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うつ病は早期死亡と関連していることが報告されている。しかし、抗うつ薬治療を含む増悪因子や保護因子にも焦点を当て、うつ病患者における全死亡リスクおよび原因別死亡リスクを包括的に検討したメタ解析はこれまでなかった。中国・香港大学のJoe Kwun Nam Chan氏らは、あらゆる原因および特定の原因によるうつ病、併存疾患を有するうつ病における死亡リスクを明らかにするため、コホート研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施し、推定値を統合した。World Psychiatry誌2025年10月号の報告。 抗うつ薬および電気けいれん療法(ECT)の影響、死亡リスクのその他の潜在的な調整因子を評価した。2025年1月26日までに公表された研究をEMBASE、MEDLINE、PsycINFOデータベースより検索し、ランダム効果モデルを用いて死亡率推定値を統合した。出版バイアス、サブグループ解析、メタ回帰分析、ニューカッスル・オタワ尺度を用いた研究の質の評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・268件の研究(うつ病患者:1,084万2,094例、対照群:28億3,793万3,536例)が抽出された。・うつ病患者の全死亡率は、非うつ病患者/一般集団と比較し、2倍以上であった(相対リスク[RR]:2.10、95%信頼区間[CI]:1.87~2.35、I2=99.9%)。・とくに自殺(RR:9.89、95%CI:7.59~12.88、I2=99.6%)による死亡リスクが高く、自然死(RR:1.63、95%CI:1.51~1.75、I2=99.6%)でも上昇が認められた。・併存疾患をマッチングさせたうつ病患者と非うつ病患者との比較では、うつ病関連死亡リスクの有意な上昇も認められた(RR:1.29、95%CI:1.21~1.37、I2=99.9%)。・精神症状を伴ううつ病と伴わないうつ病(RR:1.61、95%CI:1.45~1.78、I2=6.3%)、治療抵抗性うつ病と非治療抵抗性うつ病(RR:1.27、95%CI:1.16~1.39、I2=85.3%)の間に、死亡リスクの差が認められた。・抗うつ薬の使用は抗うつ薬を使用しない場合と比較し、うつ病患者の全死亡率の有意な低下と関連していた(RR:0.79、95%CI:0.68~0.93、I2=99.2%)。・ECTの使用はECTを使用しない場合と比較し、全死亡(RR:0.73、95%CI:0.66~0.82、I2=0%)、自然死(RR:0.76、95%CI:0.59~0.97、I2=12.0%)、自殺(RR:0.67、95%CI:0.53~0.85、I2=32.3%)のリスク減少と関連していた。 著者らは「本研究結果は、うつ病における死亡リスクの上昇を裏付け、死亡リスクの上昇を示す臨床的に意義のある患者サブグループを特定し、抗うつ薬治療とECTによる死亡率低下効果を明らかにしている。身体的健康の改善と自殺リスクの軽減、抗うつ薬治療の最適化、精神病性うつ病や治療抵抗性うつ病の早期発見と効果的な介入などを推し進める多角的なアプローチは、依然として拡大しているうつ病における死亡率の格差の縮小に役立つ可能性がある」と結論付けている。