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事例012 アトピー性皮膚炎疑いでのTARC検査で査定【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では、アトピー性皮膚炎疑いの患者に、「D015 血漿蛋白免疫学的検査の(19)TARC(Thymus and Activation-Regulated Chemokine)検査」を施行したところ、D事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)にて査定となりました。査定の理由には、「TARC検査は、アトピー性皮膚炎およびCOVID-19の確定病名以外では原則認められない」と付記されていました。査定内容を確認するために、医師に問い合わせたところ「炎症が著しかったためにアトピー性皮膚炎を強く疑い、確定診断検査に合わせて行った」と説明を頂きました。査定時の付記を確認するためにTARC検査の留意事項を参照したところ、「アトピー性皮膚炎の重症度評価の補助を目的として、血清中のTARC量を測定する場合に、月1回を限度として算定できる」とありました。アトピー性皮膚炎の確定診断後の検査であることが分かります。医師には、2022年度診療報酬改定時に新しく示された留意事項を示して、レセプトには確定診断を付与いただくようにお願いしました。レセプトシステムには、アトピー性皮膚炎およびCOVID-19に「疑」が付与されている場合には、確定診断が必要と表示されるように改修し査定対策としています。

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うつ病と自殺念慮に対する思春期~成人期の24時間行動ガイドラインの重要性

 若年および成人の24時間行動ガイドラインでは、最適な健康状態を確保するために特定の身体活動時間、座位時間、睡眠時間を推奨しているが、メンタルヘルスの指標との関連についてはよくわかっていない。スペイン・ナバーラ州立大学のAntonio Garcia-Hermoso氏らは、思春期~成人期の24時間行動ガイドラインと、成人期のうつ病および自殺念慮を伴う思春期中期(12~17歳)から成人期(33~39歳)までの軌跡との関係を調査するため、本検討を行った。その結果、思春期中期~成人期での24時間行動ガイドラインの利用促進および継続で、メンタルヘルスに関する問題が予防可能であることが示唆された。ただし、本研究結果について著者らは、エラーやバイアスにつながる恐れのある自己評価や、1994~96年のガイドラインへの適合測定を2016年に行いデータセットを作成した点などから、慎重に解釈する必要があるとしている。The International Journal of Behavioral Nutrition and Physical Activity誌2022年10月23日号の報告。 米国における思春期~成人期の健康に関する全国縦断研究(Add Health)のWeves I(1994~95年)およびV(2016~18年)の参加者を対象に、プロスペクティブコホート研究を実施した。身体活動時間、スクリーンタイム、睡眠時間は、アンケートを用いて収集した。過去4週間でうつ病の自己申告歴および/または抗うつ薬の使用があった成人は、うつ病として分類した。自殺念慮は、Weves IまたはVにおいて自己申告の単一質問を用いて収集した。Weves Iでの24時間行動ガイドラインにおける特定の組み合わせおよび思春期~成人期の軌跡に応じて、成人期のうつ病および自殺念慮の発生率比(IRR)を推定するため、ポアソン回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象は、7,069人(女性の割合:56.8%)。・思春期中期に身体活動ガイドラインおよび3つのガイドラインすべてを満たしていた人は、いずれも満たしていなかった人と比較し、成人期のうつ病(IRR:0.84、95%信頼区間[CI]:0.72~0.98)および自殺念慮(IRR:0.74、95%CI:0.55~0.99)のリスクが低かった。・思春期および成人期ともにスクリーンタイムのガイドラインおよび3つのガイドラインすべてを満たしていた人は、満たしていなかった人と比較し、うつ病([スクリーンタイム]IRR:0.87、95%CI:0.72~0.98、[3つすべて]IRR:0.37、95%CI:0.15~0.92)および自殺念慮([スクリーンタイム]IRR:0.74、95%CI:0.51~0.97、[3つすべて]IRR:0.12、95%CI:0.06~0.33)のリスクが低かった。・思春期に3つのガイドラインすべてを満たしていなかったが、成人期に満たしていた人は、ガイドラインをまったく満たしていなかった人と比較し、自殺念慮のリスクが低かった(IRR:0.81、95%CI:0.45~0.89)。

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神経線維腫症1型における叢状神経線維腫治療薬「コセルゴカプセル」発売/アレクシオン

 アレクシオンファーマは、11月16日付のプレスリリースで、「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫」の効能または効果として、コセルゴカプセル10mgおよび25mg(一般名:セルメチニブ硫酸塩)の販売を11月16日より開始したことを発表した。コセルゴカプセルは国内初の神経線維腫症1型における叢状神経線維腫の治療薬 神経線維腫症1型(NF1)は、世界で出生約3,000人に1人が罹患している遺伝性疾患であり、10歳未満の小児で最もよく診断される。患者の30~50%で神経鞘に叢状神経線維腫(PN)が発生し、外見の変形、運動機能障害、疼痛、気道の障害、視力障害、膀胱/腸の機能障害などの病的状態を引き起こすことがある。PNは幼児期に発症し、その重症度は多岐にわたる。神経線維腫症1型患者では健康な人と比較して、平均余命が最長で15年短くなる可能性があるとの報告もある。にもかかわらず、主な治療選択肢が手術に限られるケースもあり、新たな治療法の登場が望まれていた。 コセルゴカプセルは、細胞増殖に関与する酵素である分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ(MEK1およびMEK2)を阻害することにより、神経線維腫症1型の症状発現に関与する腫瘍細胞の増殖を抑制する薬剤である。コセルゴカプセルの承認は、米国国立がん研究所(NCI)のがん治療評価プログラム(CTEP)によるSPRINT試験第II相パート層1の結果に基づいている。コセルゴカプセルを3~18歳の疼痛や外観上の変形などの臨床症状を有し、重大な合併症のリスクを伴うことなく切除できないPNを有する患者に経口投与したところ、腫瘍の縮小が認められ、客観的奏効率(ORR:完全奏効[PNの消失]または部分奏効[20%以上の腫瘍縮小]が確認された患者の割合と定義)は66%(50例中33例)であったことが示された。SPRINT試験で最も多くみられた副作用は、嘔吐、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、下痢、悪心であった。さらに、症候性かつ手術不能なPNを有する3~18歳の日本の神経線維腫症1型患者を対象とした第I相試験において腫瘍が縮小したと示された点も承認の根拠として評価された。 アレクシオンファーマ社長の笠茂 公弘氏は、「神経線維腫症1型における叢状神経線維腫は今まで根本的な治療薬がなく、主な治療選択肢が手術に限られていた。そのため、痛みを伴う身体的な苦痛、外見の変形などの問題に起因する精神的な苦痛に加え、病態の進行や予後への不安を抱えながら生活する患者さん、患者さんのご家族も少なくない。国内初の治療薬コセルゴを、新たな希望として患者さんとそのご家族に届けられることは大変喜ばしく、われわれにとって大きな励みとなる。引き続き『すべての希少疾患を持つ人々に人生を変える治療法と希望を届ける』という当社のパーパスのために、革新的な治療法の研究開発に努める」としている。

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マスク要請解除で学校のコロナ感染増、職員で顕著/NEJM

