外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:152

BRCA1/2突然変異キャリアの30歳以前の放射線検査は乳がんリスクを倍増

 BRCA1/2突然変異を有する女性の30歳前の放射線検査は、乳がんリスクを増大することが示された。オランダ・がん研究所のAnouk Pijpe氏らが、1,993例を対象とした後ろ向きコホート研究「GENE-RAD-RISK」の結果、報告した。リスクの増大は照射線量依存的で、その他の放射線曝露コホートで増大が認められた人よりも少ない照射線量でリスクの増大がみられたという。BMJ誌2012年10月13日号(オンライン版2012年9月6日号)掲載報告より。

心臓手術における抗線溶薬アプロチニンは安全性に懸念が残る:メタ解析/BMJ

 心臓手術における抗線溶薬アプロチニンの使用について、カナダ・オタワ病院のBrian Hutton氏らはメタ解析の結果、断定的なことは言えないとしながらも、観察データを含めれば安全性に関して懸念が残ることが示唆されたと述べ、トラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)やイプシロンアミノカプロン酸がより安全で効果的な選択肢であると結論づけた。アプロチニンは安全性の理由から2008年以降、市場供給が停止されていたが、最近、ヨーロッパとカナダで再上市されたという。BMJ誌2012年9月11日号より。

外傷性出血患者へのトラネキサム酸投与、重症度を問わず死亡リスクを減少

 外傷性出血患者の死亡および血栓イベントに関するトラネキサム酸(商品名:トランサミンほか)投与の効果について検討した、国際多施設共同無作為化試験「CRASH-2」データ解析の結果、トラネキサム酸投与は重症度を問わず幅広い患者に、安全に投与可能であることが明らかにされた。英国・London School of Hygiene and Tropical MedicineのIan Roberts氏らによる報告で、BMJ誌2012年10月6日号(オンライン版2012年9月11日号)で発表した。

小児心臓手術後の血糖コントロール、厳格群vs.標準群のアウトカム

 小児心臓手術後の血糖コントロールについて厳格群と標準群とを比較した結果、厳格群のほうが低血糖の発生率は低くコントロール達成可能だった。しかし感染率、死亡率、心臓ICU入室期間、臓器不全については、有意な変化はみられないことが報告された。米国・ボストン小児病院のMichael S.D. Agus氏らが行った前向き無作為化試験の結果で、NEJM誌2012年9月27日号(オンライン版2012年9月7日号)で発表した。これまでいくつかの成人を対象とした試験では、心臓手術後の厳格血糖コントロールがアウトカムを改善することが示されていたが、小児に関しては非常に重篤な高インスリン性の低血糖症のリスクがあり、ベネフィットは明らかではなかった。

乳がん患者と医療スタッフとのコミュニケーションを円滑にするための冊子

 特定非営利法人キャンサーネットジャパン、日本イーライリリー株式会社、株式会社毎日放送、アメリカンホーム保険会社は4日、乳がんに関する基礎知識や、患者が病気を理解するために医師に質問すべきことなどをまとめた冊子『もっと知ってほしい乳がんのこと』を作成したことを発表した。冊子を活用してもらうことで、乳がん患者が納得のいく治療を受けられるようになることを目的としている。

非心臓手術後の院内死亡率は予想以上に高い:EuSOS試験

 欧州で非心臓手術を受けた患者の院内死亡率は4%と予想以上に高く、各国間に大きなばらつきがみられることが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリーのRupert M Pearse氏らが行ったEuSOS試験(http://eusos.esicm.org/)で示された。毎年、世界で2億3,000万件以上の大手術が行われ、術後の最大の死因は合併症であり、これまでに国レベルで実施された数少ない調査では術後の死亡率は1.3~2.0%と報告されている。術後の転帰には施設間や医療システム間に異質性が存在するとのエビデンスが示されており、これは患者ケアに改善の余地があることを示唆するという(たとえば、合併症リスクが高い患者の集中治療室への入院の普及)。Lancet誌2012年9月22日号掲載の報告。

肥満外科手術患者の術後20年間の医療サービス利用コスト

 肥満外科手術を受けた患者の20年間の医療サービス利用について、従来療法を受けた対照群と比較した結果、手術群のほうが入院医療を多く利用しており、最初の6年間は外来利用も多かったが、それ以降の外来利用は両群で有意差はなかった。また、7~20年目の薬剤コストは手術群のほうが有意に低かったことが報告された。スウェーデン・ヨーテボリ大学のMartin Neovius氏らによるSwedish Obese Subjects試験の結果で、肥満外科手術は体重減を維持し、糖尿病、心血管イベント、がんの発生率を低下し生存を改善することが示されていたが、長期にわたる医療サービス利用への影響については不明であった。JAMA誌2012年9月19日号の掲載報告。

睡眠時無呼吸症候群に対して肥満外科手術は有効か?

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対する肥満外科手術は従来療法と比較して、大幅に体重は減少するものの、達成無呼吸低呼吸指数(AHI)については有意差を伴う減少は認められなかったことが、オーストラリア・モナッシュ大学のJohn B. Dixon氏らによる無作為化試験の結果、報告された。OSAは肥満と強く関連しており、肥満を有するOSA患者では体重減が治療計画において推奨されている。しかし、これまでその有効性を検討した無作為化対照試験は行われていなかった。JAMA誌2012年9月19日号の掲載報告。

静脈性下腿潰瘍、新規のスプレー式細胞療法が有効

 静脈性下腿潰瘍の治療として、新たに開発されたスプレー式の細胞療法(HP802-247)が有効なことが、米国・マイアミ大学Leonard M Miller医学校のRobert S Kirsner氏らの検討で示された。静脈性下腿潰瘍患者の多くは現在の標準治療では治癒しないという。HP802-247は、増殖を停止させた同種新生児角化細胞と線維芽細胞を含むスプレー薬で、静脈性下腿潰瘍の新たな細胞療法として開発が進められている。Lancet誌2012年9月15日号(オンライン版2012年8月3日号)掲載の報告。

〔CLEAR! ジャーナル四天王(18)〕 安全な内視鏡的大伏在静脈グラフト(SVG)採取には熟練した内視鏡術者が不可欠である

 冠動脈バイパス手術(CABG)で内視鏡を用いた大伏在静脈グラフト(SVG)採取は、米国では一般的な術式である。2009年に報告されたPREVENT IV Trialでは、グラフト1年開存率で内視鏡的SVG採取は外科的採取よりも劣り、3年生存率でより高い死亡率を示した。内視鏡的採取は技術依存性が高く、非熟練者による採取ではグラフト内膜損傷などグラフトの質が落ちるのは明らかである。