リハビリテーション科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:3

アキレス腱断裂の治療効果、石膏ギプスvs.機能的装具/Lancet

 アキレス腱断裂で保存療法を受ける患者の管理では、早期の荷重負荷(アキレス腱断裂スコア[Achilles tendon rupture score:ATRS]で評価)において、従来の石膏ギプスは機能的装具に優越せず、資源利用の総費用はむしろ高い傾向にあることが、英国・オックスフォード大学のMatthew L. Costa氏らが行った無作為化試験「UKSTAR試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2020年2月8日号に掲載された。保存療法を受けるアキレス腱断裂患者では、従来、数週間にわたり石膏ギプスで腱を固定する治療が行われてきた。機能的装具は、より早期に運動を可能にする非手術的な代替療法であるが、有効性と安全性のエビデンスは十分ではないという。

要支援高齢者に対するリハビリテーション専門職主導の短期集中型自立支援プログラムの効果

 医療経済研究機構の服部 真治氏らは、介護保険サービスを利用する必要がなくなり、その利用を終了(介護保険サービスから卒業)するための短期集中型自立支援プログラムの有効性を評価した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2019年10月17日号の報告。  短期集中型自立支援プログラムの構成は、一般的な通所型サービスCと同様であるが、今回のプログラムは、リハビリテーション専門職が中心となり、随時、管理栄養士、歯科衛生士も加わり、毎回20分間(状況に応じて10~30分間)の動機付け面談を実施することにより、利用者が自身の可能性に気付き、元の生活を取り戻すための日々の暮らし方を知り、意欲的に自分自身を管理できるようにすることを目的に開発されている。

ステロイド関節内注射の安全性を否定、米研究

 関節の痛みを緩和するには、ステロイドの関節内注射が行われることが多い。しかし、米ボストン大学医学部教授でVAボストン・ヘルスケア・システム放射線科科長のAli Guermazi氏らの研究から、関節内ステロイド注射はこれまで考えられていたよりも合併症リスクが高く、安全性に疑問がある可能性が示された。詳細は「Radiology」10月15日オンライン版に発表された。  Guermazi氏らは今回、2018年に、自施設で変形性股関節症または変形性膝関節症の治療として実施された計459回のステロイド関節内注射の安全性について調べた。なお、患者の年齢は37~79歳(平均年齢57歳)で、計1~3回の関節内ステロイド注射(平均1.4回)を受けていた。

運動のしすぎが判断力を鈍らせる?

 運動をしすぎると脳の疲労を招き、物事の判断力が鈍る可能性があることが、ピティエ・サルペトリエール病院(フランス)のMathias Pessiglione氏らの研究で示された。持久力を必要とする持久的スポーツにはさまざまな健康へのメリットがあるが、過度のトレーニングで負荷がかかると脳に悪影響が及ぶ可能性があるという。この研究結果は「Current Biology」9月26日オンライン版に発表された。

足で描く画家の脳地図は足指が手指のように変化

 幼少期から足を手の代わりに使っていると、脳内で通常とは異なる地図がつくられるようだ。英ロンドン大学認知神経科学研究所のHarriet Dempsey-Jones氏らが、足の指を使って絵を描く2人の画家の脳画像を調べたところ、足の指に対応する地図が手の指に対応する地図と似たものになっていることが明らかになった。研究の詳細は、「Cell Reports」9月10日オンライン版に掲載された。  英国のTom Yendell氏とPeter Longstaff氏は生まれつき手がなく、足の指を使って絵を描いている。Dempsey-Jones氏らは、2人の画家の脳を機能的MRIと呼ばれる画像検査で調べ、四肢に異常のない9人の脳画像所見と比較した。

