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日本人統合失調症、外来と入院でメタボ率が高いのは:新潟大

 統合失調症患者は、一般よりも平均余命が有意に短く、肥満やメタボリックシンドロームにつながる可能性のある不健全な生活習慣の問題にしばしば直面する。統合失調症患者におけるメタボリックシンドロームの構成要素である肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病の有病率を明確にする必要があるが、日本における大規模調査は不十分であったことから、新潟大学の須貝 拓朗氏らが調査を行った。PLOS ONE誌2016年11月17日号の報告。 2012年1月~2013年7月に、日本精神病院協会の外来520施設、入院247施設を対象に、アンケートを用いて、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病の有病率を大規模に調査した。統合失調症の外来患者は7,655例、入院患者は1万5,461例であった。 主な結果は以下のとおり。・外来患者は、入院患者と比較し、肥満、高血圧、高トリグリセリド血症、高LDLコレステロール血症、糖尿病の有病率が有意に高かった。・低HDLコレステロール血症の有病率は、外来患者よりも入院患者で高かった。・年齢別分析では、外来患者の肥満、高血圧、高トリグリセリド血症、高LDLコレステロール血症、糖尿病の罹患率が、入院患者の2~3倍であることが示唆された。・60歳以上の患者では、外来患者の肥満および糖尿病の有病率が、入院患者の約3倍であった。 著者らは「日本人統合失調症の外来患者は、入院患者よりも肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病などの身体的リスクを有する可能性が高かった。統合失調症患者の身体的リスクは、ケアの種類などの環境パラメータにより影響を受ける可能性があり、より注意する必要がある」としている。関連医療ニュース 日本人統合失調症患者のMets有病率を調査:新潟大学 どのような精神疾患患者でメタボリスクが高いのか 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か

4202.

軽度認知障害、5年後の認知症発症率は

 軽度認知障害(MCI)から認知症への進行率を推定し、ドイツのプライマリケア診療における患者の潜在的リスク要因を特定するため、ドイツ・Berufsverband Deutscher NervenarzteのJ Bohlken氏らが検討を行った。Fortschritte der Neurologie-Psychiatrie誌オンライン版2016年11月15日号の報告。 一般医師723人の診療より、2000~14年にMCIと診断された40歳以上の患者4,057例を対象とした。主要アウトカムは、診断から5年間のフォローアップ期間中のすべての認知症診断とした。交絡因子(年齢、性別、健康保険タイプ)により調整した後、MCIから認知症への進行を調査するために、Cox回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・平均年齢は、73.9歳であった。・男性は43.9%、民間保険加入者は5.2%であった。・5年間のフォローアップ後、女性の27.4%、男性の25.7%は認知症であった(p=0.192)。・認知症割合は、60歳以下で6.6%、80歳超で39.0%と年齢とともに増加しており、ハザード比は1年ごとに増加していた(HR=1.06)。・MCI診断後5年間で、4人に1人の患者は認知症を発症していた。・性別や健康保険タイプとは別に、年齢が認知症発症ハイリスクと関連していた。関連医療ニュース MRIで軽度認知障害からの進行を予測 MCIから初期アルツハイマー病を予測、その精度は MCIからAD、DLBへの進行を予測するには:順天堂大

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新しい戦略に基づく認知症新薬開発ものがたり(解説:岡村 毅 氏)-621

 臨床神経学の新しい時代の幕開けを告げる論文かもしれない。もっとも筆者は精神科医であり、神経学者からみれば素人みたいなものだ。東大にいると優秀な神経学者と親しく交流する機会が多く、彼らの頭脳明晰さには舌を巻く。きちんと解説できるだろうか…。一方で、万人に対してわかりやすく書くことは私の得意とする部分だと思い引き受けた。読み返すとやや劇画調だがご容赦いただきたい。 時は21世紀、社会的に影響の大きな疾患の多くは予防や治療が確立されつつある。しかし、アルツハイマー型認知症となると別だ。いまだ謎が残るこの病気は、アミロイドカスケード仮説に基づいて説明がなされる。アミロイドが蓄積し、その後タウ蛋白が細胞内に蓄積し、認知症になるというものだ。アミロイドの病理がこの病気の本質であり、タウはほかにもさまざまな疾患でみられる。 現在われわれが手にしている「薬」は、病気の本質であるアミロイドにはまったく関係のない薬である。たとえば、コリン系を賦活して脳を元気にすることで認知機能の改善を目指したりするのだ。本丸であるアミロイドを目標とした創薬は長くなされているが、絶望的なまでに失敗が続いている。そもそも、発症のずいぶん前からアミロイドはすでに蓄積しているので、この戦いは容易には勝たせてもらえないことは明らかだ。 ところで近年、生体での脳内のタウの可視化ができるようになりつつあり、タウは正常高齢者でも蓄積していくが、アミロイドが存在すると側頭葉内側からあふれ出し、全脳へと広がっていくことがわかってきた。実はこれは、ドイツの偉大な神経病理学者Braak氏が前世紀に予言した通りの広がり方であったのだ。となれば、タウを抑えることで病気を抑えられるのではないか、という新しい戦略に基づいた創薬が可能かもしれないと、世界中が色めき立っている。 今回の報告は残念なものであった。タウ凝集阻害剤は、中程度以上のアルツハイマー型認知症の患者に対しては効果を持たなかった。だが安心してよい、まだこの物語は始まったばかりである。 最後に一言。歴史を振り返ってみれば、変性疾患の研究ではわが国は巨人を輩出してきた。独断で挙げると、前頭側頭型認知症(大成氏)、レビー小体型認知症(小阪氏)、そしてアルツハイマー型認知症(井原氏、杉本氏、岩坪氏ら)である。神経学者たちの真摯な研究姿勢を知るものとしては、日本から再びチェンジメーカーが現れるに違いないと、私は確信している。

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双極性障害、摂食障害合併はとくに注意が必要

 肥満は精神障害ではないが、DSM-5では、肥満と精神症候群との強い関連性を認めている。双極スペクトラム障害(BSD)やむちゃ食い障害(Binge Eating Disorder:BED)は、肥満患者において頻繁にみられる精神障害である。イタリア・University Magna Graecia of CatanzaroのCristina Segura-Garcia氏らは、肥満患者における、これら併存疾患に伴う精神病理学的相違と特有の接触行動を調査した。Journal of affective disorders誌2017年1月号の報告。 対象は、肥満患者119例(男性40例、女性79例)。心理学的評価および精神医学的インタビューを受け、栄養士が食生活の評価を行った。患者は、併存疾患により4群に分け、比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象者の41%はBED+BSD合併(グループ1)、21%はBED(グループ2)、8%はBSD(グループ3)、29%の肥満患者だけが合併症を有していなかった(グループ4)。・女性は、グループ1,2において比率が高かった。・双極性障害II型、他の特定および関連する双極性障害(OSR BD)は、グループ1で多く、双極性障害I型はグループ3で多かった。・摂食行動と精神病理における重症度の減少傾向は、併存症により明確な違いがあった(グループ1=グループ2>グループ3>グループ4)。 著者らは「BEDおよびBSDは、肥満患者の頻繁な併存疾患であった。双極性障害II型およびOSR BDは、BED+BSD合併患者においてより頻繁であった。BEDとBSDの合併は、より重度な摂食障害と精神病理に関連していると考えられる。特徴的な病的食行動は、肥満における精神医学的合併症の対症療法である警告と考えられる」としている。関連医療ニュース 女子学生の摂食障害への有効な対処法 双極性障害I型とII型、その違いを分析 双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴

