循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:80

亜鉛の測定が推奨される症状・タイミングは?

 近年、健康維持に重要な栄養素として注目を浴びる亜鉛。小児の発育や味覚異常に影響することはよく知られているが、ここ数十年で国内外の研究報告からさまざまな生理作用に関与していることが明らかになっている。先般、国内レセプトデータを解析して日本人の亜鉛不足者の特徴を発表した横川 博英氏(順天堂大学医学部総合診療科学講座 先任准教授)が「一般集団・患者群の血清亜鉛濃度の実際と低亜鉛血症患者の頻度やその臨床像」と題し、日本人の亜鉛欠乏の現状や検査の必要性について、6月4日に開催されたノーベルファーマのプレスセミナーにおいて解説した。

手術部位感染予防、ポビドンヨードvs.クロルヘキシジン/JAMA

 心臓手術または腹部手術後の手術部位感染(SSI)の予防において、術前の皮膚消毒薬としてのポビドンヨードのアルコール溶液はクロルヘキシジングルコン酸塩のアルコール溶液に対し非劣性で、心臓と腹部の手術のいずれにおいてもSSI発生率に有意な差はないことが、スイス・バーゼル大学のAndreas F. Widmer氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年6月17日号で報告された。  本研究は、スイスの3つの大学病院で実施したクラスター無作為化クロスオーバー非劣性試験であり、2018年9月~2020年3月の期間に患者を登録した(スイス国立科学財団[SNSF]の助成を受けた)。  心臓または腹部の待機的手術が予定されている成人患者を対象とした。各施設は、連続18ヵ月間にわたり、毎月、ポビドンヨードまたはクロルヘキシジングルコン酸塩のいずれかのアルコール溶液を使用する群(クラスター)に無作為化された。治療の割り付け情報は、アウトカムの評価者や各施設の責任医師、統計解析の担当者などにはマスクされたが、試験薬の固有の色の違いのため患者と外科医のマスクは不可能だった。

心房細動とその合併症の生涯リスクの2000~22年における経時的変化:デンマークの一般住民を対象とした全国規模のコホート研究(解説:原田和昌氏)

これまで心房細動発症後の患者ケアでは脳卒中リスクに最も焦点が当てられてきた。しかし、脳卒中だけでなく心不全、心筋梗塞などの心房細動合併症の長期的な影響についても知る必要がある。心房細動の生涯リスクの経時的変化と、心房細動発症後の合併症の生涯リスクの経時的変化を、DOAC上市前後のコホートで調べた。2000年1月1日から2022年12月31日までのデンマークの一般住民を対象とした全国規模の登録研究において、45歳以上の心房細動を有しない350万人(女性51.7%)が、心房細動の発症、転居、死亡、または調査の終了のいずれか早い時点まで追跡された。心房細動を発症したが合併症のない36万2,721人(女性46.4%)について、心不全、脳卒中、または心筋梗塞の発症を追跡した。主なエンドポイントは心房細動の生涯リスクと、心房細動発症後の合併症の生涯リスクである(2000~10年と2011~22年を比較した)。

心臓植込み電気デバイスの革新的一歩 ーモジュール式リードレスペーシング除細動システムー(解説:高月誠司氏)

本邦では1968年ペースメーカー、1996年に植込み型除細動器が保険収載された。これらは静脈内にリードを留置するシステムであるが、リードには断線や感染のリスクがあり、植込み遠隔期のリード抜去はリスクを伴う。そのため経静脈リードのないシステムが開発されてきた。2016年に皮下植込み型除細動器(SICD)、2017年にはリードレスペースメーカーが保険収載されたが、どちらも血管内にリードを留置しないシステムである。ただしSICDは、心室頻拍に対する抗頻拍刺激ができない、徐脈性不整脈に対するペーシングができないという限界があった。SICDとリードレスペースメーカーを組み合わせて植え込み、通信させて使うことにより、SICDの欠点をカバーするのが、モジュラー通信リードレスペーシング・除細動器システムである。MODULAR ATP研究では、本システムのfeasibilityが報告された。151例が6ヵ月のフォローアップ期間を完了し、ワイヤレスデバイスの通信成功率は98.8%であった。151例の患者のうち147例(97.4%)が2.0V以下のペーシング閾値を有しており、抗頻拍ペーシングによる頻拍停止率は61.3%であった。本研究では平均年齢60歳という比較的若い患者群に植え込まれたが、リードレスペースメーカーの電池寿命時の対応など課題もあるが、心臓植込み型電気デバイスにおける画期的な進歩と考える。

リウマチ性心疾患に関する知見を改めて見直した研究(解説:野間重孝氏)

本研究の主な目的は、さまざまな国のさまざまな所得水準におけるリウマチ性心疾患(RHD)の発生率と臨床転機の予測因子を明らかにすることにあったが、同時に現在世界をカバーするRHD患者に関するデータの集積が十分になされていないため、そのコホートを構築することでもあった。実際、今回この研究グループは現代のRHD患者に関する最大のコホートを作成することに成功した。もっとも、類似した研究が行われたことがなかったということはなく、実際このジャーナル四天王でも2017年8月に「世界のリウマチ性心疾患死、25年で半減/NEJM」が掲載されている。この研究では132ヵ国のデータ分析が行われており、十分に大きな研究だったといえるだろう。

