呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:164

ソトロビマブ、高リスクの軽~中等症COVID-19への第III相中間解析/NEJM

 高リスクの軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者において、抗SARS-CoV-2モノクローナル抗体ソトロビマブは、疾患進行リスクを軽減することが示された。安全性シグナルは確認されなかった。カナダ・William Osler Health CentreのAnil Gupta氏らが、現在進行中の第III相多施設共同無作為化二重盲検試験「COMET-ICE試験」の、事前規定の中間解析の結果を報告した。COVID-19は、高齢および基礎疾患のある患者で入院・死亡リスクが高い。ソトロビマブは疾患早期に投与することで高リスク患者のCOVID-19の疾患進行を防ぐようデザインされた。NEJM誌オンライン版2021年10月27日号掲載の報告。

ファイザー製コロナワクチンBNT162b2 長期の有効性と安全性(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による第5波で多くの医療機関で災害級の対応を強いられたものと考えているが、2021年10月中旬現在において波は完全に引き潮となっている。コロナが落ち着いてきた要因はいろいろ囁かれているが、日本全土でコロナワクチン接種が普及したこと(2021年10月19日現在、日本でのコロナワクチン2回目接種終了率68.0%)は大きく影響していると考える。現場でも実際にコロナが収束傾向な状況は大変喜ばしいことと思っている。ファイザー製コロナワクチンBNT162b2の効果としては最初に95%の発症予防効果(Polack FP, et al. N Engl J Med. 2020;383:2603-2615.)が示され、その後もリアルワールドセッティングで感染予防効果率:92%、重症化予防効果率:92%、入院予防効果率:87%(Dagan N, et al. N Engl J Med. 2021;384:1412-1423.)とさまざまな臨床的有用性がすでに報告されている。さらに12~15歳の若年者ではBNT162b2コロナワクチンを2回接種後に新型コロナウイルス感染症を発症した症例は1例も認めずに高い有効性や安全性も示されている(Frenck RW Jr, et al. N Engl J Med. 2021;385:239-250.PMID:34043894)。本邦では医療従事者が先駆けてコロナワクチンを接種したことから、現場でも長期の有効性や安全性プロファイルは関心の高いところである。

コロナワクチンの追加接種の見通し/厚労省

 厚生労働省は、10月29日に事務連絡として全国の自治体に「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の議論と追加接種に関する今後の見通しについて」を発出した。  これは第25回 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(10月28日開催)で審議された内容を整理したものである。 1)追加接種について わが国でも追加接種は必要であり、現時点では2回目の接種を完了してからおおむね8ヵ月以上後から行うこととしつつ、今後のさらなる科学的知見を踏まえ、必要に応じて適宜見直すこと。 追加接種の対象者については、2回接種完了者すべてに対して追加接種の機会を提供することが現実的であること。その上で、国内外で得られるワクチンの効果などを踏まえ、特に接種することが望ましい者について検討を進め、国民へ広報などを行うこと。また、追加接種に使用するワクチンについては、1回目・2回目に用いたワクチンの種類にかかわらず、mRNAワクチン(ファイザー社ワクチンまたは武田/モデルナ社ワクチン)を用いることが考えられるが、引き続き科学的知見を収集し、検討を行うこと。 2)今後後のスケジュールについて 12月から開始を予定している追加接種の実施に向け、現時点で想定される今後のスケジュールは以下の通り。

『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン 2021年版』が発刊

 日本がんサポーティブケア学会が作成した『がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版』が10月20日に発刊した。外見(アピアランス)に関する課題は2018年の第3期がん対策推進基本計画でも取り上げられ、がんサバイバーが増える昨今ではがん治療を円滑に遂行するためにも、治療を担う医師に対してもアピアランス問題の取り扱い方が求められる。今回のがん治療におけるアピアランスケアガイドライン改訂は、分子標的薬治療や頭皮冷却法などに関する重要な臨床課題の新たな研究知見が蓄積されたことを踏まえており、患者ががん治療に伴う外見変化で悩みを抱えた際、医療者として質の高い治療・整容を提供するのに有用な一冊となっている。