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リスペリドン誘発性高プロラクチン血症、減量で軽減するのか

 統合失調症患者におけるリスペリドン維持療法中のプロラクチン関連症状(PRS)を1年間観察し、PRSの危険因子を特定するため、中国・首都医科大学のQijing Bo氏らが検討を行った。BMC psychiatry誌2016年11月9日号の報告。 多施設ランダム化比較対照縦断研究。臨床的に安定した統合失調症患者374例を、用量変更なし群129例、4週間減量群125例、26週間減量群120例(8週間かけて50%減量し、その後維持)に無作為に割り付けた。PRSは、プロラクチン関連有害事象尺度を用いて、16項目(月経周期、月経期間、月経量、月経不順、無月経、月経困難、分娩後乳汁分泌、女性化乳房、乳房圧痛、性機能障害、性的欲求の減少、勃起不全、射精機能不全、インポテンス、体毛増加、にきび増加)を評価した。PRSの発生は、ベースライン、6ヵ月までは毎月、その後は2ヵ月おきに評価した。混合モデルを使用した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時のPRSは、4週間減量群18.4%、26週間減量群15.0%、用量変更なし群14.0%であった。・PRS発祥の予測因子は、女性、若年発症、PANSS総スコアであった。・混合モデルでは、PRSは、女性と高用量でより重症であった。・1年後も研究に参加していた237例におけるPRS発生率は、4週間減量群9.6%、26週間減量群11.1%、用量変更なし群7.6%に減少した。 著者らは「本検討により、PRSの重症度は、投与量減少により、1年間の治療期間中に軽減することが示された。とくに高用量、女性、若年発症、重症患者では、長期治療中の高プロラクチン血症の副作用に注意する必要がある」としている。関連医療ニュース リスペリドン使用で乳がんリスクは上昇するか 各種非定型抗精神病薬、プロラクチンへの影響を比較 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か

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緩和ケアの患者・介護者それぞれへの効果は?/JAMA

 末期患者への緩和ケアは、患者QOLや症状負担を改善する可能性があるが、介護者の転帰への効果は明確ではないことが、米国・ピッツバーグ大学のDio Kavalieratos氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年11月22・29日号に掲載された。重篤な病態の患者のQOL改善は国際的な優先事項とされ、緩和ケアの焦点は、QOLの改善と、患者および家族の苦痛の軽減に置かれている。米国では、65%以上の病院が緩和ケアの入院プログラムを持ち、地域および外来ベースの緩和ケア提供モデルも増加しているが、実際の効果はよく知られていないという。23試験のメタ解析で、QOL、症状負担、生存などを評価 研究グループは、末期患者への緩和ケアが、患者およびその介護者のアウトカムに及ぼす影響を評価するために、文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った。 2016年7月までに医学データベース(MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochrane CENTRAL)に登録された文献を検索した。末期的病態の成人患者への緩和ケアによる介入を評価した無作為化試験を対象とした。 2人のレビュワーが別個にデータを抽出した。すべての試験について記述的統合(narrative synthesis)を行った。ランダム効果モデルによるメタ解析で、QOL、症状負担、生存などを評価した。 QOLは、Functional Assessment of Chronic Illness Therapy-palliative care scale (FACIT-Pal)に換算した。0~184点(点数が高いほどQOLが良好)でスコア化し、臨床的に意義のある最小変化量(minimal clinical important difference:MCID)は9点とした。 症状負担は、エドモントン症状評価システム(ESAS)に換算した。0~90点(点数が高いほど負担が大きい)でスコア化し、MCIDは5.7点であった。 43件(56論文)の無作為化試験に参加した患者1万2,731例(平均年齢67歳)と介護者2,479例が記述的統合の対象となった。メタ解析には23試験(30論文)が含まれた。生存は改善せず、エビデンスの質は低い 35件の試験は対照として通常ケアを設定していた。14試験は外来、18試験は在宅、11試験は入院患者を対象とし、介護者の評価は15試験で行われていた。 30試験にはがん患者が、14試験には心不全患者が含まれた。HIV患者に限定した試験のほか、COPD、間質性肺疾患、運動ニューロン疾患、末期腎不全、脳卒中、認知症の患者を含む試験もあった。 1~3ヵ月の患者QOLは、緩和ケアにより、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善効果が達成された(15試験、標準化平均差[SMD]:0.46、95%信頼区間[CI]:0.08~0.83、FACIT-Pal平均差:11.36、異質性検定:I2=94.8%)。4~6ヵ月の患者QOLには有意差を認めなかった(12試験、SMD:0.12、95%CI:-0.03~0.28、I2=61.4%)。 1~3ヵ月の症状負担も、緩和ケアにより、有意で臨床的に意義のある改善が得られた(10試験、SMD:-0.66、95%CI:-1.25~-0.07、ESAS平均差:-10.30、I2=96.1%)。4~6ヵ月の症状負担にも有意な改善効果が認められた(6試験、SMD:-0.18、95%CI:-0.31~-0.05、I2=0.0%)。 バイアスのリスクが低い試験に限定した解析では、1~3ヵ月の緩和ケアとQOLの関連は減弱したものの有意差を保持していた(5試験、SMD:0.20、95%CI:0.06~0.34、FACIT-Pal平均差:4.94、I2=0.0%)のに対し、症状負担との関連では有意な差はみられなかった(4試験、SMD:-0.21、95%CI:-0.42~0.00、ESAS平均差:-3.28、I2=42.1%)。 緩和ケアと生存には関連を認めなかった(7試験、ハザード比[HR]:0.90、95%CI:0.69~1.17、I2=75.3%)。また、緩和ケアは、事前ケア計画(advance care planning)や、患者および介護者の満足度を改善し、医療資源の活用を抑制した。一方、介護者のアウトカムは試験間で一貫性がなかった。高い異質性のため、本研究のエビデンスの質は不良であった。 著者は、「改善効果を認めたアウトカムの多くは、バイアスのリスクが低い試験に限定すると有意差が消失した」とし、「最終的には、患者に加え介護者を支援する至適な緩和ケア提供モデルの確立が必要である」と指摘している。

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アルツハイマーやうつ病の予防、コーヒーに期待してよいのか

 観察研究によると、コーヒーは2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病と逆相関するが、虚血性心疾患とは逆相関しないとされている。米国2015年食事ガイドラインにおいて、コーヒーは保護効果がある可能性が記載されている。短期的試験では、コーヒーは、多くの血糖特性に対し中和的な影響を及ぼすが、脂質やアディポネクチンを上昇させるといわれている。中国・香港大学のMan Ki Kwok氏らは、大規模かつ広範な遺伝子型の症例対照研究および横断研究に適応された2つのサンプルのメンデル無作為群間比較を用いて、遺伝的に予測されるコーヒー消費による2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病、虚血性心疾患とその危険因子を比較した。Scientific reports誌2016年11月15日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・遺伝的に予測されたコーヒーの消費は、2型糖尿病(OR:1.02、95%CI:0.76~1.36)、うつ病(OR:0.89、95%CI:0.66~1.21)、アルツハイマー病(OR:1.17、95%CI:0.96~1.43)、虚血性心疾患(OR:0.96、95%CI:0.80~1.14)、脂質、血糖特性、肥満、アディポネクチンと関連していなかった。・コーヒーは小児期の認知とは関係がなかった。 著者らは「観察研究と一致し、コーヒーは、虚血性心疾患とも、予想通り小児期の認知とも関連がなかった。しかし観察研究とは対照的に、コーヒーは2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病に対し、有益な効果を示さない可能性が示された」とし、「この結果は食事ガイドラインで示唆されたコーヒーの役割を明確化し、これらの複雑な慢性疾患の予防介入は、他の手段を用いるべきではないか」とまとめている。関連医療ニュース 無糖コーヒーがうつ病リスク低下に寄与 毎日5杯の緑茶で認知症予防:東北大 1日1杯のワインがうつ病を予防

