サイト内検索|page:177

検索結果 合計:5819件 表示位置:3521 - 3540

3521.

統合失調症患者が正常に抗精神病薬を中止した臨床的特徴に関するレビュー

  抗精神病薬の中止は統合失調症患者の再発リスクを増加させるが、一部の患者では、抗精神病薬を継続することなく臨床的に良好な状態を持続することができる。しかし、このような患者の特徴に関するデータは不十分である。慶應義塾大学の谷 英明氏らは、正常に抗精神病薬を中止した統合失調症患者の臨床的特徴を明らかにするため、システマティックレビューを行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2018年10月8日号の報告。統合失調症患者における抗精神病薬中止を成功させるいくつかの予測因子を特定 統合失調症における抗精神病薬中止成功の予測因子を同定するため、PubMedを用いて2018年6月までの文献を検索し、システマティックレビューを行った。「antipsychotic* or neuroleptic」「withdraw* or cessat* or terminat* or discontinu*」「schizophreni* or psychosis」の検索キーワードを用いて、さらに英語で報告されたヒト対象の研究に絞り込んだ。フォローアップ期間が3ヵ月以上の研究のうち2つ以上で再現された場合、統合失調症の再発リスク低下に関連する因子とみなした。 統合失調症における抗精神病薬中止成功の予測因子を同定するレビューの主な結果は以下のとおり。・システマティックな文献検索により、37件の関連文献が特定された。・抗精神病薬中止後の平均再発率は、38.3%(95%CI:16.0~60.6%)であった。・統合失調症の再発リスク低下に関連する因子は以下のとおりであった。 ●中止前の抗精神病薬の投与量が少ない ●高齢者 ●未治療期間が短い ●高齢発症者 ●ベースライン時の陽性症状の重症度がより軽度 ●社会機能が良好 ●これまでの再発回数が少ない 著者らは「本レビューでは、統合失調症患者における抗精神病薬中止を成功させるためのいくつかの予測因子が特定された。しかし、非常に限定されたエビデンスであり、統合失調症における抗精神病薬の中止は再発率の上昇に影響を及ぼすため、リスクとベネフィットに関してさらなる検討が必要である」としている。

3522.

第2回 急性痛と慢性痛【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第2回 急性痛と慢性痛痛みは不快な感覚ではありますが、人が生きていくうえでは、なくてはならない感覚です。とくに生命に危険を及ぼすような障害が生じているときには、素早く対処する必要があります。実際、先天性無痛覚症の患者さんは「短命だ」といわれています。そのために、痛覚は「防御反応における精神心理面での補助的役割」と、すでに1900年に有名な生理学者Charles Sherrington氏は述べておられます(図1)。前回は痛みの発生する原因機序別に従って分類した、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛(非器質性疼痛)について述べさせていただきました。今回は、痛みの発生する時期による分類として、急性疼痛、慢性疼痛について説明したいと思います。急性疼痛は必要とされる痛みでありますが、慢性疼痛はできれば避けたい痛みです。図1 痛覚の役割画像を拡大する急性疼痛代表的な痛みは術後疼痛です。手術は侵害刺激でありますし、その後の回復期においては炎症反応が生じます。侵害受容性疼痛と炎症性発痛物質による痛みが混在するのが術後痛です。たいていは術後24時間後から痛みの程度が徐々に減少していきますが、なかには何らかの原因でその痛みが遷延することも珍しくありません。術後遷延性の疼痛として、慢性疼痛に移行して何十年も持続する患者さんも存在します。以前は「手術の後は痛いのが当たり前である」「痛いのは生きている証拠である」といわれていた時代もありました。医療従事者もそうであったし、患者さん自身もそのように感じていただけでなく、むしろ我慢のしどころであるとも思っていました。しかしながら、術後の患者さんの痛みを緩和することは、手術後の患者さんの早期回復を促し、在院期間を短縮するだけでなく、その結果として医療費の削減にも通じます。したがって、術後痛対策としての硬膜外麻酔併用全身麻酔は、術後疼痛を緩和するための有用な手段であります。慢性疼痛近年、わが国においては、かつて世界中でどこの国も経験したことのない高齢社会となってきております。それを反映して高齢者が遭遇しやすい疾患である帯状疱疹後神経痛、脊柱管狭窄症や腰痛症、それに付随する手術後に発生する脊椎術後疼痛症候群などのいわゆる「難治性慢性疼痛患者さん」が著しく増加しています。これらの疾患では病状は類似しているものの、痛みの性質やその程度は患者さんによって実にさまざまであり、疼痛治療にも大いに難渋しております。1)帯状疱疹後神経痛帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹が治癒した後に生じる疼痛疾患であるため、周囲の人々から帯状疱疹後の疼痛に対する理解が得られにくいのが現状です。帯状疱疹後神経痛の発症率は、年齢とともに高くなっていきます。筆で患部をなでられただけで耐えられない痛みを訴える「アロディ二ア」と呼ばれる状態がみられると、患部が衣服でこすれても、風に吹かれても、健康人では触覚として認識する感覚を激痛として感じてしまい、患者さんにとっては耐えられない状態となります。そのうえ、持続性の痛みだけでなく、時々、突然発生する耐え難い激痛である突出痛も不定期にみられるために恐怖感も生じ、当然のことながら患者さんは、精神的にも落ち込むことになります。したがいまして、初期の有効な疼痛緩和治療により、痛みをできる限り感じないようにすることが重要です。2)脊椎術後疼痛症候群脊椎術後疼痛症候群の患者さんでは、腰痛などで脊椎手術が施行され、その後に手術前よりも痛みが強くなるような症候群を指しています。これも、帯状疱疹後神経痛と同様の難治性であり、患者さんを激痛で苦しめています。痛みは患者さん本人にしかわからないので、できるだけ早期に疼痛を軽減するために治療を開始することが大切です。早い痛みへの対策が、その後の痛みを和らげることは言うまでもありません。痛みの悪循環原疾患の治癒にもかかわらず3ヵ月以上経過しても痛みが持続するようになれば、急性疼痛から慢性疼痛への移行として考えられ、その説明にはよく「痛みの悪循環」が応用されております(図2)。これは、最初に外因性の手術などの疼痛刺激が痛み受容器(神経自由終末)を刺激し、その結果、痛みインパルスが発生します。それは脊髄後角から脊髄視床路を経由して上位中枢に入力し、大脳皮質においてそのインパルスを痛みの信号として認識すると同時に、交感神経系も刺激されますのでアドレナリンが分泌されます。また、脊髄反射によって運動神経が刺激されて、筋肉の攣縮などが生じます。と同時に、血管収縮が発生して、痛みを感じる領域の酸素欠乏を招き、炎症性変化によって生体内に存在するブラジキニンなど(表)のさまざまな発痛物質が生成されます。そうなりますと、元来の痛み刺激が消失しても、今度は生体内発痛物質が痛み受容器(神経自由終末)を刺激することになりますので、この悪循環は半永久的に持続する慢性疼痛に移行することになります。この悪循環を経路の中のどこかで断ち切ることが、痛みの治療の大きな柱の1つとなります。痛みの悪循環を遮断するために(図2)、末梢神経、硬膜外腔、脊髄、脊髄視床路、脳組織がターゲットとなり、神経ブロック、薬物療法、光線療法、電気刺激療法、運動療法、リハビリ療法など、さまざまな治療法を駆使します。表 体内にある主な発痛物質および発痛調節物質図2 痛みの循環と痛みの遮断*画面をクリックして動画を視聴ください痛みは身体の危険信号でありますが、通常、健康な場合には存在を感じない知覚です。しかしながら、いったん暴れだすと収拾がつかなくなり、患者の気を狂わすこともある恐ろしい感覚です。「痛み」の克服は、社会の平和と人間の暮らし(QOL)の向上に多大なる貢献をするものと確信しております。次回は、「痛みの伝導系と抑制系」を予定しております。1)花岡一雄ほか. BRAIN and NERVE. 2008;60:519-525.2)河谷正仁 編集. 痛み研究のアプローチ. 新興交易医書出版部;2006.p.15-18.

