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長期抗精神病薬曝露は記憶にどう影響するか

 統合失調症における長期的な抗精神病薬投与と認知機能の推移との関連は、明らかになっていない。フィンランド・オウル大学のAnja P Husa氏らは、9年間のフォローアップ期間における言語学習や記憶の変化と生涯累積抗精神病薬投与量との関連を分析した。本研究は、同関連について長期にわたり自然的に追跡した初の報告となる。Schizophrenia research誌オンライン版2014年7月15日号の報告。 1966年のフィンランド北部出生コホートから、統合失調症患者40例とコントロール群73例を抽出し、34歳と43歳の時点でのカリフォルニア言語学習テスト(CVLT)により評価した。生涯抗精神病薬の投与量に関するデータは、クロルプロマジン換算で収集した。抗精神病薬の年間投与量とベースラインのパフォーマンスやCVLT変化との関連は、ベースラインのパフォーマンス、性別、発症年齢、重症度をコントロールし、分析した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインまでの抗精神病薬年間投与量が多い群では、言語学習と記憶のいくつかの項目で、ベースラインにおける低パフォーマンスと有意に関連していた。また、フォローアップ期間中に短期遅延自由再生において大きく低下した(p=0.031)。・フォローアップ期間中の抗精神病薬年間投与量が多い群では、フォローアップ期間中の1~5試験における即時自由再生の大幅な低下と関連していた(p=0.039)。・コントロール群と比較して、高用量群のCVLT変数は大きな低下が見られたが、低用量群では認められなかった。 以上の結果より、著者らは「抗精神病薬の高用量使用は、統合失調症患者の言語学習や記憶の低下と関連付けられた。このことから、一般的に抗精神病薬が認知機能低下を予防したり認知機能回復を促進したりするとは言えない」とした。関連医療ニュース 統合失調症の認知機能改善に抗認知症薬は有用か 統合失調症患者の認知機能低下への関連因子は 統合失調症の寛解に認知機能はどの程度影響するか:大阪大学  担当者へのご意見箱はこちら

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双極性障害へのDBT追加療法、自殺念慮の改善も

 米国・ピッツバーグ大学医療センターのTina R Goldstein氏らは、思春期双極性障害(BP)に対する弁証法的行動療法(DBT)の有用性を明らかにするため、通常の心理社会的治療(TAU)との無作為化パイロット試験を行った。その結果、薬物治療にDBTを追加することで、うつ症状および自殺念慮の改善傾向がみられることを報告した。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2014年7月10日号の掲載報告。 試験は、小児専門クリニックの12~18歳の新規BP患者(I、II、または他に分類されない[NOS])を対象とし、適格例をDBT群または心理社会的TAU群に2対1で無作為化した。全例で、試験に関与する精神科医により薬物療法が行われ、DBT群には年間36セッション(個人トレーニング18、家族のスキルトレーニング18)の介入が、TAU群には、精神教育、サポーティブケア、認知行動テクニックといった広範な精神療法アプローチが行われた。任意の評価者が盲検下にて、感情的な症状、自殺念慮および行動、自殺を目的としない自傷行為(NSSI)、感情調節障害などのアウトカムを年4回評価した。  主な結果は以下のとおり。・DBTを受けた思春期患者(14例)は、TAUを受けた患者(6例)に比べ、1年を通して治療への参加が有意に多かった。・両治療とも、患者ならびに両親の受容度は高かった。・追跡期間中DBT群はTAU群に比較して、うつ症状は有意に軽度であり、自殺念慮の改善傾向は3倍近く高かった。・モデルにおけるエフェクトサイズは大きく、DBT群の追跡期間中の躁うつ寛解期(週)はより長期にわたった。・躁症状または感情調節障害に群間差は認められなかったが、DBT群では躁症状および感情調節障害の両方において、治療前と比べて治療後は改善がみられた。・以上より、思春期BPのうつ症状および自殺念慮の治療において、薬物療法にDBTを追加する方法は有望と思われた。・著者は、「DBTを治療の1つとして着目することは、早期発症BPの治療において重要な意味を持つと思われる。さらなる大規模な比較試験で、有効性の確立、自殺行動への影響の検討、ならびに費用対効果を明らかにする必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか うつ病患者の自殺企図、遺伝的な関連性は 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか  担当者へのご意見箱はこちら