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MRIで軽度認知障害からの進行を予測

 健忘または非健忘な認知障害を伴う軽度認知障害(MCI)患者の海馬体積(HV)により、アルツハイマー病(AD)と競合するレビー小体型認知症(DLB)の可能性のある認知症リスクを予測するため、米国・フロリダ大学のKejal Kantarci氏らが検討を行った。Neurology誌2016年11月号の報告。 2005~14年にベースラインでMRI試験に参加したメイヨークリニックアルツハイマー病研究センターのMCI患者160例を対象に、毎年臨床評価を行った。HVは、FreeSurfer(5.3)を用いて、3T MRIから分析した。海馬委縮は、ADと診断された患者の個別コホートにおける測定分布の中で最も正常な10パーセンタイルより決定した。潜在的なDLB、ADへの進行の部分分布ハザード比は、競合するリスクを考慮し推定した。 主な結果は以下のとおり。・中央値2.0年(範囲:0.7~8.1年)の経過観察中に、MCI患者の20例がDLBに進行し(13%)、61例がADに進行した(38%)。・競合するリスクを考慮した後、ADに進行する海馬委縮に対する正常HVの推定部分分布ハザード比は、0.56(95%CI:0.34~0.91、p=0.02)であった。・年齢調整およびMCIサブタイプを含めた後、probable DLBへの進行に対する海馬委縮に対する正常HVの推定ハザード比は、4.22(95%CI:1.42~12.6、p=0.01)であった。 著者らは「保存された海馬量は、MCI患者のADと競合する可能性の高いDLBのリスク増加と関連していた。HV保存は、とくに非自閉症の特徴を有するMCI患者において、ADに対する前駆期DLBをサポートすることができる」としている。関連医療ニュース MCIからAD、DLBへの進行を予測するには:順天堂大 軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標 MCIから初期アルツハイマー病を予測、その精度は

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うつ病への薬物療法 vs.精神療法 vs.併用療法

 うつ病治療における機能とQOLのアウトカムの重要性は認識されているが、メタ解析のエビデンスはほとんどない。スペイン・Instituto de Salud Carlos III、Centro de Investigacion Biomedica en RedのK Kamenov氏らは、うつ病患者の機能とQOLに関する精神療法、薬物療法、それらの組み合わせについて、絶対的および相対的な効果を評価するため、無作為化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Psychological medicine誌オンライン版2016年10月26日号の報告。 Pubmed、PsycINFO、Cochrane Central Register of Controlled Trialsのデータベース検索より、試験結果153件、うつ病患者2万9,879例を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・コントロール群と比較し、精神療法および薬物療法は、機能およびQOLへのエフェクトサイズが軽度から中程度であった(g=0.31~0.43)。・直接比較すると、初期分析では、どちらが優れているかのエビデンスは得られなかった。・出版バイアスで調整した後、精神療法はQOLに対し、薬物療法よりも効果的であった(g=0.21)。・精神療法と薬物療法の併用は、機能およびQOLに対し、各治療単独群の軽度なエフェクトサイズと比較し、有意に良好であった(g=0.32~0.39)。・いずれの介入も、機能およびQOLよりも、うつ症状の重症度を改善した。 著者らは「いくつかの分析の比較試験数が少ないにもかかわらず、精神療法、薬物療法単独群においても機能およびQOLの改善に有効であることが示された。本研究では単独療法よりも併用療法が優れることが明らかとなった。全体的に中程度の効果であったことから、今後は、機能およびQOLの問題を抱えるうつ病患者に対し、個人のニーズをより満たすための治療を行うことが求められる」としている。関連医療ニュース 日本人治療抵抗性うつ病患者へのCBT併用試験とは:FLATT Project うつ病の精神療法、遠隔医療でも対面療法と同程度 非薬物療法でもスポンサーバイアスは存在するか

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脳内脂肪酸と精神症状との関連を検証:富山大

 n-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルと精神障害との関連を調べた研究では、死後脳に関して、白質ではなく主に灰白質の分析に焦点が当てられてきた。富山大学の浜崎 景氏らは、統合失調症、双極性障害、うつ病患者の死後の脳組織において、PUFAレベルが白質の最大領域である脳梁に異常を示しているのかを調査した。European psychiatry誌オンライン版2016年11月4日号の報告。 対象患者は、統合失調症15例、双極性障害15例、うつ病15例、そして、コントロール15例とし、比較評価を行った。死後の脳梁におけるリン脂質中の脂肪酸は、薄層クロマトグラフィとガスクロマトグラフィにより評価した。 主な結果は以下のとおり。・これまでのいくつかの研究とは対照的に、患者とコントロールの脳梁内のPUFAまたは他の脂肪酸レベルとの間に有意な差は認められなかった。・性別によるサブ解析でも、同様の結果が得られた。・精神障害の診断の有無にかかわらず、自殺者と非自殺者の間のPUFAには有意な差は認められなかった。 著者らは「精神疾患患者では、健常コントロールと比較して、死後の脳梁におけるn-3PUFA欠損を示さず、脳梁はPUFA代謝異常に関連しない可能性がある。この分野における研究はまだ初期段階であり、さらなる調査が必要である」としている。関連医療ニュース 双極性障害エピソードと脂肪酸の関連を検証 EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか 統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か

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リスペリドン使用で乳がんリスクは上昇するか

 いくつかの抗精神病薬、とくにリスペリドンは、血清プロラクチンを増加させることが知られている。高プロラクチン血症は、動物実験において、乳腺腫瘍の発生に関連していることが知られている。スウェーデン・カロリンスカ大学のJohan Reutfors氏らは、リスペリドンまたは他の抗精神病薬を使用した女性の全国コホートにおける乳がんリスクを調査した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年11月4日号の報告。 2006~12年にリスペリドンまたは他の抗精神病薬による治療を開始した18歳以上のすべての女性を、スウェーデン全国レジスターより抽出した。対象者は、3ヵ月以内に同じ抗精神病薬を2回連続で投与された、がんでない患者とした。なお、パリペリドン投与患者は含まなかった。最終コホートは、リスペリドン投与患者2万2,908例、他の非定型抗精神病薬投与患者2万4,527例、定型抗精神病薬投与患者8,544例の合計5万5,976例の女性となった。抗精神病薬と乳がんとの関連は、ハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)を推定するために、Cox回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・患者はプロスペクティブに追跡し、平均追跡期間は2.4~2.8年であった。・年齢調整後、リスペリドン投与患者の乳がんリスクは、他の非定型抗精神病薬投与患者(HR:0.94、95%CI:0.72~1.22)、定型抗精神病薬投与患者(HR:1.25、95%CI:0.94~1.66)と比較し、増加していなかった。・積極的治療経過時間を用いた腫瘍ステージ別に層別化された分析、または治療未経験患者のみの分析では、結果に顕著な変化は認められなかった。 著者らは「リスペリドンの使用は、他の抗精神病薬と比較し、短期的な乳がんリスク上昇を来すことはない」としている。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症、乳がんリスクとの関連は 高プロラクチン血症、アリピプラゾール切り替えと追加はどちらが有効か 各種非定型抗精神病薬、プロラクチンへの影響を比較