3523.

アルツハイマー病治療薬メマンチンの有効性と安全性

 現在、アルツハイマー病に対する薬物治療には5つの選択肢が存在する。コリンエステラーゼ阻害薬であるドネペジル、ガランタミン、リバスチグミンによる治療、メマンチン治療およびメマンチンとコリンエステラーゼ阻害薬の併用療法である。最良の治療方法の選択は、ランダム化比較試験のシステマティックレビューおよびメタ解析によって得られたエビデンスに基づいている。藤田医科大学の松永 慎史氏らは、アルツハイマー病の薬物治療における安全性と有効性に関するメタ解析のエビデンスを用いて、これらの治療法のリスクとベネフィットの分析を行った。Expert Opinion on Drug Safety誌2018年10月号の報告。 主な結果は以下のとおり。・メマンチンは、単剤療法およびドネペジルとの併用療法において、認知機能および行動障害をプラセボよりも効果的に改善する。・メマンチン単剤療法および併用療法は、傾眠などのいくつかの有害事象と関連しているが、それは十分に許容されており、安全性(全原因による中止)はプラセボ(興奮)よりも優れている。・プールされたコリンエステラーゼ阻害薬は、認知機能の改善においてプラセボよりも優れているが、行動障害では認められず、中断率も高いことから忍容性が十分ではなかった。・ドネペジル(10mg/日)、経口リバスチグミン、ガランタミンの単剤療法は、胃腸障害を含むいくつかの有害事象リスクを伴う。 著者らは「メマンチンとドネペジルの併用療法が、アルツハイマー病の最も有効な治療方法であると考えられる」としている。■関連記事日本人アルツハイマー病に対するメマンチンのメタ解析ドネペジル+メマンチン、アルツハイマー病への効果はどの程度中等度~高度AD患者にメマンチンは本当に有効か~メタ解析

3524.

