外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:133

全身麻酔と認知症リスクに関するコホート研究

 全身麻酔が認知症リスクを増加させる可能性があることについて、関心が高まっている。しかし、麻酔とその後の認知症との関連については、まだよくわかっていない。韓国・翰林大学校のClara Tammy Kim氏らは、全身麻酔実施後に認知症リスクが増加するかについて検討を行った。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年3月29日号の報告。

StageIII大腸がんの術後補助化学療法、短縮は可能か?/NEJM

 StageIII大腸がん患者において、FOLFOX療法またはCAPOX療法による術後補助化学療法の3ヵ月投与は、全体集団では6ヵ月投与に対する非劣性が確認されなかったものの、サブグループ解析の結果、CAPOX療法を受けた、とくに低リスク症例において、3ヵ月投与は6ヵ月投与と同程度に有効であることが示された。米国・メイヨー・クリニックのAxel Grothery氏らが、StageIII大腸がん患者を対象とした術後補助化学療法の無作為化第III相試験6件を前向きに統合解析する、International Duration Evaluation of Adjuvant Therapy(IDEA)collaborationの結果を報告した。2004年以降、StageIII大腸がんに対する術後補助化学療法は、オキサリプラチンとフルオロピリミジン系薬を6ヵ月間併用するレジメンが標準治療となっている。しかし、オキサリプラチンは神経毒性の蓄積と関連があるため、治療期間の短縮による毒性や医療費の軽減が期待されていた。NEJM誌2018年3月29日号掲載の報告。

オラパリブの乳がんコンパニオン診断プログラムが国内承認

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は3月29日、ミリアド ジェネティック ラボラトリーズ,インク(本社:アメリカ合衆国ユタ州ソルトレークシティ)が、オラパリブ(商品名:リムパーザ)の乳がん患者への適応判定のコンパニオン診断プログラムとして、「BRACAnalysis診断システム」の外国製造医療機器としての国内における製造販売承認を取得したと発表。オラパリブの「BRCA遺伝子変異陽性の手術不能または再発乳がん」の適応については、アストラゼネカが国内承認申請中。

超加工食品摂取割合の増加はがんリスクを高める可能性が大!(解説:島田俊夫氏)-828

私達人類は、歴史的には食物を糧にして生命維持に必要なエネルギーを元来、狩猟民として肉食または雑食により生きてきたが、農耕の定着により安定して食物を得ることが可能になったため、炭水化物(糖質+食物線維)からより多くのエネルギーを取り入れる現代の生活様式を確立した。主に糖質による摂取エネルギーの過剰および交通手段の発達に伴う運動量の減少影響も加わり、肥満を招き生活習慣病の増加に拍車がかかっている。さらに、先進国においては夫婦共働きの家庭が増加する社会の中で、加工食品からのエネルギーの摂取増加が、その利便性のために増え続けている。その一方で、保存期間の延長、見ためをよくするなどの目的で、食品添加物、安定剤、発色剤、防腐剤、砂糖、油脂、塩などが添加されている。このような食品加工技術の進歩の裏で、食の安全性が損なわれていることを決して忘れてはならない。2018年2月14日にBMJ誌に掲載されたFiolet T氏らの論文は、超加工食品とがんの関係にスポットライトを当てたインパクトの大きい論文であり、私見をコメントする。

日本の乳がん長期生存率の改善度~年齢・病期別

 近年、乳がんの5年生存率は日本および他の国々で改善しているが、10年生存率の改善や年齢・病期別の改善度は不明である。今回、愛知県がんセンター中央病院の吉村 章代氏らが地域がん登録データを用いて検討し、10年相対生存率が1993~2006年で2.4%改善したことを報告した。また、年齢・病期別の分析では、15~34歳および遠隔転移での改善度が非常に小さく、これらの患者における新しい治療戦略の必要性が示唆された。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年2月24日号に掲載。

超加工食品の摂取量、全がんリスク上昇と関連/BMJ

 食事における超加工食品(ultra-processed food)の割合が10%上昇すると、全がんリスクおよび乳がんリスクが10%以上有意に上昇することを、フランス・パリ第13大学のThibault Fiolet氏らが、前向き大規模コホート研究の結果で報告した。超加工食品は、低栄養価、添加物、食品と接触するパッケージの材質、製造・加工・貯蔵で生成される化合物によって特徴付けられる。がんリスクとの関連についての疫学データは不足しているが、これまでの研究では、一般に超加工食品と認識される特徴要素の中に発がん作用がある可能性が示唆されていた。BMJ誌2018年2月14日号掲載の報告。

心房細動とがんは関連するのか

 心房細動(AF)とがんリスクとの関連について、前向きコホート研究を含むいくつかの研究で示唆されているが、関連の大きさと時間性は不明である。今回、イスラエル・Lady Davis Carmel Medical CenterのWalid Saliba氏らが2つの大規模研究のデータを用いて検討した結果、AF直後の90日間ではがんリスクは増加したが、90日を超えると新規がん診断のオッズが低下した。この研究結果から、先行研究でみられた関連が、因果関係よりもむしろがんの診断や検出バイアスの関連による可能性が示唆された。PLoS One誌2018年1月11日号に掲載。