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超加工食品、摂取量が多いと死亡リスク増大~30年超の調査/BMJ

 超加工食品の摂取量が多いほど、がんおよび心血管疾患以外の原因による死亡率がわずかに高く、その関連性は超加工食品のサブグループで異なり、肉/鶏肉/魚介類をベースとした調理済みインスタント食品のサブグループでとくに強い死亡率との関連性が認められたという。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のZhe Fang氏らによる、追跡期間30年超のコホート研究で示された。超加工食品は健康に悪影響を及ぼすことが示唆されているが、長期間にわたり食事評価を繰り返し行う大規模コホートでの超加工食品摂取による死亡率への影響に関するエビデンスは限られていた。BMJ誌2024年5月8日号掲載の報告。米国の女性看護師と男性医療従事者、合計約11万4,000例を追跡 研究グループは、米国11州の女性正看護師が対象のNurses' Health Study(1984~2018年)、全50州の男性医療従事者が対象のHealth Professionals Follow-Up Study(1986~2018年)を基に、ベースラインでがん、心血管疾患、糖尿病の既往がない女性7万4,563例および男性3万9,501例を対象として、超加工食品の摂取と死亡との関連を調べた。 超加工食品の摂取量は、4年ごとに実施される食物摂取頻度調査で評価した。 主要アウトカムは全死因死亡、副次アウトカムはがん、心血管疾患、その他の原因(呼吸器疾患、神経変性疾患を含む)による死亡で、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて超加工食品摂取量との関連について、ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定し評価した。がん、心血管疾患による死亡とは関連なし 追跡期間中央値34年間において、計4万8,193例(女性3万188例、男性1万8,005例)の死亡が記録された。死因別では、がん1万3,557例、心血管疾患1万1,416例、呼吸器疾患3,926例、神経変性疾患6,343例であった。 超加工食品摂取量の最低四分位範囲(中央値3.0サービング/日)群と比較して、最高四分位範囲(中央値7.4サービング/日)群では、全死因死亡リスクが4%高かった(HR:1.04、95%CI:1.01~1.07、傾向のp=0.005)。一方で、がん(0.95、0.91~1.00)ならびに心血管疾患(1.05、0.99~1.11)による死亡との関連は認められなかった。その他の原因による死亡リスクは9%有意に高かった(1.09、1.05~1.13、傾向のp<0.001)。 超加工食品摂取量の最低四分位範囲群および最高四分位範囲群の全死因死亡率は、それぞれ10万人年当たり1,472例および1,536例であった。 超加工食品のサブグループ別では、肉/鶏肉/魚介類をベースとした調理済みインスタント食品(加工肉など)が最も全死因死亡リスクとの関連が強く(HR:1.13、95%CI:1.10~1.16)、砂糖または人工甘味料入り飲料(1.09、1.07~1.12)、乳製品ベースのデザート(1.07、1.04~1.10)、全粒穀物を除く超加工パン・朝食用食品(1.04、1.02~1.07)も、全死因死亡リスクの増大と関連していた。 Alternative Healthy Eating Index-2010(AHEI-2010)スコアで評価した食事の質と超加工食品摂取量については、AHEIスコアの各四分位範囲内では超加工食品の摂取量と死亡率との間に一貫した関連は観察されなかったが、超加工食品摂取量の各四分位範囲内では、食事の質と死亡率との間に逆相関が認められた。

2.

ゴルフや水泳がALSリスクを上昇させる?

 ゴルフ、ガーデニングや庭仕事、木工、狩猟などの余暇活動は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスク上昇と関連している可能性があるという研究結果が、「Journal of the Neurological Sciences」2月15日号に掲載された。 米ミシガン大学アナーバー校のStephen A. Goutman氏らは、ALS患者400人と健康対照者287人を対象に、趣味、運動、余暇活動に関連するリスクを調査した。 解析の結果、ALS診断の5年前にゴルフ(オッズ比3.48)、レクリエーションダンス(同2.00)、ガーデニングや庭仕事(同1.71)をしていたことが、ALSに関連するリスクであることが分かった。リスクと関連したその他の曝露には、個人または家族での木工活動参加(同1.76、2.21)、個人での狩猟や射撃への参加(同1.89)があった。ALSの生存および発症に関連する曝露はなかった。発症年齢の早さは、診断の5年前の水泳(3.86歳)および重量挙げ(3.83歳)と関連していた。女性では、ALSと有意な関連を示した余暇活動はなかった。 Goutman氏は、「製造業や貿易業に従事しているなどの職業的リスク因子が、ALSのリスク上昇に関連していることはすでに知られているが、余暇活動もこの疾患にとって、重要かつ修正可能なリスク因子である可能性があることを示す文献が増えている」と述べる一方、患者にこれらの活動をやめるよう助言するのは時期尚早である、との注意を促した。

3.

知見のupdateを絶えず重ね続ける【国試のトリセツ】第40回

§3 decision making知見のupdateを絶えず重ね続けるQuestion〈111G57〉82歳の女性。肺炎で入院中である。抗菌薬が投与され肺炎の症状は軽快していたが、3日前から頻回の水様下痢が続いている。高血圧症で内服治療中である。意識は清明。体温37.6℃。脈拍76/分、整。血圧138/78mmHg。腹部は平坦、軟。下腹部に軽い圧痛を認める。血液所見赤血球380万、Hb12.0g/dL、Ht 36%、白血球9,800、血小板26万。腹部X線写真で異常所見を認めない。便中Clostridium difficileトキシン陽性。この患者に有効と考えられる薬剤はどれか。2つ選べ。(a)バンコマイシン(b)クリンダマイシン(c)エリスロマイシン(d)メトロニダゾール(e)ベンジルペニシリン(ペニシリンG)※2016年に、Clostridium difficileはClostridioides difficileに名称が変更されました。第111回医師国家試験は2017年に実施されましたが、まだ以前のままの表記になっています。以降の解説では、このupdateを汲み、新しい表記で統一します。Lawson PA, et al:Reclassification of Clostridium difficile as Clostridioides difficile(Hall and O’Toole 1935) Prevot 1938. Anaerobe, 40:95-99, 2016

4.