大腿骨近位部骨折は社会的損失も大

 日本整形外科学会(理事長:松本 守雄氏[慶應義塾大学医学部整形外科学教室 教授])は、「骨と関節の日(10月8日)」を前に、9月5日に都内で記者説明会を開催した。説明会では、学会の概要や活動報告、運動器疾患の現況と今後の取り組みについて説明が行われた。また、「大腿骨近位部骨折とロコモティブシンドローム」をテーマに講演も行われた。  はじめに理事長挨拶として松本氏が登壇し、1926年の学会設立以来、順調に会員を増やし、現在では2万5,126名の会員数を誇る世界有数規模の運動器関連学会であると説明。従来の変性疾患、外傷、骨・軟部腫瘍、骨粗鬆症などのほか、今日ではロコモティブシンドローム(ロコモ)の診療・予防に力を入れ、ロコモの認知度向上だけでなく、ロコモ度テストの開発・普及、ロコモーショントレーニング(ロコトレ)の研究・普及などにも積極的に活動していることを紹介した。

新たな3Dバイオプリントで心臓部位の作製に成功、米大学

 米カーネギーメロン大学のAndrew Lee氏らは、新たな3Dバイオプリンティング法を開発し、コラーゲンからヒトの心臓を構成する部位の作製に成功したと、「Science」8月2日号に発表した。同氏らは、この研究成果は、3Dプリンターによる人工心臓の作製技術をさらに前進させる重要な一歩になるものだとしている。  コンピュータモデルに基づき三次元の物体を作製する3Dプリント技術は、さまざまな産業で応用が進んでいる。近年では、3Dの「バイオプリンティング」技術が開発され、個々の患者用にカスタムメイドされた人体の組織や臓器を作製し、移植治療につなげられるのではとの期待が寄せられている。

内側に限局する膝OAに対してはTKRよりPKRが望ましい?― TOPKAT試験より(解説:小林秀氏)-1106

内側型の末期変形性膝関節症(膝OA)に対する人工膝関節置換手術は、TKR(全置換)とPKR(単顆置換として知られる)の2種類に大別できる。TKRの多くは十字靭帯を切除し骨切除量も多くなるが、PKRでは内側コンパートメントのみを置換するため十字靭帯も温存でき骨切除量も少なく、早期回復が可能となる。TKRは古くから行われ、安定した長期成績が報告されているが、一方で患者満足度は約80%程度とされており、人工股関節手術に比べ術後満足度が低いことが知られている。近年PKRは、手術手技が改善され、侵襲の少なさから高い術後満足度が期待され普及しつつあるが、一方で手術適応(どこまでの変形に対して適応となるか)、長期成績、合併症の問題も懸念されるためか、施設によってはまったく施行されていないという現状がある。TKRとPKRの術後成績の比較は、適応のばらつきが大きく、確固たるエビデンスがほとんど示されていなかったため、今回のTotal or Partial Knee Arthroplasty Trial(TOPKAT)試験は多施設共同無作為化比較試験であり、これらの疑問に答える大変興味深い試験となった。

手術不要な心不全患者の救急搬送を減らすには?

 救急車で運ばれた心不全患者のうち、約8割の患者は手術が不要であったことが、厚生労働省作成による診断群分類毎の集計結果(2017年)から明らかになった。これはいったい何を意味しているのだろうか-。2019年8月8日に開催されたメディアセミナー『ハート・トーク2019』において、磯部 光章氏(榊原記念病院 院長/東京医科歯科大学名誉教授)が「脳卒中・循環器病対策基本法について」、代田 浩之氏(順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学)が「心臓病の二次予防と心臓リハビリテーション」について講演。トークセッションでは、俳優の渡辺 徹氏が心筋梗塞の発症当時のエピソードや再発予防策について語った(日本心臓財団、アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社共催)。

乳がんリンパ浮腫のセルフケア、Webとパンフレットどちらが効果的

 乳がん治療関連リンパ浮腫(BCRL)患者のケアに対するウェブベースのマルチメディアツールを用いた介入(WBMI)の結果が示された。米国・ヴァンダービルト大学のSheila H. Ridner氏らによる検討で、WBMIを受けた患者は、対照(パンフレットのみ)より生物行動症状(気分)が改善し、介入に対する知覚価値も高いことが示されたという。ただし、WBMI群は完遂率が低く、他の評価項目については大きな違いはみられなかったとしている。Journal of Women's Health誌オンライン版2019年7月17日号掲載の報告。