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高齢発症の統合失調症様症状、死亡リスク高

 60歳超の高齢で発症する統合失調症様症状(VLOSLP)患者は、とくに男性において、早期発症(60歳未満)患者と比べて死亡リスクが高いことが示された。また、この結果は、身体合併症および事故で説明しうることも明らかにされた。フィンランド・ヘルシンキ大学中央病院のTiina Talaslahti氏らが、65歳以上患者を10年超追跡した試験の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「これら患者の死亡率を低減するためには、精神科ケア・プライマリケア・専門的身体ケアの効果的なコラボレーションによる目標を定めた臨床的介入が重要である」と提言している。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2014年7月2日号の掲載報告。 研究グループは、60歳超でVLOSLPを診断された患者の死亡率と死亡原因について、性別と年齢で適合したフィンランド一般住民と比較。また、VLOSLP患者の標準化死亡比(SMR)を早期発症(60歳未満)群と比較し、さらに両群患者間の死亡ハザード比も算出した。データは、フィンランド国家レジストリから入手し、1999年1月1日時点で65歳以上であったVLOSLP患者と早期発症患者について、1999~2008年の10年間の死亡を追跡した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、VLOSLP群918例、早期発症群6,142例であった。・全体のSMRは、VLOSLP群は5.02(4.61~5.46)、早期発症群は2.93(2.83~3.03)であった。・男性のSMRは、VLOSLP群は8.31(7.14~9.62、179例)、早期発症群は2.91(2.75~3.07、1,316例)であった。・女性のSMRは、VLOSLP群は4.21(3.78~4.66、364例)、早期発症群は2.94(2.82~3.07、2,055例)であった。・SMRはVLOSLP群において、大半の死因カテゴリー(事故、呼吸器疾患、認知症、腫瘍、循環器疾患など)で高値であった。・しかしながら、これらのVLOSLP群と早期発症群の差は、いくつかの変数を補正後の直接比較では、わずかなものであった(ハザード比:1.16、95%信頼区間[CI]:1.05~1.27、p=0.003)。関連医療ニュース 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 統合失調症患者の突然死、その主な原因は

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精神疾患患者、救急受診の現状は

 米国では年間推定約9万件の、精神疾患治療薬に関連した薬物有害事象での救急部門受診(ADE ED)が発生していることが、米国疾病予防管理センター(CDC)のLee M. Hampton氏らによる分析調査の結果、明らかになった。処方薬の種類ごとのADE ED受診率なども分析され、著者は「ADEを減らす努力は、すべての年代の成人を対象に必要だが、有害事象での救急部門受診が多発している薬物を優先する必要がある」とまとめている。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年7月9日号の掲載報告。 米国において、2011年に精神疾患のために処方薬を使用した人は年間推定2,680万人で、全成人の11.5%であったという。精神疾患治療薬はメンタルヘルスに重要な役割を果たしているが、重大な有害事象を引き起こす可能性もある。 そこで研究グループは、2009年1月1日~2011年12月31日の間に発生した精神疾患治療薬に関連したADE ED受診件数および受診率を明らかにする検討を行った。全国傷害電子監視システム-医薬品有害事象共同監視(NEISS-CADE)システムを用いて全米を代表するADE ED受診サーベイランスの記述的分析と、全米外来医療調査(NAMCS)および全米病院外来医療調査(NHAMCS)を用いて、外来受診の処方状況の記述的分析を行った。国を代表するサンプルとして19歳以上成人の、EDおよび外来受診医療記録をレビューし分析した。被験者は、抗うつ薬、抗精神病薬、リチウム、鎮静薬、抗不安薬、刺激薬の処方を受けていた。主要評価項目は、精神疾患治療薬の使用によるADE ED受診、および外来での精神疾患治療薬の処方数1万当たりのADE ED受診であった。 主な結果は以下のとおり。・2009~2011年において、精神疾患治療薬ADE ED受診は、年間推定8万9,094件(95%信頼区間[CI]:6万8,641~10万9,548件)であった。・そのうち入院となったのは19.3%(95%CI:16.3~22.2%)、また19~44歳の患者は49.4%(同:46.5~52.4%)であった。・処方薬別にみると、鎮静薬と抗不安薬によるものが3万707件(95%CI:2万3,406~3万8,008件)、抗うつ薬2万5,377件(同:1万9,051~3万1,704件)、抗精神病薬2万1,578件(同:1万6,599~2万6,557件)、リチウム3,620件(同:2,311~4,928件)、刺激薬2,779件(同:1,764~3,794件)であった。・外来処方1万当たりでみると、抗精神病薬は11.7件(95%CI:10.1~13.2件)リチウムは16.4件(同:13.0~19.9件)であったのに対し、鎮静薬は3.6件(同:3.2~4.1件)、刺激薬2.9件(同:2.3~3.5件)、抗うつ薬2.4件(同:2.1~2.7件)であった。・鎮静薬で使用頻度の高いゾルピデム酒石酸塩は、すべての成人精神疾患治療薬ADE EDの11.5%(95%CI:9.5~13.4%)を占めており、また、65歳以上の受診患者が21.0%(同:16.3~25.7%)と、いずれも、そのほかの精神疾患治療薬と比べて症例数が有意に多かった。関連医療ニュース 救急搬送患者に対する抗精神病薬の使用状況は 統合失調症の再入院、救急受診を減らすには 急性期精神疾患に対するベンゾジアゼピン系薬剤の使用をどう考える  担当者へのご意見箱はこちら

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妊娠中 抗うつ薬使用はリスク?