2型DM、メトホルミンに追加するなら?/BMJ

 日常診療における2型糖尿病患者の2次治療として、メトホルミンに追加する3種の一般的な経口血糖降下薬(SU薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬)の有効性を比較する検討が、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のPatrick Bidulka氏らにより行われた。SGLT2阻害薬は、SU薬およびDPP-4阻害薬と比較してHbA1c、BMI、収縮期血圧を低下させ、心不全による入院(対DPP-4阻害薬)および腎臓病の進行による入院(対SU薬)のリスクを抑制した。なお、その他の臨床エンドポイントでは差があるとのエビデンスは示されなかった。BMJ誌2024年5月8日号掲載の報告。SGLT2阻害薬vs.SU薬vs.DPP-4阻害薬、1年時点のHbA1c変化の絶対値を評価 研究グループは、有効性比較試験を模倣したコホート研究(target trial emulation)で、メトホルミンに追加する3種の一般的な経口血糖降下薬(SU薬、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬)の有効性を比較した。 2015~21年のイングランドにおけるプライマリケア、病院、死亡のデータを結び付け、メトホルミンにSU薬、DPP-4阻害薬またはSGLT2阻害薬を追加して経口血糖降下薬による2次治療を開始した、2型糖尿病の成人患者7万5,739例を対象とした。 主要アウトカムは、ベースラインからフォローアップ1年時点までのHbA1c変化の絶対値であった。副次アウトカムは、1年時点および2年時点のBMI、収縮期血圧、eGFRの変化、2年時点のHbA1cの変化、eGFRが40%以上低下するまでの期間、主要有害腎イベント、心不全による入院、主要有害心血管イベント(MACE)、全死因死亡などであった。操作変数法を用いて、ベースラインの欠測による交絡リスクを軽減して評価した。SGLT2阻害薬併用が、他の2種併用よりも優れる 7万5,739例が経口血糖降下薬による2次治療を開始した。SU薬追加は2万5,693例(33.9%、SU薬群)、DPP-4阻害薬追加は3万4,464例(45.5%、DPP-4阻害薬群)、SGLT2阻害薬追加は1万5,582例(20.6%、SGLT2阻害薬群)であった。 ベースラインからフォローアップ1年時点までのHbA1c低下の平均値は、SGLT2阻害薬群がDPP-4阻害薬群やSU薬群よりも大きく、SGLT2阻害薬がより有効であることが示された。操作変数解析後、HbA1c変化の平均群間差は、SGLT2阻害薬群vs.SU薬群が-2.5mmol/mol(95%信頼区間[CI]:-3.7~-1.3)、SGLT2阻害薬群vs.DPP-4阻害薬群は-3.2mmol/mol(-4.6~-1.8)であった。 BMIおよび収縮期血圧の低下においても、SGLT2阻害薬がSU薬またはDPP-4阻害薬よりも有効であることが示された。ただし、いくつかの副次エンドポイントで、SGLT2阻害薬がより有効であるとのエビデンスは示されなかった。たとえば、MACEに関するハザード比(HR)は、対SU薬で0.99(95%CI:0.61~1.62)、対DPP-4阻害薬で0.91(0.51~1.63)であった。 SGLT2阻害薬は、DPP-4阻害薬(HR:0.32、95%CI:0.12~0.90)やSU薬(0.46、0.20~1.05)と比較して、心不全による入院のリスクを低下させた。 eGFR 40%以上低下について、SGLT2阻害薬がSU薬よりも保護効果があることが示された(HR:0.42、95%CI:0.22~0.82)。DPP-4阻害薬との比較では、推定HR(0.64、0.29~1.43)に高い不確実性が認められた。

5.

多くの死亡患者が電子カルテに生存者として記載

 死亡患者の5人に1人近くが電子カルテに生存者と記載されており、80%が死亡後にプライマリケアのアウトリーチを受けていることを示した研究レターが、「JAMA Internal Medicine」に12月4日掲載された。 米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のNeil S. Wenger氏らは、医療機関が死亡を認識していない患者の割合を調査した。1つの学術医療システムの41の診療所を対象に、継続的に受診していた18歳以上の重症プライマリケア患者(過去1年に2回以上受診していた患者)1万1,698人の電子カルテデータを解析した。 その結果、対象患者の25%が電子カルテで死亡と記録され、5.8%は州の死亡ファイルで死亡が確認されたが電子カルテでは生存と記録されていた。死亡が認識されていなかった676人の患者のうち80%は、死亡後に未受診または未予約であり、推定で221件の電話と338件のポータルメッセージを受け取っていた。さらに、これらの患者のうち221人は、予防ケアの満たされていないニーズ(例:インフルエンザ予防接種、がん検診)に関する920通の手紙を受け取り、166人の患者は226通のその他の郵便物を受け取り、158人の患者はワクチンやその他の臨床的ケアに関する184の指示が出され、88の薬剤について130のリフィルが許可された。 著者らは、「医療システムが責任あるケアを提供するためには、死亡に関する状況をより確実に認識する必要がある」と述べている。

6.

患者負担増の長期収載品は1,095品目、注意点は?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第131回

厚生労働省は2024年4月19日付で「長期収載品の処方等又は調剤に係る選定療養の対象医薬品について」という事務連絡を発出しました。この中には、後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる長期収載品)を使用した場合に患者負担額を引き上げる品目のリストが掲載されています。今回リストに掲載されたのは全1,095品目で、10月からスタートします。対象や負担の割合などについては昨年から議論されていた内容とほとんど変わりありませんが、改めて確認していきましょう。後発医薬品が上市から5年以上経過したもの、または後発医薬品の置換率が50%以上となった薬剤が対象で、それが4月に事務連絡で発出された1,095品目です。また、患者さんが先発医薬品を選んだ場合、最も価格が高い後発医薬品との差額の25%を保険適用から外し、その分については自己負担になります。その「差額の25%」について、気を付けなればならないポイントが2点あります。1点目は、「最も価格が高い後発医薬品との差額」というのが薬剤によってさまざまなので、一概にどのくらい負担が増えますよと先に伝えるのが難しいという点です。10月以降に来局された患者さんに対してそれぞれ対応する必要があります。2点目は、その「差額の25%」については、1割負担の患者さんも3割負担の患者さんも同額の負担増になります。もっと言うと、0割負担の患者さんでも同額の自己負担が発生します。負担割合が少なく、いつも先発医薬品を好んで使用する患者さんではしっかりと説明する必要がありそうです。また、いくつか除外されるケースもあり、「医療上の必要があると認められる」「後発医薬品の提供が困難」な場合に加えて、「後発医薬品への置き換え率が1%未満」の薬剤も除外されます。「後発医薬品の提供が困難」というのは仕方ないとしても(むしろ設定してくれてよかった…)、「医療上の必要性」がどのような場合に認定されるか、というのは今後の様子見でしょう。10月以降も先発医薬品をローラー的に変更不可とする医師がいたとしたら、この大きな流れに背くことになりちょっと要注意かなと思います。一般向けにはヒルドイドの自己負担増がピンポイントで報じられているようですが、降圧薬や抗認知症薬などのその他の医薬品も対象になってるんだけどな…とちょっと不安になります。10月までに行政から働きかけをしてしっかり周知してほしいなと思います。

7.

