循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:336

CPAPによって睡眠時無呼吸症候群の24時間血圧が低下/JAMA

 治療抵抗性高血圧と睡眠時無呼吸症候群(OSA)を有する患者について、12週間の持続的気道陽圧(CPAP)療法は、薬物療法のみの場合と比較して、24時間平均血圧や拡張期血圧が低下し、夜間血圧パターンを改善することが示された。スペイン・Hospital Universitario y Politecnico La FeのMiguel-Angel Martinez-Garcia氏らによる無作為化試験HIPARCOの結果、報告された。治療抵抗性高血圧患者では70%以上がOSAを有している。しかしこれまで、血圧へのCPAP療法の効果に関するエビデンスは、ほとんど示されていなかった。JAMA誌2013年12月11日号掲載の報告より。

新規経口抗凝固薬4種vs.ワルファリン-心房細動患者のメタ解析-/Lancet

 心房細動患者の脳卒中・全身性塞栓イベントや総死亡リスクについて、4種の新規経口抗凝固薬(ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバン)はワルファリンに比べて2割弱抑制することが、被験者総数7万例超のメタ解析で明らかになった。一方、消化管出血リスクは、ワルファリンに比べ約25%増大した。米国・ブリガム&ウィメンズ病院/ハーバードメディカルスクールのChristian T Ruff氏らが、4種に関する第3相臨床試験を組み込んで解析した結果、報告した。Lancet誌オンライン版2013年12月4日号掲載の報告より。

冠動脈CT:カルシウム容積スコアと密度スコア(コメンテーター:近森 大志郎 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(164)より-

 冠動脈カルシウム・スコアは従来の冠危険因子に加えて、心血管疾患イベント(心臓死・心筋梗塞・脳梗塞など)の独立したリスク因子として確立している。しかしながら、冠動脈石灰化は中膜に出現し、スタチンによる治療過程にて密度が亢進するとの基礎的報告もあることから、冠動脈プラーク病変の治癒過程を反映しているとの意見もある。このことは、冠動脈石灰化の容積と密度を合わせて評価している、従来のカルシウム・スコア(Agatston)の弱点となる可能性がある。

DVT後の弾性加圧ストッキング、PTS予防効果なし/Lancet

 近位部深部静脈血栓症(DVT)後の弾性加圧ストッキング(ECS)装着について、血栓後症候群(PTS)の予防効果はないことが判明した。カナダ・ジューイッシュ総合病院のSusan R Kahn氏らが、800例超対象の多施設共同無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。ECSによるPTS予防効果は、これまで非プラセボ単施設試験で示唆されていた。Lancet誌オンライン版2013年12月6日号で発表した。

植込み型補助人工心臓と血栓症/NEJM

 米国・クリーブランドクリニックのRandall C. Starling氏らは、著者の施設を含めた3施設で行った調査の結果、植込み型補助人工心臓「HeartMate II」について、デバイスに関連したポンプ血栓症の発生が増加しており、病的状態や死亡と大きく関連していることが明らかになったと報告した。HeartMate IIの重要試験および市販後臨床試験の結果では、血栓症の発生は2~4%と報告されているが、著者の施設の質的レビューで、ポンプ血栓症の発生が予想外に突然、増大していることが観察され本検討を行ったという。NEJM誌オンライン版2013年11月27日号の掲載報告より。

COPD患者へのβ遮断薬投与:原則禁忌だが、心筋梗塞後の予後は良好/BMJ

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者へのβ遮断薬治療は、気道けいれんを誘発する可能性があるため原則禁忌とされているが、心筋梗塞後の生存率を有意に増大することが、英国住民ベースのコホート研究の結果、明らかにされた。死亡ハザード比は、心筋梗塞発症前から服用していた患者で0.59、発症入院時に服用を開始した患者では0.50と、いずれの時期に開始した場合でも生存率の増加と関連していた。β遮断薬は心筋梗塞後の死亡および再発リスクを低下し、COPD患者にも有益であるとのエビデンスは積み上がってきているが、同患者への使用は制限され続けている。今回の結果を踏まえて著者は「処方されないことが同患者の心筋梗塞後の死亡を増大している可能性があり、われわれの知見は、心筋梗塞後のCOPD患者にβ遮断薬がより広く使用されなければならないことを示唆するものであった」とまとめている。BMJ誌オンライン版2013年11月22日号掲載の報告より。

CORAL研究が動脈硬化性腎動脈狭窄症の診療にもたらすもの(コメンテーター:冨山 博史 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(163)より-

 CORAL研究は、重症動脈硬化性腎動脈狭窄(血管造影で80%以上狭窄あるいは60~80%未満狭窄で圧格差20mmHg以上と定義)で、高血圧(2剤以上の降圧薬服用だが収縮期血圧[SBP]155mmHg以上と定義)あるいは慢性腎臓病(eGFR 60mL/分/1.73m2未満と定義)を有する症例に対する腎動脈形成術・ステント留置術(renal revasculalization stenting: RRVS)の効果を検討した多施設共同前向き研究である。

利尿薬に低用量ドパミンを上乗せするメリットは?:腎機能障害を有する急性心不全患者/JAMA

 急性心不全で腎機能障害を有する患者に対し、利尿療法に低用量ドパミン(商品名:イノバンほか)または低用量のBNP製剤ネシリチド(国内未承認)のいずれの追加療法を行っても、利尿療法単独の場合と比べて、うっ血除去の強化および腎機能改善への有意な効果は示されなかったことが報告された。米国・メイヨークリニックのHorng H. Chen氏らによる大規模な多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験「ROSE」からの報告で、先行研究の小規模試験では、いずれもアウトカム改善の可能性が示唆されていた。JAMA誌オンライン版2013年11月18日号掲載の報告より。