 妊娠中の抗うつ薬の使用が、出生児の先天性心疾患リスクにつながるか調査したところ、集団ベースでは妊娠初期3ヵ月間の抗うつ薬使用によるリスクの実質的な増加は示されなかった。米国ブリガム&ウィメンズ病院のKrista F Huybrechts氏らがコホート研究の結果、報告した。現在、妊娠中の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や他の抗うつ薬の使用が出生児の先天性心疾患のリスク増加と関連しているかどうかは不明であり、なかでもパロキセチン使用と右室流出路閉塞との関連、セルトラリン使用と心室中隔欠損症との関連性が懸念されていた。NEJM誌2014年6月19日号掲載の報告。 研究グループは2000~2007年のメディケイド分析抽出のデータを用い、コホート研究を行った。対象は、最終月経期間前3ヵ月から分娩後1ヵ月までの妊娠女性94万9,504人およびその出生児であった。妊娠初期3ヵ月間に抗うつ薬を使用した女性から生まれた乳児群と、抗うつ薬を使用しなかった女性から生まれた乳児群に分け解析を行い、乳児らの重大な先天性心疾患リスクを比較した。 主な結果は以下のとおり。・全体のうち、6万4,389人(6.8%)の女性が妊娠初期3ヵ月間に抗うつ薬を使用していた。・全体として、抗うつ薬未使用女性から生まれた乳児のうち先天性心疾患児は6,403例(乳児1万例あたり72.3例)、抗うつ薬を使用した女性では先天性心疾患児は580例(1万例あたり90.1例)であった。・抗うつ薬使用と先天性心疾患との関連性は、交絡因子の補正に伴って減少した。SSRIs使用に伴うあらゆる心疾患の相対リスク(ⅰ)未補正解析 1.25(95%信頼区間[CI]: 1.13~1.38)(ⅱ)うつ病の女性に限定した解析 1.12(95%CI:1.00~1.26)(ⅲ)うつ病の女性に限定しすべての補正を行った解析 1.06(95%CI:0.93~1.22)・パロキセチン使用と右室流出路狭窄、ならびにセルトラリン使用と心室中隔欠損症との間に有意な関連は確認されなかった(それぞれの相対リスク:1.07、95%CI:0.59~1.93、相対リスク:1.04、95%CI:0.76~1.41)。

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高力価vs低力価、有効性の違いは

 統合失調症に対する治療の中心である抗精神病薬について、治療ガイドラインでは、有効性に差はないとしている。しかし、臨床的には低力価抗精神病薬は高力価抗精神病薬に比べて有効性が低いと認識されることが多く、また副作用の面でも異なるると言われていた。ドイツ・ミュンヘン工科大学のMagdolna Tardy氏らは、低力価と高力価の抗精神病薬について臨床的有効性の差を明らかにするため、無作為化比較試験のレビューを行った。その結果、臨床的有効性の優劣は明らかでなく、有害事象についてはハロペリドール群で運動障害が、低力価抗精神病薬群で起立性症状、鎮静および体重増加がより高頻度であったことを報告した。Cochrane Database Systematic Review誌オンライン版2014年7月9日号の掲載報告。 そこで研究グループは、統合失調症患者に対するハロペリドールおよび低力価抗精神病薬の臨床的有効性についてレビューした。2010年7月までのCochrane Schizophrenia Group Trials Registerを用い、統合失調症または統合失調様精神異常を呈する患者に対し、ハロペリドールと第一世代の低力価抗精神病薬の比較を行っている無作為化試験すべてを検索した。任意にデータを抽出し、intention-to-treatにおけるランダム効果モデルに基づき、二分変数についてはリスク比(RR)とその95%信頼区間(CI)を算出。連続変数についてもランダム効果モデルに基づき、平均差(MD)を算出した。  主な結果は以下のとおり。・無作為化試験17件の877例についてレビューを行った。試験の対象例数は16~109例の範囲であった。また、いずれの試験も調査期間は2~12週と短期間であった。なお、割付の順番、割付方法および盲検化に関する記載のある報告は少なかった。・ハロペリドールが、低力価抗精神病薬に比べて臨床的有効性が優れるという明らかなエビデンスは見出せなかった(ハロペリドール40%、低力価抗精神病36%、14試験、574例、RR:1.11、95%CI:0.86~1.44、エビデンスの質:低)。・何らかの理由で試験から早期脱落した被験者数の差は不明確で、いずれかの群で治療の忍容性にベネフィットがあるという明らかなエビデンスも見出せなかった(同:13%、17%、11試験、408例、0.82、0.38~1.77、エビデンスの質:低)。・1件以上の有害事象発現という点でも、明確な差はみられなかった(同:70%、35%、5試験、158例、1.97、0.69~5.66、エビデンスの質:きわめて低)。・低力価抗精神病薬群では、鎮静(同:14%、41%、2試験、44例、0.30、0.11~0.82、エビデンスの質:中等度)、起立性症状(同:25%、71%、1試験、41例、0.35、0.16~0.78)および体重増加(同:5%、29%、3試験、88例、0.22、0.06~0.81)を認めた患者の頻度がより高かった。・一方、「1つ以上の運動障害」というアウトカムに関しては、ハロペリドール群のほうが高頻度であった(同72%、41%、5試験、170例、1.64、1.22~2.21、エビデンスの質:低)。・死亡またはQOLに関するデータはなかった。・いくつかのサブグループおよび感度解析において、主要アウトカムは確固たるものであった。・全体に試験の質が低く、主要なアウトカムのエビデンスの質は中等度から非常に低度までとばらつきがあった。ハロペリドールと低力価抗精神病薬の優劣について明確な結論を得るためには、新規の試験が必要である。関連医療ニュース 急性期統合失調症、ハロペリドールの最適用量は 統合失調症への抗精神病薬、第一世代vs. 第二世代の注射製剤の効果は 第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症に対するメタ解析  担当者へのご意見箱はこちら