身体診察【とことん極める!腎盂腎炎】第2回

CVA叩打痛って役に立ちますか?Teaching point(1)CVA叩打痛があっても腎盂腎炎と決めつけない(2)CVA叩打痛がなくても腎盂腎炎を除外しない(3)他の所見や情報を合わせて総合的に判断する1.腎盂腎炎と身体診察腎盂腎炎の身体診察といえば肋骨脊柱角叩打法(costovertebral angel tenderness:CVA tenderness)が浮かぶ方も多いのではないだろうか。発熱、膿尿にCVA叩打痛があれば腎盂腎炎と診断したくなるが、CVA叩打痛は腎臓の周りの臓器にも振動が伝わり、肝胆道や脊椎の痛みを誘発することがあるため、肝胆道系感染症や化膿性脊椎炎を腎盂腎炎だと間違えてしまう場合がある。身体所見やその他の所見と組み合わせて総合的に判断する必要がある。2.CVA叩打痛と腎双手診CVA叩打痛は腎盂腎炎を示唆する身体所見として広く知られている。図1のように、胸椎と第12肋骨で作られる角に手を置き、上から拳で叩打し、左右差や痛みの誘発があるかどうかを観察する。なお腎臓は左の方がやや頭側に位置しているため、肋骨脊柱角の上部・下部とずらして叩打痛の確認をする。もし左右差や痛みがあれば腎盂腎炎を示唆する所見となるが、第1回で紹介したとおり、所見がないからといって腎盂腎炎を否定することはできず、ほかの所見と合わせて診断を考える必要がある。画像を拡大するその他の身体診察として腎双手診がある。腎臓のある側腹部を両手で挟み込み、痛みを生じるかどうかを確かめる診察であり尿管結石でも陽性となり得るが、腎盂腎炎においてCVA叩打痛陰性であっても腎双手診は陽性となる症例も散見される。CVA叩打痛は脊椎の痛みを反映している場合もある一方で腎双手診(図2)は大腸の病変を触れている可能性もある。CVA叩打痛が圧迫骨折などの脊椎の痛みを誘発していないか確かめるために、棘突起を押して圧痛を生じないか確かめることが有用である。棘突起を押して圧痛を生じるようであれば、椎体の病変の可能性が高くなる。画像を拡大するこのように、腎臓の位置は肉眼では把握しづらく、痛みを生じているのが腎臓なのか、その周囲の臓器なのかわかりにくい。裏技のような方法になるが、エコーで腎臓を描出しながらプローブで圧痛が生じるか確認する、いわばsonographic Murphy’s signの腎臓バージョンもある1)。3.自身が体験した非典型的なプレゼンテーション最後に自身が体験した非典型なプレゼンテーションを述べる。糖尿病の既往がある90歳の女性で、転倒後の腰痛で体動困難となり救急搬送された。身体診察・画像検査からは腰椎の圧迫骨折が疑われ、鎮痛目的に総合診療科に入院となった。その夜に39℃台の発熱を生じfever work upを行ったところ、右の双手診で側腹部に圧痛があり、尿検査では細菌尿・膿尿を認めた。圧迫骨折後の尿路感染症として治療を開始し、後日、尿培養と血液培養より感受性の一致したEscherichia coliが検出された。本人によく話を聞くと、転倒した日は朝から調子が悪く、来院前に悪寒戦慄も生じていたとのことだった。ERでは腰痛の診察で脊椎叩打痛があることを確認していたが、その後脊椎を一つひとつ押しても圧痛は誘発されず、腎双手診のみ再現性があった。腰椎圧迫骨折は陳旧性の物であり、急性単純性腎盂腎炎後の転倒挫傷だったのである。転倒後という病歴にとらわれ筋骨格系の疾患とアンカリングしていたが、そもそも転倒したのが体調不良であったから、という病歴を聞き取れれば初診時に尿路感染症を疑えていたかもしれない。この症例から高齢者の腎盂腎炎は転倒など一見関係なさそうな主訴の裏に隠れていること、腰痛の診察の際に腎双手診は脊椎の痛みと区別する際に有用であることを学んだ。4.腎盂腎炎診断の難しさ腎盂腎炎の診断は難しい。それは、腎盂腎炎の診断が非典型的な症状、細菌尿・膿尿の解釈、側腹部痛の身体所見、他疾患の除外など、さまざまな情報を統合して総合的に判断しなければならないからである。正しい診断にこだわることはもちろん重要だが、腎盂腎炎がさまざまな症状を呈し、また、どの身体所見も腎盂腎炎を確定診断・除外できないことを念頭に置き、柔軟に対応することが必要なのではないだろうか。たとえ典型的な症状や所見が揃っていなくても、できる限り他疾患の可能性について考慮したうえで、患者の余力も検討し腎盂腎炎として抗菌薬を開始することが筆者はリーズナブルであると考える。重要なことは治療を始めた後も、経過を観察し、合わない点があれば再度、腎盂腎炎の正当性について吟味することである。多種多様な鑑別疾患と総合的な判断が求められる腎盂腎炎は臨床医の能力が試される疾患である。1)Faust JS, Tsung JW. Crit Ultrasound J. 2017;9:1.

8.

コロナワクチンに不安のあるがん患者の相談相手は?

 外来で化学療法を受けるがん患者を対象に、新型コロナワクチンに関して不安を感じることの内容やその相談相手などが調査された。その結果、相談相手としてプライマリケア医が最も多いことが明らかとなった。研究グループは、薬剤師が介入できる可能性も示唆されたとしている。これは順天堂大学医学部附属順天堂医院薬剤部の畦地拓哉氏らによる研究であり、「Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences」に3月4日掲載された。 新型コロナワクチンは日本で2021年2月に承認され、がん患者において接種が推奨されている。しかし、がん患者のワクチン接種状況や副反応に焦点を当てた研究はほとんどない。患者はがん治療への影響も含めて多くの不安を抱えるため、医療職の関与が重要となる。 著者らは今回、順天堂大学医学部附属順天堂医院で外来化学療法を行い、2022年10月~2023年1月に薬剤師の服薬指導を受けたがん患者を対象としてオンライン横断調査を行った。無記名の質問紙を用いて、新型コロナワクチンの接種歴や副反応、ワクチン接種に関する不安の内容、相談相手や情報の入手源などを調べた。 調査の回答者は60人(男性16人、女性44人)であり、年齢層は40歳未満が3人、40~49歳が15人、50~59歳が21人、60~69歳が13人、70~79歳が8人。主ながんの種類は、乳がん(21人)、卵巣がん(9人)、肺がん(6人)、膵がん(5人)、子宮がん(5人)などだった。 不安の内容として、「がん治療がスケジュール通りにできないのではないか?」(29人)、「がんなので特別な副作用がでないか?」(24人)などの回答が多かった。一方、調査時点でワクチンを2回以上接種していた人の割合は96.7%(58人)であり、これは同時期の日本全体の接種率よりも高かった。副反応は注射部位の痛みが最も多く、全身症状は発熱と倦怠感が多かったが、がんの治療スケジュールに影響があった人はほとんどいなかった。 ワクチンについての相談相手・情報入手源としては、プライマリケア医(25人)、家族・親族(22人)、インターネット(15人)、テレビ・ラジオ(13人)、友人・知人(12人)の回答が多かった。その他、医療職に関する回答は、プライマリケア医以外の医師と看護師はどちらも4人、病院薬剤師は1人のみで、薬局薬剤師やケアマネジャーの回答はなかった。 さらに、各相談相手について、今後ワクチン接種に不安を感じたときにどの程度相談しやすいかが検討された。6段階の回答を点数化・平均し、医療職間で比較すると、最も相談しやすいのはプライマリケア医(3.55点)、次に看護師(3.20点)だったが、どちらも病院薬剤師(2.85点)との統計的な有意差はなかった。また、病院薬剤師とプライマリケア医以外の医師(2.50点)や薬局薬剤師(2.27点)との間にも有意差は認められなかった。 以上、病院薬剤師は相談相手としての回答自体は少なかったが、プライマリケア医、看護師の次に相談しやすいとされたことについて著者らは、「外来化学療法時の服薬指導や有害事象のモニタリングを通じて築かれた信頼関係による可能性がある」と説明。また、がん患者の多くはプライマリケア医に相談した場合にも、ワクチンに対して不安を抱いていることが示されたという。患者はワクチン接種後の発熱や治療薬との相互作用などを不安に感じるが、「一般集団との間で副反応に有意差がないことを経験として伝えることも不安を和らげる上で有益」とし、薬剤師が介入できる可能性を示す結果だったと総括している。