 米国マサチューセッツ州のグレーターボストン地域の学区で、州全体のマスク着用方策の撤回から15週の期間に、マスク着用要請を解除した学区の小中学校はこれに応じずに着用要請を続けた学区の学校と比較して、生徒と学校職員における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患者が1,000人当たり44.9人多かったことが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のTori L. Cowger氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年11月9日号で報告された。グレーターボストン地域72学区の調査 2022年2月28日、マサチューセッツ州は、公立学校におけるユニバーサルマスキング方策を州全体で撤回し、その後の数週間に多くの学区で生徒や職員へのマスク着用要請が解除された。グレーターボストン地域では、ボストン地区と近隣のチェルシー地区の2つの学区だけが、2022年6月までマスク着用要請を続けた。 研究グループは、この変更された方策の実施の時間差に関して差分の差分分析を行い、グレーターボストン地域で2021~22年の学年度中にマスク着用要請を解除した地区と、この要請を継続した地区で、生徒と職員におけるCOVID-19の罹患率を比較した。 グレーターボストン地域の72学区(生徒29万4,084人、学校職員4万6,530人)が解析の対象となった。方策撤回後1週目は、要請解除が46学区、継続は26学区で、2週目にはそれぞれ63学区および9学区に、その後は70学区および2学区となった。生徒より職員で、増加分が大きかった 州全体でマスク着用方策が撤回される前のCOVID-19罹患率は、学区全体で同程度であった。 州全体のマスク着用方策の撤回から15週までに、マスク着用要請を解除した学区では、マスク着用要請を継続した学区に比べ、生徒と職員のCOVID-19罹患率が1,000人当たり44.9人(95%信頼区間[CI]:32.6~57.1)多かった。この増加分の罹患者数は推定1万1,901人(95%CI:8,651~1万5,151)で、解除学区の罹患者の33.4%(95%CI:24.3~42.5)、全学区の罹患者の29.4%(95%CI:21.4~37.5)に相当した。 要請解除による罹患リスクへの影響は、学校職員(81.7人[95%CI:59.3~104.1]/1,000人の増加)のほうが生徒(39.9人[24.3~55.4]/1,000人の増加)よりも大きかった。 マスク着用要請の延長を選択した学区は、早期解除を選択した学区と比較して、校舎の築年数が長く、周辺の環境が劣悪で、1学級の生徒数が多い傾向が認められた。また、これらの学区では、低所得家庭の生徒、障害のある生徒、英語学習中の生徒の割合が高く、黒人や中南米系の生徒や職員が多かった。 著者は、「今回の調査結果は、地域社会で感染者数が多い時期に、高品質マスクを用いたユニバーサルマスキングは、SARS-CoV-2の感染拡大と対面登校日の減少を最小限に抑えるための重要な戦略であるとの見解を支持する。また、マスク着用は、重症COVID-19のリスク、教育現場の混乱、家庭内での2次感染による健康や経済的な影響など、学校における構造的人種差別の影響を軽減するための重要な手段となる可能性が示唆された」と指摘し、「今回の知見を活用すれば、各学区は、2022~23年の学年度中に起こりうる冬のCOVID-19の波を見越して、公平な感染緩和計画を立案し、感染の波が収まった時にマスクを外すための明確な判断基準を策定できるであろう」としている。

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コロナで日本の未成年者の自殺率とその理由が変化

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に、日本の若年者(10~19歳)の自殺率はパンデミック前と比較して増加し、家族問題や人間関係の問題に起因する自殺が増加していたことを、東京大学医学部附属病院の後藤 隆之介氏らが明らかにした。パンデミックにより学校閉鎖などの前例のない感染防止対策が講じられ、若年者に多くのメンタルヘルスの課題をもたらしたが、これまでパンデミック中の若年者の自殺の傾向やその理由を調査した研究はほとんどなかった。The Lancet regional health. Western Pacific誌2022年8月10日掲載の報告。 調査は、厚生労働省発表の2016~20年の月別自殺率と、警察庁発表の2018~20年の自殺原因を用いて行われた。ポアソン回帰モデルを使用して変動を推計したイベントスタディデザインと分割時系列解析により、パンデミック前(2016年5月~2020年3月)とパンデミック中(2020年5月~2021年4月)の月別自殺率の変化を比較するとともに、自殺の原因(家族問題、精神疾患、人間関係の問題、学校問題)の変化を調査した。 主な結果は以下のとおり。・10~19歳の若年者の自殺率は、パンデミック前と比較してとくに2020年8月から11月にかけて増加した。2020年11月の自殺率は前年比1.86倍(95%信頼区間[CI]:1.30~2.66)であった。・自殺率は、2020年12月にはパンデミック前と同水準に近づいたが、2021年に入ってもわずかに上昇したままであった。・分割時系列解析によると、自殺率は2020年5月から8月にかけて上昇(+0.099件/10万人の若年者/月、95%CI:0.022~0.176)し、2020年9月から12月にかけて減少(-0.086件/10万人の若年者/月、95%CI:-0.164~-0.009)した。・すべての主な原因による自殺が2020年夏から秋にかけて増加しており、とくに家族問題や人間関係の問題に起因する自殺が増加していた。・精神疾患に起因する自殺率は、パンデミック前の水準よりも2020年12月まで高いままであった。 これらの結果より、同氏らは「パンデミック中は若年者にメンタルサポートを提供するだけでなく、定期的な社会的交流の機会の提供が有益である可能性がある」とまとめた。

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非専門医が使える「糖尿病治療のエッセンス」2022年版/日本糖尿病対策推進会議

 わが国の糖尿病患者数は、糖尿病が強く疑われる予備群を含め約2,000万人いるとされているが、糖尿病の未治療者や治療中断者が少なくない。 そこで、糖尿病診療のさらなる普及を目指し、日本糖尿病学会をはじめとする日本糖尿病対策推進会議は、糖尿病治療のポイントをとりまとめて作成した『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』を制作し、日本医師会のホ-ムページより公開した。糖尿病治療のエッセンスの改訂は今回で5回目となる。 糖尿病治療のエッセンスの今改訂では、(1)かかりつけ医から糖尿病・腎臓の専門医・専門医療機関への照会基準を明確に解説、(2)最新の薬剤情報へアップデートなど、よりわかりやすい内容に見直しを行った。『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』主な内容と使用図表の一覧(主な内容)1)糖尿病患者初診のポイント2)治療目標・コントロール指標3)治療方針の立て方4)食事療法・運動療法 薬物療法のタイミングと処方の実際5)糖尿病合併症 医療連携 (使用図表)図1 糖尿病の臨床診断のフローチャート図2 血糖コントロール目標図3 高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)図4 糖尿病患者の治療方針の立て方図5 有酸素運動とレジスタンス運動図6 かかりつけ医から糖尿病専門医・専門医療機関への紹介基準図7 かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準表1 その他のコントロール指標表2 主な経口血糖降下薬の特徴(赤字は重要な副作用)表3 GLP-1受容体作動薬 (リベルサス以外は注射薬)表4 インスリン注射のタイミング、持続時間と主な製剤の比較表5 基礎インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合注射薬表6 代表的なインスリンを用いた治療のパターン表7 糖尿病性腎症病期分類図 2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム別表 安全な血糖管理達成のための糖尿病治療薬の血糖降下作用・低血糖リスク・禁忌・服薬継続率・コストのまとめ 同会議では「糖尿病診療は新しい取り組みや薬物療法など、そのとりまく環境は大きく変化している。本書を活用し、最新の知見について理解を深め、日常診療において、糖尿病患者の早期発見、治療に役立てて、糖尿病診療に携わる医療関係者にとって医療連携のツールとして、その発展につながることを願っている」と『糖尿病治療のエッセンス(2022年版)』に期待を寄せている。

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ヒドロクロロチアジド、アモキシシリンなどに「使用上の注意」改訂指示

