呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:163

ニボルマブ+化学療法の肺がん術前補助療法、無イベント生存率を改善(CheckMate-816)/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2021年11月8日、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法を評価する第II相CheckMate -816試験で、主要評価項目である無イベント生存率(EFS)の改善を達成したことを発表した。  事前に指定された中間分析において、ニボルマブと化学療法の併用による手術前補助療法は、化学療法単独と比較して、統計的に有意かつ臨床的に意味のあるEFSの改善が示した。  この併用では、すでにほかの主要評価項目である病理学的完全奏効の有意な改善が報告されている。

変異株流行期はワクチン接種率高くても制限解除は難しい?/Lancet

 集会の中止・禁止や教育施設の閉鎖、出入国制限、個人の移動制限、都市封鎖、個人用保護具の供給量増などの非医薬品介入(NPI)時期とワクチン接種状況とのバランスを慎重に調整すれば、NPIの緩和が原因となる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者急増のリスクは大幅に軽減される可能性があるものの、デルタ変異株については、ワクチン接種率が高くても、イングランドでの入院や死亡の再急増(第3波)を招くことのないNPIの全面解除はできなかった可能性があることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRaphael Sonabend氏らが実施した数理モデル解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年10月27日号に掲載された。  研究グループは、英国のコロナ対策ロードマップ、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のデルタ変異株の影響、および将来に起こりうる感染流行の軌跡を評価する目的で、疫学的数理モデルを用いた後ろ向き研究を行った(英国国立健康研究所[NIHR]などの助成を受けた)。

ロナプリーブがコロナ発症抑制に適応追加、投与対象は?

 厚生労働省は11月5日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として今年7月、国内における製造販売を承認した「ロナプリーブ」について、患者との濃厚接触者および無症状のSARS-CoV-2陽性者の発症抑制を目的とした使用を新たに認めた(適応追加の特例承認)。併せて、すでに承認されているCOVID-19治療においても、静脈内投与が困難な場合に皮下投与が可能となった。ただ、予防投与の対象は、ワクチン未接種またはワクチンによる効果が不十分な濃厚接触者または無症状の陽性者(いずれも原則として重症化リスク因子を有する人)と限定的になっている。また、発症予防の基本はワクチン接種であり、添付文書には同薬剤が「ワクチンに置き換わるものではない」と明記されている。

リサンキズマブ、重症喘息への有効性は?第IIa相試験/NEJM

 重症喘息の治療において、抗インターロイキン-23p19モノクローナル抗体リサンキズマブに有益性はなく、プラセボと比較して初回の喘息悪化までの期間が短く、喘息悪化の年間発生率が高いことが、英国・レスター大学のChristopher E. Brightling氏らの検討で示された。研究の詳細は、NEJM誌2021年10月28日号に掲載された。  本研究は、重症喘息の成人患者におけるリサンキズマブの有効性と安全性の評価を目的とする24週間の第IIa相二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、9ヵ国48施設が参加し、2015年8月~2018年2月の期間に実施された(AbbVieとBoehringer Ingelheimの助成を受けた)。  対象は、年齢18~75歳、スクリーニングの少なくとも1年前に喘息と診断され、中~高用量の吸入コルチコステロイドと、1種以上の長期管理薬(controller)の投与を受けている患者であった。  被験者は、リサンキズマブ90mgを4週ごとに皮下投与する群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。治療期間は24週で、観察期間は16週であった。

治療薬にソトロビマブを追加した診療の手引き6版/厚労省

 11月2日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6版」を公開した。 第6版の主な改訂点は以下の通り。 【1 病原体・疫学】 ・変異株について、VUM(監視下の変異株)を追加 ・感染経路・エアロゾル感染について更新 ・国内/海外発生状況を更新 【2 臨床像】 ・重症化リスク因子に日本COVIREGI-JPの解析を追加 (入院時酸素投与が必要である割合のリスクと入院中の死亡率が高い基礎疾患) ・小児の重症度について、日本小児科学会のレジストリ調査を追加 ・妊婦例の特徴について、日本産婦人科学会の調査を追加 ・症状の遷延(いわゆる後遺症)について、国内の調査を追加

アテゾリズマブ+ベバシズマブ+化学療法のNSCLC1次治療、EGFR変異、肝臓/脳転移例への有効性(IMpower150)/JTO

 アテゾリズマブ+ベバシズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(ABCP)またはアテゾリズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(ACP)とベバシズマブ+カルボプラチン/パクリタキセル(BCP)を評価する第III相IMpower150試験の、EGFR変異および肝臓または脳転移サブグループに関する全生存(OS)の最終解析が報告された。  IMpower150試験の対象は、化学療法未治療の切除不能な進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者1,202例。安定した既治療の脳転移症例は許可されている。  試験群はABCP群とACP群で対照群はBCP群である。対象患者は各群に無作為に割り付けられた。

