リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

虚血性下肢症状がPADの歩行運動療法には必要(解説:中澤達氏)-1389

末梢動脈疾患(PAD)患者への在宅歩行運動療法において、低強度の歩行運動は、高強度の歩行運動に比べ、12ヵ月後の6分間歩行距離の改善について有意に効果が低く、運動をしない場合と比べて有意な差はなかった。虚血性下肢症状を感じる強度の歩行運動療法でなければ側副血行の発達、または閉塞にもかかわらず還流されている筋肉の代償運動による歩行距離延長は望めないということであろう。そもそも、監視下歩行運動療法はその強度により効果が証明され保険償還されているので、本研究はそれ以下の強度では効果がないことが追認された。しかしながらこのような研究が複数行われるのは、虚血性下肢症状により施行率、達成率が低く、治療法として確立しているものの汎用性が低いからであろう。これは償還額が低いことと相まって普及を妨げる。

膝の痛みの非外科的な新治療

 加齢とともに膝の痛みを抱えている人が増加するが、新しい非外科的な治療がその悩みを解決してくれるかもしれない。膝状動脈塞栓術(genicular artery embolization;GAE)という治療法がそれだ。約2時間のカテーテル治療で終了し、痛みの軽減効果は長期間維持されるという。この治療法の有用性に関する研究結果が、インターベンショナルラジオロジー学会(SIR2021、3月20~26日、バーチャル開催)で、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のSiddharth Padia氏らにより報告された。

歩く速さとCOVID-19重症化や死亡リスクが関連

 ふだんの歩く速さと、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患時の重症化リスクや死亡リスクとの間に、有意な関連があるとするデータが報告された。英レスター大学のThomas Yates氏らの研究によるもので、詳細は「International Journal of Obesity」に2月26日掲載された。  この研究は、英国で行われている中高年者対象の大規模前向きコホート研究「UK Biobank」のデータを解析したもの。論文の筆頭著者であるYates氏は、「これは、歩行速度が遅い人はCOVID-19罹患時に重篤になりやすいことを示した初の研究だ」と述べている。  解析対象は、2020年3月16日~8月24日のUK Biobank登録データ41万2,596人(年齢中央値68歳、普通体重33.7%、過体重42.9%、肥満23.9%)。2020年8月24日までに、COVID-19重症患者1,001人と、COVID-19により死亡した患者336人が記録されていた。年齢、性別、民族、併存疾患数などで調整後、肥満カテゴリー別、歩行速度別にCOVID-19重症化リスクと死亡リスクを検討した。

アプリでのバランス感覚練習、2年で高齢者の転倒率低下/BMJ

 StandingTallは、アプリケーションを用いて自宅で行うe-ヘルスのバランス感覚練習プログラム。オーストラリア・Neuroscience Research AustraliaのKim Delbaere氏らは、高齢者の自己管理による転倒予防におけるStandingTallの有用性を検討し、1年間では転倒率や転倒者の割合は改善されないものの、2年間継続すると、転倒率や処置を要する転倒の割合が低下する可能性があることを示した。研究の成果は、BMJ誌2021年4月6日号に掲載された。

PADの歩行運動療法、低強度では有効性なし/JAMA

 末梢動脈疾患(PAD)患者への在宅歩行運動療法において、低強度の歩行運動は、高強度の歩行運動に比べ、12ヵ月後の6分間歩行距離の改善について有意に効果が低く、運動をしない場合と比べて有意な差はなかった。米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らが、305例を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。運動能力の低下したPAD患者には、監督下で行う虚血性下肢症状を誘発する高強度の歩行運動が初回療法とされているが、そのアドヒアランスは不良であることが知られている。著者は、「今回の結果は、PAD患者の客観的測定に基づく歩行能力改善のための低強度の在宅歩行運動は支持されないことを示すものであった」と述べている。JAMA誌2021年4月6日号掲載の報告。

