介護者が適切なサービスにアクセスできていないことに言及し、早期かつ「適時」に診断が行われるシステムを改善できる役割を担う者が必要であることを確認した。 ・協議プロセスを介して、文献および政策文書に基づくコンピテンシーが開発・討議され、3つの主要領域「カウンセリング」「スクリーニング」「健康教育・促進」が同定された。 ・その役割を果たすにはスキルと経験豊かな専門的アプローチが求められ、家庭医(GP)の診療録にアクセス可能な「GP cluster」に位置付けられることで、有用なチームモデルが確立可能であり、GPとの協働作業がその役割の基本となる。 ・個人の継続的な専門性開発への取り組みが、これらのコンピテンシーを高く維持することにつながる。 関連医療ニュース ・アルツハイマーの予防にスタチン!? ・「炭水化物」中心の食生活は認知症リスクを高める可能性あり ・アルツハイマー病の興奮、抗精神病薬をどう使う? (ケアネット) 原著論文はこちら de Vries K, et al. Prim Health Care Res Dev. 2012 Nov 6:1-10. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] FUS-ALSの治療、jacifusenが有望/Lancet(2025/06/09) 軽症~中等症COVID-19、40種の薬物療法を比較/BMJ(2025/06/09) 胃がん周術期、FLOTにデュルバルマブ上乗せでEFS改善(MATTERHORN)/ASCO2025(2025/06/09) 統合失調症とうつ病における幻聴の違いは(2025/06/09) 進行尿路上皮がん1次治療、EV+ペムブロリズマブによるCR・PR症例の探索的解析結果(EV-302/KEYNOTE-A39)/ASCO2025(2025/06/09) 乳がん内分泌療法に伴うホットフラッシュにelinzanetantが有効(OASIS-4)/ASCO2025(2025/06/09) がん患者のワクチン接種率を上げるカギは医療者からの勧め/日本がんサポーティブケア学会(2025/06/09) 好奇心は加齢に伴い減退する?(2025/06/09)