循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:146

狭心症の冠動脈血行再建の適応判定、MRIはFFRに非劣性/NEJM

 冠動脈疾患のリスク因子を有する安定狭心症患者における冠動脈血行再建の適応の判定法として、心筋灌流心血管磁気共鳴画像(MRI)は冠血流予備量比(FFR)と比較して血行再建の施行率が低く、1年後の主要有害心イベント(MACE)に関して心血管MRIはFFRに対し非劣性であることが、ドイツ・フランクフルト大学病院のEike Nagel氏らが実施した「MR-INFORM試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2019年6月20日号に掲載された。安定狭心症患者では、血行再建の適応の判定にこれら2つの戦略が用いられることが多いが、MACEとの関連におけるこれらの非劣性は確立されていないという。

会員医師の約60%が現在の年収に満足

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、ご自身の年収額が妥当と思うかと尋ねたところ、25%が「そう思う」、34%が「ややそう思う」と回答し、約6割の医師が、現在の年収におおむね満足していることがわかった。  年収額の妥当性について年収帯別にみると、600万円未満のうち50%が、600~800万円のうち33%が、800~1,000万円の51%が「そう思う」または「ややそう思う」と回答していた。同様に、1,000~1,200万円の年収帯でも50%、800~1,000万円で51%と大きく変わることがなく、1,600~1,800万円でようやく60%を超えるなど、満足感の差はフラット化している傾向だった。

薬剤コーティングバルーンが高出血リスク患者へのPCIに有効/Lancet

 出血リスクが高い患者に対する経皮的冠動脈インターベンション(PCI)において、薬剤コーティングバルーンはベアメタルステントに比べ優れていることが示された。フィンランド・North Karelia Central HospitalのTuomas T. Rissanen氏らが、同国内5施設で実施した単盲検無作為化非劣性試験「Drug-Eluting Balloon in stable and Unstable angina Trial:DEBUT試験」の結果を報告した。抗血小板療法や抗凝固療法の進歩、あるいは新世代薬剤溶出ステント(DES)の導入にもかかわらず、現状では、高出血リスク患者におけるPCIの最適な技術はわかっていない。Lancet誌オンライン版2019年6月13日号掲載の報告。

低リスク患者へのTAVR vs.SAVR、5年フォローアップの結果【Dr.河田pick up】

 NOTION(Nordic Aortic Valve Intervention:北欧大動脈弁インターベンション)trialは、70歳以上で孤立性の重症大動脈弁狭窄を持つ患者を対象に経皮カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)と外科的大動脈弁置換術(SAVR)を比較する目的で行われた試験である。このたび、5年間のフォローアップ後における臨床経過および心エコーの結果が示された。Hans Thyregod氏らの研究グループがCirculation誌6月号に発表(オンライン発表は2月)。  患者は北欧の3つの施設からリクルートされ、自己拡張型コアバルブ人工弁(145例)もしくは外科的ステント付き生体弁の植込み(135例)に、1:1の割合で無作為に割り付けられた。1次複合エンドポイントは、1年目における、Valve Academic Research Consortium-2 (VARC-2)基準に基づく全死亡率、脳卒中および心筋梗塞。

人種は、リスクか?- CREOLE試験の挑戦(解説:石上友章氏)-1065

米国は、人種のるつぼといわれる、移民の国である。17世紀、メイフラワー号に乗船したピルグリム・ファーザーズによるプリマス植民地への入植は、その当初友好的であったといわれている。しかし、米国建国に至る歴史は、対立抜きに語ることはできない。対立は、民族であったり、皮膚の色であったり、宗教の対立であった。高血圧の領域には、半ば伝説的な“学説”が信じられており、驚くべきことに、今に至るも受け入れられている。筆者も学生時代の当時、講義中に語られたと記憶している。

日本の高齢者、痩せと糖尿病が認知症リスクに

 わが国の高齢者において、痩せていること(BMI 18.5kg/m2未満)と糖尿病が認知症発症のリスク因子であり、BMIが低いほど認知症発症率が高いことが、JAGES(Japan Gerontological Evaluation Study:日本老年学的評価研究)のコホートデータを用いた山梨大学の横道 洋司氏らの研究で示された。また、本研究において認知症発症率が最も高かったのは高血圧症を持つ痩せた高齢者で、次いで脂質異常症を持つ痩せた高齢者であった。Journal of Diabetes Investigation誌オンライン版2019年6月17日号に掲載。

「傾向が認められた」を巡る最近の議論(解説:香坂俊氏)-1064

今回取り上げるPRINCESS研究(JAMA誌に2019年5月に発表)の大枠の結果は以下のとおりであった。鼻カヌラ冷却装置による早期低体温療法の効果を検討。671人の院外心肺停止患者(witnessed:目撃者あり)を対象。90日目後予後に「改善の傾向」は認められたが、有意差なし。このうえさらに電気ショック可能であった患者での層別化解析も行われているが、こちらも「改善の傾向」を認めるのみで、統計学的な有意差は認められなかった。心肺停止症例に対する介入に関しては、低体温療法のみならずさまざまな早期介入手段に関してあまり芳しくない結果が続いている。

アルバイト代は200万円未満が6割

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で年収に占めるアルバイト代について尋ねたところ、約60%の医師が年間で200万未満と回答、次いで約10%の医師が200~400万円と回答した。  年代別にみると35歳以下の医師で年収に占めるアルバイト代200万円未満の割合は44%、36~45歳では54%、46~55歳では71%と年代が上がるにつれ、収入におけるアルバイト代比率は低くなり、若い医師ほどアルバイト代に依存する割合が高いことが明らかになった。

中高年ハイリスク2型DMにデュラグルチドが有用/Lancet

 心血管疾患の既往または心血管リスク因子を有する2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおいて、デュラグルチド(商品名:トルリシティ)皮下注は有用なマネジメントの方法となりうることが、カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らが実施した「REWIND試験」で示された。研究の詳細はLancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。デュラグルチドは多くの国で、2型糖尿病患者の高血糖のマネジメントに資するとして承認を得ている、長時間作用型のGLP-1受容体作動薬であり、心血管疾患の既往のある患者において、心血管アウトカムの改善効果が報告されている。

経口セマグルチドの心血管安全性を確認/NEJM

 心血管リスクが高い2型糖尿病患者を対象とした、標準治療への経口セマグルチド追加投与の安全性を評価した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Peptide Innovation for Early Diabetes Treatment 6:PIONEER 6試験」の結果が報告された。カナダ・トロント大学のMansoor Husain氏らによる検討で、心血管安全性について、経口セマグルチドのプラセボに対する非劣性が示された。GLP-1受容体作動薬セマグルチドは、現在国内外で承認・発売されているのは皮下注射剤のみで、経口剤の心血管安全性を確立することが望まれていた。NEJM誌オンライン版2019年6月11日号掲載の報告。