関節機能改善剤のジョイクル関節注、国内製造販売承認取得

 小野薬品工業株式会社と生化学工業株式会社は、3月23日、関節機能改善剤「ジョイクル(R)関節注30mg」(一般名:ジクロフェナクエタルヒアルロン酸ナトリウム)について、「変形性関節症(膝関節、股関節)」の効能又は効果で国内製造販売承認を厚生労働省より取得したことを発表した。  ジョイクルは関節機能改善剤において、変形性股関節症の適応を持つ国内初の医薬品。生化学工業独自の薬剤結合技術を用いヒアルロン酸にジクロフェナク(抗炎症薬)を化学結合した薬剤で、加水分解によってジクロフェナクを遊離する。

視神経脊髄炎スペクトラム障害の治療薬/田辺三菱製薬

 田辺三菱製薬株式会社は、「視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防」を適応症とした治療薬イネビリズマブ(商品名:ユプリズナ 点滴静注 100mg)の製造販売承認を2021年3月23日に取得した。  視神経脊髄炎スペクトラム障害(Neuromyelitis Optica Spectrum Disorder:NMOSD)は、わが国での有病率が10万人あたり2~4人と少ない疾患で、重度の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする中枢神経系の自己免疫疾患であり、指定難病となっている。

膝OAの高強度筋トレ、1年半後のアウトカムは?/JAMA

 変形性膝関節症(膝OA)の患者への介入として、高強度筋力トレーニングは低強度筋力トレーニングや注意制御と比較して、膝痛や膝関節圧縮力の長期的な改善効果をもたらさないことが、米国・ウェイクフォレスト大学のStephen P. Messier氏らが実施した「START試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2021年2月16日号で報告された。大腿筋の筋力低下は、膝の痛みや変形性関節疾患の進行と関連するため、米国の診療ガイドラインは変形性膝関節症患者に筋力トレーニングを推奨している。高強度筋力トレーニングは、関節への圧迫力が大きいため変形性膝関節症の症状を悪化させる可能性があるものの、短期であれば安全で、高齢患者にも十分に忍容可能とされる。

HFpEF患者の運動療法、強度別の効果のほどは?/JAMA

 左室駆出率(LVEF)の保たれた心不全(HFpEF)患者において、高強度インターバルトレーニング(HIT)群と中強度持続的トレーニング群との間で、3ヵ月後の最高酸素摂取量(peak Vo2)のベースラインからの変化量に有意差はなく、いずれの群も対照群と比較して事前定義の臨床的に意義のある最小変化量を満たさなかった。ドイツ・ミュンヘン工科大学のStephan Mueller氏らが、欧州の5施設で実施した無作為化臨床試験「Optimizing Exercise Training in Prevention and Treatment of Diastolic Heart Failure(OptimEx-Clin)」の結果を報告した。著者は、「HFpEF患者において、ガイドラインに基づく身体活動と比較し、HITまたは中強度持続的トレーニングのいずれも支持されない」とまとめている。持久運動はHFpEF患者においてpeak Vo2の改善に有効であるが、運動法の違いにより効果が異なるかは不明であった。JAMA誌2021年2月9日号掲載の報告。

COVID-19による隔離中に遠隔リハビリが有用―藤田医大

 新型コロナウイルスに感染して隔離状態にある人のために開発された、遠隔リハビリテーションの有用性に関する論文が、12月10日発行の「JMIR Rehabilitation and Assistive Technologies」に掲載された。市販のデバイスを用いたシステムであり、低コストかつ操作が簡便で臨床導入へのハードルが低いことが特徴。藤田医科大学医学部リハビリテーション医学I講座の向野雅彦氏、大高洋平氏らが報告した。  隔離状態が長引くと身体機能低下の懸念が生じる。それに対し予防的なリハビリテーション(以下、リハビリ)が有効と考えられるが、ウイルス伝播のリスクを伴うため、従来のようにスタッフが患者に接して行うリハビリ介入は困難である。