9.

優先度を考えてdecision makingを組み立てる【国試のトリセツ】第39回

§3 decision making優先度を考えてdecision makingを組み立てるQuestion〈109F11〉咽頭痛、喘鳴および呼吸困難を訴える成人が救急外来を受診した際に、バイタルサインを確認しながらまず準備するのはどれか。(a)気管挿管(b)抗菌薬投与(c)動脈血採血(d)鎮痛薬投与(e)胸部X 線撮影

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妊娠は女性の老化を早める?

 妊娠は女性の体を明らかに変化させるだけでなく、老化を早める可能性もあることが、新たな研究で示唆された。妊娠経験のある女性は、妊娠経験のない女性よりも生物学的な年齢が高いことが遺伝子分析によって明らかになった。このような生物学的年齢の加速は、妊娠回数が多い女性ほど進んでいたという。米コロンビア大学エイジング・センターのCalen Ryan氏らによるこの研究結果は、「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に4月8日掲載された。 Ryan氏は、「われわれの研究結果は、妊娠が生物学的老化を早めること、また、その影響は若くて多産な女性において顕著であることを示唆している」と同大学のニュースリリースの中で述べている。同氏はまた、「この研究は、同じ女性を長期にわたって追跡し、それぞれの女性の妊娠回数の変化を生物学的年齢の変化に結び付けた初めてのものである」とも語っている。 先行研究では、女性の妊孕性の高さは高齢期の健康と長寿に悪影響を及ぼし得ることが報告されている。しかし、妊娠が加齢による衰えが現れ始める前の段階の健康に影響を及ぼすのかについては明らかになっていない。そこでRyan氏らは今回、Cebu Longitudinal Health and Nutrition Survey(セブ縦断的健康栄養調査)参加者1,735人(20〜22歳、女性825人、男性910人)の試験開始時(2005年)と追跡時(2009〜2014年)の調査データを用いて、妊娠回数と生物学的年齢の関連を検討した。生物学的年齢は、参加者から採取された血液サンプルを用いて調べたDNAメチル化の情報を基に、Horvathクロックなどの6種類のエピジェネティック時計を用いて推定した。 社会的・経済的地位、喫煙、遺伝などの老化を加速させる要因を考慮して解析した結果、いずれのエピジェネティック時計を用いた場合でも、1回以上の妊娠歴がある女性では、妊娠歴がない女性に比べて生物学的年齢の高いことが明らかになった。また、妊娠回数の多い女性の生物学的年齢の方が、妊娠歴がないか妊娠回数の少ない女性よりも高いことも示された。一方、男性では、パートナーの妊娠回数による生物学的年齢の加速は認められなかった。 こうした結果を受けて研究グループは、「この結果は、妊娠や授乳に特有の何かが生物学的な老化を加速させる可能性のあることを示唆している」との見方を示している。Ryan氏は、若年齢での妊娠は、発育途上にある女性の体に大きな負担をかけると指摘する。同氏は、「試験開始時に報告された妊娠の多くは、女性がまだ成長途上にある思春期後期に起こったものだった。その年代での妊娠は、成長期の母親にとって大きな負担になることが予想される。とりわけ、医療や資源、その他の支援へのアクセスが限られている場合には、その傾向が顕著だ」と話す。 Ryan氏は、「今後の研究では、なぜ妊娠が老化を加速させるのか、そしてそれが高齢期の女性の健康に影響を与えるのかについて、より詳しく調べる必要がある」と話している。

11.

何はさておき記述統計 その4【「実践的」臨床研究入門】第43回

仮想データ・セットを用いてKaplan-Meier曲線を描いてみる前々回は簡単なエクセル関数を使って仮想データ・セットから発生率を計算し、前回は手計算によるKaplan-Meier曲線の描き方を説明しました。今回は、いよいよ仮想データ・セットを用いて実際にKaplan-Meier曲線を描いてみます。今後、実際の統計解析手法については無料の統計解析ソフトであるEZR(Eazy R)の操作手順を交えて解説していきます。まずはEZRの概要とそのインストール方法について簡単に説明します。EZRは自治医科大学附属さいたま医療センター血液科の神田 善伸先生が無料統計解析ソフトRに基づいて開発されました。RはR言語というプログラミング言語(スクリプト)を入力しないと動かせないというのが、統計解析初心者にとって最大の障壁になっています。しかし、EZRではマウスなどのポインティングデバイス操作だけで基本的な統計解析を行うことができるgraphic user interfaceを採用しており、ユーザーフレンドリーな統計解析ソフトです。EZRのダウンロードとインストールについては、自治医科大学附属さいたま医療センター血液科のホームページにアクセスし、説明のとおりに行ってください。それでは、早速仮想データ・セットからEZRを用いてKaplan-Meier曲線を描いてみましょう。仮想データ・セットをダウンロードする※ダウンロードできない場合は、右クリックして「名前をつけてリンク先を保存」を選択してください。まずは、Kaplan-Meier曲線の描出に必要なデータを整理し準備します。必要となるデータは以下の3つになります。比較する群のデータイベント(アウトカム発生)か打ち切りのデータ生存時間(観察期間)のデータこれらは、下記に示した仮想データ・セットのB、C、D列にそれぞれ相当します(連載第41回参照)。A列:IDB列:Treat(1;低たんぱく食厳格遵守群、0;低たんぱく食非厳格遵守群)C列:Censor(1;アウトカム発生、0;打ち切り)D列:Year(at riskな観察期間)次に、インストールしたEZRを起動し、以下の手順で仮想データ・セットを取り込みましょう。「ファイル」→「データのインポート」→「Excelのデータをインポート」仮想データ・セットがインポートできたことを確認したら、下記の手順でKaplan-Meier曲線を作成します。「統計解析」→「生存時間の解析」→「生存曲線の記述と群間の比較(Logrank検定)」を選択。すると、下記のウィンドウが開きますので、以下のとおりにそれぞれ変数を選択します。画像を拡大する観察期間の変数 ⇒ Yearイベント(1)、打ち切り(0)の変数 ⇒ Censor群別する変数を選択 ⇒ Treatその他はとりあえずデフォルト設定のままで結構です。変数選択と設定が完了したら、「OK」ボタンをクリックしましょう。図のようなKaplan-Meier曲線が描けたでしょうか。

