循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:335

血圧と12の心血管疾患の関連が明らかに~最新の研究より/Lancet

 30歳以上(最高95歳)の血圧値と12の心血管疾患との関連を分析した結果、どの年齢でも強い相関性が認められ、現状の高血圧治療戦略では生涯負荷が大きいことが明らかにされた。英国・Farr Institute of Health Informatics ResearchのEleni Rapsomaniki氏らが、同国プライマリ・ケア登録患者から抽出した125万例のデータを分析して報告した。著者は「今回の結果は、新たな降圧治療戦略の必要性を強調するものであり、その評価のための無作為化試験をデザインする際の有用な情報になると思われる」とまとめている。本報告は、血圧と心血管疾患との関連に関する最新の集団比較研究である。Lancet誌2014年5月31日号掲載の報告より。

PCSK9阻害薬は新たなコレステロール治療薬となりうるのか?(解説:平山 篤志 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(216)より-

LDLコレステロール(LDL-C)が心血管イベントの重要なリスクファクターであること、そしてスタチンによるLDL-C値の低下に伴いイベントの発生率が減少したことで、ASCVD(Atherosclerotic Cardiovascular Disease)においてLDL-C値をより低くコントロールすることが目標とされた。

高力価スタチンが糖尿病発症リスクを増大させる/BMJ

 心血管疾患の二次予防治療としてのスタチン治療について、高力価スタチンのほうが低力価のものよりも、糖尿病の新規発症リスクが中程度だが増大することが報告された。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のColin R Dormuth氏らによる多施設共同観察研究の結果で、「臨床医は二次予防として高力価スタチンを使用する場合は、このリスクについて考慮すべきである」と提言している。スタチンが糖尿病の新規発症リスクを増大することは、先行研究のメタ解析で示されていたが(オッズ比1.09)、高力価vs. 低力価の比較によるリスク増大については確定していなかった。BMJ誌オンライン版2014年5月29日号掲載の報告より。

ACC/AHAの推奨クラスIのガイドライン項目、改訂後も維持は約8割/JAMA

 米国・ペンシルベニア大学のMark D. Neuman氏らは、米国心臓病学会/米国心臓協会(ACC/AHA)の臨床診療ガイドラインの推奨クラスIの項目について、改訂後も推奨度が変わらなかった項目は約8割であったことが明らかにされた。1998~2007年に発表され、2006~2013年に改訂された11本のガイドラインを調べた結果で、残り2割は、推奨クラスを下げたか項目が削除されていたものが約半々であったという。また、複数の無作為化試験による裏づけがなかった項目において、クラスを下げたり削除された項目が多かったことが明らかになった。これまで臨床診療ガイドラインの推奨項目の維持状況については、ほとんどわかっていなかった。JAMA誌2014年5月28日号掲載の報告より。

心血管疾患高リスク患者への合剤治療、リスク因子の改善はわずか/BMJ

 プライマリ・ケアにおける心血管疾患リスクの高い患者の治療について、推奨されている抗血小板薬、スタチン、降圧薬すべてを組み合わせた固定用量配合剤の利用は、アドヒアランスを改善したが、血圧やコレステロールなどリスク因子の改善はわずかで統計的有意差はみられなかったことが報告された。ニュージーランド・オークランド大学のVanessa Selak氏らによる非盲検無作為化試験IMPACTの結果で、配合剤に対する受容性は一般医(GP)、患者ともに高かったが、一方で投与の中断率が高かったことも報告されている。BMJ誌オンライン版2014年5月27日号掲載の報告より。

新たな輸液プロトコル、造影剤誘発急性腎障害の予防に有効/Lancet

 心臓カテーテル検査例の造影剤誘発急性腎障害の予防において、左室拡張末期圧(LVEDP)ガイド下輸液法は安全に施行でき、高い有効性を示すことが、米国・カイザーパーマネンテのSomjot S Brar氏らが行ったPOSEIDON試験で確認された。造影剤誘発急性腎障害の予防法は基本的に静脈内輸液であるが、輸液法の指針となる明確なプロトコルは存在していないという。Lancet誌2014年5月24日号掲載の報告。