外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:134

最新鋭のがん患者用手引きHPで公開-静岡がんセンター

 近年、がん治療の分野では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤などの新薬が次々に発売されている。また、多剤併用による治療、外来患者の増加により、治療・副作用対策の指導が複雑なものになりつつある。そんな折、2019年2月25日に静岡県立静岡がんセンターは、これらの問題を解決するべく、「処方別がん薬物療法説明書【患者さん向け】」をホームページ上に公表した。  この説明書は、抗がん剤治療の全貌がわかるように作成されている。そして、これを患者に渡すのは医師であり、がん薬物療法の決定後、治療前に患者へ手渡しされる。その後、薬剤師や看護師がその冊子を用いて、必要に応じて説明を行うそうだ。

ごく早期に発現するがん悪液質の食欲不振とグレリンの可能性/JSPEN

 本年(2019年)2月、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会(JSPEN2019)が開催された。その中から、がん悪液質に関する発表について、日本緩和医療学会との合同シンポジウム「悪液質を学ぶ」の伊賀市立上野総合市民病院 三木 誓雄氏、教育講演「がんの悪液質と関連病態」の鹿児島大学大学院 漢方薬理学講座 乾 明夫氏の発表の一部を報告する。  伊賀市立上野総合市民病院 三木 誓雄氏は「がん悪液質の病態評価と治療戦略」の中で次のように発表した。

新規抗体薬物複合体、難治性の転移TNBCに有効/NEJM

 開発中のsacituzumab govitecan-hziyは、2レジメン以上の前治療歴のある転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者の3分の1に客観的奏効をもたらし、奏効期間中央値は7ヵ月以上に及ぶことが、米国・マサチューセッツ総合病院のAditya Bardia氏らが実施した第I/II相試験(IMMU-132-01試験)で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月21日号に掲載された。前治療歴のあるTNBC患者では、標準化学療法は奏効率が低く、無増悪生存(PFS)期間が短いことが知られている。本薬は、ヒト栄養膜細胞表面抗原2(Trop-2)を標的とするヒト化モノクローナル抗体に、トポイソメラーゼI阻害薬イリノテカンの活性代謝産物であるSN-38を、切断可能なリンカーで結合させた抗体薬物複合体であり、腫瘍に高濃度のSN-38を送達できるという。

がんマネジメントに有用な栄養療法とは?

 2019年2月14、15日の2日間にわたり、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会が開催された。1日目のシンポジウム3「がんと栄養療法の実際-エビデンス?日常診療?」(司会:比企 直樹氏、鍋谷 圭宏氏)では、岡本 浩一氏(金沢大学消化器・腫瘍・再生外科)が「食道がん化学療法におけるCAWLと有害事象対策としての栄養支持療法」について講演。自施設での食道がん化学療法におけるがん関連体重減少(CAWL)・治療関連サルコペニア対策としての栄養支持療法について報告した。

会員医師が感じる医師不足・偏在の問題

 2月15日に厚生労働省において「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第28回)」が開催され、将来の医師数不足、診療科による医師数偏在に関する資料が公開された。CareNet.comでは、この発表をうけ、「現在・将来の医師不足、偏在について」をテーマに緊急アンケートを会員医師に行った。今回、その結果がまとまったのでお伝えする。  調査は、2019年2月20日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は340名。

非浸潤性乳管がん、局所治療しない場合の進行・死亡リスク

 非浸潤性乳管がん(DCIS)と診断された女性の大多数が治療を受けるため、局所治療していない女性の浸潤性乳がんへの進行および死亡リスクは不明である。今回、米国・デューク大学メディカルセンターのMarc D. Ryser氏らの研究により、局所治療を受けていないDCIS患者の浸潤がん進行リスクは限られることが示唆された。また、今回の研究コホートはDCISと診断された患者の一般集団を代表するものではないが、高齢者や併存疾患の多い患者においてとくに過剰治療の可能性があることが示唆された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2019年2月13日号に掲載。

早期乳がん術後化療、dose-intenseが有益/Lancet

 早期乳がんの術後化学療法において、治療サイクル間隔の短縮、あるいは同時投与ではなく逐次投与により用量強度を高めるレジメンは、他の原因による死亡を増加させることなく、乳がんの10年再発リスクおよび死亡リスクを低下させうることが、英国・オックスフォード大学のEarly Breast Cancer Trialists' Collaborative Group(EBCTCG)らの検討で明らかとなった。治療サイクルの間隔短縮や低用量の同時投与よりも、むしろ十分量の逐次投与による細胞傷害性化学療法の用量強度の増強は、有効性を高めるのではないかと考えられていた。Lancet誌オンライン版2019年2月7日号掲載の報告。

女性医師、外科研修の中途離脱を回避するには/Lancet

 外科医の研修プログラムを途中で辞めた女性医師を対象に、その理由を調査したところ、「休暇を取るのが困難」「同じ専門医の女性同士の交流が少ない」「支援体制の欠如」など6つの要因が浮き彫りになった。オーストラリア・Gold Coast Hospital and Health ServiceのRhea Liang氏らが、女性医師12人へのインタビューで明らかにしたもので、Lancet誌2019年2月9日号で発表した。英国とオーストララシアでは、外科専門医のうち女性医師の占める割合はわずか11%で、外科研修プログラムを途中で辞めてしまう割合も女性医師が男性医師より高いという。

16県が医師少数、改正医療法で是正となるか?

 全国からの「医師不足」の声に対し、医師確保計画を通じた医師偏在の解消は喫緊の課題である。医師偏在の度合いを示す新たな指標として「医師偏在指標」の導入が決まっている。2019年4月に施行される改正医療法では、都道府県が二次医療圏単位で医師偏在指標に応じ、医師少数区域・医師多数区域を設定する。医師多数/少数区域の基準値として、医師偏在指標の上位/下位33.3%が定められる方針だ(三次医療圏においても同様の基準を使用)。また、医師少数区域以外で医師の確保をとくに図るべき区域(離島、へき地など)を、別枠の「医師少数地区」として省令で定めるという。医師確保計画の終了時点である2036年までに、最も医師偏在指標が小さい医療圏においても医療需要を満たすことが目標とされる。

内科医不足、2030年には推計1万6,226人になる恐れ

 厚生労働省は2019年2月、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しと、都道府県ごとに将来時点で推測される不足医師数の推計を公表した。  資料によると、2016年時点での不足医師数は内科で9,275人、外科で5,656人、産婦人科で2,179人、小児科で2,033人、脳神経外科で1,309人、整形外科で1,153人であり、6つの科で1,000人以上不足している状況だった。このまま医師の数が変わらない場合、5年後の2024年に不足する内科医は1万4,468人、外科医は5,831人、2030年に不足する内科医は1万6,226人、外科医は5,520人となる恐れがあるという。