循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:296

米国の非急性PCIの不適切施行、5年で大幅減/JAMA

 米国における2009~14年の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の施行動向を調べた結果、非急性PCIの不適切施行は26.2%から13.3%に有意に減少していたことが、イェール大学医学部のNihar R. Desai氏らによる調査の結果、明らかにされた。一方で、非急性PCIの不適切施行率の病院間のばらつきは、2014年時点でも5.9%~22.9%にわたっており解消されていなかった。本検討は、2009年にリリースされたAppropriate Use Criteria for Coronary Revascularizationを踏まえて、PCI施行の動向を初めて調査した結果だという。JAMA誌2015年11月17日号掲載の報告。

PCIは虚血性心疾患患者の長期生存に寄与するか/NEJM

 安定虚血性心疾患患者の初期管理において、至適な薬物療法に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を併用しても、薬物療法単独に比べ長期的な生存率に差はないことが、米国・ニューヨーク退役軍人省健康管理ネットワークのSteven P Sedlis氏らが行ったCOURAGE試験の拡張調査で確認された。PCIは、ST上昇急性心筋梗塞患者の生存率を向上させ、非ST上昇心筋梗塞患者の長期生存を改善して早期および晩期の心イベントを低減することが示されている。一方、安定虚血性心疾患患者では、PCIは狭心症を軽減し、心筋虚血の領域を減少させるが、生存の改善を示した臨床試験はないという。NEJM誌2015年11月12日号掲載の報告。

COPD治療の新薬スピオルト レスピマット12月に発売

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃、以下「日本ベーリンガーインゲルハイム」)は2015年11月26日、慢性閉塞性肺疾患の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤および長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)の効能・効果で薬価基準に収載されたスピオルト レスピマット28吸入(一般名:チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩製剤)(以下、スピオルト)を、12月3日に発売すると発表した。

新規抗血栓システムREG1、開発中止に/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行時の新規抗血栓システムとして開発中のREG1は、重篤なアレルギー反応と関連することが明らかとなり、試験が早期に中止となったことが報告された。米国・クリーブランドクリニック研究センターのA Michael Lincof氏らがbivalirudinに対する優越性を検討していた。なお、試験の早期中止により統計的検出力に限りがあるものの、REG1がbivalirudinと比較して虚血性イベントや出血を抑制するとのエビデンスは示されなかったという。Lancet誌オンライン版2015年11月4日号掲載の報告。

第Xa因子阻害薬の中和薬、抗凝固活性の抑制効果を確認/NEJM

 第Xa因子阻害薬の抗凝固作用に対する中和薬として開発が進められているandexanet alfaについて、カナダ・マックマスター大学のDeborah M. Siegal氏らによる健常高齢者ボランティアを対象に行った臨床試験の結果が報告された。アピキサバン、リバーロキサバンのいずれの抗凝固薬に対しても数分以内で中和作用を示し、臨床的毒性作用は認められなかったという。第Xa因子阻害薬治療では出血の合併症が伴うことから、中和薬の開発が期待されている。NEJM誌オンライン版2015年11月11日号掲載の報告。

緊急時の心臓マッサージ、持続的 vs.断続的で転帰は?/NEJM

 院外心肺停止の成人に対し救急医療スタッフが心肺蘇生(CPR)を行う際、持続的胸部圧迫を行っても、断続的胸部圧迫を行った場合に比べて退院時の生存率や神経学的機能が良好である確率は増大しないことが示された。米国・ワシントン大学のGraham Nichol氏らが、救急医療(EMS)事業者を対象に行った無作為化試験で明らかにした。院外CPR時の断続的に行う徒手的心臓マッサージは、血流量および生存を低減する可能性があることから、研究グループは、胸部圧迫と陽圧換気を連続的に行ったCPRと、胸部圧迫を30回行い換気を2回行う間欠的なCPRの場合とでアウトカムが異なるかを調べた。NEJM誌オンライン版2015年11月9日号掲載の報告。

リードレス心腔内経カテーテルペーシング、高い安全性・有効性確認/NEJM

 リードレス心腔内経カテーテルペーシングシステムは、安全性・有効性ともに高いことが確認された。米国・オクラホマ大学健康科学センターのDwight Reynolds氏らによる、725例を対象にした多施設共同前向き試験で示された結果で、経静脈ペースメーカーと比較しても合併症発生率はおよそ半分だった。NEJM誌オンライン版2015年11月9日号掲載の報告。

発症年齢、HbA1c、CKDが2型糖尿病患者の生命予後を規定する(解説:住谷 哲 氏)-453

2型糖尿病患者の生命予後を改善するためのアプローチとしては、(1)2型糖尿病発症予防、(2)多因子介入、(3)診断直後からの介入が有用と考えられてきた。スウェーデンにおけるコホート研究である本論文は、これらのアプローチが正しかったことを支持すると同時に、その限界をも明らかにした点で重要である。

駆出率保持の心不全へのニトロ投与、逆効果/NEJM

 駆出率が保たれた心不全患者に対し、一硝酸イソソルビド(商品名:アイトロールほか)を投与しても、プラセボを投与した場合と比べて日常生活動作レベルやQOL(生活の質)の向上はみられず、逆に1日の活動時間が減少し、日常生活動作レベルにも低下傾向が認められたという。米国・メイヨークリニックのMargaret M. Redfield氏らが、110例を対象に行った多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照クロスオーバー試験の結果、明らかにした。同患者へのニトロ処方は運動耐性を十分なものとするために一般的に行われているが、日常生活動作に対する効果の検証はこれまで不十分であった。NEJM誌オンライン版2015年11月8日号掲載の報告より。

僧帽弁の形成術 vs.置換術、2年後のアウトカムは?/NEJM

 重度虚血性僧帽弁逆流症に対する僧帽弁の形成術と置換術では、2年後の死亡率や左室収縮終期容積係数(LVESVI)は同等だが、中等度~重度逆流症の再発率は形成術群が大幅に高率であったことが報告された。心不全関連の重度有害事象や心血管関連の再入院も、形成術群で高率だった。米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のD. Goldstein氏らが行った無作為化比較試験の結果、示された。同試験については術後1年における結果がすでに発表されており、LVESVI、生存率、有害イベント発生率のいずれも両群で同等だった。NEJM誌オンライン版2015年11月9日号で発表した。