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診断を下すには定義が必要となる【国試のトリセツ】第38回

§2 診断推論診断を下すには定義が必要となるQuestion〈108I56〉1歳の男児。発熱、頸部の腫脹および前胸部の皮疹を主訴に母親に連れられて来院した。4日前から38℃台の発熱が続き、今朝から頸部の腫脹と前胸部の紅斑とに気付いた。体温39.3℃。脈拍148/分、整。両側眼球結膜に充血を認める。顔面下部の写真を次に示す。右頸部に径3cmのリンパ節を1個触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見赤血球406万、Hb11.2g/dL、Ht35%、白血球19,600(桿状核好中球9%、分葉核好中球72%、好酸球2%、単球4%、リンパ球13%)、血小板39万。血液生化学所見総蛋白6.2g/dL、アルブミン3.1g/dL、AST40IU/L、ALT80IU/L。CRP7.9mg/dL。初期治療として適切なのはどれか。(a)血漿交換(b)抗菌薬の投与(c)免疫抑制薬の投与(d)生物学的製剤の投与(e)免疫グロブリン製剤の投与

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第210回  大病院で繰り返されるがん“見逃し”事故、名大病院が画像診断レポートの所見に担当医が対応せず肺がんが進行し、死亡した事例を公表

CTで肺がんの疑いが指摘されたにもかかわらず担当医が対応せず放置、患者は検査から約6年後に死亡こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。民間の有識者でつくる人口戦略会議(議長=三村 明夫・日本製鉄名誉会長)は4月24日、全国の市町村のうち4割超にあたる744自治体が「消滅する可能性がある」というショッキングな報告書を公表しました。これらの自治体では20〜39歳の女性人口が2050年にかけて50%以上減少し、いずれ消滅する可能性があるとのことです。人口減少については、本連載の「第161回 止められない人口減少に相変わらずのんきな病院経営者、医療関係団体。取り返しがつかなくなる前に決断すべきこととは…(前編)」などでも書いてきたことですが、医療関係者や、公立・公的病院の再編を担う自治体関係者は、地域の医療・介護リソースの集約などについて、早急に議論を進めていくべきだと思いました。さて今回は4月11日に名古屋大学医学部附属病院(名古屋市。以下、名大病院)が公表して全国ニュースにもなった、がん“見逃し”事故について書いてみたいと思います。名大病院は、CTで肺がんの疑いが指摘されたにもかかわらず、担当医が画像診断レポートに記載された所見に対応せず放置し、患者は検査から約6年後に死亡した事例を公表しました。同様の事故は全国各地で頻発しており、その都度の注意喚起が行われてきましたが、一向になくなっていないようです。また、今回の報告書概要で知ったのですが、名大病院では2015年以降、同様の“見逃し”による患者死亡事例が今回の例を含め、なんと6例もあったというのです。こんな事故が大学病院で頻発していたことに、本当に呆れるしかありません。報道では「肺がん疑い見逃し」などと書かれていますが、実際のところ”見逃し”ではなく、単なる職務怠慢だと言えるでしょう。「事案の重大性、他病院に対する警鐘、再発防止の必要性に鑑み」て報告書概要を公表名大病院は4月11日、泌尿器科外来で2016年3月に行った胸部CT検査の画像診断レポートを、主治医が確認はしたものの精査するなど適切な対応をしなかったために診断が遅れ、80代男性患者が約6年後の2022年3月に死亡した事例があったと公表しました。同病院は今年3月25日、遺族に対し説明と謝罪、賠償の約束を行い、遺族の承諾を得て、同病院のwebサイトで外部専門家を主体とする事例調査委員会の報告書概要を公表しました。あえて公表したのは、「事案の重大性、他病院に対する警鐘、再発防止の必要性に鑑み」てのことだそうです。泌尿器科の主治医が画像診断レポートの指摘を熟読できていなかったため肺野の所見への対応行われず公表された報告書概要1)によれば患者は80代男性(2022年3月時点)で、臨床経過は以下のようなものでした。患者は名大病院泌尿器科において2007年から前立腺がんの治療を受け、その後は同科に定期通院していました。2016年3月28日の受診の際、左下腹部痛の原因精査のために胸腹部単純CT検査を受けたところ、放射線科医から画像診断レポートにおいて肺右上葉にすりガラス影を伴った索状影を指摘され、肺がんの除外のための精査が推奨されました。しかし、泌尿器科の主治医が画像診断レポートの指摘を熟読できていなかったため、肺野の所見への対応等が行われなかったとのことです。2018年12月に患者の血液疾患に対する精査が開始されたところ、その最中に上述の肺の病変が認識され、2019年7月に肺がんと確定診断されました。その後、肺がんに対する治療が行われましたが根治には至らず、確定診断から33ヵ月後の2022年3月に死亡しました。3カ月後に再度CT検査を実施していれば、臨床病期IA期の末梢小型肺がんと診断・治療できた可能性が高い報告書概要の「事例検証」の項では、患者の死因は「肺癌及び肺癌転移による腫瘍死」とされ、2016年3月の3ヵ月後に再度CT検査を実施していれば、臨床病期IA期の末梢小型肺がんと診断・治療できた可能性が高い、としています。そして、「本患者は2016年3月のCT検査後及び2017年9月の血液検査実施時に適切な対応がなされなかったことにより、肺癌の診断がなされる機会を失い肺癌が進行したと言える。特に2016年3月については、患者は肺癌の進行により根治的治療を受ける機会を失い病態に差が生じ生命予後を損なったと考えられる」と結論付けています。