治療抵抗性うつ病、SSRI/SNRIにミルタザピン追加は有用か/BMJ

 プライマリケアにおける治療抵抗性うつ病患者において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)にミルタザピンを追加しても、臨床的に有意な臨床効果は確認されなかった。英国・ブリストル医科大学のDavid S. Kessler氏らが、第III相の多施設共同無作為化プラセボ対照試験「MIR試験」の結果を報告した。いくつかの小規模な臨床試験で、SSRI/SNRI+ミルタザピン併用療法の有効性が示唆され、使用頻度が増加していたが、結果を踏まえて著者は、「本試験の結果は、プライマリケアの治療抵抗性うつ病患者において、SSRI/SNRIにミルタザピンを追加する併用療法の拡大に異議を唱えるものである」とまとめている。BMJ誌2018年10月31日号掲載の報告。プライマリケアの治療抵抗性うつ病患者480例でプラセボ対照試験 試験は2013年8月~2015年10月に、英国4地域(ブリストル、エクセター、ハル、キール/ノーススタッフォードシャー)の106の一般診療所で行われた。被験者は、ベックうつ病調査票(BDI-II)で14点以上、ICD-10のうつ病基準を満たし、SSRI/SNRIによる治療を6週以上受けてもうつ状態が持続している18歳以上の成人患者480例。研究グループは、対象患者をミルタザピン群(241例)とプラセボ群(239例)に無作為に割り付け、通常のSSRI/SNRI治療に追加投与し、12週、24週および52週時に評価した。なお、割り付けでは地域による層別化とともに、ベースライン時のBDI-II得点・性別・現在の精神療法によって最小化された。 主要評価項目は、無作為化後12週時のうつ症状(BDI-IIによる評価)、副次評価項目は12週・24週・52週時の不安障害、QOLおよび有害事象などであった。ミルタザピン併用群で12週時のうつ症状は改善せず、有害事象は高頻度 431例(89.8%)が12週間の解析に組み込まれた(ミルタザピン群214例、プラセボ群217例)。 12週時のBDI-II得点(平均±SD)は、ベースライン時の得点および層別化/最小化因子で補正後、ミルタザピン群で18.0±12.3、プラセボ群で19.7±12.4であり、有意ではないもののミルタザピン群で低下した(群間差:-1.83、95%信頼区間[CI]:-3.92~0.27、p=0.09)。 24週時(フォローアップ403例[84%])、52週時(390例[81%])の評価では、両群間の差はさらに小さくなり無効を示す結果が含まれた(24週時の群間差:-0.85[95%CI:-3.12~1.43]、52週時の群間差:0.17[-2.13~2.46])。 有害事象は、ミルタザピン群で頻度が高く、試験薬の投与中止との関連も多かった(12週時で投与中止となった有害事象46例vs.9例)。

3525.

ローカルケアセンターの支援プログラム利用患者におけるアリピプラゾール持効性注射剤のアドヒアランス評価

 アリピプラゾール持効性注射剤(LAI)のためのASSUREプログラムのような患者支援プログラムは、統合失調症患者に対しLAIを含む医薬品の使用を支援できるよう考えられている。米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のMallik Greene氏らは、ローカルケアセンター(LCC)でのプログラムを利用している患者におけるアリピプラゾールLAIのアドヒアランスを評価するため、検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2018年10月16日号の報告。 2014年10月~2018年2月にLCCを利用した患者よりデータを収集した。LCCでLAI治療を受け、プログラムの追加支援サービスに参加している患者の特徴、アリピプラゾールLAIによるプログラムの種類および患者の費用負担について調査を行った。アドヒアランスは、フォローアップ中に順守された日数(PDC)として測定され、LCCを6ヵ月および9ヵ月利用した患者において推定した。PDCが80%以上の患者をアドヒアランス良好と定義した。 主な結果は以下のとおり。・234例がLCCで1回以上のLAI治療を受け、患者支援プログラムに参加していた。・平均年齢は37.3(SD 13.5)歳、男性の割合は60.7%、メディケア対象者の割合は32.5%であった。・LCCを積極的に利用していた患者は、6ヵ月以上で157例、9ヵ月で87例であった。・フォローアップ期間中のPDCは、6ヵ月で97%、9ヵ月で98%であり、アリピプラゾールLAIのアドヒアランスは良好であった。 著者らは「LCC利用患者は服薬アドヒアランスが良好であり、センターが提供する注射剤サービスが治療の障壁を減少させ、統合失調症患者におけるLAI抗精神病薬の治療継続の助けとなることを示唆している」としている。■関連記事統合失調症に対する第2世代抗精神病薬持効性注射剤の治療結果統合失調症の再発率比較、併用療法 vs. 単独療法 vs. LAILAIを適切に使用するための5つのポイント

3526.

統合失調症と双極性障害における退院後早期の精神科受診と再入院リスクに関する研究

 東京都医学総合研究所の奥村 泰之氏らは、統合失調症もしくは双極性障害の入院患者において、退院後早期の精神科受診が再入院リスクの減少と関連するかについて検討を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2018年10月9日号の報告。 レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いて、レトロスペクティブコホート研究を実施した。2014年4月~2015年3月に、精神病床へ新規入院した65歳未満の統合失調症または双極性障害患者4万8,579例を対象に、入院の180日前から退院の210日後までフォローアップ調査を行った。主要アウトカムは、退院後180日間(31~210日)での精神病床への再入院とした。 主な結果は以下のとおり。・患者全体において、退院後30日以内に精神科へ受診しなかった患者の割合は15%であった。・入院前180日間で精神科外来へ受診した回数が少ない患者ほど、退院後30日以内に精神科へ受診しない傾向が認められた。・退院後30日以内に精神科への受診があった4万1,333例において、その後の180日以内の再入院率は21.7%であり、受診しなかった7,246例の37.5%と比較し低かった(調整リスク比:0.54、95%CI:0.52~0.57)。 著者らは「退院後早期の精神科受診は、再入院リスクの低減に寄与することが示唆された。退院後に継続的な支援が確実に受けられるような仕組みが、より一層求められる」としている。■関連記事日本における精神科病床への新規入院患者の在院日数に関する研究統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較統合失調症患者の強制入院と再入院リスクとの関連~7年間のレトロスペクティブコホート研究

3527.

