糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:169

糖質制限食と糖尿病リスク:日本初の前向き研究

 低炭水化物食(糖質制限食)のスコアと2型糖尿病リスクとの関連のエビデンスは少なく、一貫していない。また、炭水化物を多量に摂取するアジア人において検討した前向き研究はない。今回、国立がん研究センターによる多目的コホート研究(JPHC研究)で、低炭水化物スコアと2型糖尿病発症リスクとの関連が前向き研究で検討された。その結果、日本人女性における低炭水化物食と2型糖尿病リスク低下との関連が認められ、著者らはこの関連が白米の多量摂取に一部起因する可能性を指摘した。PLoS One誌2015年2月19日号に掲載。

認知症の糖尿病合併、どのような影響があるか

 糖尿病は、認知障害およびアルツハイマー病(AD)の急速な進行のリスク因子として認識されているが、これまで糖尿病合併の有無により、AD患者の認知機能および日常生活機能低下の程度が異なるか否かについては明らかとなっていなかった。米国・イーライリリー社のHaya Ascher-Svanum氏らは、軽度AD患者における糖尿病の有無が認知機能および日常生活機能に及ぼす影響を検討した。その結果、糖尿病合併例は非合併例に比べ、日常生活機能が有意に低下していること、有意差はなかったものの認知機能低下の程度がより大きかったことを報告した。Clinical Therapeutics誌オンライン版2015年2月9日号の掲載報告。

甲状腺がん新薬、無増悪生存期間を大幅延長/NEJM

 ヨウ素131治療抵抗性の進行性甲状腺がんに対し、レンバチニブ(国内承認申請中)は、無増悪生存期間を大幅に延長し、増悪・死亡リスクを約8割低減することが示された。フランス・ギュスターヴ・ルシィ研究所のMartin Schlumberger氏らが第III相無作為化二重盲検多施設試験の結果、報告した。レンバチニブは、血管内皮増殖因子受容体1、2、3、線維芽細胞増殖因子受容体1~4、血小板由来増殖因子受容体α、RET、KITの経口阻害薬で、ヨウ素131治療抵抗性の分化型甲状腺がん患者を対象とした第II相試験で臨床活性を示したことが報告されていた。NEJM誌2015年2月12日号掲載の報告より。

2型糖尿病に降圧治療は有効か/JAMA

 2型糖尿病患者に対する降圧治療は、全死因死亡や心血管疾患のほか、脳卒中、網膜症、アルブミン尿などのリスクを改善することが、英国・オックスフォード大学のConnor A. Emdin氏らの検討で示された。糖尿病患者は平均血圧が高く、血圧の上昇は糖尿病患者における大血管障害および細小血管障害のリスク因子として確立されている。一方、糖尿病患者への降圧治療の是非や目標血圧値については、現在もさまざまな議論が続いている。JAMA誌2015年2月10日号掲載の報告。

SGLT2阻害薬のさらなる安全使用に必要なこと

 2月9日、「糖尿病薬物治療の現状と課題」と題し、生命科学フォーラム主催のセミナーが加来 浩平氏(川崎医科大学 内科学 特任教授)を講師に迎え、東京都内で開催された。  はじめにわが国の糖尿病における患者数の推移や発症機序の説明が行われた。  最近の調査では、メタボ健診などによる予防策が功を奏し、糖尿病予備軍は減少した。しかし、患者数は増加し、若年化、肥満化傾向を示し、それは運動不足や日常生活での活動量不足が原因と考えられる。また、30~40代の働き盛りの患者の増加と受診回避が問題となっており、早期の治療介入をいかに行うべきかが今後の課題であると述べた。

甲状腺がん治療薬レンバチニブをFDAが承認

 エーザイ株式会社は16日、米国子会社であるエーザイ・インクが、自社創製の新規抗がん剤「Lenvima」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、局所再発又は転移性、進行性、放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がんに係る適応で、米国食品医薬品局( FDA)より承認を取得したことをお知らせします。同剤は優先審査品目に指定されていたが、優先審査終了目標日より約 2ヵ月早い迅速な承認となったという。なお、今回の米国での承認が同剤に関する世界で初めての承認となる。