膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ

米FDAが免疫不全患者に対するコロナ抗体併用療法を緊急使用許可

 米食品医薬品局(FDA)は12月8日、免疫機能の低下した患者や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンを接種できない患者を対象に、英アストラゼネカ社が開発したEvusheldの緊急使用を許可したことを発表した。Evusheldはチキサゲビマブとシルガビマブの同梱製剤で、COVID-19の曝露前予防を適応としている。FDA医薬品評価研究センターのPatrizia Cavazzoni氏は、「今回の措置は、このような患者のCOVID-19発症リスクを低減する目的で、2種類のモノクローナル抗体の併用を認めるものである」と述べている。  Evusheldの投与対象は、現在、新型コロナウイルスに感染しておらず、かつ直近で新型コロナウイルス感染者に接触していない成人および12歳以上で体重40kg以上の小児である。投与対象はその他にも、1)疾患や治療が原因で中等度から重度の免疫不全が認められ、COVID-19ワクチン接種により十分な免疫応答が得られない可能性がある、2)COVID-19ワクチン接種またはワクチンに含まれる成分に対して重篤な有害事象が生じたことがあるため、ワクチン接種が推奨されない、のいずれかの条件を満たす必要がある。

免疫抑制薬の使用中でもコロナ重症化リスクは上昇しない

 新型コロナウイルス(COVID-19)による入院患者が免疫抑制薬を使用している場合でも、免疫系が正常に機能している患者に比べて、重症化リスクは増大しないことが新たな研究で明らかにされた。この研究を実施した、米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部のKathleen Andersen氏は、「免疫抑制薬を使用中の患者は、パンデミック中でも安全に同薬を継続使用できる」と述べている。この研究の詳細は、「The Lancet Rheumatology」に11月15日掲載された。

モノクローナル抗体ianalumab、中等~重症の原発性シェーグレン症候群に有効/Lancet

 原発性シェーグレン症候群(眼球や口腔の乾燥、全身症状、生活の質[QOL]の低下を特徴とする自己免疫疾患)の治療において、B細胞活性化因子(BAFF)受容体を阻害するモノクローナル抗体製剤ianalumab(VAY736)はプラセボと比較して、24週時の疾患活動性が用量依存的に低下し、忍容性や安全性も良好で感染症の増加は認められないことが、英国・バーミンガム大学病院のSimon J. Bowman氏らが実施した「VAY736A2201試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年11月30日号で報告された。  本研究は、中等度~重度の原発性シェーグレン症候群患者におけるianalumabの安全性と有効性の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験(第IIb相用量設定試験)であり、2017年6月~2018年12月の期間に、19ヵ国56施設で患者登録が行われた(Novartis社の助成を受けた)。

超低用量リツキシマブ、関節リウマチ治療で長期的な効果を発揮

 関節リウマチ患者を対象とした臨床試験から、リツキシマブの使用量を超低用量に減らした場合でも、疾患活動性のコントロールにおいて最長で4年間にわたり、通常用量を使用した場合と同程度の効果が得られることが示された。この臨床試験を率いたシント・マールテン病院(オランダ)のNathan den Broeder氏らは、「一部の患者ではリツキシマブの減量投与によって副作用を減らし、治療に必要な時間を短縮できる可能性がある」との見解を示している。この研究結果は、米国リウマチ学会(ACR 2021、11月3~9日、オンライン開催)で発表された。

SLEに待望の治療薬が発売/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬アニフロルマブ(商品名:サフネロー)点滴静注300mgを11月25日より販売開始した。アニフロルマブは、完全ヒト型モノクローナル抗体であり、I型インターフェロンα受容体のサブユニット1(IFNAR1)を標的とする治療薬。用量調整が不要で、4週間ごとに1回30分以上かけて投与する点滴静注製剤。  SLEは、免疫系が体内の正常な組織を攻撃する自己免疫疾患。慢性的であり、さまざまな臨床症状を伴う複雑な疾患であるため、多くの臓器に影響を及ぼし、疼痛、発疹、倦怠感、関節の腫れ、発熱など幅広い症状の原因となる。SLE患者の50%以上は、本疾患自体あるいは既存の治療薬が原因の恒久的な臓器障害を引き起こし、症状が増悪や死亡リスクの上昇につながる。世界中に少なくとも500万人がある種のループス疾患に罹患していると推定されている。