境界性パーソナリティ障害の特性と自殺リスクに対する睡眠の役割

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、自殺リスクや睡眠に関する問題(不眠症や悪夢を含む)と高率に関連している。米国・ミシシッピ州立大学のHilary L. DeShong氏らは、不眠症および/または悪夢を介する自殺リスクに対するBPDの特性の潜在的な間接的影響を評価するため、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2018年10月9日号の報告。 Amazon's Mechanical Turkより参加者を募集し、オンラインで281例の研究を完了した。参加者より、BPD特性、BPD症状、自殺リスク(自殺念慮歴、自殺企図歴)、不眠症、悪夢に関連する苦痛や障害を測定した。 主な結果は以下のとおり。・BPD特性および症状は、自殺リスク、不眠症、悪夢と中等度から高度に関連していた。・parallel mediationモデルでは、不眠症状においては、BPD特性と自殺リスクに間接的影響があると認められたが、悪夢においては認められなかった。 著者らは、本研究の限界として、対象が臨床サンプルでなく一般集団であった点、自己報告尺度のみに依存している点を挙げ、今後の研究においては、観察者報告(observer report)や面接調査法を用いて、臨床サンプルにおけるこれらの関連性を調査することが求められると述べている。また、「BPD特性は、睡眠に関する問題(とくに不眠症)を介して、自殺リスク増加に影響していると考えられる。そのため、BPD患者の睡眠障害を評価し、治療することは、自殺リスク低下に寄与する可能性がある」とまとめている。■関連記事境界性パーソナリティ障害の自殺リスク、ポイントは睡眠の改善か境界性パーソナリティ障害治療の現状境界性パーソナリティ障害治療におけるω3脂肪酸とバルプロ酸併用

3528.

日本人高齢者のうつ病に対する身体活動の影響

 座位行動(sedentary behaviour:SB)を減らし、身体活動(physical activity:PA)を増やすことは、うつ病の減少との関連が示されている。しかし、SBがPAに置き換えられた際の高齢者におけるうつ病の潜在的なベネフィットに関する研究は、あまり行われていなかった。文化学園大学の安永 明智氏らは、日本人高齢者におけるうつ病と、客観的に評価されたSB、軽度PA(LPA)および中等度~高度PA(MVPA)との関連性を評価し、SBをPAに置き換える影響について検討を行った。BMJ Open誌2018年9月25日号の報告。 日本の一般集団より65~85歳の高齢者276例を対象とし、横断的分析を行った。SB(≦1.5 METs)、LPA(>1.5~<3.0METs)、MVPA(≧3.0METs)の1日当たりの平均時間を算出した。老年期うつ病評価尺度15項目日本版(GDS-15)を用いてうつ病の評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・単一活性モデルにおいて、SBの少なさ(β:0.129、95%CI:0.015~0.243)やLPAの多さ(β:-0.138、95%CI:-0.265~-0.011)は、GDS-15スコアと有意かつ負の相関を示した。・isotemporal substitutionモデルでは、1日30分だけSBからLPAに置き換えることにより、GDS-15スコアの有意かつ負の相関が認められた(β:-0.131、95%CI:-0.260~-0.002)。 著者らは「SBを少しでもLPAに置き換えることは、高齢者のうつ病改善に影響を及ぼすことが示唆された。1日当たり30分間のSBからLPAへの置き換えで、潜在的な好影響が観察される」としている。■関連記事少し歩くだけでもうつ病は予防できる高齢者うつ病患者への運動療法は有効うつ病や身体活動と精液の質との関連

3529.

てんかんを正しく診断するために

 てんかんはあらゆる年代で100人に1人程度発症する身近な病気だ。ただし約7割は治療により発作なく日常生活が送れる。つまり、てんかんは決して珍しい病気でも、治療が難しい病気でもない。しかし、てんかん発作に対する誤ったイメージが要因で、適切に診断されないことは多い。適切な診断には、まずさまざまな発作があることを知り、てんかんに対する正しい知識を持つことが重要である。 今回、こうした見落としやすい発作の理解を促す目的で、「てんかんの正しい診断をサポートするために~知っておきたい、てんかん発作のいろいろ~」と題するセミナーが都内にて開かれ、さまざまなてんかん発作の特徴などが語られた(主催:大塚製薬株式会社、ユーシービージャパン株式会社)。 演者の神 一敬氏(東北大学大学院医学系研究科 てんかん学分野 准教授)は、「てんかんの診療において最も重要なのは、てんかん発作を知ることである」と強調した。 以下、セミナーの内容を記載する。その症状、実はてんかん発作かも? てんかん発作というと、全身痙攣を起こす強直間代発作を思い浮かべることが多いが、実はその種類は多様である。発作は、脳全体が興奮する全般発作と、脳の一部が興奮する部分発作に分けられる。とくに見落とされやすいのが、全般発作の中ではミオクロニー発作、部分発作の中では複雑部分発作だ。 ミオクロニー発作は思春期に多く発現し、全身や手足が一瞬ぴくっとなる発作である。具体的には、「食事中に食器をたびたび落とす」といった形で現れる。このとき患者に意識はあるものの、てんかんの発作であるとは気付きにくいため、診断の際に医師が「時々物を落としませんか?」などと問いかけることが重要である。 複雑部分発作では、ぼーっとした状態で一点を凝視し、「手をもぞもぞさせる」などの自動症を伴うことがある。患者に意識はなく、発作後も意識がもうろうとすることが多い。 どちらの発作も気付かれにくく、見落とされやすい。だからこそ、正しい診断が重要となる。まずは病歴聴取、究極は長時間ビデオ脳波モニタリング検査 てんかんの診断に重要な4本柱は、病歴聴取、MRI、外来脳波、長時間ビデオ脳波モニタリング検査(VEEG)である。まずは、てんかんを見落とさないために、病歴聴取で患者さんからしっかりと発作の様子を聞き出すことに努めてほしい。患者さんが発作中のことを覚えていない場合には、家族にスマートフォンなどで発作の様子を撮影してもらうことも有効だ。 さらに、発作を最も確実に診断、記録できる検査としてVEEGが注目されている。これは、昼夜持続でビデオと脳波を記録する検査であり、てんかん発作を詳細に読み解くことができる。2018年に改訂された「てんかん診療ガイドライン」においても、新しくVEEGの項目が取り上げられ、てんかんの確定診断、病型診断および局在診断において有用であることが明記された。臨床現場に追い風 このVEEGを実施する際の保険点数は、2010年には1日900点だったが2016年に施設限定で3500点に引き上げられた。さらに、2018年に施設基準が緩和され、適応施設が拡大していることから、今後こうした専門施設への紹介が増えることが期待される。また、日本における抗てんかん薬の選択肢も増えており、患者さんにとって良い治療環境が整いつつある。しかし、治療に至るまでには、まずはてんかん発作を正しく診断する必要がある。見落としがちな発作を知り、確実に診断することで、適切な治療につなげてほしい。 なお、大塚製薬株式会社、ユーシービージャパン株式会社が運営するてんかん情報サイト「てんかんinfo」には、医療従事者にとっても参考となる発作の具体的症状が動画で掲載されている。 本講演は、「てんかん診療における追い風を活かし、患者さんにより良い治療を提供していきたい」という神 一敬氏の言葉で締めくくられた。