 厚生労働省は11月16日付で、ヒドロクロロチアジド含有製剤、アモキシシリン水和物含有製剤などに対し、使用上の注意の改訂指示を発出した。 今回の改訂指示は、ヒドロクロロチアジド含有製剤4剤の「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群」を、アモキシシリン水和物含有製剤6剤の「重要な基本的注意」の項のショックに関する問診の注意喚起にアナフィラキシー・アレルギー反応に伴う急性冠症候群などを、ロキサデュスタットの「重要な基本的注意」の項に定期的に甲状腺機能検査を促す注意を、イマチニブメシル酸塩の「重大な副作用」の項「血栓性微小血管症」に関する注意喚起を、それぞれ追記する内容となっている。詳細は以下。●ヒドロクロロチアジド含有製剤1)ヒドロクロロチアジド(商品名:ヒドロクロロチアジド錠)2)ロサルタンカリウム・ヒドロクロロチアジド(商品名:プレミネント配合錠 LD、同配合錠HD)3)カンデサルタン シレキセチル・ヒドロクロロチアジド(商品名:エカード配合錠 LD、同配合錠 HD)4)バルサルタン・ヒドロクロロチアジド(商品名:コディオ配合錠 MD、同配合錠 EX)【改訂の概要】「重大な副作用」の項に「急性呼吸窮迫症候群」を追記●アモキシシリン水和物含有製剤1)アモキシシリン水和物(商品名:サワシリンカプセル、パセトシンカプセル)2)クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物(商品名:オーグメンチン配合錠、クラバモックス小児用配合ドライシロップ)3)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(商品名:ボノサップパック)4)ボノプラザンフマル酸塩・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(商品名:ボノピオンパック)5)ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン(商品名:ラベキュアパック)6)ラベプラゾールナトリウム・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール(商品名:ラベファインパック)【改訂の概要】1)、2)・「重要な基本的注意」の項のショックに関する問診の注意喚起に、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記し、問診内容に関する注意を追記・「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記3)~6)・「重要な基本的注意」の〈アモキシシリン水和物〉の項のショックに関する問診の注意喚起に、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記し、問診内容に関する注意を追記・「重大な副作用」の〈アモキシシリン水和物〉の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記●ロキサデュスタット(商品名:エベレンゾ錠)【改訂の概要】・「重要な基本的注意」の項に、定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離 T3、遊離 T4)を促す注意を追記・「重大な副作用」の項に「中枢性甲状腺機能低下症」を追記●イマチニブメシル酸塩(商品名:グリベック錠)【改訂の概要】「重大な副作用」の項に「血栓性微小血管症」に関する注意喚起を追記

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セマグルチド、12~18歳でも優れた抗肥満効果/NEJM

 グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチドは、成人の肥満治療薬として欧米で承認を得ている。オーストリア・Paracelsus医科大学のDaniel Weghuber氏らは「STEP TEENS試験」において、肥満症の青少年(12~18歳未満)に対する本薬の有用性を検討し、セマグルチド+生活様式への介入は生活様式への介入単独と比較して、68週の時点でBMI値の有意な低下をもたらし5%以上の体重減少の達成割合を有意に増加させたが、消化器系の有害事象の頻度が高かったことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年11月2日号で報告された。12~18歳の肥満、過体重の無作為化試験 STEP TEENSは、8ヵ国37施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第IIIa相試験であり、2019年10月~2020年7月の期間に参加者のスクリーニングが行われた(Novo Nordiskの助成を受けた)。 対象は、年齢12~18歳未満で、肥満(BMIが性・年齢別の成長曲線で95パーセンタイル以上)または少なくとも1つの体重関連の併存症を有する過体重(同85パーセンタイル以上)の青少年であった。 被験者は、セマグルチド(2.4mg)またはプラセボを週1回、68週間皮下投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。全例が減量を目的とする生活様式への介入(栄養、運動)を受けた(両親または保護者を含む)。 主要エンドポイントは、ベースラインから68週目までのBMIの変化率とされた。副次エンドポイントは、68週目までの5%以上の体重減少であった。10%、15%、20%以上の体重減少も著明に改善 201例(平均年齢 15.4歳、女性 62%)が無作為化の対象となり、このうち180例(90%)が試験を完遂した。セマグルチド群に134例、プラセボ群に67例が割り付けられた。1例(過体重)を除く全例が肥満だった。ベースラインの平均体重(109.9kg vs.102.6kg)、BMI値(37.7 vs.35.7)、ウエスト周囲長(111.9cm vs.107.3cm)が、セマグルチド群でわずかに高値であった。 ベースラインから68週目までのBMIの平均変化量は、セマグルチド群が-16.1%と、プラセボ群の0.6%に比べ有意に良好であった(推定群間差:-16.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-20.3~-13.2、p<0.001)。 68週の時点で、5%以上の体重減少の達成割合は、セマグルチド群が73%(95/131例)であったのに対し、プラセボ群は18%(11/62例)であり、セマグルチド群で有意に優れた(推定オッズ比[OR]:14.0、95%CI:6.3~31.0、p<0.001)。 また、68週時の10%以上の体重減少(62% vs.8%)、15%以上の体重減少(53% vs.5%)、20%以上の体重減少(37% vs.3%)についても、セマグルチド群で達成割合が顕著に高かった。 セマグルチド群で改善された心血管代謝リスク因子として、ウエスト周囲長(-12.7cm vs.-0.6cm、推定群間差:-12.1cm[95%CI:-15.6~-8.7])と糖化ヘモグロビン値(-0.4% vs.-0.1%、-0.3%[-0.3~-0.2])のほか、総コレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロール、トリグリセライド、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)が挙げられた。 最も頻度の高い有害事象は消化器症状(主に吐き気、嘔吐、下痢)で、セマグルチド群のほうが高頻度(62% vs.42%)であったが、重症度は全般に軽症~中等症であり、発症期間中央値は吐き気、嘔吐、下痢とも2~3日と短かった。セマグルチド群の5例(4%)で急性胆嚢疾患が発現し、いずれも胆石症で、1例が胆嚢炎を併発した。重篤な有害事象は、セマグルチド群で11%(15/133例)にみられた。 著者は、「セマグルチド群で観察された体重およびBMIの減少の程度は、先行研究で他のGLP-1受容体作動薬や肥満治療薬を投与された青少年よりも、実質的に大きかった」としている。

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バイオレットライト透過レンズで学童期の近視進行を抑制/近視研究会

