糖尿病歴と自殺・事故死リスク~日本人10万人の検討

提供元:ケアネット

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公開日:2016/01/29

 

 JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)グループの山内 貴史氏らは、糖尿病歴が外因死(自殺および事故死)のリスクに関連するかどうか、日本人の大規模集団における前向きコホートのデータを使用して検討した。その結果、男女とも59歳以下(ベースライン時)で、糖尿病歴のある人はない人と比べて外因死(とくに事故死)のリスクが有意に高かった。Diabetes & metabolism誌オンライン版2016年1月18日号に掲載。

 著者らは、JPHCによる前向き研究における1990~2012年のデータを分析した。外因死の調整リスク比(RR)の計算にはポアソン回帰モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・集団コホートは日本における住民10万5,408人(男性4万9,484人・女性5万5,924人、平均年齢51.2[SD 7.9]歳)。
・ベースライン時点で、男性3,250人(6.6%)と女性1,648人(3.0%)に糖尿病歴があった。
・追跡期間中、糖尿病歴のある人のうち外因死が113人(自殺41人、事故死72人)に認められ、糖尿病歴がない人では外因死が1,304人(自殺577人、事故死727人)に認められた。
・糖尿病歴のある人において、外因死のリスクが高かった(男性 RR:1.4、95%CI:1.2~1.8、女性 RR:1.6、95%CI:1.01~2.4)。
・ベースライン時の年齢が40~49歳(RR:1.9、95%CI:1.3~2.7)および50~59歳(RR:1.4、95%CI:1.05~1.9)の人においても、糖尿病歴のある人で外因死のリスクが有意に高かった。

(ケアネット 金沢 浩子)