3530.

同居家族と産後うつ発症リスクとの関連

 産後うつ病(postpartum depression:PPD)には、多くの心理社会学的および生物学的なリスク因子がある。しかし、同居家族とPPDリスクとの関連性については検討されていなかった。大阪医科大学の本庄 かおり氏らは、日本人女性における同居家族と出産1ヵ月後のPPDリスクとの関連性を調査し、この関連性が、家計収入やパートナーの育児への関与によって影響を受けるかについて検討を行った。Social Science & Medicine誌オンライン版2018年10月2日号の報告。 対象は、日本人女性8万6,490例。データは、2011年に開始された大規模全国コホート研究である「子どもの健康と環境に関する全国調査(Japan Environment and Children's Study:JECS)」より抽出した。主要予測因子は、妊娠第1三半期における同居家族(パートナー、実親[たち]、義親[たち]、子供[たち])とした。アウトカムは、出産1ヵ月後のPPDとし、エジンバラ産後うつ病尺度で評価を行った。家族およびPPD発生率に対する調整オッズ比(OR)は、多変量ロジスティック回帰分析を用いて算出した。サブグループ分析は、家計収入やパートナーの育児への関与により実施した。 主な結果は以下のとおり。・各家族と同居していなかった女性におけるPPDの調整ORは、同居していた女性と比較し、以下のとおりであった。 ●パートナー 1.21(95%CI:1.07~1.37) ●実親(たち)1.13(95%CI:1.03~1.24) ●義親(たち)0.91(95%CI:0.84~0.98) ●子供(たち)1.42(95%CI:1.31~1.53)・パートナーの育児への関与レベルは、家族とPPDとの関連性を変化させた。 著者らは「“妊娠中の女性が誰と同居しているか”が、出産1ヵ月後のPPDリスクに影響を及ぼし、パートナーの育児への積極的な関与は、PPD発生率に対する家族の悪影響を減少させ、好影響を増加させた。これらは、パートナーの育児支援を高めるための介入が、生活状況にかかわらず、PPD予防に有効であることを示唆している」としている。■関連記事産後うつ病になりやすい女性の特徴:高知大産後うつ病への抗うつ薬治療、その課題は父親の産後うつ病、日本での有病率は

3531.

初期および慢性期の統合失調症を識別するマーカー

 初期および慢性期の統合失調症を識別する精神病理、認知機能、機能面、身体的健康、炎症マーカーを特定するため、スペイン・オビエド大学のL. Garcia-Alvarez氏らが検討を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2018年10月8日号の報告。 本研究は、統合失調症患者104例を対象とした横断的・自然主義的研究。対象患者は、罹病期間7年以下の初期統合失調症(ESSCH)群35例と罹病期間が10年超の慢性期統合失調症(LSSCH)群69例に分けられた。統計分析では、年齢、性別、BMI、1日当たりの喫煙本数でコントロールし、カイ二乗検定、スチューデントのt検定、ANCOVAまたはクェード検定を行った。最後に、二項ロジスティック回帰を実施した。 主な結果は以下のとおり。・ESSCH群は、より重症な陰性症状(t=2.465、p=0.015)、低IκBαレベル(F=7.644、p=0.007)が認められ、LSSCH群と比較し、正常体重の割合が高かった(40% vs.18.8%、p=0.032)。・二項ロジスティック回帰では、両群間の年齢(B=0.127、p=0.001)、IκBα(B=0.025、p=0.002)において差が認められ、分散の38.9%を占めていた(model df:7、カイ二乗:41.841、p<0.0001)。 著者らは「年齢およびIκBαは、ESSCHとLSSCHを識別する特異なマーカーである。これらの結果は、エピソードの有害性の仮説を支持しており、新規エピソード予防の重要性を強調するものだ」としている。■関連記事統合失調症患者の性格で予後を予測統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学

3532.