 10月23日に近視研究会が開催された。鳥居 秀成氏(慶應義塾大学医学部 眼科学教室)が「近視進行抑制におけるバイオレットライトの可能性」と題し、学童期の近視増加への警鐘とその予防策について講演した(共催:株式会社JINS)。バイオレットライトを含む短波長側の光は近視進行を抑制すると報告 世界中で近視人口が増えているなか、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)流行による活動自粛が近視進行に拍車をかけている。鳥居氏が示した新型コロナによる活動自粛前後の6~13歳の6年間の屈折値の変化を調査した論文1)によると、とくに6~8歳での近視化が顕著だという。近視予防のためには、これまでも屋外の光環境が重要であることが示唆されてきたが、近年では高照度(10万lux)でなくとも1,000lux台でも効果があることが報告2)され、光の波長に注目が集まっている。たとえば、動物実験において、一部を除けばほとんどの動物種においてバイオレットライト(Violet light)を含む短波長側の光は近視進行を抑制し、長波長側の光は近視進行を進めるというレビュー論文が報告3)されている。近年、学童期の近視の進行抑制治療としてRed light therapyも注目を集め有効性の報告があるものの、効果を発揮するメカニズムが不明であり、中止後3ヵ月でリバウンドを認め、脈絡膜厚はベースラインにまで戻ってしまったという報告4)もあることから、光の波長と近視進行抑制については今後さらなる研究成果が待たれるところである。 一方でバイオレットライトは近視進行抑制効果を発揮するメカニズムがOPN5ノックアウトマウスを用いた研究から明らかになってきており、非視覚光受容体OPN5を介すことで脈絡膜厚を維持し、眼軸長伸長を抑制することが報告5)された。さらには小児では水晶体の分光透過率で長波長側は変わらないものの短波長側の透過率が成人よりも高いことが報告6)され、屋外活動による近視抑制効果が低年齢児で得られやすいという疫学研究結果と矛盾しないことも報告された。バイオレットライト透過眼鏡で近視の抑制効果を認めた 近年の眼鏡は紫外線(UV)カットが多く、UVカットレンズはバイオレットライトも一緒にカットしてしまうため、UVはカットするもののバイオレットライトは透過させることで近視進行抑制効果を高めるレンズをJINSと共同開発。バイオレットライト透過眼鏡を使用することでバイオレットライト透過率が65%までに増加するという。この有効性を評価するために特定臨床研究として『バイオレットライト透過眼鏡によるランダム化比較試験』を実施した。本研究の対象者は近視(-1.50D~-4.50D)と診断された学童113例で、バイオレットライト透過眼鏡装用群と通常眼鏡装用群に割り付け、2年間の経過観察を行い有効性の検証をした。平均年齢(±SD)は9.4(±1.5)歳で、平均眼軸長は24.5mm、屈折値は約-2.7Dだった。バイオレットライトは室内にはほとんど存在しないため、本眼鏡が効果を発揮するには太陽光が存在する屋外に行かないと得られない。そのため全体では屋外活動時間が1時間未満のため、さらに必要症例数(140例)を満たすことができなかったため、バイオレットライト透過眼鏡装用群では近視進行抑制傾向ではあったが有意差を認めなかった。そこでサブグループ解析を実施したところ、屋外活動時間が1時間未満にもかかわらず、2年間で約20%の近視進行抑制効果を認めたことを報告7)した。 最後に同氏は「バイオレットライトをより積極的に室内にいても享受する方法として、現在バイオレットライトを眼鏡フレームから照射することができる眼鏡『バイオレットライト照射眼鏡』を坪田 一男氏(坪田ラボ/慶應義塾大学眼科学教室 名誉教授)らと開発中である」と述べ、「現在はバイオレットライト照射眼鏡の探索治験が終了し、短期安全性については問題がなく、探索的に解析を行ったことで関連が期待される層があったことも報告8)したことから、さらに今後の検証治験で1年間以上の有効性・安全性を評価していく」と締めくくった。■参考1)Wang J, et al. JAMA Ophthalmol. 2021;139:293-300.2)Wu PC, et al. Ophthalmology. 2018;125:1239-1250.3)Thakur S, et al. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2021;62:22.4)Chen H, et al. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2022 Aug 17. [Epub ahead of print]5)Jiang X, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 2021;118:e2018840118.6)Ambach W, et al. Doc Ophthalmol. 1994;88:165-173.7)Mori K, et al. J Clin Med. 2021;10:5462.8)Torii H, et al. J Clin Med. 2022;11:6000.

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「糖尿病」の名称変更、医師の6割が反対/医師1,000人アンケート

 これまで、病名とその患者の関係性を考えたことはあるだろうか? 近年、糖尿病患者が社会的にスティグマ(偏見)を持たれていることを受け、日本糖尿病協会のアドボカシー活動の1つとして、医療現場の言葉の見直しが検討されている。そのなかに、『糖尿病』という疾患名も含まれており、将来、疾患名が変更されるかもしれない。そこで、ケアネットは会員医師1,028人に対し、緊急のアンケート調査を実施した。糖尿病の名称変更は年齢問わず、半数以上が“反対” Q1「『糖尿病』の名称変更について、賛成ですか?反対ですか?」対し、賛成は37%、反対は63%であった。年齢による差はとくに見られず、理由は以下のとおり。<賛成>・糖尿病自体が病態を的確に示した言葉ではないから(20代、臨床研修医)・若年発症の1型糖尿病患者、とくに女性患者で自身の疾患名についてコンプレックスを抱いている例が多いため(30代、糖尿病・内分泌内科)・心血管イベントを想起させるような名前にしたほうがいいと思うから(40代、リハビリテーション科)・SGLT2阻害薬の普及で、ますますオシッコの甘い感が強調されているので(50代、放射線科)<反対>・尿という言葉が持つ負のイメージへの懸念が、名称変更のデメリットを上回ると思えない(30代、小児科)・理由の1つに挙げられた「住宅ローンや生命保険に入れない」というのは名称変更で解決できる問題ではない。一般に浸透しているし、名称そのものが悪印象なわけではないと思う(40代、循環器内科/心臓血管外科)・患者に振り回されるのもどうかと思う。そんなこと言いだしたらキリがないんじゃないでしょうか。新しい病名にもよるけれど(50代、眼科)・すでに広く認知されている。名前を変えることで、有病者の受診行動が変わるとは思えない(60代、腎臓内科) などが挙げられた。賛成意見では「患者が望むなら」という患者視点でのコメントが多く、一方で反対意見には「名称変更が偏見払拭にならないのでは」という指摘が多かった。病気の名称変更問題、“尿”がダメなら“臭”もダメでは… Q3で糖尿病以外に名称変更が望まれる疾患を尋ねたところ、『重症筋無力症』『悪性貧血』などが挙げられた。これらの病名に共通するのが、重症、悪性というマイナスイメージの表現が付いている点で、これにより患者の不安が強まったという経験をしたと複数名が答えていた。同様に「『〇〇奇形』も負のレッテルを貼られている印象がある」との回答が寄せられた。このほか、「病名の文字が不快と感じるのであれば、腋臭症も変更に値するのではないか。“尿”が負のイメージであるとするのであれば“臭”がより負のイメージが強い」という意見もあった。 糖尿病の名称変更問題は“患者だけ”“医療者だけ”の問題ではないことは周知の事実である。今回のアンケートでは反対意見が多かったものの、患者の病名によるスティグマを軽視しているのではなく、病名を変えるさまざまなリスクに基づき意見していることが明らかになった。 また、患者1,087人を対象とした日本糖尿病協会のアンケート調査「糖尿病の病名に関するアンケート」の結果も、単純に名称変更を訴えるものではなく、病名変更を願ったり、偏見や誤解に悩んだりしている患者がいることを医療者に理解して欲しいという思いが込められている。 医師と患者のアンケート調査1)2)から双方の意見が出揃った今、お互いの意見を尊重し議論が進んでいくことを願う。1)回答者:全医師の0.3%(令和2年12月31日現在の全国の届出「医師」は33万9,623人)2)回答者:糖尿病有病者の0.01%(糖尿病が強く疑われる者[糖尿病有病者]は約1,000万人:平成28年「国民健康・栄養調査」の結果より)糖尿病の名称変更についてのアンケート詳細を公開中『「糖尿病」の名称変更、医師は賛成?反対?』<アンケート概要>目的:日本糖尿病協会が「糖尿病」の名称変更を検討する方針を示したことを受け、医師の意見を調査した。対象:ケアネット会員医師1,028人調査日:2022年11月10日方法:インターネット