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うつ病とビタミンDとの関連、どこまで研究は進んでいるのか

 ビタミンDの欠乏や不足がうつ病と関連しているのか、また、ビタミンD補充がうつ病の有効な治療法であるのかを、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のGordon B Parker氏らが検討を行った。Journal of affective disorders誌オンライン版2016年10月11日号の報告。うつ病の病因と管理におけるビタミンDの役割 3つの検索エンジンとオンラインデータベース(PubMed、Google Scholar、コクランデータベース)を用いて、近年出版された経験的研究を抽出した。検索キーワードは、ビタミンD、うつ病、治療とし、ビタミンD欠乏/不足とうつ病との関連、うつ病治療薬としてビタミンDサプリメントやビタミンDを使用した文献を選択した。本レビューは、以前の研究も考慮したものの、2011年以降の最近の研究に比重を置いた。 主な結果は以下のとおり。・経験的研究では、ビタミンD欠乏とうつ病の関連、ビタミンD不足のうつ病患者に対するビタミンDサプリメントやビタミンD増強に関するエビデンスが増加していた。・多くの研究に関連する方法論的限界が述べられていた。・研究は、英語論文に限られており、出版バイアスは、肯定的な所見を持つ研究が多い可能性がある。・うつ病の病因と管理におけるビタミンDの役割を明らかにし、現在示唆されている関連が臨床的に適合されるのかを証明するために、横断的デザインを超え、無作為化された縦断研究を実施する必要がある。

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タウ凝集阻害薬の軽度~中等度アルツハイマー病への効果/Lancet

 ロイコメチルチオニニウムビス(LMTM)の第III相臨床試験の結果は否定的なものであり、軽度~中等度アルツハイマー病に対するLMTMのアドオン療法の有益性は示されなかった。カナダ・ダグラス精神保健大学研究所のSerge Gauthier氏らが、LMTMの安全性および有効性を評価する15ヵ月間の無作為化二重盲検比較試験の結果、報告した。先行研究で、塩化メチルチオニニウム(=メチレンブルー:酸化型メチルチオニニウムの塩化物)は、タウ凝集阻害作用を有し、アルツハイマー病に対し単独療法で有効である可能性が示唆されている。LMTMはメチルチオニニウムの安定還元体で、塩化メチルチオニニウムより溶解性や吸収性が良好で、塩化メチルチオニニウムと同様、in vitroおよび遺伝子導入マウスモデルにおいて選択的タウ凝集阻害剤として作用することが確認されていた。なお、軽度のアルツハイマー病患者を対象としたLMTMの18ヵ月間の臨床試験の結果がまもなく報告される予定である。Lancet誌オンライン版2016年11月15日号掲載の報告。LMTM併用による認知機能およびADLの変化を評価 本試験は、16ヵ国(欧州、北米、アジア、ロシア)の大学および民間研究病院115施設において実施された。対象は、90歳未満の軽度~中等度アルツハイマー病患者で、他のアルツハイマー病治療薬を併用している患者も組み込まれた。ただし、メトヘモグロビン血症に関する警告のある薬剤を服用中の患者は除外された。 対象患者は、LMTMを75mg1日2回投与群(75mg群)、同125mg1日2回投与群(125mg群)または対照群(尿または便の変色に関して盲検化を維持するためLMTMを4mg1日2回投与)に、疾患重症度・地域・アルツハイマー病治療薬併用の有無・PET撮影の可否で層別化して3対3対4の割合で無作為割り付けされた。 主要評価項目は、アルツハイマー病評価尺度の認知機能スコア(ADAS-Cog)およびアルツハイマー病共同研究日常生活動作質問票スコア(ADCS-ADL)の、65週時におけるベースラインからの変化であった。修正intention-to-treat集団を対象として解析が行われた。LMTMの有効性は確認されず 2013年1月29日~2014年6月26日に、891例が無作為割り付けされた(75mg群268例、125mg群266例、対照群357例)。 主要評価項目に関して、どの群も治療効果は認められなかった。ADAS-Cogスコアの変化量は、対照群6.32(354例、95%信頼区間[CI]:5.31~7.34)に対し、75mg群-0.02(257例、95%CI:-1.60~1.56、p=0.9834)、125mg群-0.43(250例、95%CI:-2.06~1.20、p=0.9323)であった。ADCS-ADLスコアの変化量は、それぞれ-8.22(95%CI:-9.63~-6.82)、-0.93(95%CI:-3.12~1.26、p=0.8659)、-0.34(95%CI:-2.61~1.93、p=0.9479)であった。 75mg群および125mg群の安全性については、消化器および泌尿器系の有害事象の頻度が高く、投与中止理由としても最も多かった。臨床検査値異常で最も頻度が高かったのは、臨床的に重要ではないヘモグロビン濃度の用量依存的減少であった。アミロイド関連画像異常が確認された患者は1%未満(8/885例)であった。

