せん妄、栄養失調、転倒、脱水症状などの、高齢者によく見られ、医師の診察や治療を必要とする多種多様な健康問題は、老年症候群と呼ばれる。新たな研究で、大手術後の老年症候群の発症は予後不良と関連することが明らかになった。手術後の回復期間中にこうした問題が生じた高齢者は、1年以内に死亡するリスクが高く、病院や介護施設での滞在期間が長くなることが示されたという。米オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターのTimothy Pawlik氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of the American College of Surgeons」に11月20日掲載された。
Pawlik氏は、「老年症候群は、『炭鉱のカナリア』のように、患者の潜在的な脆弱性を知らせる前兆となる可能性がある。こうした症状を加齢の当然の現象として片付けないことが極めて重要だ。これらは、入院中も退院後も患者がより綿密なモニタリングと適切なサポートを必要とすることを示す重要な警告サインなのだ」と述べている。