統合失調症における呼吸器系疾患の有病率~メタ解析

 統合失調症患者は、死亡リスクが高く、その主な原因は呼吸器系疾患であるにもかかわらず、有病率などの調査は十分に行われていない。オーストラリア・クイーンズランド大学のShuichi Suetani氏らは、統合失調症患者における呼吸器系疾患の有病率を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Schizophrenia Research誌オンライン版2021年9月11日号の報告。  2020年4月27日までに公表された統合失調症患者(可能であれば対照群を含む)の呼吸器系疾患について調査した研究を、主要な電子データベースより検索した。分析では、ランダム効果メタ解析を実施した。

COVID-19の血栓症は本当の問題なのか?(解説:後藤信哉氏)

新型コロナウイルス感染は血管内皮細胞にも起こる。血管内皮細胞障害を介して深部静脈血栓症、脳血栓症などが増える。とくに、最初の武漢からのレポートでは入院例にヘパリンの抗凝固療法を施行していないこともあり、約半数の症例に静脈血栓イベントを認めたと注目された。米国、欧州などでは静脈血栓イベント予防のための低分子ヘパリンがルーチンになっていたが、それでも10~20%の症例に静脈血栓イベントを認めた。また、最近のランダム化比較試験にて静脈血栓の治療量を用いても、予防量投与時と重症化後には重篤な予後イベント発症率に差がないとされた。本研究では症候性ではあるが外来症例が対象とされた。新型コロナウイルス感染の予後が血栓症により規定されているのであれば、従来確立された抗血栓療法である抗血小板薬アスピリン、抗凝固薬アピキサバンは有効なように思われる。考えられた仮説に対してランダム化比較試験による検証をするのが欧米人の偉いところである。登録された症例はPCR陽性、有症候性の40~80歳の男女であった。

12~18歳のデルタ株への感染予防効果90%、ファイザー製ワクチン/NEJM

 デルタ変異株が流行しているイスラエルで、ファイザー製ワクチンの効果を12~18歳を対象とした観察コホート研究で調べたところ、2回目接種後7~21日の感染予防の有効率は90%、発症予防の有効率は93%だった。この結果から、ファイザー製ワクチンの接種完了後数週間は、デルタ株への感染とCOVID-19発症のどちらにも非常に有効であることが示唆された。米国・Boston Children's HospitalのBen Y. Reis氏らが、NEJM誌オンライン版2021年10月21日号のCORRESPONDENCEで報告した。

D-ダイマー高値のコロナ中等症、ヘパリン治療量の有効性は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院したD-ダイマー高値の中等症患者において、治療量のヘパリンは主要評価項目の有意な改善には至らなかったが、28日死亡リスクは低下し、大出血リスクは低いと考えられることが、カナダ・トロント大学のMichelle Sholzberg氏らによる医師主導の多施設共同無作為化非盲検(評価者盲検)比較試験「RAPID試験」で示された。これまで、無作為化試験において、治療量のヘパリンは中等症のCOVID-19入院患者には有益であるが、重症患者には効果がなく、治療量ヘパリンの開始時期が重要であることが示唆されていた。BMJ誌2021年10月14日号掲載の報告。

ファイザー社製COVID-19ワクチンの変異株に対する有効性の経時的変化(解説:小金丸博氏)

ファイザー社製のCOVID-19ワクチンのリアルワールドにおける有効性を評価した後ろ向きコホート研究がLancet誌に報告された。ワクチンの有効性は6ヵ月間持続するのか、デルタ変異株に対しても予防効果はあるのか、といった疑問に対する1つの答えを提示している。ワクチンのSARS-CoV-2感染に対する有効性は73%(95%信頼区間[CI]:72~74)だったが、ワクチン接種1ヵ月後と5ヵ月後を比べると、88%(同:86~89)から47%(同:43~51)に低下した。この現象はデルタ株、非デルタ株ともに認めており、ワクチンの感染予防効果は変異株の種類にかかわらず、経時的に低下することが示された。

進むがん遺伝子パネル検査普及と見える課題/日本癌治療学会

 1万8,329例中607例、8.1%。C-CATに登録されたわが国のがん遺伝子パネル累積検査数と、そこから治療に結び付いた症例数および割合である。  2021年10月20~23日に開催された第59回日本癌治療学会学術集会のワークショップにおいて、わが国のがん遺伝子パネル検査の現状が発表された。大幅な検査の増加とともに、いくつかの課題が示されている。