ICU患者のせん妄に、抗精神病薬は効果なし/NEJM

 急性呼吸不全またはショックでICUに入室する、低活動型あるいは過活動型せん妄が認められる患者に対し、ハロペリドールまたはziprasidoneを投与しても、せん妄の発症期間を短縮する効果はないことが示された。米国・ピッツバーグ大学のTimothy D. Girard氏らが、約570例を対象に行った、無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果で、これまで、せん妄が認められるICU入室患者に対する抗精神病薬の効果について、一貫したデータは存在していなかった。NEJM誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。ハロペリドールvs.ziprasidone vs.プラセボ、投与量は12時間ごとに調整 研究グループは、急性呼吸不全またはショックでICUに入室した1,183例のうち、低活動型あるいは過活動型せん妄が認められた患者566例を対象に試験を行った。 患者を無作為に3群に分け、ハロペリドール(192例、最大投与量:20mg/日)、ziprasidone(190例、同:40mg/日)またはプラセボ(184例)を、それぞれ急速静脈内投与した。試験薬とプラセボの投与量については、ICUにおけるせん妄評価法(CAM-ICU)によるせん妄の程度や、投与による副作用を基に、12時間ごとに半減、または倍量に調整した。 主要評価項目は、14日間の介入期間中のせん妄または昏睡のない生存日数だった。副次評価項目は、30日および90日生存率、人工呼吸器離脱までの期間、ICU退室までの期間、病院退院までの期間などだった。介入期間中のせん妄・昏睡のない生存日数は3群で同等 被験者566例のうち、低活動型せん妄は89%、過活動型せん妄は11%だった。試験薬・プラセボの投与日数中央値は4日(四分位範囲:3~7)だった。 14日間の介入期間中のせん妄または昏睡のない生存日数は、ハロペリドール群7.9日(95%信頼区間[CI]:4.4~9.6)、ziprasidone群8.7日(同:5.9~10.0)で、プラセボ群8.5日(同:5.6~9.9)と、3群間で有意差はなかった(試験群間全体の効果に関するp=0.26)。 ハロペリドールまたはziprasidoneとプラセボを比較した場合も、主要評価項目の発生について有意差はなかった。それぞれのオッズ比は0.88(95%CI:0.64~1.21)、1.04(同:0.73~1.48)だった。 副次評価項目および錐体外路症状の発現頻度についても、群間で有意差は認められなかった。

3533.

治療抵抗性うつ病を予測する臨床的因子~欧州多施設共同研究

 欧州リサーチコンソーシアムの治療抵抗性うつ病研究グループ(GSRD)による治療抵抗性うつ病(TRD)の早期発見と、TRDにおける治療アウトカムのクロスサンプルを予測するため、欧州各地より募集されたTRD-IIIサンプルにおける臨床的変数を、オーストリア・ウィーン医科大学のA. Kautzky氏らが調査した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年10月5日号の報告。 TRDの定義は、2つ以上の抗うつ薬試験後にMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)スコアが22点以上とした。治療反応の定義は、MADRSスコア50%以上の低下および閾値が22点未満とした。TRDの予測因子は、916例の患者を対象に、16の臨床的変数について、ロジスティック回帰を用いて分析を行った。治療アウトカムの予測は、Elastic net回帰分析を用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・TRDリスク増加の予測因子は、以下のとおりであった。 ●症状重症度(OR:3.31) ●精神症状(OR:2.52) ●自殺リスク(OR:1.74) ●全般性不安障害(OR:1.68) ●入院患者の状況(OR:1.65) ●過去に投与された抗うつ薬数の多さ(OR:1.23) ●生涯うつ病エピソード(OR:1.15) ●現在のエピソード期間の長さ(OR:1.022)・TRDの予測精度は、独立した検証セットであるTRD-Iにおいて、0.86であった。 著者らは「TRDの最も顕著なリスク因子は、症状重症度、自殺リスク、生涯うつ病エピソード数の多さ、不安障害の併発であった。TRD-IIIにおける有意な予測因子は、以前の研究であるTRD-Iにおける治療アウトカムの予測を許容していた」としている。■関連記事治療抵抗性うつ病の予測因子に関するコホート研究治療抵抗性うつ病は本当に治療抵抗性なのかSSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大

3534.

認知症予防に歩行時間が大きく寄与~日本人1万4千人のデータ

 歩行時間が認知症発症に与える影響について、東北大学の遠又 靖丈氏らが65歳以上の日本人コホートで検証した。その結果、全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与すると推定され、歩行時間が認知症発症予防に少なからぬ影響を与えることが示唆された。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2018年10月22日号に掲載。 本研究ではまず、65歳以上の1万3,990人のデータを分析しハザード比を推定した。1日歩行時間(0.5時間未満、0.5~1時間、1時間以上)は自己申告のアンケートから評価した。また、公的介護保険データベースを検索し、5.7年間の認知症データを取得し、Coxモデルを用いて認知症の多変量調整ハザード比(HR)を推定。さらに、国民健康・栄養調査における有病率を用いて、人口寄与割合(population attributable fraction:PAF)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・1日歩行時間は、認知症発症と逆相関を示した。・多変量調整HR(95%信頼区間)は、0.5時間未満を1.00(基準)とすると、0.5~1時間で0.81(0.71~0.92)、1時間以上で0.72(0.62~0.84)であった。・全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与し、現在の歩行時間を1つ上のレベルに増やせば(0.5時間未満から0.5~1時間、あるいは0.5~1時間から1時間以上)14.0%の減少に寄与すると推定された。

3535.