「画像像診断レポートを熟読できておらず、悪性疾患を疑う所見としてその後のフォローがなされなかったことは、標準的な対応と言えない」「事故発生原因に対する検討」の項では、放射線科医が2016年3月28日(撮影当日)に患者を撮影したCT画像を読影し、「両肺下葉主体に1cm大までの多数の結節を認めます」、「肺転移が除外できません」、「肺癌の除外が必要」、「これらの肺の所見は3ヶ月程度のCT再検または、可能なら過去の画像との対比を推奨します」などと画像診断レポートに記載したにもかかわらず、外来担当医がまったく対応しなかったことが事故発生の原因としています。報告書は、「外来担当医は、4月4日に本患者の次回外来の予習を行った際に、CT画像診断レポートから放射線科医による指摘部分についてコピー&ペースト機能を利用し本患者の電子カルテに転記した。しかし、担当医は肺野の所見は第一に炎症性変化によるものと考えた。3カ月後に再度CT検査を行い評価することも考えていたが、最終的には良性疾患との意識が勝り、『肺癌を強く疑い、必ず3カ月後にCTを撮る』との明確な方針決定に至らず、専門診療科である呼吸器内科への相談、その後肺野の所見への対応等はしなかった。(中略)。担当医は外来診察の準備の段階で放射線科医の記載を熟読できておらず、自らの読影見解のみから判断を行った。担当医が放射線科医による画像診断レポートの記載を熟読できておらず、悪性疾患を疑う所見としてその後のフォローがなされなかったことは、標準的な対応とは言えない」と断じています。「熟読できておらず」という表現になっていますが、その後の対応を考えると、コピー&ペーストをしただけで「読んでいなかった」というのが実情と考えられます。「重要レポートにフラグをつけていなかったことは、当時の水準に照らし標準から逸脱したものではないが、現在の水準に照らせば改善の余地あり」「事故発生原因に対する検討」の項ではまた、名大病院における重要画像診断レポートのフォロー体制の不備についても言及しています。それによれば、「2016年当時、当院では、画像診断レポートの未読問題には着手をしていたが、重要所見を熟読できていないという問題については着手していなかった。また、放射線科医が重要画像診断レポートに目印(フラグ)をつけるといった取り組みは行っていなかった。この背景には、当時,当院では画像診断レポートの既読管理の導入に重点が置かれ、重要画像診断レポートのフォロー体制については検討が開始されたばかりであるという事情があった。また、当院放射線科においては放射線科医の読影所見にあえて軽重を付けることは画像診断業務の原則から好ましいことではなく、目印の付け忘れや主治医が目印の無い画像診断レポートに注意を払わなくなるといった別のリスクも生まれうることから、積極的に行っていなかったという事情もあった。2016年当時、当院が重要画像診断レポートに何らかの目印をつけていなかったことは、当時の水準に照らし標準から逸脱したものではない(ただし、現在の水準に照らせば改善の余地がある)」としています。2015年以降、今回の例を含めて6例も同様の見逃しによる患者死亡事例報告書は以上を踏まえ、1)画像診断レポートの対応漏れ対策、2)血液検査結果の対応漏れ対策、3)重要検査結果に対するフラグ付け機能と第三者モニターシステムの構築、4)患者情報の誤記載や誤伝達につながる可能性のあるコピー&ペースト機能に対する注意喚起――の4点の再発防止策の提言を行っています。冒頭でも書いたように、今回、名大病院が事故の概要を公表したのは、「事案の重大性、他病院に対する警鐘、再発防止の必要性に鑑み」て、ということで、それはそれで評価できます。しかし、驚いたのは、報告書概要の最後に添付されている「画像診断レポート見逃し事故経過表」です。この事故経過表には、今回の例を含めて実に6例も同様の見逃しによる患者死亡事例が記載されているのです。報告書概要によれば、最初の患者死亡は2015年4月で、耳鼻咽喉科にかかっていた患者でした。やはり肺がんの診断遅れで、読影リポートが2010年2月に提出されたものの、確認されたのはなんと37ヵ月後でした。その他の事例では、レポート確認が69ヵ月後というケースもありました。ちなみに6例中5例が肺がん、1例が大腸がんです。なお、今回の見逃しについて報告書概要には、「外来担当医のヒューマンエラーに加え、当時当院では未読画像診断レポート管理システムの導入に重点的に取り組んでいた時期であり、重要画像診断レポートのフォロー体制については検討が開始されたばかりであったことが挙げられる」と書かれています。どうやら今回の事故は、度重なる見逃し事故を背景に対策を徹底しようとした矢先に起こってしまったようです。なお、現在、名大病院では、一連の事故の反省から未読画像診断レポート管理システムを導入、45日以上の未読画像診断レポートのゼロ化を達成しているとのことです。デジタル化で便利になり過ぎたことが、逆にヒューマンエラーを招いているのでは今回のような、画像診断レポート見逃し事故については、2020年7月22日掲載の本連載「第16回 デジタル化が進んでも、繰り返される『CT見落とし』」でも取り上げました。このときは旭川医科大学病院での見逃しについて書いたのですが、同様の事故は千葉大学医学部附属病院、兵庫県立がんセンター、横浜市立大学附属病院でも起こっており、医療現場(とくに大病院)では頻繁に起こっていたインシデントだと言えるでしょう。事実、日本医療機能評価機構が定期的に報告している「医療安全情報」では、2012年2月と2018年5月の2回、「画像診断報告書の確認不足」をテーマに掲げ、「画像を確認した後、画像診断報告書を確認しなかったため、検査目的以外の所見に気付かず、治療が遅れた事例が報告されています」と注意喚起をしています。CTの読影を主治医ではなく放射線科医が担当する分業体制になっている、電子カルテ導入などによってデジタル化が進み過ぎた、などさまざまな要因、背景が考えられます。デジタル化で便利になった(報告書を熟読しなくても、コピー&ペーストでカルテ記載ができる、など)ことが、逆にヒューマンエラーを招いている可能性もあります。医療DX流行りで、画像診断などではAIも積極的に活用されているようですが、最終的に判断するのは生身の人間です。名大の“見逃し”事故の報告書を読んで、デジタルと人間(アナログ)のインターフェースの大切さを改めて感じた次第です。参考1)画像診断レポートに記載された所見に対応せず,肺癌が進行し死亡した事例