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うつ寛解のポイントは疲労感

 大うつ病性障害(MMD)患者に対する、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)治療のアウトカムに、疲労感はどのような影響を及ぼすのだろうか。この疑問を明らかにすべく、M. Ferguson氏らはSTAR*Dの二次解析により検討を行った。その結果、ベースライン時の疲労感が軽度であること、および治療中の疲労回復は、うつ症状の寛解、および良好な機能やQOLと関連していることが示された。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2014年7月4日号掲載の報告。 研究グループは、STAR*Dのレベル1治療(14週以下のシタロプラム単独療法)のデータを解析した。疲労感は、16項目のうつ症状簡易自己評価票(QIDS-SR16)から活力(energy)レベルに関係していた項目14で、前向きに評価した(スコア0~3、0は疲労感なし、3は疲労感が最大)。評価は、レベル1治療の導入および終了時に行った(疲労感なし/ 治療により疲労感が出現/ 疲労感が軽減/ 疲労感が残る)。 主要評価項目は、抑うつ症状の寛解(17項目のハミルトンうつ病評価尺度で7以下、またはQIDS-SR16で5以下)、生活の質に関する楽しみと満足感の簡易質問票(Quality of Life Enjoyment and Satisfaction Questionnaire-Short Form)の評価、簡易健康調査の精神・身体的サブスケール(Short-Form Health Survey Mental and Physical subscales)、仕事と社会性の調整尺度(Work and Social Adjustment Scale;WSAS)であった。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時2,868例の患者が、解析に組み込まれた。QIDS-SR16の項目14のスコアが0であった患者は5.5%、1は22.9%、2は53.6%、3は18.0%であった。・レベル1の治療中、疲労感なしであった患者は3.5%、治療により疲労感が出現は2.1%、治療中に疲労感が軽減33.6%、疲労感が残った患者は60.8%であった。・「女性」「失業中」「教育を受けた期間が短い」「月収が低い」が、ベースライン時の疲労感と有意に関連していた(すべてp<0.0001)。・ベースライン時の疲労感レベルが高かった人または疲労感が継続した人は、寛解の尤度が低く、あらゆる満足感が低かった(p<0.0001)。治療アウトカムにおける精神的・身体的機能が低く(p≦0.005)、WSAS総スコアも高い(p<0.0001)ことから、機能障害がより重度であることが示唆された。・一方、ベースライン時の疲労感レベルが低く抗うつ薬治療中に疲労感が軽減したMMD患者は、うつ症状寛解率が高く、機能およびQOLも良好であった。・本検討は、STAR*Dのレベル1サンプル(抗うつ薬がシタロプラムのみであった)を採用していたこと、活力/疲労感の代替指標を用いていたこと(QIDS-SR16の項目14)、副次的な事後解析デザインであることから限定的であった。関連医療ニュース うつ病の寛解、5つの症状で予測可能:慶應義塾大学 「笑い」でうつ病診断が可能に うつ病患者、SSRI治療開始1年以内に約半数がセカンド治療に  担当者へのご意見箱はこちら