妊娠高血圧腎症、認知症リスクを増大/BMJ

 妊娠高血圧腎症(pre-eclampsia)は、認知症リスクを増大することが、デンマーク・Statens Serum InstitutのSaima Basit氏らによる全国コホート研究の結果、示された。とくに脳血管性認知症のリスクは、非既往女性の3倍以上高く、より高齢(65歳以上)での発症と強い関連が認められたという。また、そのリスクは、糖尿病、高血圧、心血管疾患で補正後もやや減弱する程度で、著者は「妊娠高血圧腎症と脳血管性認知症は基礎メカニズムあるいは感受性経路を共有している可能性がある」と指摘している。なお、アルツハイマー病との関連はわずかで、肥満による交絡の非コントロールによる可能性が示唆された。得られた所見を踏まえて著者は「妊娠高血圧腎症歴を女性に尋ねることは、ベネフィットが得られる女性を臨床医が特定するのに役立ち、疾患の早期兆候に対するスクリーニングや早期臨床的介入を可能とするだろう」と述べている。BMJ誌2018年10月17日号掲載の報告。1978~2015年の分娩デンマーク女性対象にコホート研究 妊娠期に高血圧障害を有した女性は、その後に認知障害や脳萎縮を示す兆候がみられる。それらは妊娠後の短期間に、または数十年後にみられる場合もある。後期発症のアルツハイマー病では、妊娠高血圧腎症の感受性を高める遺伝子異型STOX1遺伝子の過剰な発現が認められている。また、疫学研究により、妊娠期の高血圧障害と認知症には直接的な関連があることが、限定的だが見いだされていた。 研究グループは今回、デンマークの全国コホート研究により、妊娠高血圧腎症と後期認知症との関連を、全体的および認知症サブタイプ別、発症のタイミング別に調べた。 被験者は、1978~2015年に1人以上を出産または死産した全女性。主要評価項目は、妊娠高血圧腎症の既往の有無別に、Cox回帰モデルを用いて算出した認知症率を比較したハザード比(HR)であった。後期の脳血管性認知症発症リスク、罹患女性は非罹患女性の3.46倍 コホートは女性117万8,005例から成り、フォローアップは2,035万2,695人年であった。 妊娠高血圧腎症歴のある女性は、同病歴のない女性と比べて、後期において脳血管性認知症を発症するリスクが3倍以上高かった(HR:3.46、95%信頼区間[CI]:1.97~6.10)。脳血管性認知症との関連は、後期発症の脳血管性認知症のほうが(HR:6.53、95%CI:2.82~15.1)、早期発症(2.32、1.06~5.06)と比べて強いことが認められた。 糖尿病、高血圧、心血管疾患で補正後も、HRはわずかな減弱にとどまった。また、感度解析で、BMIと血管性認知症は関連していない可能性が示唆された。 一方、アルツハイマー病(HR:1.45、1.05~1.99)およびその他/分類不能の認知症(1.40、1.08~1.83)との関連の程度は、わずかであった。

3536.

SSRIナイーブのうつ病患者に対するセルトラリンの有効性に関するランダム化比較試験

 キューバ・Centro Nacional Coordinador de Ensayos ClinicosのRoselin Valle-Cabrera氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)ナイーブの大うつ病患者を対象に、セルトラリンとプラセボの有効性および安全性を評価する臨床試験を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2018年10月号の報告。 10週間のランダム化多施設プラセボ対照二重盲検比較優越性試験を実施した。対象は、ハミルトンうつ病評価尺度17項目(HAMD-17)の合計スコア19~36点の成人うつ病患者。対象患者は、セルトラリン群39例またはプラセボ群38例にランダムに割り付けられた。各患者には、セルトラリン50mg/日またはプラセボを固定用量で4週間投与した。その後、必要に応じて、最大200mg/日まで用量調節を行った。主要有効性エンドポイントは、ベースライン時と比較した10週間後のHAMD-17スコア50%以上低下と定義した臨床反応とした。ベースラインからのHAMD-17スコア変化を、補助的分析として実施した。 主な結果は以下のとおり。・臨床反応は、セルトラリン群において良好であった(72% vs.32%、相対リスク:2.27、95%CI:1.37~3.78、p=0.0006)。・線形混合モデルでは、arm × time相互作用が有意であることが示唆された(尤度比カイ2乗統計量:7、自由度:48.42、p<0.0001)。・HAMD-17変化スコアは、8週目以降のセルトラリン群において良好であった。・セルトラリン群の主な有害事象は、頭痛、下痢、体重減少であった。 著者らは「本試験では、プラセボと比較したセルトラリンの効果発現は、通常よりも遅かった。この効果発現の遅れは、臨床試験中の医師と患者の密接な治療プロセスおよび新規治療による効果への期待によるものであると考えられる」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤はSSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大

3537.

治療抵抗性統合失調症に対する電気けいれん療法とクロザピンとの併用

 韓国・Dongguk University International HospitalのJung Hyun Kim氏らは、統合失調症患者に対するクロザピンと電気けいれん療法(ECT)との併用療法の有効性および忍容性について調査を行った。Psychiatry Investigation誌2018年8月号の報告。 電子カルテ(Electronic Medical Record)より、5年間のクロザピン治療を行った統合失調症患者を抽出した。精神症状に対する急性期ECTの臨床効果を調査した。また、ECTの維持療法を必要とする予測変数の同定も試みた。 主な結果は以下のとおり。・抽出された統合失調症患者の内訳は、クロザピンとECTの併用療法群14例、クロザピン単独療法群16例であった。・クロザピン治療抵抗性統合失調症患者に対するECT併用療法は、PANSS総スコアを19.0±9.9点減少させた。減少率は、18.5±8.3%であった。・PANSSスコア20%減少として定義された臨床的寛解は、42.9%で認められた。・サブスケール因子は有意な減少が認められ、なかでも陰性症状が最も減少していた。・維持ECTの有無について、患者間の人口統計的および臨床的情報に差異はなく、クロザピンを継続する場合には、すべての患者が維持 ECTを必要とすることはなかった。 著者らは「クロザピン治療抵抗性統合失調症患者に対するECT併用療法は、精神症状の迅速かつ十分な減少をもたらした。ECTの有効性および忍容性を改善するためには、さらなる研究が必要とされる」としている。■関連記事日本におけるクロザピン使用の安全性分析治療抵抗性統合失調症、ECT併用は有益か治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか

3538.