中等症~重症喘息へのitepekimabの有効性と安全性~第II相試験/NEJM

 中等症~重症の喘息患者において、抗IL-33モノクローナル抗体itepekimabはプラセボと比較し、喘息コントロール喪失を示すイベントの発生率を低下させ、肺機能を改善することが、米国・National Jewish HealthのMichael E. Wechsler氏らによる第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ比較対照試験で示された。itepekimabは、上流のアラーミンであるIL-33を標的とした新規開発中のモノクローナル抗体である。これまで、喘息患者におけるitepekimab単剤療法、あるいはデュピルマブとの併用療法の有効性と安全性は不明であった。NEJM誌2021年10月28日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン後、4ヵ月と6ヵ月で効果の差は?/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のデルタ変異株に対する免疫は、2回目のワクチン接種から数ヵ月後には全年齢層において減弱したことが、イスラエル・Technion-Israel Institute of TechnologyのYair Goldberg氏らの研究で示された。イスラエルでは、2020年12月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の集団接種キャンペーンが開始され、大流行が急激に抑制された。その後、SARS-CoV-2の感染例がほとんどない期間を経て、2021年6月中旬にCOVID-19の流行が再燃。その理由として、デルタ(B.1.617.2)変異株に対するワクチンの有効性の低下と、免疫の減弱が考えられたが、イスラエルにおけるデルタ変異株に対するBNT162b2ワクチン免疫の減弱の程度は不明であった。NEJM誌オンライン版2021年10月27日号掲載の報告。

ワクチンの3回目Booster接種は感染/重症化予防効果を著明に改善する(解説:山口佳寿博氏、田中希宇人氏)

前論評(山口, 田中. ワクチン接種後の液性免疫の経時的低下―3回目Booster接種必要性の基礎的エビデンス)で論じたように、ワクチン接種後の液性免疫は、野生株、従来株、Delta株を中心とする変異株の別なく、月単位で有意に低下する。この液性免疫の経時的低下によって、Delta株を中心とする新型コロナウイルスの感染拡大(第6波)が今年の12月以降の冬場に発生する可能性を論評者らは危惧している。第6波の発生を避けるためには、ワクチン接種後の時間経過と共に低下した液性免疫を再上昇させるためのワクチン3回目接種(Booster接種)、あるいは、Delta株を中心とするコロナ変異株抑制能力が高く効果持続期間がワクチンと同等、あるいは、それ以上に長いIgG monoclonal抗体をワクチン代替薬として考慮する必要がある。

ワクチン接種後の液性免疫の経時的低下 - 3回目booster接種必要性の基礎的エビデンス (解説:山口佳寿博氏、田中希宇人氏)

Levin氏らはイスラエルにおいてBNT162b2を2回接種した一般成人におけるS蛋白IgG抗体価、野生株に対する中和抗体価の時間推移を6ヵ月にわたり観察した(Levin EG, et al. N Engl J Med. 2021 Oct 6. [Epub ahead of print] )。その結果、S蛋白IgG抗体価はワクチン2回接種後30日以内に最大値に達し、それ以降、IgG値はほぼ一定速度で低下し、6ヵ月後には最大値の1/18.3まで減少することが示された。野生株に対する中和抗体価の低下はS蛋白IgGと質的に異なり、中和抗体価は、2回接種後3ヵ月間は一定速度で低下、それ以降は、低下速度が緩徐となりほぼ横ばいで推移、6ヵ月後には最大値の1/3.9まで低下した。高齢、男性、併存症(高血圧、糖尿病、脂質異常症、心/腎臓/肝疾患)が2つ以上存在する場合にはS蛋白IgG抗体価ならびに中和抗体価の時間経過に伴う低下はさらに増強された。Levin氏らが示したのと同様の知見はShrotri氏らによっても報告された(Shrotri M, et al. Lancet. 2021;398:385-387. )。Shrotri氏らによると、BNT162b2の2回接種後70日(2.3ヵ月)以上経過した時点でのS蛋白IgG抗体価は最大値の1/2まで低下していた。Shrotri氏らは、AstraZenecaのChAdOx1接種後のS蛋白IgG抗体価の時間推移についても検証し、ChAdOx1の2回接種後のS蛋白IgG抗体価の最大値はBNT162b2接種後に比べ1/10と低く、かつ、ワクチン接種後70日以上経過した時点でのS蛋白IgG抗体価は自らの最大値の1/5まで低下することを示した。