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バレニクリンにNRT併用の禁煙効果/JAMA

 禁煙治療について、ニコチンパッチ+バレニクリン(商品名:チャンピックス)の併用療法(治療期間12週間)は、バレニクリン単独よりも12週時点(治療終了時)および6ヵ月時点で禁煙率が有意に高く有効であることが示された。南アフリカ共和国・ステレンボス大学のCoenraad F. N. Koegelenberg氏らが、無作為化盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。行動療法と薬物療法の組み合わせが禁煙支援に有益であることは示されている。しかし、ニコチン補充療法(NRT)とバレニクリンの組み合わせによる禁煙への寄与について、有効性および安全性は明らかではなかった。JAMA誌2014年7月9日号掲載の報告より。バレニクリン単独群と比較、主要エンドポイントは治療9~12週の連続禁煙率 試験は2011年4月~2012年10月に南アフリカ共和国の7施設で、治療期間12週間、フォローアップ12週間にて行われた。一般健常の喫煙者446例が1対1の割合で無作為化され、有効性と安全性の解析には435例が含まれた。 被験者には、目標禁煙日(TQD)の2週間前からニコチンパッチまたはプラセボの貼付を開始し、TQD後12週間継続した。バレニクリンは、TQDの1週間前より投与を開始し、TQD後12週間継続し、13週間目に漸減した。 禁煙の達成は、TQD時点とその後の24週時点までに一定間隔で測定した呼気CO濃度で評価し確認した。 主要エンドポイントは、第4週測定の呼気CO濃度(治療9~12週の禁煙率、すなわち治療介入最後の4週時点での完全な禁煙率を示す)。副次エンドポイントは、6ヵ月時点の禁煙率、9週から24週までの連続禁煙率、有害事象などであった。主要および副次エンドポイントとも、多重代入分析法(multiple imputation analysis)にて評価した。12週連続禁煙率は併用群55.4%対単独群40.9%、6ヵ月時点は65.1%対46.7% 結果、併用療法は、12週時点の連続禁煙率が有意に高率であった(55.4%対40.9%、オッズ比[OR]:1.85、95%信頼区間[CI]:1.19~2.89、p=0.007)。また、24週時点(49.0%対32.6%、OR:1.98、95%CI:1.25~3.14、p=0.004)、6ヵ月時点の完全禁煙率(65.1%対46.7%、同:2.13、1.32~3.43、p=0.002)も、有意に高率だった。 併用療法群では、悪心、睡眠障害、皮膚反応、便秘、うつ病の発生件数が多かった。ただし統計的に有意であったのは皮膚反応のみであった(14.4%対7.8%、p=0.03)。バレニクリン単独群の発生件数が多かったのは、夢見が悪い、頭痛であった。

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不眠の薬物療法を減らすには

 睡眠の質はプライマリ・ケアにおける教育的介入により改善し、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の投薬の必要性を減らせることが示された。スペイン・Centro de Salud El LlanoのAna Gancedo-Garcia氏らが単盲検非無作為化臨床試験の結果、報告した。Atencion Primaria誌オンライン版2014年6月27日号の掲載報告。 不眠症患者に対し、薬物療法+プライマリ・ケアでの教育介入を行った場合の効果を評価する検討は、スペイン・アストゥリアス州ヒホンにある2つの都市部のプライマリ・ヘルスセンターで行われた。2012年7月~2013年1月に不眠症で受診し、包含基準を満たした患者をシステマティックに対照群と介入群に分類した。全患者は、ロラゼパム1mg(夕方服用)で治療を開始し、翌月以降に週4回15分の外来受診+1回のフォローアップ受診を受けた。介入群には4回の受診の際、刺激のコントロール、睡眠衛生、呼吸法、リラックス法に関する教育的介入が行われた。対照群には非侵襲的な測定のみが行われた。ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)で6未満を達成またはベースライン値から50%低下した患者を、治癒したとみなして評価。また、ベースライン時から最終受診時およびフォローアップ受診時までのPSQIの変化と、ロラゼパムの自発的な服薬中断についても分析した。すべての分析はベイズ推定にて行われた。 主な結果は以下のとおり。・被験者は50例であった(介入群26例、対照群24例)。・治癒が認められたのは、介入群26例中12例(46.2%)、対照群は24例中1例(4.2%)であった。・PSQIの平均変化は、ベースライン時から最終受診時までは、介入群-4.7(95%CI:-5.9~-3.5)、対照群-1.8(同:-3~-0.5)であった。ベースライン時からフォローアップ受診時まではそれぞれ-6.3(同:-7.5~-5.1)、-1.7(同:-2.9~-0.4)であった。・ロラゼパムを中断したのは、介入群9例(34.6%)、対照群4例(16.7%)であった。・本試験を完了したのは介入群19例、対照群17例であった。per protocol解析は類似した結果が示された。関連医療ニュース 認知症の不眠にはメラトニンが有用 不眠症の人おすすめのリラクゼーション法とは 統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

2252.