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新年度、あなたの医局は増えたor減った?/医師1,000人アンケート

 新年度がはじまり、新人を迎えた職場も多い。医師の就職を語るうえで欠かせないものに「医局」の存在がある。ケアネット会員医師を対象に、医局への所属状況や選択理由、最近の医局員数の増減などについて、30~50代・200床以上の医療機関の勤務者を対象とし、オンラインのアンケート形式で聞いた。 「Q1. 現在、医局に所属していますか?」の問いに、「はい」と答えたのは73%。200床以上という中規模以上の病院に勤務している医師であっても、3割近くが医局に所属していない現状が明らかになった。年代別にみると30代は8割近くが医局に所属しているが、年代が高くなるにつれ所属者の割合が減り、50代は7割だった。 「Q2. 所属医局を選んだ『一番の決め手』は何ですか?」(単一回答)との問いには、「専門医を取得しやすい」が31%と最多で、「研究時間・症例数など研鑽機会や実績が多い」(17%)、「医局の雰囲気が良い、尊敬する医師がいる」(15%)、「職場やキャリアに多様性がある」(10%)が続いた。「年収が高い」を選んだ人は4人(0.4%)のみだった。「その他」で挙げられた理由としては、「出身大学・地元だから」との回答が多かったほか、「当時は医局に入ることが当然だったから」「流れで/なんとなく」といった消極的な回答も目立った。 「Q3. 5年前と比較した、医局員総数の増減」を聞いたところ、「増えた」との答えが25%、「変わらない」が30%、「減った」が27%と、3分する結果となった。診療科ごとに見ると、内科・循環器内科・呼吸器内科などの「内科系」は「減った」が27%だったのに対し、外科・呼吸器外科・呼吸器外科などの「外科系」は「減った」が32%、多忙とされることの多い「救急科・産婦人科・小児科」は「減った」が30%と、いずれも内科系よりも減った割合が高かった。一方で、リハビリ科・眼科・皮膚科など「その他」の診療科では「減った」が23%と最も少なく、反対に「増えた」が26%と最も多かった(「内科系」も同率)。 「Q4. 近年の新規入局者が医局を選ぶにあたり、『最も重視すること』は何だと思いますか?」(単一回答)との問いに対し、1位は「専門医を取得しやすい」(24%)で、Q2で聞いた「自分が医局を選んだ理由」と同じだったが、その割合はQ2よりも低かった。2位は「医局の雰囲気が良い、尊敬する医師がいる」(18%)、3位が「研究時間・症例数など研鑽機会や実績が多い」(13%)と、Q2の回答と順位が入れ替わった。Q2の「自分が医局を選んだ理由」ではほとんど選ばれることのなかった「時間外労働や雑務が少ない」(7%)や「年収が高い」(3%)も一定数が選択しており、「若手医師は自分とは異なる価値観を持っている」と考える中堅医師が多いようだ。 年代別に見ると、新規入局者に年齢の近い30代では「専門医取得」や「医局の雰囲気」を選択した人が多かったのに対し、50代では「研究時間・症例数など研鑽機会や実績がある」を選択した人が多く、さらに年代が上がるにつれ「わからない」との回答者も増えており、ジェネレーションギャップを感じるベテラン医師の姿も浮かび上がった。 最後に自由回答で「Q5. 医局の思い出、入局者を増やす施策や若手育成の工夫など」を聞いたところ、医局に所属するメリットとして「論文執筆や後輩指導を学ぶことができた」「いろいろな施設で経験を積むことができた」といった回答が目立った。一方でデメリットしては「雑務が多い」「しがらみがあって自由に勤務先を選べない」という回答が多かった。現状の改善策としては、「育成制度の整備など、若手医師が魅力的に思うような環境をつくる」「医局運営に関する金銭面の透明性を確保」「ワークライフバランスや収入面の条件を、詳しく正確に情報開示する」といったさまざまな提言が寄せられた。―――――――――――――――アンケートの詳細は以下にて公開中『新年度、医局の動向は?』―――――――――――――――<アンケート概要>内容:新年度を迎えたタイミングで、医局への所属状況や選択理由、医局への思いなどについて聞いた。実施日 :2024年4月9日実施方法:インターネット対象  :ケアネット会員医師 1,013人(30~50代、200床以上の医療機関の勤務者)

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olezarsen月1回投与、トリグリセライドを50%減/NEJM

 olezarsenは、開発中のアポリポ蛋白C-III(APOC3)mRNAを標的とするN-アセチルガラクトサミン結合型アンチセンス・オリゴヌクレオチド。米国・ハーバード大学医学大学院のBrian A. Bergmark氏らBridge-TIMI 73a Investigatorsは、「Bridge-TIMI 73a試験」において、主に中等度の高トリグリセライド(TG)血症を有し心血管リスクが高い患者集団では、本薬の月1回投与によりプラセボと比較して、TG値を有意に低下させ、安全性に関する重大な懸念は生じないことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年4月7日号に掲載された。北米24施設の第IIb相無作為化プラセボ対照比較試験 Bridge-TIMI 73a試験は米国とカナダの24施設で実施した第IIb相二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2022年6~9月に患者を募集した(Ionis Pharmaceuticalsの助成を受けた)。 年齢18歳以上、中等度の高TG血症(TG値150~499mg/dL)で心血管リスクが高い患者、および重度の高TG血症(同500mg/dL以上)の患者を、olezarsen50mgまたは同80mgを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付け、次いでそれぞれの用量のコホート内でolezarsenまたはプラセボを1ヵ月に1回皮下投与する群に、3対1の割合で無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、ベースラインから6ヵ月後までのTG値の変化率とし、2つの用量のolezarsen群とプラセボ群の差を算出した。副次アウトカムは、APOC3、アポリポ蛋白B(APOB)、non-HDLコレステロール、LDLコレステロールの値の変化などであった。APOB、non-HDL-Cも改善、LDL-Cには有意な変化なし 154例を登録し、olezarsen 50mg群に58例、同80mg群に57例、プラセボ群に39例を割り付けた。全体のベースラインの年齢中央値は62歳(四分位範囲[IQR]:55~70)、女性が42%で、中等度の高TG血症患者が90%を占めた。TG中央値は241.5 mg/dL(IQR:192~324)だった。 TG値は、ベースラインから6ヵ月後までにプラセボ群で7.8%低下したのに対し、olezarsen 50mg群では57.1%、同80mg群では60.9%低下した。TG値の低下率のプラセボ群との絶対差は、olezarsen 50mg群が-49.3ポイント、同80mg群は-53.1ポイントと、いずれも有意差を認めた(双方ともp<0.001)。 また、ベースラインから6ヵ月後までに、プラセボ群と比較して、2つのolezarsen群ともAPOC3(50mg群:-64.2ポイント[p<0.001]、80mg群:-73.2ポイント[p<0.001])、APOB(-18.2[p<0.001]、-18.5[p<0.001])、non-HDLコレステロール(-25.4[p<0.001]、-23.1[p<0.001])の値が有意に低下したが、LDLコレステロール値(-9.9[p=0.24]、-7.7[p=0.36])には有意な変化はみられなかった。TG値正常化の割合も良好 ベースライン時に中等度の高TG血症で、6ヵ月後のTG値を測定できた128例の解析では、TGが正常値(150mg/dL未満)であった患者は、プラセボ群の34例中4例(12%)に対し、olezarsen 50mg群は49例中42例(86%)、同80mg群は45例中42例(93%)と、いずれの用量も有意に良好であった(双方ともp<0.001)。 有害事象(プラセボ群74%、olezarsen 50mg群72%、同80mg群67%)および重篤な有害事象(5%、7%、12%)のリスクは3つの群で同程度であった。また、肝臓(5%、12%、9%)、腎臓(13%、3%、2%)、血小板減少(3%、0%、4%)に関する臨床的に重要な異常はまれで、3群でリスクに差はなかった。 著者は、「olezarsenは、現在利用可能な治療薬よりも高い水準までTG値を有意に低下させ、他剤とは異なり、アテローム性動脈硬化発生のリスクのマーカーであるAPOBおよびnon-HDLコレステロール値の有意な低下をももたらした」とまとめ、「6ヵ月の時点では、2つの用量でTG値に対する効果は同等であったが、12ヵ月時には80mg群でより大きな減少を示した。さらなる試験により、とくに重度の高TG血症患者において、高用量がTG値の低下およびその他の脂質値にどの程度の付加的な効果をもたらすかが明らかになるだろう」としている。

