慢性不眠症患者の中途覚醒の原因は? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/12/17 これまで、慢性不眠症患者の中途覚醒の原因調査はほとんど行われていなかった。この度、米国・Sleep and Human Health InstituteのBarry Krakow氏らが慢性不眠症患者を前向きに調査した結果、報告した。Sleep誌2012年12月1日号の掲載報告。 調査は、地域密着型の民間睡眠医療センターで、不眠症患者を対象に、中途覚醒の原因を主観的および客観的に、前向きに評価し行われた。対象は、2008年4月~2010年2月の間に登録された慢性不眠症患者(不眠症疾患診断基準を満たす)20例、これまで睡眠専門医や睡眠検査の受診歴がなく、睡眠を障害する典型的な呼吸器症状もみられなかった患者である。被験者の不眠症、眠気、機能障害、不安、うつ症状、QOLについて規定スケールで評価し、覚醒に関する主観的理由をインタビューで評価するとともに、覚醒や不眠の誘発について客観的に評価した。 主な内容は以下のとおり。 ・主観的および客観的データは、臨床的に認められる不眠症の存在(主に睡眠維持障害)を示した。 ・自己申告による覚醒理由のうち、最も頻度が高かったのは、「原因不明(50%)」であり、次いで「悪夢(45%)」「夜間頻尿(35%)」「寝室が騒がしい(20%)」「疼痛(15%)」であった。また、呼吸器症状が原因であると回答した患者はいなかった。 ・客観的評価では、全サンプルから531件の覚醒エピソードが観察され、478件(90%)において睡眠時の呼吸イベント(無呼吸、低呼吸、呼吸努力に関連したイベント)が認められた。その他の覚醒因子は下肢の痙攣(7例)、特発性(14例)、ラボ誘発性(32例)であった。 ・5分間以上の覚醒(不眠エピソードの傾向といえる)は30例で、いずれも呼吸イベントに続いてみられた。 関連医療ニュース ・睡眠薬、長期使用でも効果は持続 ・夢遊病にビペリデンは有望!? ・睡眠時間が短いと脂質異常症のリスク上昇―日本の男性労働者を対象とした研究― (ケアネット) 原著論文はこちら Krakow B et al. Sleep. 2012 Dec 1;35(12):1685-92. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25)