孤独はSSRIの効果を下げる

 米国・ノースカロライナ大学のElyse C Dankosk氏らは、マウスにストレスを与えた場合の選択的セロトニン取り込み阻害薬(SSRI)の効果への影響を検討した。その結果、社会的孤立というストレスを受けているシングルマウスは、ペアで飼育されているマウスよりもSSRIの効果が弱いことなどを報告した。結果を踏まえて著者は、「うつおよび脅迫性障害の治療において、SSRIの効果は現状のストレッサーに依存することが示唆された」とまとめている。Neuropsychopharmacology誌オンライン版2014年7月1日号の掲載報告。 セロトニン作動系の機能低下は、大うつ病性障害および強迫性障害としばしば関連する。これらの障害に対してはSSRIが一般に処方され、症状改善までに3~6週間の治療が必要となる。SSRIはセロトニントランスポーターを阻害することにより細胞外セロトニン濃度を増加させる。したがって、SSRIの有効性は持続的なセロトニン濃度増加に対する脳の適応反応に依存する傾向にある。SSRI治療に対する個体の反応性は、ストレスをはじめ、これら変化に影響を及ぼす因子によってさまざまである。社会的孤立は、慢性の軽度なストレスを誘発するうえで受動的かつ自然な方法であり、げっ歯類のうつモデルを作成しうる。 本研究は、1匹で飼育されているシングルマウスとペアで飼育しているマウスにおいて、SSRIのシタロプラム(国内未発売;CIT)による20日間の治療が、marble-burying behavior(敷き詰められたおがくずの上のビー玉を埋めて隠そうとする行動)、オープンフィールド行動およびセロトニンシグナルに、いかに影響を及ぼすかを比較検討した。セロトニン誘発電位の測定、放出率の比較、オーバーフロー、クリアランスの測定にin vivoボルタンメトリーを使用した。  主な結果は以下のとおり。・ペアで飼育されているマウスは、CIT治療に対し有意な反応性を示し、marble-burying が減少し、電気刺激の頻度に対応するセロトニン放出を促進した。・これらCIT治療の効果は、シングルマウスでは弱かった。・ペアで飼育されているマウスでは、CIT治療がセロトニン放出を増強させたが、再取り込み率の有意な変化はみられなかった。関連医療ニュース 大うつ病性障害の若者へのSSRI、本当に投与すべきでないのか 抗うつ薬が奏効しないうつ病患者への抗精神病薬追加投与は本当に有効か 日本人うつ病患者に対するアリピプラゾール補助療法:名古屋大学  担当者へのご意見箱はこちら

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統合失調症の再発予防、ω-3脂肪酸+α-LAは有用か

 統合失調症の抗精神病薬中止後の再発予防に、オメガ-3系多価不飽和脂肪酸(ω-3 PUFAs)と代謝抗酸化物質であるα-リポ酸(α-LA)の組み合わせが有効であるというエビデンスは、示されなかったことが報告された。南アフリカ共和国・ステレンボス大学のRobin Emsley氏らが、無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。検討では、服薬中止後の再発率が75~90%と高かったことから、著者は「統合失調症の単回エピソード後の抗精神病薬の中止は再発のリスクが非常に高く、同プラクティスを支持するガイドラインを改訂すべきであろう」と述べている。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年7月1日号の掲載報告。 統合失調症の維持治療として抗精神病薬は有効である一方、安全性および忍容性のリスクがある。本検討では、統合失調症または統合失調症様障害の初回エピソード後2~3年間、良好にコントロールされている患者における抗精神病薬中止後の再発防止に対し、ω-3 PUFAs+α-LAが有効であるか否かを検討した。抗精神病薬を漸減および中止後、被験者をω-3 PUFAs(エイコサペンタエン酸2g/日およびドコサヘキサエン酸1g/日)+α-LA(300mg/日)群またはプラセボ群に無作為化し、2年間あるいは再発が起こるまで追跡した。 主な結果は以下のとおり。・両群とも、再発率ならびに再発エピソードの重症度が高かったため、登録は時期を早めて終了となった。被験者は33例であった。・ω-3 PUFAs+α-LA 群に無作為化された21例中19例(90%)で再発が認められ、再発せずに2年間の試験を完了できたのは1例(5%)であった(p=0.6)。・プラセボ群に無作為化された12例中9例(75%)で再発が認められ、再発せずに2年間の試験を完了できた例はなかった。・再発までの期間中央値は、ω-3 PUFAs+α-LA群が39.8±25.4週、プラセボ群が38.3±26.6週であった(p=0.9)。・再発症状の重症度に、2群間に有意差は認められなかった。・小規模試験であったが、再発予防における抗精神病薬維持治療の代替として、ω-3 PUFAs+α-LAが適切な選択肢になりうるというエビデンスは得られなかった。関連医療ニュース 統合失調症“再発”の危険因子は 統合失調症の再発、どう定義とすべきか 統合失調症患者の再発を予測することは可能か  担当者へのご意見箱はこちら

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うつ病患者の自殺企図、遺伝的な関連性は

 自殺者の90%以上に気分障害がみられること、また気分障害の自殺傾向に対する遺伝的脆弱性が先行研究により確立されている。オーストリア・ウィーン大学のLaura Carlberg氏らは、cAMP応答配列結合タンパク(CREB1)の一塩基多型(SNPs)と自殺リスクならびに大うつ病性障害(MDD)患者における自殺企図歴との関連を検討した。その結果、多重検定補正後のデータにおいて、CREB1 single markerおよびハプロタイプのいずれの解析においても、自殺リスクや自殺企図歴との間に確たる関連を認めることができなかったことを報告した。International Journal of Neuroscience誌オンライン版2014年6月23日号の掲載報告。 研究グループは、CREB1 SNPsと自殺リスクならびにMDD患者における自殺企図歴との関連を検討した。ヨーロッパ多施設うつ病研究に登録されており、抗うつ薬を4週間以上投与されたMDD患者250例のサンプルを用い、5つのCREB1 SNPs(rs2709376、rs2253206、rs7569963、rs7594560、rs4675690)に遺伝子型を分けた。精神疾患簡易構造化面接法(MINI)およびハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を用いて自殺傾向を評価した。 主な結果は以下のとおり。・多重検定補正後、CREB1 single markerおよびハプロタイプのいずれにおいても、自殺リスクや自殺企図歴との間に関連は認められなかった。・女性においてrs2709376と自殺企図歴の間に関連が認められたが(p=0.016)、多重検定補正後には確認されなかった。・女性のMDD患者において、CREB1 single markerと自殺企図歴との間に有意な関連を認めたが、多重検定補正後のハプロタイプ解析では確認されなかった。・女性のMDD患者におけるCREB1と自殺企図が関連する可能性を確認および明確にするためには、より大規模かつ明確に定義されたコホートによる検討が求められることが示唆された。関連医療ニュース 入院から地域へ、精神疾患患者の自殺は増加するのか 日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大 双極性障害とうつ病で自殺リスクにどの程度の差があるか