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下町ロケット【コミュニケーションタイプ】

今回のキーワードピラミッド型ファミリー型フラット型家族モデル進化心理学パターナリズムシェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)みなさんは、人間関係を築こうとする時、「この人と合わないかも」と思うことはありませんか? 例えば、みなさんが職場で部下として、同僚として、そして上司としては? または、医療従事者としては? さらには、プライベートで友達として、恋人としては? 何が原因なのでしょうか? どうしたらうまく合わせることができるのでしょうか?今回は、このコミュニケーションのタイプとその相性をテーマに、ドラマ「下町ロケット」を取り上げます。このドラマは、主人公の佃が、社長として下町の町工場・佃製作所を経営する奮闘を描いています。ドラマの中で、佃は、ロケットの部品供給を巡って、帝国重工の宇宙航空部部長の財前と粘り強い交渉をします。さらに、コミュニケーションのタイプの違いの起源、コミュニケーションのタイプのギアチェンジの仕方、これからの時代に求められる医療のコミュニケーションモデルについて探っていきます。3つのコミュニケーションのタイプ-表1ここから、佃と財前をそれぞれモデルとして、大きく3つのコミュニケーションのタイプに分けて、みなさんといっしょに考えていきたいと思います。(1)力関係でつながる―ピラミッド型まずは、分かりやすいので、帝国重工の部長の財前と彼の上司・部下とのコミュニケーションを見てみましょう。財前が三千人の部下の前でロケット開発の勇ましい演説をして、部下たちを奮起させるシーン。その部下たちの目の前で、財前は社長から「頼むぞ」と励まされます。しかし、その直後、直属の上司である本部長から「(社長の思い通りにロケットを飛ばすことが)できなかったら君も私も・・・(降格させられるぞ)」と脅されます。財前は静かに「分かっております」と返事をするのです。大企業の帝国重工は、社長をトップとして、その下に本部長、部長、主任、そして一般社員を従える完全な階級構造です。これは、ピラミッド型と言えます。その特徴は、組織のさらなる発展という目的のために、成果主義など制度がしっかりしていること、そして序列主義など上下関係がはっきりしていて、命令に背けば命がないくらいの強さや恐怖(ノルアドレナリン)があります。つまり、力関係でつながっています。このタイプになりやすいのは、比較的に大人数で、男性が多く、マニュアル行動を行う集団であると言えます。例えば、大企業のほかに、自衛隊、消防隊、官僚などの公的組織やスポーツチームなどです。プラス面としては、大人数で協力してより大きなことを成し遂げる、つまり成果を確実に上げることができます。また、大きくて強い組織に所属しているというブランド力や経済的な安定感があります。ドラマの中で、帝国重工の社員が「それが帝国重工マンとしてのプライドだ」と誇らしげに言うシーンがありました。一方、マイナス面としては、組織の歯車として管理されることで決められたことしかできずに裁量の自由がなくなってしまうことです。また、「ぴりぴり」の関係なので、順応さや従順さを求められることで、部下が上司にイエスマンとなり、組織の現状の批判や新しいアイデアで組織をより良くしていこうという創造性が抑えられます。そして、組織の不正(チームエラー)を指摘することを憚ってしまい、隠ぺい体質を生み出すリスクもあります。例えば、2016年に某自動車会社の燃費不正が長年に渡って行われていたという不祥事が挙げられます。 財前が佃に肩入れする行動を、本部長(財前の直属の上司)が見かねて、主任(財前の直属の部下)を取り込みます。するとやがて、その主任は財前を出し抜こうとするようになるのです。このように、ピラミッド型は、組織(制度)への忠誠心はありますが、力関係でつながっている仲なので、実は上司と部下の信頼関係は希薄であることが分かります。実際に、かつての部下が今の上司という状況になった時、より葛藤が起きやすくなります。 また、夫が妻の上に立つピラミッド型の夫婦関係においても、夫がリストラや定年退職になり経済的な成果を上げられなくなった時や、子どもが巣立って経済的な負担が減った時に関係が破綻しやすくなります。それが、熟年離婚です。(2)信頼関係でつながる-ファミリー型次に、佃製作所の社長の佃と彼の部下とのコミュニケーションのスタイルを見てみましょう。財前が佃製作所を訪ねてきた時に、佃が職員を紹介するシーン。ある職員が「社長、昨日はごちそうさまでした」「(娘がお土産を)おいしいおいしいとむしゃぶり食ってました」とお礼を言い、職員の皆が佃と親しく接しています。中小企業の佃製作所は、社長と一般社員との心理的距離が近く、まるで家族のような人間関係を築いていて、優しさや安心感(セロトニン)があります。これは、ファミリー型と言えます。その特徴は、ピラミッド型とは対照的に、社員の一人一人が大事にされ、信頼関係でつながっています。このタイプになりやすいのは、比較的に少人数で、女性が多く、長期間の集団であると言えます。例えば、中小企業のほかに、集団登山、護送船団、サークル活動などです。プラス面としては、とにかく居心地が良いことです。一方、マイナス面としては、プラス面の裏返しで、序列が緩やかで「なあなあ」の関係なので、ピラミッド型のように成果がそれほど求められないことです。また、現状を批判しにくく、気を遣ってミスや怠けをかばい合い、うやむやにしてしまいます。それほど必死になって仕事に貢献しなくなることで、会社としての競争力を落とすリスクが高まります。さらには、疑似家族ならではの心理的距離の近さや人間関係の固定化により、長期的には古株のメンバーが既得権を振りかざしたり、不仲な社員同士が足を引っ張り合うなど、逆に人間関係が煮詰まるリスクもあります。(3)協力関係でつながる-フラット型最後に、佃と技術開発部門の山崎、佃と経理部長の殿村、そして佃と財前のコミュニケーションのスタイルをそれぞれ見てみましょう。かつて佃が山崎を他社から引き抜こうとした時に、彼は「君には夢があるか?おれにはある」「いつか自分の作ったエンジンでさ」「ロケットを大空に飛ばしたいんだ」と語ります。その思いに山崎は突き動かされたのでした。また、経理部長の殿村は、佃に渋い進言をし続け、「おれがみんなに嫌われていることは分かってる」「おれはこの会社が好きだ」「能力や技術力があるのに日の目を見ない企業を助けたかった」「(もともと)銀行員として物作り日本の手助けをしたかった」「それがおれの夢でした」と語っています。さらに、財前は、佃製作所の技術力の高さと佃のひたむきさに打たれ、同じ技術者として佃との友情が芽生え、ロケット打ち上げの成功という同じ目標を共有して、部品供給を受け入れます。佃とこの3人との人間関係は、力関係でもなく、信頼関係だけでもない平ら(平等)な関係によって、同じ夢に向かう楽しさや好奇心(ドパミン)があります。これは、フラット型と言えます。その特徴は、お互いが同じ目標に向かうために協力関係でつながっています。このタイプになりやすいのは、10人くらいまでの少人数で、集団の目的とそれぞれのメンバーの役割がはっきりしており、目的が達成されれば解散するという比較的短期間の集団であると言えます。例えば、職場のプロジェクトチーム、航空機のコクピットクルー、手術チーム、当直メンバー、チームスポーツ、裁判員(陪審員)などです。プラス面としては、お互いに率直な意見を言い合えて、オープンであることです。「ぴりぴり」のピラミッド型や「なあなあ」のファミリー型とは違って、「はきはき」の関係なので、相手のミスへの指摘に遠慮はしません。そして、創造的でより強いチームワークを発揮します。なぜなら、お互いの目標を達成するために関係を築いているからです。一方、マイナス面としては、お互いの目標にずれが起きた場合、その折り合いを付ける粘り強さが必要です。そして、折り合いがつかない場合は、関係の解消という選択肢もありえるということです。このドラマでは、特許を早々と高く売るか、使用契約にして将来への投資とするか大もめになっていました。私たちの職場の人間関係においても、例えば、病院(組織)の利益優先か患者(顧客)の満足度優先か、効率か後輩教育か、家族優先か仕事優先かなど様々にあります。家庭の人間関係においては、貯金優先か余暇優先か、のびのびとした子育てかしつけの行き届いた子育てかなど様々です。3つのコミュニケーションのタイプの違いはなぜ「ある」の?これまで、3つのコミュニケーションのタイプを見てきました。そして、なぜこのようなタイプの違いになるのかも分かってきました。それでは、そもそもなぜこのようなタイプの違いが「ある」のでしょうか?その答えは、これらの3つのコミュニケーションのタイプは、私たちの子ども時代のコミュニケーションのパターンを繰り返しているからです。例えば、ピラミッド型は父親をはじめとする男性年長者とのコミュニケーション、ファミリー型は母親をはじめとする女性年長者とのコミュニケーション、フラット型は年齢の近い兄弟姉妹や友達とのコミュニケーションであると言えます。つまり、コミュニケーションのパターンは、家族モデルが基盤になっているということです。この家族モデルの心理は、進化心理学的に言えば、私たちがヒトとなり体と心(脳)を適応させていった原始の時代の700万年前から進化したと考えられます。当時から、男性(父親)は食糧を確保し、女性(母親)は子育てをして、性別で分業をして家族をつくりました。そして、この基本となる家族が血縁によっていくつも集まって100人から150人の大家族の生活共同体(村)をつくりました。この当、遠出して食料を確保したい父親(男性)たちは、ピラミッド型のコミュニケーションによって成果を確実に上げました。一方、村にとどまっていっしょに子育てをしたい母親(女性)たちは、ファミリー型のコミュニケーションによって居心地を良くしました。そして、早く一人前になりたい子どもたちは、遊びを初めとするフラット型のコミュニケーションによっていっしょに何かを成し遂げ成長しました。そして、よりそうした種が生き残ったのです。その子孫が、現在の私たちであるというわけです。コミュニケーションのタイプはリーダーシップ理論にも重なる-グラフ1なお、このコミュニケーションのタイプは、社会心理学のリーダーシップにおけるPM理論にも重なります。この理論は、まずグラフ1のように、縦軸を目標達成度(Performance)、横軸を集団維持度(Maintenance)とします。すると、3つのコミュニケーションのタイプはグラフのような位置取りになります。ピラミッド型は、成果主義により目標達成度は高いです。しかし、人間関係の信頼感がない分、集団維持度は低いです。一方、ファミリー型は、居心地が良い分、集団維持度は高いです。しかし、成果があまり求められなくなるため、目標達成度は低くなります。そして、フラット型は、同じ目標を目指すという原動力がある限りにおいては目標達成度も集団維持度も高くなります。つまり、コミュニケーションは、二者関係におけるリーダーシップとも言えます。コミュニケーションのタイプがずれていたら?それでは、これらのコミュニケーションのタイプがずれていたらどうなるでしょうか? タイプの違う組み合わせによる3つのずれのパターンを、それぞれの登場人物たちのコミュニケーションから考えてみましょう。(1)ピラミッド型VSファミリー型佃と先代から長年ひいきの白水銀行とのやりとりのシーン。佃は窮地の状況で「お互い信頼関係あっての取引だったはずです」と言い、融資を申し出ます。しかし、「融資ってのは」「ビジネスです」とあっさり突っぱねられてしまいます。そのわけは、佃が銀行の意向に背いて研究費への投資の大幅な削減を渋ったからでした。ファミリー型で接していた佃は、本来ピラミッド型である銀行マンの心理を読み違えていたのでした。その心理は、力関係を見せ付け、成果がなければ切り捨てるというコミュニケーションです。今度は逆に、佃が窮地を脱して多額の利益を得たシーン。その銀行マンが平謝りで、すり寄ってきます。しかし、佃は「おれはあんたたちにされた仕打ちは絶対に忘れない」「同じ人間としておれはあんたらを全く信頼できない」と一喝します。ピラミッド型の銀行マンは、下手(したて)に出れば、関係が修復できると踏んでおり、佃の心理を読み違えていたのでした。その心理は、どんなに成果が得られても、信頼できない相手とは関係を持たないというコミュニケーションです。ピラミッド型かファミリー型かというコミュニケーションのタイプの違いは、私たちの職場においても起こります。例えば、会社と直属上司の板挟みになる部下です。