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使用済みの油を使った揚げ物は脳に悪影響を及ぼす

 揚げ物はウエストを太くするだけでなく、脳にも悪影響を及ぼす可能性のあることが、ラットを用いた実験で示唆された。使用済みのゴマ油やヒマワリ油とともに餌を与え続けたラットでは肝臓や大腸に問題が生じ、その結果、脳の健康にも影響が及ぶことが明らかになった。タミル・ナードゥ中央大学(インド)のKathiresan Shanmugam氏は、「使用済みの油が脳の健康に及ぼす影響は、油を摂取したラットだけでなく、その子どもにも認められた」と述べている。この研究結果は、米国生化学・分子生物学会議(ASBMB 2024、3月23〜26日、米サンアントニオ)で発表された。 Shanmugam氏は、「高温で食べ物を揚げる調理法はいくつかの代謝疾患と関連付けられているが、揚げ油の摂取と健康への有害な影響に関する長期的な研究は実施されていない。われわれの知る限り、長期にわたる使用済み油の摂取が第一世代の子孫の神経変性を増加させるという報告は初めてだ」と話している。 研究グループは、食品は油で揚げることによりカロリーが大幅に増加する上に、再利用された揚げ油は、天然の抗酸化物質や健康上の利点の多くを失う一方、有害な化合物を増加させることが多いと説明する。今回、Shanmugam氏らは、揚げ油の長期にわたる摂取の影響を調べるため、雌の実験用ラットを30日にわたって、標準的な餌を与える群、未使用のゴマ油またはヒマワリ油0.1mLと標準的な餌を与える群、加熱使用済みのゴマ油またはヒマワリ油0.1mLと標準的な餌を食べる群の5群に分けた。餌の影響は、最初の子孫(第一世代)まで追跡された。 その結果、加熱使用済みのゴマ油またはヒマワリ油を摂取した群ではその他の群に比べて、総コレステロール、LDLコレステロール、およびTAG(トリアシルグリセロール)の値が有意に増加し、肝機能検査では、AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)値とALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)値の有意な上昇が認められた。また、これらの群では、炎症マーカーのHs-CRP(高感度C反応性タンパク質)値とLDH(乳酸脱水素酵素)値が有意に上昇し、RT-PCR検査では、抗酸化物質遺伝子SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)とGPX(グルタチオンペルオキシダーゼ)の発現が有意に増加していることも示された。さらに、肝臓および大腸の組織学的解析では、加熱使用済みのゴマ油またはヒマワリ油を摂取した群では細胞構造に有意な損傷が見られた。ダメージを受けた大腸では、特定の細菌から放出される毒素であるエンドトキシンやリポ多糖に変化が生じ、「その結果、肝臓の脂質代謝が著しく変化し、重要な脳のオメガ-3脂肪酸であるDHAの輸送が減少し、これにより、これらのラットとその子孫では、神経変性が引き起こされた」とShanmugam氏は説明している。 Shanmugam氏は、「これらの結果は、使用済みの油の再利用が、肝臓・腸・脳の間の結合に影響を及ぼす可能性を示唆している」と述べている。ただし研究グループは、「これは初期の研究結果であり、動物実験の結果がヒトにも当てはまるとは限らない」と強調している。 研究グループは次の段階として、揚げ物の摂取がアルツハイマー病やパーキンソン病のような脳の病気、不安やうつ病のような気分障害に及ぼす潜在的な影響について研究したいと考えている。また、「これらの結果は、腸内細菌叢と脳の関係に関する新たな研究実施の可能性につながるものでもある」との見方を示している。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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日常診療に活かす 診療ガイドラインUP-TO-DATE 2024-2025

一瞬の迷いを確信へ ~これが日本の標準的治療~2010年の発行以来、多くの医療従事者に活用されている本書が2年ぶりに改訂しました。今版では日常診療で遭遇頻度の高い疾患を中心に19領域175疾患を取り上げ、各領域の第一人者が当該疾患に関連する複数の診療ガイドラインを精選し、そのポイントについて臨床知を加味して解説しています。本書は、(1)必要な情報をすぐに取り出せる紙面構成、(2)専門家の処方例を一目で把握、(3)標準的治療を最短距離でキャッチできます。巻頭企画では“社会健康医学”をテーマに専門家にご解説いただき、巻末付録では「おさえておきたい!希少疾患のガイドライン」を掲載し、ガイドラインの最新情報が入手できるようにまとめています。ぜひ診療ガイドラインを活かした質の高い医療の提供にお役立てください。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する日常診療に活かす 診療ガイドラインUP-TO-DATE 2024-2025定価13,200円(税込)判型A5判変型頁数1,120頁発行2024年2月監修門脇 孝、小室 一成、宮地 良樹ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス

良い手術を行うために必要な外科解剖をエキスパートが解説「手術」78巻4号(2024年3月臨時増刊号)ある疾患の手術に必要な外科解剖を熟知することは、執刀医たる者の責務である。しかも、外科解剖の正しい理解は刻々と変化するため、外科医はその生涯にわたり知識更新の義務を負う。本臨時増刊号特集では、消化器・一般外科医が扱うことの多い5領域(食道・胃、肝胆膵、大腸、肛門疾患・直腸脱、鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア)について、最新の外科解剖・局所解剖を詳細に解説。初学者からベテランまで幅広く活用できる内容とした。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス定価8,860円(税込)判型B5判頁数368頁発行2024年3月企画石原 聡一郎ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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二項対比で鑑別する【国試のトリセツ】第37回

§2 診断推論二項対比で鑑別するQuestion〈109E47〉12歳の女児。間欠的腹痛と下痢とを主訴に来院した。生来健康であったが、3カ月前から間欠性の腹痛と1日数回の下痢とが出現した。2カ月前から体重が2kg減少し、腹痛と下痢とが改善しないため受診した。痔瘻を認める。粘血便を認めない。血液所見赤血球400万、Hb9.8g/dL、Ht33 %、白血球6,000、血小板35万。血液生化学所見総蛋白6.3g/dL、アルブミン3.0g/dL、総ビリルビン0.9mg/dL、AST30 IU/L、ALT35IU/L。CRP2.5mg/dL。下部消化管内視鏡検査で予想されるのはどれか。(a)偽膜(b)憩室(c)敷石像(d)ポリープ(e)輪状潰瘍

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最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針 改訂第3版

専門領域を踏破する小児科診療のスタンダードを強力アップデート専門分野エキスパート370名の編集・執筆による小児科主要領域350テーマから成る全訂版。他科に比べエビデンスが不足している場面に遭遇することが多い小児科診療で、ガイドラインによる科学的根拠と専門医の経験を融合させた実践的な診断・治療指針。医学・医療の進歩とともに細分化・複雑化する小児科専門30領域を正確かつ簡潔にまとめ、処方例・実践例を挙げて紹介。自施設で対応できることを見極め、他施設・他科と協働するための新しい知識とスキルを提供。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針 改訂第3版定価30,250円(税込)判型B5判(並製)頁数1,216頁(写真・図・表:1,200点)発行2024年4月総編集加藤 元博(東京大学 教授)ご購入はこちらご購入はこちら

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