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開発中のブレクスピプラゾール、その実力は

 新規開発中のブレクスピプラゾール(brexpiprazole、OPC-34712)について、同薬は抗精神病作用を有し、錐体外路症状の副作用リスクは低いこと、統合失調症に関連する認知障害に有効である可能性などが、動物実験の結果、示唆された。同薬を開発する大塚製薬のMaeda Kenji氏らが報告した。Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics誌オンライン版2014年6月19日号の掲載報告。 ブレクスピプラゾール(7-{4-[4-(1-benzothiophen-4-yl)piperazin-1-yl]butoxy}quinolin-2(1H)-one)は、セロトニン-ドーパミン活性のモジュレーターであり、5-HT1Aおよび D2/3受容体に結合してパーシャルアゴニストとして働くほか、5-HT2A、α1B-およびα2C-アドレナリン受容体に結合してアンタゴニストとして働く。本検討で研究グループは、動物モデルを用いて、ブレクスピプラゾールの行動薬理学的特性を評価し、さらに他の2種の第二世代抗精神病薬(アリピプラゾール、リスペリドン)との比較を行った。 主な知見は、以下のとおり。・ブレクスピプラゾールは、臨床的に意味のあるD2受容体占拠状況下において、ラットの条件回避反応を阻害したほか(ED506.0mg/kg)、アポモルフィンまたはd-アンフェタミン誘発過活動の阻害(それぞれED502.3 および0.90)、アポモルフィン誘発性常同行動の阻害(ED502.9)することが示された。・また、サルにおいて、アポモルフィン誘発性のまばたきも強力に阻害した。・これらの結果から、ブレクスピプラゾールが抗精神病作用を有することが示唆された。・ブレクスピプラゾールは、臨床的に意味のあるD2受容体占拠を超える濃度でカタレプシーを誘発したことから(ED5020)、錐体外路症状の副作用リスクは低いことが示唆された。・ラットにおいて、フェンサイクリジン(PCP)による亜慢性治療が認知障害を引き起こすことが、novel object recognition(NOR)テストとattentional set-shifting(ID-ED)テストの両方で示された。・PCPに誘発される認知障害は、NORテストにおいてはブレクスピプラゾール1.0および3.0mg/kgで、ID-EDテストにおいては1.0 mg/kgで改善することが確認された。・一方で、アリピプラゾール(10mg/kg)は、臨床的に意味のあるD2受容体占拠を示していたにもかかわらず、PCP誘発の認知障害に対する効果は確認されなかった。・5-HT1A アゴニストのbuspironeおよび 5-HT2A アンタゴニストのM100907は、部分的ではあるが、PCP誘発性障害を有意に改善することがNORテストにより確認された。・さらに、ブレクスピプラゾールの効果は5-HT1AアンタゴニストのWAY-100635と併用した際に消失した。・上記のように、ブレクスピプラゾールは抗精神病薬様活性を有し、統合失調症に関連する認知障害モデルに対する強力な効果があることが示された。・また、認知テストにおいてブレクスピプラゾールの有効性は、アリピプラゾールよりも優れていることが示された。・ブレクスピプラゾールの薬理学的プロファイルは、5-HT1A 、D2受容体に及ぼす影響と5-HT2A受容体に及ぼす影響との良好なバランスに基づくものであり、その他のモノアミン受容体の活性を調節できる可能性があると考えられた。関連医療ニュース 統合失調症患者の認知機能に対するアリピプラゾール vs リスペリドン 急性期の新たな治療選択となりうるか?非定型抗精神病薬ルラシドン 新規抗うつ薬「ノルアドレナリン・ドパミン脱抑制薬」その実力とは?