日本における認知症の総合的なコスト~公式統計に基づく経時分析

 日本における認知症の適切なリソース配分と品質向上の政策を行うため、東邦大学の花岡 晋平氏らは、認知症の社会的負担について経時分析を実施した。International Journal for Quality in Health care誌オンライン版2018年9月29日号の報告。 日本の公式統計より7つの全国のデータセットを用いて、2002~14年の全国人口ベース観察研究を行った。疾患の包括コスト法を用いて分析を行った。アウトカム変数には、医療サービス、介護サービス、家族等による費用負担のないケア、死亡コスト、罹患コストを含んだ。 主な結果は以下のとおり。・認知症患者数は、2002年の42万人から2014年の105万人に2.50倍増加していた。・家庭やコミュニティにおける患者数は3.22倍、介護施設の患者数は1.42倍に増加していた。・社会的負担は、2002年の1.84~2.42兆円から2014年の3.79~5.51兆円に2.06~2.27倍増加していた。・総負担に関しては、費用負担のないケアの割合が、36.6~51.9%から37.7~57.2%へ増加していた。・さらに、主な介護者が70歳以上の割合が、27.6%から37.6%へ増加していた。 著者らは「介護施設から家庭やコミュニティへの移行、高齢者による高齢者介護、早期認知症診断の推進により、患者1人当たりの平均費用は、437~577万円から360~524万円に減少した(0.82~0.91倍)。患者の安全とケアの質を維持するためには、介護者の許容範囲を超えないような費用負担のないケアの充実が不可欠である」としている。■関連記事認知症患者のQOLは介護従事者による緩和ケアの理解で向上する可能性:都医学研地方病院の認知症やせん妄患者に対するボランティア介入が再入院率に及ぼす影響米国の長期介護における向精神薬を使用した認知症ケア改善に関する研究

3539.

統合失調症患者の強制入院と再入院リスクとの関連~7年間のレトロスペクティブコホート研究

 台湾・慈済大学のChing-En Lin氏らは、統合失調症患者における再入院リスクを評価するため、強制入院と任意入院の再入院リスクを比較し、そのリスク要因の特定について、検討を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2018年9月24日号の報告。 2007~13年の集団ベースコホート研究より抽出した統合失調症患者(初回強制入院患者群[CA群]:2,038例、初回任意入院患者[VA群]8,152例)を対象とし、レトロスペクティブに比較検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・調査期間中の再入院患者数は、CA群で1,204例、VA群で3,806例であった。・CA群の再入院リスクは、VA群と比較し、より高かった(調整ハザード比[HR]:1.765、95%信頼区間[CI]:1.389~2.243、p<0.001)。・層別解析では、CA群はVA群と比較し、後の強制入院リスク(調整HR:1.307、95%CI:1.029~1.661、p<0.001)および任意入院リスク(調整HR:1.801、95%CI:1.417~2.289、p<0.001)が高いことが示唆された。・感度分析では、観察初年度のデータを除外した後、強制入院と任意入院に関する有意な所見が得られた。・累積再入院率についてのカプランマイヤー曲線では、統合失調症患者における強制入院および任意入院の割合は、VA群と比較しCA群が有意に低かった(log-rank検定:p<0.001)。 著者らは「CAは、後の強制入院および任意入院のリスクと関連が認められた。臨床医は、再入院を減らすため、CA患者に焦点を当てるべきである」としている。■関連記事統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較統合失調症入院患者における措置入院と自殺に関するコホート研究統合失調症患者の再入院、ベンゾジアゼピンの影響を検証:東医大

3540.

薬物治療抵抗性慢性不眠症に対する認知行動療法の有効性~日本における多施設ランダム化比較試験

 不眠症は、夜間の症状と日中の障害によって特徴付けられるのが一般的である。治療では、GABA-A受容体アゴニスト(GABAA-RA)がよく用いられているが、長期使用に関しては、薬物依存や潜在的な認知障害リスクの観点から、リスク-ベネフィット比が低い。精神保健研究所の綾部 直子氏らは、薬物治療抵抗性原発性不眠症患者における認知行動療法(cognitive behavioral therapy for insomnia:CBT-I)を併用したGABAA-RA漸減療法の有効性を評価した。Sleep Medicine誌2018年10月号の報告。 GABAA-RA治療に奏効しない原発性不眠症が持続している患者を対象に、CBT-I療法と通常療法(TAU)を比較したランダム化多施設2アーム並行群研究を実施した。睡眠日誌に基づき、31分以上の睡眠潜時または睡眠開始後の覚醒、3回/週の発生、不眠症重症度指数(Insomnia Severity Index:ISI)総スコア8以上についてスクリーニングを行った。主要アウトカム指標は、不眠症の重症度およびGABAA-RA漸減率とした。 主な結果は以下のとおり。・51例がランダム化され、49例(CBT-I群:23例、TAU群:26例)の分析を行った。・混合効果反復測定モデルでは、CBT-I群のISIスコアは、TAU群と比較し、介入後(10.91 vs.14.33、p<0.05)およびフォローアップ期間中(10.17 vs.14.34、p<0.01)のどちらにおいても、有意な改善が認められた。・CBT-I群におけるGABAA-RA漸減率は、フォローアップ期間中に約30%に達したが、両群間で有意な差は認められなかった。 著者らは「CBT-I併用療法は、GABAA-RA治療抵抗性不眠症患者の症状を改善した。本研究では、CBT-I併用療法によるGABAA-RA漸減率への影響は認められなかったが、プロトコールおよび治療期間を最適化することで、GABAA-RAの減量が可能であろう」としている。■関連記事睡眠薬の長期使用に関する10年間のフォローアップ調査不眠症治療における睡眠衛生教育のメタ解析不眠症におけるデュアルオレキシン受容体拮抗薬とその潜在的な役割に関するアップデート

検索結果 合計:5819件 表示位置:3521 - 3540