糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:170

グリベンクラミド、妊娠糖尿病には注意/BMJ

 妊娠糖尿病の短期的治療について、グリベンクラミド(商品名:オイグルコン、ダオニールほか)はインスリンおよびメトホルミン両剤よりも明らかに劣性であり、一方、メトホルミン(+必要に応じてインスリン)がインスリンよりもわずかだが良好であることが示された。スペイン・Mutua de Terrassa大学病院のMontserrat Balsells氏らが、システマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「グリベンクラミドは、メトホルミンやインスリンが使用できるのなら妊娠糖尿病治療には用いるべきでない」と提言している。BMJ誌オンライン版2015年1月21日号掲載の報告より。

肥満外科手術、中高年男性の長期生存を延長/JAMA

 重症肥満患者で胃バイパス術などの肥満外科手術を受けた人は受けなかった人と比べて、長期死亡率が有意に低いことが報告された。米国・ダーラム退役軍人医療センターのDavid E. Arterburn氏らが、肥満外科手術を受けた患者2,500例について行った後ろ向き多地域適合対照コホート試験の結果、1年時点では死亡率に有意差は示されなかったが、5年、10年時点の全死因死亡率は、肥満外科手術群が有意に低かったことが判明した。これまでの検討で肥満外科手術が重症肥満患者の生存を改善するというエビデンスは蓄積されてきたが、中高年(veteran)における有益性のエビデンスは示されていなかったという。著者は、「今回の結果は若い世代、それも女性が大半を占める集団で示された肥満外科手術の有益性を、さらに後押しするものとなった」とまとめている。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告より。

2型糖尿病と関連するがんは?/BMJ

 ギリシャ・ヨアニナ大学医学部のKonstantinos K Tsilidis氏らは、2型糖尿病とがんの関連について、メタ解析/システマティックレビューを包括的レビュー(umbrella review)するという手法で大規模な検討を行った。その結果、大半の試験で関連性が有意であると強く主張していたが、バイアスの可能性がなく強固なエビデンスで関連性が支持されるのは、乳がん、肝内胆管がん、大腸がん、子宮体がんの発症リスクにおいてのみと少数であったことを報告した。BMJ誌オンライン版2015年1月2日号掲載の報告より。

1型糖尿病への強化治療、長期死亡を低減/JAMA

 1型糖尿病への血糖コントロール強化治療は、長期的な全死因死亡の低下に結び付くことが示された。米国・ピッツバーグ大学のTrevor J. Orchard氏らDCCT/EDIC研究グループが、同試験で平均6.5年間強化治療を行った被験者1,441例を、平均27年間追跡した結果、ハザード比(HR)0.67と死亡発生の低下が認められたという。また、血糖値と死亡との有意な関連も判明した。これまで、1型糖尿病への強化治療が死亡に影響するかどうかは明らかにされていなかった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告より。

脱毛症の人はあのリスクが上昇

 脱毛症は、冠状動脈性心疾患のリスク上昇と関連し、脱毛症の重症度が高いほど、冠状動脈性心疾患のリスクも上昇する可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のNelson Trieu氏らによる研究で明らかになった。また、脱毛症は高血圧、高インスリン血症、インスリン抵抗性、メタボリックシンドロームのリスク上昇、血清総コレステロール値・トリグリセリド値の上昇とも関連が認められた。International journal of cardiology誌2014年10月20日号の報告。

前糖尿病の生活改善で膵がん予防の可能性/BMJ

 前糖尿病状態を早期に発見し生活様式を改善することで、膵がんの発症が抑制される可能性があることが、国立台湾大学医学院のWei-Chih Liao氏らの検討で示された。膵がんは、最も致死性の高いがんであり、2型糖尿病はその確立されたリスク因子である。2型糖尿病の前駆病態である前糖尿病は、膵がんのリスク因子である可能性があり、生活様式の変更によって改善することから、膵がんの予防戦略として関心を集めている。BMJ誌2015年1月2日号掲載の報告。

食後血糖の上昇が低い低glycemic index(GI)の代謝指標への影響(解説:吉岡 成人 氏)-297

 EBMならぬ“Advertising based medicine”の領域では、15年ほど前から「糖尿病患者における食後高血糖は虚血性心疾患のリスクファクターである」というキャッチコピーが飛び交い、多くの医療従事者たちに事実とは異なる情報を提供している。確かに、経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)を実施した際の2時間値は心血管イベントや死亡のリスクであることが、DECODE(Diabetes Epidemiology; Collaborative analysis of Diagnostic criteria in Europe)study 、舟形町研究など、欧州のみならず日本においても、多くの疫学研究で確認されている。

低GI食、インスリン感受性や収縮期血圧を改善せず/JAMA

 同量の炭水化物を含む食品でも血糖値の上昇度は異なり、この特性に基づく指標をグリセミック指数(GI)という。この特性を活かし食後血糖値の上昇が低い食品を選択した低GI食による介入を、心血管疾患や糖尿病のリスクが高い人に行ったが、高GI食と比べて、インスリン感受性、脂質値あるいは収縮期血圧値の改善には結び付かなかったことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のFrank M. Sacks氏らが行った無作為化試験の結果、報告された。JAMA誌2014年12月17日号掲載の報告より。