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映画「心のカルテ」(前編)【なんでやせ過ぎるの? なんで食べ吐きは止められないの?(摂食障害)】Part 2

一番の原因は?それでは、摂食障害の原因は何でしょうか? 摂食障害に限らず、多くの精神障害はさまざまな原因が複雑に絡み合っています。それを踏まえて、再び「少食タイプ」と「過食タイプ」の大きく2つに分けて、それぞれの一番の原因を突き止めてみましょう。なお、医学的な診断では、食べ吐きしてやせ過ぎるタイプは、少食タイプと同じ神経性やせ症として括られていますが、その一番の原因の違いを強調するために、この記事ではあえて「過食タイプ」として括っています。(1)少食タイプエレンは、食べ物を口に入れても噛むだけで飲み込まずに吐き出すチューイングをしていました。 それほど食べたくないようです。少食タイプの一番の原因は、少ししか食べられない状態が長く続くと少ししか食べられなくなるからです。これは、あまり動けない状態が長く続くとあまり動けなくなるのと同じです。栄養不足の状態が長く続くと、空腹中枢(視床下部外側部)の機能が低下して「空腹を感じない」ようになり、一方で満腹中枢(視床下部腹内側)の機能が亢進して「少し食べて満腹」するようになる、つまり食欲についての脳の機能の異常です。エレンの根っこの無意識の心理を代弁すれば、一番の理由は「食べられない」です。「やせたい」(ダイエット文化)や「やせなければならない」(強迫)という気持ちではないです。これらは、やせるきっかけにはなりますが、やせ過ぎている一番の原因ではないことが分かります。歴史的には、18世紀の江戸時代に書かれた書物ですでに「不食病」(神経性やせ症の制限型)という記録が残されています。ヨーロッパでも19世紀から症例が報告されるようになりました。当時は、まだやせていることに価値がなかった時代です。つまり、ダイエット文化は根本的な原因ではないことが分かります。行動遺伝学の研究によると、神経性やせ症の制限型への影響度は遺伝60%、家庭環境0%、家庭外環境40%です2,3)。遺伝の影響が大きく、家庭環境の違いの影響がないことが分かります。もちろん、ダイエット文化という家庭外環境の影響はあります。この点からも、生物学的な要因が一番であると言えます。なお、行動遺伝学の詳細については、関連記事1をご覧ください。(2)過食タイプメーガンは、妊娠してみんなから祝福されることで、食べ吐きを止めることを決意していましたが、結局はまたついやってしまい、流産してしまいました。食べ吐きをする過食タイプの一番の原因は、食べ吐きをすることが快感(報酬)になって止められなくなるからです。実際の臨床では、食べ吐きをする人のほとんどが「お腹いっぱいに食べて全部吐くとすっきりする」と言います。そのわけは、食べ吐きを繰り返すことで、食べ過ぎて苦しい状態を解消する快感を脳が覚えてしまうからです。つまり、食べ吐きは、アルコールやドラッグと同じように「癖になる(依存的になる)」という依存症(嗜癖)の1つ、行動依存であることが分かります。さらに、食べているのに実際は吐いているため、栄養がまだ足りないと体(脳)が反応します。すると、代償的に空腹中枢の機能が亢進して「いつも空腹」になり、一方で満腹中枢の機能が低下して「いくら食べても満腹にならない」と感じるようになります。こうして、ますます食べ吐きがエスカレートしていくのです。これが、このタイプの死亡率が極めて高い原因です。ちなみに、ケンドラのような食べ吐きをしない過食タイプは、空腹中枢の機能亢進と満腹中枢の機能低下がもともと遺伝的に起きやすいことが考えられます。もちろん、この状態で、食べ吐きをすることができるようになれば、より症状は深刻になるでしょう。行動遺伝学の研究によると、神経性過食症への影響度は遺伝40%、家庭環境0%、家庭外環境60%です。遺伝の割合が減って家庭外環境の影響が増えていることから、ダイエット文化に加えて、食べ吐きの仕方をネットや友達から教わるなどの依存症ならではの特徴が出ていることが分かります。過食タイプは、その一番の原因が食べ吐きや食べ過ぎという不自然な行動による行動依存であることから理解しやすいです。一方で、少食タイプは、その一番の原因が脳の機能異常ということは理解できるのですが、それにしても、なぜ病識があまりないのでしょうか? そもそもなぜ思春期の女性が圧倒的に多いのでしょうか? そして、生理が来なくて不妊になりやすい(遺伝しにくい)のに、なんで遺伝しているのでしょうか?次回は少食タイプ(神経性やせ症の制限型)にフォーカスして、その謎に迫ります。1)摂食障害治療ガイドラインP257:日本摂食障害学会、医学書院、20122)「摂食障害の生きづらさ」P38:こころの科学、日本評論社、20203)標準精神医学(第8版)P402:医学書院、2021<< 前のページへ■関連記事ドラマ「ドラゴン桜」(中編)【実は幻だったの!? じゃあ何が問題?(教育格差)】Part 3

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英語で「あなたの趣味は何ですか」は?【1分★医療英語】第54回

第54回 英語で「あなたの趣味は何ですか」は?What do you do for fun?(あなたの趣味は何ですか?)I like watching Anime.(アニメを見るのが好きです)《例文》医師What do you do like to do for fun?(何か好きなことはありますか?)患者I enjoy biking.(自転車に乗ることです)《解説》今回は、「社会生活歴」にフォーカスを当てます。「社会生活歴」は英語でもそのまま“Social History”です。“What do you do for fun / What do you like to do for fun?”という表現で、ざっくりと日本語でいう「好きなことはなんですか」という意味になります。「趣味は何ですか?」というと真っ先に浮かぶのは中学で習った“What is your hobby?”ではないでしょうか。これも直訳した意味は同じになりますが、「“passionate”(熱烈)に打ち込んでいるもの」(楽器やスポーツのような)に限定して聞いている印象があるので、あまり一般的に使われる表現ではありません。今回紹介した“What do you do for fun?”のほうが自然で、日常会話でも頻繁に使われます。答え方としては、“I like〜”または“I enjoy〜”で始めれば無難です。小児科領域でいえば、米国では「HEADSS assessment」という独特の診察項目があり、思春期(11-13歳)になると親を部屋の外に出して子どもと医師が1対1になってHome、Education、Activities、Drugs、Sex、Suicideについて一通り聞くことが推奨されています。そのActivitiesを聞く際に“What do you do for fun?”は必ず使われる表現の一つです。ちなみに、職業を聞く際に使われる一般表現は、“What do you do for living?”(お仕事は何をされていらっしゃるのですか?)です。こちらも学校で習ったであろう“What is your job/occupation?”はかなり直接的な表現で失礼に当たる可能性もあるので、実際に使われる場面はほとんどありません。日本の診察場面では、患者さんが質問に答えた後に医師が反応することはあまりないでしょうが、米国では患者さんが、“I am an accountant.”(会計士です)と答えたら、医師側も“That is amazing!” “Wow, what a nice job!”などと大胆にリアクションをとることも多く、こうした“Social History”のやりとりを通して患者さんとラポートを形成しています。講師紹介

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事例011 小児へのメラトベル顆粒処方で査定【斬らレセプト シーズン3】

