過体重・肥満の膝OA疼痛、食事・運動療法は有効か/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2023/01/04

 

 過体重または肥満の変形性膝関節症患者では、18ヵ月間の食事療法と運動療法を組み合わせたプログラムは生活指導のみの場合と比較して、わずかだが統計学的に有意な膝痛の改善をもたらしたものの、この改善の臨床的な意義は不明であることが、米国・ウェイクフォレスト大学のStephen P. Messier氏らが実施した「WE-CAN試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2022年12月13日号に掲載された。

米国の1州3郡での無作為化臨床試験

 WE-CAN試験は、米国ノースカロライナ州の3つの郡(都市部1郡、農村部2郡)で行われた無作為化臨床試験であり、2016年5月~2019年8月の期間に参加者の登録が行われた(米国国立関節炎・骨格筋/皮膚疾患研究所[NIAMS]の助成を受けた)。

 対象は、年齢50歳以上、過体重または肥満(BMI値≧27)の変形性膝関節症(米国リウマチ学会基準で判定)の患者であった。被験者は、地域の施設で18ヵ月間の食事・運動介入を受ける群(介入群)またはattention control(生活指導)を受ける群(対照群)に無作為に割り付けられた。

 主要アウトカムは、18ヵ月の時点におけるWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)の膝痛スコア(0[痛みなし]~20[重度の痛み]点)の差(臨床的に意義のある最小差[MCID]1.6点)であった。

有意差はあるが、MCIDに達せず

 823例が登録され、介入群に414例(平均年齢64.5歳、女性320例[77.3%]、平均体重100.7kg、平均BMI値36.7)、対照群に409例(64.7歳、317例[77.5%]、101.1kg、36.9)が割り付けられた。658例(80%)(介入群336例、対照群322例)が試験を完遂した。

 18ヵ月の時点での補正後平均WOMAC膝痛スコアは、介入群が5.0点と、対照群の5.5点に比べ有意に改善した(補正後群間差:-0.6点、95%信頼区間[CI]:-1.0~-0.1、p=0.02)。

 7項目の副次アウトカムのうち次の5項目で、介入群が対照群に比べ有意に改善した(ベースラインから18ヵ月後までの変化量)。体重(-7.7kg vs.-1.7kg、平均群間差:-6.0kg、95%CI:-7.3~-4.7、p<0.001)、ウエスト周囲長(-9cm vs.-4cm、-5cm、-7~-4、p<0.001)、WOMAC機能障害スコア(0~68点、点数が高いほど機能障害が重度、MICD:6点)(-9.2点vs.-5.5点、-3.3点、-4.9~-1.7、p<0.001)、6分間歩行距離(41m vs.-4m、43m、31~55、p<0.001)、SF-36身体機能スコア(0~100点、点数が高いほど身体機能が良好、MICD:5点)(6.7点vs.2.1点、3.8点、2.5~5.2、p<0.001)。

 重篤な有害事象が169件(介入群70件、対照群99件)発現したが、試験と明らかに関連するものはなかった。729件の有害事象のうち32件(4%)が試験と関連し、身体の負傷が10件(介入群9件、対照群1件)、筋挫傷(肉離れ)が7件(6件、1件)、つまずき/転倒が6件(6件、0件)などであった。

 著者は、「食事療法と運動療法による7.7kg(8%)の減量と、ウエスト周囲長の9cmの短縮は、変形性膝関節症の高齢者に健康上の利益をもたらす可能性がある」としている。

(医学ライター 菅野 守)