コロナワクチン、免疫不全患者には4回接種が必要か

 疾患やそれに対する治療により免疫システムの機能が低下している免疫不全患者では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン(米ファイザー社製、または米モデルナ社製のワクチン)の防御効果を高めるために、4回目の接種が必要になるかもしれない。そんな研究結果が、米インディアナ大学のPeter Embi氏らによる研究で示唆された。この研究結果は、「Morbidity and Mortality Weekly Report」11月5日号に掲載された。  免疫不全患者では通常、COVID-19の重症化リスクが高い。しかし、これらの人では、免疫システムが正常に機能している人に比べて、2回のmRNAワクチン接種により得られる防御効果が低い可能性のあることが指摘されている。

バリシチニブが新型コロナ入院患者の死亡リスクを低減か

 世界中の医師が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者の治療に苦慮する中、希望を抱かせる研究結果が報告された。関節リウマチ治療薬のバリシチニブ(商品名オルミエント)が、COVID-19入院患者の死亡リスクを低減させる可能性のあることが明らかになった。米ヴァンダービルト大学メディカルセンター教授のE. Wesley Ely氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Respiratory Medicine」に9月1日掲載された。  Ely氏は、「レムデシビルやデキサメタゾン、トシリズマブによる治療は進歩してはいるものの、入院患者の死亡率低減という点では、依然として満足できる成果は得られていない」と述べる。

アニフロルマブがSLEに適応承認を取得/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、2021年9月27日付で既存治療にて効果不十分な全身性エリテマトーデス(SLE)の成人患者の治療薬としてI型インターフェロン受容体抗体アニフロルマブ(商品名:サフネロー点滴静注 300mg)がわが国で承認を取得したと発表した。  SLEは、免疫系が体内の正常な組織を攻撃する自己免疫疾患で、慢性的にさまざまな臨床症状を伴う複雑な疾患であるため、多くの臓器に影響を及ぼし、疼痛、発疹、倦怠感、関節の腫れ、発熱など幅広い症状の原因となる。

喫煙者の子どもは成人期の関節リウマチ発症リスクが高い

 受動喫煙は子どもの肺に悪影響を及ぼすことが知られているが、影響はそれだけではないようだ。両親に喫煙習慣があった子どもは、後年に関節リウマチ(RA)を発症しやすいことが、新たな研究で明らかにされた。論文の筆頭著者である、米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の吉田和樹氏は、「この知見は、最も頻繁に生じる自己免疫疾患の1つであるRAの発症に、喫煙が大きな影響を及ぼすことを再認識させるものだ」と話している。研究の詳細は、「Arthritis & Rheumatology」に8月18日掲載された。  RAは、多発性の関節炎を特徴とする炎症性疾患である。RAの発症には遺伝的要因と環境要因の双方が関与するものの、喫煙は最も確立されたリスク因子と考えられている。しかし、受動喫煙とRA発症リスクとの関係については、これまで十分に研究されてこなかった。

関節リウマチ診療ガイドライン改訂、新導入の治療アルゴリズムとは

 2014年に初版が発刊された関節リウマチ診療ガイドライン。その後、新たな生物学的製剤やJAK阻害薬などが発売され、治療方法も大きく変遷を遂げている。今回、6年ぶりに改訂された本ガイドライン(GL)のポイントや活用法について、編集を担った針谷 正祥氏(東京女子医科大学医学部内科学講座膠原病リウマチ内科学分野)にインタビューした。  本GLは4つの章で構成されている。主軸となる第3章には治療方針と題し治療目標や治療アルゴリズム、55のクリニカルクエスチョン(CQ)と推奨が掲載。第4章では高額医療費による長期治療を余儀なくされる疾患ならではの医療経済的な側面について触れられている。