解説事例では、発達障害に伴う入眠障害を家族が訴えたために患者に対してメラトニン(商品名:メラトベル顆粒)を処方したところ、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)にて査定となりました。メラトベル顆粒は、発達障害の病名が無い場合には適応外として査定対象となるため、その査定と考えましたが、病名は記載されていました。査定事由が“B”であったために原因を探りました。添付文書を確認すると、「症状により適宜増減とするが、1日1回4mgを超えないこと」とありました。レセプト請求では処方量の上限を超えているために医師に確認したところ、「2.5mgで処方したはず。標準量を超えたのでコメントを記載した」と回答がありました。さらに調べるとカルテには「2.5g」と「g」処方で入力されていました。医師は、力価「2.5mg」を誤って「g」で入力されていたことに気付かれていませんでした。調剤時に「医師の処方が過量ではないか」と疑義紹介した結果が調剤記録に「2.5でOK」と記載されていました。調剤時の疑義紹介においても力価なのか、総量なのか不明瞭な問い合わせが行われたと言わざるを得ません。その結果として本来「1.25g」の処方に「2.5g」を投与、そのままレセプト請求されたために処方量の上限を超えた「0.5g」が過剰として査定になったものでした。医療安全上の観点から、医師の処方システムにおいて同薬剤の限度を超えた処方が入力できないように改修、調剤時の疑義紹介において単位の記載を忘れないよう求めて査定対策としています。

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生後6ヵ月からCOVID-19ワクチン接種推奨を提言/日本小児科学会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第8波が到来しつつある今、第7波で起こった小児へのCOVID-19感染の増加、重症化や今冬のインフルエンザの同時流行を憂慮し、日本小児科学会(会長:岡明[埼玉県立小児医療センター])の予防接種・感染症対策委員会は、同学会のホームページで「生後6ヵ月以上5歳未満の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方」を発表した。 これは先に示した「5~17歳の小児におけるワクチンの有益性」も考慮したうえで、メリット(発症予防)がデメリット(副反応など)を上回ると判断し、生後6ヵ月以上5歳未満の小児でも推奨したもの。 なお、厚生労働省では乳幼児(生後6ヵ月~4歳)の接種は「努力義務」としている。生後6ヵ月以上5歳未満の小児でも接種の方がメリットある 同学会ではワクチン推奨の考え方の要旨として以下4点にまとめている。1)小児患者数の急増に伴い、以前は少数であった重症例と死亡例が増加している。2)成人と比較して小児の呼吸不全例は比較的まれだが、オミクロン株流行以降は小児に特有な疾患であるクループ症候群、熱性けいれんを合併する児が増加し、また、脳症、心筋炎などの重症例も報告されている。3)生後6ヵ月以上5歳未満の小児におけるワクチンの有効性は、オミクロン株BA.2流行期における発症予防効果について生後6ヵ月~23ヵ月児で75.8%、24ヵ月児で71.8%と報告されている。流行株によっては有効性が低下する可能性はあるが、これまでの他の年齢におけるワクチンの有効性の知見からは、重症化予防効果は発症予防効果を上回ることが期待される。4)生後6ヵ月以上5歳未満の小児におけるワクチンの安全性については、治験で観察された有害事象はプラセボ群と同等で、その後の米国における調査でも重篤な有害事象はまれと報告されている。なお、接種後数日以内に胸痛、息切れ(呼吸困難)、動悸、浮腫などの心筋炎・心膜炎を疑う症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診し、新型コロナワクチンを受けたことを伝えるよう指導すること。

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妊娠高血圧症候群と長期的な児への影響(解説:三戸麻子氏)

 妊娠高血圧症候群は母児ともにadverse pregnancy outcomeの合併が多く、死亡率も高い代表的な妊娠合併症である。その影響は周産期のみならず出産後長期的な健康にも及び、妊娠高血圧症候群に罹患した女性では、将来高血圧や糖尿病などの生活習慣病や脳心血管病のリスクが高い。またその児においても、メタボリック症候群や免疫系の異常、精神神経疾患のリスクが高いことが報告されている。しかし児の出生後長期的な全死亡についてはほとんど報告がなかった。 本研究によると、妊娠高血圧症候群、なかでも重症妊娠高血圧腎症、HELLP症候群、子癇は、児の出生後長期的な全死亡と関連が認められ、その原因として心血管系疾患や消化器系疾患などが挙げられた。胎内で母体の妊娠高血圧症候群に曝露することが、児のそれらの疾患や死亡とどのように関連するか、詳細な機序は明らかではない。しかし何かしらの関連があるのは確かであると思われる。 妊娠高血圧症候群と将来の脳心血管病のリスク因子は重なる部分が多い。また長期間にわたる縦断的な研究が少ないことなどから、妊娠高血圧症候群が独立して脳心血管病のリスクとなるのか否か、また児への影響は依然として不明な部分も多い。今後は、それらの詳細な機序の解明と、妊娠前または出産後の介入によって、将来の疾病の発症を抑えることができるかどうかのエビデンスが待たれるところである。

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5~17歳の年齢別、オミクロン株へのワクチン有効性と持続性/NEJM

 カタールにおいて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のBNT162b2(ファイザー製)ワクチンの小児・青少年への実社会における有効性を検証したところ、小児へのワクチン接種によるオミクロン変異株への保護効果は中程度で、2回目接種後は急速に低下し3ヵ月で保護効果がほぼ認められなくなっていた。青少年については、おそらく投与した抗原量が多いことから、小児よりも強力で持続性のある保護効果が認められたという。カタール・コーネル大学のHiam Chemaitelly氏らが、3つのコホートについて後ろ向き標的コホート試験を行い明らかにした。BNT162b2ワクチンは、小児(5~11歳)と青少年(12~17歳)では、投与される抗原量が異なる。NEJM誌オンライン版2022年11月2日号掲載の報告。オミクロン株流行後の5~11歳、流行前後の12~17歳のデータを解析 研究グループは、カタールの小児・青少年について、SARS-CoV-2感染に対するBNT162b2ワクチンの有効性をリアルワールドで評価した。 ワクチン接種済みの全国集団と未接種の全国集団を比較するため、3つのマッチング後ろ向き標的コホート試験を実施。1つは、B.1.1.529(オミクロン)変異株優勢後の5~11歳の小児から得たデータを評価した試験で、残る2つは、オミクロン変異株出現前と出現後の12~17歳の青少年から得たデータを評価した試験だった。 BNT162b2ワクチン接種とSARS-CoV-2感染の関連性を、Cox比例ハザード回帰モデルで推定し評価した。有効性は小児で低年齢ほど低下、オミクロン株出現前の青少年では高率 小児において、BNT162b2ワクチン(10μg)プライマリシリーズ接種の、オミクロン変異株感染に対する有効性は、25.7%(95%信頼区間[CI]:10.0~38.6)だった。有効性は、2回目接種直後が最も高く49.6%(28.5~64.5)だったが、その後は急速に低下し、3ヵ月後にはほとんど保護効果は認められなくなっていた。年齢別では、5~7歳の同有効性は46.3%(21.5~63.3)で、8~11歳は16.6%(-4.2~33.2)だった。 青少年では、同ワクチン(30μg)プライマリシリーズ接種の、オミクロン変異株感染に対する有効性は、30.6%(95%CI:26.9~34.1)だった。有効性は2回目接種後、時間経過と共に低減していた。年齢別有効性は、12~14歳が35.6%(31.2~39.6)、15~17歳が20.9%(13.8~27.4)だった。 オミクロン変異株出現前では、青少年への30μgプライマリシリーズ接種のSARS-CoV-2感染に対する有効性は、87.6%(95%CI:84.0~90.4)で、2回目接種後の有効性の低下は相対的に緩徐だった。

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糖毒性glucose toxicityと進行性β細胞機能不全との関係-再考が必要か?-(解説:住谷哲氏)