まさに、このドラマの主任(財前の直属部下)の心理です。この主任のように迷うことなくピラミッド型のコミュニケーションをとることもできます。しかし、直属上司のとの信頼関係が厚い場合は、直属上司に着いていくというファミリー型のコミュニケーションをとることもできます。この場合、大事なことは、自分はどうしたいのかということです。これは、ちょうど2016年の国民的人気アイドルグループの解散騒動に重なります。長年いっしょにいたマネージャー(直属上司)の独立に伴い、多くのメンバーたちがそのマネージャーの独立に着いていくとファミリー型のコミュニケーションをとりました。ところが、1人のメンバーだけがもともとの会社に残るというピラミッド型のコミュニケーションをとったのでした。この騒動に正解はありません。会社と直属上司の板挟みになる局面において、メンバーのコミュニケーションのタイプの違いが浮き彫りになってしまったということです。また、恋人関係や夫婦関係などのパートナーシップにおいて、ピラミッド型のコミュニケーションをファミリー型の相手にしていたらどうなるでしょうか? よく言えばオラオラ系、亭主関白、かかあ天下になります。しかし、それは、悪く言えばDVやモラルハラスメントでもあります。なぜなら、ファミリー型の相手は被害を受けても関係性を重視して、別れようとはしないからです。さらには、親子関係において、親がファミリー型のコミュニケーションをピラミッド型のコミュニケーションをする成人した子どもにし続けたらどうなるでしょうか? うまく行けば一見とても仲の良い家族になります。それは、面倒見の良い親が、わがままな子どもの言いなりになるからです。しかし、うまく行かなければ、子どもが実家の居心地の良さに安住して自立しなくなったり、ひきこもりになってしまいます。(2)フラット型VSピラミッド型財前は、ロケットの部品全てを自社製品で揃えるという社長のこだわりに背きます。佃製作所から部品供給を受ける方向で動き、最終的には、幹部会議の中で、帝国重工社長に進言するのです。そして、会議は緊迫します。財前がピラミッド型の社長にあえてフラット型の進言をしています。財前もその行動のリスクは重々承知しています。結果的に、社長は財前の粘り強い説得に納得し、「賭けてみるか、どん底から這い上がった男に」と言います。そのわけは、社長がもともと技術者出身で、佃のロケットを飛ばすという熱意と技術に共感すると財前は踏んでいたからでした。財前は、社長の心の中になるフラットな心理を引き出したのでした。また、佃が高校生の娘にかかわるシーンを見てみましょう。佃は、娘が部活をサボったことに腹を立て、ノックもせずに部屋に押し入ります。そして、「お前、何やってんだ!」「親に向かって何だ!その口の聞き方は!?」と一方的に叱り付けています。そして、娘の反抗心をますます煽っていました。もともと娘に対する佃のピラミッド型のコミュニケーションが抜け入れていないことが分かります。娘は反抗期であり、ピラミッド型のコミュニケーションによる子ども扱いのままでは逆効果です。その後に、佃は娘に「好きだったら納得のいくまで」「だめなら他にまだいくらでも夢中になれるものは見つかるよ」「焦らずにゆっくり探せばいい」と娘の思いを認めることで、娘は「私も自分の夢を絶対に見つけるから」と言い、分かり合えます。このように、同じ大人の仲間としてフラットに大人扱いすることが本思春期の子どもの心を動かすのです。私たちの職場においても、部下は、上司が自分から考えて動くことを望むフラット型なのか、それとも命令通りに動くことを望むピラミッド型なのかを察知することが重要であるということです。逆に、上司は、部下がとにかく良い仕事をしたいという純粋な自己実現を望むフラット型なのか、それとも職場内の評価やより高い役職を望むピラミッド型なのかを見極めることが重要です。それは、実務職(プレーヤー)を望むフラット型か、管理職(マネージャー)を望むピラミッド型なのかという違いでもあります。また、上司からの押し付けと部下からの突き上げの板挟みになる中間管理職が当てはまります。これは、上司がピラミッド型のコミュニケーションであるにもかかわらず、部下たちが言いたいことを言うフラット型のコミュニケーションをしているということになります。この場合、大事なことは、自分はどうしたいのかということです。自分も上司と同じくピラミッド型になるのか、逆に部下たちの言い分を飲むファミリー型になるのか、それともさらに自分のビジョンを打ち出すフラット型になるのかはっきりさせることが重要です。(3)ファミリー型VSフラット型佃製作所の社員たちが特許を早々と高く売るか、使用契約にして将来への投資とするかについて大もめになるシーン。ある社員が「うちにとって目の前の問題は資金繰りじゃないですか」「今この会社は生きるか死ぬかの瀬戸際なんですよ」と必死に訴えます。一方、幹部の山崎たちは「あの技術は絶対に手放したくありません」「汎用性の高い斬新なものなんです」「売ればその可能性を捨てることになる」と頑として言い返します。これは、佃(会社)に対して、一般の社員たちが会社(関係性)を残すことを優先するファミリー型のコミュニケーションを取っているのに対して、山崎などの幹部は目標(企業理念)を残すことを優先するフラット型のコミュニケーションを取っているからであると言えます。このタイプの違いから、実際に専業ママのママ友グループにワーキングママは溶け込みにくいことが分かります。そのわけは、専業ママたちは、多少の情報交換はしていますが、お互いをねぎらったり励ましたりするなどを通して関係性を重視しており、集まることに意義があるファミリー型だからです。一方、ワーキングママは、職業的な視点が働きつい目的志向になってしまい、言いたいことをずばずば言ってしまうフラット型だからです。すると、専業ママにとっては、ワーキングママはきつい存在となります。一方、ワーキングママにとっては、専業ママたちは退屈な存在になってしまうというわけです。また、私たちが相談事を受ける時も注意が必要になることが分かります。それは、相談相手が、どのコミュニケーションのタイプの答えを求めているかということです。とりあえず「つらかったね」「大変だね」と受け止めることだけを求めるファミリー型なのか、解決のための手厳しい答えを求めるフラット型なのかという見極めが必要になります。それぞれのコミュニケーションのタイプをどうやって変える?それでは、それぞれのコミュニケーションのタイプをどうやって変えることができるでしょうか? コミュニケーションのタイプが相手、状況(集団)、時代によって変化することを踏まえて、いっしょに考えていきましょう。(1)ピラミッド型まず、ピラミッド型に変えるにはどうしたら良いでしょうか? 自分が上司の場合と部下の場合に分けて整理しましょう。自分が上司の場合、より上手(うわて)に出ることがポイントです。これは、相手との力関係を意識させるかかわり、つまり見張ることです。わがままになるのとはまた別です。その1つが、「報・連・相」の強化です。報告、連絡、相談をより多くするよう指示して、そうしなかったら、ダメ出しをすることです。また、褒め叱りの徹底も同様に効果的です。逆に、自分が部下の場合、基本的に下手(したて)に出ることがポイントです。これは、相手との力関係を受け入れる態度を表向きに見せる、つまり見張られることを受け入れることです。完全に言いなりになるのとはまた別です。こちらから、「報・連・相」を徹底することです。そのほかに使えるワザとして、「褒め殺し」が有名です。「すごいでねえ」「さすがですね」とのワードを連発して相手を気持ち良くさせることです。そして、それ以上の要求を逆に言わせないやり方です。さらにその発展形が「詫び殺し」です。例えば、トラブルが起きた時、こちらが悪くなくても「すみません」「申し訳ない」とのワードをひたすら繰り返し、「何とかしてしたい気持ちでいっぱいなんです」「これが私の精一杯なんです」と添えます。特に、医療機関で待ち時間が長いなどのクレームにおいて、こちらが上から目線で突っぱねるピラミッド型は不適切です。かと言って、フラット型のコミュニケーションで正論を言っても、特にプライドの高い高齢者は理解力の限界も相まってなかなか納得をしてもらえない可能性があります。そんな時、相手にそれ以上の文句を言わせないかかわりとして効果的であると言えます。(2)ファミリー型次に、ファミリー型に変えるにはどうしたら良いでしょうか? それは、グッドリスナーになることがポイントです。これは、相手との信頼関係を高めるために、話をよく聞くことを通して、あなたの味方であるというメッセージを伝えること、つまり見守ることです。合いの手としては、「大変だね」(共感)、「その気持ち分かるよ」(受容)、「大丈夫だよ」(保証)などのワードが使えます。そして、観察力を鋭くして、褒めることを増やし、目をかけることです。また、いっしょに食事をすることです。注意したいのは、逆に助言、激励、結論などの自分の意見は不要です。これは、相手を丸ごと受け止めていないと思われてしまったり、相手をつい良いか悪いか審判してしまうリスクがあるからです。また、相手との共通点を見つけるのも良いでしょう。これは、相手との共通点が多ければ多い方が、より親近感を抱くという理論に基づいています(社会的交換理論)。(3)フラット型最後に、フラット型に変えるにはどうしたら良いでしょうか? それは、自分の目標(ビジョン)をはっきりさせること、そして相手の目標(ビジョン)とすり合わせることです。これは、相手との協力関係を高めるために、お互いの目標を見合うことでもあります。例えば、自分が目標に向かって生き生きとがんばっている背中(モデル)を見せることです。さらには、どこにどう向かっているのか分かりやすく見せるプレゼン力も重要でしょう。子育てにおいて言えば、母親が「勉強しろ」とガミガミと言い続けるピラミッド型のコミュニケーションには限界があります。その母親が専業主婦として優雅な生活をしていたらなおさらです。子どもに一生懸命さを求めるのであれば、まず親が何かに打ち込んで一生懸命になっている背中を見せるフラット型のコミュニケーションが効果的です。また、相手に役割意識を見いだすことも重要です。例えば、「あなただからこそやってもらいたい」「あなたならできる」という働きかけによって、相手の自信や責任感を引き出すことができます。これからの医療のコミュニケーションモデルとは?―パターナリズムからSDMへ昨今の医療においては、患者だけでなく、医療関係者の価値観や治療選択も多様化してきています。そして、時代はより医療に説明を求めてきています。そんな時代に求められる医療のコミュニケーションモデルとは何でしょうか?かつて医療のコミュニケーションモデルは「お任せ」でした。医師が「この薬を飲んでください」や「手術が必要です」と説明抜きで一方的に言っていました。いわゆるパターナリズム(父権主義)です。これはピラミッド型が当てはまります。確かに、知的障害や認知症、自傷他害のおそれのある精神障害、そして伝染性の強い感染症については、このような強制的な対応が必要な場合があります。しかし、それはごく一部になってしまいました。また、特に心療内科や精神科の分野のコミュニケーションモデルは、「受け止める」です。これは、医療関係者が「つらいですね」と共感的に接することが主となっています。いわゆる傾聴を基本とする支持的精神療法です。これはファミリー型が当てはまります。しかし、このやり方は、問題への根本的な介入とはならないため、患者の問題は解決しないという課題が残ります。そして、最新の医療のコミュニケーションモデルは、「いっしょに決める」です。これは、治療をしないことも含めた治療の選択肢を医師が提案し、それを患者が医師といっしょに考えることです。インフォームドコンセント(IC)からさらに進んだやり方で、シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)と呼ばれています。これは、フラット型が当てはまります。ただし、この取り組みには、医師に膨大な労力がかかります。今後の課題としては、医師が患者への説明に追われて疲弊しない枠組みが求められます。これからの時代に求められるコミュニケーションとは?これからの時代に求められるコミュニケーションとは何でしょうか? 昨今の世の中のコミュニケーション環境は、医療に限らず多様化してきています。コミュニケーションのタイプの違いを知った今、そしてずれによる危うさを知った今、その答えとは、相手や状況によって、コミュニケーションのタイプのバランスをとったりギアチェンジをすることではないでしょうか?1)糸井戸潤:下町ロケット、小学館文庫、20132)小野善生:リーダーシップ理論、日本実業出版社、20133)山岸俊男監修:社会心理学、新星出版社、2011