フラボノイド積極摂取で高血圧患者の死亡リスクが低減

 米国疾病予防管理センター(CDC)の国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用いた前向き試験によって、総フラボノイド摂取量が多いほど高血圧症患者の全死亡リスクが低減するという正の相関関係が認められたことを、中国・Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのKang Wang氏らが明らかにした。Nutrients誌2024年5月20日号掲載の報告。  フラボノイドは天然に存在するポリフェノール化合物で、主にフラバノン、フラボン、フラバノール(フラバン-3-オール)、フラボノール、イソフラボン、アントシアニジンの6つのサブクラスが含まれる。フラボノイド摂取による抗酸化作用や抗炎症作用、血管拡張作用などが報告されており、高血圧症のリスク低減だけでなく、全死亡率、がん関連死亡率、心血管疾患(CVD)関連死亡率の低下にもつながるというエビデンスが増えつつある。しかし、フラボノイド摂取量の増加が高血圧症患者にどのような利益をもたらすかはいまだ不明である。そこで研究グループは、総フラボノイドおよびフラボノイドサブクラスの摂取と全死亡率、がん関連死亡率、CVD関連死亡率との関係を明らかにし、さらに高血圧症患者にとっての至適な摂取量を確立するために調査を行った。

「生活習慣病管理料」算定に適した指導・効率的な方法は?

 6月の診療報酬改定後もなお話題になっている、生活習慣病に係る医学管理料の見直し。今回の改定では、▽生活習慣病管理料(II)の新設(検査などを包括しない生活習慣病管理料 II[330点、月1回])▽生活習慣病管理料の評価および要件の見直し(療養計画書の簡素化、電子カルテ情報共有サービスの活用など)▽特定疾患療養管理料の見直し(対象疾患から生活習慣病である糖尿病、脂質異常症、高血圧症が除外)といった点が変更された。とくに高血圧症などの生活習慣病患者に対し、これまでの特定疾患療養管理料に近い点数を生活習慣病管理料で算定していくためには、療養計画書の作成、診療ガイドラインに基づいた疾患管理、リフィル処方箋に関する掲示、多職種連携推奨…といった要件が多く、今回の改定による医師の負担増は免れない。そこで今回、谷川 朋幸氏(CureAppメディカル統括取締役/聖路加国際病院 医師)は患者を効果的な生活改善へと導き、医師が効率的に療養計画書を作成するための高血圧治療補助アプリを活用した打開策をCureApp主催メディアセミナーにて紹介した。

超加工食品の利便性・時短性のとりこになる危険に警鐘を鳴らす!(大規模コホート研究)―(解説:島田俊夫氏)

超加工食品に関する報告によれば、総じて全死因死亡(全死亡)リスクを高めるとの結論で一致しています。ただし、これまでのところ心血管疾患に関しては、リスクを高めることは全面的に肯定されているわけではありません(当論文において有意差を認めていないが否定するものではありません)。食事を楽しむことができないような忙しい生活の中で、利便性や時短性に優れた超加工食品が重宝される傾向はわからないわけではありませんが、超加工食品への極端な嗜好は健康長寿と相反しており、将来の健康に懸念を抱かざるを得ません。

経口選択的心筋ミオシン阻害薬aficamtenは症候性の閉塞性肥大型心筋症患者の最高酸素摂取量を有意に増加する(解説:原田和昌氏)

閉塞性肥大型心筋症(HOCM)患者の運動耐容能低下、および運動を制限する症状の主な決定因子の1つは、左室流出路狭窄による心内圧上昇である。経口選択的心筋ミオシン阻害薬aficamtenは、心筋の過収縮を抑制することで左室流出路圧較差を減少させる。SEQUOIA-HCM試験は症候性HOCMを有する成人を、aficamtenまたはプラセボに無作為に割り付けた第III相二重盲検試験である。PIのMaron MS氏はMaron BJ先生の息子さんである。主要エンドポイントは最高酸素摂取量のベースラインから24週までの変化量で、心肺運動負荷試験にて評価した。副次的エンドポイントは24週までのKCCQ-CSSの変化量、NYHA機能分類の改善、バルサルバ手技後の圧較差の変化量、バルサルバ手技後の圧較差30mmHg未満、中隔縮小治療の適応の有無、およびこれらの12週までの変化量、24週での心肺運動負荷時の総仕事量の変化であった。

医師が年収アップのために行っていることは?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身のワークライフバランスの希望や、年収を増やすために行ったこと/行っていることについて尋ねた。  調査では、年収とワークライフバランスの希望について、(1)勤務時間は大きく増えてもよいので、年収を大きく増やしたい、(2)勤務時間は少し増えてもよいので、年収を少し増やしたい、(3)年収は少し減ってもよいので、勤務時間を少し減らしたい、(4)年収は大きく減ってもよいので、勤務時間を大きく減らしたい、の4つから最も近いものを選んでもらった(以下、それぞれ「勤務時間大きく増/年収大きく増」、「勤務時間やや増/年収やや増」、「勤務時間やや減/年収やや減」、「勤務時間大きく減/年収大きく減」)。年収を増やすために行ったこと/行っていることはフリーコメントで記載してもらった。