 1型糖尿病患者のβ細胞機能は診断時に完全に廃絶しているわけではなく、診断後次第に低下していくことが知られている。この進行性β細胞機能不全のメカニズムは明らかではないが、自己免疫および糖毒性glucose toxicityの2つが関与していると考えられている。1型糖尿病診断直後からの抗TNF-α抗体ゴリムマブの投与により、β細胞機能不全の進行が抑制されることが報告されている1)。糖毒性については、高血糖に起因する細胞内酸化ストレスなどを介してβ細胞機能不全が進行するため、診断直後からの厳格な血糖管理がその進行を抑制するために有効である、と考えられてきた。しかしこの考えを支持するエビデンスは実は十分ではない。いくつかの介入試験がこれまでに報告されているが、その結果はcontroversialである。そこで本試験ではHybrid closed loop(HCL)を用いた厳格な血糖コントロールが、診断直後の1型糖尿病患者における進行性β細胞機能不全を抑制するか否かを検討した。 HCL群とMDI(multiple daily injections)群とを比較したRCTであり当然open-labelである。β細胞機能は食事負荷後の血清CPRのAUCで評価した。さらに血糖管理状態をより厳密に比較するためにprofessional CGMであるFreeStyleリブレProを用いたmasked CGMで種々のパラメータを比較した。結果は、12ヵ月後のHbA1cおよびTIR(time in range)はHCL群、MDI群でそれぞれ6.9%および64%、7.3%および54%であった。一方、主要評価項目である12ヵ月後の血清CPRのAUCは両群間で有意差を認めなかった。 この結果をどのように解釈するか? 著者らがDiscussionで指摘しているように、両群間の血糖コントロールの差が試験開始前の設定よりも小さかったため、糖毒性の影響がマスクされてしまったのかもしれない。一方、上述したように抗TNF-α抗体ゴリムマブを12ヵ月投与することでβ細胞機能不全の進行が抑制された。つまり発症直後の1型糖尿病患者における進行性β細胞機能不全に及ぼす糖毒性の影響はわれわれが考えているほど大きいものではなく、むしろ炎症性サイトカインの影響がより大きいのかもしれない。 2型糖尿病患者においてもβ細胞機能不全の進行を抑制することが良好な血糖コントロールを維持するために重要である。1型糖尿病患者と2型糖尿病患者とにおける進行性β細胞機能不全のメカニズムが同一であるとは考えにくいが共通する部分も少なくないと思われる。現時点で2型糖尿病患者の進行性β細胞機能不全を抑制することが証明されている薬剤は存在しない。しかし本試験の結果から想像をたくましくすれば、2型糖尿病患者においても進行性β細胞機能不全に及ぼす糖毒性の影響はそれほど大きくはなく、むしろβ細胞における慢性炎症がより重要かもしれない。そうであれば、抗炎症作用を有する可能性が示唆されている血糖降下薬(ピオグリタゾン、メトホルミン、GLP-1受容体作動薬)を積極的に選択するのも1つの方法である。

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赤ちゃんへの毎日の保湿剤、アトピー性皮膚炎を予防しない

 生後1年間、赤ちゃんに保湿剤を毎日塗布しても、アトピー性皮膚炎への予防効果は認められなかったことが、英国・ノッティンガム大学のLucy E. Bradshaw氏らが行った無作為化試験「Barrier Enhancement for Eczema Prevention(BEEP)試験」の結果、示された。食物アレルギー、喘息、花粉症への予防効果も認められなかった。保湿剤塗布のアトピー性皮膚炎/湿疹への予防効果については議論が分かれている。Allergy誌オンライン版2022年10月19日号掲載の報告。赤ちゃんに保湿剤を毎日塗布しても31%がアトピーと診断、対照群は28% BEEP試験では、アトピー性皮膚炎およびアトピー性の症状に対する生後1年間の毎日の保湿剤塗布の効果を、5歳まで評価した。 アトピー性疾患の家族歴がある新生児1,394人を、1対1の割合で無作為に2群に割り付け、毎日の保湿剤塗布+標準的スキンケアをアドバイス(保湿剤塗布群:693人)または標準的スキンケアのみをアドバイス(対照群:701人)した。 保護者に対する質問票により、3歳、4歳、5歳時に長期フォローアップを行った。主要評価項目は、保護者の報告に基づくアトピー性皮膚炎および食物アレルギーの臨床診断とした。 アトピー性皮膚炎およびアトピー性の症状に対する生後1年間の毎日の保湿剤塗布の効果を5歳まで評価した主な結果は以下のとおり。・保湿剤塗布群の保護者のほうが、5年間にわたり保湿剤塗布の頻度が高かったと回答した。・生後12~60ヵ月(5歳)にアトピー性皮膚炎と臨床診断されたのは、保湿剤塗布群188/608例(31%)、対照群178/631例(28%)であった(補正後相対リスク:1.10、95%信頼区間[CI]:0.93~1.30)。・保湿剤塗布群でも、3歳時、4歳時時点ですでに前年度の食物反応について報告した保護者がいたが、5歳時までに医師により診断された食物アレルギーの累積発生率は、保湿剤塗布群15%(92/609例)、対照群14%(87/632例)で、同程度であった(補正後相対リスク:1.11、95%CI:0.84~1.45)。・喘息、花粉症の累積発生率も両群で類似していた。

