糖尿病・代謝・内分泌科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:166

報奨金は医師・患者双方に支払われて初めて効果が現れる(解説:折笠 秀樹 氏)-458

RCT(ランダム化比較試験)というと、薬剤の比較試験を思い出す人が多いだろうが、今回のRCTは一風変わっている。対象は、脂質異常(ベースラインLDL平均値は160mg/dL)の患者、エンドポイントも通常のLDL値であるが、介入が変わっている。LDL低下の目標を達成できたときに報奨金を出すという介入である。

TUXEDO-India試験:糖尿病患者でも第1世代DESは不要(解説:上田 恭敬 氏)-457

TUXEDO-India Trialにおいては、1,830例の糖尿病を持つPCI予定冠動脈疾患患者を、第1世代DESであるTaxus Element(paclitaxel-eluting stent)群と、第2世代のDESで最も優れた臨床成績を示しているDESの1つであるXience Prime(everolimus-eluting stent)群に無作為に割り付け、1年間の心臓死・標的血管を責任血管とする心筋梗塞発症・虚血を理由とする、標的血管再血行再建術施行の複合エンドポイントの発生頻度を比較している。Taxus Elementの非劣性を示そうとした試験であったが、複合エンドポイントの頻度が5.6% vs.2.9%とTaxus Elementで有意に高い結果となり、Xience Primeが有意に優れていることが示された。

医師・患者双方への成功報酬で、LDL値が有意に改善/JAMA

 プライマリケア診療でのLDLコレステロール(LDL-C)値コントロールに関して、目標値を達成した場合にプライマリケア医と患者の双方に対して金銭的成功報酬を与えると効果があることが示された。米国・ペンシルベニア大学のDavid A. Asch氏らが、医師340人と患者1,503人を対象に行った4群クラスター無作為化試験の結果で、医師のみ、または患者のみへの成功報酬では、成功報酬がない場合と比べて有意な差は示されなかったという。JAMA誌2015年11月10日号掲載の報告より。

MDI Liraglutide 試験:強化インスリン療法にGLP-1受容体作動薬を追加する意義(解説:小川 大輔 氏)-455

2型糖尿病は、インスリン分泌低下やインスリン抵抗性増大により、インスリン作用不足を来し高血糖が持続する疾患である。薬物療法は通常、経口血糖降下薬で開始し併用することが多いが、進行するとGLP-1受容体作動薬や持効型インスリンを併用したり、強化インスリン療法に変更したりする。2型糖尿病の症例に強化インスリン療法を長期間続け、インスリン投与量を徐々に増やしていくと、しばしば体重の増加と低血糖症の出現が問題となる。

発症年齢、HbA1c、CKDが2型糖尿病患者の生命予後を規定する(解説:住谷 哲 氏)-453

2型糖尿病患者の生命予後を改善するためのアプローチとしては、(1)2型糖尿病発症予防、(2)多因子介入、(3)診断直後からの介入が有用と考えられてきた。スウェーデンにおけるコホート研究である本論文は、これらのアプローチが正しかったことを支持すると同時に、その限界をも明らかにした点で重要である。