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妊娠初期のうつ・不安へどう対処する

 うつ症状を有する妊娠中の女性について、妊娠初期に血清ビタミンD値が低いほどそのリスクが高い逆相関の関連性があることがエビデンスとして示された。また同関連は、身体活動度によって修正可能であることも示された。米国・ワシントン大学のJonathan Y. Huang氏らが報告した。Journal of Women's Health誌オンライン版2014年6月11日号の掲載報告。 本検討は、妊娠初期の血清ビタミンD値とうつ症状、不安症との関連、およびその潜在的修正因子との関連を明らかにすることを目的とし、妊婦コホート(498例)を対象に妊娠初期(平均15.4週)の血清25[OH]D値とうつ症状および不安症との関連について断面調査を行った。症状の評価は、Depression, Anxiety, and Stress Scales(DASS-21)とPatient Health Questionnaire Depression Module(PHQ-9)が用いられた。妊娠前BMI、余暇の身体活動度(LTPA)による適合・効果修正を行った回帰モデルを用い、相互作用と層別化解析にて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・血清25[OH]D値の平均値は34.4ng/mLであった。・約12%が、「中等度」の不安症(スコア10以上)とうつ症状(スコア10以上)を有していた。・血清25[OH]D値1ng/mL低下につき、DASS-21 Anxietyスコアは0.043上昇(p=0.052)、PHQ-9は0.040上昇(p=0.029)と関連していた。・血清25[OH]D値の四分位範囲最低位(28.9ng/mL未満)群は、同最高位(39.5ng/mL以上)群よりも、PHQ-9スコアは1.11高かった(p<0.05)。・一方で、完全補正後モデルでは、関連性は弱まり統計的に有意ではなくなった。・血清25[OH]D値とうつ症状の逆相関の関連性は、LTPAを報告しなかった被験者においては有意であったが、同報告がある患者ではいずれの活動度においても有意差はみられなかった(相互作用p=0.018)。関連医療ニュース スタイルを気にしすぎる女性はうつに注意を 日本語版・産後うつ病予測尺度「PDPI-R-J」を開発 SSRIは月経前症候群の治療に有用か?  担当者へのご意見箱はこちら

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オランザピンによる急性期治療、心血管系に影響

 オランザピンの急性治療は、平均動脈圧、静脈緊張および心収縮能を低下することが、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のJoanne Y.T. Leung氏らによるラット試験の結果、明らかにされた。抗精神病薬による治療は、有害な心血管作用(たとえば起立性低血圧や不整脈)と関連している。また、統合失調症患者は心血管系合併症の有病率が高いが、抗精神病薬の血管緊張や心収縮への作用については、これまでほとんど注意が払われていなかった。Vascular Pharmacology誌オンライン版2014年6月23日号の掲載報告。 研究グループは本検討において、抗精神病薬の心血管作用を明らかにするため、非定型抗精神病薬オランザピンが心血管機能を変化しうるかどうかを、ラットを用いたin vivo試験で評価した。検討に用いられたのは雄のSprague-Dawleyラットで、留置カテーテルで調節した。手術から回復4時間後、オランザピン[3または15mg/kgを腹腔内投与(i.p.)]または溶媒の単回投与後60分のベースライン時点で、意識があり拘束をされていない状態のラットにおいて平均動脈圧(MAP)、循環系平均充満圧(MCFP;体静脈緊張の指数)、心拍数、左室最大収縮期圧(LVP)、心収縮能(+/-dP/dt)を測定した。 主な結果は、以下のとおり。・溶媒投与群は、測定を行ったいずれの時点においても心血管測定値に変化はみられなかった。・オランザピンの心拍数への影響はみられなかったが、投与後30分の最大効果到達時点において、用量依存性でMAP、MCFP、LVP、心収縮能の減少が認められた。・ラットにおける急性期オランザピン治療は、MAP、静脈緊張および心収縮能を低下した。・静脈緊張は、抗精神病薬治療の初期において患者にみられる起立性低血圧に寄与している可能性が示唆された。関連医療ニュース オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学 抗精神病薬と抗コリン薬の併用、心機能に及ぼす影響 統合失調症患者の突然死、その主な原因は  担当者へのご意見箱はこちら

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うつ病と脳卒中リスクの関連、男性のほうが強い

 うつ病と脳卒中リスク増加との関連に人口統計学的および社会経済的要因が影響するかどうかについて、島根大学プロジェクト研究推進機構の濱野 強氏らが検討した。その結果、うつ病の脳卒中に対する影響は男性のほうが大きいことが示され、著者らは「男女における根本的なメカニズムを調べるためにさらなる研究が必要」としている。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌オンライン版2014年6月26日号に掲載。 この研究は、スウェーデンの一次医療センターの全国における症例のうち、30歳以上の男性13万7,305人と女性18万8,924人の追跡研究である。著者らは、追跡期間(2005~2007年)に、初発脳卒中4,718人(男性2,217人、女性2,501人)を同定した。うつ病と脳卒中との関連が人口統計学的または社会経済的要因によって異なるかどうかを評価するために、マルチレベルロジスティック回帰モデルを用いてオッズ比(OR)の計算と相互作用の検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・潜在的な交絡因子の調整後、うつ病は脳卒中リスクと有意に関連していた(OR 1.22、95%CI:1.08~1.38)。・うつ病の脳卒中に対する影響は女性より男性で大きいことが、相互作用試験により示された(男女間のORの差 1.30、95%CI:1.01~1.68)。すなわち、うつ病と脳卒中との関連は性別によって異なっていた。

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