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治療抵抗性強迫症に対する増強療法、抗精神病薬の評価は

 小児、青年における治療抵抗性強迫症(OCD)に対するSSRIとアリピプラゾール増強療法について、トルコ・Denizli State HospitalのUlku Akyol Ardic氏らが評価を行った。Child psychiatry and human development誌オンライン版2016年11月3日号の報告。 2種類以上のSSRIおよび認知行動療法(CBT)による治療に反応しなかった小児治療抵抗性OCD患者48例(女児14例、男児34例)を対象に、12週間のアリピプラゾール増強療法を行った。治療アウトカムの評価には、小児OCD評価尺度(CY-BOCS)、CGI-S、CGI-Iを用いた。 主な結果は以下のとおり。・CY-BOCS総スコアは33.3±7.5から11.7±9.3に減少(p<0.001)、CGI-Sスコアは6.3±0.9から2.7±1.6に減少(p<0.001)、CGI-Iスコアは4.3±0.6から2.2±1.1に改善した(p<0.001)。・SSRI漸増を伴わない29例におけるアリピプラゾール増強療法の感度分析は、改善効果が依然として有意であることが明らかとなった。CY-BOCSスコアは、34.2±7.9から13±10.3に改善(p<0.001)、CGI-Sは6.4±1.0から3.0±1.7に改善(p<0.001)、CGI-Iは4.4±1.0から2.3±1.1に改善した(p<0.001)。・分析では、アリピプラゾール増強療法は、有意な臨床的改善を示すことが明らかとなった。 著者らは「SSRIとアリピプラゾール増強療法は、小児および青年の治療抵抗性OCDに対する有望な治療戦略である」としている。関連医療ニュース 治療抵抗性強迫症に抗精神病薬の増強療法は有効か 難治性強迫性障害に有用な抗精神病薬は何か SSRIで著効しない強迫性障害、次の一手は

