外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:151

家族性のがんリスクに関する検討/BMJ

 がんの家族性リスクが早期発症例に限定されるかどうかを判断するため、ドイツがん研究センターのE Kharazmi氏らは、全国規模のSwedish Family-Cancer Databaseを用いて前向きコホート研究を実施した。その結果、「子」のがんリスクが最も高くなるのは「親」が若い年齢で同一がんが診断された場合だが、「親」が高齢で診断された場合においてもリスクが増加することが認められた。著者は、「家族性のがんは、高齢でがんに罹患した家族を持つ人々における早期発症をいうのではなく、早期発症と遅発性発症という別個の構成要素があるのかもしれない」と考察している。BMJ誌2012年12月20日号に掲載。

乳がんのリスクにおけるアルコールと葉酸の影響は?~日本人での研究

 葉酸は、アルコールとの相互作用により、多くのがんのリスクに影響を及ぼすことが示唆されているが、これらの因子がアジア人の乳がんリスクに及ぼす影響については十分に検討されていない。今回、閉経前および閉経後の日本人女性の乳がん患者1,754例とコントロール3,508例におけるケースコントロール研究の結果が、European journal of cancer prevention誌オンライン版2012年11月20日号に報告された。

日本人女性におけるマンモグラフィー検診は生存率向上に効果があるのか?

 マンモグラフィー検診の有効性については、主に欧米諸国の研究によって実証されている。東北大学の河合賢朗氏らは、検診でスクリーニングされた中間期乳がんの40~69歳の日本人女性における累積生存率と乳がんによる死亡リスクについて、乳房視触診とともにマンモグラフィー検診を実施した群、乳房視触診単独群、自己検診群の3群に分け評価した。その結果、40~69歳の日本人女性においては、生存率と乳がんによる死亡リスクの観点からは、乳房視触診とマンモグラフィー検診を実施するほうがマンモグラフィー単独や自己検診より効果的である可能性が報告された。Breast Cancer誌オンライン版2012年12月14日号に掲載。

中間期乳がん患者の予後、マンモスクリーニング未実施乳がん患者と同程度/BMJ

 中間期乳がん患者の予後は、マンモグラフィスクリーニング未実施の乳がん患者と同程度であることが明らかにされた。米国・ハーバード公衆衛生大学院のMette Kalager氏らが、住民ベースの観察コホート研究の結果、報告した。先行研究では、無作為化試験または観察研究いずれにおいても、とりわけサンプルサイズが100例以下と小さく結果は限定的であった。本検討では、7,100余名の被験者を対象とし評価が行われた。BMJ誌2012年12月1日号(オンライン版2012年11月16日号)掲載より。

マンモ検診は、過剰診断を増やしただけ?/NEJM

 米国では1980年代からマンモグラフィによるスクリーニングが始まっており、その後の実施率増加とともに早期乳がん罹患率は大幅に増加したが、一方で進行期乳がん罹患率の減少は、ごくわずかであったことが報告された。また、マンモグラフィにより検出された早期乳がんの中には、その後臨床的症状を発症することがなかった、いわゆる過剰診断も多く、その数は過去30年間で130万人に上ると推定されたという。米国・Oregon Health and Science UniversityのArchie Bleyer氏らの調べで明らかになったもので、NEJM誌11月22日号で発表した。

進行性乳がん患者に対するTDM-1、無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長/NEJM

 トラスツズマブエムタンシン(TDM-1)は、HER2陽性進行性乳がん患者[トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)とタキサン系薬剤による治療歴のある]に対して、ラパチニブ+カペシタビン療法と比較して無増悪生存期間、全生存期間を有意に延長することが示された。毒性も低かった。TDM-1は、抗体医薬品トラスツズマブと化学療法薬のDM1が安定したリンカーにより結合した抗体薬物複合体である。カナダ・Sunnybrook Odette Cancer CentreのSunil Verma氏らEMILIA試験グループによるTDM-1の有効性と安全性を検討した第3相無作為化試験の結果は、NEJM誌2012年11月8日号(オンライン版2012年10月1日号)で発表された。

シスプラチンベースレジメンにおける静脈血栓塞栓症のリスクを検討

シスプラチンと血栓塞栓症リスク増加の関連を示唆する報告がいくつかあるが、シスプラチンベースの化学療法による静脈血栓塞栓症(VTEs)のリスクについての研究は十分ではない。米国のSonia Seng氏らは、無作為化比較試験の系統的レビューとメタアナリシスを行い、シスプラチンベースの化学療法が非シスプラチンベースの化学療法と比べて、進行固形がん患者の有意なVTEsリスクの増加と関連していることを報告した。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年11月13日号に掲載。