リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

フレイルの健診に有用なテキスト公開/国立長寿医療研究センター

 2020年6月、健康長寿教室テキスト第2版が国立長寿医療研究センターの老年学・社会科学研究センターのホームページ上に公開された。これは同施設のフレイル予防医学研究室(室長:佐竹 昭介氏)が手がけたもので、2014年に初版が発刊、6年ぶりの改訂となる。  健康長寿教室テキストは介護予防に役立てるためのパンフレットで、フレイル、サルコペニア、ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)に関する基本的概念に加え、実践編として「お口の体操」「運動」「フレイルや低栄養を予防するための食事の工夫やレシピ」などが掲載されている。このほかにも、最新の話題として、新型コロナなどによる外出制限時の対策にも応用できる内容が紹介されている。なお、健康長寿教室テキストは無料でダウンロードして使えるため、後期高齢者健康診査(いわゆるフレイルの健診)、スタッフ研修、敬老会の資料としても有用である。

脊髄性筋萎縮症治療に新しい治療薬登場/ノバルティス ファーマ

 5月13日、中央社会保険医療協議会は、オンラインで総会を開催し、脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する遺伝子治療用製品としてノバルティス ファーマ株式会社が3月19日に製造販売承認取得したオナセムノゲン アベパルボベク(商品名:ゾルゲンスマ点滴静注)の薬価につき1億6,707万7,222円とすることを了承した。薬価収載は5月20日に行われ、同日に発売された。  ゾルゲンスマは、SMAの根本原因である遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法で、1回の点滴静注で治療が完了する。

10分未満の中高強度身体活動の蓄積でも要介護リスクが低下

 運動を含む身体活動にはさまざまな疾患の予防・改善効果があり、実際に公的機関の健康政策や多くの疾患治療ガイドラインで運動療法が推奨されている。それらの推奨では、1回の身体活動の継続時間を重要視していることが多い。例えば2019年にWHOが策定した認知症予防ガイドラインには、「少なくとも10分以上の長さで有酸素運動を行う」と述べられている。しかし、日常生活の中で運動のために10分以上の連続した時間を確保するのが難しいことも少なくない。

ラジオ体操で筋肉量が維持される-糖尿病患者で実証

 高強度の筋力トレーニングではなく、ラジオ体操でも糖尿病患者の筋肉量維持に有効とする報告が「BMJ Open Diabetes Research & Care」2月24日オンライン版に掲載された。2週間の入院中にラジオ体操をしなかった人は除脂肪体重(筋肉や骨の量を表す指標)が低下したのに対し、1日2回ラジオ体操をした人は除脂肪体重が減らず、上肢や体幹の筋肉量の増加傾向も認められたという。  京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌・代謝内科学の岡村拓郎氏、橋本善隆氏らの研究グループは、同大学附属病院の糖尿病教育入院患者42人のうち15人に対し、朝食前と夕食後の1日2回、ベッドサイドでのラジオ体操を指示。入院中(14日間)の体重と体組成の変化を後ろ向きに検討した。

“本物の手”のようなロボット義手を実現

 切断した腕に残された神経から発せられる信号を、自身の筋肉の組織を利用して増幅させることで、ロボット義手を直感的にコントロールできる技術を開発したと、米ミシガン大学アナーバー校医用生体工学科准教授のCynthia Chestek氏らが「Science Translational Medicine」3月4日オンライン版に発表した。この技術により、ロボット義手を装着した人は指を動かそうと考えるだけで、従来の義手と比べて、より複雑な作業を直感的に行えるようになるという。

自転車通勤は負傷リスクを上げるか?/BMJ

 自転車通勤は、公共交通機関や自動車による通勤と比較して、がんの診断や心血管イベント、死亡が少ない一方で、負傷で入院するリスクが高く、とくに輸送関連事故による負傷リスクが高いことが、英国・グラスゴー大学のClaire Welsh氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2020年3月11日号に掲載された。英国では、自転車通勤は傷病への罹患や死亡のリスクが低いとされてきた。また、国民の自転車通勤への理解の主な障壁は、主観的および客観的な交通の危険性だが、これまでに得られた自転車と負傷に関するエビデンスの質は高くないという。

アキレス腱断裂の治療効果、石膏ギプスvs.機能的装具/Lancet

 アキレス腱断裂で保存療法を受ける患者の管理では、早期の荷重負荷(アキレス腱断裂スコア[Achilles tendon rupture score:ATRS]で評価)において、従来の石膏ギプスは機能的装具に優越せず、資源利用の総費用はむしろ高い傾向にあることが、英国・オックスフォード大学のMatthew L. Costa氏らが行った無作為化試験「UKSTAR試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年2月8日号に掲載された。保存療法を受けるアキレス腱断裂患者では、従来、数週間にわたり石膏ギプスで腱を固定する治療が行われてきた。機能的装具は、より早期に運動を可能にする非手術的な代替療法であるが、有効性と安全性のエビデンスは十分ではないという。

要支援高齢者に対するリハビリテーション専門職主導の短期集中型自立支援プログラムの効果

 医療経済研究機構の服部 真治氏らは、介護保険サービスを利用する必要がなくなり、その利用を終了(介護保険サービスから卒業)するための短期集中型自立支援プログラムの有効性を評価した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2019年10月17日号の報告。  短期集中型自立支援プログラムの構成は、一般的な通所型サービスCと同様であるが、今回のプログラムは、リハビリテーション専門職が中心となり、随時、管理栄養士、歯科衛生士も加わり、毎回20分間(状況に応じて10~30分間)の動機付け面談を実施することにより、利用者が自身の可能性に気付き、元の生活を取り戻すための日々の暮らし方を知り、意欲的に自分自身を管理できるようにすることを目的に開発されている。

ステロイド関節内注射の安全性を否定、米研究

 関節の痛みを緩和するには、ステロイドの関節内注射が行われることが多い。しかし、米ボストン大学医学部教授でVAボストン・ヘルスケア・システム放射線科科長のAli Guermazi氏らの研究から、関節内ステロイド注射はこれまで考えられていたよりも合併症リスクが高く、安全性に疑問がある可能性が示された。詳細は「Radiology」10月15日オンライン版に発表された。  Guermazi氏らは今回、2018年に、自施設で変形性股関節症または変形性膝関節症の治療として実施された計459回のステロイド関節内注射の安全性について調べた。なお、患者の年齢は37~79歳(平均年齢57歳)で、計1~3回の関節内ステロイド注射(平均1.4回)を受けていた。

運動のしすぎが判断力を鈍らせる?

 運動をしすぎると脳の疲労を招き、物事の判断力が鈍る可能性があることが、ピティエ・サルペトリエール病院(フランス)のMathias Pessiglione氏らの研究で示された。持久力を必要とする持久的スポーツにはさまざまな健康へのメリットがあるが、過度のトレーニングで負荷がかかると脳に悪影響が及ぶ可能性があるという。この研究結果は「Current Biology」9月26日オンライン版に発表された。