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ガイドライン改訂ーアナフィラキシーによる悲劇をなくそう

 アナフィラキシーガイドラインが8年ぶりに改訂され、主に「1.定義と診断基準」が変更になった。そこで、この改訂における背景やアナフィラキシー対応における院内での注意点についてAnaphylaxis対策委員会の委員長である海老澤 元宏氏(国立病院機構相模原病院 臨床研究センター長)に話を聞いた。アナフィラキシーガイドライン2022で診断基準が改訂 改訂となったアナフィラキシーガイドライン2022の診断基準では、世界アレルギー機構(WAO)が提唱する項目として3つから2つへ集約された。アナフィラキシーの定義は『重篤な全身性の過敏反応であり、通常は急速に発現し、死に至ることもある。重症のアナフィラキシーは、致死的になり得る気道・呼吸・循環器症状により特徴づけられるが、典型的な皮膚症状や循環性ショックを伴わない場合もある』としている。海老澤氏は「基準はまず皮膚症状の有無で区分されており皮膚症状がなくても、アナフィラキシーを疑う場面では血圧低下または気管支攣縮または喉頭症状のいずれかを発症していれば診断可能」と説明した。◆診断基準[アナフィラキシーガイドライン2022 p.2]※詳細はガイドライン参照 以下の2つの基準のいずれかを満たす場合、アナフィラキシーである可能性が非常に高い。1.皮膚、粘膜、またはその両方の症状(全身性の蕁麻疹、掻痒または紅潮、口唇・下・口蓋垂の腫脹など)が急速に(数分~数時間で)発症した場合。さらに、A~Cのうち少なくとも1つを伴う。  A. 気道/呼吸:呼吸不全(呼吸困難、呼気性喘鳴・気管支攣縮、吸気性喘鳴、PEF低下、低酸素血症など)  B. 循環器:血圧低下または臓器不全に伴う症状(筋緊張低下[虚脱]、失神、失禁など)  C. その他:重度の消化器症状(重度の痙攣性腹痛、反復性嘔吐など[特に食物以外のアレルゲンへの曝露後])2.典型的な皮膚症状を伴わなくても、当該患者にとって既知のアレルゲンまたはアレルゲンの可能性がきわめて高いものに曝露された後、血圧低下または気管支攣縮または喉頭症状が急速に(数分~数時間で)発症した場合。 また、アナフィラキシーガイドライン2022はさまざまな国内の研究結果やWAOアナフィラキシーガイダンス2020に基づいて作成されているが、これについて「国内でもアナフィラキシーに関する疫学的な調査が進み、ようやくアナフィラキシーガイドライン2022に反映させることができた」と、前回よりも国内でのアナフィラキシーの誘因に関する調査や症例解析が進んだことを強調した。アナフィラキシーガイドライン2022に盛り込まれた変更点 今回の取材にて、同氏は「アナフィラキシーに対し、アドレナリン筋注を第一選択にする」ことを強く訴えた。その理由の一つとして、「2015年10月1日~2017年9月30日の2年間に医療事故調査・支援センターに報告された院内調査結果報告書476件のうち、アナフィラキシーが死因となる事例が12件もあった。これらの誘因はすべて注射剤で、造影剤、抗生物質、筋弛緩剤などだった。アドレナリン筋注による治療を迅速に行っていれば死亡を防げた可能性が高いにもかかわらず、このような事例が未だに存在する」と、アドレナリン筋注が必要な事例へ適切に行われていないことに警鐘を鳴らした。 ではなぜ、アナフィラキシーに対しアドレナリン筋注が適切に行われないのか? これについて「アドレナリンと聞くと心肺蘇生に用いるイメージが固定化されている医師が一定数いる。また、アドレナリン筋注を経験したことがない医師の場合は最初に抗ヒスタミン薬やステロイドを用いて経過を見ようとする」と述べ、「アドレナリン筋注をプレホスピタルケアとして患者本人や学校の教員ですら投与していることを考えれば、診断が明確でさえあれば躊躇する必要はない」と話した。 アナフィラキシーを生じやすい造影剤や静脈注射、輸血の場合、症状出現までの時間はおよそ5~10分で時間的猶予はない。上記に述べたような症状が出現した場合には、原因を速やかに排除(投与の中止)しアドレナリン筋注を行った上で集中治療の専門家に委ねる必要がある。 また、アドレナリン筋注と並行して行う処置として併せて読んでおきたいのが“補液”の項目(p.24)である。「これまでは初期対応に力を入れて作成していたが、今回はアナフィラキシーの治療に関しても委員より盛り込むことの提案があった」と話した。 以下にはWAOガイダンスでも述べられ、アナフィラキシーガイドライン2022に盛り込まれた点を抜粋する。◆治療 2.薬物治療:第一選択薬(アドレナリン)[アナフィラキシーガイドライン2022 p.21]・心疾患、コントロール不良の高血圧、大動脈瘤などの既往を有する患者、合併症の多い高齢患者では、アドレナリン投与によるベネフィットと潜在的有害事象のリスクのバランスをとる必要があるものの、アナフィラキシー治療におけるアドレナリン使用の絶対禁忌疾患は存在しない1)・アドレナリンを使用しない場合でもアナフィラキシーの症状として急性冠症候群(狭心症、心筋梗塞、不整脈)をきたすことがある、アドレナリンの使用は、既知または疑いのある心血管疾患患者のアナフィラキシー治療においてもその使用は禁忌とされない1)・経静脈投与は心停止もしくは心停止に近い状態では必要であるが、それ以外では不整脈、高血圧などの有害作用を起こす可能性があるので、推奨されない2)◆治療 2.薬物治療:第二選択薬(アドレナリン以外)[アナフィラキシーガイドライン2022 p.23]・H1およびH2抗ヒスタミン薬は皮膚症状を緩和するが、その他の症状への効果は確認されていない3) このほか、同氏は「食物アレルギーの集積調査が進み、国内でも落花生やクルミなどのナッツ類や果物がソバや甲殻類よりも誘因として高い割合を示すことが明らかになった」と話した。さらに「病歴の聞き取りが不十分なことで起こるNSAIDs不耐症への鎮痛薬処方なども問題になっている」と指摘した。 なお、アナフィラキシーガイドライン2022は小児から成人までのアナフィラキシー患者に対する診断・治療・管理のレベル向上と、患者の生活の質の改善を目的にすべての医師向けに作成されている。日本アレルギー学会のWebからPDFが無料でダウンロードできるのでさまざまな場面でのアナフィラキシー対策に役立てて欲しい。

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【第221回 】液体窒素を飲むとどうなるか?

液体窒素を飲むとどうなるか?いらすとやより使用私の子供がとあるYouTubeチャンネルの動画を見ていたとき「液体窒素を口に含んでも大丈夫」と言っていました。確かにそうかもしれない、と私も思いました。熱したフライパンに水を垂らしたとき、水滴は玉になったままフライパンの上を転がるのと同じ原理ということです。しかし、間違って飲んでしまったらどうなるんだろう…。ちょっと気になったので調べてみました。まとまった報告はなく、症例報告をいくつか紹介してみます。Kim DW.Stomach Perforation Caused by Ingesting Liquid Nitrogen: A Case Report on the Effect of a Dangerous Snack.Clin Endosc. 2018 Jul;51(4):381-383.これは13歳の男児が遊園地でお菓子を食べたところ、突然腹痛を訴えて来院した症例報告です。このお菓子は、液体窒素でキンキンに冷えていたことがわかりました。腹部CT検査で、消化管穿孔を起こしていることがわかり、緊急手術で胃穿孔が判明しました。液体窒素そのものか、ただ冷えていたことが原因なのかどうか、何とも言えない症例ではありますね。Zheng Y, et al. Barotrauma after liquid nitrogen ingestion: a case report and literature review.Postgrad Med. 2018 Aug;130(6):511-514.これは、25歳男性が液体窒素を含んだ自家製飲料を摂取した後に、急性腹症を起こした症例です。精査の結果、胃穿孔を起こしていることがわかり、緊急手術となりました。Pollard JS, et al.A lethal cocktail: gastric perforation following liquid nitrogen ingestion.BMJ Case Rep. 2013 Jan 7;2013:bcr2012007769.液体窒素を含むアルコール飲料を摂取した後に、胃穿孔を起こした18歳女性の症例報告です。胃の損傷の程度が大きかったため、Roux-en-Y再建による胃全摘術が必要でした。胃穿孔ばかり続きます。痛そうです。胃全摘はかなりシビアですね。Knudsen AR, et al.Gastric rupture after ingestion of liquid nitrogen.Ugeskr Laeger. 2009 Feb 9;171(7):534.28歳男性が、煙を吐き出して周囲を驚かせるために液体窒素15mLを飲み、その後重度の腹部膨満と縦隔気腫があったという症例報告です。小弯部を中心に胃が破裂していたため、開腹手術で縫合されました。上部消化管内視鏡検査では、冷却による潰瘍性病変などはありませんでした。おや?4つ目の報告は、ちょっと胃潰瘍とは異なる機序のようですね。実は、液体窒素による胃の傷害は、冷却による粘膜障害ではないとされています。ドライアイスなどを飲み込むと、長時間冷温に曝露されるので胃潰瘍のリスクがあるのですが、液体窒素はおそらくそれよりも早く気化します。液体窒素は、加熱されると数百倍に膨張することが問題になります。これによって、胃が極度に膨張して傷害を受けるのではないか、ということです。まぁ…どちらの機序が優勢にしても、こんなもんを飲み込むなんて狂気の沙汰ですから、決してマネしないように。ちなみにドライアイスを飲んだらどうなるかというと…実はこの連載の3回目で紹介しています。

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