初期および慢性期の統合失調症を識別するマーカー 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/11/01 初期および慢性期の統合失調症を識別する精神病理、認知機能、機能面、身体的健康、炎症マーカーを特定するため、スペイン・オビエド大学のL. Garcia-Alvarez氏らが検討を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2018年10月8日号の報告。 本研究は、統合失調症患者104例を対象とした横断的・自然主義的研究。対象患者は、罹病期間7年以下の初期統合失調症(ESSCH)群35例と罹病期間が10年超の慢性期統合失調症(LSSCH)群69例に分けられた。統計分析では、年齢、性別、BMI、1日当たりの喫煙本数でコントロールし、カイ二乗検定、スチューデントのt検定、ANCOVAまたはクェード検定を行った。最後に、二項ロジスティック回帰を実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・ESSCH群は、より重症な陰性症状(t=2.465、p=0.015)、低IκBαレベル(F=7.644、p=0.007)が認められ、LSSCH群と比較し、正常体重の割合が高かった(40% vs.18.8%、p=0.032)。 ・二項ロジスティック回帰では、両群間の年齢(B=0.127、p=0.001)、IκBα(B=0.025、p=0.002)において差が認められ、分散の38.9%を占めていた(model df:7、カイ二乗:41.841、p<0.0001)。 著者らは「年齢およびIκBαは、ESSCHとLSSCHを識別する特異なマーカーである。これらの結果は、エピソードの有害性の仮説を支持しており、新規エピソード予防の重要性を強調するものだ」としている。 ■関連記事 統合失調症患者の性格で予後を予測 統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学 統合失調症の新たなバイオマーカー:順天堂大学 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Garcia-Alvarez L, et al. World J Biol Psychiatry. 2018 Oct 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 世界の疾病負担とリスク因子、1990~2023年の状況/Lancet(2025/10/27) 冠動脈バイパス術後の新規AF発症、術後30日以後はリスク低い?/JAMA(2025/10/27) 低用量アスピリンが再発予防効果を認める大腸がんのタイプが明らかになった(解説:上村 直実氏)(2025/10/27) ctDNA陽性のMIBC患者、術後アテゾリズマブ投与でDFS・OS改善(IMvigor011)/ESMO2025(2025/10/27) ALK陽性NSCLCへの術後アレクチニブ、4年OS率98.4%(ALINA)/ESMO2025(2025/10/27) 胃がん初のFGFR2b阻害薬、長期追跡では治療効果が減弱(FORTITUDE-101)/ESMO2025(2025/10/27) 寛解後の抗精神病薬減量は認知機能改善に寄与するか(2025/10/27) monarchE試験のOS結果が発表/ESMO2025(2025/10/27) アナフィラキシーへのアドレナリン点鼻投与の効果、エピペンと同等以上(2025/10/27) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)