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アルツハイマー病に関する臨床試験、その進行状況は

 現在、アルツハイマー病(AD)に対する薬理学的推奨薬は、コリンエステラーゼ阻害薬とNMDA型受容体アンタゴニストであるメマンチンがある。これらの薬剤は、AD症状を管理するだけで、Aβプラークや神経原線維変化を標的としていない。そのため、AD病変を直接的に標的とし、AD進行経過を変化させる効果的かつ安全な治療法を開発する必要がある。カナダ・トロント大学のMyuri Ruthirakuhan氏らは、AD治療薬について進行中の第II/III相の臨床試験を評価した。Expert opinion on pharmacotherapy誌2016年12月号の報告。 本レビューでは、過去5年間に完了または公表された試験を含む、進行中の第II/III相の臨床試験を評価した。レビュー研究は、clinicaltrials.gov、alzforum.org/therapeutics、PubMedより抽出した。キーワードおよび選択基準は、アルツハイマー病、軽度認知障害に関する第II/III相の試験、アミロイドβ、タウとした。なお、ADに対する免疫療法を、本レビューの範囲外とした。 主な結果は以下のとおり。・アミロイドβ、タウを標的とした試験数が多かった。・しかし、これらの試験の多くは、治療期間が比較的短く、バイオマーカーと臨床アウトカムの総合評価が含まれていなかった。・今後の調査では、疾患の緩和効果を確立するために最低限の治療期間である18ヵ月にわたり、バイオマーカーの評価と臨床転帰を含んだ試験が推奨される。関連医療ニュース 世界的に今後の認知症研究はどう進んでいくか 認知症の世界的トレンドはどうなっているか 認知症のための学部医療教育強化

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うつ病患者への外来ケアサービスの試み

 うつ病入院患者は、退院後、外来ケアの非継続や有害事象のリスクが高い。米国・ミシガン大学のPaul N Pfeiffer氏らは、病院のモニタリングとうつ病のために強化された支援プログラムについてパイロット研究を行った。Social psychiatry and psychiatric epidemiology誌オンライン版2016年10月25日号の報告。 うつ病に関連した入院後のVeterans Affairs Medical Centerの患者48例は、家族・友人(19例)または認定ピアサポートスペシャリスト(29例)のいずれかを選択し、毎週の訪問または電話を6ヵ月間受けた。対象者は、抑うつ症状と抗うつ薬の服薬アドヒアランスを評価するため週1回の自動電話モニタリングを行った。 主な結果は以下のとおり。・90%以上の患者が、本ケアサービスに満足していた。・うつ症状のベースラインから6ヵ月の平均変化量は、家族・友人によるサポートを受けた患者では、患者の健康に関するアンケートで-7.9(p<0.05)、BDI-IIベック抑うつ質問票で-11.2(p<0.05)であった。ピアスペシャリストのサポートを受けた患者では、それぞれ-3.5(p<0.05)、-1.7(p>0.10)であった。 著者らは「精神科入院後の自動電話モニタリングと連携し、選択したサポートメンバーによるコンタクトの増加は、うつ病患者に受け入れられるサービスである。とくに家族・友人によるサポートを受けた患者では、うつ症状の減少が認められた」としている。関連医療ニュース 抑うつ症状改善に“手紙による介入”は効果的か?:京都大学で試験開始 うつ病再発予防へ、インターネット介入の可能性は 近未来のうつ病治療に、会話システム「Help4Mood」

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うつ病治療歴があると早期乳がんの予後が悪い?

 デンマークの全国登録ベースのコホート研究より、うつ病治療歴のある初発早期乳がん女性では、ガイドラインで推奨されるアジュバント治療を受けないリスクがあり、それが全生存率および乳がん特異的生存率の低下につながっている可能性があることをデンマークがん協会研究センターのNis P. Suppli氏らが報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2016年11月14日号に掲載。 本研究は、1998~2011年にデンマークで早期乳がんと診断された女性4万5,325例を調査した。そのうち、744例(2%)は病院でのうつ病治療歴(入院もしくは外来)があり、6,068例(13%)は病院での治療歴はないが抗うつ薬による治療歴があった。著者らは、うつ病治療歴と、ガイドラインによるがん治療を受けないリスクとの関連を多変量ロジスティック回帰分析で評価し、全生存率・乳がん特異的生存率・自殺リスクについて乳がん発症前のうつ病治療の有無別に多変量Cox回帰分析で比較した。 主な結果は以下のとおり。・腫瘍のStageからは、うつ病治療歴のある女性における乳がん診断の遅れは示されなかった。・乳がん発症前に病院での治療歴がないが抗うつ薬による治療歴のある女性は、ガイドラインによるがん治療を受けないリスクが有意に増加し(オッズ比:1.14、95%CI:1.03~1.27)、全生存率(ハザード比:1.21、95%CI:1.14~1.28)と乳がん特異的生存率(ハザード比:1.11、95%CI:1.03~1.20)が有意に悪化した。病院でのうつ病治療歴のある女性においても、これらのリスクが有意ではないが増加した。・サブグループ解析では、必要とされるアジュバント療法を受けなかった女性で、とくにうつ病と生存率低下の関連が強かった。

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非薬物療法でもスポンサーバイアスは存在するか

 心理療法などの非薬物療法におけるスポンサーバイアスは、十分に研究されていない。ルーマニア・Babes Bolyai UniversityのIoana A Cristea氏らは、うつ病に対する心理療法と薬物療法を直接比較したランダム化比較試験における企業の資金調達と著者の利益相反(COI)について調査した。The British journal of psychiatry誌オンライン版2016年11月3日号の報告。 企業出資の有無、著者の金銭的COIの有無による臨床試験を比較し、メタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・45件の研究が抽出された。・ほとんどの分析によると、企業出資による試験において、薬物療法は一貫して心理療法を上回る有意な有効性を示していた(g=-0.11、95%CI:-0.21~-0.02)。・企業出資の有無による臨床試験の差は有意であり、感度分析において結果は部分的に確認されただけだった。・金銭的COIを報告していなかった元文献の著者は5例特定された、 著者らは「企業出資によるうつ病の臨床試験では、心理療法よりも薬物療法を好む傾向がある。製薬企業からのすべての出資の開示が奨励されるべきである」としている。関連医療ニュース 抗うつ薬の有害事象、学術論文を鵜呑みにしてよいのか 魚を食べるほどうつ病予防に効果的、は本当か 晩年期治療抵抗性うつ病の治療戦略に必要なものとは

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